JP2005031742A - 電子機器、電子機器の利用制限報知方法、電子機器の利用制限報知プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワークプリンタ1の利用が許可されていないホストに対して、利用が制限されている旨を報知する際における、通信パフォーマンスおよびセキュリティを向上させる。
【解決手段】ネットワークプリンタ1は、利用要求の送信元ホストがネットワークプリンタ1の利用を許可されているものであるか否かを判断するアドレス制限管理部10と、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理するアクセス回数管理部11と、アクセス回数管理部11に管理されるアクセス回数に応じて、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する利用制限報知部12とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】ネットワークプリンタ1は、利用要求の送信元ホストがネットワークプリンタ1の利用を許可されているものであるか否かを判断するアドレス制限管理部10と、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理するアクセス回数管理部11と、アクセス回数管理部11に管理されるアクセス回数に応じて、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する利用制限報知部12とを備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のホストにネットワーク接続されて共同利用されている電子機器、特にネットワーク経由で送信される印刷データを印刷するネットワークプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のネットワークプリンタは、たとえば特許文献1に記載されているように、印刷を許可するホストと印刷を許可しないホストとを、IP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Medium Access Control)アドレスを用いて選別している。そして、印刷不許可のホストから印刷要求があった場合、従来のネットワークプリンタは、該ホストから送信される印刷ジョブや印刷装置に対するコマンド、通信コマンド等のパケットを破棄するだけであり、該ホストとの間に双方向の通信を確立させて該ホストにエラー情報を送信する、ということは行われていなかった。したがって、従来のネットワークプリンタにおいて印刷が許可されていないホストのユーザは、該ネットワークプリンタにおいてどうして印刷ができないのか、という理由を明確に把握することができなかった。
【0003】
このような従来のネットワークプリンタにおける問題点に鑑み、たとえば以下の特許文献2においては、ネットワークプリンタが受信した印刷要求の送信元が、同ネットワークプリンタにより印刷不可と判断されるときに、印刷要求の送信元ホストに警告信号を送出することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−104955号公報(1995年4月21日公開)
【0005】
【特許文献2】
特開平10−143338号公報(1998年5月29日公開)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2のネットワークプリンタでは、印刷不可と判断されるホストから印刷要求がある度に、警告信号送出のための双方向の通信が毎回確立されることになる。したがって、特許文献2のネットワークプリンタでは、ネットワークプリンタに過度の負荷がかかるという問題が生じる。さらに、警告信号送出の度に通信が毎回確立されると、それだけネットワークプリンタと印刷不許可のホストとが接続される機会が多くなるので、セキュリティ管理の観点からも問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ネットワーク接続された電子機器の利用が許可されていないホストに対して、利用が制限されている旨を報知する際における、通信パフォーマンスおよびセキュリティを向上させることができる電子機器、電子機器の利用制限報知方法、電子機器の利用制限報知プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、複数のホストからネットワークを経由して送信される利用要求に対応する処理を実行可能な電子機器であって、上記利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断する利用制限管理手段と、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理するアクセス回数管理手段と、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する利用制限報知手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、本発明の電子機器は、利用要求を送信したホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを、利用制限管理手段により判断することができる。そして、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されていないものであると判断した場合には、そのホストからのアクセス回数をアクセス回数管理手段により管理することができる。さらに、利用制限報知手段はアクセス回数管理手段により管理される上記アクセス回数に応じて、利用が許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する。
【0010】
よって、利用不許可のホストから所定回数のアクセスがあるまでは、アクセスがある度に利用が制限されていることを当該ホストに報知する一方で、利用不許可のホストが所定回数を超えるアクセスを行った場合においてはそのホストに利用が制限されていることを報知しないように構成することができる。
【0011】
このように本発明の電子機器では、利用不許可のホストからのアクセス回数に応じてそのホストに利用が制限されていることを報知することができるので、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に上限を設けることができる。したがって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会を、該ホストのアクセス回数に応じて制限することができる。
【0012】
よって、利用不許可のホストに対して通信を行う回数を低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを向上させることができる。また、利用不許可のホストと電子機器との間に通信が確立される機会が低減されれば、それだけ利用不許可のホストが電子機器に関する情報を取得する機会を低減することができるので、電子機器を利用する際のセキュリティを向上させることができる。
【0013】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されるホストを特定可能なホスト特定情報を記憶するホスト特定情報記憶手段を備えていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、利用制限管理手段は、ホスト特定情報記憶手段に記憶されたホスト特定情報を参照することによって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されたものであるのか否かを判断することができる。よって、制限制限管理手段における判断をより的確なものとし、電子機器を利用する際のセキュリティをさらに向上させることができる。なお、ホスト特定情報としては、IPアドレスやMACアドレス等のアドレス情報、ネットワークログイン時のログインユーザ名などを用いることができる。
【0015】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報が、各ホストに設定されるアドレス情報であることを特徴としている。
【0016】
すなわち、各ホストが電子機器に対してネットワーク経由の利用要求を送信する際には、その利用要求とともにそのホストのアドレス情報が送信されることが一般的である。よって、ホスト特定情報としてのアドレス情報を参照すれば、そのホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを容易に判断することができる。
【0017】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報記憶手段が、上記ホスト特定情報をホスト特定情報管理テーブルとしてテーブル形式で記憶していることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、ホスト特定情報記憶手段にはホスト特定情報がテーブル形式にて記憶されているので、利用制限管理手段は、ホスト特定情報管理テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断することができる。
【0019】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができる。
【0020】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶手段を備えていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、アクセス回数管理手段はアクセス回数記憶手段に記憶されたアクセス回数を参照することによって、電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されている旨の報知を行うことができる。よって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会をより的確に低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させることができる。
【0022】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数記憶手段が、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数をアクセス回数記憶テーブルとしてテーブル形式で記憶していることを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、アクセス回数記憶手段には電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数がテーブル形式にて記憶されているので、アクセス回数管理手段は、アクセス回数記憶テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用不許可のホストからのアクセス回数を把握することができる。
【0024】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができる。
【0025】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストに対して許可されるアクセス回数の閾値を記憶する閾値記憶手段を備えていることを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、利用不許可のホストに対して許可されるアクセス回数の閾値が閾値記憶手段に記憶されているので、利用制限報知手段は、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に的確な制限を設けることができる。よって、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させるとともに、電子機器を利用する際のセキュリティを確実に向上させることができる。
【0027】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に基づき、上記電子機器の利用を許可されていないホストからの利用要求に応じて特定処理を実行することを特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、電子機器の利用を許可されていないホストから電子機器の利用要求が電子機器に行われた場合においても、そのホストのアクセス回数に基づき電子機器は特定処理を実行する。よって、電子機器の利用を許可されていないホストが事後的に電子機器の利用権限を認められた際に必要な処理、たとえば電子機器の動作環境の設定変更処理やテスト印刷処理を、利用不許可のホストが所定回数のアクセスを電子機器に行うまで電子機器に実行させることができる。したがって、電子機器を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0029】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、上記電子機器の動作環境の設定変更処理であることを特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、電子機器の動作環境の設定変更処理を行うことができる。
【0031】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべき電子機器の動作環境の設定変更を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができる。
【0032】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷するテスト印刷処理であることを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷することができる。
【0034】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべきテスト印刷処理を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができる。
【0035】
さらに、本発明の電子機器は、ネットワークプリンタであることを特徴としている。
【0036】
すなわち、ネットワークプリンタは、ネットワーク接続型の電子機器として最も広く普及しているものであるとともに、該プリンタに接続されるホストの変更が頻繁に行われることからセキュリティを保証する必要性が高いといえる。したがって、本発明によれば、ネットワークプリンタにおける通信パフォーマンスおよびセキュリティを向上させることができるので、消費者ニーズに的確に対応したネットワークプリンタを提供することができる。
【0037】
また、本発明の電子機器の利用制限報知方法は、複数のホストからネットワークを経由して送信される利用要求に対応する処理を実行可能な電子機器の利用制限報知方法であって、上記利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを上記電子機器の利用制限管理手段により判断する第1ステップと、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を上記電子機器のアクセス回数管理手段により管理する第2ステップと、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを上記電子機器の利用制限報知手段により報知する第3ステップとを備えていることを特徴としている。
【0038】
上記構成の電子機器の利用制限報知方法によれば、本発明の電子機器と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
また、本発明の電子機器の利用制限報知プログラムは、上記利用制限報知方法における各ステップをコンピュータに実行させるためプログラムであることを特徴としている。
【0040】
上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記利用制限報知方法を実現することが可能となる。
【0041】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを記録していることを特徴としている。
【0042】
上記記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記プログラムを実現することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の電子機器の一実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。
【0044】
図1に示すように、本実施の形態のネットワークプリンタ(電子機器)1は、操作部2と、表示部3と、印刷部4と、通信部5と、制御部6と、記憶部7とを備えている。
【0045】
操作部2は、ユーザからの指示入力を受け付けるものであり、タッチパネル、テンキー、各種操作キーなどにより構成されている。表示部3は、ネットワークプリンタ1における処理内容をユーザに提示するものであり、液晶ディスプレイ等により構成される。印刷部4は、端末装置としてのホストA〜Eからネットワークを介してネットワークプリンタ1に送信されるプリントジョブを印刷するものである。通信部5は、ネットワークプリンタ1とホストA〜Eとの間における通信インターフェースとして機能するものである。
【0046】
制御部6は、ネットワークプリンタ1における処理を統括的に制御するものである。具体的には、操作部2に入力されたユーザ指示をネットワークプリンタ1において実現する処理、表示部3における表示処理、および印刷部4における印刷処理などを制御する。
【0047】
また、制御部6は、アクセス判定部8と、通信制御部9とを備えている。アクセス判定部8は、ネットワークプリンタ1に利用要求を送信したホストが、ネットワークプリンタ1の利用を許可されているか否かを判定するものである。具体的には、アクセス判定部8は、アドレス制限管理部(利用制限管理手段)10と、アクセス回数管理部(アクセス回数管理部)11とを備えている。これら各ブロックの機能については後述する。
【0048】
通信制御部9は、通信部5における通信処理を制御するものであり、利用制限報知部(利用制限報知手段)12を備えている。この利用制限報知部12は、アクセス判定部8の判定結果に基づき、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストに警告メッセージを送信する。警告メッセージの送信手順については後述する。
【0049】
記憶部7は、ネットワークプリンタ1における処理に必要な各種設定内容、プリントジョブなどを記憶するものであり、DRAMやハードディスクなどのハードウェア資源により構成される。また、記憶部7は、許可アドレス記憶部(ホスト特定情報記憶手段)13と、アクセス回数記憶部(アクセス回数記憶手段)14と、閾値記憶部(閾値記憶手段)15とを備えている。これら各ブロックの機能については後述する。
【0050】
上記構成により、ネットワークプリンタ1は、アクセス判定部8により利用要求の送信元ホストが該プリンタの利用を許可されているものであるか否かを判定するとともに、送信元ホストが該プリンタの利用を許可されたものでない場合、利用制限報知部12を用いてその送信元ホストに警告メッセージを送信する。特に、ネットワークプリンタ1は、その利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理し、そのアクセス回数に基づき上記警告メッセージを送信することに特徴点がある。以下、この特徴点についてより具体的に説明する。
【0051】
図2に示すように、先ず、ネットワークプリンタ1の通信部5により、各ホストからの利用要求がネットワークを介して受信される(ステップ1、以下単にステップをSと記載する)。なお、以下ではホストからの利用要求がネットワークプリンタ1に対する印刷要求である場合について説明するが、これに限定されるものではない。
【0052】
その後、印刷要求の送信元のホストが、登録されたアドレスを有しているか否かが、アクセス判定部8におけるアドレス制限管理部10により判断される(S2)。より具体的には、アドレス制限管理部10は、記憶部7における許可アドレス記憶部13に格納されたアドレス制限管理テーブルを参照することにより、送信元ホストが利用を許可されたものであるのか否かを判断する。
【0053】
このアドレス制限管理テーブル(ホスト特定情報管理テーブル)とは、たとえば図3に示すように、ネットワークプリンタ1の利用を許可されているホストを特定するホスト特定情報として、IPアドレスが格納されているテーブルである。もちろん、アドレス制限管理テーブルには、IPアドレスではなくMACアドレスやネットワークログイン時のログインユーザ名をホスト特定情報として格納してもよい。
【0054】
このように、アドレス制限管理テーブルにはネットワークプリンタ1の利用を許可されたホストのIPアドレスが登録されているので、アドレス制限管理部10は、印刷要求送信元のホストのIPアドレスが該テーブルに格納されているか否かを判断することによって、印刷要求送信元ホストが利用を許可されたものであるのかを判断することができる。
【0055】
S2において印刷要求の送信元ホストが登録アドレスを有していると判断された場合、通信制御部9は、該ホストと通信部5とのネットワーク接続を確立させる(S3)。その後、通信制御部9は、通信部5を介して該ホストからの印刷データを受信する(S4)。その後、制御部6は、S4にて受信された印刷データの処理、具体的には印刷部4における印刷処理を実行する(S5)。
【0056】
一方、S2にて印刷要求の送信元ホストが登録アドレスを有していないと判断された場合、アクセス回数管理部11は、印刷要求の送信元ホストからネットワークプリンタ1に対する所定回数のアクセスが過去にあったか否かを判断する(S6)。
【0057】
S6における処理をより具体的に説明する。S6においては、アクセス回数管理部11が、記憶部7におけるアクセス回数記憶部14に格納されたアクセス回数記憶テーブル、および閾値記憶部15に記憶された閾値を参照することにより、上記の判断を行う。
【0058】
ここで、アクセス回数記憶テーブルとは、図4に示すように、IPアドレス、最終アクセス日時、および過去のネットワークプリンタに対するアクセス回数をホスト毎に格納したテーブルである。なお、アクセス回数記憶テーブルには最低限IPアドレスとアクセス回数とが格納されていればよい。また、IPアドレスの代わりにMACアドレスが格納されていてもよい。
【0059】
また、閾値記憶部15に記憶された閾値とは、ネットワークプリンタ1の利用が許可されていないホストについて許容されるアクセス回数の上限値である。
【0060】
すなわち、S6において、アクセス回数管理部11は、印刷要求の送信元ホストから過去にアクセスがあった回数を上記アクセス回数記憶テーブルを参照することにより把握し、今回のアクセスが、上記閾値以内の回数のものであるか否かを判断する。
【0061】
なお、許可アドレス記憶部13に格納されたアドレス制限管理テーブル、アクセス回数記憶部14に格納されたアクセス回数記憶テーブル、閾値記憶部15に記憶された閾値は、必要に応じて更新可能とされることが好ましい。これにより、ネットワークを構成するホストが変更された場合において、新たにネットワークプリンタ1の利用を許可するホストを順次設定することができる。
【0062】
S6において今回のアクセスが所定回数内のものではないと判断された場合、通信制御部9は、印刷要求のあった印刷データを通信部5にて削除するよう、通信部5を制御する(S7)。よって、この場合、印刷要求のあった印刷データは、ネットワークプリンタ1において通信部5よりも内部のブロックに取得されることはない。
【0063】
一方、S6において今回のアクセスが所定回数内のものであると判断された場合、利用制限報知部12は、通信部5を用いて印刷要求の送信元ホストに警告メッセージを送信する(S8)。たとえば、印刷要求の送信元ホストのディスプレイに、該ホストがネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストであることを知らせるメッセージを表示する。このようなメッセージの一例としては、「利用権限がありません。今後、印刷や接続は中止されます。機器管理者にお問い合わせください。」というようなメッセージを考え得る。
【0064】
S8の処理の後、アクセス回数管理部11は、今回のアクセスが何回目であるかを上記アクセス回数記憶テーブルに記憶する(S9)。なお、S8の後にS9の処理を必ず行う必要は無く、S8の前にS9の処理を行ってもよいし、S8とS9の処理を同時に行ってもよい。
【0065】
以上のS1〜S9を踏むことにより、ネットワークプリンタ1は、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストが閾値回数のアクセスをネットワークプリンタ1に対して行うまで該ホストに警告メッセージを送信する一方、該ホストが閾値を超えるアクセスを行った場合においては印刷要求に係る印刷データを削除し警告メッセージの送信は行わない。
【0066】
すなわち、ネットワークプリンタ1は、利用を許可されていないホストからアクセスがある度に警告メッセージを送信するということは行わず、該ホストからのアクセス回数に応じて警告メッセージの送信をするか否かを判断する。したがって、警告メッセージの送信回数が制限されているので、ホストとの通信処理負担を軽減することができるとともに、セキュリティを向上させることができる。
【0067】
なお、上記の説明では、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストから印刷要求があった場合、すなわち利用不許可のホストがネットワークプリンタ1を印刷処理に用いるためにアクセスした場合について説明した。しかしながら、利用不許可のホストが、ネットワークプリンタ1の動作環境の設定変更(オートコンフィグ)や、ネットワークプリンタ1の印刷状態をテストする印刷(以下単にテスト印刷という)のために、ネットワークプリンタ1にアクセスした場合においてまで、設定変更やテスト印刷が行われないことはネットワークプリンタ1の管理上問題がある場合がある。
【0068】
そこで、本実施の形態のネットワークプリンタ1は、以下の手順により、上記設定変更やテスト印刷を利用不許可のホストからのアクセスであっても実行することが可能とされている。
【0069】
図5に示すように、S11においてネットワークプリンタ1の通信部5により各ホストからの利用要求がネットワークを介して受信された後、利用要求の送信元ホストが登録されたアドレスを有しているか否かがアドレス制限管理部10により判断される(S12)。S12における判断は、図2のS2と同様の手順により行われる。
【0070】
S12にて利用要求の送信元ホストが登録アドレスを有していると判断された場合、図2のS3〜S5と同様の処理であるS13〜S15を踏むことにより印刷処理が実行される。
【0071】
一方、S12にて利用要求の送信元ホストが登録アドレスを有していないと判断された場合、アクセス回数管理部11は、利用要求の送信元ホストからネットワークプリンタ1に対する所定回数のアクセスが過去にあったか否かを判断する(S16)。S16における判断は、図2のS6と同様の手順により行われる。
【0072】
S16にて今回のアクセスが所定回数内のものではないと判断された場合、通信制御部9は、利用要求としての印刷要求があった印刷データを通信部5にて削除するよう、通信部5を制御する(S17)。
【0073】
一方、S16にて今回のアクセスが所定回数内のものであると判断された場合、通信制御部9は、通信部5にて利用要求に係るデータを受信し(S18)、その内容をS19にて判断する。ここで、利用要求に係るデータとしては、テスト印刷を要求するデータや、ネットワークプリンタ1における各種設定の変更を要求するデータ等、ネットワークプリンタ1の利用が許可されていないホストに対して例外的にその利用が認められているネットワークプリンタ1の特定の処理を要求するデータであればよい。
【0074】
S19にて利用要求に係るデータがテスト印刷を要求するデータであると判断された場合、印刷部4によりテスト印刷が実行される(S20)。具体的には、図6に示すように、代表的な文字のいくつかが試験的に印刷媒体に印刷される。
【0075】
S20の後、利用制限報知部12は、通信部5を用いて利用要求の送信元ホストに警告メッセージを送信する(S21)。具体的には、図6に示すように、テスト印刷の結果物に利用権限がないことを知らせる警告メッセージを印刷してもよいし、図7に示すように、利用要求の送信元ホストのディスプレイに同様の警告メッセージを表示してもよい。なお、S21の処理は、S20の前に行ってもよいし、S20と同時に行ってもよい。
【0076】
一方、S19にて、利用要求に係るデータがネットワークプリンタにおける各種設定の変更を要求するデータであると判断された場合、通信制御部9は通信部5を介してネットワークプリンタ1の機器情報を利用要求の送信元ホストに送信する(S22)。その結果、利用要求の送信元ホストのディスプレイには、図8に示すように、ネットワークプリンタ1の給紙トレイや排紙位置を変更するための画面が表示される。
【0077】
S22の後、利用制限報知部12は、通信部5を用いて利用要求の送信元ホストに警告メッセージを送信する(S23)。具体的には、利用要求の送信元ホストのディスプレイにおいて、図9に示すように利用権限がないことを知らせる警告メッセージが表示される。なお、S23の処理は、S22の前に行ってもよいし、S22と同時に行ってもよい。
【0078】
S21またはS23の処理が終わった後、アクセス回数管理部11は、上記ホストからのテスト印刷や設定変更の要求を1回のアクセスとしてカウントする(S24)。具体的には、アクセス回数管理部11は、図4に示されるアクセス回数記憶テーブルにおけるアクセス回数を1増やす。
【0079】
また、S19にて、利用要求に係るデータがネットワークプリンタ1において許可されていない動作に係るデータであると判断された場合には、制御部6は、S17において上記利用要求に係るデータを削除する(S17)。
【0080】
以上のS11〜S24を踏むことにより、ネットワークプリンタ1は、利用を許可されていないホストに対して、閾値回数内のアクセスについては特定の動作(テスト印刷、設定変更等)を認める構成としてもよい。
【0081】
なお、上記では本発明の電子機器の一実施形態としてのネットワークプリンタについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、複数のホストにネットワーク接続されることによって共同利用されている電子機器について適用可能である。このような電子機器としては、たとえばネットワーク接続型のファクシミリ装置や、スキャナ装置を挙げることができる。
【0082】
最後に、制御部6の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0083】
すなわち、制御部6は、制御部6の各機能を実現する利用制限報知プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、ネットワークプリンタ1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0084】
例えば、上記記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0085】
さらに、システムあるいは装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。
【0086】
また、上述した機能は、コンピュータが読み出した上記プログラムコードを実行することによって実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電子機器は、利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断する利用制限管理手段と、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理するアクセス回数管理手段と、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する利用制限報知手段とを備えているものである。
【0088】
上記構成によれば、本発明の電子機器は、利用要求を送信したホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを、利用制限管理手段により判断することができる。そして、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されていないものであると判断した場合には、そのホストからのアクセス回数をアクセス回数管理手段により管理することができる。さらに、利用制限報知手段はアクセス回数管理手段により管理される上記アクセス回数に応じて、利用が許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する。
【0089】
よって、利用不許可のホストから所定回数のアクセスがあるまでは、アクセスがある度に利用が制限されていることを当該ホストに報知する一方で、利用不許可のホストが所定回数を超えるアクセスを行った場合においてはそのホストに利用が制限されていることを報知しないように構成することができる。
【0090】
このように本発明の電子機器では、利用不許可のホストからのアクセス回数に応じてそのホストに利用が制限されていることを報知することができるので、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に上限を設けることができる。したがって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会を、該ホストのアクセス回数に応じて制限することができる。
【0091】
よって、利用不許可のホストに対して通信を行う回数を低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを向上させることができるという効果を奏する。また、利用不許可のホストと電子機器との間に通信が確立される機会が低減されれば、それだけ利用不許可のホストが電子機器に関する情報を取得する機会を低減することができるので、電子機器を利用する際のセキュリティを向上させることができるという効果を奏する。
【0092】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されるホストを特定可能なホスト特定情報を記憶するホスト特定情報記憶手段を備えているものである。
【0093】
上記構成によれば、利用制限管理手段は、ホスト特定情報記憶手段に記憶されたホスト特定情報を参照することによって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されたものであるのか否かを判断することができる。よって、制限制限管理手段における判断をより的確なものとし、電子機器を利用する際のセキュリティをさらに向上させることができるという効果を奏する。
【0094】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報が、各ホストに設定されるアドレス情報であるものである。
【0095】
すなわち、各ホストが電子機器に対してネットワーク経由の利用要求を送信する際には、その利用要求とともにそのホストのアドレス情報が送信されることが一般的である。よって、ホスト特定情報としてのアドレス情報を参照すれば、そのホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを容易に判断することができるという効果を奏する。
【0096】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報記憶手段が、上記ホスト特定情報をホスト特定情報管理テーブルとしてテーブル形式で記憶しているものである。
【0097】
上記構成によれば、ホスト特定情報記憶手段にはホスト特定情報がテーブル形式にて記憶されているので、利用制限管理手段は、ホスト特定情報管理テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断することができる。
【0098】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができるという効果を奏する。
【0099】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶手段を備えているものである。
【0100】
上記構成によれば、アクセス回数管理手段はアクセス回数記憶手段に記憶されたアクセス回数を参照することによって、電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されている旨の報知を行うことができる。よって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会をより的確に低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させることができるという効果を奏する。
【0101】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数記憶手段が、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数をアクセス回数記憶テーブルとしてテーブル形式で記憶しているものである。
【0102】
上記構成によれば、アクセス回数記憶手段には電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数がテーブル形式にて記憶されているので、アクセス回数管理手段は、アクセス回数記憶テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用不許可のホストからのアクセス回数を把握することができる。
【0103】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができるという効果を奏する。
【0104】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストに対して許可されるアクセス回数の閾値を記憶する閾値記憶手段を備えているものである。
【0105】
上記構成によれば、利用不許可のホストに対して許可されるアクセス回数の閾値が閾値記憶手段に記憶されているので、利用制限報知手段は、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に的確な制限を設けることができる。よって、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させるとともに、電子機器を利用する際のセキュリティを確実に向上させることができるという効果を奏する。
【0106】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に基づき、上記電子機器の利用を許可されていないホストからの利用要求に応じて特定処理を実行するものである。
【0107】
上記構成によれば、電子機器の利用を許可されていないホストから電子機器の利用要求が電子機器に行われた場合においても、そのホストのアクセス回数に基づき電子機器は特定処理を実行する。よって、電子機器の利用を許可されていないホストが事後的に電子機器の利用権限を認められた際に必要な処理、たとえば電子機器の動作環境の設定変更処理やテスト印刷処理を、利用不許可のホストが所定回数のアクセスを電子機器に行うまで電子機器に実行させることができる。したがって、電子機器を利用する際の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0108】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、上記電子機器の動作環境の設定変更処理であるものである。
【0109】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、電子機器の動作環境の設定変更処理を行うことができる。
【0110】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべき電子機器の動作環境の設定変更を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0111】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷するテスト印刷処理であるものである。
【0112】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷することができる。
【0113】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべきテスト印刷処理を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0114】
さらに、本発明の電子機器は、ネットワークプリンタであることが好ましい。
【0115】
すなわち、ネットワークプリンタは、ネットワーク接続型の電子機器として最も広く普及しているものであるとともに、該プリンタに接続されるホストの変更が頻繁に行われることからセキュリティを保証する必要性が高いといえる。したがって、本発明によれば、ネットワークプリンタにおける通信パフォーマンスおよびセキュリティを向上させることができるので、消費者ニーズに的確に対応したネットワークプリンタを提供することができるという効果を奏する。
【0116】
また、本発明の電子機器の利用制限報知方法は、利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを上記電子機器の利用制限管理手段により判断する第1ステップと、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を上記電子機器のアクセス回数管理手段により管理する第2ステップと、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを上記電子機器の利用制限報知手段により報知する第3ステップとを備えている方法である。
【0117】
上記構成の電子機器の利用制限報知方法によれば、本発明の電子機器と同様の作用効果を得ることができる。
【0118】
また、本発明の電子機器の利用制限報知プログラムは、上記利用制限報知方法における各ステップをコンピュータに実行させるためプログラムである。
【0119】
上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記利用制限報知方法を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0120】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを記録しているものである。
【0121】
上記記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記プログラムを実現することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器の一実施形態に係るネットワークプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のネットワークプリンタにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図1のネットワークプリンタの許可アドレス記憶部に格納されたアドレス制限管理テーブルの構成を示す図である。
【図4】図1のネットワークプリンタにおけるアクセス回数記憶部に格納されたアクセス回数記憶テーブルの構成を示す図である。
【図5】図1のネットワークプリンタにおける別の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1のネットワークプリンタによるテスト印刷結果の一例を示す図である。
【図7】図1のネットワークプリンタによりテスト印刷が行われる際に表示される警告メッセージの一例を示す図である。
【図8】図1のネットワークプリンタにおける動作環境の設定を変更するために表示される画面の一例を示す図である。
【図9】図1のネットワークプリンタにおける動作環境の設定を変更するための画面に表示される警告メッセージの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ネットワークプリンタ(電子機器)
10 アドレス制限管理部(利用制限管理手段)
11 アクセス回数管理部(アクセス回数管理手段)
12 利用制限報知部(利用制限報知手段)
13 許可アドレス記憶部(ホスト特定情報記憶手段)
14 アクセス回数記憶部(アクセス回数記憶手段)
15 閾値記憶部(閾値記憶手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のホストにネットワーク接続されて共同利用されている電子機器、特にネットワーク経由で送信される印刷データを印刷するネットワークプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のネットワークプリンタは、たとえば特許文献1に記載されているように、印刷を許可するホストと印刷を許可しないホストとを、IP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Medium Access Control)アドレスを用いて選別している。そして、印刷不許可のホストから印刷要求があった場合、従来のネットワークプリンタは、該ホストから送信される印刷ジョブや印刷装置に対するコマンド、通信コマンド等のパケットを破棄するだけであり、該ホストとの間に双方向の通信を確立させて該ホストにエラー情報を送信する、ということは行われていなかった。したがって、従来のネットワークプリンタにおいて印刷が許可されていないホストのユーザは、該ネットワークプリンタにおいてどうして印刷ができないのか、という理由を明確に把握することができなかった。
【0003】
このような従来のネットワークプリンタにおける問題点に鑑み、たとえば以下の特許文献2においては、ネットワークプリンタが受信した印刷要求の送信元が、同ネットワークプリンタにより印刷不可と判断されるときに、印刷要求の送信元ホストに警告信号を送出することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平07−104955号公報(1995年4月21日公開)
【0005】
【特許文献2】
特開平10−143338号公報(1998年5月29日公開)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2のネットワークプリンタでは、印刷不可と判断されるホストから印刷要求がある度に、警告信号送出のための双方向の通信が毎回確立されることになる。したがって、特許文献2のネットワークプリンタでは、ネットワークプリンタに過度の負荷がかかるという問題が生じる。さらに、警告信号送出の度に通信が毎回確立されると、それだけネットワークプリンタと印刷不許可のホストとが接続される機会が多くなるので、セキュリティ管理の観点からも問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ネットワーク接続された電子機器の利用が許可されていないホストに対して、利用が制限されている旨を報知する際における、通信パフォーマンスおよびセキュリティを向上させることができる電子機器、電子機器の利用制限報知方法、電子機器の利用制限報知プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、複数のホストからネットワークを経由して送信される利用要求に対応する処理を実行可能な電子機器であって、上記利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断する利用制限管理手段と、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理するアクセス回数管理手段と、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する利用制限報知手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、本発明の電子機器は、利用要求を送信したホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを、利用制限管理手段により判断することができる。そして、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されていないものであると判断した場合には、そのホストからのアクセス回数をアクセス回数管理手段により管理することができる。さらに、利用制限報知手段はアクセス回数管理手段により管理される上記アクセス回数に応じて、利用が許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する。
【0010】
よって、利用不許可のホストから所定回数のアクセスがあるまでは、アクセスがある度に利用が制限されていることを当該ホストに報知する一方で、利用不許可のホストが所定回数を超えるアクセスを行った場合においてはそのホストに利用が制限されていることを報知しないように構成することができる。
【0011】
このように本発明の電子機器では、利用不許可のホストからのアクセス回数に応じてそのホストに利用が制限されていることを報知することができるので、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に上限を設けることができる。したがって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会を、該ホストのアクセス回数に応じて制限することができる。
【0012】
よって、利用不許可のホストに対して通信を行う回数を低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを向上させることができる。また、利用不許可のホストと電子機器との間に通信が確立される機会が低減されれば、それだけ利用不許可のホストが電子機器に関する情報を取得する機会を低減することができるので、電子機器を利用する際のセキュリティを向上させることができる。
【0013】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されるホストを特定可能なホスト特定情報を記憶するホスト特定情報記憶手段を備えていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、利用制限管理手段は、ホスト特定情報記憶手段に記憶されたホスト特定情報を参照することによって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されたものであるのか否かを判断することができる。よって、制限制限管理手段における判断をより的確なものとし、電子機器を利用する際のセキュリティをさらに向上させることができる。なお、ホスト特定情報としては、IPアドレスやMACアドレス等のアドレス情報、ネットワークログイン時のログインユーザ名などを用いることができる。
【0015】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報が、各ホストに設定されるアドレス情報であることを特徴としている。
【0016】
すなわち、各ホストが電子機器に対してネットワーク経由の利用要求を送信する際には、その利用要求とともにそのホストのアドレス情報が送信されることが一般的である。よって、ホスト特定情報としてのアドレス情報を参照すれば、そのホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを容易に判断することができる。
【0017】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報記憶手段が、上記ホスト特定情報をホスト特定情報管理テーブルとしてテーブル形式で記憶していることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、ホスト特定情報記憶手段にはホスト特定情報がテーブル形式にて記憶されているので、利用制限管理手段は、ホスト特定情報管理テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断することができる。
【0019】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができる。
【0020】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶手段を備えていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、アクセス回数管理手段はアクセス回数記憶手段に記憶されたアクセス回数を参照することによって、電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されている旨の報知を行うことができる。よって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会をより的確に低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させることができる。
【0022】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数記憶手段が、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数をアクセス回数記憶テーブルとしてテーブル形式で記憶していることを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、アクセス回数記憶手段には電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数がテーブル形式にて記憶されているので、アクセス回数管理手段は、アクセス回数記憶テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用不許可のホストからのアクセス回数を把握することができる。
【0024】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができる。
【0025】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストに対して許可されるアクセス回数の閾値を記憶する閾値記憶手段を備えていることを特徴としている。
【0026】
上記構成によれば、利用不許可のホストに対して許可されるアクセス回数の閾値が閾値記憶手段に記憶されているので、利用制限報知手段は、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に的確な制限を設けることができる。よって、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させるとともに、電子機器を利用する際のセキュリティを確実に向上させることができる。
【0027】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に基づき、上記電子機器の利用を許可されていないホストからの利用要求に応じて特定処理を実行することを特徴としている。
【0028】
上記構成によれば、電子機器の利用を許可されていないホストから電子機器の利用要求が電子機器に行われた場合においても、そのホストのアクセス回数に基づき電子機器は特定処理を実行する。よって、電子機器の利用を許可されていないホストが事後的に電子機器の利用権限を認められた際に必要な処理、たとえば電子機器の動作環境の設定変更処理やテスト印刷処理を、利用不許可のホストが所定回数のアクセスを電子機器に行うまで電子機器に実行させることができる。したがって、電子機器を利用する際の利便性を向上させることができる。
【0029】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、上記電子機器の動作環境の設定変更処理であることを特徴としている。
【0030】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、電子機器の動作環境の設定変更処理を行うことができる。
【0031】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべき電子機器の動作環境の設定変更を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができる。
【0032】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷するテスト印刷処理であることを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷することができる。
【0034】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべきテスト印刷処理を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができる。
【0035】
さらに、本発明の電子機器は、ネットワークプリンタであることを特徴としている。
【0036】
すなわち、ネットワークプリンタは、ネットワーク接続型の電子機器として最も広く普及しているものであるとともに、該プリンタに接続されるホストの変更が頻繁に行われることからセキュリティを保証する必要性が高いといえる。したがって、本発明によれば、ネットワークプリンタにおける通信パフォーマンスおよびセキュリティを向上させることができるので、消費者ニーズに的確に対応したネットワークプリンタを提供することができる。
【0037】
また、本発明の電子機器の利用制限報知方法は、複数のホストからネットワークを経由して送信される利用要求に対応する処理を実行可能な電子機器の利用制限報知方法であって、上記利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを上記電子機器の利用制限管理手段により判断する第1ステップと、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を上記電子機器のアクセス回数管理手段により管理する第2ステップと、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを上記電子機器の利用制限報知手段により報知する第3ステップとを備えていることを特徴としている。
【0038】
上記構成の電子機器の利用制限報知方法によれば、本発明の電子機器と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
また、本発明の電子機器の利用制限報知プログラムは、上記利用制限報知方法における各ステップをコンピュータに実行させるためプログラムであることを特徴としている。
【0040】
上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記利用制限報知方法を実現することが可能となる。
【0041】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを記録していることを特徴としている。
【0042】
上記記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記プログラムを実現することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明の電子機器の一実施形態について、図1ないし図9を用いて説明する。
【0044】
図1に示すように、本実施の形態のネットワークプリンタ(電子機器)1は、操作部2と、表示部3と、印刷部4と、通信部5と、制御部6と、記憶部7とを備えている。
【0045】
操作部2は、ユーザからの指示入力を受け付けるものであり、タッチパネル、テンキー、各種操作キーなどにより構成されている。表示部3は、ネットワークプリンタ1における処理内容をユーザに提示するものであり、液晶ディスプレイ等により構成される。印刷部4は、端末装置としてのホストA〜Eからネットワークを介してネットワークプリンタ1に送信されるプリントジョブを印刷するものである。通信部5は、ネットワークプリンタ1とホストA〜Eとの間における通信インターフェースとして機能するものである。
【0046】
制御部6は、ネットワークプリンタ1における処理を統括的に制御するものである。具体的には、操作部2に入力されたユーザ指示をネットワークプリンタ1において実現する処理、表示部3における表示処理、および印刷部4における印刷処理などを制御する。
【0047】
また、制御部6は、アクセス判定部8と、通信制御部9とを備えている。アクセス判定部8は、ネットワークプリンタ1に利用要求を送信したホストが、ネットワークプリンタ1の利用を許可されているか否かを判定するものである。具体的には、アクセス判定部8は、アドレス制限管理部(利用制限管理手段)10と、アクセス回数管理部(アクセス回数管理部)11とを備えている。これら各ブロックの機能については後述する。
【0048】
通信制御部9は、通信部5における通信処理を制御するものであり、利用制限報知部(利用制限報知手段)12を備えている。この利用制限報知部12は、アクセス判定部8の判定結果に基づき、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストに警告メッセージを送信する。警告メッセージの送信手順については後述する。
【0049】
記憶部7は、ネットワークプリンタ1における処理に必要な各種設定内容、プリントジョブなどを記憶するものであり、DRAMやハードディスクなどのハードウェア資源により構成される。また、記憶部7は、許可アドレス記憶部(ホスト特定情報記憶手段)13と、アクセス回数記憶部(アクセス回数記憶手段)14と、閾値記憶部(閾値記憶手段)15とを備えている。これら各ブロックの機能については後述する。
【0050】
上記構成により、ネットワークプリンタ1は、アクセス判定部8により利用要求の送信元ホストが該プリンタの利用を許可されているものであるか否かを判定するとともに、送信元ホストが該プリンタの利用を許可されたものでない場合、利用制限報知部12を用いてその送信元ホストに警告メッセージを送信する。特に、ネットワークプリンタ1は、その利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理し、そのアクセス回数に基づき上記警告メッセージを送信することに特徴点がある。以下、この特徴点についてより具体的に説明する。
【0051】
図2に示すように、先ず、ネットワークプリンタ1の通信部5により、各ホストからの利用要求がネットワークを介して受信される(ステップ1、以下単にステップをSと記載する)。なお、以下ではホストからの利用要求がネットワークプリンタ1に対する印刷要求である場合について説明するが、これに限定されるものではない。
【0052】
その後、印刷要求の送信元のホストが、登録されたアドレスを有しているか否かが、アクセス判定部8におけるアドレス制限管理部10により判断される(S2)。より具体的には、アドレス制限管理部10は、記憶部7における許可アドレス記憶部13に格納されたアドレス制限管理テーブルを参照することにより、送信元ホストが利用を許可されたものであるのか否かを判断する。
【0053】
このアドレス制限管理テーブル(ホスト特定情報管理テーブル)とは、たとえば図3に示すように、ネットワークプリンタ1の利用を許可されているホストを特定するホスト特定情報として、IPアドレスが格納されているテーブルである。もちろん、アドレス制限管理テーブルには、IPアドレスではなくMACアドレスやネットワークログイン時のログインユーザ名をホスト特定情報として格納してもよい。
【0054】
このように、アドレス制限管理テーブルにはネットワークプリンタ1の利用を許可されたホストのIPアドレスが登録されているので、アドレス制限管理部10は、印刷要求送信元のホストのIPアドレスが該テーブルに格納されているか否かを判断することによって、印刷要求送信元ホストが利用を許可されたものであるのかを判断することができる。
【0055】
S2において印刷要求の送信元ホストが登録アドレスを有していると判断された場合、通信制御部9は、該ホストと通信部5とのネットワーク接続を確立させる(S3)。その後、通信制御部9は、通信部5を介して該ホストからの印刷データを受信する(S4)。その後、制御部6は、S4にて受信された印刷データの処理、具体的には印刷部4における印刷処理を実行する(S5)。
【0056】
一方、S2にて印刷要求の送信元ホストが登録アドレスを有していないと判断された場合、アクセス回数管理部11は、印刷要求の送信元ホストからネットワークプリンタ1に対する所定回数のアクセスが過去にあったか否かを判断する(S6)。
【0057】
S6における処理をより具体的に説明する。S6においては、アクセス回数管理部11が、記憶部7におけるアクセス回数記憶部14に格納されたアクセス回数記憶テーブル、および閾値記憶部15に記憶された閾値を参照することにより、上記の判断を行う。
【0058】
ここで、アクセス回数記憶テーブルとは、図4に示すように、IPアドレス、最終アクセス日時、および過去のネットワークプリンタに対するアクセス回数をホスト毎に格納したテーブルである。なお、アクセス回数記憶テーブルには最低限IPアドレスとアクセス回数とが格納されていればよい。また、IPアドレスの代わりにMACアドレスが格納されていてもよい。
【0059】
また、閾値記憶部15に記憶された閾値とは、ネットワークプリンタ1の利用が許可されていないホストについて許容されるアクセス回数の上限値である。
【0060】
すなわち、S6において、アクセス回数管理部11は、印刷要求の送信元ホストから過去にアクセスがあった回数を上記アクセス回数記憶テーブルを参照することにより把握し、今回のアクセスが、上記閾値以内の回数のものであるか否かを判断する。
【0061】
なお、許可アドレス記憶部13に格納されたアドレス制限管理テーブル、アクセス回数記憶部14に格納されたアクセス回数記憶テーブル、閾値記憶部15に記憶された閾値は、必要に応じて更新可能とされることが好ましい。これにより、ネットワークを構成するホストが変更された場合において、新たにネットワークプリンタ1の利用を許可するホストを順次設定することができる。
【0062】
S6において今回のアクセスが所定回数内のものではないと判断された場合、通信制御部9は、印刷要求のあった印刷データを通信部5にて削除するよう、通信部5を制御する(S7)。よって、この場合、印刷要求のあった印刷データは、ネットワークプリンタ1において通信部5よりも内部のブロックに取得されることはない。
【0063】
一方、S6において今回のアクセスが所定回数内のものであると判断された場合、利用制限報知部12は、通信部5を用いて印刷要求の送信元ホストに警告メッセージを送信する(S8)。たとえば、印刷要求の送信元ホストのディスプレイに、該ホストがネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストであることを知らせるメッセージを表示する。このようなメッセージの一例としては、「利用権限がありません。今後、印刷や接続は中止されます。機器管理者にお問い合わせください。」というようなメッセージを考え得る。
【0064】
S8の処理の後、アクセス回数管理部11は、今回のアクセスが何回目であるかを上記アクセス回数記憶テーブルに記憶する(S9)。なお、S8の後にS9の処理を必ず行う必要は無く、S8の前にS9の処理を行ってもよいし、S8とS9の処理を同時に行ってもよい。
【0065】
以上のS1〜S9を踏むことにより、ネットワークプリンタ1は、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストが閾値回数のアクセスをネットワークプリンタ1に対して行うまで該ホストに警告メッセージを送信する一方、該ホストが閾値を超えるアクセスを行った場合においては印刷要求に係る印刷データを削除し警告メッセージの送信は行わない。
【0066】
すなわち、ネットワークプリンタ1は、利用を許可されていないホストからアクセスがある度に警告メッセージを送信するということは行わず、該ホストからのアクセス回数に応じて警告メッセージの送信をするか否かを判断する。したがって、警告メッセージの送信回数が制限されているので、ホストとの通信処理負担を軽減することができるとともに、セキュリティを向上させることができる。
【0067】
なお、上記の説明では、ネットワークプリンタ1の利用を許可されていないホストから印刷要求があった場合、すなわち利用不許可のホストがネットワークプリンタ1を印刷処理に用いるためにアクセスした場合について説明した。しかしながら、利用不許可のホストが、ネットワークプリンタ1の動作環境の設定変更(オートコンフィグ)や、ネットワークプリンタ1の印刷状態をテストする印刷(以下単にテスト印刷という)のために、ネットワークプリンタ1にアクセスした場合においてまで、設定変更やテスト印刷が行われないことはネットワークプリンタ1の管理上問題がある場合がある。
【0068】
そこで、本実施の形態のネットワークプリンタ1は、以下の手順により、上記設定変更やテスト印刷を利用不許可のホストからのアクセスであっても実行することが可能とされている。
【0069】
図5に示すように、S11においてネットワークプリンタ1の通信部5により各ホストからの利用要求がネットワークを介して受信された後、利用要求の送信元ホストが登録されたアドレスを有しているか否かがアドレス制限管理部10により判断される(S12)。S12における判断は、図2のS2と同様の手順により行われる。
【0070】
S12にて利用要求の送信元ホストが登録アドレスを有していると判断された場合、図2のS3〜S5と同様の処理であるS13〜S15を踏むことにより印刷処理が実行される。
【0071】
一方、S12にて利用要求の送信元ホストが登録アドレスを有していないと判断された場合、アクセス回数管理部11は、利用要求の送信元ホストからネットワークプリンタ1に対する所定回数のアクセスが過去にあったか否かを判断する(S16)。S16における判断は、図2のS6と同様の手順により行われる。
【0072】
S16にて今回のアクセスが所定回数内のものではないと判断された場合、通信制御部9は、利用要求としての印刷要求があった印刷データを通信部5にて削除するよう、通信部5を制御する(S17)。
【0073】
一方、S16にて今回のアクセスが所定回数内のものであると判断された場合、通信制御部9は、通信部5にて利用要求に係るデータを受信し(S18)、その内容をS19にて判断する。ここで、利用要求に係るデータとしては、テスト印刷を要求するデータや、ネットワークプリンタ1における各種設定の変更を要求するデータ等、ネットワークプリンタ1の利用が許可されていないホストに対して例外的にその利用が認められているネットワークプリンタ1の特定の処理を要求するデータであればよい。
【0074】
S19にて利用要求に係るデータがテスト印刷を要求するデータであると判断された場合、印刷部4によりテスト印刷が実行される(S20)。具体的には、図6に示すように、代表的な文字のいくつかが試験的に印刷媒体に印刷される。
【0075】
S20の後、利用制限報知部12は、通信部5を用いて利用要求の送信元ホストに警告メッセージを送信する(S21)。具体的には、図6に示すように、テスト印刷の結果物に利用権限がないことを知らせる警告メッセージを印刷してもよいし、図7に示すように、利用要求の送信元ホストのディスプレイに同様の警告メッセージを表示してもよい。なお、S21の処理は、S20の前に行ってもよいし、S20と同時に行ってもよい。
【0076】
一方、S19にて、利用要求に係るデータがネットワークプリンタにおける各種設定の変更を要求するデータであると判断された場合、通信制御部9は通信部5を介してネットワークプリンタ1の機器情報を利用要求の送信元ホストに送信する(S22)。その結果、利用要求の送信元ホストのディスプレイには、図8に示すように、ネットワークプリンタ1の給紙トレイや排紙位置を変更するための画面が表示される。
【0077】
S22の後、利用制限報知部12は、通信部5を用いて利用要求の送信元ホストに警告メッセージを送信する(S23)。具体的には、利用要求の送信元ホストのディスプレイにおいて、図9に示すように利用権限がないことを知らせる警告メッセージが表示される。なお、S23の処理は、S22の前に行ってもよいし、S22と同時に行ってもよい。
【0078】
S21またはS23の処理が終わった後、アクセス回数管理部11は、上記ホストからのテスト印刷や設定変更の要求を1回のアクセスとしてカウントする(S24)。具体的には、アクセス回数管理部11は、図4に示されるアクセス回数記憶テーブルにおけるアクセス回数を1増やす。
【0079】
また、S19にて、利用要求に係るデータがネットワークプリンタ1において許可されていない動作に係るデータであると判断された場合には、制御部6は、S17において上記利用要求に係るデータを削除する(S17)。
【0080】
以上のS11〜S24を踏むことにより、ネットワークプリンタ1は、利用を許可されていないホストに対して、閾値回数内のアクセスについては特定の動作(テスト印刷、設定変更等)を認める構成としてもよい。
【0081】
なお、上記では本発明の電子機器の一実施形態としてのネットワークプリンタについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、複数のホストにネットワーク接続されることによって共同利用されている電子機器について適用可能である。このような電子機器としては、たとえばネットワーク接続型のファクシミリ装置や、スキャナ装置を挙げることができる。
【0082】
最後に、制御部6の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0083】
すなわち、制御部6は、制御部6の各機能を実現する利用制限報知プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるプログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、ネットワークプリンタ1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0084】
例えば、上記記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0085】
さらに、システムあるいは装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。
【0086】
また、上述した機能は、コンピュータが読み出した上記プログラムコードを実行することによって実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0087】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電子機器は、利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断する利用制限管理手段と、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理するアクセス回数管理手段と、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する利用制限報知手段とを備えているものである。
【0088】
上記構成によれば、本発明の電子機器は、利用要求を送信したホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを、利用制限管理手段により判断することができる。そして、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されていないものであると判断した場合には、そのホストからのアクセス回数をアクセス回数管理手段により管理することができる。さらに、利用制限報知手段はアクセス回数管理手段により管理される上記アクセス回数に応じて、利用が許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する。
【0089】
よって、利用不許可のホストから所定回数のアクセスがあるまでは、アクセスがある度に利用が制限されていることを当該ホストに報知する一方で、利用不許可のホストが所定回数を超えるアクセスを行った場合においてはそのホストに利用が制限されていることを報知しないように構成することができる。
【0090】
このように本発明の電子機器では、利用不許可のホストからのアクセス回数に応じてそのホストに利用が制限されていることを報知することができるので、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に上限を設けることができる。したがって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会を、該ホストのアクセス回数に応じて制限することができる。
【0091】
よって、利用不許可のホストに対して通信を行う回数を低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを向上させることができるという効果を奏する。また、利用不許可のホストと電子機器との間に通信が確立される機会が低減されれば、それだけ利用不許可のホストが電子機器に関する情報を取得する機会を低減することができるので、電子機器を利用する際のセキュリティを向上させることができるという効果を奏する。
【0092】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されるホストを特定可能なホスト特定情報を記憶するホスト特定情報記憶手段を備えているものである。
【0093】
上記構成によれば、利用制限管理手段は、ホスト特定情報記憶手段に記憶されたホスト特定情報を参照することによって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されたものであるのか否かを判断することができる。よって、制限制限管理手段における判断をより的確なものとし、電子機器を利用する際のセキュリティをさらに向上させることができるという効果を奏する。
【0094】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報が、各ホストに設定されるアドレス情報であるものである。
【0095】
すなわち、各ホストが電子機器に対してネットワーク経由の利用要求を送信する際には、その利用要求とともにそのホストのアドレス情報が送信されることが一般的である。よって、ホスト特定情報としてのアドレス情報を参照すれば、そのホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを容易に判断することができるという効果を奏する。
【0096】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記ホスト特定情報記憶手段が、上記ホスト特定情報をホスト特定情報管理テーブルとしてテーブル形式で記憶しているものである。
【0097】
上記構成によれば、ホスト特定情報記憶手段にはホスト特定情報がテーブル形式にて記憶されているので、利用制限管理手段は、ホスト特定情報管理テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用要求の送信元ホストが電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断することができる。
【0098】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができるという効果を奏する。
【0099】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶手段を備えているものである。
【0100】
上記構成によれば、アクセス回数管理手段はアクセス回数記憶手段に記憶されたアクセス回数を参照することによって、電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されている旨の報知を行うことができる。よって、電子機器と利用不許可のホストとの間に利用制限報知のための通信が確立される機会をより的確に低減することができるので、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させることができるという効果を奏する。
【0101】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数記憶手段が、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数をアクセス回数記憶テーブルとしてテーブル形式で記憶しているものである。
【0102】
上記構成によれば、アクセス回数記憶手段には電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数がテーブル形式にて記憶されているので、アクセス回数管理手段は、アクセス回数記憶テーブルを参照するという簡易な処理によって、利用不許可のホストからのアクセス回数を把握することができる。
【0103】
したがって、より簡易な処理によって、利用不許可のホストに対して電子機器の利用が制限されていることを報知することができるという効果を奏する。
【0104】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記電子機器の利用が許可されていないホストに対して許可されるアクセス回数の閾値を記憶する閾値記憶手段を備えているものである。
【0105】
上記構成によれば、利用不許可のホストに対して許可されるアクセス回数の閾値が閾値記憶手段に記憶されているので、利用制限報知手段は、利用不許可のホストに対する利用制限の報知回数に的確な制限を設けることができる。よって、電子機器の通信パフォーマンスを確実に向上させるとともに、電子機器を利用する際のセキュリティを確実に向上させることができるという効果を奏する。
【0106】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に基づき、上記電子機器の利用を許可されていないホストからの利用要求に応じて特定処理を実行するものである。
【0107】
上記構成によれば、電子機器の利用を許可されていないホストから電子機器の利用要求が電子機器に行われた場合においても、そのホストのアクセス回数に基づき電子機器は特定処理を実行する。よって、電子機器の利用を許可されていないホストが事後的に電子機器の利用権限を認められた際に必要な処理、たとえば電子機器の動作環境の設定変更処理やテスト印刷処理を、利用不許可のホストが所定回数のアクセスを電子機器に行うまで電子機器に実行させることができる。したがって、電子機器を利用する際の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0108】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、上記電子機器の動作環境の設定変更処理であるものである。
【0109】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、電子機器の動作環境の設定変更処理を行うことができる。
【0110】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべき電子機器の動作環境の設定変更を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0111】
さらに、本発明の電子機器は、上記構成の電子機器において、上記特定処理が、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷するテスト印刷処理であるものである。
【0112】
上記構成によれば、電子機器の利用が許可されていないホストからの利用要求に対しても、該ホストのアクセス回数に基づき、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷することができる。
【0113】
したがって、利用不許可のホストが電子機器の利用を認められた際に行われるべきテスト印刷処理を、利用が許可される前に行っておくことができるので、電子機器の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【0114】
さらに、本発明の電子機器は、ネットワークプリンタであることが好ましい。
【0115】
すなわち、ネットワークプリンタは、ネットワーク接続型の電子機器として最も広く普及しているものであるとともに、該プリンタに接続されるホストの変更が頻繁に行われることからセキュリティを保証する必要性が高いといえる。したがって、本発明によれば、ネットワークプリンタにおける通信パフォーマンスおよびセキュリティを向上させることができるので、消費者ニーズに的確に対応したネットワークプリンタを提供することができるという効果を奏する。
【0116】
また、本発明の電子機器の利用制限報知方法は、利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを上記電子機器の利用制限管理手段により判断する第1ステップと、上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を上記電子機器のアクセス回数管理手段により管理する第2ステップと、上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを上記電子機器の利用制限報知手段により報知する第3ステップとを備えている方法である。
【0117】
上記構成の電子機器の利用制限報知方法によれば、本発明の電子機器と同様の作用効果を得ることができる。
【0118】
また、本発明の電子機器の利用制限報知プログラムは、上記利用制限報知方法における各ステップをコンピュータに実行させるためプログラムである。
【0119】
上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記利用制限報知方法を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0120】
また、本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを記録しているものである。
【0121】
上記記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記プログラムを実現することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子機器の一実施形態に係るネットワークプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のネットワークプリンタにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】図1のネットワークプリンタの許可アドレス記憶部に格納されたアドレス制限管理テーブルの構成を示す図である。
【図4】図1のネットワークプリンタにおけるアクセス回数記憶部に格納されたアクセス回数記憶テーブルの構成を示す図である。
【図5】図1のネットワークプリンタにおける別の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図1のネットワークプリンタによるテスト印刷結果の一例を示す図である。
【図7】図1のネットワークプリンタによりテスト印刷が行われる際に表示される警告メッセージの一例を示す図である。
【図8】図1のネットワークプリンタにおける動作環境の設定を変更するために表示される画面の一例を示す図である。
【図9】図1のネットワークプリンタにおける動作環境の設定を変更するための画面に表示される警告メッセージの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 ネットワークプリンタ(電子機器)
10 アドレス制限管理部(利用制限管理手段)
11 アクセス回数管理部(アクセス回数管理手段)
12 利用制限報知部(利用制限報知手段)
13 許可アドレス記憶部(ホスト特定情報記憶手段)
14 アクセス回数記憶部(アクセス回数記憶手段)
15 閾値記憶部(閾値記憶手段)
Claims (14)
- 複数のホストからネットワークを経由して送信される利用要求に対応する処理を実行可能な電子機器であって、
上記利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを判断する利用制限管理手段と、
上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を管理するアクセス回数管理手段と、
上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを報知する利用制限報知手段とを備えていることを特徴とする電子機器。 - 上記電子機器の利用が許可されるホストを特定可能なホスト特定情報を記憶するホスト特定情報記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 上記ホスト特定情報は、各ホストに設定されるアドレス情報であることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
- 上記ホスト特定情報記憶手段は、上記ホスト特定情報をホスト特定情報管理テーブルとしてテーブル形式で記憶していることを特徴とする請求項2または3に記載の電子機器。
- 上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子機器。
- 上記アクセス回数記憶手段は、上記電子機器の利用が許可されていないホストからのアクセス回数をアクセス回数記憶テーブルとしてテーブル形式で記憶していることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
- 上記電子機器の利用が許可されていないホストに対して許可されるアクセス回数の閾値を記憶する閾値記憶手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電子機器。
- 上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に基づき、上記電子機器の利用を許可されていないホストからの利用要求に応じて特定処理を実行することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の電子機器。
- 上記特定処理は、上記電子機器の動作環境の設定変更処理であることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
- 上記特定処理は、テストパターンを印刷媒体に試験的に印刷するテスト印刷処理であることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
- 上記電子機器はネットワークプリンタであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電子機器。
- 複数のホストからネットワークを経由して送信される利用要求に対応する処理を実行可能な電子機器の利用制限報知方法であって、
上記利用要求の送信元ホストが上記電子機器の利用を許可されているものであるか否かを上記電子機器の利用制限管理手段により判断する第1ステップと、
上記電子機器の利用を許可されていないホストからのアクセス回数を上記電子機器のアクセス回数管理手段により管理する第2ステップと、
上記アクセス回数管理手段に管理される上記アクセス回数に応じて、上記電子機器の利用を許可されていないホストに対して利用が制限されていることを上記電子機器の利用制限報知手段により報知する第3ステップとを備えていることを特徴とする電子機器の利用制限報知方法。 - 請求項12に記載の電子機器の利用制限報知方法における各ステップをコンピュータに実行させるための電子機器の利用制限報知プログラム。
- 請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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JP2003192884A JP2005031742A (ja) | 2003-07-07 | 2003-07-07 | 電子機器、電子機器の利用制限報知方法、電子機器の利用制限報知プログラム、およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008140276A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Canon Inc | 情報処理装置、情報処理方法 |
-
2003
- 2003-07-07 JP JP2003192884A patent/JP2005031742A/ja not_active Withdrawn
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