JP2005029479A - グアニジン誘導体およびそれを構成成分とする薬物担体 - Google Patents

グアニジン誘導体およびそれを構成成分とする薬物担体 Download PDF

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Abstract

【課題】新規グアニジン誘導体およびその塩、その用途を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるグアニジン誘導体およびその塩、およびそれを構成成分とする薬物担体。
【化1】
Figure 2005029479

(式(1)中、Aは芳香環であり、RおよびRは互いに独立に炭素数10−25のアルキル基またはアルニケル基であり、XおよびXは互いに独立にO、S、COO、OCO、CONHまたはNHCOであり、nは0または1〜6の自然数である。)
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なグアニジン誘導体およびその塩、並びにそれを構成成分の一つとして含有する薬物担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リポソーム、リピッドマイクロスフェアなどの閉鎖小包を薬物担体としてドラッグデリバリーシステム(以下、DDSと称す)に応用しようとする研究が盛んに行われている。これら閉鎖小包は一般的にリン脂質またはその誘導体、ステロールあるいはリン脂質以外の脂質等を基本膜の構成成分として調製される。しかしながら、これら基本構成成分のみでは実際にDDSに応用していく上で、閉鎖小包同士の凝集、体内における滞留性の低下などの様々な困難があった。さらに、基本構成成分のみでは実際にDDS製剤として標的とする部位に薬物を到達させることは難しかった。
【0003】
近年、標的細胞に効率よく薬物をデリバリーすることの重要性が指摘されており、リポソーム表面に抗体、糖鎖などのリガンドを結合したリポソームが研究されている(非特許文献1〜2参照)。一方、標的細胞への薬物担体の接着性の向上を目的として、ステアリルアミン等のカチオン化脂質を配合することにより、閉鎖小包の表面を生理的pH範囲でカチオン化する試みが行われている。
【0004】
特にDNAを担持するカチオン性のリポソームはDNAの細胞中への取りこみ、すなわち、トランスフェクションを促進することが知られているが、さらに導入効率、発現率、安全性のよいものが切望されている。しかし、カチオン化脂質として選択できる脂質は限られており、安全性が高く、高機能を発現する薬物担体用カチオン化脂質の開発が望まれている。現在のところ、そのようなカチオン化脂質としては、特許文献1〜5に記載のものが報告されている。
【0005】
【非特許文献1】
Cancer Lett.118(2),153,1997
【非特許文献2】
Br.J.Cancer.76(1),83,1997
【特許文献1】
米国特許第4897355号
【特許文献2】
米国特許第5334761号
【特許文献3】
特開平2−292246号公報
【特許文献4】
特開平4−108391号公報
【特許文献5】
国際公開WO97−042166号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、薬物担体(DDS製剤)の膜構成成分として有用な新規なグアニジン誘導体およびその塩、さらにその用途、詳細には、安全性が高く、病巣部位を確実にターゲッティングし、該標的細胞に薬物を効率良く送達することができる薬物担体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(5)で示される新規なグアニジン誘導体およびその塩、(6)〜(13)で示される薬物担体を提供する。
(1)下記一般式(1)で示されるグアニジン誘導体およびその塩。
【化2】
Figure 2005029479
(式(1)中、Aは芳香環であり、RおよびRは互いに独立に炭素数10−25のアルキル基またはアルニケル基であり、XおよびXは互いに独立にO、S、COO、OCO、CONHまたはNHCOであり、nは0または1〜6の自然数である。)
【0008】
(2)上記式(1)中、Aがベンゼン環である上記(1)に記載のグアニジン誘導体およびその塩。
(3)上記式(1)中、RおよびRが、互いに独立に炭素数12−18のアルキル基またはアルケニル基である上記(1)または(2)に記載のグアニジン誘導体およびその塩。
(4)上記式(1)中、XおよびXが、それぞれOである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のグアニジン誘導体およびその塩。
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のグアニジン誘導体およびその塩の好適例として、3,5−ジペンタデシロキシベンジルグアニジンおよびその塩が挙げられる。
【0009】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のグアニジン誘導体および/またはその塩を少なくとも膜構成成分として含有する薬物担体。
(7)脂質、その誘導体および表面修飾剤からなる群から選ばれる少なくとも一つの膜構成成分をさらに含有する上記(6)に記載の薬物担体。脂質は、リン脂質であっても、リン脂質以外の脂質であってもよく、それらの誘導体であってもよい。
【0010】
(8)疾患の診断および/または治療のための薬物が担持された上記(6)または(7)に記載の薬物担体。
(9)上記薬物が、前膜構成成分で形成される内部空間に内包された形態の上記(8)に記載の薬物担体。
【0011】
(10)上記薬物担体が、リポソーム、リピッドマイクロスフェア、高分子マイクロスフェアからなる群より選ばれる少なくとも1種の形態を含む上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の薬物担体。
【0012】
(11)上記薬物として、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体、抗癌剤、抗生物質、酵素剤、酵素阻害剤、抗酸化剤、脂質取り込み阻害剤、ホルモン剤、抗炎症剤、ステロイド剤、血管拡張剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤、ケミカルメデイエーターの遊離抑制剤、血管内皮細胞の増殖または抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウイルス剤、メイラード反応抑制剤、アミロイドーシス阻害剤、NOS阻害剤、AGEs阻害剤、ラジカルスカベンチャー、グリコサミノグリカンおよびその誘導体、オリゴ糖および多糖およびそれらの誘導体、タンパク質およびペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む上記(6)ないし(10)のいずれかに記載の薬物担体。
【0013】
(12)上記薬物として、X線造影剤、放射性同位元素標識核医学診断薬、核磁気共鳴診断用診断薬からなる群から選ばれる少なくとも一つの体内診断薬を含む上記(6)ないし(10)のいずれかに記載の薬物担体。
【0014】
(13)安定化剤および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに含有する上記(6)ないし(12)のいずれかに記載の薬物担体。
【0015】
さらに下記(14)〜(19)の発明も提供される。
(14)(6)〜(13)のいずれかの薬物担体を含む医薬組成物。
(15)(6)〜(13)のいずれかの薬物担体を宿主に投与することからなる、担体に担持された薬物の標的部位への送達および/または輸送方法。
(16)予防および/または治療有効量の薬物を含む(6)〜(13)のいずれかの薬物担体を宿主に投与することからなる、疾患の予防および/または治療方法。
【0016】
(17)有効量の薬物を含む(6)〜(13)のいずれかの薬物担体を宿主に投与することからなる、疾患の診断方法。
(18)有効量の薬物を含む(6)〜(13)のいずれかの薬物担体を宿主に投与することからなる、薬物担体を標的部位へ接着させる方法。
(19)有効量の薬物を含む(6)〜(13)のいずれかの薬物担体を含有してなる薬物担体を標的部位へ接着させるための組成物。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をより具体的に説明する。
本発明では、下記一般式(1)で示されるグアニジン誘導体およびその塩を提供する。
【化3】
Figure 2005029479
【0018】
式(1)中、Aは芳香環であり、好ましくはベンゼン環である。
およびRは、互いに独立に炭素数10−25のアルキル基またはアルニケル基であり、好ましくは炭素数12−18のアルキル基またはアルケニル基である。
およびXは、互いに独立にO、S、COO、OCO、CONHまたはNHCOであり、好ましくはXおよびXともにOである。
nは0または1〜6の自然数である。
【0019】
上記グアニジン誘導体として、n=0の具体例として、3,5−ジペンタデシロキシベンズグアニジン、3,5−ジヘキサデシロキシベンズグアニジン、3,5−ジオクタデシロキシベンズグアニジン、3,5−ジドデシロキシベンズグアニジン、3,4−ジドデシロキシベンズグアニジンなどを、n=1の具体例として、3,5−ジペンタデシロキシベンジルグアニジン、3,5−ジヘキサデシロキシベンジルグアニジン、3,5−ジオクタデシロキシベンジルグアニジン、3,5−ジドデシロキシベンジルグアニジン、3,4−ジドデシロキシベンジルグアニジンなどを例示することができる。
【0020】
上記一般式(1)で示されるグアニジン誘導体のうちでも、Aがベンゼン環であり、RおよびRが炭素数15のアルキル基であり、XおよびXともにOであり、nが1である下記に示す3,5−ジペンタデシロキシベンジルグアニジンおよびその塩を本発明の好適例として例示することができる。
【化4】
Figure 2005029479
【0021】
本発明に係るグアニジン誘導体およびその塩は、たとえばJ.Org.Chem.1992,57,2497 に記載される合成方法に準拠して製造することができる。具体的には、目的のグアニジン誘導体に対応する骨格を有する下記構造式(2)で示されるアミンと、 1H−ピラゾール−1− カルボキシアミジン塩酸塩(3) とから製造することができる。
【0022】
【化5】
Figure 2005029479
(式(2)中、A,R、R、X、Xおよびnは、それぞれ式(1)中の規定と同義である。)
【0023】
上記式(2)で示されるアミンは、一般的な合成方法により合成することができる。一例として、式(2)中のXおよびXがOである場合、すなわちエーテル基を含むアミン(2’)である場合の合成スキームを以下に示す。
以下のスキームでは、出発原料のジヒドロキシ芳香環を含むカルボン酸(4)をエステル化して、RおよびR基を水酸基にエーテル結合させて導入(5)した後、エステル部分を還元してアルコール(6)とし、次いで、アルコール水酸基のハロゲン置換、フタルイミド置換を経てアミノ基(2’)に変換することにより合成することができる。
【0024】
【化6】
Figure 2005029479
(上記各式中、A、R、Rおよびnは、それぞれ式(1)中の規定と同義であり、mは0または1〜5の自然数である。)
【0025】
上記で合成されたグアニジン誘導体は、クロマトグラフィー、再結晶などの通常の精製手段により単離採取することができる。なおグアニジン誘導体の製造方法および精製方法は、上記に限定されるものではない。
【0026】
本発明の薬物担体は、上記一般式(1)で示されるグアニジン誘導体および/またはその塩(以下これらをグアニジン誘導体と総称することもある。)を膜構成成分の一つとして含有する。
【0027】
本発明の薬物担体は、上記グアニジン誘導体および薬物を含むこと以外に特にその構成成分は制限されないが、後述するような膜基本構成材料としての脂質またはその誘導体および表面修飾剤、さらには安定化剤、酸化防止剤などの他の成分を含むことができる。
【0028】
本発明の薬物担体は、薬物を担持することのできる構造を有していればその形態は特に限定されず、様々な形態をとることができる。具体的には、その内部に薬物を高濃度封入することのできる潜在的機能を有する、リポソーム、リピッドマイクロスフェアおよび高分子マイクロスフェアのうちより選ばれる少なくとも一種からなることが望ましい。
【0029】
これらのうちでも好ましい形態例は、脂質分子の疎水性基と親水性基の極性に基づいて生ずる膜により外界から隔てられた空間を形成する構造を有する閉鎖小胞であり、具体的にリポソームが挙げられる。
リポソームは、リン脂質を基本とする脂質二重層からなる閉鎖小胞である。リピッドマイクロスフェアとは水と油の一方を他方中に乳化させてなる閉鎖小胞である。高分子マイクロスフェアは高分子を乳化させた後、変性、化学的架橋、放射線重合、液中乾燥等の操作によって固化させることよりなる閉鎖小胞である。
本発明では、薬物担体の特に好ましい形態例としてリポソームが挙げられる。
【0030】
本発明の薬物担体の大きさは特に限定されないが、球状またはそれに近い形態をとる場合には、粒子外径の直径が、0. 02〜250μm、好ましくは0. 03〜0. 4μm、より好ましくは0. 05〜0.2μmが好ましい。
【0031】
上記グアニジン誘導体とともに薬物担体を構成する他の成分としては、上記の形態を安定的に形成できるものであれば特に限定されないが、その安全性、生体内における安定性などを考慮すると、薬物担体は、膜構成成分として、脂質、その誘導体および表面修飾剤から選ばれる少なくとも1つを含むことが望ましい。
特に膜の基本構成材料として、通常、脂質を含むことが好ましい。脂質は、リン脂質であってもリン脂質以外の脂質であってもよく、それらの誘導体であってもよい。
【0032】
リン脂質としては、フォスファチジルコリン(=レシチン)、フォスファジルグリセロール、フォスファチジン酸、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、カルジオリビン等の天然あるいは合成のリン脂質、またはこれらの常法にしたがって水素添加したもの等を挙げることができる。
【0033】
リン脂質以外の脂質としては、リン酸を含まない脂質が挙げられ、特に限定されないがグリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質等を挙げることができる。
【0034】
表面修飾剤としては、特に限定されないが、親水性高分子あるいはグルクロン酸、シアル酸、デキストランなどの水溶性多糖類の誘導体が挙げられる。具体的には、たとえばポリエチレングリコール、デキストラン、プルラン、フィコール、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸交互共重合体、ジビニルエーテル−無水マレイン酸交互共重合体、合成ポリアミノ酸、アミロース、アミロペクチン、キトサン、マンナン、シクロデキストリン、ペクチン、カラギーナンなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレングリコールは血中滞留性を向上させる効果がある。また上記親水性高分子は、長鎖脂肪族アルコール、ステロール、ポリオキシプロピレンアルキル、またはグリセリン脂肪酸エステル等の疎水性化合物と結合させた誘導体として用いることができ、これら疎水性化合物部位が、薬物担体(たとえばリポソーム)の膜中へ安定に挿入することができることにより、薬物担体表面に親水性高分子を存在させることができる。親水性高分子誘導体としてはポリエチレングリコール−ジステアロイルフォスファチジルエタノールアミン等を好ましく使用することができる。
【0035】
ここで、本発明において、「担持」とは、担体の閉鎖空間内に薬物が封入された状態、担体の膜を構成する脂質層内に一部または全ての部分が含まれている状態、または担体の外表面に薬物が付着した状態であることを意味する。
薬物担体に担持させる薬物の性質は特に限定されないが、担体の膜表面が陽電荷を持つことから、電気的に中性あるいはアニオン性である薬物について好ましい担持率を期待することができる。なお、「担持率」とは担体の膜材料と薬物とを混入し、薬物担体を形成する際に、混入した薬物と担持された薬物との割合をいう。
【0036】
薬物担体に担持させる治療のための薬物としては、具体的には、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体、抗癌剤、抗生物質、酵素剤、抗酸化剤、脂質取り込み阻害剤、ホルモン剤、抗炎症剤、ステロイド剤、血管拡張剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤、ケミカルメデイエーターの遊離阻害剤、血管内皮細胞の増殖促進または抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウイルス剤、メイラード反応抑制剤、アミロイドーシス阻害剤、一酸化窒素合成阻害剤、AGEs(Advanced glycation endproducts)阻害剤、ラジカルスカベンチャー、タンパク質、ペプチド、グリコサミノグリカンおよびその誘導体、オリゴ糖および多糖およびそれらの誘導体等が挙げられる。
【0037】
抗癌剤としては、特に限定されないがネダプラチン、ドセタキセル、塩酸ゲムシタビン、シクロホスファミド、イホスファミド、塩酸ナイトロジェンマスタード−N− オキシド、チオテパ、ブルスファン、カルボコン、塩酸ニムスチン、ラニムスチン、メルファラン、トシル酸インプロスルファン、ダカルバジン、塩酸プロカルバジン、シタラビン、シタラビンオクスファート、エノシタビン、メルカプトプリン、チオイノシン、フルオロウラシル、ドキシフルリジン、テガフール、メトトレキサート、カルモフール、ヒドロキシカルバミド、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、エトポシド、クロモマイシンA3 、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アラクルビシン、ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ダクチノマイシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、マイトマイシンC、ネオカルノスタチン、L−アスパラギナーゼ、アセグラトンミトプロニトール、デキストラン硫酸ナトリウム、酢酸オクトレオチド、シスプラチン、カルボプラチン、クエン酸タモキシフェン、酢酸メドロキシプロゲステロン、リン酸エストラムスチンナトリウム、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、塩酸イリノテカン、パクリタキセルなどが挙げられる。これらの抗癌剤のうちでも、特に好ましいのはパクリタキセル、ドセタキセル、塩酸イリノテカン、塩酸ゲムシタビン、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチンなどである。
【0038】
抗生物質としては、特に限定されないがベンジルペニシリンカリウム、ベンジルペニシリンベンザチン、フェノキシメチルペニシリンカリウム、フェネチシリンカリウム、クロキサシリンナトリウム、フルクロキサシリンナトリウム、アンピシリン、トシル酸スルタミシリン、塩酸バカンピシリン、塩酸タランピシリン、レナンピシリン、ヘタシリンカリウム、シクラシリン、アモキシシリン、塩酸ピブメシリナム、アスポキシシリン、カルベニシリンナトリウム、カリンダシリンナトリウム、スルベニシリンナトリウム、チカルシリンナトリウム、ピペラシリンナトリウム、セファロリジン、セファロチンナトリウム、セファゾリンナトリウム、セファピリンナトリウム、セフラジン、セファレキシン、セファトリジンプロピレングリコール、セフロキサジン、セファクロル、セファドロキシル、塩酸セフォチアム、塩酸セフォチアムヘキセチル、セフロキシムナトリウム、セフロキシムアキセチル、セファマンドールナトリウム、セフジニル、塩酸セフェタメトピポキシル、セフチプテン、セフメタゾールナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフォテタンナトリウム、セフミノクスナトリウム、セフプペラゾンナトリウム、セフピラミドナトリウム、セフスロジンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフチゾキシムナトリウム、塩酸セフメノキシム、セフトリアキソンナトリウム、セフタジジム、セフピミゾールナトリウム、セフィキシム、セフテラムピポキシル、セフゾナムナトリウム、セフポドキシプロキセチル、セフォジジム、硫酸セフピロム、ラタモキセフナトリウム、フロモキセフナトリウム、イミペネム、シラスタチンナトリウム、アズトレオナム、カルモナムナトリウム、硫酸ステレプトマイシン、硫酸カナマイシン、硫酸フラジオマイシン、硫酸アミカシン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ペカナマイシン、硫酸リポスタマイシン、硫酸ジベカシン、トブラマイシン、硫酸シソマイシン、硫酸ミスロノマイシン、硫酸アストロマイシン、硫酸ネチルマイシン、硫酸イセパマイシン、硫酸アルベカシン、エリスロマイシン、キタサマイシン、アセチルキタサマイシン、リン酸オレアンドマイシン、ジョサマイシン、アセチルスピラマイシン、ミデカマイシン、酢酸ミデカマイシン、ロキタマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、塩酸テトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、メタリン酸テトラサイクリン、塩酸デメチルクロルテトラサイクリン、ロリテトラサイクリン、塩酸ドキシサイクリン、塩酸ミノサイクリン、クロラムフェニコール、コハク酸クロラムフェニコールナトリウム、パルミチン酸クロラムフェニコール、チアンフェニコール、塩酸アミノ酢酸チアンフェニコール、硫酸コリスチン、コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム、硫酸ポリミキシンB、バシトラシン、塩酸バンコマイシン、塩酸リンコマイシン、クリンダマイシン、塩酸スペクチノマイシン、ホスホマイシンナトリウム、ホスホマイシンカルシウムなどが挙げられる。
【0039】
酵素剤としては、特に限定されないがキモトリプシン、結晶トリプシン、ストレプトキナーゼ・ストレプトドルナーゼ、ヒアルロニダーゼ、ウロキナーゼ、ナサルプラーゼ、アルテプラーゼ、塩化リゾチーム、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、チソキナーゼ、デュテプラーゼ、バトロキソビン、プロナーゼ、プロメラインなどが挙げられる。
【0040】
抗酸化剤としては、特に限定されないがトコフェロール、アスコルビン酸、尿酸などが挙げられる。
【0041】
抗炎症剤としては、特に限定されないがサリチル酸コリン、サザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、ジフルニサル、フルフェナム酸、メフェナム酸、フロクタフェニン、トルフェナム酸、ジクロフェナクナトリム、トルメチンナトリウム、スリンダク、フェンブフェン、フェルビナクエチル、インドメタシン、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、マレイン酸プログルメタシン、アンフェナクナトリウム、ナブメトン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、ケトプロフェン、ナプロキセン、プロチジン酸、プラノプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン酸、オキサプロジン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、フェニルブタゾン、クロフェゾン、ケトフェニルブタゾン、ピロキシカム、テノキシカム、アンピロキシカム、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、塩酸ベンジダミン、エピリゾール、エルモファゾンなどが挙げられる。
【0042】
ステロイド剤としては、特に限定されないが酢酸コルチゾン、ヒドロコルチゾン(リン酸エステル、酢酸塩)、酪酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、プレドニゾロン(アセテート、サクシネート、第三級ブチル酢酸エステル、リン酸エステル)、メチルプレドニゾロン(アセテート)、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド(酢酸トリアムシノロン)、デキサメタゾン(リン酸エステル、酢酸塩、リン酸ナトリウム塩、硫酸エステル)、パルミチン酸デキサメタゾン、ベタメタゾン(リン酸塩、2ナトリウム塩)、酢酸パラメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸ハロプレドン、プロピオン酸クロベタゾール、ハルシノニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾン、酢酸コルチゾンなどが挙げられる。
【0043】
血管拡張剤としては、特に限定されないがテオフィリン、ジプロフィリン、プロキシフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、プロスタグランジン、プロスタグランジン誘導体、アルプロスタジルアルファデクス、アルプロスタジル、リマプロストアルファデクス、パパベリン、シクランデラート、シンナリジン、フマル酸ベンシクラン、マレイン酸シネパジド、塩酸ジラゼプ、トラピジル、塩酸ジフェニドール、ニコチン酸、イノシトールヘキサニコチネート、クエン酸ニカメタート、酒石酸ニコチニックアルコール、ニコチン酸トコフェロール、ヘプロニカート、塩酸イソクスプリン、硫酸バメタン、塩酸トラリゾン、メシル酸ジヒドロエルゴトキシン、酒石酸イフェンプロジル、塩酸モキシシリト、ニセルゴリン、塩酸ニカルジピン、ニルバジピン、ニフェジピン、塩酸ベニジピン、塩酸ジルチアゼム、ニソルジピン、ニトレンジピン、塩酸マニジピン、塩酸バルニジピン、塩酸エホニジピン、塩酸ベラパミル、塩酸トリメタジジン、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、塩酸デラプリル、シラザプリル、リシノプリル、塩酸ベナゼプリル、塩酸ヒドララジン、塩酸トドララジン、ブドララジン、カドララジン、インダパミド、塩酸カルボクロメン、エフロキサート、塩酸エタフェノン塩酸オキシフェドリン、ニコランジル、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビドなどが挙げられる。
【0044】
アンジオテンシン変換酵素阻害剤としては、特に限定されないがアラセプリル、塩酸イミダプリル、塩酸テモカプリル、塩酸デラプリル、塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプリルなどが挙げられる。アンジオテンシン受容体拮抗剤としては、特に限定されないがロサルタンなどが挙げられる。
【0045】
平滑筋細胞遊走および/または増殖抑制剤としては、特に限定されないがヘパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム(低分子ヘパリン)、ヘパリンカルシウム、デキストラン硫酸などが挙げられる。
【0046】
血小板凝集阻害剤としては、特に限定されないが塩酸チクロピジン、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム、塩酸サルプグレラート、バトロキソビン、ジピリダモールなどが挙げられる。
【0047】
抗凝固剤としては、特に限定されないがヘパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム(低分子ヘパリン)、ヘパリンカルシウム、デキストラン硫酸、ワルファリンカリウム、アルガトロバンなどが挙げられる。
【0048】
ケミカルメディエーター遊離抑制剤としては、特に限定されないがトラニラスト、フマル酸ケトフェチン、塩酸アゼラスチン、オキサトミド、アンレキサノクス、レピリナストなどが挙げられる。
【0049】
免疫抑制剤としては、特に限定されないがシクロスポリンなどが挙げられる。
【0050】
抗ウイルス剤としては、特に限定されないがアシクロビル、ガンシクロビル、ジダノシン、ジドブジン、ソリブジン、ビダラビンなどが挙げられる。
【0051】
また診断のための薬物の種類としては、薬物担体の形成を損ねない限り特に限定されるものではない。具体的には、X線造影剤、放射性同位元素標識核医学診断薬、核磁気共鳴診断用診断薬などの体内診断薬が挙げられる。X線造影剤としては、たとえばアミドトリゾ酸メグルミン、イオタラム酸ナトリウム、イオタラム酸メグルミン、ガストログラフィン、ヨーダミドメグルミン、リピオドールウルトラフルイド、アジピオドンメグルミン、イオキサグル酸、イオトロクス酸メグルミン、イオトロラン、イオパノ酸、イオパミドール、イオヘキソール、イオベルソール、イオポダートナトリウム、イオメプロール、イソペーク、ヨードキサム酸などが挙げられる。
【0052】
本発明の薬物担体は、投与経路次第で医薬的に許容される安定化剤および/または酸化防止剤をさらに含むものであってもよい。安定化剤としては、特に限定されないが膜流動性を低下させるコレステロールなどのステロール、あるいはグリセロール、シュクロースなどの糖類が挙げられる。酸化防止剤としては、特に限定されないがアスコルビン酸、尿酸あるいはトコフェロール同族体、たとえばビタミンEなどが挙げられる。トコフェロールには、α、β、γ、δの4個の異性体が存在するが本発明においてはいずれも使用できる。
【0053】
本発明の薬物担体は、投与経路次第で医薬的に許容される添加物をさらに含むものであってもよい。このような添加物の例として、水、生理食塩水、医薬的に許容される有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、寒天、ジグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、PBS、生体内分解性ポリマー、無血清培地、医薬添加物として許容される界面活性剤あるいは生体内で許容し得る生理的pHの緩衝液などが挙げられる。
【0054】
添加物は、剤型に応じて上記の中から適宜選択され、あるいはそれらを組合せて使用されるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、これら添加物を含む態様の薬物担体を、医薬組成物として供することができる。本発明の医薬組成物は、通常の方法、たとえば0〜8℃での冷蔵あるいは15〜25℃の室温で保存することができる。
【0055】
本発明の薬物担体は常法によって得ることができる。薬物担体の一例としてリポソームの製造方法を以下に示すが、これに限定されない。
フラスコ内で、本発明のグアニジン誘導体およびリン脂質等の他の膜構成成分を、クロロホルム等の有機溶媒により混合し、有機溶媒を留去後に真空乾燥することによりフラスコ内壁に薄膜を形成させる。次に、当該フラスコ内に薬物を加え、激しく撹拌することにより、リポソーム分散液を得る。得られたリポソーム分散液を遠心分離し、上清をデカンテーションし封入されなかった薬物を除去することにより、薬物担体を分散液として得ることができる。
またリポソームは、上記方法以外にも、上記の各構成成分を混合し、高圧吐出型乳化機により高圧吐出させることにより得ることもできる。この方法は、「ライフサイエンスにおけるリポソーム」(寺田、吉村ら;シュプリンガー・フェアラーク東京(1992))に具体的に記載されており、この記載を引用して本明細書の記載されているものとする。
【0056】
本発明の薬物担体は、薬物を担持した状態で標的部位まで到達し、その結果担持する薬物を標的部位まで送達する。薬物の標的部位への送達は、担体に担持された薬物を標的部位へ取り込ませることであってもよいし、標的部位に取り込まれずとも薬物の影響を標的部位またはその近傍へ及ぼすことであってもよい。
ここで本明細書において、薬物担体の「標的部位」とは、担持する薬物を送達する特定の部位であり、部位ごとに特定された細胞、組織、器官または臓器およびそれらの内部を意味する。
本発明のグアニジン誘導体を含有する薬物担体は、標的部位への接着性を有し、その結果、担持する薬物を標的部位まで送達することができる。細胞、組織、器官または臓器およびそれらの内部などの標的部位は治療および/または診断の対象となる部位であり、特に限定されないが腫瘍、炎症部位などが挙げられる。
したがって、標的部位は、腫瘍や炎症部位の細胞、組織、器官または臓器およびそれらの内部などである。
【0057】
本発明の薬物担体は薬物を所望の標的部位に送達するために使用される。したがって、本発明の薬物担体は、担体に封入した薬物を標的部位に送達および/または輸送するため、疾患の予防および/または治療のため、疾患の診断のため、あるいは薬物担体を標的部位へ接着させるために、宿主(患者)に非経口的に全身あるいは局所的に投与することができる。投与対象の宿主としては、哺乳動物、好ましくはヒト、サル、ネズミ、家畜等が挙げられる。
【0058】
非経口的投与の経路としては、たとえば点滴などの静脈内注射(静注)、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射を選択することができ、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。本発明の薬物担体は、病気に既に悩まされる患者に、疾患の症状を治癒するか、あるいは少なくとも部分的に阻止するために十分な量で投与される。たとえば薬物担体に封入される薬物の有効投与量は、一日につき体重1kgあたり0.01mgから100mgの範囲で選ばれる。
しかしながら、本発明の薬物担体はこれらの投与量に制限されるものではない。
投与時期は、疾患が生じてから投与してもよいし、あるいは疾患の発症が予測される時に発症時の症状緩和のために予防的に投与してもよい。また、投与期間は、患者の年齢、症状により適宜選択することができる。
【0059】
具体的な投与方法としては、医薬組成物をシリンジや点滴によって投与することができる。また、カテーテルを患者または宿主の体内、たとえば管腔内、たとえば血管内に挿入して、その先端を標的部位付近に導き、当該カテーテルを通して、所望の標的部位またはその近傍あるいは標的部位への血流が期待される部位から投与することも可能である。
【0060】
実施例に示すように、本発明の薬物担体を含有する医薬組成物を、標的細胞に添加すると、細胞への薬物担体の接着が認められた。薬物担体の接着性を確認するには、たとえば標的となる細胞に薬物担体を添加し薬物が標的となる細胞へ及ぼす影響をIC50として測定することにより行うことができる。また、薬物担体の標的部位を有する動物モデルに薬物担体を投与し、薬物が標的部位へ及ぼす影響を調べることにより行うことができる。
【0061】
【実施例】
次に実施例、試験例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例、試験例に限定されるべきものではない。
(実施例1)
<ジペンタデシロキシベンジルグアニジン塩酸塩の合成>
合成手順を下記(1)〜(6)に示す。
(1)3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチルエステル(東京化成工業)15.97g、1−ブロモペンタデカン(東京化成工業)58.26g、炭酸カリウム(国産化学)27.64gおよびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(関東化学)250mlからなる溶液を、一夜、60℃で加熱還流した。得られた反応液を水中に投入し、固形物をろ取した後、水、メタノール(国産化学)および酢酸エチル(国産化学)で洗浄し、酢酸エチルより再結晶することにより、3,5−ジペンタデシロキシ安息香酸メチルエステル32.6gを得た。
【0062】
(2)水素化リチウムアルミニウム(関東化学)228mgのテトラヒドロフラン(THF)(関東化学)3ml溶液に、3,5−ジペンタデシロキシ安息香酸メチルエステル1.77gのTHF20ml溶液を氷冷下に滴下し、室温で2 時間攪拌した。反応液を水中に投入し、クロロホルム(国産化学)を加え、セライト(関東化学)ろ過を行った後、分離した有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。次いで、無水硫酸ナトリウム(和光純薬)で乾燥し、減圧下に濃縮して、3,5−ジペンタデシロキシベンジルアルコール1.66gを得た。
【0063】
(3)3,5−ジペンタデシロキシベンジルアルコール0.56gの塩化メチレン(関東化学)10ml溶液に、トリフェニルホスフィン(東京化成工業)0.38gとテトラブロモカーボン(東京化成工業)0.66gを加え室温で、20分間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、塩化メチレンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(富士シリシア)に科し、10%酢酸エチル(国産化学)−ヘキサン(国産化学)溶出画分より、3,5−ジペンタデシロキシベンジルブロマイド0.59gを得た。
【0064】
(4)3,5−ジペンタデシロキシベンジルブロマイド0.62gのDMF(関東化学)10ml溶液に、フタルイミドカリウム(東京化成工業)0.20gを加え、60℃で6時間攪拌した。反応液を水中に投入し、クロロホルム(国産化学)で抽出した後、水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(和光純薬)で乾燥し、減圧下に濃縮して、3,5−ジペンタデシロキシベンジルフタルイミド0.66gを得た。
【0065】
(5)3,5−ジペンタデシロキシベンジルフタルイミド5.10gのエタノール(国産化学)80ml溶液に80%ヒドラジン(東京化成工業)を加え、5.5時間還流攪拌した。反応溶媒を減圧下留去後、クロロホルム(国産化学)を加え、不溶物をろ過して除き、減圧下、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(富士シリシア)に科し、5 %メタノール(国産化学)−クロロホルム(国産化学)溶出画分より、3,5−ジペンタデシロキシベンジルアミン2.11gを得た。
【0066】
(6)3,5−ジペンタデシシロキシベンジルアミン0.28g、1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン塩酸塩(Aldrich )73mgおよびジイソプロピルエチルアミン(東京化成工業)65mgを含むDMF(関東化学)5ml溶液を室温で12時間攪拌した。反応溶媒を減圧下留去し、酢酸エチル(国産化学)を加えた後、水、飽和塩化アンモニウム溶液、飽和食塩水で洗浄した。次いで、無水硫酸マグネシウム(和光純薬)で乾燥した後、減圧下に濃縮し、下記構造式で示される3,5−ジペンタデシロキシベンジルグアニジン・塩酸塩を270mg得た。この化合物の融点は146−148℃であった。またH−NMRスペクトルにより構造を確認した。
【化7】
Figure 2005029479
H−NMR (CDCl)δ(ppm ): 6.40 (2H,bs),6.36 (1H,bs) ,4.25 (2H,d,J=14.0Hz),3.91−3.88 (4H,m),1.78−1.22(52H,m),0.88(6H,t,J=8.0Hz)
【0067】
(実施例2)
実施例1で合成したグアニジン誘導体を、膜構成成分の一つとして含むリポソームを下記のようにして調製した。
水素化大豆フォスファチジルコリン(HSPC)0.15mmol、コレステロール0.126mmol、上記グアニジン誘導体0.024mmolをナスフラスコに秤量し、Rhodamin−DHPE(rhodamine B 1,2−dihezadecanoyl−sn−glycero3−phosphoethanolamine、triethylammonium salt ;Lissamine TM,Molecular Probes社)/CHCl溶液(0.1mg/ml)を8ml加えて溶解し、エバポレーションにより溶媒を除去した。
得られた薄膜に、65℃に加温したシスプラチン/生食溶液(7.5mg/ml)を5ml加え、65℃でエクストルーダーに取り付けた孔径0.4μm, 0.2μm, 0.1μmのフィルターを各々1回、3回、10回ずつ順次通過させ、リポソームを調製した。
【0068】
上記で調製されたリポソームから、未封入シスプラチンをゲル濾過で除去した後、表面修飾剤としてのポリエチレングリコール−フォスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)(生食溶液)を総脂質量の0.75mol%に相当する量で加え、60℃で30分加温した。
上記により、シスプラチン濃度0.17mg/mlのPEG−PE修飾リポソーム(グアニジンリポソーム)を得た。
上記において、シスプラチン/生食溶液の添加量を変えることにより、シスプラチン濃度0〜150μg/mlのグアニジンリポソームおよびコントロールリポソーム(シスプラチン濃度=0)を調製した。
【0069】
(参考例1)
<DPTAPリポソームの調製>
実施例2において、グアニジン誘導体0.024mmolに代えて、同量のカチオン化脂質であるDPTAP(dipalmitoyltrimethylammoniumpropane )を使用した以外は、実施例2と同様にして、シスプラチン濃度0.17mg/mlのPEG−PE修飾リポソーム(DPTAPリポソーム)を調製した。また実施例2と同様にシスプラチン/生食溶液の添加量を変えることにより、シスプラチン濃度0〜150μg/mlのDPTAPリポソームおよびコントロールリポソーム(シスプラチン濃度=0)を調製した。
【0070】
(試験例1)
(1)細胞の調製と細胞障害性
1wellあたり0.1mlの培地(RPMI1640,10%FBS)を含む96穴プレートに、マウスメラノーマ細胞B16F1,B16F10(各々、東北大学加齢医学研究所Nos. TKG0347、TKG0348 )またはヒト卵巣癌細胞A2780(European Collection of Cell Cultures ECACC No. 93112519 )を、10000, 5000, 20000 cells/wellずつ播き、24時間培養後、実施例2または参考例1で調製したシスプラチン含有リポソーム10μlを培地0.1ml/wellに加えて、24時間接触させた。
培地を除き、新しい培地を0.1ml/well加え、さらに24時間後、細胞数測定キット(Premix WST−1 Cell Proliferation Assay System、宝酒造)を用いて細胞生存数を測定した。
【0071】
上記で測定された各細胞(B16F1、B16F10、A2780)の生存数から、シスプラチンの細胞障害性の指標として、50%阻害濃度(IC50)を求めた。具体的には、コントロール(シスプラチン濃度=0)リポソームを接触させた場合の細胞数に対する、シスプラチン含有リポソームを接触させた場合の細胞数(様々な濃度のシスプラチンを含有するリポソームを加えたときの細胞数)の割合を求めてグラフにプロットし、この割合が50%になるときのシスプラチン濃度をIC50(μg/ml)として算出した。
実施例および参考例で調製した各シスプラチン含有リポソームを用いたときの各種標的細胞に対するシスプラチンのIC50値をグラフにして図1に示す。
【0072】
その結果、薬物としてシスプラチンを内包するリポソームにおいて、B16F1、B16F10、A2780いずれの細胞に対してもグアニジンリポソームのIC50値は、DPTAPリポソームのIC50値よりも低く、グアニジンリポソームは強い細胞障害性(腫瘍細胞に対するシスプラチンの薬効)を示すことが明らかとなった。すなわち、グアニジンリポソームは、4級アンモニウム構造のカチオン化脂質であるDPTAPリポソームよりも腫瘍細胞内への薬物の送達効率が高いことが示された。このことは本発明の化合物のグアニジン構造に起因すると考えられた。
【0073】
(2)急性毒性
ICR系雄性マウス(5週齢)を用いて、本発明のグアニジン誘導体を経口投与し、急性毒性試験を行った。その結果、本発明のグアニジン誘導体のLD50はいずれも320mg/kg以上であり、本発明のグアニジン誘導体を含有する薬物担体の安全性が確認された。
【0074】
【発明の効果】
上述した通り、本発明で提供される新規グアニジン誘導体およびその塩を膜構成成分の一つとして含有する薬物担体は、薬物の細胞内への送達性が良好であることが明らかとなった。このため本発明の薬物担体は、疾患の治療および/または診断のための薬物を含むDDS製剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および参考例で調製した各シスプラチン含有リポソームを用いたときの各種標的細胞に対するシスプラチンのIC50値を示す図である。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で示されるグアニジン誘導体およびその塩。
    Figure 2005029479
    (式(1)中、Aは芳香環であり、RおよびRは互いに独立に炭素数10−25のアルキル基またはアルニケル基であり、XおよびXは互いに独立にO、S、COO、OCO、CONHまたはNHCOであり、nは0または1〜6の自然数である。)
  2. 前記式(1)中、Aがベンゼン環である請求項1に記載のグアニジン誘導体およびその塩。
  3. 前記式(1)中、RおよびRが、互いに独立に炭素数12−18のアルキル基またはアルケニル基である請求項1または2に記載のグアニジン誘導体およびその塩。
  4. 前記式(1)中、XおよびXが、それぞれOである請求項1ないし3のいずれかに記載のグアニジン誘導体およびその塩。
  5. 3,5−ジペンタデシロキシベンジルグアニジンおよびその塩。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のグアニジン誘導体および/またはその塩を少なくとも膜構成成分として含有する薬物担体。
  7. 脂質、その誘導体および表面修飾剤からなる群から選ばれる少なくとも一つの膜構成成分をさらに含有する請求項6に記載の薬物担体。
  8. 疾患の診断および/または治療のための薬物が担持された請求項6または7に記載の薬物担体。
  9. 前記薬物が、前膜構成成分で形成される内部空間に内包されてなる請求項8に記載の薬物担体。
  10. 前記薬物担体が、リポソーム、リピッドマイクロスフェア、高分子マイクロスフェアからなる群より選ばれる少なくとも1種の形態を含む請求項6ないし9のいずれかに記載の薬物担体。
  11. 前記薬物として、核酸、ポリヌクレオチド、遺伝子およびその類縁体、抗癌剤、抗生物質、酵素剤、酵素阻害剤、抗酸化剤、脂質取り込み阻害剤、ホルモン剤、抗炎症剤、ステロイド剤、血管拡張剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、平滑筋細胞の増殖・遊走阻害剤、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤、ケミカルメデイエーターの遊離抑制剤、血管内皮細胞の増殖または抑制剤、アルドース還元酵素阻害剤、メサンギウム細胞増殖阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、免疫賦活剤、抗ウイルス剤、メイラード反応抑制剤、アミロイドーシス阻害剤、NOS阻害剤、AGEs阻害剤、ラジカルスカベンチャー、グリコサミノグリカンおよびその誘導体、オリゴ糖および多糖およびそれらの誘導体、タンパク質およびペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む請求項6ないし10のいずれかに記載の薬物担体。
  12. 前記薬物として、X線造影剤、放射性同位元素標識核医学診断薬、核磁気共鳴診断用診断薬からなる群から選ばれる少なくとも一つの体内診断薬を含む請求項6ないし11のいずれかに記載の薬物担体。
  13. 安定化剤および酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも一つをさらに含有する請求項6ないし12のいずれかに記載の薬物担体。
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