JP2005025999A - 同軸ケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】誘電体層を、その外層がソリッド状スキン層、内層が非発泡性の多孔質からなるコア層の一体押出し二層構造にする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波機器や移動通信装置等に使用される高周波信号伝送用同軸ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、同軸ケーブルにおける誘電体層にはフッ素樹脂が使用され、なかでも誘電率の低いポリテトラフルオロエチレン(以下、“PTFE”という)が汎用されてきた。しかし、それでも要求される挿入損失や反射損失を満たす事ができないため、内部導体を囲撓する誘電体層に発泡による空隙を設け、誘電率を下げる工夫がなされてきた。これら誘電体層の例としては、PTFE樹脂に空隙を形成する剤(例えば発泡剤等)を添加したもの、あるいは予め延伸により多孔質としたPTFE延伸テープが挙げられる。
しかし、PTFE樹脂に発泡剤を添加する方策は、余計な物を採用することになるので、コスト的に無駄であるし、また空隙の大きさや間隔等のコントロールが困難で、空隙率を正確に制御できないという欠点がある。さらに、発泡樹脂表面付近の空隙は図3に示すように、場所によっては表面に凹みを形成してしまう。これは外径のバラツキにつながり、したがって反射損失が大きくなってしまうという致命的欠点がある。
一方、PTFE延伸テープは、導体もしくは絶縁体表面に螺旋状に一定間隔で重ねながら巻かれていくため、外表面には不可避的に凹凸が発生する。これは外径のバラツキにもつながり、やはり反射損失を大きくしてしまう。また、曲げ伸ばしを繰り返し行うと、テープの間隔がずれてしまい、ケーブルの長手方向で誘電率のバラツキが発生する、などの欠点がある。
さらに、該PTFE延伸テープの外周に、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン(以下、“FEP”という)のソリッド層を別工程で付加的に被覆して、強度を確保する提案もなされている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このものでは、該PTFE延伸テープの表面凹凸の影響でFEPのソリッド層との界面が平滑にならないため、依然として反射損失の抑制効果は期待できない。
【0003】
特開2002−358841号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高周波帯域での低挿入損失を実現しつつ、必要とされる機械的強度や低反射損失を有し、トータルバランスに優れた同軸ケーブルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、誘電体層を、その外層がソリッド状スキン層、内層が非発泡性の多孔質からなるコア層の一体押出し二層構造にすることで従来の問題を容易に解消するに至った。
【0006】
かくして、本発明によれば、内部導体、該内部導体を囲撓する誘電体層、および外部導体を含む同軸ケーブルにおいて、該誘電体層は低誘電性樹脂よりなるスキン−コア型の一体押し出し二層構造体であり、その際、該コア層は非発泡性の多孔質で、該スキン層よりも誘電率および機械的強度の低い誘電体層として機能し他方、該スキン層は該コア層の強度保護層として機能することを特徴とする同軸ケーブルが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の二層同軸ケーブルの一例を示す縦断面図である。
図2は、図1の横断面図である。
図3は、従来の、発泡による空隙を有する誘電体層の側面図である。
図4は、従来の、延伸テープを使用した誘電体層の側面図である。
図1〜2において、(1)は内部導体、(2)は誘電体層で、該内部導体(1)を囲撓する非発泡性の多孔質コア層(2a)と該コア層(2a)を囲撓するソリッド状スキン層(2b)とからなる。(3)は該誘電体層(2)を囲撓する外部導体層、そして(4)は該外部導体層(3)を被覆する保護ジャケット層である。
【0008】
本発明で特徴的なことは、図1〜2からも明らかなように、誘電体層(2)が二層になっており、その際、外層がソリッド状スキン層(2b)、内層が非発泡性の多孔質コア層(2a)を形成していることである。
これにより、以下のような利点が生じる。
a.スキン層が比較的高い強度を有するので、曲げた場合の形状保持が可能になる。
b.スキン層表面が平滑であるので、反射損失が小さくなる。
c.コア層が非発泡性の多孔質のため、均一な発泡率が得られる。
d.スキン層とコア層は一体押出しにより形成されているので、予めコア層を形成した後にスキン層を被覆する場合と比べ、該コア層の表面凹凸や外径のバラツキの影響を受ける事が無く、よって両者の接着界面は極めて安定した平滑面に形成されることにより、安定した低反射損失が実現される。
【0009】
本発明の同軸ケーブルは押出し成形にて容易に製造でき、以下にその一態様について述べる。
本発明では、フッ素樹脂のような低誘電性樹脂、特にPTFEのファインパウダーに予め押出し助剤を加えて予備成型を行い、プレフォームを作る。その際、押出し時の流れ性の異なる少なくとも2種の樹脂を用い、流れ性の低い方(流れ性の比較的よくないグレード)の樹脂を内層に、流れ性の高い方(流れ性のよいグレード)の樹脂を外層にした二層構造(竹輪状)とする。次に、該二層構造のプレフォームを内部導体(1)の外周面にペースト押し出しにて被覆(囲撓)する。このとき、該二層構造のプレフォームの外側は流れ性がよいので、押し出し過程で樹脂のフィブリルが密集して空隙が生じないため、コア層に比較して硬い(ソリッド状)スキン層(2b)を形成する。それに対して、内側の樹脂は流れ性がよくないので、樹脂のフィブリルが切れ、結果として非発泡性の多孔質コア層(2a)が形成される。
このようにして、ソリッド状スキン層(2b)と非発泡性の多孔質コア層(2a)は内部導体(1)の外周面に一体に連続成形された後、乾燥炉及び焼成炉を通過し、巻き取られる。このとき、非発泡性の多孔質コア層(2a)の空隙率は5〜70%の範囲にあればよいが、特に20〜50%が好ましい範囲である。この上限値は必要強度(硬度)の確保、下限値は誘電率上昇を抑えるために設定される。また、コア層(2a)の厚さは0.1〜5.0mmの範囲に、他方、該スキン層(2b)の厚さは0.01〜1.5mmの範囲にあればよいが、特に0.1〜1mmが好ましい範囲である。この下限値は必要強度の確保、上限値は誘電率上昇を抑えるために設定される。
続いて、該誘電体層(2)の外周に金属編組のようなシールドを施し、外部導体層(3)を得る。この時、溶融金属メッキ層に投入して該金属編組シールドの編組の各隙間を金属メッキで埋めてもよい。
最後に、この外部導体層(3)の外周に保護ジャケット(4)を被覆して、本発明の同軸ケーブルが完成する。
以上のような態様において、フッ素樹脂に添加する押出し助剤は一般にナフサが用いられ、その典型的な例は、「アイソパー」(商品名、エクソン化学株式会社製)である。この助剤は、樹脂に対して、5.0〜20.0重量%の範囲で適宜添加すればよい。
さらに、内部導体(1)としては、素線径が0.2〜1.8mmの銀メッキ軟銅線、銀メッキ硬銅線、あるいは銀メッキ銅被鋼線等が採用される。外部導体(3)としては編組が好ましく、その際、素線径が0.03〜0.2mmの銀メッキ軟銅線、銀メッキ硬銅線、あるいは銀メッキ銅被鋼線、錫メッキ軟銅線等の素線を打数8、12、16、24あるいは32で編組した編組が特に好ましく採用される。他方、保護ジャケット層(4)については、フッ素、オレフィン或いはビニル系樹脂の押出し被覆等、周知の構造を適用すればよい。
【0010】
【実施例】
以下は、図1〜図2に示した同軸ケーブルの実施例である。
先ず、流れ性の比較的良くないフッ素樹脂として、PTFE樹脂ファインパウダー(商品名:「6−J」、三井・デュポン・フロロケミカル株式会社製)を用い、これの100部に押出し助剤(商品名:「アイソパー」、エクソン化学株式会社製)を18部添加して、非発泡性の多孔質コア層(2a)を形成する樹脂を準備した。併せて、流れ性のよいフッ素樹脂として、PTFE樹脂ファインパウダー(商品名:「6C−J」、三井・デュポン・フロロケミカル株式会社製)を用い、これの100部に押出し助剤(商品名:「アイソパー」、エクソン化学株式会社製)を18部添加してソリッド状スキン層(2b)を形成する樹脂を準備した。そして、各々を約8時間熟成させた後、予備成型を行い、外層部の厚さが4mmで内層部の厚さが30mmの二層構造プレフォーム(竹輪状)を作った。次に、該二層プレフォームを押出し機に入れ、内部導体としての銀メッキ銅被鋼線(1)の外周面にペースト押し出しを線速10m/分で行った後、約200℃に設定した乾燥炉に通過させながら約3分間乾燥処理を行い、さらに、約400℃に設定された加熱炉に通過させながら約5分間加熱処理を行った後、自然冷却して巻き取った。このとき、誘電体層(2)を形成する非発泡性の多孔質コア層(2a)の厚さは1.5mm、空隙率は35%であり、スキン層(2b)は厚さが0.2mmのソリッド構造を呈した。続いて、誘電体層(2)の外周に、素線径φ0.1の錫メッキ軟銅線で24打の金属編組シールドを施して、外部導体(3)を得た。最後に、外部導体層(3)の外周にFEP樹脂を押出し被覆して保護ジャケット層(4)を形成して、本発明の同軸ケーブルを得た。
【発明の効果】
本発明によれば、相対的に流れ性の異なる二種類の樹脂が同時押し出される間の流れ特性を巧みに利用した結果、外層がソリッド状スキン層、内層が非発泡性の多孔質で、しかも両者の界面が一体的に接合した安定な誘電体層が得られる。したがって、本発明の同軸ケーブルにおいては、機械的強度、低挿入損失及び低反射損失の要求特性が三位一体となって実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同軸ケーブルの一例を示す縦断面図である。
【図2】図1の横断面図である。
【図3】従来の、発泡による空隙を有する誘電体層の側面図である。
【図4】従来の、延伸テープを使用した誘電体層の側面図である。
【符号の説明】
1 内部導体
2 誘電体層
2a 非発泡性の多孔質コア層
2b ソリッド状スキン層
3 外部導体
4 保護ジャケット層
Claims (5)
- 内部導体、該内部導体を囲撓する誘電体層、および外部導体を含む同軸ケーブルにおいて、該誘電体層は低誘電性樹脂よりなるスキン−コア型の一体押し出し二層構造体であり、その際、該コア層は非発泡性の多孔質で、該スキン層よりも誘電率および機械的強度の低い誘電体層として機能し他方、該スキン層は該コア層の強度保護層として機能することを特徴とする同軸ケーブル。
- 該誘電体層が、ポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる請求項1に記載の同軸ケーブル。
- 該コア層の空隙率が5〜70%の範囲にある請求項1、2に記載の同軸ケーブル。
- 該コア層の厚さが0.1〜5.0mmの範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の同軸ケーブル。
- 該スキン層の厚さが0.01〜1.5mmの範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の同軸ケーブル。
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