JP2005031437A - 液晶表示装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定方向に液晶分子を配向させることが可能であり、所定の液晶層厚を実現することが可能な、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】誘電異方性が負の液晶材料からなる液晶層50と、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおけるリタデーションを最適化する液晶層厚調整層26とを備えた、半透過反射型の液晶表示装置100であって、液晶分子を配向規制する第1凸状部28,29bが、表示領域における下基板10の内面に形成され、上基板25と下基板10との相対位置を固定する第2凸状部29aが、非表示領域における上基板25の内面に形成されて、第1凸状部29bの突出高さより第2凸状部29aの突出高さが大きくなっている構成とした。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置および電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上基板と下基板との間に液晶層が挟持された液晶表示装置の一種として、反射モードと透過モードとを兼ね備えた半透過反射型液晶表示装置が知られている。このような半透過反射型液晶表示装置として、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を下基板の内面に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させるものが提案されている。この場合、反射モードでは上基板側から入射した外光が、液晶層を通過した後に下基板の内面の反射膜で反射され、再び液晶層を通過して上基板側から出射され、表示に寄与する。一方、透過モードでは下基板側から入射したバックライトからの光が、反射膜の窓部から液晶層を通過した後、上基板側から外部に出射され、表示に寄与する。したがって、反射膜の形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域、その他の領域が反射表示領域となっている。
【0003】
ところが、従来の半透過反射型液晶装置には、透過表示での視角が狭いという課題があった。これは、視差が生じないよう液晶セルの内面に半透過反射板を設けている関係で、観察者側に備えた1枚の偏光板だけで反射表示を行わなければならないという制約があり、光学設計の自由度が小さいためである。そこで、この課題を解決するために、Jisakiらは、下記の非特許文献1において、垂直配向液晶を用いる新しい液晶表示装置を提案した。その特徴は、以下の3つである。
(1)誘電異方性が負の液晶を基板に垂直に配向させ、電圧印加によってこれを倒す「VA(Vertical Alignment)モード」を採用している点。
(2)透過表示領域と反射表示領域の液晶層厚(セルギャップ)が異なる「マルチギャップ構造」を採用している点(この点については、例えば特許文献1参照)。
(3)透過表示領域を正八角形とし、この領域内で液晶が8方向に倒れるように対向基板上の透過表示領域の中央に突起を設けている点。すなわち、「配向分割構造」を採用している点。
【0004】
半透過反射型の液晶表示装置において、特許文献1のようなマルチギャップ構造を具備させることは非常に有効である。なぜなら、透過表示領域では入射光が液晶層を1回しか透過しないが、反射表示領域では入射光が液晶層を2回透過するため、透過表示領域と反射表示領域とのリタデーション(位相差)に差異が生じるからである。そこで、マルチギャップ構造によってリタデーションを調節することにより、透過表示領域と反射表示領域との光透過率が均一化され、表示品質に優れた液晶表示装置が得られる。
【0005】
また、液晶分子を配向規制する突起がない場合には、電界印加により液晶分子はランダムな方向に傾倒する。この場合、異なる液晶配向領域の境界に不連続線(ディスクリネーション)が現れて残像等の原因になる。また、異なる液晶配向領域は異なる視角特性を有するため、斜め方向から見た場合にざらざらとしたシミ状のムラとして見えることになる。これに対して、特許文献1に記載された突起を設けることにより、電界印加時に液晶分子を所定方向に配向させることが可能になる。したがって、視野角が広く表示品質に優れた液晶表示装置が得られる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−242226号公報
【特許文献2】
特開2002−350853号公報
【非特許文献1】
”Development of transflective LCD for high contrast and wide viewing angle by using homeotropic alignment”, M.Jisaki et al., Asia Display/IDW’01, p.133−136(2001)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなマルチギャップ構造を採用し、また液晶分子を配向規制する突起を採用することにより、液晶層厚を規制するスペーサの配設が困難になるという問題がある。すなわち、マルチギャップ構造では透過表示領域または反射表示領域における液晶層厚が異なるため、一方の領域の液晶層厚に合わせて形成したスペーサが他方の領域に配置された場合には、液晶層厚を規制することが困難になる。また、透過表示領域の液晶層厚に合わせて形成したスペーサが、液晶分子を配向規制する突起に乗り上げて配置された場合にも、同様に液晶層厚を規制することが困難になる。なお、所定の液晶層厚が実現されない場合には、白表示が暗くなってコントラストが低下するなど、液晶表示装置の表示品質に重大な影響を及ぼすことになる。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、電界印加時に液晶分子を配向規制することが可能であり、また所定の液晶層厚を実現することが可能であり、もって表示品質に優れた液晶表示装置の提供を目的とする。また、簡単に低コストで製造することが可能な液晶表示装置の提供を目的とする。さらには、表示品質に優れた表示部を有する電子機器の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、一対の基板間に液晶層を挟持してなり、1つのドット領域内に透過表示領域と反射表示領域とが設けられた液晶表示装置であって、前記液晶層は、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなり、前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さを前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層が設けられ、前記一対の基板のうち一方の基板から前記液晶層に突出し、前記一対の基板のうち他方の基板に当接しない第1凸状部が、前記透過表示領域および/または前記反射表示領域に設けられ、前記他方の基板から前記液晶層に突出し、前記一方の基板と当接する第2凸状部が、前記液晶層厚調整層の形成領域に設けられていることを特徴とする。
【0010】
この構成では、一方の基板から突出し他方の基板に当接しない第1凸状部が表示領域に設けられているので、液晶分子が第1凸状部の表面と垂直に配向されて、液晶分子にプレチルトが付与される。これにより、電界印加時に液晶分子を配向規制することが可能になる。
また、他方の基板から突出し一方の基板に当接する第2凸状部が設けられているので、一方の基板と他方の基板との相対位置を固定することが可能になり、スペーサを配設することなく所定の液晶層厚を実現することができる。加えて、液晶層厚調整層の形成領域に第2凸状部が設けられているので、第2凸状部の高さを低く抑えることができる。したがって、液晶表示装置を簡単に低コストで製造することができる。
そして、第1凸状部と第2凸状部とをそれぞれ異なる基板に設けることにより、第1凸状部および第2凸状部を個別に形成することができる。そのため、第1凸状部および第2凸状部を最適な材料で最適な形状に形成することが可能になり、第1凸状部および第2凸状部は上述した機能を好適に発揮することができる。
【0011】
また本発明の液晶表示装置において、前記第2凸状部の突出高さは、前記第1凸状部の突出高さより大きく形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、液晶層厚調整層の形成領域に第1凸状部および第2凸状部を形成する場合でも、一方の基板から突出する第1凸状部を他方の基板と当接させることなく、他方の基板から突出する第2凸状部を一方の基板と当接させることができる。したがって、第1凸状部により液晶分子を配向規制することが可能になり、また第2凸状部により所定の液晶層厚を実現することが可能になる。
【0012】
また本発明の液晶表示装置において、前記第2凸状部は、前記液晶層の厚さを規制する液晶層厚規制手段として設けられ、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さと略同一の突出高さに形成されていることを特徴とする。
この構成により、反射表示領域および透過表示領域において所定の液晶層厚を実現することが可能になる。
【0013】
また本発明の液晶表示装置において、前記第2凸状部は、前記透過表示領域および前記反射表示領域の外側に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第2凸状部が表示領域外に設けられるので、第2凸状部が観察者によって視認されることがなくなる。したがって、表示品質に優れた液晶表示装置を提供することができる。
【0014】
また本発明の液晶表示装置において、前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板には、複数の着色層を整列配置したカラーフィルタ層が形成され、前記カラーフィルタ層の形成基板における前記透過表示領域および前記反射表示領域の外側には、前記各着色層が積層形成され、前記第2凸状部は、前記各着色層の積層領域に設けられていることを特徴とする。
着色層の積層領域では、液晶層の厚さが最も薄くなるため、この領域に第2凸状部を設けることにより、第2凸状部の高さを最も低く抑えることができる。したがって、液晶表示装置を簡単に低コストで製造することができる。
【0015】
なお、前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板には、複数の着色層を整列配置したカラーフィルタ層が形成され、前記第2凸状部は、緑色の前記着色層と隣接しない領域に設けられている構成としてもよい。また、前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板には、複数の着色層を整列配置したカラーフィルタ層が形成され、前記第2凸状部は、青色の前記着色層と隣接する領域に設けられている構成としてもよい。
一般に、緑色は視感度が最も高く、青色は視感度が最も低い。そこで、緑色の着色層と隣接しない領域に第2凸状部を設けることにより、また青色の着色層と隣接する領域に第2凸状部を設けることにより、第2凸状部が観察者によって視認され難くなる。したがって、表示品質に優れた液晶表示装置を提供することができる。
【0016】
また本発明の液晶表示装置において、前記第1凸状部は、前記液晶の配向を規制するための配向規制手段として設けられ、前記一方の基板における液晶層側の表面に対して所定の角度で傾斜する傾斜面を有することを特徴とする。
この構成によれば、液晶分子が第1凸状部の傾斜面と垂直に配向されて、液晶分子に所定角度のプレチルトが付与される。これにより、電界印加時に液晶分子を配向規制することが可能になる。
【0017】
また本発明の液晶表示装置において、前記他方の基板には、前記液晶層に電界を印加する導電体が設けられ、前記導電体には、スリットが形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、導電体に形成したスリットにより液晶層に斜め電界を印加することが可能になる。これにより、電界無印加時において垂直配向していた液晶分子を、電界印加時には所定方向に傾倒させて配向規制することができる。
【0018】
また本発明の液晶表示装置において、前記一対の基板には、前記液晶を垂直配向させる配向膜が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、電界無印加時において液晶分子を垂直配向させることが可能になり、コントラストが高く表示品質に優れた液晶表示装置を提供することができる。
【0019】
一方、本発明の電子機器は、上述した液晶表示装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、視野角が広く表示品質に優れた表示部を有する電子機器を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。また本明細書では、一対の基板における液晶層側の表面を内面と呼ぶものとする。
【0021】
[第1実施形態]
最初に、本発明の第1実施形態にかかる液晶表示装置について、図1ないし図3を用いて説明する。本実施形態の液晶表示装置は、一対の基板により液晶層を挟持した液晶表示装置であって、誘電異方性が負の液晶材料により液晶層が構成された半透過反射型の液晶表示装置である。また図3に示すように、上基板25がスイッチング素子基板とされ、下基板10がカラーフィルタ基板とされている。そして、第1凸状部28,29bが下基板10に形成され、第2凸状部29aが上基板に形成されている。なお以下には、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin Film Diode, 以下、TFDと略記する)を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示装置を例にして説明する。
【0022】
(等価回路)
図1は、本実施形態の液晶表示装置100の等価回路図である。この液晶表示装置100には、走査信号駆動回路110により駆動される複数の走査線13と、データ信号駆動回路120により駆動される複数のデータ線9とが、格子状に配置されている。その各走査線13と各データ線9との交点付近には、それぞれTFD素子40および液晶表示要素(液晶層)160が配置されている。そしてその各TFD素子40および各液晶層160は、各走査線13と各データ線9との間に直列接続されている。
【0023】
(平面構造)
図2は、各基板に形成される電極の平面構造の説明図である。液晶表示装置を構成する一方の基板には、複数のデータ線9が平行に形成されて、対向電極が構成されている。また、液晶表示装置を構成する他方の基板には、複数の走査線13が平行に形成されている。さらに、他方の基板には複数の画素電極31が形成され、各画素電極31は各データ線9と各走査線13との交点付近にマトリクス状に配置されている。その各画素電極31は、TFD素子40を介して各走査線13に接続されている。このTFD素子40は、基板表面に形成されたTaを主成分とする第1導電膜と、その第1導電膜の表面に形成されたTaを主成分とする絶縁膜と、その絶縁膜の表面に形成されたCrを主成分とする第2導電膜とによって構成されている(いわゆるMIM構造)。そして、第1導電膜が走査線13に接続され、第2導電膜が画素電極31に接続されている。これによりTFD素子40は、画素電極31への通電を制御するスイッチング素子として機能する。そして、画素電極31と対向電極9とが対向配置され、その間に挟持された液晶層に電界を印加しうるようになっている。これにより、各画素電極31の形成部分が画像表示単位となってドット領域を構成している。
【0024】
(断面構造)
次に、図3に基づいて本実施の形態の液晶表示装置100の画素構成について説明する。図3(a)は、第1実施形態の液晶表示装置における画素電極の底面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A′線における側面断面図である。図3(b)に示すように、本実施形態の液晶表示装置100では、上基板(TFD素子基板)25と、下基板(カラーフィルタ基板)10との間に、初期配向状態が垂直配向をとる液晶、すなわち誘電異方性が負の液晶材料からなる液晶層50が挟持されている。なお図3では、理解を容易にするため、上基板25におけるTFD素子および各種配線の記載を省略している。
【0025】
図3(b)に示すように、上基板25は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体25Aを備えている。その基板本体25Aの内面に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電材料からなる画素電極31が形成されている。図3(a)に示すように、画素電極31は略長方形状に形成され、その長辺から内側に向かって垂直に複数のスリット32が形成されている。なお、画素電極31の長辺とスリット32との角部には面取りが施されている。これにより、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおける画素電極31は8角形状の小電極とされ、各8角形電極が相互に連結された状態となっている。また図3(b)に示すように、各画素電極31の表面を覆うように、ポリイミド等からなる配向膜33が形成されている。この配向膜33は、液晶分子を膜表面に対して垂直に配向させる垂直配向膜であり、ラビング処理は施されていない。
【0026】
図7(a)は、スリットの作用の説明図である。画素電極31の表面に配向膜33が形成されているので、電界無印加時における液晶分子50aは画素電極31の表面に対して垂直に配向している。ここで、画素電極31および対向電極9に電圧を印加すると、スリット32の周辺には破線で示すような斜め電界が発生する。ここで、電界無印加時における液晶分子50aの長軸方向は、この斜め電界から角度αだけ傾いているので、液晶分子にプレチルトが付与された状態と同様になる。したがって、電界印加により液晶分子50aを図7(a)の矢印方向に傾倒させて配向規制することができる。これを平面的に見れば、画素電極31を構成する8角形電極の周縁部から中央部に向かって8方向に液晶分子が傾倒することになる。これにより、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことができるので、視野角の広い液晶表示装置を提供することができる。
【0027】
一方、図3(b)に示す下基板10は、石英やガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aを備えている。その基板本体10Aの内面に、アルミニウムや銀等の反射率の高い金属膜等からなる反射膜20が形成されている。この反射膜20の一部には、開口部21が形成されている。そして、画素電極31の形成領域と反射膜20の形成領域とのオーバーラップ部分が反射表示領域Rとなり、画素電極31の形成領域と反射膜20の非形成領域(すなわち開口部21の形成領域)とのオーバーラップ部分が透過表示領域Tとなっている。
【0028】
また、基板本体10Aおよび反射膜20の内面には、カラーフィルタ(以下、CFと呼ぶ)層22が設けられている。CF層22は、3原色(青、緑、赤)のうちいずれか1色の光を透過する3種類の着色層が、ストライプ状に配置されて構成されている。図3(a)に示すように、青色層22B,緑色層22Gおよび赤色層22Rの各着色層は、画素電極31に対応する位置に形成されている。なお、青色層22B,緑色層22Gおよび赤色層22Rが形成された3個のドット領域D1,D2,D3により、1個の画素が構成される。
【0029】
また図3(b)に示すように、各着色層は画素電極31の額縁部に相当する位置まで延長形成されている。そして、画素電極31の額縁部に相当する位置において、複数種類の着色層が積層形成されて、積層CF部23が設けられている。この積層CF部23は光を透過しないので、ブラックマトリクス(BM)として機能する。したがって、隣接する着色層からの光洩れによる混色を防止することができる。また、別途ブラックマトリクスを形成する必要がなく、製造コストを削減することができる。
【0030】
さらに、そのCF層22の内面には、アクリル樹脂等の電気絶縁性材料からなる液晶層厚調整層(マルチギャップ構造)26が設けられている。この液晶層厚調整層26は反射膜20の形成領域に対応して設けられ、その厚さは例えば0.5〜2.5μm程度とされている。これにより、反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚が、透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚の半分程度に設定されている。なお、液晶層厚調整層26の周縁部には傾斜面が形成され、反射表示領域Rから透過表示領域Tにかけて液晶層50の層厚を連続的に変化させている。
【0031】
また、液晶層厚調整層26の内面を含むCF層22の内面には、ITO等からなる対向電極9が形成されている。対向電極9は、図3(b)の紙面垂直方向に延びるストライプ状に形成されており、紙面垂直方向に並列配置された各ドット領域に共通の電極として構成されている。なお、反射表示領域Rにおいては導電性材料からなる反射膜を対向電極の一部として用いることも可能である。また対向電極9の表面を覆うように、ポリイミド等からなる配向膜27が形成されている。この配向膜27は、液晶分子を膜表面に対して垂直に配向させる垂直配向膜として機能するものであって、ラビング処理は施されていない。
【0032】
そして、上基板25と下基板10との間に、誘電異方性が負の液晶材料からなる液晶層50が挟持されている。この液晶材料は、電界無印加時において配向膜の内面に対して垂直に配向し、電界印加時には電界方向と垂直に(すなわち、配向膜と平行に)配向するものである。なお、上基板25および下基板10の周縁部に塗布されたシール材(不図示)により、上基板25および下基板10が相互に接着されるとともに、上基板25および下基板10とシール材とによって形成される空間に液晶層50が封入されている。
【0033】
さらに、上基板25の外面には位相差板16及び偏光板17が設けられ、下基板10の外面にも位相差板18及び偏光板19が設けられている。この偏光板17,19は、特定方向に振動する直線偏光のみを透過させる機能を有する。また位相差板16,18には、直線偏光を円偏光に変換し、円偏光を直線偏光に変換する機能を有するλ/4板が採用されている。なお、偏光板17,19の透過軸と位相差板16,18の遅相軸とが約45°をなすように配置されて、偏光板17,19および位相差板16,18により円偏光板が構成されている。また、偏光板17の透過軸および偏光板19の透過軸は直交するように配置され、位相差板16の遅相軸および位相差板18の遅相軸も直交するように配置されている。一方、下基板10に配置された偏光板19の外側には、透過表示用の光源としてバックライト15が設けられている。
【0034】
図3に示す本実施形態の液晶表示装置100では、以下のようにして画像表示が行われる。まず、上基板25の上方から反射表示領域Rに入射した光は、偏光板17および位相差板16を透過して円偏光に変換され、液晶層50に入射する。なお、電界無印加時において基板と垂直に配向している液晶分子には屈折率異方性がないので、入射光は円偏光を保持したまま液晶層50を進行する。さらに反射膜20により反射され、位相差板16を再透過した入射光は、偏光板17の透過軸と直交する直線偏光に変換される。そして、この直線偏光は偏光板17を透過しない。一方、バックライト15から透過表示領域Tに入射した光も同様に、偏光板19および位相差板18を透過して円偏光に変換され、液晶層50に入射する。さらに位相差板16を再透過した入射光は、偏光板17の透過軸と直交する直線偏光に変換される。そして、この直線偏光は偏光板17を透過しないので、本実施形態の液晶表示装置100では、電界無印加時において黒表示が行われる(ノーマリーブラックモード)。
【0035】
一方、液晶層50に電界を印加すると、液晶分子が基板と平行に再配向して、屈折率異方性を具備する。そのため、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて液晶層50に入射した円偏光は、液晶層50を透過する過程で楕円偏光に変換される。この入射光が位相差板16を透過しても、偏光板17の透過軸と直交する直線偏光には変換されず、その全部または一部が偏光板17を透過する。したがって、本実施形態の液晶表示装置100では、電界印加時において白表示が行われる。なお、液晶層50に印加する電圧を調整することにより、階調表示を行うことができる。
【0036】
上述したように、反射表示領域Rでは入射光が液晶層50を2回透過するが、透過表示領域Tでは入射光が液晶層50を1回しか透過しない。この場合、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間で液晶層50のリタデーション(位相差値)が異なると、光透過率に差異を生じて均一な画像表示が得られないことになる。しかしながら、本実施形態の液晶表示装置100には液晶層厚調整層26が設けられているので、反射表示領域Rにおいてリタデーションを調整することが可能となっている。したがって、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて均一な画像表示を得ることができる。
【0037】
(凸状部)
一方、下基板10の内面には、液晶分子にプレチルトを与えるための第1凸状部28,29bが形成されている。この第1凸状部28,29bの表面は、円錐状や多角錘状、球面状などに形成されている。なお第1凸状部28,29bの表面には、基板内面(電極主面)に対して所定角度で傾斜する傾斜面(緩やかに湾曲した面を含む)を設けるのが好ましい。これにより、液晶分子に対して所定角度のプレチルトを与えることができる。また第1凸状部28,29bは、透過表示領域Tおよび反射表示領域Rにそれぞれ配置するのが望ましい。これにより、表示領域全体の液晶分子にプレチルトを与えることができる。なお、透過表示領域Tおよび反射表示領域Rに配置する第1凸状部28,29bは、1個に限られず複数個であってもよい。
【0038】
図7(b)は、第1凸状部の作用の説明図である。この第1凸状部28,29bは、対向電極9の表面に誘電体材料からなる突起を形成し、その表面に配向膜27を形成することによって構成されている。そのため、電界無印加時における液晶分子50aは、第1凸状部28,29bの表面に対して垂直に配向する。ここで、画素電極31および対向電極9に電圧を印加すると、破線で示すように各電極に対して垂直な電界が発生する。そして、電界無印加時における液晶分子50aは、この電界に対して角度βのプレチルトを有することになる。したがって、電界印加時には液晶分子を図7(b)の矢印方向に傾倒させて配向規制することができる。これを平面的に見れば、第1凸状部28,29bを中心として放射状に液晶分子50aが傾倒することになる。これにより、液晶分子ダイレクタを複数作り出すことができるので、視野角の広い液晶表示装置を提供することができる。
【0039】
また図7(a)に示すように、上基板の画素電極31に形成されたスリット32の周辺には斜め電界が発生するので、上基板の内面付近に配置された液晶分子を所定方向に傾倒させることができる。なお、上述した第1凸状部28,29bを構成する突起は誘電体により形成されているので、第1凸状部28,29bの表面付近にも斜め電界が発生する。そこで、第1凸状部28,29bと電極スリット32とを異なる基板に形成することにより、液晶層全体の液晶分子を所定方向に配向させることができる。なお、各第1凸状部28,29bは、画素電極31を構成する8角形電極の中央部に相当する位置に配置することが望ましい。これにより、液晶層全体の液晶分子を規則的に配向させることができる。
【0040】
一方、図3(b)に示すように、上基板25の内面には、第2凸状部29aが形成されている。この第2凸状部29aは、その先端部を下基板10に当接させて上基板25と下基板10との相対位置を固定し、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて所定の液晶層厚を実現させるものである。そのため、第2凸状部29aの先端部には、下基板10の内面と平行な平坦面(緩やかに湾曲した面を含む)を設けるのが好ましい。具体的には、第2凸状部29aの表面を、円錐台状や多角錐台状に形成する。これにより、下基板の内面に対して第2凸状部29aを面接触させることが可能になり、所定の液晶層厚を安定して実現させることが可能になる。また第2凸状部29aは、上基板25の内面に誘電体材料からなる突起を形成し、その表面に配向膜27を配置することによって形成されている。これにより、ドット領域外でも液晶分子の配向規制を行うことが可能になり、ドット領域の周辺部における配向不良を防止することができる。
【0041】
第2凸状部29aは、液晶層厚調整層26の形成領域に配置されている。液晶層厚調整層26の形成領域では、液晶層厚が小さく設定されているので、第2凸状部29aの高さを低く抑えることができる。したがって、液晶表示装置を簡単に低コストで製造することができる。また第2凸状部29aの突出高さは、第1凸状部29bの突出高さより大きく形成されている。一例をあげれば、第1凸状部29bの突出高さは1μm程度とされ、第2凸状部29aの突出高さは2μm程度とされている。これにより、同じ厚さの液晶層厚調整層26の形成領域に第1凸状部29bおよび第2凸状部29aを形成する場合でも、下基板10から突出する第1凸状部を上基板25に当接させることなく、上基板25から突出する第2凸状部29aを下基板に当接させることができる。したがって、第1凸状部29bにより液晶分子を配向規制することが可能になり、また第2凸状部29aにより液晶層厚を規制することが可能になる。
【0042】
また第2凸状部29aは、液晶層厚調整層26の形成領域であって、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tの外側に配置されている。これにより、第2凸状部29aが観察者によって視認されることがなくなり、表示品質に優れた液晶表示装置を提供することができる。さらに第2凸状部29aは、液晶層厚調整層26の形成領域であって、積層CF部23の形成部分に配置されている。積層CF部23では、下基板10に対して液晶層厚調整層26の表面が最も高い位置に配置されている。そこで、積層CF部23の形成部分に第2凸状部29aを配置することにより、第2凸状部29aの高さを低く抑えることができる。したがって、液晶表示装置を簡単に低コストで製造することができる。
【0043】
上述した第2凸状部29aは、図3(a)に示すように、相互に隣接する4個の画素電極31の中央部に配置されている。なお、その中央部を包囲する画素電極31の角部を面取りして作出されたスペースに、上述した第2凸状部29aが形成されている。ところで、各画素電極31に対応する位置に形成された3種類の着色層のうち、青色層22Bに隣接する領域であって、緑色層22Gに隣接しない領域に、上述した第2凸状部29aを設けることが望ましい。3原色のうち視感度が最も低い青色層22Bに隣接する領域であって、視感度が最も高い緑色層22Gに隣接しない領域に第2凸状部29aを設けることにより、第2凸状部が観察者によって視認され難くなる。したがって、表示品質に優れた液晶表示装置を提供することができる。
【0044】
以上に詳述したように、本実施形態の液晶表示装置では、下基板から液晶層内に突出し上基板と当接しない第1凸状部が、透過表示領域および/または反射表示領域に設けられている構成とした。これにより、表示領域全体における液晶分子にプレチルトを与えることが可能になり、電界印加時に液晶分子を所定方向に配向させることができる。なお、第1凸状部は点状に形成されているので、液晶層内の液晶分子の動きを妨げることがなく、また開口率を大きく低下させることがない。したがって、視野角が広く表示品質に優れた液晶表示装置を提供することができる。
【0045】
また、本実施形態の液晶表示装置では、上基板から液晶層内に突出し下基板と当接する第2凸状部が、液晶層厚調整層の形成領域に設けられている構成とした。これにより、上基板と下基板との相対位置を固定することが可能になり、スペーサを配設することなく所定の液晶層厚を実現することができる。なお、第1凸状部は反対基板と当接しないので、第2凸状部のみによって正確に所定の液晶層厚を実現することができる。加えて、液晶層厚調整層の形成領域に第2凸状部が設けられているので、第2凸状部の高さを低く抑えることができる。したがって、液晶表示装置を簡単に低コストで製造することができる。
【0046】
そして、第1凸状部と第2凸状部とをそれぞれ異なる基板に設けることにより、第1凸状部および第2凸状部を個別に形成することができる。そのため、第1凸状部および第2凸状部を最適な材料により最適な形状に形成することが可能になる。すなわち、液晶分子にプレチルトを付与する第1凸状部は、プレチルトに最適な傾斜面を有する形状とすることができる。また、反対基板に当接して所定の液晶層厚を実現する第2凸状部は、反対基板と面接触させるため先端部に平坦面を有する形成とすることができる。これにより、第1凸状部および第2凸状部は上述した機能を好適に発揮することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかる液晶表示装置について、図4を用いて説明する。図4(a)は、第2実施形態の液晶表示装置における画素電極の底面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B′線における側面断面図である。第2実施形態の液晶表示装置200は、第1凸状部28,29bがストライプ状とされている点で、第1実施形態の液晶表示装置と異なっている。その他の点については第1実施形態と同様であるから、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
第2実施形態の液晶表示装置200では、ストライプ状の第1凸状部28,29bが、下基板10の内面に形成されている。なお、第1凸状部28,29bの中央部の稜線から周縁部にかけて、基板内面(電極主面)に対して所定角度で傾斜する傾斜面(緩やかに湾曲した面を含む)を設けるのが好ましい。具体的には、第1凸状部28,29bの表面を、屋根状や長球状などに形成する。これにより、液晶分子に対して所定角度のプレチルトを与えることができる。そして、液晶層50に電界を印加すると、液晶分子は第1凸状部28,29bを中心として長円状に傾倒する。これにより、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことができるので、視野角の広い液晶表示装置を提供することができる。
【0049】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかる液晶表示装置について、図5を用いて説明する。図5(a)は、第3実施形態の液晶表示装置における下基板の平面図であり、図5(b)は図5(a)のC−C′線における側面断面図である。第3実施形態の液晶表示装置300は、第1凸状部28,29bが上基板25に形成され、第2凸状部29aが下基板10に形成されている点で、第1実施形態の液晶表示装置と異なっている。また、対向電極9aにスリット9bが形成されている一方で、画素電極31にスリットが形成されていない点でも、第1実施形態の液晶表示装置と異なっている。その他の点については第1実施形態と同様であるから、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図5(a)に示すように、第3実施形態の液晶表示装置300では、下基板10に形成された対向電極9aにスリット9bが形成されている。スリット9bは格子状に形成されて、対向電極9aは複数の小電極に分割されている。さらに、各小電極の角部には面取りが施されて、各小電極は8角形状とされている。なお、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tに配置された各小電極は、隣接する小電極と相互に連結されて導通が確保されている。一方、図5(b)に示すように、上基板25に形成された画素電極31は略長方形状とされ、第1実施形態のようなスリットは形成されていない。そして、この対向電極9aおよび画素電極31に電圧を印加すると、スリット9bの周辺で斜め電界が発生する。これにより、下基板の表面付近に配置された液晶分子を、所定方向に傾倒させて配向規制することができる。
【0051】
また、第3実施形態の液晶表示装置300では、上基板25の内面に第1凸状部28,29bが形成されている。図5(a)に示すように、第1凸状部28,29bは、対向電極9aを構成する8角形電極の中央部に相当する位置に形成されている。なお、第1凸状部28,29bの形状および形成方法は第1実施形態と同様である。この第1凸状部28,29bにより、上基板の表面付近に配置された液晶分子にプレチルトが付与されて、その液晶分子を所定方向に傾倒させることが可能になる。そして、上述した電極スリット9bおよび第1凸状部28,29bをそれぞれ異なる基板に形成したので、液晶層全体の液晶分子を所定方向に傾倒させて配向規制することが可能になる。したがって、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことが可能になり、視野角の広い液晶表示装置300を提供することができる。
【0052】
さらに、第3実施形態の液晶表示装置300では、下基板10の内面に第2凸状部29aが形成されている。この第2凸状部29aは、液晶層厚調整層26の形成領域であって非表示領域である積層CF部23上に配置されている。なお第2凸状部29aは、対向電極9aの一部を切り欠いて作出されたスペースに形成されている。また、第2凸状部29aの形状および形成方法は第1実施形態と同様である。この第2凸状部29aの先端部を上基板25に当接させて、上基板25と下基板10との相対位置を固定することにより、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて所定の液晶層厚を実現することができる。
以上に説明した第3実施形態の液晶表示装置300でも、第1実施形態の液晶表示装置と同様の効果を奏することができる。
【0053】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態にかかる液晶表示装置について、図6を用いて説明する。図6(a)は、第4実施形態の液晶表示装置における下基板の平面図であり、図6(b)は図6(a)のE−E′線における側面断面図である。第4実施形態の液晶表示装置400は、上基板25がCF基板とされ、下基板10がTFD素子基板とされている点で、第1実施形態の液晶表示装置と異なっている。また、第1凸状部28,29bが上基板25に形成され、第2凸状部29aが下基板10に形成されている点でも、第1実施形態の液晶表示装置と異なっている。その他の点については第1実施形態と同様であるから、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0054】
図6(b)に示すように、第4実施形態の液晶表示装置400では、下基板10がTFD素子基板とされている。すなわち基板本体10Aの内面に、TFD素子および各種配線が形成されている(いずれも不図示)。その内面には、金属等の高反射率材料からなる反射膜20が形成されている。なお反射膜20には、開口部21が形成されている。この反射膜20および開口部21の内面には、ITO等の透明導電性材料からなる画素電極31が形成されている。図6(a)に示すように、画素電極31にはスリット32が形成されて、第1実施形態と同様の8角形電極が形成されている。さらに図6(b)に示すように、画素電極31を覆うように垂直配向膜27が形成されている。
【0055】
一方、上基板25の内面には、CF層22が形成されている。なお画素電極31の額縁部に相当する位置には、積層CF部23が設けられている。また、反射膜20の形成領域に対応するCF層22の内面には、液晶層厚調整層26が設けられている。さらに、液晶層厚調整層26の内面を含むCF層22の内面には、ITO等からなる対向電極9が形成されている。加えて、対向電極9の表面を覆うように、垂直配向膜33aが形成されている。そして、画素電極31および対向電極9に電圧を印加すると、画素電極31に形成されたスリット32の周辺で斜め電界が発生する。これにより、下基板10の表面付近に配置された液晶分子を所定方向に傾倒させて配向規制することができる。
【0056】
そして、第4実施形態の液晶表示装置400では、上基板25の内面に第1凸状部28,29bが形成されている。図6(a)に示すように、第1凸状部28,29bは、画素電極31を構成する8角形電極の中央部に相当する位置に形成されている。なお、第1凸状部28,29bの形状および形成方法は第1実施形態と同様である。この第1凸状部28,29bにより、上基板の表面付近に配置された液晶分子にプレチルトが付与されるので、その液晶分子を所定方向に傾倒させて配向規制することが可能になる。そして、上述した電極スリット32および第1凸状部28,29bをそれぞれ異なる基板に形成したので、液晶層全体の液晶分子を所定方向に傾倒させて配向規制することが可能になる。したがって、液晶分子のダイレクタを複数作り出すことが可能になり、視野角の広い液晶表示装置400を提供することができる。
【0057】
さらに、第4実施形態の液晶表示装置400では、下基板10の内面に第2凸状部29aが形成されている。この第2凸状部29aは、液晶層厚調整層26の形成領域であって非表示領域である積層CF部23に対応する位置に配置されている。なお、第2凸状部29aの形状および形成方法は第1実施形態と同様である。この第2凸状部29aの先端部を上基板25に当接させて、上基板25と下基板10との相対位置を固定することにより、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて所定の液晶層厚を実現することができる。
以上に説明した第4実施形態の液晶表示装置400でも、第1実施形態の液晶表示装置と同様の効果を奏することができる。
【0058】
[電子機器]
次に、上述した各実施形態の液晶表示装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図8は、電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図8において、符号3000は携帯電話本体を示している。この携帯電話は、上述した各実施形態の液晶表示装置を用いた表示部を備えているので、使用環境によらずに明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の表示が可能になっている。
【0059】
なお上述した各実施形態の液晶表示装置は、携帯電話に限らず、電子ブックやパーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器などの画像表示手段として好適に用いることができる。そして、いずれの電子機器においても、明るく、高コントラストであり、かつ広視野角の表示が可能になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶表示装置の等価回路図である。
【図2】各基板に形成される電極の平面構造の説明図である。
【図3】(a)は第1実施形態の液晶表示装置における画素電極の底面図であり、(b)は液晶表示装置全体の側面断面図である。
【図4】(a)は第2実施形態の液晶表示装置における画素電極の底面図であり、(b)は液晶表示装置全体の側面断面図である。
【図5】(a)は第3実施形態の液晶表示装置における下基板の平面図であり、(b)は液晶表示装置全体の側面断面図である。
【図6】(a)は第4実施形態の液晶表示装置における下基板の平面図であり、(b)は液晶表示装置全体の側面断面図である。
【図7】(a)はスリットの作用の説明図であり、(b)は第1凸状部の作用の説明図である。
【図8】電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
R反射表示領域 T透過表示領域 10下基板 25上基板 26液晶層厚調整層 28第1凸状部 29a第2凸状部 29b第2凸状部 50液晶層 100液晶表示装置

Claims (11)

  1. 一対の基板間に液晶層を挟持してなり、1つのドット領域内に透過表示領域と反射表示領域とが設けられた液晶表示装置であって、
    前記液晶層は、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなり、
    前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板と前記液晶層との間には、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さを前記透過表示領域における前記液晶層の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層が設けられ、
    前記一対の基板のうち一方の基板から前記液晶層に突出し、前記一対の基板のうち他方の基板に当接しない第1凸状部が、前記透過表示領域および/または前記反射表示領域に設けられ、
    前記他方の基板から前記液晶層に突出し、前記一方の基板と当接する第2凸状部が、前記液晶層厚調整層の形成領域に設けられていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第2凸状部の突出高さは、前記第1凸状部の突出高さより大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第2凸状部は、前記液晶層の厚さを規制する液晶層厚規制手段として設けられ、前記反射表示領域における前記液晶層の厚さと略同一の突出高さに形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第2凸状部は、前記透過表示領域および前記反射表示領域の外側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板には、複数種類の着色層を整列配置したカラーフィルタ層が形成され、前記カラーフィルタ層の形成基板における前記透過表示領域および前記反射表示領域の外側には、前記各着色層が積層形成され、
    前記第2凸状部は、前記各着色層の積層領域に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板には、複数の着色層を整列配置したカラーフィルタ層が形成され、
    前記第2凸状部は、緑色の前記着色層と隣接しない領域に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の液晶表示装置。
  7. 前記一対の基板のうち少なくともいずれかの基板には、複数の着色層を整列配置したカラーフィルタ層が形成され、
    前記第2凸状部は、青色の前記着色層と隣接する領域に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 前記第1凸状部は、前記液晶の配向を規制するための配向規制手段として設けられ、前記一方の基板における液晶層側の表面に対して所定の角度で傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. 前記他方の基板には、前記液晶層に電界を印加する導電体が設けられ、前記導電体には、スリットが形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の液晶表示装置。
  10. 前記一対の基板には、前記液晶を垂直配向させる配向膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の液晶表示装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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