JP2005022313A - 積層ポリプロピレンフイルム - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な手切れ性を有するポリプロピレンフイルムを提供することにある。
【解決手段】ポリプロピレン樹脂と石油樹脂またはテルペン樹脂との混合樹脂層(B)が、混合樹脂層(B)に混合されたポリプロピレンより結晶化温度が低いポリプロピレン樹脂層(A)の少なくとも片面に、フイルム全厚に対して(B)が5〜60%の厚みになる様に積層され、少なくとも一軸延伸後に(A)の融点より10℃低い温度以上(B)に混合されたポリプロピレン樹脂の融点未満の温度で熱処理し、各表層面を合わせた時の静止摩擦係数が0.45以下であるポリプロピレンフイルム。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリプロピレン樹脂と石油樹脂またはテルペン樹脂との混合樹脂層(B)が、混合樹脂層(B)に混合されたポリプロピレンより結晶化温度が低いポリプロピレン樹脂層(A)の少なくとも片面に、フイルム全厚に対して(B)が5〜60%の厚みになる様に積層され、少なくとも一軸延伸後に(A)の融点より10℃低い温度以上(B)に混合されたポリプロピレン樹脂の融点未満の温度で熱処理し、各表層面を合わせた時の静止摩擦係数が0.45以下であるポリプロピレンフイルム。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリプロピレン延伸フイルムに関する。更に詳しくは、ポリプロピレン延伸フイルムの優れた特性である耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持し、良好な引き裂き性を具備した包装用フイルムやテープ用フイルムとして有用なポリプロピレン延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、切断性の優れたフイルムとしては、セロハンが知られている。セロハンは、その優れた透明性と易切断性の特性により各種包装材料、粘着テープ用として重用されている。しかし、一方ではセロハンは吸湿性を有するため特性が季節により変動し一定の品質のものを常に供給することは困難であった。また、ポリプロピレンをベースフイルムとした包装用袋や粘着テープなどは、延伸されたポリプロピレンフイルムの強靱性、耐水性、透明性などの優れた特性の良さを買われて用いられているが、これらの優れた特性を有する反面、切断しにくく、包装用袋の口を引き裂き難い欠点や、粘着テープが切りにくい欠点があるために易切断性包装用に用いることができない等の欠点があった。
【0003】
上記欠点を解決する方法として、非相溶の複数のポリマーを含む組成物を押出し成形した引裂き製フイルムが知られている。
例えば、直鎖状低密度ポリエチレンと、特定の溶解度係数を有する熱可塑性樹脂とを99/1〜80/20(重量比)の割合で配合し、熱溶融押出しする製造方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ナイロンなどの高融点樹脂とポリエチレンなどの低融点のオレフィン樹脂とを組み合わせて押出し成形した易引裂き性フイルムがある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに一軸方向に配向させたポリプロピレンフイルムや低分子量のポリプロピレン樹脂を用いるものがある。
また、ポリプロピレン樹脂に石油樹脂を添加した混合樹脂を用いる方法なども提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
しかしながら、上記従来技術において、これらのフイルムは、強度および凝集力が小さく、取扱い性や加工性を大きく低下させる。さらに、一軸方向に配向させる方法は、配向方向へは直線的に容易に切れるが配向方向以外には切れにくく、また低分子量のポリプロピレン樹脂を用いる方法、ポリプロピレン樹脂に石油樹脂を添加した混合樹脂を用いる方法は、フイルムの伸びが低下するため、弾性が損なわれ、延伸工程での膜破れのトラブルが発生しやすくなり実用的でなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−153733号公報
【特許文献2】
特開平4−19137号公報
【特許文献3】
特公平6−94208号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明はポリプロピレンフイルムの優れた特性である防湿性、透明性等を有し、さらにセロハンの有する特性のうち特に易切断性を有し、かつ生産効率の良いフイルムを得ることを目的として研究し、これを達成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層ポリプロピレンフィルムは、結晶化温度が90〜110℃のポリプロピレン樹脂からなる樹脂層(A)の少なくとも片側に樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂より結晶化温度が高いポリプロピレン樹脂が90〜99wt%と極性基、不飽和結合を含まない石油樹脂1〜10wt%からなる樹脂層(B)が積層された積層ポリプロピレンフィルムであって、樹脂層(B)の厚みが(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)全厚み(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)に対し5%以上、60%以下であり、かつ引き裂き加工性に優れることを特徴とするものである。
【0008】
ここで、混合樹脂層(B)の厚みは、混合樹脂層(B)がポリプロピレン樹脂層(A)の両面に積層されている場合は、その厚みを合計したものをいう。
【0009】
この場合において、前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(B)が、(B)/(A)または(B)/(A)/(B)構成に積層され、かつ前記フイルムの長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の2〜4倍であることが好適である。
【0010】
さらにまた、この場合において、前記フィルムの各表層面を合わせた時の静止摩擦係数が0.45以下であることが好適である。
【0011】
本願の第2の発明は、結晶化温度が90〜110℃のポリプロピレン樹脂からなる樹脂層(A)の少なくとも片側に樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂より結晶化温度が高いポリプロピレン樹脂が90〜99wt%と極性基、不飽和結合を含まない石油樹脂1〜10wt%からなる樹脂層(B)が積層された積層ポリプロピレンフィルムであって、樹脂層(B)の厚みが(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)全厚み(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)に対し5%以上、60%以下である未延伸積層フィルムを得る工程と前記未延伸積層フィルム少なくとも1軸延伸する工程と樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂の融点−10℃以上、樹脂層(B)に含有されるポリプロピレン樹脂融点未満の温度で熱処理する工程からなることを特徴とする引き裂き加工性に優れる積層ポリプロピレンフイルムの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の混合樹脂層(B)に用いられる石油樹脂とは、石油の熱分解により得られるモノマーを触媒重合することにより得られる重合体、もしくはこの重合体の水素添加物をいい、一般にテルペン、好ましくはシクロペンタジエン、スチレン、ブタジエン、イソプレンのようなモノマーから構成される。重合体はこれらのモノマーのうちの一種類の単独重合体もしくは混合体でもよく、特に脂環族飽和炭化水素タイプが好ましい。これは、石油樹脂の混合量が1%未満であれば、フイルムの剛性が不足し、フイルムが伸びやすく手切れ性が得られなく、さらに滑り性も低下する。10%以上であればフイルムの柔軟性が損なわれ、実用上のフイルム強度が得られない。
【0013】
ポリプロピレンは特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン単独やポリプロピレンを主成分としてエチレン,ブテン,ペンテン,へキセン等のα−オレフィンから選ばれる1種または2種以上とのランダム共重合体やブロック共重合体等、或いはこれらの重合体を二種以上混合した混合体によるものであってもよい。また物性改質を目的として酸化防止剤,帯電防止剤,可塑剤等、公知の添加剤が添加されていてもよく、特にポリエチレン、ポリブテンで変性されたポリプロピレン共重合体が結晶化温度の調整に好適である。またポリプロピレン樹脂層(A)に用いられるポリプロピレンの結晶化温度は混合樹脂層(B)に用いられるポリプロピレンの結晶化温度より低い温度、特に好ましくは5〜10℃程度、低い温度である。
【0014】
ここでいう未延伸積層フイルムとは、複数の押出機等の中で、融点以上の温度で別々に溶融し、ダイス出口から押し出して成形した未延伸フイルム同士を加温状態でラミネートする方法が挙げられる。別の方法としては一方の未延伸フイルムの表面に、他方の溶融フイルムを溶融ラミネートする方法がある。さらに別の方法としては共押し出し法により積層した状態でダイス出口より押し出して未延伸フイルムを成形する方法がある。
【0015】
本発明のポリプロピレンフイルムは、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の各種添加材、例えば滑剤、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤等が添加されていてもよい。
特に混合樹脂層(B)に用いられるポリプロピレンは加工性に適した滑り性を得るため、ポリオキシエチレン、ステアリルアミン、モノステアリン酸エステル、ステアリン酸モノグリセリンエステル等の化合物を添加したり、炭酸カルシウム、シリカ粒子等の無機粒子、PMMA等の不活性有機粒子、ポリカーボネート、ポリスチレン等の非相溶樹脂が少量添加されていることが好ましい。特にステアリン酸モノグリセリンエステルは優れた帯電防止性を示しフイルムの滑り性に効果がある。また、PMMA等の不活性有機粒子は粒子の凝集が少なく、透明性と滑り性の両立に特に好適である。
【0016】
次に本発明フイルムの製造法として好適な一例を説明する。本発明は下記に限定されものではない。
熱風乾燥したポリプロピレン樹脂(A)及び石油樹脂とポリプロピレン樹脂の混合物(B)をそれぞれ別の2台の押出機に供給し、それぞれの融点以上の温度で溶融押し出しし、複合アダプターを通過させ、2種3層(B/A/B)または2種2層(B/A/)として口金より押し出し冷却固化させて未延伸積層フイルムを成形する。
【0017】
延伸工程では、面積倍率で8〜50倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸することができる。また、延伸方法は、1軸延伸、2軸延伸を問うものではなく、2軸延伸の場合も、同時2軸延伸法、逐次2軸延伸法、インフレーション法などで実施することができるが逐次2軸延伸が一般的である。
【0018】
逐次2軸延伸を行う場合の条件としては、まず縦方法に、100〜150℃に加熱した周速差を有するロール間で3〜8倍程度延伸し、次いで幅方向にテンター延伸機を用いて140〜170℃程度の温度で4〜10倍程度延伸する。
【0019】
この延伸フイルムをポリプロピレン樹脂層(A)の融点−10℃以上、混合樹脂層(B)に混合されたポリプロピレンの融点よりも低い温度で熱処理を行う。
この熱処理では、必要に応じて弛緩処理を行ってもよいことは言うまでもない。
【0020】
前期熱処理によりポリプロピレン樹脂層(A)は延伸による分子配向が殆ど崩壊し、本発明の目的とする引き裂き性が得られ、ポリプロピレン樹脂層(B)は分子配向を維持している為に本発明の特性を有するフイルムが得られると考えられる。また、ポリプロピレン樹脂層(A)の分子配向が殆ど崩壊した為に、フイルムの剛性が著しく低下し、フイルムを重ねた際の滑り性が劣る結果になる。この場合、混合樹脂層(B)に石油樹脂を混合することで、剛性感を確保でき、実用上の滑り性を得ることができる。
【0021】
さらに本発明のフイルムに対して、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、火炎処理などを行い、接着性を向上させることは、本発明に対して本発明に対して何ら支障なく、該処理はフイルム製造工程の中で行ういわゆるインライン処理で行っても良いし、製造されたフイルムに後工程として処理するいわゆるオフライン処理で行っても良い。
【0022】
混合樹脂層(B)の厚みは全厚みの5〜60%、好ましくは10〜40%以下の厚みが好ましい。混合樹脂層(B)の厚みが全厚みの5%未満の場合は、得られるフイルムが伸びやすくなり、実用上支障がでる。また混合樹脂層(B)の厚みが全厚みの60%を越えると目的とする引き裂き性が低下する。
またポリプロピレン樹脂層(A)と混合樹脂層(B)の積層は3層(B/A/B)または2層(B/A)の構成のどちらでもよい。
さらに、延伸フイルムの厚みは本発明の目的とする用途である包装用袋や粘着テープなどで使用されるフイルム厚みは15μから40μであるが、特に限定されるものではない。
【0023】
フイルムの長手方向の破断伸度は200以下が好ましく、フイルムの長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の2〜4倍、特に2.5〜3.5倍であることが好ましい。長手方向の破断伸度が2倍以下であれば、グラビア印刷等の加工の際、フイルムが切断しやすくなり、4倍以上の場合、フイルムの伸びにより、引き裂き性が得られない。
【0024】
本発明は前述した如く、製膜ラインでの熱処理により分子配向が殆ど崩壊した引き裂き性を付与する層と、分子配向を維持したポリプロピレン本来の特性を有する層のバランスにより目的とするフイルム特性を自在に設定出来る利点を有するとともに、分子配向を維持した層が存在しフイルム強度を維持できる。
本発明において、フイルムの滑り性を調整することで製膜での破断トラブル等も防止できる利点を有する。
【0025】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明する。実施例および比較例における評価の方法については下記の方法で行った。
【0026】
(a)融点、結晶化温度
基材層(A)及び表面層(B)と同一組成の単層フイルムをそれぞれ作成し、得られたフイルムを用いて、JIS K−7121に準拠し、示差走査熱量測定法により、フイルムを加熱し、溶融ピーク温度を測定して融点とした後、10℃/minの速度で冷却し、結晶化のピーク温度を測定して結晶化温度とした。
【0027】
(b)メルトインデックス
JIS−K−7210に準拠し測定した。
【0028】
(c)手切れ性
官能テストで行い、幅15mm・長さ100mmのテープ状サンプルを手で切断した時、容易に手で切断できるものものを○、容易に手で切断できないものを×とした。
【0029】
(d)静止摩擦係数
JIS−K−7125に準拠し測定した。
【0030】
(e)破断伸度
JIS−K−7127に準拠し測定した。
【0031】
(f)フイルム厚さ
JIS−Z−1702に準拠し測定した。
また、積層フイルムの各層厚さは、試料を切り出し、冷却状態で氷包埋してミクロトームによる断面試料を作成した。これを試料台に貼り付け、断面観察用試料とし、Ptスパッタコートを施し、走査型電子顕微鏡により1000〜1万倍で観察及び測定を行った。
【0032】
(実施例1)
融点が145℃、結晶化温度が102℃のポリプロピレン系樹脂(プロピレンーエチレン共重合体、エチレン成分3%、MI=4g/10分)(A)と、石油樹脂(アルコンP−125)5wt%、融点が163℃、結晶化温度が111℃のポリプロピレンにステアリン酸モノグリセリンエステルを1.0重量%、PMMA粒子(日本触媒エポスターMA1002)を3000重量ppm溶融混合したポリプロピレン(ポリプロピレン重合体、MI=7g/10分)95wt%の混合物(B)をおのおの260℃の温度で別々の押出機により溶融しこの溶融体を複合アダプターで合流させた後にTダイより押し出し、冷却ドラムで急冷して(B/A/B)構成の3層の未延伸積層フイルムを得た。このときの混合樹脂層(B)のMIは10g/10分であった。
【0033】
該未延伸積層フイルムをまず縦方向に130℃で5倍、次いで横方向に155℃で8.5倍に延伸した後、3%の弛緩を行いつつ160℃の温度で熱処理を行い(B)層側にコロナ処理を施した上で、フィルムワインダーにより巻き取ってフィルムを得た。最終的なフィルム厚みは25μmであった。このフイルムのB/A/B各層の厚み比率はそれぞれ2/21/2の比率であった。
【0034】
かくして得られたフイルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。また、本フィルムは製膜及びスリット時、さらにグラビア印刷時にも破断等のトラブルは無く生産性も良好であった。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ4/17/4に変更した25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムも実施例1よりも少し抵抗はあるが手切れ性のあるフィルムが得られた。
【0036】
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂(A)を、融点が163℃、結晶化温度が111℃のポリプロピレン(ポリプロピレン重合体、MI=7g/10分)に変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは強靭で手切れ性は無かった。
【0037】
(比較例2)
混合樹脂(B)に石油樹脂を混合せず、融点が163℃のポリプロピレンに変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは長手方向に伸びるため、手切れ性は無かった。
【0038】
(比較例3)
混合樹脂(B)石油樹脂を40wt%、融点が163℃のポリプロピレン60wt%に変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。しかし巻物のフイルムを巻き出すと、そのままフイルムが切断し、生産性が悪いものであった。
【0039】
(比較例4)
混合樹脂(B)ポリプロピレン重合体がステアリン酸モノグリセリンエステル、PMMA粒子を含まないものに変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。しかし巻物のフイルムを巻き出すと、そのままフイルムが切断し、生産性が悪いものであった。
【0040】
(比較例5)
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ10/5/10に変更した25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは手切れ性は無かった。
【0041】
(比較例6)
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ130℃の温度で熱処理を行った25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは手切れ性は無かった。
【0042】
(比較例7)
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ170℃の温度で熱処理を行ったが溶融によりフイルムは得られなかった。
【0043】
実施例および比較例で得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
以上の如く、手切れ性の良好なポリプロピレンフイルムが得られ、包装用として有効なことがわかる。
【発明の属する技術分野】
本発明はポリプロピレン延伸フイルムに関する。更に詳しくは、ポリプロピレン延伸フイルムの優れた特性である耐水性等を失うことなく実用面の特性を維持し、良好な引き裂き性を具備した包装用フイルムやテープ用フイルムとして有用なポリプロピレン延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、切断性の優れたフイルムとしては、セロハンが知られている。セロハンは、その優れた透明性と易切断性の特性により各種包装材料、粘着テープ用として重用されている。しかし、一方ではセロハンは吸湿性を有するため特性が季節により変動し一定の品質のものを常に供給することは困難であった。また、ポリプロピレンをベースフイルムとした包装用袋や粘着テープなどは、延伸されたポリプロピレンフイルムの強靱性、耐水性、透明性などの優れた特性の良さを買われて用いられているが、これらの優れた特性を有する反面、切断しにくく、包装用袋の口を引き裂き難い欠点や、粘着テープが切りにくい欠点があるために易切断性包装用に用いることができない等の欠点があった。
【0003】
上記欠点を解決する方法として、非相溶の複数のポリマーを含む組成物を押出し成形した引裂き製フイルムが知られている。
例えば、直鎖状低密度ポリエチレンと、特定の溶解度係数を有する熱可塑性樹脂とを99/1〜80/20(重量比)の割合で配合し、熱溶融押出しする製造方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ナイロンなどの高融点樹脂とポリエチレンなどの低融点のオレフィン樹脂とを組み合わせて押出し成形した易引裂き性フイルムがある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに一軸方向に配向させたポリプロピレンフイルムや低分子量のポリプロピレン樹脂を用いるものがある。
また、ポリプロピレン樹脂に石油樹脂を添加した混合樹脂を用いる方法なども提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
しかしながら、上記従来技術において、これらのフイルムは、強度および凝集力が小さく、取扱い性や加工性を大きく低下させる。さらに、一軸方向に配向させる方法は、配向方向へは直線的に容易に切れるが配向方向以外には切れにくく、また低分子量のポリプロピレン樹脂を用いる方法、ポリプロピレン樹脂に石油樹脂を添加した混合樹脂を用いる方法は、フイルムの伸びが低下するため、弾性が損なわれ、延伸工程での膜破れのトラブルが発生しやすくなり実用的でなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平1−153733号公報
【特許文献2】
特開平4−19137号公報
【特許文献3】
特公平6−94208号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、本発明はポリプロピレンフイルムの優れた特性である防湿性、透明性等を有し、さらにセロハンの有する特性のうち特に易切断性を有し、かつ生産効率の良いフイルムを得ることを目的として研究し、これを達成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層ポリプロピレンフィルムは、結晶化温度が90〜110℃のポリプロピレン樹脂からなる樹脂層(A)の少なくとも片側に樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂より結晶化温度が高いポリプロピレン樹脂が90〜99wt%と極性基、不飽和結合を含まない石油樹脂1〜10wt%からなる樹脂層(B)が積層された積層ポリプロピレンフィルムであって、樹脂層(B)の厚みが(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)全厚み(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)に対し5%以上、60%以下であり、かつ引き裂き加工性に優れることを特徴とするものである。
【0008】
ここで、混合樹脂層(B)の厚みは、混合樹脂層(B)がポリプロピレン樹脂層(A)の両面に積層されている場合は、その厚みを合計したものをいう。
【0009】
この場合において、前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(B)が、(B)/(A)または(B)/(A)/(B)構成に積層され、かつ前記フイルムの長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の2〜4倍であることが好適である。
【0010】
さらにまた、この場合において、前記フィルムの各表層面を合わせた時の静止摩擦係数が0.45以下であることが好適である。
【0011】
本願の第2の発明は、結晶化温度が90〜110℃のポリプロピレン樹脂からなる樹脂層(A)の少なくとも片側に樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂より結晶化温度が高いポリプロピレン樹脂が90〜99wt%と極性基、不飽和結合を含まない石油樹脂1〜10wt%からなる樹脂層(B)が積層された積層ポリプロピレンフィルムであって、樹脂層(B)の厚みが(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)全厚み(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)に対し5%以上、60%以下である未延伸積層フィルムを得る工程と前記未延伸積層フィルム少なくとも1軸延伸する工程と樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂の融点−10℃以上、樹脂層(B)に含有されるポリプロピレン樹脂融点未満の温度で熱処理する工程からなることを特徴とする引き裂き加工性に優れる積層ポリプロピレンフイルムの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の混合樹脂層(B)に用いられる石油樹脂とは、石油の熱分解により得られるモノマーを触媒重合することにより得られる重合体、もしくはこの重合体の水素添加物をいい、一般にテルペン、好ましくはシクロペンタジエン、スチレン、ブタジエン、イソプレンのようなモノマーから構成される。重合体はこれらのモノマーのうちの一種類の単独重合体もしくは混合体でもよく、特に脂環族飽和炭化水素タイプが好ましい。これは、石油樹脂の混合量が1%未満であれば、フイルムの剛性が不足し、フイルムが伸びやすく手切れ性が得られなく、さらに滑り性も低下する。10%以上であればフイルムの柔軟性が損なわれ、実用上のフイルム強度が得られない。
【0013】
ポリプロピレンは特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン単独やポリプロピレンを主成分としてエチレン,ブテン,ペンテン,へキセン等のα−オレフィンから選ばれる1種または2種以上とのランダム共重合体やブロック共重合体等、或いはこれらの重合体を二種以上混合した混合体によるものであってもよい。また物性改質を目的として酸化防止剤,帯電防止剤,可塑剤等、公知の添加剤が添加されていてもよく、特にポリエチレン、ポリブテンで変性されたポリプロピレン共重合体が結晶化温度の調整に好適である。またポリプロピレン樹脂層(A)に用いられるポリプロピレンの結晶化温度は混合樹脂層(B)に用いられるポリプロピレンの結晶化温度より低い温度、特に好ましくは5〜10℃程度、低い温度である。
【0014】
ここでいう未延伸積層フイルムとは、複数の押出機等の中で、融点以上の温度で別々に溶融し、ダイス出口から押し出して成形した未延伸フイルム同士を加温状態でラミネートする方法が挙げられる。別の方法としては一方の未延伸フイルムの表面に、他方の溶融フイルムを溶融ラミネートする方法がある。さらに別の方法としては共押し出し法により積層した状態でダイス出口より押し出して未延伸フイルムを成形する方法がある。
【0015】
本発明のポリプロピレンフイルムは、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の各種添加材、例えば滑剤、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤等が添加されていてもよい。
特に混合樹脂層(B)に用いられるポリプロピレンは加工性に適した滑り性を得るため、ポリオキシエチレン、ステアリルアミン、モノステアリン酸エステル、ステアリン酸モノグリセリンエステル等の化合物を添加したり、炭酸カルシウム、シリカ粒子等の無機粒子、PMMA等の不活性有機粒子、ポリカーボネート、ポリスチレン等の非相溶樹脂が少量添加されていることが好ましい。特にステアリン酸モノグリセリンエステルは優れた帯電防止性を示しフイルムの滑り性に効果がある。また、PMMA等の不活性有機粒子は粒子の凝集が少なく、透明性と滑り性の両立に特に好適である。
【0016】
次に本発明フイルムの製造法として好適な一例を説明する。本発明は下記に限定されものではない。
熱風乾燥したポリプロピレン樹脂(A)及び石油樹脂とポリプロピレン樹脂の混合物(B)をそれぞれ別の2台の押出機に供給し、それぞれの融点以上の温度で溶融押し出しし、複合アダプターを通過させ、2種3層(B/A/B)または2種2層(B/A/)として口金より押し出し冷却固化させて未延伸積層フイルムを成形する。
【0017】
延伸工程では、面積倍率で8〜50倍程度、好ましくは10〜40倍程度に延伸することができる。また、延伸方法は、1軸延伸、2軸延伸を問うものではなく、2軸延伸の場合も、同時2軸延伸法、逐次2軸延伸法、インフレーション法などで実施することができるが逐次2軸延伸が一般的である。
【0018】
逐次2軸延伸を行う場合の条件としては、まず縦方法に、100〜150℃に加熱した周速差を有するロール間で3〜8倍程度延伸し、次いで幅方向にテンター延伸機を用いて140〜170℃程度の温度で4〜10倍程度延伸する。
【0019】
この延伸フイルムをポリプロピレン樹脂層(A)の融点−10℃以上、混合樹脂層(B)に混合されたポリプロピレンの融点よりも低い温度で熱処理を行う。
この熱処理では、必要に応じて弛緩処理を行ってもよいことは言うまでもない。
【0020】
前期熱処理によりポリプロピレン樹脂層(A)は延伸による分子配向が殆ど崩壊し、本発明の目的とする引き裂き性が得られ、ポリプロピレン樹脂層(B)は分子配向を維持している為に本発明の特性を有するフイルムが得られると考えられる。また、ポリプロピレン樹脂層(A)の分子配向が殆ど崩壊した為に、フイルムの剛性が著しく低下し、フイルムを重ねた際の滑り性が劣る結果になる。この場合、混合樹脂層(B)に石油樹脂を混合することで、剛性感を確保でき、実用上の滑り性を得ることができる。
【0021】
さらに本発明のフイルムに対して、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、火炎処理などを行い、接着性を向上させることは、本発明に対して本発明に対して何ら支障なく、該処理はフイルム製造工程の中で行ういわゆるインライン処理で行っても良いし、製造されたフイルムに後工程として処理するいわゆるオフライン処理で行っても良い。
【0022】
混合樹脂層(B)の厚みは全厚みの5〜60%、好ましくは10〜40%以下の厚みが好ましい。混合樹脂層(B)の厚みが全厚みの5%未満の場合は、得られるフイルムが伸びやすくなり、実用上支障がでる。また混合樹脂層(B)の厚みが全厚みの60%を越えると目的とする引き裂き性が低下する。
またポリプロピレン樹脂層(A)と混合樹脂層(B)の積層は3層(B/A/B)または2層(B/A)の構成のどちらでもよい。
さらに、延伸フイルムの厚みは本発明の目的とする用途である包装用袋や粘着テープなどで使用されるフイルム厚みは15μから40μであるが、特に限定されるものではない。
【0023】
フイルムの長手方向の破断伸度は200以下が好ましく、フイルムの長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の2〜4倍、特に2.5〜3.5倍であることが好ましい。長手方向の破断伸度が2倍以下であれば、グラビア印刷等の加工の際、フイルムが切断しやすくなり、4倍以上の場合、フイルムの伸びにより、引き裂き性が得られない。
【0024】
本発明は前述した如く、製膜ラインでの熱処理により分子配向が殆ど崩壊した引き裂き性を付与する層と、分子配向を維持したポリプロピレン本来の特性を有する層のバランスにより目的とするフイルム特性を自在に設定出来る利点を有するとともに、分子配向を維持した層が存在しフイルム強度を維持できる。
本発明において、フイルムの滑り性を調整することで製膜での破断トラブル等も防止できる利点を有する。
【0025】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明する。実施例および比較例における評価の方法については下記の方法で行った。
【0026】
(a)融点、結晶化温度
基材層(A)及び表面層(B)と同一組成の単層フイルムをそれぞれ作成し、得られたフイルムを用いて、JIS K−7121に準拠し、示差走査熱量測定法により、フイルムを加熱し、溶融ピーク温度を測定して融点とした後、10℃/minの速度で冷却し、結晶化のピーク温度を測定して結晶化温度とした。
【0027】
(b)メルトインデックス
JIS−K−7210に準拠し測定した。
【0028】
(c)手切れ性
官能テストで行い、幅15mm・長さ100mmのテープ状サンプルを手で切断した時、容易に手で切断できるものものを○、容易に手で切断できないものを×とした。
【0029】
(d)静止摩擦係数
JIS−K−7125に準拠し測定した。
【0030】
(e)破断伸度
JIS−K−7127に準拠し測定した。
【0031】
(f)フイルム厚さ
JIS−Z−1702に準拠し測定した。
また、積層フイルムの各層厚さは、試料を切り出し、冷却状態で氷包埋してミクロトームによる断面試料を作成した。これを試料台に貼り付け、断面観察用試料とし、Ptスパッタコートを施し、走査型電子顕微鏡により1000〜1万倍で観察及び測定を行った。
【0032】
(実施例1)
融点が145℃、結晶化温度が102℃のポリプロピレン系樹脂(プロピレンーエチレン共重合体、エチレン成分3%、MI=4g/10分)(A)と、石油樹脂(アルコンP−125)5wt%、融点が163℃、結晶化温度が111℃のポリプロピレンにステアリン酸モノグリセリンエステルを1.0重量%、PMMA粒子(日本触媒エポスターMA1002)を3000重量ppm溶融混合したポリプロピレン(ポリプロピレン重合体、MI=7g/10分)95wt%の混合物(B)をおのおの260℃の温度で別々の押出機により溶融しこの溶融体を複合アダプターで合流させた後にTダイより押し出し、冷却ドラムで急冷して(B/A/B)構成の3層の未延伸積層フイルムを得た。このときの混合樹脂層(B)のMIは10g/10分であった。
【0033】
該未延伸積層フイルムをまず縦方向に130℃で5倍、次いで横方向に155℃で8.5倍に延伸した後、3%の弛緩を行いつつ160℃の温度で熱処理を行い(B)層側にコロナ処理を施した上で、フィルムワインダーにより巻き取ってフィルムを得た。最終的なフィルム厚みは25μmであった。このフイルムのB/A/B各層の厚み比率はそれぞれ2/21/2の比率であった。
【0034】
かくして得られたフイルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。また、本フィルムは製膜及びスリット時、さらにグラビア印刷時にも破断等のトラブルは無く生産性も良好であった。
【0035】
(実施例2)
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ4/17/4に変更した25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムも実施例1よりも少し抵抗はあるが手切れ性のあるフィルムが得られた。
【0036】
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂(A)を、融点が163℃、結晶化温度が111℃のポリプロピレン(ポリプロピレン重合体、MI=7g/10分)に変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは強靭で手切れ性は無かった。
【0037】
(比較例2)
混合樹脂(B)に石油樹脂を混合せず、融点が163℃のポリプロピレンに変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは長手方向に伸びるため、手切れ性は無かった。
【0038】
(比較例3)
混合樹脂(B)石油樹脂を40wt%、融点が163℃のポリプロピレン60wt%に変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。しかし巻物のフイルムを巻き出すと、そのままフイルムが切断し、生産性が悪いものであった。
【0039】
(比較例4)
混合樹脂(B)ポリプロピレン重合体がステアリン酸モノグリセリンエステル、PMMA粒子を含まないものに変更した以外は全て実施例1と同じ方法、条件、厚み比率で25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは爪をあてがう程度でどの方向にも容易に切断することができた。しかし巻物のフイルムを巻き出すと、そのままフイルムが切断し、生産性が悪いものであった。
【0040】
(比較例5)
実施例1と同じ原料、方法でB/A/B各層の厚み比率のみ10/5/10に変更した25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは手切れ性は無かった。
【0041】
(比較例6)
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ130℃の温度で熱処理を行った25μのフイルムを得た。かくして得られたフイルムは手切れ性は無かった。
【0042】
(比較例7)
実施例1と同じ原料、方法、厚み比率で延伸した後、3%の弛緩を行いつつ170℃の温度で熱処理を行ったが溶融によりフイルムは得られなかった。
【0043】
実施例および比較例で得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
以上の如く、手切れ性の良好なポリプロピレンフイルムが得られ、包装用として有効なことがわかる。
Claims (3)
- 結晶化温度が90〜110℃のポリプロピレン樹脂からなる樹脂層(A)の少なくとも片側に樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂より結晶化温度が高いポリプロピレン樹脂が90〜99wt%と極性基、不飽和結合を含まない石油樹脂1〜10wt%からなる樹脂層(B)が積層された積層ポリプロピレンフィルムであって、樹脂層(B)の厚みが(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)全厚み(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)に対し5%以上、60%以下であり、各表層面を合わせた時の静止摩擦係数が0.45以下であることを特徴とする、引き裂き加工性に優れる積層ポリプロピレンフイルム。
- 請求項1記載の積層ポリプロピレン系フイルムであって、前記樹脂層(A)及び前記樹脂層(B)が、(B)/(A)または(B)/(A)/(B)構成に積層され、かつ前記フイルムの長手方向の破断伸度が幅方向の破断伸度の2〜4倍であることを特徴とする積層ポリプロピレン系フイルム。
- 結晶化温度が90〜110℃のポリプロピレン樹脂からなる樹脂層(A)の少なくとも片側に樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂より結晶化温度が高いポリプロピレン樹脂が90〜99wt%と極性基、不飽和結合を含まない石油樹脂1〜10wt%からなる樹脂層(B)が積層された積層ポリプロピレンフィルムであって、樹脂層(B)の厚みが(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)全厚み(樹脂層(A)と樹脂層(B)の厚みの合計)に対し5%以上、60%以下である未延伸積層フィルムを得る工程と前記未延伸積層フィルム少なくとも1軸延伸する工程と樹脂層(A)に含有されるポリプロピレン樹脂の融点−10℃以上、樹脂層(B)に含有されるポリプロピレン樹脂融点未満の温度で熱処理する工程からなることを特徴とする引き裂き加工性に優れる積層ポリプロピレンフイルムの製造方法。
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