JP2005024974A - 表面実装型光アイソレータ - Google Patents

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Kenichi Noguchi
憲一 野口
Mikio Uemura
植村美喜男
Hiroo Numajiri
裕夫 沼尻
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Abstract

【課題】本発明は、近時要求される小型化を可能とし、かつ組立の自動化が容易であり、組立コストの低減を可能とする平面実装型光アイソレータの提供を課題とする。
【解決手段】入射側から偏光子、ファラデー回転子、偏光子の順で配置されて構成される光アイソレータ素子と、該光アイソレータ素子の両側にファラデー回転子を磁気飽和させるのに十分な磁力を持つ直方体の永久磁石とそれらを固定するホルダより構成される表面実装型光アイソレータにおいて、ホルダの形状が、凹字型、U字型、W字型のいずれかであることを特徴とするものである。
そして、好ましくはホルダ内に永久磁石を接合した際にホルダ壁上端部よりも永久磁石上端部が低いものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信に利用されている光アイソレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光アイソレータは、一方向への光の通過は許容するが逆方向への光の通過は阻止する機能を持つ非相反光デバイスであり、光通信や光計測等の分野で、反射戻り光が光源であるレーザーダイオード(以下、単に「LD」と示す。)に入射するのを阻止する目的で用いられている。
【0003】
反射戻り光がLDに入射すると、LDの発振が不安定になる。LDがファイバーアンプに用いられている励起用のLDであるならノイズが増大され、また信号源のLDなら、やはりノイズが増大され、最悪の場合には正確な情報通信が妨げられることになる。光アイソレータは反射戻り光をLDに入射させない機能を有する極めて重要な光デバイスである。こうした光デバイスも小型化が強く求められてきている。
【0004】
光アイソレーターは、一般に偏光子、ファラデー回転子、ファラデー回転子に所定の磁場を印加するための永久磁石、そしてこれらを保持するためのホルダや基板などから構成される。従来、前記永久磁石としては、軸方向に着磁した円筒状の永久磁石を用いてきたが、光学軸調整に長時間を要するばかりでなく、近年強く求められる小型化への対応が難しという問題がある。
【0005】
こうした問題を解決するものとして偏光子、ファラデー回転子、検光子の各光学素子と直方体の磁石とを平板状の取り付け基板に設置した構造を有している光アイソレータが提案されている(特許文献1 段落0008参照)。
【0006】
この光アイソレータの斜視図を図5に示した。この光アイソレータは、偏光子1、ファラデー回転子2、検光子1の各光学素子と直方体の永久磁石3とを平板状の取り付け基板4上に配置した構造を有している(特許文献1 段落0012参照)。
【0007】
この光アイソレータは平面に実装できるため小型でLDモジュールに組み込む際にLDとの位置合わせが容易な構造となっていることが特徴となっている。
【0008】
ところで、図6のような平面実装型の光アイソレータをLDモジュールに組み込む際に以前は手作業で行っていたが、近年LDモジュールの低価格化が進み、組み立て工程の自動化か実現されつつある。その際、バキュームピンセットなどで光アイソレータを自動でピックアンドプレースすると、前記のような構造ではバキュームピンセットでピックアップする形状に凹凸があるため上手くピックアンドプレースすることが出来なかった。その対策として、光アイソレータの天地を逆転する構造を検討したが、橋脚となる永久磁石3の加工精度が悪く、光軸合わせが上手く行かないなどの問題が発生した。
【0009】
このような問題を解決するには、たとえば、図7に示したような光アイソレータが提案されている(特表2000−510965号公報、特開2003−5131号公報参照)。ファラデー素子と偏光子を光軸方向に配列し、該ファラデー素子に光軸方向の磁界を印加する永久磁石を設けた光アイソレータにおいて、永久磁石はU型をなし、該永久磁石の内側空間にファラデー素子を固着してファラデー回転子組立体とし、偏光子をホルダプレート上に固着して偏光子組立体とし、前記ファラデー回転子組立体と偏光子組立体とを、永久磁石の両脚部端面がホルダプレート上面に対向するように組み合わせられ結合一体化されていることを特徴とする光アイソレータである(特開2003−5131号公報 段落0007参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−227996号公報
【特許文献2】
特表2000−510965号公報
【特許文献3】
特開2003−5131号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図6に代表される特許文献2や特許文献3に示された光アイソレータでは、ファラデー回転子を磁気飽和させるために用いる永久磁石は逆凹字形状、あるいはU字形状の断面を有するものである。
【0012】
通常、ファラデー回転子を磁気飽和させるための永久磁石としては、小型化を可能とするため強力な希土類系焼結磁石を用いる。具体的には、特性の安定性から、Sm−Co系の焼結磁石が用いられる。しかし、この磁石は非常にもろく、また加工がし難いため、近時要求される小型化に対応しうる大きさの前記逆凹字形状、あるいはU字形状の永久磁石を得ることが困難であるという問題がある。加えて、U字形状の磁石の場合、隅にR部分が発生するために光アイソレータ素子を配置させる部位を大きくする必要があり、組立コストがかさむ等の問題がある。
【0013】
本発明は、近時要求される小型化を可能とし、かつ組立の自動化が容易であり、組立コストの低減を可能とする平面実装型光アイソレータの提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本第一の請求項に係る発明は、入射側から偏光子、ファラデー回転子、偏光子の順で配置されて構成される光アイソレータ素子と、該光アイソレータ素子の両側にファラデー回転子を磁気飽和させるのに十分な磁力を持つ直方体の永久磁石とそれらを固定するホルダより構成される表面実装型光アイソレータにおいて、ホルダの形状が、凹字型、U字型、W字型のいずれかであることを特徴とするものである。
【0015】
そして、好ましくはホルダ内に永久磁石を接合した際にホルダ壁上端部よりも永久磁石上端部が低いものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本提案の構造では、用いる永久磁石が直方体をしている。よって、永久磁石の加工性は良く、小型化、低コストかが可能である。また、ホルダは、加工精度に優れたマシニングセンタやワイヤー放電加工等で容易に製造することが可能であり、小型化、低コストかが可能である。さらに、光アイソレータ素子を接着固定する箇所が、アイソレータ素子のチップサイズと比較して十分確保されうるので、組み立てやすい。また、実際にLDモジュールへアセンブリする際には、ホルダ部をピックすることが可能で、かつ、ホルダ内に永久磁石を接合した際にホルダ壁上端部よりも永久磁石上端部を低くして全体の高さ調整をホルダの高さで行うことにより、光軸高さ方向の精度を極めて高くすることができる。
【0017】
以下、図を用いて本発明を更に説明する。図1は本発明の表面実装型光アイソレータ例の斜視図である。W字型のホルダの中央部に光アイソレータ素子が搭載され、その両側に永久磁石が搭載されている。光アイソレータ素子はファラデー回転子の両面に偏光子が設けられている。また、二つの永久磁石の上端面は、共にW字型のホルダ壁面上端部より低くなるようにされている。
【0018】
図2,3,4は図1のアイソレータ例の組立手順を示した図である。
【0019】
まず、11mm角のガラス偏光子2枚とファラデー回転子とを接着剤を用いて辺基準で張り合わせる。その後、所定の大きさに切り出して光アイソレータ素子を得る。
【0020】
次いで、ワイヤー放電加工により作製したステンレス製W字型のホルダを脱脂洗浄し、乾燥後、光アイソレータ素子を搭載する部位に接着剤を塗布する。なお、本例ではホルダ材料としてステンレス材を用いたが、他の材料として、は、実装するパッケージとの熱膨張係数を考慮すればCu−Wやジルコニア、あるいはアルミナ等でも良い。
【0021】
また、光アイソレータ素子を接合するのに接着剤を用いて行ったが、光アイソレータ素子周辺部にメッキを施しておいてはんだを用いて接合しても良い。
【0022】
接着剤を塗布した部位に、光アイソレータ素子を加圧接着し、乾燥させて接着剤を硬化させる(図2参照)。
【0023】
次に、着磁されていない直方体の希土類焼結磁石を、光アイソレータ素子をステンレス製W字型のホルダに接着したのと同様にして接着し固定する(図3参照)。
【0024】
次に、そのようにしてアッセンブリされたものをコイル中に配置して、所定の大きさの磁界を印加して希土類焼結磁石を着磁して完成。なお、着磁する際には、図4で示すようなマーキングをホルダにほどこして、それを基準にしてN極あるいはS極に着磁する。
【0025】
図5はホルダとして凹字型のものを用いた例、図6はホルダとしてU字型のものを用いた例である。U字型の場合は、凹字型以上に加工が容易なため更に低コスト化が可能である。U字型の場合は、前記した希土類焼結磁石にあらかじめ光アイソレータ素子を接着したもの(半製品1)をホルダに接着(半製品2)。その後、もう一方の磁石をホルダに接着する。以下実施例1と同様に磁石を着磁−マーキングして完成する。
【0026】
【発明の効果】
本発明では、凹字形、U字型、W字型のホルダを用いるため、近時の要望に応じた小型の平面実装型光アイソレータが得られる。加えて、得られる光アイソレータのLDモジュールへの組み込みが容易、高精度、かつ自動化可能となる。
【0027】
また、本発明の方法に従えば、磁石の形状が平易なため従来の構造と比較し低価格化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面実装型光アイソレータ例の斜視図である。
【図2】本発明の光アイソレータを組み立てる際の図を示す。
【図3】本発明の光アイソレータを組み立てる際の図を示す。
【図4】本発明の光アイソレータを組み立てる際の図を示す。
【図5】本発明のホルダとして凹字型のものを用いた光アイソレータの斜視図である。
【図6】本発明のホルダとしてU字型のものを用いた光アイソレータの斜視図である。
【図7】特許文献1に開示された光アイソレータの斜視図である。
【図8】特許文献2に開示された光アイソレータの斜視図である。
1――――偏光子
2――――ファラデー回転子
3――――永久磁石
4――――取り付け基板

Claims (2)

  1. 入射側から偏光子、ファラデー回転子、偏光子の順で配置されて構成される光アイソレータ素子と、該光アイソレータ素子の両側にファラデー回転子を磁気飽和させるのに十分な磁力を持つ直方体の永久磁石とそれらを固定するホルダより構成される表面実装型光アイソレータにおいて、ホルダの形状が、凹字型、U字型、W字型のいずれかであることを特徴とする表面実装型光アイソレータ。
  2. ホルダ内に永久磁石を接合した際にホルダ壁上端部よりも永久磁石上端部が低いものであることを特徴とする請求項1記載の表面実装型光アイソレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102393575A (zh) * 2011-12-14 2012-03-28 索尔思光电(成都)有限公司 光纤自由空间隔离器及其组装方法
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