JP2005023765A - 十文字状断面の複々線配線となるシールドトンネルの地下鉄道 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両の建築限界6が余裕をもって4つ入る大きさのシールドトンネルにおいて、その底のインバートコンクリート7上に下部急行の線路を設け、その線路の両側のインバートコンクリート7上に立てた2本の上層架脚柱8の上端に渡し掛けた橋梁の上面に上部急行の線路を設け、これら二層配線の両側中段に各停線路を作って十文字状の断面配線の複々線となる地下鉄道を設けることを特徴とし、中間駅では十文字状配線を崩すことなく各停客の乗降が出来るホームを持つ地下駅を設け、緩急乗換駅では急行線路の上下二層状配線をそのままとして急行停車ホームを設けるが、各停線路のみを該ホームの対向位置まで導く構成とする。
【選択図】 図1
Description
このような大型円形断面や眼鏡型断面のトンネルはいずれも往復の複線の敷設を標準とするものである。一般に都市部に設けられる地下鉄では経路そのものが乗客にとっては目的地でもある事から、殆どの場合都市部では各駅停車となっている。
シールド掘進機によって構築される本発明のトンネル躯体1aの直径1acを13,900mm程度とすると、すでに実用化されている新幹線複線トンネル躯体1bの直径1bdの13,020mmに比較して、ほんの僅かに大きいだけであり、この本発明のトンネル躯体の壁厚2を新幹線トンネルと同じの一次覆工のセグメント部分を550mmに、二次覆工(内面)を300mmの合計850mmとすると、トンネル内半径3は6,100mmとなる。この円形内面断面の空間内には、在来線の建築定規幅4の3,200mmと建築定規高5の4,700mmとで構成規定される列車の安全走行に必要な建築限界6を、それらを支持するトンネル内構造物と共に上下左右に4線となる複々線を支障なく余裕をもって納めることが出来る。トンネル内の底には、列車荷重とそれらを支承する架台などの全ての荷重を受け支えるインバートコンクリート7を流し込んで固め、このインバートコンクリート7上に下部急行往路線路9bを敷き、ここを通る車両の建築限界6に抵触しない両側のインバーターコンクリート7上に、上層架脚柱8、8をに立ててその上端に橋梁10aを渡し掛けたその上へ、上部急行復路線路9aを敷設する。この図で下部急行往路線路9bの建築限界6の範囲を示す内側には、よく解るように実際の車両(JR新快速223系)の正面図を配した。これによって急行の往復線路がトンネル内で上下二層として敷設される。
次に各停の往復線路については、トンネル内で幅が最も広くなっている中段の両側において設けられるが、その線路を支えるための橋梁10bおよび10bは、その一方側がそれぞれ上層架脚柱8の中程の位置で支持固定されるが、その他端側では、特許第3099086号における円弧柱(14)と同じ作用効果を持つ円弧脚柱12によって支えられるが、この脚柱12はトンネル躯体壁1aの内側曲面に添って防震ゴムを介して密着させながら、その下方はインバートコンクリート7に対して両側から挟むようにして踏板13を介してアンカーボルトで固定される。このようにして各停復路線路11aと各停往路線路11bが敷設され、急行線路9a9bと共に円形断面のシールドトンネルで、その配線断面の形状が十文字状となる複々線を、単一のトンネル内でまとまった姿で実現させることが出来る。
図1の中で14は本発明トンネルにおける外半径6,950mmであり、15はトンネル内火災などに対応させる吸排気ダクト、16は電車パンダグラフへ給電する架空線を支える腕であり、17は新幹線車両、18は新幹線トンネルにおける大量のインバートコンクリート、19は新幹線トンネル外半径6,510mm、1bは新幹線トンネルの躯体である。
この図の緩急乗り換え駅への停車を詳述すると、急行の往復線9a9bは上下二層状のままとして、上層乗換ホーム24aおよび下層乗換ホーム24bの急行停車位置にそれぞれ停車させるが、各停はこの駅へ到達する少し手前で本発明トンネル躯体1aから真横へ単線の小トンネル23、23として脱出させて、上部急行が復路線路9aとして停車する駅の上層乗換ホーム24aの向かい側に各停として停車できるように、復路の各停線路11aを上昇させて導く。同様に下部急行往路線路9bとして停車する駅の下層乗換えホーム24bの向かい側に停車できるように、往路の各停線路11bを下降させて導く。25aは停車位置における各停の単線復路トンネル躯体であり、25bは停車位置における各停の単線往路トンネル躯体である。
そのことによつて、最初から将来の輸送需要や混雑回避を考えてこのように単一トンネルによる複々線として建設しておけば、極めて長年月にわたって都市の交通需要の増大に耐え得る都市高速鉄道を永久的な快適交通設備として確保することができる。即ち走行速度を異にする各駅停車(緩行)と急行を往復で専用線とすることが可能となり、緩急それぞれが平行ダイヤを密に組めることとなって、混雑を抑える大幅な増発を可能として輸送量を著しく高め、同時に急行列車での高速走行をも実現させ、主要駅では緩急の相互乗換を容易にすることと合わせて、旅行客には著しい快適性をもたらす。
また建設のための工事はシールド掘進が一本だけで済むからそのための費用は割安となり、完成後の運用においても一本のトンネル内のため保守管理が容易となる。そして複線トンネルを二本別々につくっての複々線の場合よりも中間駅や緩急乗換駅の構成が単純明解となって乗客の負担も減少させ、大都市の高速鉄道建設で地下鉄道としての効用を如何なく発揮することが出来る。
1b 新幹線のトンネル躯体
1ac 本発明トンネルの直径
1bd 新幹線トンネルの直径
2 トンネル躯体の壁厚
3 本発明のトンネル内半径
4 建築定規幅
5 建築定規高
6 建築限界
7 本発明のインバートコンクリート
8 上層架脚柱
9a 上部急行復路線路
9b 下部急行往路線路
10a 急行線の橋梁
10b 各停線の橋梁
11a 各停復路線路
11b 各停往路線路
12 円弧脚柱
13 踏板
14 本発明トンネルの外半径
15 吸排気ダクト
16 架空線の支え腕
17 新幹線車両
18 新幹線トンネルのインバートコンクリート
19 新幹線トンネル外半径
20a 駅ホームカプセル復路
20b 駅ホームカプセル往路
21a プラットホーム復路
21b プラットホーム往路
22 階段やエスカレーター
23 単線の小トンネル
24a 上層乗換ホーム復路
24b 下層乗換ホーム往路
25a 各停の単線復路トンネル躯体
25b 各停の単線往路トンネル躯体
(14) 特許第3099086号における円弧柱
Claims (1)
- シールド掘進工法によって車両建築限界の4個分が余裕をもって納まる大きさの円形断面として作られたトンネルにおいて、中央下方の底に充填されたインバートコンクリート上に下部急行線路を設け、その線路の両側のインバートコンクリート上に立てた上層架脚柱の上端で脚柱相互間を渡し掛けた橋梁の上に上部急行線路を設け、これら急行線路の両側で円形断面トンネルの最も広幅となっている中段の位置に、上層架脚柱の中程でその一方が支えられ、他方がインバートコンクリートの側方上面で固定的に支えられながらトンネル躯体内壁面に添って防震ゴムを介して柱の側面が壁内面に圧着状に立てられた円弧脚柱の上との間に、差し渡し掛けた橋梁の上には、それぞれ往復の各停線路を設け、中間駅ではトンネル躯体の両側における地下に開口部を作って各停列車が停車する駅ホームを設け、また緩急乗換駅では各停列車の線路のみが駅手前で局部的にトンネル躯体の両側へ単線トンネルで脱出させた後に、急行列車が停車する上下の駅ホームの対向停車位置へと上昇したり降下したりして接続させることとなる、単一のシールドトンネル内を走行する線路の配線断面の姿が上下左右に十文字状の複々線となることを特徴とする地下鉄道。
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