JP2005028282A - 雰囲気制御型加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】雰囲気制御型加熱実験装置として、構造が簡単で、設置も容易であり、高温下、反応性ガス雰囲気下での実験、特に、電気化学的実験を行うユーザーに実用機器として、現場での使い勝手をよくする。
【解決手段】ガラスチューブ(1)と、耐熱性樹脂製の各上下環状フランジ(2a)(2b)及び上蓋(3),真鍮フランジ(5)からなるチェンバー(C)と、赤外線輻射装置(21)、ハロゲンランプ(23)、ミラー(22)になる加熱部(H)から構成され、加熱部の発熱体とチェンバーの内の高温部とがチェンバーの内外で完全に分離された状態で、チェンバー(C)内部に高温部を作り出す。
【選択図】 図1
【解決手段】ガラスチューブ(1)と、耐熱性樹脂製の各上下環状フランジ(2a)(2b)及び上蓋(3),真鍮フランジ(5)からなるチェンバー(C)と、赤外線輻射装置(21)、ハロゲンランプ(23)、ミラー(22)になる加熱部(H)から構成され、加熱部の発熱体とチェンバーの内の高温部とがチェンバーの内外で完全に分離された状態で、チェンバー(C)内部に高温部を作り出す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、赤外線輻射加熱装置を装備した雰囲気制御可能な加熱装置に関するものである。より詳しくは、この出願の発明は、酸素、ハロゲン化水素、ハロゲンガスなどの高反応性ガス雰囲気、あるいは、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気において、操作性よく、常温以上850℃以下の高温領域での多様な実験作業を行うことを可能にする、高温下での電気化学実験、高温下での物理測定等、複雑な電気的・機械的な装置をガス雰囲気中で駆動する必要のある実験に対して有効な、雰囲気制御型加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、赤外線加熱式の雰囲気制御型加熱装置として、類似の装置が市販されているが、それらはステンレス製チェンバーを用いた加熱システムと、ガラスチューブ炉心管を備えた管状電気炉の二つのタイプに限られる。前者はチェンバーがステンレス製のため、含水ハロゲン化水素系の反応性ガス雰囲気下での実験に利用できず、また、高温部の目視はステンレスチェンバーに備えられたビューポートからの視野に制限されている。後者は、通常、ガラスチューブを取り巻いて赤外線ランプが配置されるため、これも高温部の目視が難しい上、電気配線など導入することは困難である。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記課題を解決するものとして、雰囲気制御可能な可視光透過性チェンバーと、可視光透過性チェンバー内に、チェンバー外部からの赤外線輻射によって局所的な高温部を作り出す加熱部とを備え、加熱部の発熱体とチェンバーの内の高温部とがチェンバーの内外で完全に分離されていることを特徴とする雰囲気制御型加熱装置(請求項1)を提供する。
【0004】
また、この出願の発明は、可視光透過性チェンバーを、ガラス又は耐熱性樹脂製のチューブと、耐熱性樹脂製の各上下環状フランジ及び上蓋,真鍮フランジから構成し、加熱部を赤外線輻射装置、ハロゲンランプ、ミラーから構成したり(請求項2)、さらに、雰囲気制御可能な可視光透過性チェンバーに、耐火煉瓦の穴に差し込まれたグラファイトるつぼを石英ガラス窓を通じて加熱可能に設置し、チェンバー内部のガス雰囲気を制御するための、ガス供給管及びガス排気管と、白金リード線と、ハーメチックフィールドスルーを介した駆動手段を備え(請求項3)、可視光透過性チェンバーを、縦置き型としたりする雰囲気制御型加熱装置(請求項4)を提供する。
【0005】
さらに、この出願の発明は、上記の加熱装置を多目的の高温実験に用いる雰囲気制御型多目的高温実験装置をも提供する。
【0006】
以上、この出願の発明は、任意のガス雰囲気において、局所的な高温部を作り出すことが可能であり、高温部の周辺に広い常温の作業空間を残していることに特徴を有するものである。
【0007】
以下、この出願の発明を、さらに詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施形態】
この出願の発明の雰囲気制御型加熱装置において、構成部品の材質について、ガラス管の材質として、パイレックス(登録商標)ガラスを採用することができ、上蓋の材質はFRPを採用することができ、上部並びに下部環状フランジの材質は、FRPガラスエポキシ樹脂とすることができる。
【0009】
また、るつぼ(8)の材質はグラファイト製とすることができ、ハーメチックフィールドスルー(12)の材質はテフロン(登録商標)(登録商標)製とすることができる。
【0010】
ハロゲンランプ(23)の必要とする高出力は加熱装置の仕様に応じて決められる。
【0011】
以下にその実施の形態について説明する。
【0012】
【実施例】
雰囲気制御型多目的高温実験装置はチェンバー(C)と加熱部(H)とから構成される。
【0013】
チェンバー(C)において、内径200mm,長さ400mmのパイレックス(登録商標)ガラス製のチューブ(1)の両端には、シリコンゴム製パッキングを介して、FRPガラスエポキシ製の上部環状フランジ(2a)及び下部環状フランジ(2b)がそれぞれ取り付けられる。上部環状フランジ(2a)上面には、シリコンゴムパッキングを介して、FRP製の上蓋(3)が嵌め込まれる。一方、下部環状フランジ(2b)下面には、バイトンゴム製のパッキングを介し、直径160mmの石英ガラス窓(4)が配置され、下部環状フランジ(2b)は、石英ガラス窓(4)と共に、水冷パイプ(図示省略)を溶接した真鍮フランジ(5)に嵌め込まれる。真鍮フランジ(5)と上部環状フランジ(2a)は、ねじ棒(6)により貫通して螺合され、ねじ棒(6)の上下端からナット(図示省略)螺合して締め付け、密封することにより、チェンバー(C)内部が大気から遮断される。チェンバー(C)の底部には、外径200mm、内径50mm,厚み60mmのトーラス状に成型した耐火煉瓦(7)が取り付けられ、トーラス中央部の穴に、外径50mm、内径40mm,高さ50mmのグラファイト製のるつぼ(8)が差し込まれている。るつぼ(8)の底面と石英ガラス窓(4)が直接触れないように、アルミナ製のスペーサ(9)が介装される。上部環状フランジ(2a)にはその周方向側面に、チェンバー(C)内部のガス雰囲気を制御するためのガス供給管(10)及びガス排気管(11)が設置され、ガスが導かれる。
【0014】
また、高温下での電気的測定用に、上部環状フランジ(2a)の周側面より、例えば白金製のハーメスチックコネクタ(図示省略)を介して0.3mmφの白金リード線(13)が導入される。任意の駆動手段(D)により、チェンバー(C)の上蓋(3)に備え付けられたハーメチックフィールドスルー(テフロン(登録商標)(登録商標)製)(12)を介して、矢印で示されるように、回転、直進などの機械操作を導入する。
【0015】
加熱部(H)において、チェンバー(C)下部の真鍮フランジ(5)下面に、赤外線輻射装置(21)が取り付けられる。赤外線輻射装置(21)は、回転楕円形体に成型したミラー(22)の焦点部に、高出力ハロゲンランプ(23)、市販品でもある、が設置され、対向焦点周辺部を加熱することができる。 加熱時は、真鍮フランジ(5)及び赤外線輻射装置(21)は流水により水冷される。赤外線輻射装置(21)からの赤外線は、チェンバー下面の石英ガラス(4)を透過し、チェンバー底中央に備え付けられたグラファイトるつぼ(8)を加熱する。グラファイトるつぼ(8)が850℃まで加熱され赤熱した際においても、るつぼ(8)全体が耐火煉瓦(7)に埋め込まれ断熱されているため、チェンバー本体のガラスチューブ(1)及び上部環状フランジ(1a)の温度は常時70℃以下に保たれる。
【0016】
【作用】
本発明の対象である雰囲気制御型多目的高温実験装置は、ガラスチューブ(1)と、耐熱性樹脂製の各上下環状フランジ(2a)(2b)及び上蓋(3),真鍮フランジ(5)からなる縦置き型として構成されたチェンバー(C)と、赤外線輻射装置(21)、ハロゲンランプ(23)、ミラー(22)になる加熱部(H)から構成され、この縦置き型チェンバー(C)底面に石英ガラス窓(4)を備え、この石英ガラス窓(4)を通じて、ハロゲンランプ(23)からの赤外線を入射、集光することにより、チェンバー(C)内部に高温部が作り出される。
【0017】
【発明の効果】
この出願の発明によれば、チェンバーはガラス及び耐熱性樹脂により構成されており、発熱体と高温部とがチェンバーの内外で完全に分離されているため、チェンバー内部が高反応性ガスに満たされている場合においても、発熱体へのダメージを考慮せずに安定した温度制御が可能である。
【0018】
また、縦置き型、ガラス製のチェンバーを用い、下部より赤外線加熱する方式を採用しているため、チェンバー全周より容易に高温部を目視することができる。
【0019】
さらに、高温部は集光赤外線により局所加熱されるため、高温部上方に広く常温空間が空いている。これにより高温部へのアクセスが容易となり、複雑な電気配線や、機械操作の導入を自由に行うことができる。
【0020】
以上から、この出願の発明は、従来の欠点を解消し、高温部の目視が容易である上、電気配線などの導入が簡単であるので現場での使用上非常に使い勝手がよい雰囲気制御型加熱装置を提供することができる。
【0021】
この出願の発明の雰囲気制御型加熱装置を実験装置に適用した場合においても、小型、軽量、低消費電力であり、設置も容易であり、構造が簡単なため、実用化・量産が可能であり、高温下、反応性ガス雰囲気下での実験、特に、電気化学的実験を行うユーザーに実用機器として広く安価に提供できる。
【0022】
一例として、近年、環境・エネルギー問題の解決策の一つとして脚光を浴びている、燃料電池の特性評価に対して有力な実験装置を提供する。本装置の活用が新たな燃料電池の開発につながる可能性は大きく、社会的、経済的に広いインパクトを与えることが可能である。
【0023】
また、この出願の発明の実験装置は、高温下、反応性ガス雰囲気下での実験に際し、従来の装置にない柔軟性と操作性を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明に係る雰囲気制御型多目的高温実験装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 ガラスチューブ
2a 上部環状フランジ
2b 下部環状フランジ
3 上蓋
4 石英ガラス窓
5 真鍮フランジ
6 ねじ棒
7 耐火煉瓦
8 グラファイトるつぼ
9 アルミナ製スペーサー
10 ガス供給管
11 ガス排出管
12 ハーメチックフィールドスルー
21 赤外線輻射装置
22 ミラー
23 ハロゲンランプ
C チェンバー
H 加熱部
D 駆動手段
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、赤外線輻射加熱装置を装備した雰囲気制御可能な加熱装置に関するものである。より詳しくは、この出願の発明は、酸素、ハロゲン化水素、ハロゲンガスなどの高反応性ガス雰囲気、あるいは、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気において、操作性よく、常温以上850℃以下の高温領域での多様な実験作業を行うことを可能にする、高温下での電気化学実験、高温下での物理測定等、複雑な電気的・機械的な装置をガス雰囲気中で駆動する必要のある実験に対して有効な、雰囲気制御型加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、赤外線加熱式の雰囲気制御型加熱装置として、類似の装置が市販されているが、それらはステンレス製チェンバーを用いた加熱システムと、ガラスチューブ炉心管を備えた管状電気炉の二つのタイプに限られる。前者はチェンバーがステンレス製のため、含水ハロゲン化水素系の反応性ガス雰囲気下での実験に利用できず、また、高温部の目視はステンレスチェンバーに備えられたビューポートからの視野に制限されている。後者は、通常、ガラスチューブを取り巻いて赤外線ランプが配置されるため、これも高温部の目視が難しい上、電気配線など導入することは困難である。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記課題を解決するものとして、雰囲気制御可能な可視光透過性チェンバーと、可視光透過性チェンバー内に、チェンバー外部からの赤外線輻射によって局所的な高温部を作り出す加熱部とを備え、加熱部の発熱体とチェンバーの内の高温部とがチェンバーの内外で完全に分離されていることを特徴とする雰囲気制御型加熱装置(請求項1)を提供する。
【0004】
また、この出願の発明は、可視光透過性チェンバーを、ガラス又は耐熱性樹脂製のチューブと、耐熱性樹脂製の各上下環状フランジ及び上蓋,真鍮フランジから構成し、加熱部を赤外線輻射装置、ハロゲンランプ、ミラーから構成したり(請求項2)、さらに、雰囲気制御可能な可視光透過性チェンバーに、耐火煉瓦の穴に差し込まれたグラファイトるつぼを石英ガラス窓を通じて加熱可能に設置し、チェンバー内部のガス雰囲気を制御するための、ガス供給管及びガス排気管と、白金リード線と、ハーメチックフィールドスルーを介した駆動手段を備え(請求項3)、可視光透過性チェンバーを、縦置き型としたりする雰囲気制御型加熱装置(請求項4)を提供する。
【0005】
さらに、この出願の発明は、上記の加熱装置を多目的の高温実験に用いる雰囲気制御型多目的高温実験装置をも提供する。
【0006】
以上、この出願の発明は、任意のガス雰囲気において、局所的な高温部を作り出すことが可能であり、高温部の周辺に広い常温の作業空間を残していることに特徴を有するものである。
【0007】
以下、この出願の発明を、さらに詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施形態】
この出願の発明の雰囲気制御型加熱装置において、構成部品の材質について、ガラス管の材質として、パイレックス(登録商標)ガラスを採用することができ、上蓋の材質はFRPを採用することができ、上部並びに下部環状フランジの材質は、FRPガラスエポキシ樹脂とすることができる。
【0009】
また、るつぼ(8)の材質はグラファイト製とすることができ、ハーメチックフィールドスルー(12)の材質はテフロン(登録商標)(登録商標)製とすることができる。
【0010】
ハロゲンランプ(23)の必要とする高出力は加熱装置の仕様に応じて決められる。
【0011】
以下にその実施の形態について説明する。
【0012】
【実施例】
雰囲気制御型多目的高温実験装置はチェンバー(C)と加熱部(H)とから構成される。
【0013】
チェンバー(C)において、内径200mm,長さ400mmのパイレックス(登録商標)ガラス製のチューブ(1)の両端には、シリコンゴム製パッキングを介して、FRPガラスエポキシ製の上部環状フランジ(2a)及び下部環状フランジ(2b)がそれぞれ取り付けられる。上部環状フランジ(2a)上面には、シリコンゴムパッキングを介して、FRP製の上蓋(3)が嵌め込まれる。一方、下部環状フランジ(2b)下面には、バイトンゴム製のパッキングを介し、直径160mmの石英ガラス窓(4)が配置され、下部環状フランジ(2b)は、石英ガラス窓(4)と共に、水冷パイプ(図示省略)を溶接した真鍮フランジ(5)に嵌め込まれる。真鍮フランジ(5)と上部環状フランジ(2a)は、ねじ棒(6)により貫通して螺合され、ねじ棒(6)の上下端からナット(図示省略)螺合して締め付け、密封することにより、チェンバー(C)内部が大気から遮断される。チェンバー(C)の底部には、外径200mm、内径50mm,厚み60mmのトーラス状に成型した耐火煉瓦(7)が取り付けられ、トーラス中央部の穴に、外径50mm、内径40mm,高さ50mmのグラファイト製のるつぼ(8)が差し込まれている。るつぼ(8)の底面と石英ガラス窓(4)が直接触れないように、アルミナ製のスペーサ(9)が介装される。上部環状フランジ(2a)にはその周方向側面に、チェンバー(C)内部のガス雰囲気を制御するためのガス供給管(10)及びガス排気管(11)が設置され、ガスが導かれる。
【0014】
また、高温下での電気的測定用に、上部環状フランジ(2a)の周側面より、例えば白金製のハーメスチックコネクタ(図示省略)を介して0.3mmφの白金リード線(13)が導入される。任意の駆動手段(D)により、チェンバー(C)の上蓋(3)に備え付けられたハーメチックフィールドスルー(テフロン(登録商標)(登録商標)製)(12)を介して、矢印で示されるように、回転、直進などの機械操作を導入する。
【0015】
加熱部(H)において、チェンバー(C)下部の真鍮フランジ(5)下面に、赤外線輻射装置(21)が取り付けられる。赤外線輻射装置(21)は、回転楕円形体に成型したミラー(22)の焦点部に、高出力ハロゲンランプ(23)、市販品でもある、が設置され、対向焦点周辺部を加熱することができる。 加熱時は、真鍮フランジ(5)及び赤外線輻射装置(21)は流水により水冷される。赤外線輻射装置(21)からの赤外線は、チェンバー下面の石英ガラス(4)を透過し、チェンバー底中央に備え付けられたグラファイトるつぼ(8)を加熱する。グラファイトるつぼ(8)が850℃まで加熱され赤熱した際においても、るつぼ(8)全体が耐火煉瓦(7)に埋め込まれ断熱されているため、チェンバー本体のガラスチューブ(1)及び上部環状フランジ(1a)の温度は常時70℃以下に保たれる。
【0016】
【作用】
本発明の対象である雰囲気制御型多目的高温実験装置は、ガラスチューブ(1)と、耐熱性樹脂製の各上下環状フランジ(2a)(2b)及び上蓋(3),真鍮フランジ(5)からなる縦置き型として構成されたチェンバー(C)と、赤外線輻射装置(21)、ハロゲンランプ(23)、ミラー(22)になる加熱部(H)から構成され、この縦置き型チェンバー(C)底面に石英ガラス窓(4)を備え、この石英ガラス窓(4)を通じて、ハロゲンランプ(23)からの赤外線を入射、集光することにより、チェンバー(C)内部に高温部が作り出される。
【0017】
【発明の効果】
この出願の発明によれば、チェンバーはガラス及び耐熱性樹脂により構成されており、発熱体と高温部とがチェンバーの内外で完全に分離されているため、チェンバー内部が高反応性ガスに満たされている場合においても、発熱体へのダメージを考慮せずに安定した温度制御が可能である。
【0018】
また、縦置き型、ガラス製のチェンバーを用い、下部より赤外線加熱する方式を採用しているため、チェンバー全周より容易に高温部を目視することができる。
【0019】
さらに、高温部は集光赤外線により局所加熱されるため、高温部上方に広く常温空間が空いている。これにより高温部へのアクセスが容易となり、複雑な電気配線や、機械操作の導入を自由に行うことができる。
【0020】
以上から、この出願の発明は、従来の欠点を解消し、高温部の目視が容易である上、電気配線などの導入が簡単であるので現場での使用上非常に使い勝手がよい雰囲気制御型加熱装置を提供することができる。
【0021】
この出願の発明の雰囲気制御型加熱装置を実験装置に適用した場合においても、小型、軽量、低消費電力であり、設置も容易であり、構造が簡単なため、実用化・量産が可能であり、高温下、反応性ガス雰囲気下での実験、特に、電気化学的実験を行うユーザーに実用機器として広く安価に提供できる。
【0022】
一例として、近年、環境・エネルギー問題の解決策の一つとして脚光を浴びている、燃料電池の特性評価に対して有力な実験装置を提供する。本装置の活用が新たな燃料電池の開発につながる可能性は大きく、社会的、経済的に広いインパクトを与えることが可能である。
【0023】
また、この出願の発明の実験装置は、高温下、反応性ガス雰囲気下での実験に際し、従来の装置にない柔軟性と操作性を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明に係る雰囲気制御型多目的高温実験装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 ガラスチューブ
2a 上部環状フランジ
2b 下部環状フランジ
3 上蓋
4 石英ガラス窓
5 真鍮フランジ
6 ねじ棒
7 耐火煉瓦
8 グラファイトるつぼ
9 アルミナ製スペーサー
10 ガス供給管
11 ガス排出管
12 ハーメチックフィールドスルー
21 赤外線輻射装置
22 ミラー
23 ハロゲンランプ
C チェンバー
H 加熱部
D 駆動手段
Claims (5)
- 雰囲気制御可能な可視光透過性チェンバーと、可視光透過性チェンバー内に、チェンバー外部からの赤外線輻射によって局所的な高温部を作り出す加熱部とを備え、加熱部の発熱体とチェンバーの内の高温部とがチェンバーの内外で完全に分離されていることを特徴とする雰囲気制御型加熱装置。
- 請求項1において、可視光透過性チェンバーを、ガラス又は耐熱性樹脂製のチューブと、耐熱性樹脂製の各上下環状フランジ及び上蓋(3),真鍮フランジから構成し、加熱部を赤外線輻射装置、ハロゲンランプ、ミラーから構成したことを特徴とする雰囲気制御型加熱装置。
- 請求項2において、雰囲気制御可能な可視光透過性チェンバーに、耐火煉瓦の穴に差し込まれたグラファイトるつぼが石英ガラス窓を通じて加熱可能に設置され、チェンバー内部のガス雰囲気を制御するための、ガス供給管及びガス排気管と、白金リード線と、ハーメチックフィールドスルーを介した駆動手段を備えていることを特徴とする雰囲気制御型加熱装置。
- 請求項1ないし3のいずれかにおいて、可視光透過性チェンバーが、縦置き型であることを特徴とする雰囲気制御型加熱装置。
- 請求項1ないし4において、加熱装置を多目的の高温実験に用いることを特徴とする雰囲気制御型多目的高温実験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195994A JP2005028282A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 雰囲気制御型加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003195994A JP2005028282A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 雰囲気制御型加熱装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008029534A Division JP4997390B2 (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | 雰囲気制御型加熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005028282A true JP2005028282A (ja) | 2005-02-03 |
Family
ID=34206666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003195994A Pending JP2005028282A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 雰囲気制御型加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005028282A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1327968C (zh) * | 2005-06-01 | 2007-07-25 | 北京清能创新科技有限公司 | 用于反应器式生化需氧量快速测定仪的恒温反应器 |
CN102698692A (zh) * | 2012-05-30 | 2012-10-03 | 苏州市金翔钛设备有限公司 | 加热搅拌反应器 |
-
2003
- 2003-07-11 JP JP2003195994A patent/JP2005028282A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1327968C (zh) * | 2005-06-01 | 2007-07-25 | 北京清能创新科技有限公司 | 用于反应器式生化需氧量快速测定仪的恒温反应器 |
CN102698692A (zh) * | 2012-05-30 | 2012-10-03 | 苏州市金翔钛设备有限公司 | 加热搅拌反应器 |
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A02 | Decision of refusal |
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