JP2005029874A - ニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法及び回収装置 - Google Patents

ニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法及び回収装置 Download PDF

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勇 小谷
Hiromi Noguchi
裕臣 野口
Yoshio Tsuge
良男 柘植
Yasuji Inaguma
康詞 稲熊
Hiromitsu Hotta
裕満 堀田
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Abstract

【課題】不純物の蓄積が少なく、少ないエネルギーでニッケルめっき後の水洗水からニッケルを回収することができ、環境へのニッケルの排出を抑制することができるニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法及び回収装置を提供する。
【解決手段】ニッケルめっき後の水洗水にアルカリを加えてpH調整することにより水洗水中のニッケルイオンを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物とし、生成した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物を水洗水から分離し、分離した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物をニッケルめっき液により溶解して回収するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニッケルめっき工程において、ニッケルめっき後の水洗水に含まれるニッケルを回収する、ニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法及び回収装置に関するものである。
ニッケルは安定であることから装飾、防食めっきに利用されており、特にニッケルめっきを多層とすると優れた防食特性が得られることから、自動車部品、家電、家庭用品等に広く使用されている。近年環境問題が大きく取り上げられ、ニッケルについても環境への排出が許容されない状況となってきており、めっき工程中の水洗水についても排出に先立って何らかの方法でニッケルを取り除くことが求められている。また、資源問題の観点からは、水洗水からも有価物であるニッケルを回収して再利用することが求められている。
こうした要求に対し、ニッケルめっき水洗水を濃縮回収装置によりめっき液と同程度の濃度まで濃縮し、濃縮した水洗水をめっき槽本槽に戻すことが試みられている。こうした方法ではめっき液に含まれる不純物も濃縮されてめっき槽本槽に戻され、めっき液中に蓄積されるという問題があった。また、めっき液に含まれる添加剤の影響もあって濃縮したときに結晶を生じ易く、濃縮装置の内部に結晶が付着して濃縮性能の低下を招き易いという問題があり、濃縮装置は大気圧下、あるいは減圧下で水を蒸発させて行うものであるため大量の熱エネルギーを必要とし、メンテナンスに時間がかかるという問題があった。さらに、本槽には蒸発分と汲み出し分に相当する以上の量の濃縮された水洗水を戻すことができないという問題があった。
一方、水洗水からニッケルを回収する方法としては、例えば特開平11−172497号公報に示されているような、ニッケルをイオン交換樹脂に吸着させて回収する方法が知られており、このようなイオン交換樹脂に吸着させる方法を応用することも考えられている。この特開平11−172497号公報に示されているのは、めっき後の水洗水を処理するイオン交換樹脂塔入側に濃度検出器及び流量計を配設し、該イオン交換樹脂の吸着から溶離への切り替えタイミングを濃度と流量の積算値によって決定するものである。
こうしたイオン交換樹脂に吸着させる方法では、めっき槽からワークにより汲み出されるめっき液の量に相当する多量のイオン交換樹脂が必要であり、そのイオン交換樹脂再生用の薬品も多量に必要とするという問題があった。さらに、イオン交換樹脂の再生に時間がかかることからイオン交換樹脂装置を2セット用意して交互に吸着処理と再生処理を行わせることが必要となり、装置が大型になるという問題があった。そのうえ、イオン交換樹脂を再生して得られる再生液は酸濃度が高いため、めっき液として再利用し難いという問題があった。
従来、水洗水を濃縮してめっき槽本槽に戻す方法の場合の本槽からの蒸発分及び汲み出し分を上回る量の水洗水、イオン交換樹脂に吸着させる方法の場合のイオン交換樹脂を再生して得られる再生液は排水処理したうえ廃棄されており、含まれているニッケルが有効に回収再利用されないという問題があった。すなわち、排水処理は他の金属イオンを含む排水とともにpHの調整、凝集剤の添加等の処理をし、生成した多種の金属水酸化物、金属酸化物等が混合したスラッジを沈降分離して行うものであり、こうして沈降分離された他の金属水酸化物等と混合したスラッジからニッケルのみを回収することはコスト的に引き合わないことによるものである。
特開平11−172497号公報
本発明は上記の問題点を解決し、不純物の蓄積が少なく、少ないエネルギーでニッケルめっき後の水洗水からニッケルを回収することができ、環境へのニッケルの排出を抑制することができるニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法及び回収装置を提供するためになされたものである。
上記の問題を解決するためになされた本発明のニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法は、ニッケルめっき後の水洗水にアルカリを加えてpH調整し、水洗水中のニッケルイオンを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物とする工程と、生成した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物を水洗水から分離する工程と、分離した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物をニッケルめっき液により溶解して回収する工程とからなることを特徴とするものである。
この請求項1の発明において、pH調整して水洗水中のニッケルイオンを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物とする工程の前段に、ニッケルめっき後の水洗水にアルカリを加えてpH調整し、水洗水中の鉄や銅等の金属イオンを金属水酸化物とする工程と、生成した金属水酸化物を分離する工程とを加えることができ、これを請求項2の発明としている。
また、同一の問題を解決するためになされた本発明のニッケルめっき工程におけるニッケル回収装置は、ニッケルめっき後の水洗水にアルカリを加えてpH調整し、水洗水中のニッケルイオンを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物とするpH調整装置と、生成した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物を水洗水から分離する固液分離装置とから構成し、固液分離装置により分離された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物に接触して水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物を溶解するニッケルめっき液のめっき液流路を開閉自在に設けたことを特徴とするものである。
本発明は、水洗水中のニッケルを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物として分離し、これをめっき液により溶解して回収するようにしたので、ニッケルめっき液に他の成分を持ち込むことが極めて少なく、不純物が蓄積してめっき液を壊すことがない利点があり、ニッケルを含む水洗水を排水処理して廃棄する必要がない利点がある。また、従来の熱エネルギーを使用する濃縮してめっき槽本槽に戻す方法に比べて必要なエネルギーが少ない利点がある。したがって、従来の問題点を解決したニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法及び回収装置を提供するものとして業界のみならず一般社会にも寄与するところ極めて大である。
次に、本発明のニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法を実施するための最良の形態について、図を参照しながら具体的に説明する。
図1は本発明のニッケル回収装置の実施例1を示す配管系統図であって、pH調整装置1と2台の濾過機2及び3から構成したものである。pH調整装置1の入側には水洗水配管4を通してめっき後の水洗槽から水洗水を取り込む取り込みポンプ5が設けてあり、pH調整装置1の出側には送液ポンプ6を設け、水洗水配管7と電動弁8及び9を通してそれぞれ固液分離装置である濾過機2及び3の入側に接続してある。濾過機2及び3としては従来知られるカートリッジ式やペーパーフィルター式のもの等が使用可能である。
10は濾過機2、3洗浄用の洗浄水を供給する給水配管であって、電動弁11及び12を通して濾過機2及び3の入側にそれぞれ接続してある。13はニッケルめっき槽からのめっき液配管であって、めっき液循環ポンプ14と電動弁15及び16を通して濾過機2及び3の入側にそれぞれ接続してある。17はニッケルめっき槽へのめっき液配管であって、電動弁18及び19を通して濾過機2及び3の出側にそれぞれ接続してある。20は排水処理装置への排水配管であって、電動弁21及び22を通して濾過機2及び3の入側に、電動弁23及び24を通して濾過機2及び3の出側にそれぞれ接続してある。さらに、濾過機2及び3の出側には電動弁25及び26と電動弁27及び28が接続してあり、電動弁25及び26の他側は開放し、電動弁27及び28の他側はpH調整装置1の入側に配管してある。29はめっき液の受槽であって、電動弁30を通してめっき液循環ポンプ14の出側に配管してある。
図2はpH調整装置1の構成の一例を示すものであって、水洗水を受け入れるpH調整槽31、pH調整槽31内の水洗水を攪拌する撹拌機32、pH調整槽31内の水洗水のpHを計測するpHセンサー33、アルカリを貯蔵する貯槽34、貯槽34に貯蔵されるアルカリをpH調整槽31に注入する注入ポンプ35、pH調整槽31の液面を制御する液面制御器36で構成してある。取り込みポンプ5により取り込まれた水洗水はpH調整槽31に送り込まれ、pH調整後のpH調整槽31内の水洗水は送液ポンプ6により水洗水配管7に送られる。
図3はニッケルめっき工程を構成する処理槽に前記構成のニッケル回収装置を付設したときの配管系統を示すもので、このニッケルめっき工程の例ではめっき前の水洗槽37、半光沢ニッケルめっき槽38、光沢ニッケルめっき槽39、めっき後の第1の水洗槽40、第2の水洗槽41、第3の水洗槽42が配列されている。ワークは水洗槽37から第3の水洗槽42までの各槽に順次浸漬、移送されて2層ニッケルめっきが施されるものであり、第1の水洗槽40には第2の水洗槽41から、第2の水洗槽41には第3の水洗槽42からそれぞれ水洗水を供給し、第3の水洗槽42に水洗水の減少分に相当する新水を供給するようにしてある。pH調整装置1には第1の水洗槽40の水洗水を取り込むようにしてあり、めっき液配管13及び17は半光沢ニッケルめっき槽38に接続してある。また、受槽29に受けためっき液はめっき液回収ポンプ43により半光沢ニッケルめっき槽38に返送するようにしてある。
前記のような構成において、第1の水洗槽40から適量の水洗水をpH調整装置1のpH調整槽31に取り込み、pH調整槽31に取り込まれた水洗水にアルカリを加えて水洗水を水酸化ニッケルが生成するpH範囲になるように調整する。pH調整槽31に取り込む水洗水の量は液面制御器36により制御され、pHの調整はpH調整槽31内の水洗水を撹拌機32により撹拌しながらpHセンサー33により計測し、pH調整槽31内の水洗水が所定のpH範囲になるまで注入ポンプ35により貯槽34のアルカリをpH調整槽31に注入して行われる。水酸化ニッケルが生成するpH範囲は9.0乃至10.0であり、アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のようなスラッジ量を増やすことのないアルカリ水溶液を使用することが好ましい。炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムを使用した場合には、水酸化ニッケルとともに炭酸ニッケルが生成することになる。
pH調整が完了した時点で送液ポンプ6を運転すれば、pH調整済みの水洗水は水洗水配管7を通して濾過機2又は3に送られる。濾過機2、3は交互に使用することが好ましく、濾過機2を使用する場合には濾過機2に接続される電動弁8、23を開、電動弁11、15、21、18、25を閉としておく。水洗水は電動弁8、濾過機2、電動弁23を通って排水配管20に送られる。このとき固形分である水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物は濾過機2に捕捉され、排水配管20から排水処理装置に送られるのは濾液であり、濾液は排水処理装置で処理される。濾過機2では捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の増加とともに濾過圧力が上昇するので、濾過圧力が上限に達するかpH調整装置1内の水洗水が所定量以下になった時点で送液ポンプ6を停止させる。
ここで電動弁8を閉、電動弁21、25を開とすれば、濾過機2内に残留する水洗水は排水配管20を通って排水処理装置に流下する。濾過機2、排水配管20、排水処理装置の位置関係により濾過機2内に残留する水洗水が自然に排水処理装置に流下しない場合には適宜ポンプを設けるものとする。次いで電動弁21、25を閉、電動弁11を開とすれば、給水配管10から洗浄水が電動弁11を通して濾過機2に供給され、濾過機2に捕捉された固形分に付着した塩、添加剤等を洗い流す。濾過機2に捕捉された固形分を洗浄した洗浄水は電動弁23、排水配管20を通って排水処理装置に送られる。
濾過機2に捕捉された固形分の洗浄が終わったところで電動弁11を閉、電動弁21、25を開とすれば、濾過機2への洗浄水の供給は停止し、濾過機2内に残留する洗浄水は排水配管20を通って排水処理装置に流下する。次に電動弁21、23、25を閉、電動弁15、18を開とし、めっき液循環ポンプ14を運転すれば、半光沢ニッケルめっき槽38のめっき液はめっき液配管13からめっき液循環ポンプ14、電動弁15、濾過機2、電動弁18、めっき液配管17を通って流れ、半光沢ニッケルめっき槽38に戻ることになる。水酸化ニッケル、特に生成直後の水酸化ニッケルはニッケルめっき液に溶解しやすいものであり、同様に炭酸ニッケルもニッケルめっき液に溶解しやすいものである。これにより濾過機2に捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物はめっき液により溶解されるので、引き続きめっき液の循環を続け、濾過機2に捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の溶解が終了したところでめっき液循環ポンプ14を停止する。
濾過機2に捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の溶解が終了したところで電動弁18を閉、電動弁30及び25を開とすれば、濾過機2と配管内に残留するめっき液は電動弁30を通って受槽29に排出される。濾過機2と配管内に残留するめっき液が受槽29に排出された後電動弁15、25、30を閉、電動弁11、27を開とすれば、給水配管10から洗浄水が電動弁11を通して濾過機2に供給され、供給された洗浄水は濾過機2内に僅かに残留するめっき液を洗い流してpH調整装置1に送られる。この洗浄水は第1の水洗槽40から取り込まれる水洗水と同質のものであり、この洗浄水の流入によりpH調整槽31内の水洗水のpHが水酸化ニッケルが生成するpH範囲を外れた場合には注入ポンプ35により貯槽34のアルカリが注入され、所定のpH範囲になるように調整される。
このようにして濾過機2は水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の捕捉とめっき液による捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の溶解を行うので、この繰り返しにより水洗水からニッケルが回収されることになる。この濾過機2に対し濾過機3は、濾過機2においてめっき液による捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の溶解が行われているときに水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の捕捉を行い、濾過機2において水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の捕捉が行われているときにめっき液による捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の溶解を行うようにすることが好ましい。このようにすれば、水洗水からのニッケルの回収をほぼ連続して行うことができることになる。
濾過機3における水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の捕捉は電動弁9、24を開、電動弁12、16、22、19、26を閉として送液ポンプ6を運転することにより行われる。その後電動弁9を閉、電動弁22、26を開とすることにより濾過機3内に残留する水洗水が排出され、電動弁22、26を閉、電動弁12を開とすることにより濾過機3に捕捉された固形分に付着した塩、添加剤等が洗浄水により洗い流され、電動弁12を閉、電動弁22、26を開とすることにより濾過機3内に残留する洗浄水が排出される。また、濾過機3におけるめっき液による捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の溶解は電動弁9、12、22、24、26を閉、電動弁16、19を開とし、めっき液循環ポンプ14を運転することにより行われる。さらに、濾過機3と配管内に残留するめっき液の排出は電動弁19を閉、電動弁30及び26を開とすることにより行われ、濾過機3の洗浄は電動弁16、26、30を閉、電動弁12、28を開とすることにより行われる。
濾過機2及び3により水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の捕捉、ニッケルの回収が行われ、pH調整槽31内の水洗水が減少したときには送液ポンプ6の運転を停止し、再度水洗槽40から適量の水洗水をpH調整装置1に取り込み、アルカリを加えて所定のpH範囲になるように調整する。このようにして水洗水中のニッケルがめっき液に回収されるのであるが、硫酸、塩酸、硼酸、光沢剤等は回収されないので、めっき液を分析してこれらの成分が不足した場合には必要量を補給する。また、ニッケルを回収したことによりめっき液中のニッケルの濃度が必要以上に上昇し過ぎる場合には、陽極の一部を不溶性陽極としてニッケル濃度の上昇を抑制することができる。
図4は本発明のニッケル回収装置の実施例2を示す配管系統図であって、第1のpH調整装置45及び第2のpH調整装置46と濾過機47とで構成したものである。この実施例2は請求項2の発明を実施するためのものであって、第1のpH調整装置45の入側にはめっき後の水洗槽から水洗水配管48を通して水洗水を取り込む取り込みポンプ49が設けてあり、第1のpH調整装置45の出側には送液ポンプ50と電動弁51を通して濾過機47の入側に接続してある。第1のpH調整装置45、第2のpH調整装置46、濾過機47は実施例1のものに使用するものと同様のものが使用可能である。
第2のpH調整装置46の入側は電動弁52を通して濾過機47の出側に接続してあり、第2のpH調整装置46の出側は送液ポンプ53と電動弁54を通して濾過機47の入側に接続してある。55は濾過機47洗浄用の洗浄水を供給する給水配管であって、電動弁56を通して濾過機47の入側に、電動弁57を通して濾過機47の出側にそれぞれ接続してある。58はニッケルめっき槽からのめっき液配管、59はニッケルめっき槽へのめっき液配管であって、めっき液配管58はめっき液循環ポンプ60と電動弁61を通して濾過機47の入側に、めっき液配管59は電動弁62を通して濾過機47の出側にそれぞれ接続してある。63は排水処理装置への排水配管であって、電動弁64を通して濾過機47の入側に、電動弁65を通して濾過機47の出側にそれぞれ接続してある。さらに、濾過機47の出側には他側を開放した電動弁66が接続してある。67はめっき液の受槽であって、電動弁68を通してめっき液循環ポンプ60の出側に配管してある。
図5はニッケルめっき工程を構成する処理槽に実施例2のニッケル回収装置を付設したときの配管系統を示すもので、ニッケルめっき工程は図3に示すものと同一としてある。第1のpH調整装置45には第1の水洗槽40の水洗水を取り込むようにしてあり、めっき液配管58及び59は半光沢ニッケルめっき槽38に接続してある。また、受槽67に受けためっき液はめっき液回収ポンプ69により半光沢ニッケルめっき槽38に返送するようにしてある。
前記のような構成において、第1の水洗槽40から適量の水洗水を第1のpH調整装置45に取り込み、取り込まれた水洗水にアルカリを加えて鉄や銅の水酸化物が生成するpH範囲になるように調整する。水酸化鉄や水酸化銅が生成するpH範囲は5.0乃至6.0である。pHの調整完了後、電動弁51、52を開、電動弁54、56、61、64、57、62、65、66を閉として送液ポンプ50を運転すれば、第1のpH調整装置45内の水洗水は電動弁51、濾過機47、電動弁52を通って第2のpH調整装置46に送られる。このとき固形分である水酸化鉄、水酸化銅等は濾過機47で捕捉され、第2のpH調整装置46に送られるのは濾液であり、濾過機47の濾過圧力が上限に達するか、第1のpH調整装置45内の水洗水が所定量以下になった時点で送液ポンプ50を停止する。
送液ポンプ50が停止したところで電動弁51、52を閉、電動弁57、64を開とすると、給水配管55から洗浄水が電動弁57を通して濾過機47に供給され、濾過機47は逆洗されて濾過機47を洗浄した洗浄水は電動弁64から排水配管63に排出される。これにより濾過機47に捕捉された水酸化鉄、水酸化銅等は排水配管63を通して排水処理装置に送られ処理される。この濾過機47の逆洗は捕捉された水酸化鉄、水酸化銅等の排出が完了するまで継続し、完了とともに電動弁57、64を閉とする。
第2のpH調整装置46に送り込まれた濾過機47の濾液にはアルカリを加えて水酸化ニッケルが生成するpH範囲になるように調整する。第2のpH調整装置46内の濾液のpH調整完了後、電動弁54、65を開とし、送液ポンプ53を運転する。第2のpH調整装置46内のpH調整済みの濾液は電動弁54、濾過機47、電動弁65を通って排水配管63に流れる。第2のpH調整装置46内の濾液中の水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物は濾過機47で捕捉されるので、濾過機47の濾過圧力が上限に達するか、第2のpH調整装置46内の濾液が所定量以下になった時点で送液ポンプ53を停止する。
その後電動弁54を閉、電動弁64、66を開とすることにより濾過機47内に残留する水洗水が排出され、電動弁64、66を閉、電動弁56を開とすることにより濾過機47に捕捉された固形分に付着した塩、添加剤等が洗い流され、電動弁56を閉、電動弁64、66を開とすることにより濾過機47内に残留する洗浄水が排出される。さらに、電動弁51、54、64、56、52、57、65、66を閉、電動弁61、62を開としてめっき液循環ポンプ60を運転することにより濾過機47に捕捉された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物がめっき液により溶解され回収される。
さらに、電動弁62を閉、電動弁68及び66を開とすることにより濾過機47と配管内に残留するめっき液が受槽67に排出され、電動弁61、66、68を閉、電動弁56、52を開とすることにより濾過機47が給水配管55から供給される洗浄水によって洗浄される。濾過機47を洗浄した洗浄水は第2のpH調整装置46に送られ、この洗浄水の流入により第2のpH調整装置46内の濾液及び洗浄水のpHが水酸化ニッケルが生成するpH範囲を外れた場合にはアルカリが注入されて所定のpH範囲になるように調整される。
この実施例2のものは、先ず水洗水に含まれる鉄や銅を水酸化鉄や水酸化銅として分離し、その後ニッケルの回収を行うので回収されるニッケルに鉄や銅のような不純物が含まれることが少なくなり、ニッケルめっき液に鉄や銅などの不純物が多く含まれる場合に適したものである。なお、この実施例2のものでは、電動弁を切り替え、水酸化鉄等の分離と水酸化ニッケル等の捕捉とを単一の濾過機47で行うようにしているが、それぞれ専用の濾過機を設けて専用の濾過機により個別に水酸化鉄等の分離と水酸化ニッケル等の捕捉を行うことができることは言うまでもない。また、この実施例2のものにおいても、実施例1のもののように濾過機を2台として交互に水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の捕捉と、めっき液による水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物の溶解を行うようにすることができる。
水洗槽から水洗水がpH調整槽に取り込まれると水洗槽の水洗水が減少し、新水が補給される。図3及び図5には水洗を3段として第3の水洗槽42の水洗水を第2の水洗槽41に、第2の水洗槽41の水洗水を第1の水洗槽40に供給するようにし、第3の水洗槽42に新水を供給するようにしたニッケルめっき工程が示してある。このような構成は向流水洗と呼ばれ、少ない水洗水で洗浄できる利点を有するものであって、最終段の新水に近い水洗水で洗浄されるワークは清浄度が高くなり、pH調整槽に初段のめっき液成分の濃度の高い水洗水を取り込むことによりニッケルを効率よく回収することができる。
なお前記実施例1及び2では、いずれも固液分離装置として濾過機を使用しているが、遠心分離機等も使用可能である。また、濾過機の入側、出側の流路の切り替えに多数の電動弁を使用するようにしているが、これを切り替え弁とすることができる。
本発明のニッケル回収装置の実施例1を示す配管系統図である。 pH調整装置の構成を示す図である。 ニッケルめっき工程に付設した状態を示す配管系統図である。 本発明のニッケル回収装置の実施例2を示す配管系統図である。 ニッケルめっき工程に付設した状態を示す配管系統図である。
符号の説明
1 pH調整装置
2、3 濾過機
4 水洗水配管
5 取り込みポンプ
6 送液ポンプ
7 水洗水配管
8、9 電動弁
10 給水配管
11、12 電動弁
13 めっき液配管
14 めっき液循環ポンプ
15、16 電動弁
17 めっき液配管
18、19 電動弁
20 排水配管
21、22、23、24、25、26、27、28 電動弁
29 受槽
30 電動弁
31 pH調整槽
32 撹拌機
33 pHセンサー
34 貯槽
35 注入ポンプ
36 液面制御器
37 水洗槽
38 半光沢ニッケルめっき槽
39 光沢ニッケルめっき槽
40 第1の水洗槽
41 第2の水洗槽
42 第3の水洗槽
43 めっき液回収ポンプ
45 第1のpH調整装置
46 第2のpH調整装置
47 濾過機
48 水洗水配管
49 取り込みポンプ
50 送液ポンプ
51、52 電動弁
53 送液ポンプ
54 電動弁
55 給水配管
56、57 電動弁
58、59 めっき液配管
60 めっき液循環ポンプ
61、62 電動弁
63 排水配管
64、65、66 電動弁
67 受槽
68 電動弁

Claims (3)

  1. ニッケルめっき後の水洗水にアルカリを加えてpH調整し、水洗水中のニッケルイオンを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物とする工程と、生成した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物を水洗水から分離する工程と、分離した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物をニッケルめっき液により溶解して回収する工程とからなることを特徴とするニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法。
  2. pH調整して水洗水中のニッケルイオンを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物とする工程の前段に、ニッケルめっき後の水洗水にアルカリを加えてpH調整し、水洗水中の鉄や銅等の金属イオンを金属水酸化物とする工程と、生成した金属水酸化物を分離する工程とを加えることを特徴とする請求項1に記載のニッケルめっき工程におけるニッケル回収方法。
  3. ニッケルめっき後の水洗水にアルカリを加えてpH調整し、水洗水中のニッケルイオンを水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物とするpH調整装置と、生成した水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物を水洗水から分離する固液分離装置とから構成し、固液分離装置により分離された水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物に接触して水酸化ニッケルあるいは水酸化ニッケルと炭酸ニッケルの混合物を溶解するニッケルめっき液のめっき液流路を開閉自在に設けたことを特徴とするニッケルめっき工程におけるニッケル回収装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007146221A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Nippon Parkerizing Co Ltd りん酸塩皮膜付き材料の製造方法
JP2014080648A (ja) * 2012-10-15 2014-05-08 Fukuoka Prefecture ニッケルめっき排水の再生方法及び再生装置
US11884554B2 (en) * 2018-03-27 2024-01-30 Basf Se Process for precipitating a carbonate or (oxy)hydroxide

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