JP2023050355A - 軟水化装置 - Google Patents

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Hiroki Murase
彩加 永田
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Abstract

Figure 2023050355000001
【課題】軟水化装置のイオン交換樹脂の再生処理に要する時間の長期間化を抑制することができる軟水化装置を提供する。
【解決手段】軟水化装置1は、軟水化槽3と、中和槽4と、電解槽12と、分離部14とを備える。軟水化槽3は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂10により軟水化する。中和槽4は、軟水化槽を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂11により中和する。電解槽12は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生するための酸性電解水と、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生するためのアルカリ性電解水とを生成する。そして軟水化装置1は、軟水化槽3の再生処理の途中に軟水化槽3に原水を通水する入替処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、生活水を得る軟水化装置に関するものである。
従来の弱酸性陽イオン交換樹脂を用いた軟水化装置では、食塩を使用しない陽イオン交換樹脂の再生方法として、電気分解で生成した酸性電解水により陽イオン交換樹脂を再生する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。弱酸性陽イオン交換樹脂は、官能基の末端にプロトンを有しており、原水中の硬度成分(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン)を水素イオンに交換して原水を軟水化している。そして、弱酸性陽イオン交換樹脂で軟水化された原水は、水素イオンを含み、酸性となっている。この軟水中の水素イオンは、弱酸性陽イオン交換樹脂の後段に備えられた弱塩基性陰イオン交換樹脂に吸着され、これにより軟水化された原水が中和される。従来の軟水化装置では、弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生方法として、電気分解で生成したアルカリ性電解水により弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011-30973号公報 特開2010-142674号公報
このような従来の軟水化装置においては、弱酸性陽イオン交換樹脂および弱塩基性陰イオン交換樹脂の再生処理が進行するにつれ、軟水化槽から放出される硬度成分(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン)により、酸性電解水の硬度が上昇する。そのため、硬度が上昇した酸性電解水を再度電解して、再生処理に再利用するようなシステムにおいては、再生処理開始からの時間が経過するにつれ、酸性電解水の硬度が上昇していく。したがって、このようなシステムにおいては、酸性電解水の硬度が上昇するにしたがい、弱酸性陽イオン交換樹脂から硬度成分が放出されづらくなり、軟水化槽の再生時間が延びてしまうという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、軟水化装置のイオン交換樹脂の再生処理に要する時間を短縮することができる軟水化装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る軟水化装置は、軟水化槽と、中和槽と、電解槽とを備える。軟水化槽は、硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する。中和槽は、軟水化槽を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する。電解槽は、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水と、中和槽の弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生するためのアルカリ性電解水とを生成する。分そして軟水化装置は、軟水化槽の再生処理の途中に、軟水化槽に原水を通水する入替処理を行う入替処理これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、軟水化装置のイオン交換樹脂の再生処理に要する時間を短縮することができる軟水化装置を提供することができる。
図1は、実施の形態1に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。 図2は、実施の形態1に係る軟水化装置の循環流路を示す構成図である。 図3は、実施の形態1に係る軟水化装置の入替流路を示す構成図である。 図4は、実施の形態1に係る軟水化装置の動作時の状態を示す図である。 図5は、実施の形態2に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。 図6は、実施の形態2に係る軟水化装置の循環流路を示す構成図である。 図7は、実施の形態2に係る軟水化装置の入替流路を示す構成図である。 図8は、実施の形態2に係る軟水化装置の動作時の状態を示す図である。 図9は、実施の形態3に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。 図10は、実施の形態4に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。
本発明に係る軟水化装置は、軟水化槽と、中和槽と、電解槽とを備える。軟水化槽は、硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する。中和槽は、軟水化槽を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する。電解槽は、軟水化槽の弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水と、中和槽の弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生するためのアルカリ性電解水とを生成する。そして、軟水化装置は、軟水化槽の再生処理の途中に、軟水化槽に原水を通水する入替処理を行う。
こうした構成によれば、再生処理の途中で、軟水化槽内の水を、弱酸性陽イオン交換樹脂から放出された硬度成分を多く含む酸性電解水から原水に入れ替えることができる。したがって、再生処理の経路内の硬度成分量を低減させることができるため、軟水化装置のイオン交換樹脂の再生処理に要する時間の長期間化を抑制可能な軟水化装置を提供することができる。
また、本発明に係る軟水化装置は、分離部をさらに備える。分離部は、電解槽と中和槽とを連通する流路に設けられ、電解槽に導入された水に含まれる硬度成分に起因する析出物を分離する。そして、入替処理では、軟水化槽を流通した原水を、分離部へ通水するように流通させる。このようにすることで、軟水化槽を流通した酸性軟水を用いて分離部の洗浄を行うことができ、分離部に析出した硬度成分を含む析出物の溶解を行うことができる。したがって、分離部の圧力損失を低減させることができ、中和槽に十分な水量のアルカリ電解水を供給することができ、再生処理を滞りなく行うことが可能な軟水化装置とすることができる。
また、本発明に係る軟水化装置において、入替処理では、分離部に対して、分離部の下流側から、軟水化槽を流通した原水を流入させるようにしてもよい。このようにすることで、分離部の逆洗浄を行うことができる。したがって、入替処理の処理効率を向上させることができ、より短期間で入替処理を終了することができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、分離部を流通する水の流量を検出する流量検出部を備え、流量検出部で検出された流量が所定の値を下回った場合に、入替処理を開始するようにしてもよい。このようにすることで、分離部を流通する水の流量状態を把握でき、流量情報に基づいて入替処理の開始を判断できる。そのため、より効果的なタイミングで入替処理を開始することができる。
また、本発明に係る軟水化装置では、分離部の前段に、流通する水の静圧を検出する静圧検出部を備え、静圧検出部で検出された静圧が所定の値を上回った場合に、入替処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、再生処理時の分離部の静圧状態を把握でき、静圧検出情報に基づいて入替処理の開始を判断できる。そのため、より効果的なタイミングで入替処理を開始することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る軟水化装置1の構成を示す概念図である。なお、図1では、軟水化装置1の各要素を概念的に示している。
(全体構成)
軟水化装置1は、外部から供給される市水(硬度成分を含む原水)を、生活水として使用可能な中性の軟水として生成する装置である。
具体的には、図1に示すように、軟水化装置1は、外部からの原水の流入口2と、軟水化槽3と、中和槽4と、処理後の軟水の取水口5と、再生装置6を備えている。また、再生装置6は、電解槽12と、分離部14と、貯水槽15と、送水ポンプ19とを含んで構成される。また、軟水化装置1は、排水口16と、制御部17と、複数の開閉弁(開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34~開閉弁39、及び開閉弁41)と、選択弁40とを含んで構成される。
流入口2は、市水に接続されている。流入口2は、市水を軟水化装置1内に導入するための開口である。
取水口5は、軟水化装置1内を流通し、軟水化処理された水を装置外に供給するための開口である。軟水化装置1は、市水の圧力で取水口5から軟水化処理後の水を取り出すことができるものである。
流入口2から取水口5までは、流路7、流路8、流路9によって接続されている。流路7は、流入口2から軟水化槽3までを接続した流路である。流路8は、軟水化槽3から中和槽4までを接続した流路である。流路9は、中和槽4から取水口5までを接続した流路である。
言い換えると、流路7は、硬度成分を含む原水を流入口2から軟水化槽3へ導く流路である。また、流路8は、軟水化槽3で軟水化された原水を中和槽4に導く流路である。流路9は、中和槽4により中和された軟水を取水口5へ導く流路である。
つまり、軟水化装置1では、軟水化処理において、外部から供給される市水が、流入口2、流路7、軟水化槽3、流路8、中和槽4、流路9、取水口5の順に流通して、中性の軟水として排出される。
(軟水化槽及び中和槽)
軟水化槽3には弱酸性陽イオン交換樹脂10が充填され、中和槽4には弱塩基性陰イオン交換樹脂11が充填されている。
ここで、弱酸性陽イオン交換樹脂10としては、特に制限はなく、汎用的なものを使用することができ、例えば、カルボキシル基(-COOH)を交換基とするものが挙げられる。また、カルボキシル基の対イオンである水素イオン(H+)が、金属イオン、アンモニウムイオン(NH4+)等の陽イオンとなっているものでもよい。
また、弱塩基性陰イオン交換樹脂11としては、特に制限はなく、汎用的なものを使用することができ、例えば、遊離塩基型となっているものが挙げられる。
軟水化槽3は、弱酸性陽イオン交換樹脂10の作用により、硬度成分を含む原水を軟水化する。より詳細には、軟水化槽3は、官能基の末端に水素イオンを有する弱酸性陽イオン交換樹脂10を備えている。軟水化槽3は、流通する水(原水)に含まれる硬度成分である陽イオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)を水素イオンと交換する。そのため、軟水化槽3に導入された原水の硬度が下がり、原水を軟水化することができる。また、弱酸性陽イオン交換樹脂10の官能基の末端が水素イオンであるため、後述する再生処理において、酸性電解水を用いて弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生を行うことができる。この際、弱酸性陽イオン交換樹脂10からは、軟水化処理の際に取り込んだ硬度成分である陽イオンが放出される。
軟水化槽3には、流路7から硬度成分を含む原水が通水され、内部に充填された弱酸性陽イオン交換樹脂10を通過することで、硬度成分を含む原水を軟水として流路8を介して中和槽4へ通水させる。ただし、弱酸性陽イオン交換樹脂10で処理された軟水は、硬度成分と交換されて出てきた水素イオンを多く含む。つまり、軟水化槽3から流出する軟水は、水素イオンを多く含んで酸性化した軟水(酸性軟水)である。
中和槽4は、弱塩基性陰イオン交換樹脂11の作用により、軟水化槽3から出てきた水素イオンを含む軟水(酸性化した軟水)のpHを中和し、中性水(中性の軟水)に変換するものである。より詳細には、中和槽4は、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を備えており、軟水化槽3からの軟水に含まれる水素イオンをアニオン(陰イオン)とともに吸着するため、軟水のpHが上がり、中性の軟水とすることができる。また、弱塩基性陰イオン交換樹脂11は、後述する再生処理において、アルカリ性電解水を用いて再生を行うことができる。
中和槽4には、流路8から水素イオンを含む軟水が通水され、内部に充填された弱塩基性陰イオン交換樹脂11を通過することで、軟水化槽3から出てきた酸性化した軟水を中和して中性の軟水として流路9を通して外部へ通水させる。
(再生装置)
再生装置6は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生させ、且つ、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生させる機器である。具体的には、再生装置6は、上述した通り、電解槽12と、分離部14と、貯水槽15と、送水ポンプ19とを含んで構成される。そして、再生装置6は、流入口2から取水口5までの流路7、流路8、及び流路9に対して、第一供給流路21、第一回収流路22、流路29、第二供給流路23、及び第二回収流路24がそれぞれ接続されている。なお、流路8は、上流側から、第一回収流路22、流路29、第二供給流路23の順で各流路と接続されている。そして、第一供給流路21、第一回収流路22、流路29、第二供給流路23、及び第二回収流路24は、後述する循環流路20(第一循環流路20a、第二循環流路20b)または入替流路27を構成している。
ここで、第一供給流路21は、電解槽12から軟水化槽3へ酸性電解水を供給する流路である。第一回収流路22は、軟水化槽3を通過した硬度成分を含む水を貯水槽15へ回収する流路である。また、第二供給流路23は、電解槽12から中和槽4へアルカリ性電解水を供給する流路である。第二回収流路24は、中和槽4を通過した水を貯水槽15へ回収する流路である。流路29は、軟水化槽3から放出された酸性軟水を分離部14へ供給する流路である。
(電解槽)
電解槽12は、内部に設けた一対の電極13(電極13a及び電極13b)を用いて、入水した水(貯水槽15から供給される水)を電気分解することによって、酸性電解水とアルカリ性電解水とを生成して排出する。より詳細には、電気分解の際に陽極となる電極13aでは、電気分解により水素イオンが生じ、酸性電解水が生成する。また、電気分解の際に陰極となる電極13bでは、電気分解により水酸化物イオンが生じ、アルカリ性電解水が生成する。そして、電解槽12は、酸性電解水を、第一供給流路21を介して軟水化槽3に供給し、アルカリ性電解水を、第二供給流路23を介して中和槽4に供給する。詳細は後述するが、電解槽12によって生成された酸性電解水は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生に使用され、電解槽12によって生成されたアルカリ性電解水は、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に使用される。なお、電解槽12は、後述する制御部17によって、一対の電極13への通電状態を制御できるように構成されている。
(貯水槽)
貯水槽15は、弱酸性陽イオン交換樹脂10及び弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生する際に、循環流路20(図2参照)内を流通させる水を確保し、貯留するものである。また、貯水槽15は、軟水化槽3を流通した硬度成分を含む酸性電解水と、中和槽4を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水とを混合し、電解槽12に供給するものである。
そして、貯水槽15を流通した水は、電解槽12に通水され、電解槽12において電気分解され、酸性電解水及びアルカリ性電解水となって軟水化槽3及び中和槽4にそれぞれ供給される。そして、酸性電解水及びアルカリ性電解水は、それぞれ、軟水化槽3及び中和槽4において再利用された後、再び貯水槽15へ通水(回収)される。したがって、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生及び弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に使用した酸性電解水及びアルカリ性電解水を再利用することができる。
(送水ポンプ)
送水ポンプ19は、再生装置6による再生処理の際に、循環流路20(図2参照)に水を流通させる機器である。送水ポンプ19は、貯水槽15と電解槽12との間を連通接続する送水流路25に設けられている。なお、送水ポンプ19は、電解槽12の上流側、且つ、貯水槽15の下流側に配置することが好ましい。このような配置とするのは、一つの送水ポンプ19で、第一循環流路20a及び第二循環流路20bに水を循環させやすくなるからである。また、送水ポンプ19は、後述する制御部17と無線又は有線により通信可能に接続されている。
(分離部)
分離部14は、電解槽12と中和槽4とを連通接続する第二供給流路23に設けられている。そして、分離部14は、電解槽12から送出されたアルカリ性電解水に含まれる析出物を分離する。ここで、析出物は、電解槽12内において、軟水化槽3の再生処理の際に軟水化槽3から放出された陽イオンである硬度成分がアルカリ性電解水と反応することにより生じる反応生成物である。より詳細には、電解槽12で水の電気分解が行われている間、再生処理時の軟水化槽3から放出される硬度成分(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン)は、陰極(電極13b)側に移動する。陰極側ではアルカリ性電解水が生成しているため、硬度成分とアルカリ性電解水が反応し、析出物となる。例えば、硬度成分がカルシウムイオンの場合、アルカリ性電解水と混合されることにより、炭酸カルシウムが生じる反応が起こったり、水酸化カルシウムが生じる反応が起こったりする。そして、硬度成分に由来する析出物は、第二供給流路23に設けられた分離部14で析出物として分離される。そして、硬度成分に由来する析出物を分離部14で分離することにより、析出物が中和槽4に流入し、堆積することを抑制できる。したがって、再生処理の終了後に軟水化処理を再開する場合には、中和槽4に堆積した析出物が軟水化槽3から放出された水素イオンと反応して硬度成分化し、中和槽4から送出される軟水の硬度を増加させることを抑制できる。また、再生処理の際に、硬度成分に由来する析出物が分離部14で分離されたアルカリ性電解水は、中和槽4を流通し、酸性電解水と混合された後に電解槽12で再度電気分解され、酸性電解水及びアルカリ性電解水として、それぞれ弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生と弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に供される。この時、酸性電解水は、市水もしくは分離部14を備えない場合と比較し、含有する硬度成分が減少している。つまり、分離部14で析出物を分離することにより、酸性電解水の硬度が低下するため、軟水化槽3に流入する硬度成分を減少させることができ、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生効率の低下を抑制できる。
なお、「硬度成分が反応する」とは、硬度成分すべてが反応することのみならず、反応しない成分もしくは溶解度積を超えない成分が含まれている状態も含むものとする。
分離部14は、硬度成分とアルカリ性電解水との反応により生じる析出物を分離可能であればその形態は問わない。例えば、カートリッジタイプのフィルター、粒状ろ材を用いたろ過層、サイクロン型の固液分離機、中空糸膜等を用いる形態が挙げられる。
分離部14の形態として一般的に使用される手段としては、カートリッジタイプのフィルターが挙げられる。カートリッジタイプのフィルターとして、糸巻きフィルターのような深層ろ過型、プリーツフィルター及びメンブレンフィルターのような表面ろ過型、またはこれらを組み合わせて使用することができる。
糸巻フィルターは、1~150マイクロメートルの粒子径に対応し、主にプレフィルターとして使用される。プリーツフィルター及びメンブレンフィルターは、0.03~100マイクロメートル程度と幅広い粒子径に対応したものが存在するが、特に本発明の実施にあたっては0.5~1.5マイクロメートル程度の精度のものを使用すれば、後述する再生処理において析出する硬度成分を捕捉するのに好ましい。分離部14には後述する再生処理ではアルカリ性電解水が流れ、洗浄処理では酸性電解水が流れるため、カートリッジタイプのフィルターの材質は、酸及びアルカリに対して耐食性が高い素材(例えばポリプロピレン)が好ましい。
ろ過層に用いられる粒状ろ材は、硬度成分を捕捉して除去することを目的としているが、粒状ろ材に吸着するような表面電位を持つ粒子、原水中のイオン等の存在状態によっては粒子径約が1~10マイクロメートルの粒子あるいは色度も除去可能となる。粒状ろ材には、ろ過砂をはじめ、ペレット状の繊維ろ材等、除去対象物に適したろ材を用いることができる。粒状ろ材の材質は、例えば、砂、アンスラサイト、ガーネット、セラミックス、粒状活性炭、オキシ水酸化鉄、マンガン砂など、水中で沈降し、圧力で変形しにくい硬度をもつものであればよい。粒子径は、例えば0.3~5.0ミリメートル、均等係数が1.2~2.0などのものを用いるとよい。
また、比重が異なる複数の種類のろ材を混合して使用する複層ろ過法は、ろ過を行う層としてサイズの異なる粒子を小さい粒子から順に下から積層する方法である。複層ろ過法では、比重が大きくサイズが小さい粒子と、比重が小さくサイズが大きい粒子を混合して多層構造にするのが一般的である。複層ろ過法は、単一の種類のろ材を用いるのに比べて、単位体積あたりのろ過効率が高く、一方で損失水頭が低く抑えられるなどのメリットがあるため好ましい。粒状ろ材としては、例えば、ガーネットの0.3ミリメートルと、砂の0.6リメートル、アンスラサイトの1.0ミリメートルのものを、2:1:1で混合して使用するが、濁質の粒子特性に応じて混合比率あるいは粒子径を調整することが好ましい。
(開閉弁及び選択弁)
複数の開閉弁(開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34~開閉弁39、及び開閉弁41)は、各流路にそれぞれ設けられ、各流路において「開放」した状態と、「閉止」した状態とを切り替える。
選択弁40は、分離部14と中和槽4の間に設けられる。また、選択弁40は、第二供給流路23及び排水流路26の合流点に設けられ、分離部14を流通した酸性軟水及びアルカリ性電解水の流通方向を決定する。具体的には、選択弁40は、再生処理時に分離部14を流通したアルカリ性電解水が中和槽4へ至る流通状態と、入替処理時に分離部14から流出した水が排水口16へ至る流通状態とを切り替える。
また、複数の開閉弁(開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34~開閉弁39、及び開閉弁41)及び選択弁40はそれぞれ、後述する制御部17と無線又は有線により通信可能に接続されている。
(排水口)
排水口16は、後述する分離部14の洗浄時(入替処理時)に、分離部14を流通した酸性軟水を装置外に排出する。
より詳細には、排水口16は、入替処理時には、流路7、軟水化槽3、流路8、流路29、開閉弁41、分離部14、選択弁40、及び排水流路26を流通した水であり、分離部14において析出物が溶解して生じた硬度成分を含む水を装置外へ排出する。
(制御部)
制御部17は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10及び中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生処理を制御する。また、制御部17は、軟水化槽3に原水を通水する入替処理を制御する。また、制御部17は、硬度成分を含む原水を軟水化する軟水化処理を制御する。また、制御部17は、開閉弁41の動作を制御し、軟水化槽3から流出した酸性軟水の流通方向及び流通量を制御する。また、制御部17は、選択弁40の動作を制御し、分離部14から流出した水の流通方向を制御する。さらに、制御部17は、軟水化装置1の再生処理、入替処理、及び軟水化処理の切り替えを制御する。この際、制御部17は、電極13、送水ポンプ19、複数の開閉弁(開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34~開閉弁39、及び開閉弁41)、及び選択弁40の動作を制御し、再生処理、入替処理、及び軟水化処理の切り替え及びそれぞれの処理を実行させる。
(流路)
次に、図2を参照して、軟水化装置1の再生処理の際に形成される循環流路20について説明する。図2は、軟水化装置1の循環流路20を示す構成図である。
説明が重複するが、図2に示すように、軟水化装置1において、再生装置6を構成する電解槽12及び貯水槽15は、送水流路25によって連通接続される。また、電解槽12及び貯水槽15は、流入口2から取水口5までの流路7、流路8、及び流路9に対して、第一供給流路21、第一回収流路22、第二供給流路23、及び第二回収流路24によってそれぞれ連通接続されている。そして、再生装置6では、各流路の組み合わせによって循環流路20が構成されている。
第一供給流路21は、電解槽12から軟水化槽3へ酸性電解水を供給する流路であり、その流路には、開閉弁35が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、電解槽12から酸性電解水を引き出して軟水化槽3の上流側へ送水可能とする第一供給流路21を備える。
そして、第一回収流路22は、軟水化槽3を通過した硬度成分を含む水を貯水槽15へ回収する流路であり、その流路には、開閉弁36が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、貯水槽15の上流側を軟水化槽3の下流側に接続可能とする第一回収流路22を備える。
第二供給流路23は、後述する再生処理時において、電解槽12から分離部14を介して中和槽4へアルカリ性電解水を供給する流路であり、その流路には分離部14、選択弁40、及び開閉弁37が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、電解槽12から引き出したアルカリ性電解水に含まれる硬度成分に由来する析出物を分離部14で分離し、析出物が分離されたアルカリ性電解水を中和槽4の上流側へ送水可能とする第二供給流路23を備える。なお、第二供給流路23は、第一回収流路22及び流路29よりも下流側で流路8と接続される。これは、後述する再生処理時に、軟水化槽3から排出された酸性電解水と、電解槽12から送出されたアルカリ性電解水との混合を抑制するためである。すなわち、流路8は、上流側から順に第一回収流路22、流路29、及び第二供給流路23と接続する。
そして、第二回収流路24は、中和槽4を通過した水を貯水槽15へ回収する流路であり、その流路には、開閉弁38が設置されている。すなわち、軟水化装置1は、貯水槽15の上流側を中和槽4の下流側に接続可能とする第二回収流路24を備える。
循環流路20は、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、軟水化槽3を流通する第一循環流路20aと、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、中和槽4を流通する第二循環流路20bとを含む。
第一循環流路20aは、図2(白矢印)に示すように、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、電解槽12と軟水化槽3とを流通して貯水槽15に戻って循環する流路である。より詳細には、第一循環流路20aは、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、送水流路25、電解槽12、第一供給流路21、開閉弁35、軟水化槽3、第一回収流路22、開閉弁36、貯水槽15の順に流通して循環する流路である。
第二循環流路20bは、図2(黒矢印)に示すように、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、電解槽12と中和槽4とを流通して貯水槽15に戻って循環する流路である。より詳細には、第二循環流路20bは、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、送水流路25、電解槽12、第二供給流路23、分離部14、選択弁40、開閉弁37、中和槽4、第二回収流路24、開閉弁38、貯水槽15の順に流通して循環する流路である。
ここで、循環流路20において水を循環させるために、流路7には、流入口2の下流側に開閉弁31が設置されている。そして、開閉弁31を閉止して、開閉弁35を開放することで、軟水化槽3の上流側に第一供給流路21が連通接続された状態となる。これにより、電解槽12からの酸性電解水を軟水化槽3に供給できるようになる。
また、流路8には、第一回収流路22及び流路29の下流側、且つ、第二供給流路23の上流側に開閉弁32が設置されている。そして、開閉弁32及び流路29に設置されている開閉弁41を閉止して、開閉弁36を開放することで、軟水化槽3の下流側に第一回収流路22が連通接続された状態となる。これにより、軟水化装置1では、軟水化槽3を流通した水(硬度成分を含む酸性電解水)を貯水槽15へ回収することができるようになる。
また、開閉弁32及び開閉弁41を閉止して、開閉弁37を開放し、選択弁40の流通方向を中和槽4方向(分離部14から中和槽4に流通する方向)に切り替えることで、中和槽4の上流側に第二供給流路23が連通接続された状態となる。これにより、軟水化装置1では、電解槽12からのアルカリ性電解水を分離部14に流通させ、中和槽4に供給できるようになる。
また、流路9には、中和槽4の下流側に開閉弁34が設置されている。そして、開閉弁34を閉止して、開閉弁38を開放することで、中和槽4の下流側に第二回収流路24が連通接続された状態となる。これにより、第二回収流路24を通過した水(陰イオンを含むアルカリ性電解水)を貯水槽15へ回収することができるようになる。
また、開閉弁34を閉止することによって、循環流路20への水の循環を開始することができる一方、開閉弁34を開放することによって、循環流路20への水の循環を停止することができる。
また、送水流路25には、貯水槽15の下流側(貯水槽15と送水ポンプ19との間の位置)に開閉弁39が設置されている。開閉弁39を閉止することにより、貯水槽15に水を貯留することができる。一方、開閉弁39を開放することにより、送水流路25へ水を供給することができる。
また、第二供給流路23には、分離部14と中和槽4との間に選択弁40が設置されている。選択弁40を切り替えることにより、電極13bでの電気分解により生じるアルカリ性電解水が第二供給流路23及び分離部14を流通して中和槽4に至る流路状態と、分離部14を流通した水が後述する排水流路26を介して排水口16により装置外へ排出される流路状態とにすることができる。なお、分離部14を流通した水が排水口16により装置外へ排出される流路状態では、入替処理時に分離部14の洗浄に供された酸性軟水の排水が行われる。
次に、図3を参照して、軟水化装置1の入替処理の際に形成される入替流路27について説明する。図3は、軟水化装置1の入替流路27を示す構成図である。
図3に示すように、入替流路27は、流入口2、軟水化槽3、分離部14、排水口16を接続する各流路によって構成されている。軟水化槽3は、流路7によって、流入口2と連通接続される。また、軟水化槽3は、流路8、流路29、及び第二供給流路23によって、分離部14と連通接続される。分離部14は、第二供給流路23及び後述する排水流路26によって、排水口16と連通接続される。第二供給流路23と排水流路26との接続部には、選択弁40が設けられている。
流路29は、軟水化槽3からの酸性軟水を分離部14へ供給する流路である。流路29は、軟水化槽3及び第二供給流路23の間で、流路8と連通接続される。また、流路29は、電解槽12及び分離部14の間で第二供給流路23と連通接続される。また、流路29には、開閉弁41が設けられている。すなわち、軟水化装置1は、軟水化槽3により軟水化された酸性軟水を分離部14へ供給し、分離部14の洗浄に供する流路29を備える。
排水流路26は、選択弁40から排水口16へ水を排出する流路である。排水流路26は、分離部14及び中和槽4の間で、第二供給流路23と連通接続される。排水流路26には、選択弁40が設けられている。すなわち、軟水化装置1は、選択弁40から排水口16へ水を引き出して装置外に排出可能とする排水流路26を備える。
入替流路27は、図3(斜線矢印)に示すように、流入口2から導入された水が、流路7、軟水化槽3の順に流通し、軟水化槽3で酸性軟水とされた後、流路8、流路29、第二供給流路23、分離部14の順に流通し、選択弁40及び排水流路26を流通し、排水口16から装置外に排出される流路である。後述する入替処理時には、入替流路27が用いられる。
(再生処理、入替処理、排水処理、及び軟水化処理)
次に、図4を参照して、再生処理を起点とした軟水化装置1の再生処理、入替処理、排水処理、及び軟水化処理について説明する。図4は、軟水化装置1の動作時の状態を示す図である。
再生処理、入替処理、排水処理、及び軟水化処理では、制御部17は、図4に示すように、開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34~開閉弁39、選択弁40、開閉弁41、電解槽12の電極13、及び送水ポンプ19を切り替えてそれぞれの流通状態となるように制御する。なお、制御部17は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているとしたが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
ここで、図4中の「ON」は、該当の開閉弁が「開放」した状態、電極13が通電している状態、及び送水ポンプ19が動作している状態をそれぞれ示す。空欄は、該当の開閉弁が「閉止」した状態、電極13が通電していない状態、送水ポンプ19が停止している状態をそれぞれ示す。また、図4中の選択弁40の表記は、数字(符号)と対応する構成要素(中和槽4もしくは排水口16)へと流路を開放した状態を示す。通常時の選択弁40は、中和槽4へと流路を開放した状態となっているが、他の処理と関係のない場合には空欄としている。
(再生処理)
まず、軟水化装置1の再生装置6による再生処理時の動作について、図4の「水注入時」及び「再生時」の欄を参照して順に説明する。
軟水化装置1において、弱酸性陽イオン交換樹脂10を充填した軟水化槽3は、使用を続けると陽イオン交換能力が低下または消失する。すなわち、陽イオン交換樹脂の官能基である水素イオンすべてが、硬度成分であるカルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンと交換された後は、イオン交換ができなくなる。このような状態になると、硬度成分が処理水中に含まれるようになる。このため、軟水化装置1では、再生装置6による軟水化槽3及び中和槽4の再生処理を行う必要が生じる。
そこで、軟水化装置1では、所定の期間(例えば1日(24時間))に1回、制御部17によって再生処理が可能な時間帯を特定して、再生処理を実行する。
まず、図4に示すように、水注入時において、開閉弁31及び開閉弁36を開放する。これにより、軟水化装置1は、市水の圧力によって、流入口2から軟水化槽3を通して原水を貯水槽15へ導入する。この時、開閉弁32、開閉弁34、開閉弁35、開閉弁37~開閉弁39、及び開閉弁41は閉止している。また、選択弁40は、分離部14を流通した水が中和槽4に流通する方向へと流路を接続している。貯水槽15に、軟水化装置1の容量に応じた所定の量の水を貯留することで、再生装置6は、再生時の水量を確保することができる。
次に、再生時において、開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34、及び開閉弁41を閉止して、開閉弁35~開閉弁39を開放し、選択弁40の通水方向を中和槽4方向(分離部14から中和槽4に流通する方向)へと設定すると、図2に示すように、第一循環流路20a及び第二循環流路20bがそれぞれ形成される。
そして、電解槽12の電極13及び送水ポンプ19を動作させると、貯水槽15に貯留した水が第一循環流路20a及び第二循環流路20bのそれぞれを循環することとなる。
この際、電解槽12で生成した酸性電解水は、第一供給流路21を通って軟水化槽3内に送水され、内部の弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通する。すなわち、酸性電解水を弱酸性陽イオン交換樹脂10に流通させることで、弱酸性陽イオン交換樹脂10に吸着されている陽イオン(硬度成分)が、酸性電解水に含まれる水素イオンとイオン交換反応を起こす。これにより、弱酸性陽イオン交換樹脂10が再生される。その後、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通した酸性電解水は、陽イオンを含み、第一回収流路22へ流れ込む。すなわち、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通した陽イオンを含む酸性電解水は、第一回収流路22を介して貯水槽15内に回収される。
一方、電解槽12で生成したアルカリ性電解水は、第二供給流路23及び分離部14を通って中和槽4内に送水され、内部の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通する。すなわち、アルカリ性電解水を弱塩基性陰イオン交換樹脂11に流通させることで、弱塩基性陰イオン交換樹脂11に吸着されている陰イオンが、アルカリ性電解水に含まれる水酸化物イオンとイオン交換反応を起こす。これにより、弱塩基性陰イオン交換樹脂11が再生される。その後、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通したアルカリ性電解水は、陰イオンを含み、第二回収流路24へ流れ込む。すなわち、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水は、第二回収流路24を介して貯水槽15内に回収される。
そして、貯水槽15内では、軟水化槽3から回収された陽イオンを含む酸性電解水と、中和槽4から回収された陰イオンを含むアルカリ性電解水とが混合されて中和される。
この時、陽イオン(硬度成分)を含む酸性電解水と、陰イオンを含むアルカリ性電解水とを混合することにより、硬度成分がアルカリ性電解水に含まれる水酸化物イオンと反応し、析出物が生じるが、少なくとも再生処理の初期段階においては、軟水化槽3から放出される硬度成分量に比べて、中和槽4から流れ込むアルカリ性電解水に含まれる水酸化物イオン量が少ないため、析出物が生じにくい状態である。このため、中和された電解水に含まれる硬度成分は、そのまま電解槽12に送出されることになる。
その後、貯水槽15で混合された電解水は、送水流路25を介して電解槽12に再び通水される。そして、通水された水は、電解槽12において再び電解される。
前述したように、電解槽12内では水の電気分解が行われており、陰極付近では、電気分解により水酸化物イオンが多量に生成されているため、析出物が生じやすい状態となっている。つまり、貯水槽15から供給された水に含まれる硬度成分(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン)は、陰極側に移動し、水酸化物イオンと反応することで析出物となる。そして、析出物を含むアルカリ性電解水は、第二供給流路23に送出され、分離部14に流入する。
分離部14内では、アルカリ性電解水に含まれる析出物が分離され、硬度成分が除去されたアルカリ性電解水(処理水)を得ることができる。そして、電解槽12にて再び電気分解された酸性電解水及び電解槽12にて再び電気分解され、分離部14により析出物が分離されたアルカリ性電解水は、それぞれ弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生と弱塩基性陰イオン交換樹脂11の再生に供される。
ここで、分離部14を設けない場合の問題点として、再生処理時に、軟水化槽から放出される硬度成分とアルカリ性電解水とが電解槽で反応して生成する析出物が、中和槽に流入し、中和槽内で堆積するという点が挙げられる。つまり、析出物が中和槽内に堆積した状態で軟水化処理を再開すると、軟水化槽から放出された水素イオンと反応し、硬度成分化することにより、軟水化性能が低下するということになる。しかしながら、本実施の形態では、分離部14によって、電解槽12で生成する析出物を分離することで、中和槽4の内部での、硬度成分に起因する析出物の堆積を抑制することができる。しかし、再生処理が進行するにつれて、分離部14で分離した析出物が分離部14内に徐々に堆積していく。すると、分離部14の圧力損失が増大していくことになる。すなわち、本実施形態においては、送水ポンプ19により、循環流路20に対して一定のエネルギーを与えているが、分離部14の圧力損失が増大していくことにより、再生処理が進行するにつれて、中和槽4に供給されるアルカリ性電解水の供給流量が徐々に低下してしまい、中和槽4の再生処理が完了しづらくなることがあった。
また、再生処理が進行するにつれ、軟水化槽3から回収された硬度成分を含む酸性電解水の硬度成分の濃度は徐々に高くなる。弱酸性陽イオン交換樹脂10には、吸着イオンの選択性があり、水素イオンと硬度成分(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)の濃度が同程度の場合、カルシウムイオンあるいはマグネシウムイオンの方が吸着しやすい。したがって、弱酸性陽イオン交換樹脂10の再生処理を行う場合には、水素イオンの濃度を上昇させ、吸着しているカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの濃度よりも相対的に高濃度の水素イオンを供給する必要がある。しかし、酸性電解水の硬度成分の濃度が上昇するにつれ、水素イオンの濃度は、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの濃度に対して相対的に低下する。したがって、弱酸性陽イオン交換樹脂10からは硬度成分が放出されづらくなり、軟水化槽3から回収してくることができる硬度成分の量は減少していくため、再生処理の進行が遅くなる、あるいは再生処理が完了しないということがあった。
そのため、本実施の形態では、軟水化装置1の再生処理の進行中(例えば、再生処理の開始から2時間経過時)に再生処理を一次停止させ、入替処理を行う。すなわち、電極13および送水ポンプ19の動作を停止させ、開閉弁35~開閉弁39を閉止し、開閉弁31及び開閉弁41を開放する。さらに、選択弁40の通水方向を中和槽4方向(分離部14から中和槽4に流通する方向)から排水口16方向(分離部14から排水口16に流通する方向)に切り替える。これにより、再生処理から入替処理へ移行する。
(入替処理)
軟水化装置1は、再生処理を一次停止すると入替処理に移行する。ここで、入替処理とは、軟水化槽3内に残存する硬度成分の濃度が高い酸性電解水を装置外に排出し、軟水化槽3に原水を通水する処理である。軟水化槽3に原水を通水することにより、軟水化槽3内の酸性電解水が原水あるいは弱酸性陽イオン交換樹脂10により軟水化された酸性軟水に置換される。なお、再生時の循環流路20において、硬度成分濃度の高い酸性電解水の主たる水量を保持しているのは軟水化槽3であるため、循環流路20内の硬度成分濃度を低減させるためには、軟水化槽3の酸性電解水を置換すればよい。
また、本実施の形態1では、入替処理時に、軟水化槽3に通水した原水を、分離部14へ通水するようにする。これにより、入替処理を行うことで、分離部14を洗浄することができ、軟水化槽3で生成される酸性軟水を分離部14に流通させ、分離部14で分離した硬度成分に起因する析出物を溶解させることができる。
つまり、本実施の形態1に示す入替処理では、軟水化槽3に存在する硬度成分濃度の高い酸性電解水を、原水に入れ替え、酸性電解水を装置外に排出することにより、系内の硬度成分濃度を低下させる。この際、軟水化槽3に通水した原水を分離部14へと通水させ、分離部14の洗浄を行うことにより、分離部14に析出した析出物を溶解させ、系外に排出することができる。
次に、軟水化装置1による入替処理時の動作について、図4の「入替時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1では、図4に示すように、入替処理において、開閉弁31及び開閉弁41を開放するとともに、分離部14から排水流路26へと通水する流路状態となるように選択弁40の切り替えを行う。これにより、軟水化装置1では、入替流路27が形成され、分離部14の洗浄を行うことができる状態となる。この時、開閉弁32及び開閉弁34~開閉弁39は閉止している。
具体的には、入替処理では、図3に示すように、市水の圧力によって、供給される原水は、流入口2から流路7を通って、軟水化槽3に供給される。そして、軟水化槽3に供給された原水は、軟水化槽3内に備えられた弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通する。このとき、原水中の硬度成分である陽イオンは、弱酸性陽イオン交換樹脂10の作用により吸着され、水素イオンが放出される(イオン交換が行われる)。そして、原水から陽イオンが除去されることで原水が軟水化される。この時、水素イオンの放出により、軟水化槽3を流出した水は、酸性となる。すなわち、軟水化槽3に流入した原水は、酸性軟水として軟水化槽3から送出される。また、再生処理時に軟水化槽3中に存在した酸性電解水は、流入してくる原水及び弱酸性陽イオン交換樹脂10により処理された酸性軟水により、軟水化槽3から排出され、分離部14へと送出され、最終的に排水口16から装置外に排出される。
次に、開閉弁41が開放されており、開閉弁32及び開閉弁36が閉止されていることから、軟水化槽3から送出された酸性軟水は、流路8、流路29、及び第二供給流路23を流通し、分離部14へと流入する。酸性軟水を分離部14に流入させることで、分離部14に捕捉されている硬度成分に起因する析出物が酸性軟水と反応する。これにより、硬度成分に起因する析出物は、溶解し、硬度成分となり、酸性軟水中に含まれる。
そして、選択弁40の通水方向を排水口16方向(分離部14から排水口16に流通する方向)へと設定しているので、分離部14を流通した酸性軟水は、排水流路26を流通し、排水口16から装置外に排出される。つまり、分離部14に酸性軟水を流通させ、流通した酸性軟水を排出させることにより、分離部14の洗浄を行うとともに、硬度成分を装置外に排出することができる。これにより、分離部14により捕捉された析出物を溶解して除去し、分離部14の洗浄を行うことができるため、分離部14の目詰まりによる通水量の減少を低減できる。
このとき、酸性軟水が分離部14に到達するまでは、再生処理中に軟水化槽3に残存していた硬度成分の濃度が高い酸性電解水が先に分離部14に流通し、排水口16から装置外に排出することができる。
なお、入替処理の開始は、再生処理開始から一定時間(例えば2時間)経過時とする。入替処理は、再生処理中に1度のみ行ってもよいし、頻繁に行ってもよい。再生処理中に入替処理を頻繁に行わない場合には、入替処理は、再生処理の後半に行うことが好ましい。これは、再生処理の進行にしたがって、軟水化槽3に導入される酸性電解水中の硬度成分濃度が上昇していくため、再生処理の後半で入替処理を行った方が、一度の入替処理で系外に排出できる硬度成分の総量が増えるためである。また、分離部14の洗浄に着目した場合においても、再生処理の開始からの時間経過に伴って徐々に析出物が堆積してくるため、入替処理は、再生処理の後半に行うことが好ましい。例えば、再生処理に6時間を要し、入替処理を1度しか行わない場合には、入替処理は、再生処理の開始から3時間経過以降に行うようにしてもよい。
また、入替処理の終了は、入替処理開始から一定時間(例えば5分間)経過時とする。ここで、一定時間は、軟水化槽3に残存する硬度成分の濃度が高い酸性電解水を装置外に排出するとともに、分離部14が捕捉した析出物を一定量溶解するために要する時間として、予め行った洗浄実験での評価結果に基づいて設定した時間である。
軟水化装置1は、入替処理が終了すると、一次停止していた再生処理を再開するため、開閉弁35~開閉弁39を開放し、開閉弁31及び開閉弁41を閉止する。さらに、選択弁40は、分離部14を流通した水が中和槽4に流通する方向へと流路を接続し、電極13と送水ポンプ19の動作を再開させ、再生処理を再開する。
なお、再生処理中が終了するまでに、入替処理を複数回行ってもよい。
その後、軟水化装置1では、再生処理が終了すると電極13の動作を停止させ、排水処理へと移行する。
(排水処理)
軟水化装置1では、再生処理が終了すると排水処理へ移行する。ここで、排水処理とは、循環流路20内に残存している原水、酸性電解水、アルカリ性電解水、及び酸性軟水の排水を行う処理である。
次に、軟水化装置1による排水処理時の動作について、図4の「排水時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1では、図4に示すように、排水処理(排水時)において、開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34、及び開閉弁41を閉止し、開閉弁35~39を開放する。また、選択弁40の通水方向を排水口16方向(分離部14から排水口16に流通する方向)へと設定する。これにより、流入口2からの市水の流入を停止するとともに、電解槽12から第一供給流路21、軟水化槽3、及び第一回収流路22を介して貯水槽15へ至る経路内に残存している酸性電解水及び分離部14から第二供給流路23、中和槽4、第二回収流路24を介し貯水槽15へ至る経路内に残存しているアルカリ性電解水を貯水槽15に流入させることができる。
次に、送水ポンプ19を起動させ、開閉弁39を開放し、選択弁40の流通方向を排水口16方向へ切り替える。これにより、貯水槽15の内部から送水流路25を介して電解槽12に至る経路内に残存している電解水、電解槽12の内部から第二供給流路23及び排水流路26を介して排水口16へ至る経路内に残存している電解水、及び入替流路27内に残存している原水及び酸性軟水を装置外へ排出することができる。この時、電極13は、動作を停止している。
そして、軟水化装置1では、排水処理が終了すると、送水ポンプ19の動作を停止させる。また、開閉弁35~開閉弁39を閉止させ、開閉弁31、開閉弁32、及び開閉弁34を開放し、選択弁40の通水方向を中和槽4方向(分離部14から中和槽4に流通する方向)へと設定することで軟水化処理へ移行する。
なお、排水処理の終了は、排水処理開始から一定時間(例えば1分)経過時とする。
(軟水化処理)
軟水化装置1は、排水処理が終了すると軟水化処理に移行する。
軟水化装置1による軟水化処理時の動作について、図4の「軟水化時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1では、図4に示すように、軟水化処理において、開閉弁31及び開閉弁32を開放した状態で、取水口5に設けた開閉弁34を開放する。これにより、軟水化装置1では、外部から市水(硬度成分を含む原水)が軟水化槽3と中和槽4とを流通するので、取水口5から軟水化した水(中性の軟水)を取り出すことができる。
具体的には、軟水化処理では、市水の圧力によって、供給される原水は、流入口2から流路7を通って、軟水化槽3に供給される。そして、軟水化槽3に供給された原水は、軟水化槽3内に備えられた弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通する。このとき、原水中の硬度成分である陽イオンは、弱酸性陽イオン交換樹脂10の作用により吸着され、水素イオンが放出される(イオン交換が行われる)。そして、原水から陽イオンが除去されることで原水が軟水化される。軟水化された水は、さらに流路8を通って、中和槽4へ進む。中和槽4では、弱塩基性陰イオン交換樹脂11の作用によって、軟水化された水に含まれる水素イオンが吸着される。つまり、処理後の軟水から水素イオンが除去されるので、低下したpHが上昇し、生活用水として軟水化した中性水となり、流路9を通過して取水口5から取り出すことができる。このとき、開閉弁35~開閉弁39は、いずれも閉止した状態になっている。また、電解槽12の電極13及び送水ポンプ19の動作も停止した状態である。
そして、軟水化装置1では、制御部17で特定された時間帯になった場合もしくは軟水化処理が一定時間を超えた場合に軟水化処理を停止し、上述した再生処理を実行する。
以上のようにして、軟水化装置1では、再生処理、入替処理、及び軟水化処理が繰り返し実行される。そして、軟水化装置1は、市水(硬度成分を含む原水)を、生活水として使用可能な中性の軟水として供給する。
以上、本実施の形態1に係る軟水化装置1によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)軟水化装置1は、軟水化槽3と、中和槽4と、電解槽12とを備える。軟水化槽3は、硬度成分及び塩化物イオンを含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂10により軟水化する。中和槽4は、軟水化槽3を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂11により中和する。電解槽12は、軟水化槽3の弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生するための酸性電解水と、中和槽4の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を再生するためのアルカリ性電解水とを生成する。そして、軟水化装置1は、軟水化槽3の再生処理の途中に、軟水化槽3に原水を通水する入替処理を行うようにした。
これにより、再生処理の途中で、軟水化槽3内の水を、弱酸性陽イオン交換樹脂10から放出された硬度成分を多く含む酸性電解水から原水に入れ替えることができる。したがって、再生処理の経路内の硬度成分量を低減させることができるため、軟水化装置1の再生処理に要する時間の長期間化を抑制可能な軟水化装置1を提供することができる。
(2)軟水化装置1は、分離部14をさらに備える。分離部14は、電解槽12と中和槽4とを連通する流路に設けられ、電解槽12に導入された水に含まれる硬度成分に起因する析出物を分離する。そして、入替処理では、軟水化槽3を流通した原水を、分離部14へ通水するように流通させる。これにより、軟水化槽3を流通した酸性軟水を用いて分離部14の洗浄を行うことができ、分離部14に析出した硬度成分を含む析出物の溶解を行うことができる。したがって、分離部14の圧力損失を低減させることができ、中和槽4に十分な水量のアルカリ電解水を供給することができ、再生処理を滞りなく行うことが可能な軟水化装置1とすることができる。
(3)軟水化装置1では、入替処理の終了は、入替処理の開始から一定期間後とするようにした。これにより、一定期間で軟水化槽3に残存する硬度成分濃度の高い酸性電解水を装置外に排出するとともに、分離部14の洗浄処理を終了することができる。そのため、再生処理の一次停止時間が過剰に長くなることを抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、図5~図8を参照して、本発明の実施の形態2に係る軟水化装置1aについて説明する。図5は、実施の形態2に係る軟水化装置1aの構成を示す概念図である。図6は、実施の形態2に係る軟水化装置1aの循環流路20cを示す構成図である。図7は、実施の形態2に係る軟水化装置1aの入替流路27aを示す構成図である。図8は、実施の形態2に係る軟水化装置1aの動作時の状態を示す図である。
実施の形態2に係る軟水化装置1aは、分離部洗浄時に、分離部14の逆洗浄を行うように構成されている点で実施の形態1と異なる。これ以外の軟水化装置1aの構成は、実施の形態1に係る軟水化装置1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
(流路及び開閉弁)
図5に示すように、軟水化装置1aは、複数の開閉弁(開閉弁31~開閉弁39及び開閉弁42~開閉弁44)を含んで構成される。複数の開閉弁(開閉弁31~開閉弁39及び開閉弁42~開閉弁44)は、各流路にそれぞれ設けられ、各流路において「開放」した状態と、「閉止」した状態とを切り替える。また、軟水化装置1aは、実施の形態1の流路29に相当する流路を備えていない。軟水化装置1aは、流路29の代わりに、第二供給流路23によって分離部14へ酸性軟水を供給するように構成されている。
第二供給流路23は、電解槽12及び流路8を連通接続する流路であり、その流路には、開閉弁42、開閉弁43、分離部14、開閉弁37が設けられている。また、第二供給流路23は、開閉弁42及び開閉弁43の間で、排水流路26aと連通接続している。
開閉弁42は、第二供給流路23と排水流路26aとの接続点、及び、電解槽12の間に設けられる。また、開閉弁43は、第二供給流路23と排水流路26aとの接続点、及び、分離部14の間に設けられる。また、開閉弁37は、第二供給流路23と流路8との接続点、及び、分離部14の間に設けられる。つまり、再生処理時に電解槽12から送出されたアルカリ性電解水は、開閉弁42、開閉弁43、分離部14、開閉弁37の順で第二供給流路23を流通し、流路8に流入する。
図6に示すように、循環流路20cは、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、軟水化槽3を流通する第一循環流路20dと、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、中和槽4を流通する第二循環流路20eとを含む。
第一循環流路20dは、図6(白矢印)に示すように、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、電解槽12と軟水化槽3とを流通して貯水槽15に戻って循環する流路である。より詳細には、第一循環流路20dは、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、送水流路25、電解槽12、第一供給流路21、開閉弁35、軟水化槽3、第一回収流路22、開閉弁36、貯水槽15の順に流通して循環する流路である。
第二循環流路20eは、図6(黒矢印)に示すように、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、電解槽12と中和槽4とを流通して貯水槽15に戻って循環する流路である。より詳細には、第二循環流路20eは、送水ポンプ19によって貯水槽15から送出された水が、送水流路25、電解槽12、第二供給流路23、開閉弁42、開閉弁43、分離部14、開閉弁37、開閉弁33、中和槽4、第二回収流路24、開閉弁38、貯水槽15の順に流通して循環する流路である。つまり、軟水化装置1aでは、第二循環流路20eが形成される再生処理時には、分離部14の上流側が電解槽12の下流側と連通接続される。
また、軟水化装置1aは、排水流路26aを備える。排水流路26aは、電解槽12または分離部14から排出された水を排水口16へ供給し、装置外に排出するための流路である。排水流路26aは、電解槽12及び分離部14の間で、第二供給流路23と連通接続される。排水流路26aには、開閉弁44が設けられている。開閉弁44を開放することにより、排水流路26aは、第二供給流路23と連通接続される。すなわち、軟水化装置1aは、第二供給流路23から排水口16へ水を引き出して装置外に排出可能とする排水流路26aを備える。
図7に示すように、入替流路27aは、流入口2、軟水化槽3、分離部14、排水口16を接続する各流路によって構成されている。すなわち、軟水化槽3は、流路7によって、流入口2と連通接続される。また、軟水化槽3は、流路8及び第二供給流路23によって、分離部14と連通接続される。分離部14は、第二供給流路23及び排水流路26aによって、排水口16と連通接続される。第二供給流路23には、分離部14、開閉弁37、開閉弁42、及び開閉弁43が設けられている。入替流路27aは、図7(斜線矢印)に示すように、流入口2から導入された水が、流路7、軟水化槽3の順に流通し、軟水化槽3で酸性軟水とされた後、流路8、第二供給流路23、分離部14の順に流通し、分離部14の洗浄に供され、開閉弁43及び排水流路26を流通し、排水口16から装置外に排出される流路である。つまり、軟水化装置1aでは、分離部14は、入替処理時には、分離部14に、分離部14の下流側から酸性軟水が流入し、逆洗浄が行われるように構成されている。
(再生処理、入替処理、排水処理、及び軟水化処理)
(再生処理)
まず、軟水化装置1aの再生装置6による再生処理時の動作について、図8の「水注入時」及び「再生時」の欄を参照して順に説明する。
まず、図8に示すように、水注入時において、開閉弁31及び開閉弁36を開放する。これにより、軟水化装置1は、市水の圧力によって、流入口2から軟水化槽3を通して原水を貯水槽15へ導入する。この時、開閉弁32~開閉弁35、開閉弁37~開閉弁39、及び開閉弁42~開閉弁44は閉止している。貯水槽15に、軟水化装置1の容量に応じた所定の量の水を貯留することで、再生装置6は、再生時の水量を確保することができる。
次に、再生時において、開閉弁31、開閉弁32、開閉弁34、及び開閉弁44を閉止して、開閉弁33、開閉弁35~開閉弁39、及び開閉弁42~開閉弁43を開放すると、第一循環流路20d及び第二循環流路20eがそれぞれ形成される。
そして、電解槽12の電極13及び送水ポンプ19を動作させると、貯水槽15に貯留した水が電解槽12に送出され、電気分解により酸性電解水及びアルカリ性電解水となり、第一循環流路20d及び第二循環流路20eのそれぞれを循環することとなる。
この際、電解槽12で生成した酸性電解水は、第一供給流路21を通って軟水化槽3内に送水され、内部の弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通することにより、弱酸性陽イオン交換樹脂10を再生する。その後、弱酸性陽イオン交換樹脂10を流通した陽イオンを含む酸性電解水は、第一回収流路22を介して貯水槽15内に回収される。
一方、電解槽12で生成したアルカリ性電解水は、第二供給流路23及び分離部14を通って中和槽4内に送水され、内部の弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通することにより、弱塩基性陰イオン交換樹脂11が再生される。その後、弱塩基性陰イオン交換樹脂11を流通した陰イオンを含むアルカリ性電解水は、第二回収流路24を介して貯水槽15内に回収される。
そして、貯水槽15内では、軟水化槽3から回収された陽イオンを含む酸性電解水と、中和槽4から回収された陰イオンを含むアルカリ性電解水とが混合されて中和され、電解槽12に送出される。
その後、貯水槽15で混合された電解水は、送水流路25を介して電解槽12に再び通水される。そして、通水された水は、電解槽12において再び電解される。
そして、軟水化装置1aでは、再生処理の進行中に再生処理を一次停止させる。すなわち、電極13および送水ポンプ19の動作を停止させ、開閉弁33、開閉弁35~開閉弁36,及び開閉弁38~開閉弁42を閉止し、開閉弁31、開閉弁32、及び開閉弁44を開放することで入替処理へ移行する。
(入替処理)
軟水化装置1aは再生処理を一次停止すると、入替処理に移行する。ここで、入替処理とは、軟水化槽3内に残存する硬度成分の濃度が高い酸性電解水を装置外に排出し、軟水化槽3に原水を通水する処理である。また、本実施の形態2では、入替処理時に、軟水化槽3に通水した原水を、分離部14の下流側から分離部14へ通水するようにする。これにより、入替処理を行うことで、分離部14を逆洗浄することができ、軟水化槽3で生成される酸性軟水を分離部14に流通させ、分離部14で分離した硬度成分に起因する析出物を溶解させることができる。つまり、本実施の形態2に示す入替処理では、軟水化槽3に存在する硬度成分濃度の高い酸性電解水を、原水に入れ替え、酸性電解水を装置外に排出することにより、系内の硬度成分濃度を低下させるとともに、軟水化槽3に通水した原水を分離部14へと通水させ、分離部14の逆洗浄を行うことにより、分離部14に析出した析出物を溶解させ、系外に排出することができる。
次に、軟水化装置1aによる入替処理時の動作について、図8の「入替時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1aでは、図8に示すように、入替処理において、開閉弁31、開閉弁32、開閉弁37、開閉弁43、及び開閉弁44を開放する。これにより、軟水化装置1では、入替流路27aが形成され、分離部14の逆洗浄を行うことができる。この時、開閉弁33~開閉弁39及び開閉弁42は閉止している。
図7に示すように、開閉弁32及び開閉弁37が開放され、開閉弁33及び開閉弁36が閉止されていることから、軟水化槽3から送出された酸性軟水は、流路8及び第二供給流路23を流通し、分離部14へと流入する。酸性軟水を分離部14に流入させることで、分離部14に捕捉されている硬度成分に起因する析出物が酸性軟水と反応する。これにより、硬度成分に起因する析出物は、溶解し、硬度成分となり、酸性軟水中に含まれる。
そして、開閉弁43及び開閉弁44が開放され、開閉弁42が閉止されていることから、分離部14から送出された酸性軟水は、第二供給流路23及び排水流路26aを流通し、排水口16により装置外へと排出される。
このとき、酸性軟水が分離部14に到達するまでは、再生処理中に軟水化槽3に残存していた硬度成分の濃度が高い酸性電解水が先に分離部14に流通し、排水口16から装置外に排出される。
そして、軟水化装置1aでは、入替処理が終了すると、一次停止していた再生処理を再開するため、開閉弁33、開閉弁35~開閉弁36、及び開閉弁38~開閉弁42を開放し、開閉弁31及び開閉弁32、及び開閉弁44を閉止する。さらに、電極13と送水ポンプ19の動作を再開させ、再生処理を再開する。
その後、軟水化装置1aでは、再生処理が終了すると電極13の動作を停止させる。
なお、入替処理の開始は、再生処理開始から一定時間(例えば2時間)経過時とする。入替処理は、再生処理中に1度のみ行ってもよいし、頻繁に行ってもよい。再生処理中に入替処理を頻繁に行わない場合には、入替処理は、再生処理の後半に行うことが好ましい。これは、再生処理の進行にしたがって、軟水化槽3に導入される酸性電解水中の硬度成分濃度が上昇していくため、再生処理の後半で入替処理を行った方が、一度の入替処理で系外に排出できる硬度成分の総量が増えるためである。また、分離部14の洗浄に着目した場合においても、再生処理の開始からの時間経過に伴って徐々に析出物が堆積してくるため、入替処理は、再生処理の後半に行うことが好ましい。例えば、再生処理に6時間を要し、入替処理を1度しか行わない場合には、入替処理は、再生処理の開始から3時間経過以降に行うようにしてもよい。
なお、入替処理の終了は、入替処理開始から一定時間(例えば5分間)経過時とする。ここで、一定時間は、軟水化槽3に残存する硬度成分の濃度が高い酸性電解水を装置外に排出するとともに、分離部14が捕捉した析出物を一定量溶解するために要する時間として、予め行った洗浄実験での評価結果に基づいて設定した時間である。
軟水化装置1aは、入替処理が終了すると、一次停止していた再生処理を再開するため、開閉弁35~開閉弁39及び開閉弁42を開放し、開閉弁31、開閉弁32、及び開閉弁44を閉止する。さらに電極13と送水ポンプ19の動作を再開させ、再生処理を再開する。
なお、再生処理中が終了するまでに、入替処理を複数回行ってもよい。
その後、軟水化装置1では、再生処理が終了すると電極13の動作を停止させ、排水処理へと移行する。
(排水処理)
軟水化装置1aでは、再生処理が終了すると排水処理へ移行する。ここで、排水処理とは、循環流路20c内に残存している原水、酸性電解水、アルカリ性電解水、及び酸性軟水の排水を行う処理である。
次に、軟水化装置1aによる排水処理時の動作について、図8の「排水時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1aでは、図8に示すように、排水処理(排水時)において、開閉弁31、開閉弁32、及び開閉弁34を閉止し、開閉弁35~開閉弁39及び開閉弁42~開閉弁44を開放する。これにより、流入口2からの市水の流入を停止するとともに、電解槽12から第一供給流路21、軟水化槽3、及び第一回収流路22を介して貯水槽15へ至る経路内に残存している酸性電解水及び分離部14から第二供給流路23、中和槽4、第二回収流路24を介し貯水槽15へ至る経路内に残存しているアルカリ性電解水を貯水槽15に流入させることができる。
次に、送水ポンプ19を起動させ、開閉弁39を開放する。これにより、貯水槽15の内部から送水流路25を介して電解槽12に至る経路内に残存している電解水、電解槽12の内部から第二供給流路23及び排水流路26を介して排水口16へ至る経路内に残存している電解水、及び入替流路27a内に残存している原水及び酸性軟水を装置外へ排出することができる。この時、電極13は、動作を停止している。
そして、軟水化装置1aでは、排水処理が終了すると、送水ポンプ19の動作を停止させる。また、開閉弁35~開閉弁39及び開閉弁42~開閉弁44を閉止させ、開閉弁31、開閉弁32、及び開閉弁34を開放することで軟水化処理へ移行する。
なお、排水処理の終了は、排水処理開始から一定時間(例えば1分)経過時とする。
(軟水化処理)
軟水化装置1aは、排水処理が終了すると軟水化処理に移行する。
軟水化装置1aによる軟水化処理時の動作について、図8の「軟水化時」の欄を参照して説明する。
軟水化装置1aでは、図8に示すように、軟水化処理において、開閉弁31~開閉弁33を開放した状態で、取水口5に設けた開閉弁34を開放する。これにより、軟水化装置1では、外部から市水(硬度成分を含む原水)が軟水化槽3と中和槽4とを流通するので、取水口5から軟水化した水(中性の軟水)を取り出すことができる。このとき、開閉弁35~開閉弁39及び開閉弁42~開閉弁44は、いずれも閉止した状態になっている。また、電解槽12の電極13及び送水ポンプ19の動作も停止した状態である。
そして、軟水化装置1aでは、制御部17で特定された時間帯になった場合もしくは軟水化処理が一定時間を超えた場合に軟水化処理を停止し、再生処理を実行する。
以上のようにして、軟水化装置1aでは、再生処理、入替処理、及び軟水化処理が繰り返し実行される。
以上、本実施の形態2に係る軟水化装置1aによれば、実施の形態1によって得られる効果(1)~効果(3)に加え、以下の効果を享受することができる。
(4)軟水化装置1aでは、入替処理では、分離部14に対して、分離部14の下流側から、軟水化槽3を流通した原水を流入させるように構成した。これにより、分離部14の下流側から、軟水化槽3により酸性軟水となった原水が流入する。硬度成分に起因する析出物を含む電解水は、分離部14の上流側から分離部14に流入するため、酸性軟水を下流側から流入させることにより、分離部14の逆洗浄を行うことができる。したがって、入替処理の処理効率を向上させることができ、より短期間で入替処理を終了することができる。
(実施の形態3)
次に、図9を参照して、本発明の実施の形態3に係る軟水化装置1bについて説明する。図9は、実施の形態3に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。
実施の形態3に係る軟水化装置1bは、分離部14の後段、且つ、選択弁40の前段に流量検出部45を備えるという点で実施の形態1と異なる。つまり、実施の形態3に係る軟水化装置1bでは、分離部14を流通した後のアルカリ性電解水の流量に基づいて、流量が所定の値を下回った場合に、再生処理を一次停止し、入替処理を行うように制御している。これ以外の軟水化装置1bの構成および制御は、実施の形態1に係る軟水化装置1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図9に示すように、軟水化装置1bは、第二供給流路23上において、分離部14の後段、且つ、選択弁40の前段に流量検出部45を備える。
流量検出部45は、再生処理時に、分離部14を通過したアルカリ性電解水の流量情報を検出する。ここで、流量検出部45が検出する流量に応じて、分離部14に堆積している析出物の堆積度合いを判断することができる。具体的には、流量が大きい場合には、分離部14は詰まりを起こしておらず、再生処理に支障をきたしていないといえる。一方、流量が小さい場合には、分離部14に析出物が堆積することにより、分離部14が目詰まりを起こし、アルカリ性電解水の流量が低下していると判断できるため、入替処理を行う。また、流量検出部45は、制御部17と無線又は有線により通信可能に接続され、検出した流量に関する情報は、制御部17の入力信号として用いられる。
ここで、流量検出部45としては、汎用的なものを使用することができ、例えば、プロペラ式の流量計が挙げられる。
制御部17は、再生処理時に、流量検出部45から出力された流量に関する情報に基づいて流量が所定の値を下回った場合に、再生処理を一次停止し、入替処理に移行するように制御する。これにより、制御部17は、分離部14を流通した後のアルカリ性電解水の流量に基づいて、再生処理の一次停止、および入替処理の開始を判定できる。つまり、分離部14に析出した析出物により、アルカリ性電解水の流量が低下した場合に、入替処理を開始することができる。
以上、本実施の形態3に係る軟水化装置1bによれば、実施の形態1によって得られる効果(1)及び効果(2)に加え、以下の効果を享受することができる。
(5)軟水化装置1bでは、分離部14を流通する水の流量を検出する流量検出部45を備え、流量検出部45で検出された流量が所定の値を下回った場合に、入替処理を開始するように構成した。これにより、再生処理時に分離部14を流通する水の流量状態を把握でき、流量情報に基づいて入替処理の開始を判断できる。つまり、分離部14を流通する水の流量によって再生処理中の分離部14の詰まり具合を把握できる。そのため、より効果的なタイミングで再生処理の一時停止及び入替処理の開始を行うことができる。
(実施の形態4)
次に、図10を参照して、本発明の実施の形態4に係る軟水化装置1cについて説明する。図10は、実施の形態4に係る軟水化装置の構成を示す概念図である。
実施の形態4に係る軟水化装置1cは、分離部14の前段に静圧検出部46を備えるという点で実施の形態1と異なる。つまり、実施の形態4に係る軟水化装置1cでは、分離部14を流通する前のアルカリ性電解水の静圧に基づいて、静圧が所定の値を上回った場合、つまり、分離部14に流入するアルカリ電解水の流量が低下した場合に、再生処理を一次停止し、入替処理を行うように制御している。これ以外の軟水化装置1cの構成および制御は、実施の形態1に係る軟水化装置1と同様である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図10に示すように、軟水化装置1cは、第二供給流路23上において、分離部14の前段に静圧検出部46を備える。
静圧検出部46は、再生処理時に、分離部14を通過する前のアルカリ性電解水の静圧情報を検出する。ここで、本実施の形態においては、送水ポンプ19は一定能力で動作しているため、アルカリ電解水の流量が多ければ静圧は低くなり、流量が少なければ静圧は高くなる。したがって、静圧検出部46が検出する静圧は、送水ポンプ19の流路における圧力損失に応じて変化する。つまり、静圧検出部46が検出する静圧に応じて、分離部14に堆積している析出物の堆積度合いを判断することができる。具体的には、静圧が低い場合には、分離部14は詰まりを起こしておらず、再生処理に支障をきたしていないといえる。一方、静圧が高い場合には、分離部14に析出物が堆積することにより、分離部14が目詰まりを起こし、アルカリ性電解水の流量が低下していると判断できるため、入替処理を行う。また、静圧検出部46は、制御部17と無線又は有線により通信可能に接続され、検出した流量に関する情報は、制御部17の入力信号として用いられる。
ここで、静圧検出部46としては、汎用的なものを使用することができ、例えば、デジタル圧力センサが挙げられる。
制御部17は、再生処理時に、静圧検出部46から出力された静圧に関する情報に基づいて静圧が所定の値を上回った場合、つまり、分離部14に流入するアルカリ電解水の流量が低下した場合に、再生処理を一次停止し、入替処理に移行するように制御する。これにより、制御部17は、分離部14を流通する前の静圧に基づいて、再生処理の一次停止、および入替処理の開始を判定できる。
以上、本実施の形態4に係る軟水化装置1cによれば、実施の形態1によって得られる効果(1)及び効果(2)に加え、以下の効果を享受することができる。
(6)軟水化装置1cでは、分離部14の前段に、流通する水の静圧を検出する静圧検出部46を備え、静圧検出部46で検出された静圧が所定の値を上回った場合に、入替処理を行うように構成した。これにより、再生処理時の分離部14の静圧状態を把握でき、静圧検出情報に基づいて入替処理の開始を判断できる。つまり、分離部14を通過する前の水の静圧に基づいて、再生処理中の分離部14の詰まり具合を把握できる。そのため、より効果的なタイミングで再生処理の一時停止及び入替処理の開始を行うことができる。
以上、本発明に関して実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されているところである。
本実施の形態1に係る軟水化装置1では、入替時に、軟水化槽3に原水を通水することで、軟水化槽3中の酸性電解水を装置外に排出するようにしたが、これに限られない。例えば、中和槽4にも原水を通水するようにしてもよいし、循環流路20内の水を原水に置換するようにしてもよい。また、例えば、排水処理を行い、軟水化装置1内の酸性電解水及びアルカリ性電解水を装置外に排出し、水注入時の処理を行うことにより、軟水化装置1内に原水を導入してから、循環流路20を形成するようにしてもよい。これにより、軟水化装置1内の硬度成分濃度をより低減させることができる。
また、本実施の形態1に係る軟水化装置1では、軟水化槽3及び中和槽4は、それぞれ1つずつであるとしたが、これに限られない。例えば、軟水化槽3及び中和槽4をそれぞれ複数個(例えば2つ)設けてもよいし、軟水化槽3を2つ、中和槽4を1つ設けるようにしてもよい。このようにした場合、入替処理時には、複数の軟水化槽3に原水を導入してもよいし、1つのみを選択して原水を導入してもよい。軟水化槽3及び中和槽4を複数個設けることにより、軟水化性能を向上させることができる。
本発明に係る軟水化装置は、使用場所設置型浄水装置(POU:Point of Use)あるいは建物入口設置型浄水装置(POE: Point of Entry)に適用することが可能である。
1 軟水化装置
1a 軟水化装置
1b 軟水化装置
1c 軟水化装置
2 流入口
3 軟水化槽
4 中和槽
5 取水口
6 再生装置
7 流路
8 流路
9 流路
10 弱酸性陽イオン交換樹脂
11 弱塩基性陰イオン交換樹脂
12 電解槽
13 電極
13a 電極
13b 電極
14 分離部
15 貯水槽
16 排水口
17 制御部
19 送水ポンプ
20 循環流路
20a 第一循環流路
20b 第二循環流路
20c 循環流路
20d 第一循環流路
20e 第二循環流路
21 第一供給流路
22 第一回収流路
23 第二供給流路
24 第二回収流路
25 送水流路
26 排水流路
26a 排水流路
27 入替流路
27a 入替流路
29 流路
31 開閉弁
32 開閉弁
33 開閉弁
34 開閉弁
35 開閉弁
36 開閉弁
37 開閉弁
38 開閉弁
39 開閉弁
40 選択弁
41 開閉弁
42 開閉弁
43 開閉弁
44 開閉弁
45 流量検出部
46 静圧検出部

Claims (5)

  1. 硬度成分を含む原水を弱酸性陽イオン交換樹脂により軟水化する軟水化槽と、
    前記軟水化槽を通過した軟水のpHを弱塩基性陰イオン交換樹脂により中和する中和槽と、
    前記軟水化槽の前記弱酸性陽イオン交換樹脂を再生するための酸性電解水と、前記中和槽の前記弱塩基性陰イオン交換樹脂を再生するためのアルカリ性電解水とを生成する電解槽と、
    を備え、
    前記軟水化槽の再生処理の途中に、前記軟水化槽に前記原水を通水する入替処理を行うことを特徴とする軟水化装置。
  2. 前記電解槽と前記中和槽とを連通する流路に設けられ、前記電解槽に導入された水に含まれる前記硬度成分に起因する析出物を分離する分離部をさらに備え、
    前記入替処理において、前記軟水化槽を流通した前記原水を、前記分離部へ通水するように流通させることを特徴とする請求項1に記載の軟水化装置。
  3. 前記入替処理では、前記分離部に対して、前記分離部の下流側から、前記軟水化槽を流通した前記原水を流入させることを特徴とする請求項2に記載の軟水化装置。
  4. 前記分離部を流通する水の流量を検出する流量検出部を備え、
    前記流量検出部で検出された流量が所定の値を下回った場合に、前記入替処理を開始することを特徴とする請求項2または3に記載の軟水化装置。
  5. 前記分離部の前段に、流通する水の静圧を検出する静圧検出部を備え、
    前記静圧検出部で検出された前記静圧が所定の値を上回った場合に、前記入替処理を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の軟水化装置。
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