JP2005023262A - 生分解性プラスチック及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃棄後そのまま放置しておいても生分解で完全に土壌等に還るように構成して、廃棄処分のための手間と労力を省くことができるようにした生分解性プラスチックを提供する。
【解決手段】 生分解性プラスチック1〜17は、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材と、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーとを水を介して混合し、所定形状に乾燥固化して構成したものである。当該生分解性プラスチックにより、例えば、食品用加工容器1、食品用加工シート2、食品向け加工品3〜8、産業用加工容器9、産業用加工シート10、産業向け加工品11〜17等を簡単に構成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 生分解性プラスチック1〜17は、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材と、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーとを水を介して混合し、所定形状に乾燥固化して構成したものである。当該生分解性プラスチックにより、例えば、食品用加工容器1、食品用加工シート2、食品向け加工品3〜8、産業用加工容器9、産業用加工シート10、産業向け加工品11〜17等を簡単に構成することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、生分解性プラスチックに係り、詳しくは使用後の廃棄による環境汚染を防止すると共に、廃棄処分に要する手間と労力を大幅に軽減し得るようにした生分解性プラスチック、及びその製造方法に関する。なお、上記プラスチックなる語句は、合成樹脂を意味するものではなく、天然物100[%]等の可塑性物質を意味し、該プラスチックにより、成形品、発泡材、繊維等が作られる。
近年、所謂不燃系ゴミを埋立て或いは焼却処分する廃棄処理に起因して地球環境が悪化する問題に配慮し、使用後に不燃系ゴミとなるような加工品を、生分解性を有する材質で成形する試みがなされるようになった。当該生分解性とは、適度な湿度と温度を保つ土壌中や水中等に放置された際に微生物の働きで無害な二酸化炭素と水に分解される性質を意味する。
ところで、生分解性物質からなる成形品として、生分解性を有する脂肪族ポリエステルを素材としながらガラス繊維等の配合にて剛性を高めるように構成したものが存在する(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1に開示された上記生分解性物質からなる成形品によると、配合されたガラス繊維等により成形品の剛性は増大されるものの、土壌等に埋めて廃棄した場合、ガラス繊維等は分解されることなく土壌中に残存するため、成形品全体をすべて自然環境に還すことは困難である。
そこで本発明は、廃棄後そのまま放置しておいても生分解にて完全に土壌等に還るように構成して、土壌汚染や大気汚染の虞を無くすると共に、廃棄処分に要する手間と労力を省くことができるようにし、もって上述した課題を解決した生分解性プラスチック、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1及び図2参照)、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材と、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーとを水を介して混合し、所定形状に乾燥固化して構成したことを特徴とする生分解性プラスチック(1ないし17)にある。
なお、上記微細化とは、天然素材を粉末化することは勿論、植物繊維をバラして糸状化することも含む。従って、微細化された天然素材は、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類などの粉粒物、植物繊維等の糸状片を意味する。
請求項2に係る本発明(例えば図1及び図2参照)は、食品用加工容器(1)、食品用加工シート(2)、食品向け加工品(3ないし8)、産業用加工容器(9)、産業用加工シート(10)、及び産業向け加工品(11ないし17)のうちの少なくとも1種を構成することを特徴とする請求項1記載の生分解性プラスチックにある。
請求項3に係る本発明は(例えば図1参照)、前記食品向け加工品が、スプーン(3)、フォーク(4)、箸(5)、及びカップ類(6,7,8)のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする請求項2記載の生分解性プラスチックにある。
請求項4に係る本発明は(例えば図2参照)、前記産業向け加工品が、農業用グリーンロック加工品(11)、産業用グリーンロック加工品(12)、造園用シートロック(13)、産業全般用の容器(14)、パッキング材(15)、スポンジ代替品(16)、及びタワシ加工品(17)のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする請求項2又は3記載の生分解性プラスチックにある。
請求項5に係る本発明は(例えば図1及び図2参照)、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材に、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーを水と共に加える第1の工程と、
前記主材と前記バインダーとを攪拌混合する第2の工程と、
攪拌混合した前記主材と前記バインダーとを成形型にて所定形状のプラスチックに乾燥固化する第3の工程と、
を備えることを特徴とする生分解性プラスチック(1ないし17)の製造方法にある。
前記主材と前記バインダーとを攪拌混合する第2の工程と、
攪拌混合した前記主材と前記バインダーとを成形型にて所定形状のプラスチックに乾燥固化する第3の工程と、
を備えることを特徴とする生分解性プラスチック(1ないし17)の製造方法にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、生分解性プラスチックが、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材と、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーとを混合して乾燥固化されて構成されるので、当該生分解性プラスチックにより種々の加工品を製造した場合、該生分解性プラスチックが天然素材以外のガラス繊維等の物質を含まないことから、使用後に加工品をそのまま土壌中や水中等に廃棄しても、生分解により加工品全体をすべて確実に土壌等に還すことができる。このため、土壌汚染や大気汚染の発生を防止できると共に、廃棄処分に掛かる手間と労力を省くことができる。また、廃棄する生分解性プラスチックを有機肥料として活用することも可能となる。
請求項2に係る本発明によると、生分解性プラスチックが、食品用加工容器、食品用加工シート、食品向け加工品、産業用加工容器、産業用加工シート、及び産業向け加工品のうちの少なくとも1種を構成するので、生分解性プラスチックを種々の用途で充分に活用しながらも、使用後には土壌中や水中等にそのまま放置するだけで、プラスチック全体をすべて確実に生分解して土壌中等に還し、廃棄処分に掛かる手間と労力を省くことができる。
請求項3に係る本発明によると、所謂ファーストフード店などで多く使用される使い捨てスプーンやフォーク、箸、カップ類等の食品向け加工品を生分解性プラスチックにて構成できるので、不燃物系ゴミとして日々大量に出るこれらスプーン等を、地球環境に悪影響を及ぼすことなく、極めて簡単に処分し得るようになる。
請求項4に係る本発明によると、農業用グリーンロック加工品、産業用グリーンロック加工品、造園用シートロック、産業全般用の容器、パッキング材、スポンジ代替品、タワシ加工品等の産業向け加工品を生分解性プラスチックにて構成できるので、廃棄後にそのまま放置、埋設しておくだけで自然に生分解し得る産業用の種々の加工品を得ることができる。
請求項5に係る本発明によると、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材に、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーを水と共に加え、これを攪拌混合した後、所定形状に乾燥固化するだけで、天然素材以外の物質を含まず、使用後にそのまま土壌中や水中等に廃棄しても自然に生分解し、すべてを確実に土壌等に還すことができる生分解性プラスチックを容易に得ることができる。
以下、図面に沿って、本発明に係る実施の形態について説明する。図1(a)ないし(h)及び図2(a)ないし(i)は、本実施の形態の生分解性プラスチックにて形成した種々の加工品をそれぞれ示す斜視図である。
即ち、図1(a)には食品用加工容器1を、図1(b)には食品用加工シート2を、図1(c)ないし(e)には、食品向け加工品であるスプーン3、フォーク4、箸5をそれぞれ示す。また図1(f)ないし(h)には、食品向け加工品である大、中、小のカップ6,7,8をそれぞれ示す。なお、上記スプーン3には、小スプーンや洋食用スプーン等の各種スプーンが含まれる。
図2(a)には産業用加工容器9を、図2(b)には産業用加工シート10をそれぞれ示す。また図2(c)ないし(i)には、産業向け加工品である、略々帯状の植物育成・栽培用床部材としてのグリーンロック11、略々帯状のグリーンロックを個々のブロック片に分離可能に構成したグリーンロック12、造園用シートロックとして広い板(苗床)状に構成したグリーンロック13、産業全般用の容器14、梱包時の隙間埋め等の用途に用いるパッキング材15、スポンジ状に成形したスポンジ代替品16、及びタワシ加工品17をそれぞれ示す。なお、上記グリーンロック11,12,13はいずれも農業用(例えば専門の農作用)として、また産業用(例えば一般の園芸用)として使用することができる。また、図2(d)中の符号12aは、ブロック片に植えつけた植物の種子を発芽、成長させるための穴である。
図1(a)ないし(h)及び図2(a)ないし(i)に示した各加工品はいずれも、トウモロコシ、大豆等の豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材と、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーとを水を介して混合し、所定形状に乾燥固化して構成したものである。
なお、上記微細化とは、天然素材を粉末化することは勿論、植物繊維をバラして糸状化することも含む。従って、微細化された天然素材は、トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類などの粉粒物、植物繊維等の糸状片を意味する。
上記生分解性プラスチックである各加工品は、100%天然素材を使用して、例えば以下の方法で得ることができる。即ち、トウモロコシ、大豆等の豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材に、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーを、適量の水と共に加え、これら主材とバインダーとを均一に攪拌混合する。
上記コンニャク粉には、例えば、コンニャク芋を加工して粉粒物にし、水と混合して撹拌しながら加熱し、石灰等のアクを入れながら更に撹拌し、冷却した後、温湯を注いで、数十分後にアク抜きをしてコンニャクを形成し、更にこれを乾燥して粉粒物にしたものを使用することができる。また上記植物には、例えば、いも類、ごぼう、へちま等の野菜、或いは、水苔、葦、い草、藁等の繊維質のもの等を、単独で又は併用して使用することができる。
次いで、当該攪拌混合した主材とバインダーとを、成形型を用いて所定形状のプラスチックに乾燥固化させて生分解性プラスチックを得る。この乾燥固化時には、熱或いは圧力を加えることが好ましい。また、生分解性プラスチックをグリーンロック11〜13として用いる場合、当該プラスチックは栽培される植物の根が張り易いように軟粘性を有することが好ましいが、上記バインダーとしてコンニャクを配合使用すると、このような軟粘性を得るのに有利になる。
上記100%天然素材として、所謂生ゴミとして廃棄されるものを利用することもできる。当該100%天然素材は、適宜の手段にて微細化されて用いられるが、微細化で粉粒物とされる際、その大きさは例えば粒径又は繊維径が0.1〜0.5mm程度であることが生分解性プラスチックの成形性上好ましい。
従って、本実施の形態によると、トウモロコシ、大豆等の豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材に、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーを水と共に加え、これを攪拌混合した後、所定形状に乾燥固化するだけで、天然素材以外の物質を含まず、使用後にそのまま土壌中や水中等に廃棄しても自然に生分解し、すべてを確実に土壌等に還すことができる生分解性プラスチックを容易に得ることができる。また、生分解性プラスチックが天然素材以外のガラス繊維等の物質を含まないので、生分解性プラスチックにより種々の加工品を製造した場合、使用後そのまま廃棄しても生分解にて確実に土壌等に還すことができ、土壌汚染や大気汚染の発生を防止できると共に、廃棄処分に掛かる手間と労力を省くことができる。更に、廃棄する生分解性プラスチックを有機肥料として活用することも可能となる。
また生分解性プラスチックが、食品用加工容器1、食品用加工シート2、食品向け加工品、産業用加工容器9、産業用加工シート10、及び産業向け加工品のうちの少なくとも1種を構成するので、生分解性プラスチックを種々の用途で充分に活用しながらも、使用後には土壌中等にそのまま放置するだけで、プラスチック全体をすべて確実に生分解して土壌中等に還し、廃棄処分に要する手間を省くことができる。
また上記食品向け加工品として、所謂ファーストフード店などで多く使用される使い捨てスプーン3やフォーク4、箸5、カップ類6,7,8等を生分解性プラスチックで構成することにより、不燃物系ゴミとして日々大量に出るこれらスプーン等を、地球環境に悪影響を及ぼすことなく、極めて簡単に処分することができるようになる。更に上記産業向け加工品として、農業用グリーンロック加工品11、産業用グリーンロック加工品12、造園用シートロック13、産業全般用の容器14、パッキング材15、スポンジ代替品16、タワシ加工品17等を生分解性プラスチックで構成することにより、廃棄後にそのまま放置、埋設等しておくだけで確実にすべて生分解し得る産業用の種々の加工品を得ることができる。
なお、本発明に係る生分解性プラスチックとして図1及び図2に種々の構成例を挙げたが、当該生分解性プラスチックによる加工品は、上記各構成例に限らず、例えば糸、繊維、発泡材(例えば、魚等の梱包に用いる箱、所謂カップラーメンの容器、納豆のパッケージ)、ストロー苗鉢、カード加工品、電気部品、電話機、時計ケース等、目的や用途に応じた他の加工品として成形できることは勿論である。
本発明に係る生分解性プラスチックは、食品用の各種加工品、或いは産業用の各種加工品などの成形に用いて有用であり、特に使用後の廃棄処理に手間が掛かるような加工品の成形に適している。
1:食品用加工容器
2:食品用加工シート
3:食品向け加工品(スプーン)
4:食品向け加工品(フォーク)
5:食品向け加工品(箸)
6,7,8:食品向け加工品(大、中、小のカップ)
9:産業用加工容器
10:産業用加工シート
11,12,13:グリーンロック
14:産業全般用の容器
15:パッキング材
16:スポンジ代替品
17:タワシ加工品
2:食品用加工シート
3:食品向け加工品(スプーン)
4:食品向け加工品(フォーク)
5:食品向け加工品(箸)
6,7,8:食品向け加工品(大、中、小のカップ)
9:産業用加工容器
10:産業用加工シート
11,12,13:グリーンロック
14:産業全般用の容器
15:パッキング材
16:スポンジ代替品
17:タワシ加工品
Claims (5)
- トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材と、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーとを水を介して混合し、所定形状に乾燥固化して構成したことを特徴とする生分解性プラスチック。
- 食品用加工容器、食品用加工シート、食品向け加工品、産業用加工容器、産業用加工シート、及び産業向け加工品のうちの少なくとも1種を構成することを特徴とする請求項1記載の生分解性プラスチック。
- 前記食品向け加工品は、スプーン、フォーク、箸、及びカップ類のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする請求項2記載の生分解性プラスチック。
- 前記産業向け加工品は、農業用グリーンロック加工品、産業用グリーンロック加工品、造園用シートロック、産業全般用の容器、パッキング材、スポンジ代替品、及びタワシ加工品のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする請求項2又は3記載の生分解性プラスチック。
- トウモロコシ、豆類、芋、古米・雑穀等の穀類、雑草等の植物繊維、砂糖キビ、パイナップル又は海藻類等の100%天然素材を微細化した主材に、柿渋、コンニャク粉、松ヤニ又はウルシ等の100%天然素材からなるバインダーを水と共に加える第1の工程と、
前記主材と前記バインダーとを攪拌混合する第2の工程と、
攪拌混合した前記主材と前記バインダーとを成形型にて所定形状のプラスチックに乾燥固化する第3の工程と、
を備えることを特徴とする生分解性プラスチックの製造方法。
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JP2003270032A JP2005023262A (ja) | 2003-07-01 | 2003-07-01 | 生分解性プラスチック及びその製造方法 |
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