JP2005028284A - 排ガス処理塔 - Google Patents

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Kenichi Okada
健一 岡田
Susumu Okino
沖野  進
Naoyuki Kamiyama
直行 神山
Shintaro Honjo
新太郎 本城
Toru Takashina
徹 高品
Kozo Takano
幸造 高野
Goji Oishi
剛司 大石
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Abstract

【課題】確実に液を回収することのできる排ガス処理塔を提供することを目的とする。
【解決手段】排ガス処理塔10において、ミストエリミネータ18の上流側に、ミストエリミネータ18の捕集板19の間隔P2よりも大きな間隔P1で配置された捕集板21を有する液滴エリミネータ20を配置することで、排ガスに含まれる大きな粒径の液滴を液滴エリミネータ20で捕集するようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種プラントやボイラ等に備えられる排ガス処理塔に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種プラントやボイラの排ガス中に含まれる硫黄酸化物(SO)を除去するため、気液接触方式の排ガス処理塔が用いられている。
この排ガス処理塔には、硫黄酸化物の吸収液を上方に向けて柱状に吐出する、いわゆる液柱式のものがある(例えば、特許文献1参照。)。図11に示すように、このような液柱式の排ガス処理塔1では、下部側方に形成された導入口2から排ガスを導入し、これが上方の排出口3に向けて流れる間に柱状に吐出された液柱Cに接触することで、排ガス中に含まれる硫黄酸化物が除去されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭59−53828号公報(第1図)
【0004】
このような液柱式の排ガス処理塔1において、液柱Cと接触して排出口3から排出される排ガス中には、微細な液滴(これを一般的にはミストと称している)が含まれ、これを回収するために排出口3にミストエリミネータ4が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排ガス処理塔1の性能を向上させるために排ガスの処理効率(単位時間あたりの処理量)を高めるには、装置を大型化するか、排ガスの流速を上げる必要がある。
しかしながら、設備の大型化が望ましくないのは言うまでもない。そこで、排ガスの流速を現状以上に上げることを検討すると、ミストエリミネータ4で排ガス中の液滴を十分に回収できず、液滴が排ガスとともにミストエリミネータ4を通り抜けて排出されてしまうという問題が生じる。
ここで、排ガスは下方から上方に流れる過程で液柱Cに気液接触するわけであるが、この排ガスの流れによって、液柱Cの近傍に発生する液滴は上方に向けた抗力を受ける。そして、液滴の重さ(径)に応じた重力と、上方向に流れる排ガスによる抗力(空気抵抗力)とのバランスにより、ある一定以上の重さ(径)の液滴は排ガスの流れに乗って排ガス処理塔1内を上昇し、ミストエリミネータ4に向かう。
このとき、排ガスの流速が上がれば、これに応じて排ガス処理塔1内を上昇する液滴の径の上限値も大きくなることになり、また全体として上昇する液滴の量も増えることになる。すると、ミストエリミネータ4では、捕集しなければならない液滴量が増え、ミストエリミネータ4の捕集板4aの表面に付着する液の量も増える。
その一方で、排ガスの流速は高まっているので、捕集板4aの表面に付着した液が排ガスによって再飛散し、その結果、ミストエリミネータ4を液が通り抜けてしまうのである。
【0006】
また、排ガス処理塔1を設計する際には、定常運転時の排ガスの流速を設定し、その、設定した排ガスの流速に基づき、排ガス処理塔1内を排ガスとともに上昇する液滴の径を求め、求めた径の液滴を確実に捕集できるようにミストエリミネータ4を設計する。
しかし、排ガス処理塔1内において、排ガスの流れは均一ではなく、様々な要因によって非定常な流れとなっていたり、流速も場所によって異なっていたりする。このため、実際には、設計時に設定した定常運転時の流速よりも高い流速で排ガスが流れる領域も存在することがある。それにより、その領域では、設計時に想定していた以上に大きな径の液滴が排ガスとともに上昇してミストエリミネータ4に向かい、その結果、上記と同様にしてミストエリミネータ4で液を捕集しきれず、通り抜けてしまうことがある。
【0007】
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、確実に液を回収することのできる排ガス処理塔を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の排ガス処理塔は、下方から導入した排ガスを上方に排出する塔本体と、塔本体内にて、排ガスに接触させることで排ガスに含まれる物質を除去する液を供給する液供給部と、液供給部に対し排ガスの流れ方向下流側に設けられ、液に接触した排ガスに含まれる液滴を捕集する第一の液滴捕集部と、液供給部に対し排ガスの流れ方向下流側で、かつ第一の液滴捕集部よりも上流側に設けられ、排ガスに含まれる液滴のうち、第一の液滴捕集部で捕集する液滴よりも大きな液滴を捕集する第二の液滴捕集部と、を備えることを特徴とする。
このような排ガス処理塔は、いかなる形式のものであってもよいが、例えば、液供給部で、下方から上方に柱状に液を噴出することで液柱を発生させ、液柱に排ガスを接触させることで排ガスに含まれる物質を除去する、いわゆる液柱方式に好適に用いることができる。
【0009】
第一の液滴捕集部の上流側に第二の液滴捕集部を備えることで、上流側の第二の液滴捕集部では、第一の液滴捕集部で捕集する液滴よりも大きな液滴を捕集する。これにより、下流側の第一の液滴捕集部では、第二の液滴捕集部で捕集された液滴よりも小さな液滴のみを捕集することになる。
具体的な構成としては、第一の液滴捕集部を、排ガスの流れ方向に対して傾斜し、所定ピッチで配列された複数枚の第一の捕集板を備える構成とし、第二の液滴捕集部を、排ガスの流れ方向に対して傾斜し、第一の捕集板よりも大きな所定のピッチで配列された複数枚の第二の捕集板を備える構成とするのが良い。
ここで、第二の捕集板のピッチは、塔本体内における排ガスの通常運転時流速に基づき設定することができる。例えば、塔本体内で通常運転時、排ガスの流速を5m/sとする場合、第二の捕集板の傾斜角を28°、ピッチを100〜150mmとするのが好ましい。その場合、第二の捕集板では、概ね3mm以上の粒径の液滴を捕集することができる。また、この場合、第一の捕集板は、40 〜60mmに設定するのが好ましい。
また、第二の捕集板のピッチは、塔本体内における排ガスの最大流速に基づき設定することも可能である。これにより、塔本体内で排ガスの流れが非定常となっている場合等にも対応することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における排ガス処理塔10の構成を説明するための図である。
この図1に示すように、排ガス処理塔10は、塔本体11が例えば断面視矩形の筒状で、その底部は底板12によって閉塞され、上部には開口部13が形成されている。また、塔本体11の下部側面には、排ガスを塔本体11内に導入するための導入口14が開口して形成されている。
塔本体11内には、複数のノズル15を備えた配管16が設けられている。配管16には、塔本体11の底部に貯留された液がポンプ17で吸い上げられて供給されるようになっている。ノズル15は、液供給部として、この液を上方に向けて柱状に噴き上げ、塔本体11内に液柱Cを形成するものであり、これら複数のノズル15は、互いに隣接するノズル15から噴き上げられる液柱Cに隙間が生じないように、適宜設定された間隔で配置されている。
【0011】
このような排ガス処理塔10においては、導入口14から略水平方向に導入された排ガスは、排ガス処理塔10内で向きを変え、上方に向けて流れる。そして、ノズル15から上方に噴き上げられた液柱Cに接触することで、排ガス中の硫黄酸化物が液に吸収され、上部の開口部13から排出されるようになっている。
【0012】
本実施の形態において、排ガス処理塔10には、排ガス排出口となる開口部13に、ミストエリミネータ(第一の液滴捕集部)18と、液滴エリミネータ(第二の液滴捕集部)20とが備えられている。
ミストエリミネータ18は、従来より排ガス処理塔10に備えられているもので、液柱Cを通過した排ガスに含まれる微細な液滴(以下、これをミストと適宜称する)を除去するため、予め設定した傾斜(排ガスの流れ方向に対する傾斜)を有した捕集板(第一の捕集板)19が所定間隔で設けられている。ここで、捕集板19は、排ガスの流れ方向に対し所定の角度に傾斜した面を有しているのであれば、複数の折曲部19aを有するジグザグ状の断面を有したものとすることもできるし、一つの折曲部のみを有した「く」の字状の断面、あるいは折曲部を有さない単に傾斜した板等、他の形状とすることもできる。
【0013】
一方、液滴エリミネータ20は、ミストエリミネータ18の下方、つまり、排ガスの流れ方向上流側に設けられている。この液滴エリミネータ20は、ミストエリミネータ18と同様に複数の捕集板(第二の捕集板)21を有しているが、この液滴エリミネータ20は、ミストエリミネータ18で捕集しようとするミストの粒径より、大きな粒径の液滴を捕集するためのもので、これら捕集板21の間隔は、ミストエリミネータ18の捕集板19の間隔よりも大きく設定されている。
【0014】
図2に示すように、液滴エリミネータ20は、上下に配置された棒状あるいは管状の連結部材22、23に、所定枚数の捕集板21が、所定の間隔(ピッチ)P1で取り付けられている。各捕集板21は、連結部材22、23に固定される部分21a、21bが塔本体11の軸線方向(排ガスの流れ方向)に略平行とされ、その間が塔本体11の軸線方向に対し所定の角度αで傾斜した傾斜部21cとされている。
【0015】
ここで、本実施の形態の排ガス処理塔10では、例えば、液滴エリミネータ20で3mm以上の粒径の液滴を捕集し、ミストエリミネータ18では、それ以下の粒径の液滴(ミスト)を捕集するべく、液滴エリミネータ20の捕集板21の間隔P1は100〜150mm、ミストエリミネータ18の捕集板19の間隔(ピッチ)P2は40〜60mmに設定するのが好ましい。
【0016】
このような液滴エリミネータ20の捕集板21の間隔P1は、以下のようにして、求めることができる(参考文献:日置 敏美、「気泡・液滴・分散工学」、槇書店、1982年10月30日)。
液滴エリミネータ20における液滴(ミストを含む)の捕集原理は、一方向に流れる排ガスの向きを捕集板21によって変えることで、排ガスよりも比重の大きい液滴を慣性力によって排ガスとは異なる運動をさせ、捕集板21に付着させる、というものである。
より詳しくは、等間隔に配列された捕集板21、21間を流れることで排ガスの流れの向きが変わる部分で、排ガス中の液滴が曲率半径rを有する軌跡で移動している場合、この液滴は、遠心力(慣性力)と排ガスの粘性による抵抗を受ける。この状態で、液滴の半径方向の運動方程式は、近似式に数1のようになる。
【0017】
【数1】
Figure 2005028284
【0018】
ただし、m:液滴の質量、u:排ガスの流線方向速度、υ:液滴の半径方向移動速度、μ:排ガスの粘度である。
数1において、微小な液滴を対象とする場合、加速度項は無視できるので、半径方向のミスト移動速度υは、数2のようになる。
【0019】
【数2】
Figure 2005028284
【0020】
ただし、ρ:液滴の密度である。
次に、排ガスが角度αを屈折する時間をtとすれば、液滴がこの間に半径方向に移動する距離ΔSは、数3となる。
【0021】
【数3】
Figure 2005028284
【0022】
したがって、液滴が捕集板21に衝突することで捕集される捕集効率ηは、数4となる。
【0023】
【数4】
Figure 2005028284
【0024】
ただし、S:捕集板21の屈折部分での流路幅である。
そして、100%捕集される最小液滴径(以下、これを捕集限界液滴径と称する)dminは、η=1であるから、数5となる。
【0025】
【数5】
Figure 2005028284
【0026】
排ガスの粘度μ、液滴の密度ρは、排ガス処理塔10で取り扱う排ガス、用いる液の種類に基づいて決まる。したがって、排ガスの流線方向速度u、排ガス処理塔10の運転条件、液滴エリミネータ20で捕集したい捕集限界液滴径dmin、排ガスの向きを変える角度αと、捕集板21の屈折部分での流路幅Sのいずれかを決めることで、残りのパラメータを決めることができるのである。
【0027】
図3は、上記のような理論に基づいて求めた、排ガスの流速と捕集限界液滴径dminとの関係を示すものである。図4(a)は、このような関係を求めるにあたり、図2に示した液滴エリミネータ20を模式化したものである。
ここでは、図4(a)において、排ガスの向きを変える角度(すなわち捕集板21の傾斜角度)αを28°、捕集板21の間隔P1を、25、50、75、100、125、150、175、200mmとしたときについて、排ガスの流速uを2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0、11.0m/sにおける捕集限界液滴径dminをそれぞれ求めた。
なお、排ガスの温度は30℃、排ガスの粘度μは1.83×10−5kg/m/s、液には石灰水を用い、その液(液滴)の密度ρは1150kg/mとした。
【0028】
また、図5は、上記と同様の条件で、液に水を用いた場合の排ガスの流速と捕集限界液滴径dminとの関係を示すものである。ここで、液(液滴)の密度ρは998kg/mとした。
【0029】
これらの図3および図5からもわかるように、捕集したい液滴の粒径(捕集限界液滴径dmin)と、排ガス処理塔10における排ガスの流速uを設定すれば、最適な捕集板21の間隔P1を選択することができるのである。
もちろん、捕集板21の傾斜角度αを変更した場合にも、同様の関係を求めることで、最適な捕集板21の間隔P1を選択することができる。
【0030】
また、図4(b)に示すように、捕集板21を、折曲部21dを一つ有する断面「く」の字状とする場合にも、同様にして、捕集限界液滴径dminと、排ガス処理塔10における排ガスの流速の関係を求めることができ、これに基づき、最適な捕集板21の間隔P1を選択することができるのである。
図6は、断面「く」の字状の捕集板21において、液に石灰水を用いた場合、図7は液に水を用いた場合の関係を示すものである。ここで、捕集板21の傾斜角度αは45°、つまり折曲部21dの前後で捕集板21が90°折曲する構成とした。
捕集板21を断面「く」の字状とする場合にも、これらの図6および図7に示す関係に基づき、捕集したい液滴の粒径(捕集限界液滴径dmin)と、排ガス処理塔10における排ガスの流速uを設定すれば、最適な捕集板21の間隔P1を選択することができるのである。
【0031】
本実施の形態においては、図2に示したような液滴エリミネータ20、つまり図3および図5の関係を有する構成(形状)を採用し、捕集板21の間隔P1を200mm、捕集板21の傾斜角度αを28°とした。一方、ミストエリミネータ18は、図6および図7の関係を有する構成(形状)を採用し、捕集板19の間隔P2を20mm、3つの折曲部19aを有する捕集板19の傾斜角度αを45°とした。
そして、排ガスの流速uを5m/s、排ガスの温度を30℃、排ガスの粘度μを1.83×10−5kg/m/sとし、液滴エリミネータ20と、ミストエリミネータ18について、液に石灰水・水を用いたそれぞれの場合で、液滴径と捕集効率との関係を求めた(ミストエリミネータ18については、前述した液滴エリミネータ20における液滴の捕集理論をそのまま適用した)。
【0032】
図8は、求めた液滴径と捕集効率との関係を示すものである。この図8に示すように、液に石灰水、水を用いたいずれの場合も、ミストエリミネータ18では、液滴径およそ3.00×10−5m(30μm)で捕集効率η=1.0に到達しており、液滴エリミネータ20を設けずミストエリミネータ18のみとした場合には、ミストエリミネータ18で、これ以上の液滴径の液滴を全て捕集してしまう。これに対し、液滴エリミネータ20は、液に石灰水、水を用いたいずれの場合も、液滴径およそ1.40×10−4〜1.50×10−4(140〜150μm)で捕集効率η=1.0に到達している。
つまりこれにより、ミストエリミネータ18の上流側に液滴エリミネータ20を設けることで、液滴エリミネータ20で液滴径およそ1.40×10−4〜1.50×10−4(140〜150μm)以上の液滴を捕集し、その後段のミストエリミネータ18では、液滴径およそ1.40×10−4〜1.50×10−4(140〜150μm)を下回る微細な液滴を捕集すればよいことになる。
【0033】
上述したように、排ガス処理塔10において、ミストエリミネータ18の上流側に、ミストエリミネータ18の捕集板19の間隔P2よりも大きな間隔P1で配置された捕集板21を有する液滴エリミネータ20を配置することで、排ガスに含まれる大きな粒径の液滴を液滴エリミネータ20で捕集することができる。
これにより、ミストエリミネータ18では、排ガスの流速を従来以上に上げることで、従来よりも大きな液滴がミストエリミネータ18に向かって排ガスとともに上昇した場合にも、これをその前段側の液滴エリミネータ20で捕集することができる。その結果、ミストエリミネータ18の負荷を軽減することができるので、ミストエリミネータ18でミストが捕集しきれなくなり、そのままミストエリミネータ18を液が通り抜けてしまうのを抑制することが可能となる。
また、排ガス処理塔10の設計時に想定した排ガスの流速に対し、部分的により高い流速の領域が存在した場合にも、そのような領域で、設計時に想定していた以上に大きな径の液滴が排ガスとともに上昇しても、これを液滴エリミネータ20で捕集することができ、この場合も、ミストエリミネータ18を液が通り抜けてしまうのを抑制することができる。
このようにして、液滴エリミネータ20を設けることで、確実に液を回収することが可能となるのである。
【0034】
ここで、上記実施の形態で示した液滴エリミネータ20の効果を確認するための実験を行ったので、その結果を以下に示す。
<装置条件>
実施例:上流側に液滴エリミネータ20を設け、下流側にミストエリミネータ18を2段に設けた。液滴エリミネータ20は、図2に示した形状とし、捕集板21の間隔P1を100mm、捕集板21の傾斜角度αを28°とした。一方、ミストエリミネータ18は、図1に示した形状とし、捕集板19の間隔P2を40mm、3つの折曲部19aを有する捕集板19の傾斜角度αを45°とした。比較例:実施例と同様の形状のミストエリミネータ18を2段に設けた。捕集板19の間隔P2を40mm、3つの折曲部19aを有する捕集板19の傾斜角度αを45°とした。
<運転条件>
排ガス流量:17250mN/h
酸化空気量:493mN/h
排ガス温度:10℃
排ガス流速:5m/s
液 :石灰水
<計測条件>
液滴エリミネータ20およびミストエリミネータ18(実施例の場合)、ミストエリミネータ18(比較例の場合)の上流側(入口側)と下流側(出口側)で、ミスト濃度、圧力をそれぞれ測定した。
【0035】
図9は、入口側ミスト濃度と、出口側ミスト濃度の関係を示すものである。
この図9に示すように、液滴エリミネータ20を備えない比較例に対し、液滴エリミネータ20を備えた実施例では、入口側ミスト濃度が上昇しても、出口側ミスト濃度が比較例のように著しく上昇することもなく、液滴エリミネータ20により、液の排ガス処理塔10外への漏出が抑制できていることが分かる。
また、図10は、実施例と比較例における圧力損失を比較するもので、入口側ミスト濃度にかかわらず、ピッチ(間隔P1)の大きな液滴エリミネータ20を備えることで、圧力損失が抑えられることが分かる。
【0036】
なお、上記実施の形態において、液滴エリミネータ20の間隔P1を、排ガスの流速uに応じて設定しているが、このときに用いる排ガスの流速uは、塔本体11内における通常運転時の排ガスの流速としても良いし、また、塔本体11内における排ガスの最大流速に基づき設定することも可能である。これにより、塔本体11内で排ガスの流れが非定常となっている場合等にも対応することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液滴エリミネータを設けることで、排ガスの流速を高めたり、あるいは想定外に排ガス流速が高い領域が存在する場合等にも、確実に液を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排ガス処理塔の構成を示す断面図である。
【図2】液滴エリミネータの構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)は立断面図である。
【図3】液に石灰水を用い、捕集板の間隔を変化させたときの排ガス流速と捕集限界液滴径の関係を示す図である。
【図4】排ガス流速と捕集限界液滴径の関係を求めるにあたって用いた捕集板の形状を示す図である。
【図5】液に水を用いた場合における、捕集板の間隔を変化させたときの排ガス流速と捕集限界液滴径の関係を示す図である。
【図6】図3とは異なる形状の捕集板とした場合、液に石灰水を用い、捕集板の間隔を変化させたときの排ガス流速と捕集限界液滴径の関係を示す図である。
【図7】同、液に水を用い、捕集板の間隔を変化させたときの排ガス流速と捕集限界液滴径の関係を示す図である。
【図8】ミストエリミネータと液滴エリミネータにおける、液滴径と捕集効率との関係を示す図である。
【図9】本実施の形態に示した構成における実験結果を示す図であり、入口ミスト濃度と出口ミスト濃度の関係を示す図である。
【図10】同、圧力損失を示す図である。
【図11】従来の排ガス処理塔の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10…排ガス処理塔、11…塔本体、13…開口部、18…ミストエリミネータ(第一の液滴捕集部)、19…捕集板(第一の捕集板)、20…液滴エリミネータ(第二の液滴捕集部)、21…捕集板(第二の捕集板)、C…液柱、P1、P2…間隔(ピッチ)

Claims (5)

  1. 下方から導入した排ガスを上方に排出する塔本体と、
    前記塔本体内にて、前記排ガスに接触させることで当該排ガスに含まれる物質を除去する液を供給する液供給部と、
    前記液供給部に対し前記排ガスの流れ方向下流側に設けられ、前記液に接触した前記排ガスに含まれる液滴を捕集する第一の液滴捕集部と、
    前記液供給部に対し前記排ガスの流れ方向下流側で、かつ前記第一の液滴捕集部よりも上流側に設けられ、前記排ガスに含まれる液滴のうち、当該第一の液滴捕集部で捕集する液滴よりも大きな液滴を捕集する第二の液滴捕集部と、を備えることを特徴とする排ガス処理塔。
  2. 前記液供給部は、下方から上方に柱状に液を噴出することで液柱を発生させ、当該液柱に前記排ガスを接触させることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理塔。
  3. 前記第一の液滴捕集部は、前記排ガスの流れ方向に対して傾斜し、所定ピッチで配列された複数枚の第一の捕集板を備え、
    前記第二の液滴捕集部は、前記排ガスの流れ方向に対して傾斜し、前記第一の捕集板よりも大きな所定のピッチで配列された複数枚の第二の捕集板を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の排ガス処理塔。
  4. 前記第二の捕集板のピッチは、前記塔本体内における前記排ガスの通常運転時流速に基づき設定されることを特徴とする請求項3に記載の排ガス処理塔。
  5. 前記第二の捕集板のピッチは、前記塔本体内における前記排ガスの最大流速に基づき設定されることを特徴とする請求項3に記載の排ガス処理塔。
JP2003196069A 2003-07-11 2003-07-11 排ガス処理塔 Pending JP2005028284A (ja)

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