JP2005024685A - 光ファイバカプラ - Google Patents
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Abstract
【課題】光分岐結合の性能が安定した小型の光ファイバカプラを提供する。
【解決手段】長手方向の途中部の被覆を除去した第1と第2の光ファイバ1,2を並設して、これら第1と第2の光ファイバ1,2の被覆除去領域を挟む両側をそれぞれファイバ固定手段6,7に固定する。ファイバ固定手段6,7に挟まれた領域内に、互いに長手方向に間隔を介して3箇所以上の撚り部5(5a,5b,5c)を第1と第2の光ファイバ1,2に形成し、該撚り部5の少なくとも2箇所は被覆除去領域に形成する。該被覆除去領域の2箇所の撚り部5b,5cと撚り部5b,5cに挟まれた領域を溶融延伸して、該溶融延伸部12を、第1と第2の光ファイバ1,2を伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部と成す。
【選択図】 図1
【解決手段】長手方向の途中部の被覆を除去した第1と第2の光ファイバ1,2を並設して、これら第1と第2の光ファイバ1,2の被覆除去領域を挟む両側をそれぞれファイバ固定手段6,7に固定する。ファイバ固定手段6,7に挟まれた領域内に、互いに長手方向に間隔を介して3箇所以上の撚り部5(5a,5b,5c)を第1と第2の光ファイバ1,2に形成し、該撚り部5の少なくとも2箇所は被覆除去領域に形成する。該被覆除去領域の2箇所の撚り部5b,5cと撚り部5b,5cに挟まれた領域を溶融延伸して、該溶融延伸部12を、第1と第2の光ファイバ1,2を伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部と成す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信ネットワークにおける光線路の分岐や光アンプ用に用いられるファイバ溶融型の光ファイバカプラに関するものである。
【0002】
【背景技術】
光通信分野、光センサーおよび計測分野において、ファイバ溶融型光ファイバカプラ等の光ファイバカプラが用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
光ファイバカプラは、例えば光ファイバに入力される光信号を複数の光ファイバに分岐することや、光ファイバ内のパワーをモニタして適切に制御するために光パワーの一部を取り出す、いわゆるタップすることに用いられている。
【0004】
また、光ファイバカプラは、光信号の受発信のためのモジュールにも適用されている。例えば、上り下りの光信号の波長が異なる波長多重システムにおいて発信のために用いられる1.31μm帯のレーザダイオード(LD)や、1.55μm帯の光信号を受信するための受光素子(PD)が一体化された受発光モジュール等の機能モジュールが用いられており、このモジュールにおいて、光ファイバカプラがLDやPDの前段に設けられる。そして、このモジュールにおいて、光ファイバカプラは、LD、PDにそれぞれ対応する波長をLD、PDに割り当てる等の重要な役割を持っている。
【0005】
また、光線路の中を伝送する光信号を増幅するため、EDFA(エルビウムドープファイバアンプ)やラマンアンプ等の光アンプが開発されており、このようなアンプにおいて、励起光と信号光とを合波するための光ファイバカプラや、励起光の量をモニタするための光ファイバカプラが適用されている。
【0006】
光ファイバカプラは、例えば図5に示すようにして形成されている。つまり、図5(a)に示すように、第1の光ファイバ1と第2の光ファイバ2の途中部の被覆9を(例えば20〜25mm)除去し、裸光ファイバ3,4を露出させた状態で第1と第2の光ファイバ1,2を平行に並設する。そして、光ファイバをV溝等の位置決め手段に正確に載置するために前記V溝等に吸着穴を設けた、いわゆる真空チャックが設けられたファイバ固定手段6,7に、前記裸光ファイバ3,4を挟む両側の第1と第2の光ファイバ1,2をそれぞれ固定する。
【0007】
次に、図5(b)に示すように、ファイバ固定手段6,7に挟まれた領域の第1と第2の光ファイバ1,2に、互いに間隔を介して2箇所の撚り部5(5a,5b)を形成する。撚り部5(5a,5b)の形成は、ファイバ固定手段6,7のうち一方を固定して他方を360度回転させる、あるいは、ファイバ固定手段6,7の両方をそれぞれ反対側に180度回転させることにより形成される。この際、2本の光ファイバ1,2は、撚り部5(5a,5b)以外を互いに平行にし、撚り部5(5a,5b)において、それぞれが物理的に強固に接触するようにする。
【0008】
そして、第1と第2の光ファイバ1,2をファイバ固定手段6,7に真空チャックで固定し、それぞれのファイバの固定位置を正確に保持する。この状態で、直径が6mmから10mm程度の小型トーチランプあるいは電気ヒータ等の加熱手段20を光ファイバ1,2の長手方向に移動させて撚り部5(5a,5b)および撚り部5(5a,5b)に挟まれた領域を加熱溶融しながら、図の矢印Bの方向に光ファイバ1,2を引っ張って加熱部を延伸し、図5(c)に示すように、溶融延伸部12を形成する。溶融延伸部12において、第1と第2の光ファイバ1,2は融着して溶融一体化する。なお、上記溶融延伸工程に用いる加熱手段20の例として例えば水素トーチランプがある。
【0009】
図6(a)には、溶融延伸部12の拡大図が模式的に示されている。溶融延伸部12では裸光ファイバ3,4のコア10とクラッド11が共に、長手方向に沿って、その中央部に向かうに連れて徐々に細くなるテーパ状に形成され、溶融延伸部12の中央部は裸光ファイバ3,4の径が最も細くなって、細径部22が形成されている。
【0010】
また、図6(b)には、溶融延伸部12の中央部に形成された細径部22の断面(A−A断面)図が示され、図6(c)には図6(a)のB−B断面図が示されている。溶融延伸部12は、上記のように、コア10が細くなっているので、一方の光ファイバを伝搬した光は、溶融してテーパ状となった領域でコアからクラッド部へと拡散し、コア10を通る光が徐々にクラッド11側に漏れ、光は、例えば一方の裸光ファイバ3のコア10から他方の裸光ファイバ4のコア10に結合していく。
【0011】
例えば第1の光ファイバ1の入射側13から光が伝搬してきた光が溶融延伸部12に入射し、光の一部が細径部22で第2の光ファイバ2側に結合すると、第1の光ファイバ1からの伝搬光の一部が第2の光ファイバ2の出射側16から出射し、残りが第1の光ファイバ1の出射側15から出射することから、光の分岐が行われる。
【0012】
その逆に、第1の光ファイバ1の出射側15と第2の光ファイバ2の出射側16から光を伝搬させた場合、これらの光が溶融延伸部12の細径部22で結合し、第1の光ファイバ1の入射側13から出射することから、光の結合が行われる。
【0013】
つまり、溶融延伸部12は第1と第2の光ファイバ1,2を伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部となるものであり、また、その分岐や結合の割合を分岐結合比という。上記溶融延伸部12の形成によって、1×2カプラまたは2×2カプラが形成されるものであり、現在、主に、分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内(分岐比率が約1%から50%)の光カプラカプラが広範囲に用いられている。
【0014】
第1、第2の光ファイバ1,2を溶融延伸する際は、2本の光ファイバ1,2の出力端部の光量をモニタしながら行い、光の分岐結合比が必要な分岐結合比となる位置で延伸を停止する。したがって、光ファイバの引っ張り長さ、すなわち、延伸させたテーパ状の部分および細径部22の裸光ファイバ3,4の長さにより光ファイバカプラの全体長が決められる。
【0015】
【非特許文献1】
「光ファイバとファイバ型デバイス」 培風館 アドバンスエレクトロニクスシリーズ 1996年
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の光ファイバカプラは、光分岐結合部(溶融延伸部12)において、第1の光ファイバ1を伝搬する光と第2の光ファイバ2を伝搬する光との光結合が的確に行われないことがあり、挿入損失が大きく分岐結合比が安定しないことがあるといった問題があった。
【0017】
また、従来、上記光アンプや受発光モジュール等に用いられている光ファイバカプラは、通常、その長さが45〜55mmであるが、光アンプの使用用途が長距離幹線系に及ぶ等といった背景から、光ファイバカプラの小型化要求が高まり、例えば長さ(全長)を35mm以下にすることが求められてきており、より小型の光ファイバカプラの開発も求められている。
【0018】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、挿入損失が小さく、かつ、挿入損失のばらつきが少なく分岐結合比が安定した小型の光ファイバカプラを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、長手方向の途中部の被覆を除去した第1と第2の光ファイバが並設されて、これら第1と第2の光ファイバの被覆除去領域を挟む両側がそれぞれファイバ固定手段に固定され、該ファイバ固定手段に挟まれた領域内に互いに長手方向に間隔を介して3箇所以上の撚り部が第1と第2の光ファイバに形成され、該撚り部の少なくとも2箇所は前記被覆除去領域に形成され、該被覆除去領域の2箇所の撚り部と該撚り部に挟まれた領域が溶融延伸部されて、該溶融延伸部が第1と第2の光ファイバを伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0020】
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、光ファイバカプラの全長が35mm以下である構成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】
さらに、第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記光分岐結合部の分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内の値と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0022】
さらに、第4の発明は、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、光ファイバの被覆を除いた外径を60μm以上140μm以下とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。図1には、本発明に係る光ファイバカプラの一実施形態例の要部構成図が模式的に示してある。
【0024】
図1に示すように、本実施形態例の光ファイバカプラは、長手方向の途中部の被覆9を除去した第1と第2の光ファイバ1,2を並設して成り、これら第1と第2の光ファイバ1,2の被覆除去領域を挟む両側をそれぞれファイバ固定手段6,7に固定している。
【0025】
本実施形態例の特徴は、ファイバ固定手段6,7に挟まれた領域内の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所の撚り部5(5a,5b,5c)を形成し、該撚り部5(5a,5b,5c)の2箇所は前記被覆除去領域に形成し、1箇所は被覆部に形成したことである。撚り部5aは被覆部に形成し、撚り部5b,5cは被覆除去部の裸光ファイバ3,4に形成している。
【0026】
そして、被覆除去領域の撚り部5b,5cとこれら撚り部5b,5cに挟まれた領域に、裸光ファイバ3,4を溶融延伸して成る溶融延伸部12を形成し、該溶融延伸部12が第1と第2の光ファイバ1,2を伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部と成している。この光分岐結合部の分岐結合比は1:99と成している。
【0027】
また、本実施形態例の光ファイバカプラにおいて、光ファイバカプラの全長(図1のLの長さ)は35mmとしており、第1と第2の被覆を除いた外径(溶融延伸していない領域の裸光ファイバ3,4の外径)は125μmとしている。
【0028】
本実施形態例の光ファイバカプラは、図1に示す構成を、図示されていないパッケージ内に収容して成り、例えばパッケージ内に設けた保護部に溶融延伸部12を収容することにより、溶融延伸部12がパッケージ外部の振動等により破損したり傷ついたりすることを抑制している。
【0029】
図2には、本実施形態例の光ファイバカプラの製造方法が示されており、本実施形態例でも従来例のように、第1、第2の光ファイバ1,2の被覆9の除去、ファイバ固定手段6,7による第1、第2の光ファイバ1,2の保持、撚り部5の形成を行うが、本実施形態例では、図2(a)に示すように、ファイバ固定手段6,7によって第1と第2の光ファイバ6,7を保持する際に、ファイバ固定手段6による保持位置を被覆除去端部から離れた位置とする。
【0030】
そして、図2(b)に示すように、第1、第2の光ファイバ1,2に撚り部5を形成する際に、一方のファイバ固定手段6を固定し、他方のファイバ固定手段7を180度×3回転させて固定ホルダ6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所の撚り5(5a,5b,5c)を形成する。そして、被覆除去部の撚り部5b,5cに挟まれた領域と撚り部5b,5cを加熱手段20で加熱する。この加熱は、加熱手段20を裸光ファイバ3,4の長手方向に移動させながら行う。
【0031】
そして、この加熱を行いながら、裸光ファイバ3,4を図の矢印B方向に延伸し、加熱領域に溶融延伸部12を形成し、この溶融延伸部12を光分岐結合部と成して、図1に示した本実施形態例の光ファイバカプラを得る。
【0032】
表1には、2本の光ファイバを2回から4回撚りあわせて作成した光ファイバカプラ(ここではタップカプラ)のスルー側(通過する主信号の光)とタップ側(ファイバ中を通過する光量のモニター等)の挿入損失について実験したデータ結果を示す。なお、表1のσは標準偏差である。
【0033】
【表1】
【0034】
ここで用いた光ファイバは、コーニング社製SMF28であり、その構成は、クラッド外径が125μm、光硬化型アクリルウレタン樹脂から成る被覆の外径が250μmのシングルモード光ファイバであった。また、ここで検討したタップカプラは分岐比が95:5である。
【0035】
表1に示すように、2回撚りの場合にはスルー側およびタップ側の挿入損失の平均値は大きく、かつ、標準偏差σも大きい。測定結果では、2回撚りの場合は、3〜4回撚りに対して、スルー側の標準偏差は2倍以上大きく、挿入損失値も大きくばらつくことが分かった。これは、光ファイバカプラの撚り数を多くすることにより、図3に示すように、第1の光ファイバ1の裸光ファイバ3と第2の光ファイバ2の裸光ファイバ4との光ファイバ径方向に働く応力が強くなり、2本の光ファイバ間の密着度が向上し、撚り間隔が安定することによる。
【0036】
表1からも明らかなように、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に2箇所の撚り部5を形成した従来例においては、挿入損失ならびにそのばらつきが大きく、光分岐結合部において第1の光ファイバ1を伝搬する光と第2の光ファイバ2を伝搬する光が結合せずに外に漏れてしまう量が大きいのに比べ、本実施形態例は、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所の撚り部5を形成することにより、上記挿入損失ならびにそのばらつきを非常に小さくでき、光分岐結合部において良好な光結合を得ることができるので、安定した光分岐結合特性を得ることができる。
【0037】
また、本実施形態例は、全長が35mmであるので、従来例の一般的な45〜55mmといった光ファイバカプラよりも格段に小型の光ファイバカプラを実現できる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、光ファイバカプラの光分岐結合部の分岐結合比を1:99にしたが、本発明において、光分岐結合部の分岐結合比は特に限定されるものでなく、1:99〜50:50の範囲内の値であればよい。
【0039】
また、上記実施形態例では、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所形成した撚り部5のうち1箇所の撚り部5aは第1と第2の光ファイバ1,2の被覆9のある部位に形成したが、図4に示すように、3箇所の撚り部5(5a,5b,5c)を全て被覆除去領域(裸光ファイバ3,4)に形成してもよい。なお、図4は、溶融延伸前の状態を示しており、この例においても上記実施形態例と同様に、撚り部5(5b,5c)と撚り部5(5b,5c)の間を加熱手段20により加熱しながら裸光ファイバ3,4を延伸して溶融延伸部12を形成する。
【0040】
また、上記実施形態例では、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に撚り部5を3箇所形成したが、4箇所以上の撚り部5をファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に形成してもよい。ただし、撚り部5の個数が多くなりすぎると、光ファイバの曲がりによるロスが増加する可能性があるので、撚り部5は、ファイバ固定手段6,7間の長さに対応させて、例えば3箇所以上4箇所以下に形成することが好ましい。
【0041】
さらに、上記実施形態例では、第1、第2の光ファイバ1,2の被覆を除いた外径を125μmとしたが、第1、第2の光ファイバ1,2の被覆を除いた外径は125μmとするとは限らず、例えば60μm以上140μm以下とすればよい。
【0042】
なお、現在、光ファイバアンプ自体を小さくすることが重要となってきており、そのためには、光ファイバの径を小さくし、曲げによる破断歪みを小さくすることが検討されている。現実的には80μmの光ファイバが一部で光ファイバアンプ用として用いられており、今後、光ファイバアンプ用として、より径の細い光ファイバの適用が考えられる。
【0043】
したがって、本発明の光ファイバカプラに適用する光ファイバの、溶融延伸部を除く裸光ファイバの径を125μmより小さくすることにより、上記のような小型の光ファイバアンプ用として、より適用しやすくできるものであり、本発明の光ファイバカプラは、将来の細径光ファイバアンプ用としても適用できる。
【0044】
さらに、上記実施形態例では、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2により部5を形成する際に、ファイバ固定手段6を固定してファイバ固定手段7を180度×3回、回転させたが、ファイバ固定手段6とファイバ固定手段7を互いに反対方向に回転させて撚り部5の形成を行ってもよい。
【0045】
さらに、上記実施形態例では、第1と第2の光ファイバ1,2を用いて光ファイバカプラを形成する例を示したが、3本以上の光ファイバを用いた光ファイバカプラにおいても、ファイバ固定手段6,7間に3箇所以上の撚り部5を形成することにより、溶融延伸部12における光ファイバ同士の結合を良好にし、性能の安定化を図ることができる。
【0046】
さらに、ファイバ固定手段は、上記実施形態例の説明で示した形態に限定されることはなく、例えば光ファイバの径に合わせた溝を設けた上下の半円柱体を有して光ファイバを上下から挟み込む形態としてもよい。つまり、ファイバ固定手段は、光ファイバが位置決め固定できる様々な形態のものを適用できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、第1と第2の光ファイバの被覆除去領域を挟む両側をそれぞれファイバ固定手段に固定して、ファイバ固定手段に挟まれた領域内の第1、第2の光ファイバに互いに長手方向の間隔を介して3箇所以上の撚り部を形成し、該撚り部のうち被覆除去領域の2箇所の撚り部と該撚り部に挟まれた領域を溶融延伸し、該溶融延伸部を光分岐結合部としたものであるから、光分岐結合部における第1と第2の光ファイバの伝搬光の結合と分岐を良好にでき、安定した性能の光ファイバカプラを実現できる。
【0048】
また、本発明において、全長が35mm以下である構成においては、上記効果を奏する小型の光ファイバカプラを実現できる。
【0049】
さらに、本発明において、光分岐結合部の分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内の値と成している構成によれば、上記のように安定した性能を有し、光分岐結合部の分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内の様々な光ファイバカプラを実現できる。
【0050】
さらに、本発明において、光ファイバの被覆を除いた外径を60μm以上140μm以下とした構成によれば、挿入損失とそのばらつきがより小さい光ファイバカプラを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバカプラの一実施形態例の要部構成を模式的に示す要部構成図である。
【図2】上記実施形態例の製造方法例を模式的に示す説明図である。
【図3】光ファイバの撚り部に働く応力の方向を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る光ファイバカプラの他の実施形態例を説明する模式図である。
【図5】従来の光ファイバカプラの製造方法を模式的に示す説明図である。
【図6】光ファイバカプラの溶融延伸部とその周辺構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 第1の光ファイバ
2 第2の光ファイバ
3,4 裸光ファイバ
5 5a,5b,5c 撚り部
6,7 ファイバ固定手段
12 溶融延伸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信ネットワークにおける光線路の分岐や光アンプ用に用いられるファイバ溶融型の光ファイバカプラに関するものである。
【0002】
【背景技術】
光通信分野、光センサーおよび計測分野において、ファイバ溶融型光ファイバカプラ等の光ファイバカプラが用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
光ファイバカプラは、例えば光ファイバに入力される光信号を複数の光ファイバに分岐することや、光ファイバ内のパワーをモニタして適切に制御するために光パワーの一部を取り出す、いわゆるタップすることに用いられている。
【0004】
また、光ファイバカプラは、光信号の受発信のためのモジュールにも適用されている。例えば、上り下りの光信号の波長が異なる波長多重システムにおいて発信のために用いられる1.31μm帯のレーザダイオード(LD)や、1.55μm帯の光信号を受信するための受光素子(PD)が一体化された受発光モジュール等の機能モジュールが用いられており、このモジュールにおいて、光ファイバカプラがLDやPDの前段に設けられる。そして、このモジュールにおいて、光ファイバカプラは、LD、PDにそれぞれ対応する波長をLD、PDに割り当てる等の重要な役割を持っている。
【0005】
また、光線路の中を伝送する光信号を増幅するため、EDFA(エルビウムドープファイバアンプ)やラマンアンプ等の光アンプが開発されており、このようなアンプにおいて、励起光と信号光とを合波するための光ファイバカプラや、励起光の量をモニタするための光ファイバカプラが適用されている。
【0006】
光ファイバカプラは、例えば図5に示すようにして形成されている。つまり、図5(a)に示すように、第1の光ファイバ1と第2の光ファイバ2の途中部の被覆9を(例えば20〜25mm)除去し、裸光ファイバ3,4を露出させた状態で第1と第2の光ファイバ1,2を平行に並設する。そして、光ファイバをV溝等の位置決め手段に正確に載置するために前記V溝等に吸着穴を設けた、いわゆる真空チャックが設けられたファイバ固定手段6,7に、前記裸光ファイバ3,4を挟む両側の第1と第2の光ファイバ1,2をそれぞれ固定する。
【0007】
次に、図5(b)に示すように、ファイバ固定手段6,7に挟まれた領域の第1と第2の光ファイバ1,2に、互いに間隔を介して2箇所の撚り部5(5a,5b)を形成する。撚り部5(5a,5b)の形成は、ファイバ固定手段6,7のうち一方を固定して他方を360度回転させる、あるいは、ファイバ固定手段6,7の両方をそれぞれ反対側に180度回転させることにより形成される。この際、2本の光ファイバ1,2は、撚り部5(5a,5b)以外を互いに平行にし、撚り部5(5a,5b)において、それぞれが物理的に強固に接触するようにする。
【0008】
そして、第1と第2の光ファイバ1,2をファイバ固定手段6,7に真空チャックで固定し、それぞれのファイバの固定位置を正確に保持する。この状態で、直径が6mmから10mm程度の小型トーチランプあるいは電気ヒータ等の加熱手段20を光ファイバ1,2の長手方向に移動させて撚り部5(5a,5b)および撚り部5(5a,5b)に挟まれた領域を加熱溶融しながら、図の矢印Bの方向に光ファイバ1,2を引っ張って加熱部を延伸し、図5(c)に示すように、溶融延伸部12を形成する。溶融延伸部12において、第1と第2の光ファイバ1,2は融着して溶融一体化する。なお、上記溶融延伸工程に用いる加熱手段20の例として例えば水素トーチランプがある。
【0009】
図6(a)には、溶融延伸部12の拡大図が模式的に示されている。溶融延伸部12では裸光ファイバ3,4のコア10とクラッド11が共に、長手方向に沿って、その中央部に向かうに連れて徐々に細くなるテーパ状に形成され、溶融延伸部12の中央部は裸光ファイバ3,4の径が最も細くなって、細径部22が形成されている。
【0010】
また、図6(b)には、溶融延伸部12の中央部に形成された細径部22の断面(A−A断面)図が示され、図6(c)には図6(a)のB−B断面図が示されている。溶融延伸部12は、上記のように、コア10が細くなっているので、一方の光ファイバを伝搬した光は、溶融してテーパ状となった領域でコアからクラッド部へと拡散し、コア10を通る光が徐々にクラッド11側に漏れ、光は、例えば一方の裸光ファイバ3のコア10から他方の裸光ファイバ4のコア10に結合していく。
【0011】
例えば第1の光ファイバ1の入射側13から光が伝搬してきた光が溶融延伸部12に入射し、光の一部が細径部22で第2の光ファイバ2側に結合すると、第1の光ファイバ1からの伝搬光の一部が第2の光ファイバ2の出射側16から出射し、残りが第1の光ファイバ1の出射側15から出射することから、光の分岐が行われる。
【0012】
その逆に、第1の光ファイバ1の出射側15と第2の光ファイバ2の出射側16から光を伝搬させた場合、これらの光が溶融延伸部12の細径部22で結合し、第1の光ファイバ1の入射側13から出射することから、光の結合が行われる。
【0013】
つまり、溶融延伸部12は第1と第2の光ファイバ1,2を伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部となるものであり、また、その分岐や結合の割合を分岐結合比という。上記溶融延伸部12の形成によって、1×2カプラまたは2×2カプラが形成されるものであり、現在、主に、分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内(分岐比率が約1%から50%)の光カプラカプラが広範囲に用いられている。
【0014】
第1、第2の光ファイバ1,2を溶融延伸する際は、2本の光ファイバ1,2の出力端部の光量をモニタしながら行い、光の分岐結合比が必要な分岐結合比となる位置で延伸を停止する。したがって、光ファイバの引っ張り長さ、すなわち、延伸させたテーパ状の部分および細径部22の裸光ファイバ3,4の長さにより光ファイバカプラの全体長が決められる。
【0015】
【非特許文献1】
「光ファイバとファイバ型デバイス」 培風館 アドバンスエレクトロニクスシリーズ 1996年
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の光ファイバカプラは、光分岐結合部(溶融延伸部12)において、第1の光ファイバ1を伝搬する光と第2の光ファイバ2を伝搬する光との光結合が的確に行われないことがあり、挿入損失が大きく分岐結合比が安定しないことがあるといった問題があった。
【0017】
また、従来、上記光アンプや受発光モジュール等に用いられている光ファイバカプラは、通常、その長さが45〜55mmであるが、光アンプの使用用途が長距離幹線系に及ぶ等といった背景から、光ファイバカプラの小型化要求が高まり、例えば長さ(全長)を35mm以下にすることが求められてきており、より小型の光ファイバカプラの開発も求められている。
【0018】
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、挿入損失が小さく、かつ、挿入損失のばらつきが少なく分岐結合比が安定した小型の光ファイバカプラを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、長手方向の途中部の被覆を除去した第1と第2の光ファイバが並設されて、これら第1と第2の光ファイバの被覆除去領域を挟む両側がそれぞれファイバ固定手段に固定され、該ファイバ固定手段に挟まれた領域内に互いに長手方向に間隔を介して3箇所以上の撚り部が第1と第2の光ファイバに形成され、該撚り部の少なくとも2箇所は前記被覆除去領域に形成され、該被覆除去領域の2箇所の撚り部と該撚り部に挟まれた領域が溶融延伸部されて、該溶融延伸部が第1と第2の光ファイバを伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0020】
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、光ファイバカプラの全長が35mm以下である構成をもって課題を解決する手段としている。
【0021】
さらに、第3の発明は、上記第1または第2の発明の構成に加え、前記光分岐結合部の分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内の値と成している構成をもって課題を解決する手段としている。
【0022】
さらに、第4の発明は、上記第1または第2または第3の発明の構成に加え、光ファイバの被覆を除いた外径を60μm以上140μm以下とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。図1には、本発明に係る光ファイバカプラの一実施形態例の要部構成図が模式的に示してある。
【0024】
図1に示すように、本実施形態例の光ファイバカプラは、長手方向の途中部の被覆9を除去した第1と第2の光ファイバ1,2を並設して成り、これら第1と第2の光ファイバ1,2の被覆除去領域を挟む両側をそれぞれファイバ固定手段6,7に固定している。
【0025】
本実施形態例の特徴は、ファイバ固定手段6,7に挟まれた領域内の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所の撚り部5(5a,5b,5c)を形成し、該撚り部5(5a,5b,5c)の2箇所は前記被覆除去領域に形成し、1箇所は被覆部に形成したことである。撚り部5aは被覆部に形成し、撚り部5b,5cは被覆除去部の裸光ファイバ3,4に形成している。
【0026】
そして、被覆除去領域の撚り部5b,5cとこれら撚り部5b,5cに挟まれた領域に、裸光ファイバ3,4を溶融延伸して成る溶融延伸部12を形成し、該溶融延伸部12が第1と第2の光ファイバ1,2を伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部と成している。この光分岐結合部の分岐結合比は1:99と成している。
【0027】
また、本実施形態例の光ファイバカプラにおいて、光ファイバカプラの全長(図1のLの長さ)は35mmとしており、第1と第2の被覆を除いた外径(溶融延伸していない領域の裸光ファイバ3,4の外径)は125μmとしている。
【0028】
本実施形態例の光ファイバカプラは、図1に示す構成を、図示されていないパッケージ内に収容して成り、例えばパッケージ内に設けた保護部に溶融延伸部12を収容することにより、溶融延伸部12がパッケージ外部の振動等により破損したり傷ついたりすることを抑制している。
【0029】
図2には、本実施形態例の光ファイバカプラの製造方法が示されており、本実施形態例でも従来例のように、第1、第2の光ファイバ1,2の被覆9の除去、ファイバ固定手段6,7による第1、第2の光ファイバ1,2の保持、撚り部5の形成を行うが、本実施形態例では、図2(a)に示すように、ファイバ固定手段6,7によって第1と第2の光ファイバ6,7を保持する際に、ファイバ固定手段6による保持位置を被覆除去端部から離れた位置とする。
【0030】
そして、図2(b)に示すように、第1、第2の光ファイバ1,2に撚り部5を形成する際に、一方のファイバ固定手段6を固定し、他方のファイバ固定手段7を180度×3回転させて固定ホルダ6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所の撚り5(5a,5b,5c)を形成する。そして、被覆除去部の撚り部5b,5cに挟まれた領域と撚り部5b,5cを加熱手段20で加熱する。この加熱は、加熱手段20を裸光ファイバ3,4の長手方向に移動させながら行う。
【0031】
そして、この加熱を行いながら、裸光ファイバ3,4を図の矢印B方向に延伸し、加熱領域に溶融延伸部12を形成し、この溶融延伸部12を光分岐結合部と成して、図1に示した本実施形態例の光ファイバカプラを得る。
【0032】
表1には、2本の光ファイバを2回から4回撚りあわせて作成した光ファイバカプラ(ここではタップカプラ)のスルー側(通過する主信号の光)とタップ側(ファイバ中を通過する光量のモニター等)の挿入損失について実験したデータ結果を示す。なお、表1のσは標準偏差である。
【0033】
【表1】
【0034】
ここで用いた光ファイバは、コーニング社製SMF28であり、その構成は、クラッド外径が125μm、光硬化型アクリルウレタン樹脂から成る被覆の外径が250μmのシングルモード光ファイバであった。また、ここで検討したタップカプラは分岐比が95:5である。
【0035】
表1に示すように、2回撚りの場合にはスルー側およびタップ側の挿入損失の平均値は大きく、かつ、標準偏差σも大きい。測定結果では、2回撚りの場合は、3〜4回撚りに対して、スルー側の標準偏差は2倍以上大きく、挿入損失値も大きくばらつくことが分かった。これは、光ファイバカプラの撚り数を多くすることにより、図3に示すように、第1の光ファイバ1の裸光ファイバ3と第2の光ファイバ2の裸光ファイバ4との光ファイバ径方向に働く応力が強くなり、2本の光ファイバ間の密着度が向上し、撚り間隔が安定することによる。
【0036】
表1からも明らかなように、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に2箇所の撚り部5を形成した従来例においては、挿入損失ならびにそのばらつきが大きく、光分岐結合部において第1の光ファイバ1を伝搬する光と第2の光ファイバ2を伝搬する光が結合せずに外に漏れてしまう量が大きいのに比べ、本実施形態例は、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所の撚り部5を形成することにより、上記挿入損失ならびにそのばらつきを非常に小さくでき、光分岐結合部において良好な光結合を得ることができるので、安定した光分岐結合特性を得ることができる。
【0037】
また、本実施形態例は、全長が35mmであるので、従来例の一般的な45〜55mmといった光ファイバカプラよりも格段に小型の光ファイバカプラを実現できる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、光ファイバカプラの光分岐結合部の分岐結合比を1:99にしたが、本発明において、光分岐結合部の分岐結合比は特に限定されるものでなく、1:99〜50:50の範囲内の値であればよい。
【0039】
また、上記実施形態例では、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2の第1、第2の光ファイバ1,2に3箇所形成した撚り部5のうち1箇所の撚り部5aは第1と第2の光ファイバ1,2の被覆9のある部位に形成したが、図4に示すように、3箇所の撚り部5(5a,5b,5c)を全て被覆除去領域(裸光ファイバ3,4)に形成してもよい。なお、図4は、溶融延伸前の状態を示しており、この例においても上記実施形態例と同様に、撚り部5(5b,5c)と撚り部5(5b,5c)の間を加熱手段20により加熱しながら裸光ファイバ3,4を延伸して溶融延伸部12を形成する。
【0040】
また、上記実施形態例では、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に撚り部5を3箇所形成したが、4箇所以上の撚り部5をファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2に形成してもよい。ただし、撚り部5の個数が多くなりすぎると、光ファイバの曲がりによるロスが増加する可能性があるので、撚り部5は、ファイバ固定手段6,7間の長さに対応させて、例えば3箇所以上4箇所以下に形成することが好ましい。
【0041】
さらに、上記実施形態例では、第1、第2の光ファイバ1,2の被覆を除いた外径を125μmとしたが、第1、第2の光ファイバ1,2の被覆を除いた外径は125μmとするとは限らず、例えば60μm以上140μm以下とすればよい。
【0042】
なお、現在、光ファイバアンプ自体を小さくすることが重要となってきており、そのためには、光ファイバの径を小さくし、曲げによる破断歪みを小さくすることが検討されている。現実的には80μmの光ファイバが一部で光ファイバアンプ用として用いられており、今後、光ファイバアンプ用として、より径の細い光ファイバの適用が考えられる。
【0043】
したがって、本発明の光ファイバカプラに適用する光ファイバの、溶融延伸部を除く裸光ファイバの径を125μmより小さくすることにより、上記のような小型の光ファイバアンプ用として、より適用しやすくできるものであり、本発明の光ファイバカプラは、将来の細径光ファイバアンプ用としても適用できる。
【0044】
さらに、上記実施形態例では、ファイバ固定手段6,7間の第1、第2の光ファイバ1,2により部5を形成する際に、ファイバ固定手段6を固定してファイバ固定手段7を180度×3回、回転させたが、ファイバ固定手段6とファイバ固定手段7を互いに反対方向に回転させて撚り部5の形成を行ってもよい。
【0045】
さらに、上記実施形態例では、第1と第2の光ファイバ1,2を用いて光ファイバカプラを形成する例を示したが、3本以上の光ファイバを用いた光ファイバカプラにおいても、ファイバ固定手段6,7間に3箇所以上の撚り部5を形成することにより、溶融延伸部12における光ファイバ同士の結合を良好にし、性能の安定化を図ることができる。
【0046】
さらに、ファイバ固定手段は、上記実施形態例の説明で示した形態に限定されることはなく、例えば光ファイバの径に合わせた溝を設けた上下の半円柱体を有して光ファイバを上下から挟み込む形態としてもよい。つまり、ファイバ固定手段は、光ファイバが位置決め固定できる様々な形態のものを適用できる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、第1と第2の光ファイバの被覆除去領域を挟む両側をそれぞれファイバ固定手段に固定して、ファイバ固定手段に挟まれた領域内の第1、第2の光ファイバに互いに長手方向の間隔を介して3箇所以上の撚り部を形成し、該撚り部のうち被覆除去領域の2箇所の撚り部と該撚り部に挟まれた領域を溶融延伸し、該溶融延伸部を光分岐結合部としたものであるから、光分岐結合部における第1と第2の光ファイバの伝搬光の結合と分岐を良好にでき、安定した性能の光ファイバカプラを実現できる。
【0048】
また、本発明において、全長が35mm以下である構成においては、上記効果を奏する小型の光ファイバカプラを実現できる。
【0049】
さらに、本発明において、光分岐結合部の分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内の値と成している構成によれば、上記のように安定した性能を有し、光分岐結合部の分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内の様々な光ファイバカプラを実現できる。
【0050】
さらに、本発明において、光ファイバの被覆を除いた外径を60μm以上140μm以下とした構成によれば、挿入損失とそのばらつきがより小さい光ファイバカプラを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバカプラの一実施形態例の要部構成を模式的に示す要部構成図である。
【図2】上記実施形態例の製造方法例を模式的に示す説明図である。
【図3】光ファイバの撚り部に働く応力の方向を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に係る光ファイバカプラの他の実施形態例を説明する模式図である。
【図5】従来の光ファイバカプラの製造方法を模式的に示す説明図である。
【図6】光ファイバカプラの溶融延伸部とその周辺構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 第1の光ファイバ
2 第2の光ファイバ
3,4 裸光ファイバ
5 5a,5b,5c 撚り部
6,7 ファイバ固定手段
12 溶融延伸部
Claims (4)
- 長手方向の途中部の被覆を除去した第1と第2の光ファイバが並設されて、これら第1と第2の光ファイバの被覆除去領域を挟む両側がそれぞれファイバ固定手段に固定され、該ファイバ固定手段に挟まれた領域内に互いに長手方向に間隔を介して3箇所以上の撚り部が第1と第2の光ファイバに形成され、該撚り部の少なくとも2箇所は前記被覆除去領域に形成され、該被覆除去領域の2箇所の撚り部と該撚り部に挟まれた領域が溶融延伸部されて、該溶融延伸部が第1と第2の光ファイバを伝搬する光の分岐と結合の少なくとも一方を行う光分岐結合部と成していることを特徴する光ファイバカプラ。
- 全長が35mm以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバカプラ。
- 光分岐結合部の分岐結合比が1:99〜50:50の範囲内の値と成していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ファイバカプラ。
- 光ファイバの被覆を除いた外径を60μm以上140μm以下としたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の光ファイバカプラ。
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