JP2005028849A - 紗張りテンショナー - Google Patents

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山田  要
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Abstract

【課題】 比較的小型簡単な構成で、異なった大きさのスクリーンメッシュに対応することができ、確実で安定したクランプ力と均一な張力が容易に得られる紗張りテンショナーの実現を課題とする。
【構成】 スクリーン紗を挟んでクランプする固定部5と可動部6からなるクランプ手段と、クランプ手段の可動部5の腕部4がその周囲を回動するよう支持されている支点軸8と、腕部4の一端が中心位置に対して偏心した位置に係止される偏心カム10と、偏心カム10を回動させて可動部5を移動させスクリーン紗のクランプを実現させる手動ハンドルレバー11と、クランプ手段を牽引してスクリーン紗に張力を与えるエアシリンダ12とを具備することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は紗張りテンショナーに関し、ことに安定したクランプ力、張力が得られる紗張りテンショナーに関する。
従来、スクリーン印刷に用いるスクリーン原版を製作する場合に、ナイロン、ポリエステルなどの高分子からなる繊維を製織して得られるスクリーンメッシュを、紗張りテンショナーなどを用いて比較的大きな張力で四方に引っ張り、引っ張った状態でこのスクリーンメッシュを固定枠に接着固定する方法が採られていた。
従来の紗張り装置では、例えば図4に示すように、多数個のエアシリンダ21を親フレーム22の四辺に並べて、各々のエアシリンダ21に対応した治具23でスクリーンメッシュ24をクランプし、エアシリンダ21のストロークの範囲でスクリーンメッシュ24に張力を加える方法が一般的である。ここでエアシリンダ21と対応する治具23の組み合わせが紗張りテンショナーである。
この場合、紗張りテンショナーは
スクリーンメッシュを掴む。
クランプする。
調整する。
エアシリンダをエアーで引っ張る。
の工程でスクリーンメッシュを引っ張り張力を与える。スクリーン印刷が精度良く行なわれるためには、スクリーンの網目を通じてインクが均一に分散されることが必要であり、そのためにはスクリーンの各部に一様な張力がかかって、網目が一様で完全であることが要求される。したがって、紗張りテンショナーによるスクリーンメッシュの引っ張りに際しては、確実で安定したクランプ力と均一な引っ張り力が要求される。
実際には、スクリーンメッシュに加わっている張力を精度良く測定する方法がなく、そのため、熟練者が勘と手探りによって張っている場合がほとんどで、これは女性や非熟練者にとっては難しい作業であり、クランプ力が充分でないと、スクリーンメッシュのクランプ位置にずれを生じたり、引きむらによる目崩れが生まれやすく、最終的に印刷精度に影響する問題になっていた。
このような問題を解決する手段として、直交する2軸方向に配置された少なくとも2本の駆動軸と、この駆動軸に結合され、駆動軸によって軸方向に駆動される荷重検出器と、スクリーンメッシュの周辺を支持する支持部を有し駆動軸に結合される移動体と、駆動軸を駆動する駆動装置と、荷重検出器からの検出信号に基づいて駆動装置の駆動を制御する制御装置とを有し、移動体を直交する2軸方向に移動させることで、スクリーンメッシュを所定の張力を与えるように自動的に張設するスクリーン張機が報告されている(たとえば、特許文献1参照。)。
また、フレームに回動自在部分を設けて、この回動自在部分をリラックス位置から平面的なストレッチ位置に押し込む時にスクリーンメッシュに均一に張力がかかるよう、フレームにスクリーンメッシュの周辺を固定するストレッチシステムが報告されている(たとえば、特許文献2参照。)。
しかし、これらのような方法は装置がどうしても大型になるという問題がある。さらに、スクリーンメッシュの全体の大きさ、広さがあらかじめ決まっていなければならないという問題がある。
特開平6−122183号公報(第3−5頁、第2図) 特表平11−500076号公報(第17−35頁、第1図)
以上に述べたように、従来のスクリーン原版の紗張りテンショナーでは、クランプ力が充分でないと、スクリーンメッシュのクランプ位置にずれを生じたり、引きむらによる目崩れが生まれやすく、最終的に印刷精度に影響するため問題になっていた。
このような問題を避けるために直交する2本の駆動軸を用いた方法や、フレームに回動自在部分を設けた方法が報告されているが、いずれも、装置が大型になると共に、用いられるスクリーンメッシュの大きさがあらかじめ決まってしまい、自由度が取れないという問題があった。
本発明は、この問題を解決して、比較的小型な簡単な構成で、異なった大きさのスクリーンメッシュに対応することができ、確実で安定したクランプ力と均一な張力が容易に得られる紗張りテンショナーの実現を課題とする。
上記課題を達成するため、本発明は、一様な張力を加えてスクリーン紗を張設する紗張りテンショナーにおいて、前記スクリーン紗を挟んでクランプする固定部と可動部からなるクランプ手段と、前記クランプ手段の可動部の腕部がその周囲を回動するよう支持されている支点軸と、この支点軸に対し前記腕部の前記スクリーン紗をクランプする側と反対側の一端が、その中心位置に対して偏心した位置に係止される偏心カム手段と、この偏心カム手段を前記中心位置に対して回動させて前記クランプ手段の可動部を移動させ前記クランプ手段による前記スクリーン紗のクランプを実現させる手動ハンドルレバーと、前記クランプ手段を牽引して前記スクリーン紗に張力を与えるエアシリンダとを具備することを特徴とする。
また、前記クランプ手段、前記支点軸、前記偏心カム手段および前記手動ハンドルレバーを載置する可動ブロックと、この可動ブロックを移動可能に支持する固定台とをさらに具備し、前記エアシリンダはこの固定台上に載置され前記可動ブロックを牽引することで前記クランプ手段を牽引し前記スクリーン紗に張力を与えることを特徴とする。
さらに、前記クランプ手段は前記エアシリンダが前記スクリーン紗に与える張力に対して垂直な方向に並べられたプラスチック丸棒でクランプ部を構成することを特徴とする。
前記クランプ手段は前記エアシリンダが前記スクリーン紗に与える張力に対してその幅方向が垂直である歯形ゴムでクランプ部を構成することを特徴とする。
これらにより、ゆるみやずれを生じることなく、スクリーン紗を強固に把持したままで、スクリーン紗に一様均一な張力を徐々に与えることができ、最終的に精度の高いスクリーン印刷を実現することが可能な紗張りテンショナーを提供することができる。
本発明を図面を参照にして詳細に説明する。
図1は、本発明の紗張りテンショナーの一実施の形態の側面図、図2はこの実施の形態の上面図である。
図1および図2において、符号1は固定台、符号2は第1の可動ブロック、符号3は第2の可動ブロック、符号4はクランプ手段の腕部、符号5はクランプ手段の固定部、符号6はクランプ手段の可動部、符号7は偏心カム偏心軸(クランプ時の位置)、符号8は支点軸、符号9は偏心カム偏心軸(開放時の位置)、符号10は偏心カム、符号11は手動ハンドルレバー、符号12はエアシリンダである。腕部4と固定部5と可動部6とでクランプ手段を構成している。
次に、この実施の形態の構成と動作を説明する。
クランプ手段の把持部は、耐薬品性を考慮してポリウレタン丸棒で形成し、このポリウレタン丸棒を可動部6に1本、固定部5に2本、それぞれその長さ方向がスクリーンメッシュに与える張力の方向に垂直になるように設け、クランプ時には上下の丸棒が相互に点接触するようになっている。
これにより、クランプ手段の把持部は、クランプ時にはポリウレタン丸棒の長さを最大幅とする範囲内でスクリーンメッシュを均等なクランプ力で把持することができる。
また、図3に示すように、クランプ手段の把持部として、その幅方向がスクリーンメッシュに与える張力の方向に垂直な歯型ゴムを可動部6および固定部5に設けてもよい。この方法によると、スクリーンメッシュを歯型の間にくわえこむことができるので、ポリウレタン丸棒の場合よりも一層強力な把持力が得られる。
手動ハンドルレバー11を上方に押し上げることによって、偏心カム10は時計方向に回転し、クランプ手段の可動部6は図1の実線の位置まで上に開いて、固定部5との間にスクリーンメッシュを咥え込める状態になる。この状態で可動部6と固定部5との間にスクリーンメッシュをおいて、手動ハンドルレバー11を押し下げると、偏心カム10は中心軸を回転中心として反時計方向に回転し、偏心カム10の偏心軸が位置9から位置7に移動し、腕部4も支点軸8を中心にクランプする方向に回動する。これにより、偏心カム10および第2の可動ブロック3に反力が発生し、腕部4の先端の可動部6が押し下がって、固定部5との間でスクリーンメッシュを挟み込んで固定する。手動ハンドルレバー11は梃子で偏心カム10を回転させるので、クランプ時に特に大きな力は必要としない。
スクリーンメッシュが固定された状態では、第1の可動ブロック2、第2の可動ブロック3、腕部4、クランプ手段の可動部6、固定部5が一体化され、クランプ手段で挟まれたスクリーンメッシュはずれのない状態となる。この状態で、第2の可動ブロック3にそのセンター金具が接続されたエアシリンダ12を働かせて偏心カム10の中心軸を後方に引っ張るとスクリーンメッシュに一様な紗張り張力が発生する。エアシリンダ12は、例えば、5kgf/cm〜82.5kgf/cm程度の引っ張り力を出力することができる。
このとき、腕部4、偏心カム10、支点軸8、偏心カム10の偏心軸7などの相互の位置関係から、エアシリンダ12で引っ張ることで、クランプ手段でのクランプ力が増すことになる。すなわち、偏心カム10の偏心軸は開放時の9の位置からクランプ時の7の位置に移っており、この位置は中心軸よりも上方にあるため、エアシリンダ12で引っ張られると偏心カム10は反時計方向に回転し、腕部4はさらによりクランプ力を増す方向に回転する。したがって、スクリーンメッシュにはクランプ手段に一層固定された状態で張力が加わることになる。
以上、本発明を一実施の形態に沿って説明した。しかし本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の対応をとることができる。例えば、以上の実施の形態では、組み立てを容易にするため可動ブロックを第1および第2の2つに分割しているが、一体であっても差し支えない。また、クランプ手段把持部の丸棒をポリウレタン製としたが、強度に問題がなければ他のプラスチック製、ゴム製の丸棒や、面接触対応の歯型ゴムの上下組み合わせ品などを同様に用いることができる。
本発明の紗張りテンショナーは、クランプ手段の可動部の腕部が偏心カムに接続され、手動レバーが偏心カムを回転させることによってクランプ手段がスクリーンメッシュをクランプし、クランプされた状態のままででエアシリンダによってスクリーンメッシュに張力が与えられる構成になっているため、ゆるみやずれを生じることなく、スクリーンメッシュを強固に把持し、均一な張力を徐々に与えることができる。
また、クランプ手段のクランプ部を、張力に対して垂直な方向に並べられたプラスチック丸棒や、その幅方向が張力に対して垂直な歯形ゴムの組み合わせで構成したことで、スクリーンメッシュを一定の幅でクランプすることができ、かつ、クランプした状態でスクリーンメッシュに一様な張力を与えることができる。さらに、一旦、クランプした後は張力が加わってもクランプ力は増加するような構成としたため、スクリーンメッシュにずれやむらが発生しない。
しかも、装置は小型で操作が容易で、クランプ時に特に大きな力を必要とはせず、この紗張りテンショナーを複数用意することで異なった大きさのスクリーンに対応することができる。
したがって、本発明の紗張りテンショナーは、ことに精度の高いスクリーン印刷、例えば回路基板のスクリーン印刷などに好適に用いることができる。
本発明の紗張りテンショナーの側面図である。 本発明の紗張りテンショナーの上面図である。 本発明の紗張りテンショナーのクランプ手段における把持部の他の例を示す図である。 従来の紗張り装置でスクリーン紗をセットした状態を示す平面略図である。
符号の説明
1 固定台
2 第1の可動ブロック
3 第2の可動ブロック
4 腕部
5 固定部
6 可動部
7 偏心軸(クランプ時の位置)
8 支点軸
9 偏心カム偏心軸(開放時の位置)
10 偏心カム
11 手動ハンドルレバー
12 エアシリンダ

Claims (4)

  1. 一様な張力を加えてスクリーン紗を張設する紗張りテンショナーにおいて、
    前記スクリーン紗を挟んでクランプする固定部と可動部からなるクランプ手段と、
    前記クランプ手段の可動部の腕部がその周囲を回動するよう支持されている支点軸と、
    この支点軸に対し前記腕部の前記スクリーン紗をクランプする側と反対側の一端が、その中心位置に対して偏心した位置に係止される偏心カム手段と、
    この偏心カム手段を前記中心位置に対して回動させて前記クランプ手段の可動部を移動させ前記クランプ手段による前記スクリーン紗のクランプを実現させる手動ハンドルレバーと、
    前記クランプ手段を牽引して前記スクリーン紗に張力を与えるエアシリンダと
    を具備することを特徴とする紗張りテンショナー。
  2. 前記クランプ手段、前記支点軸、前記偏心カム手段および前記手動ハンドルレバーを載置する可動ブロックと、
    この可動ブロックを移動可能に支持する固定台とをさらに具備し、
    前記エアシリンダはこの固定台上に載置され前記可動ブロックを牽引することで前記クランプ手段を牽引し前記スクリーン紗に張力を与えることを特徴とする請求項1に記載の紗張りテンショナー。
  3. 前記クランプ手段は前記エアシリンダが前記スクリーン紗に与える張力に対して垂直な方向に並べられたプラスチック丸棒でクランプ部を構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紗張りテンショナー。
  4. 前記クランプ手段は前記エアシリンダが前記スクリーン紗に与える張力に対してその幅方向が垂直である歯形ゴムでクランプ部を構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紗張りテンショナー。
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