JP2005022185A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

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Koushirou Yokota
耕史郎 横田
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Abstract

【課題】本発明は、水系で製造できて、インク透過性の良い感熱孔版印刷用原紙を提供する事を目的とする。
【解決手段】熱可塑性フィルム上に多孔質層を有する感熱孔版印刷用原紙であって、該多孔質層が少なくとも高分子バインダーと無機微粒子からなり、該高分子バインダーは該多孔質層内で非連続層をなし、該無機微粒子は細孔径分布のピーク細孔径が60nm未満であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱孔版印刷用原紙に関する。
【0002】
【従来技術】
感熱孔版印刷は、コピー感覚の簡単な操作で、安価に、高速に印刷物を作成できることから、家庭用としては年賀状印刷などで、また、工業用としては輪転式孔版印刷機として普及している。
この感熱孔版印刷用原紙は、熱可塑性フィルムの片側に多孔性支持体を接合して作られており、多孔質層の組成や作り方などが種々工夫されている。
たとえば、樹脂を、良溶媒と貧溶媒の混合溶媒に溶解させておき、熱可塑性フィルムに塗布し、溶媒を飛ばす過程で溶媒の溶解度が変わることを利用して樹脂を多孔質上に析出させる方法(特許文献1)、水に分散する樹脂と無機微粒子を混合して、それを熱可塑性フィルムに塗布し、水を飛ばして主に無機微粒子の塗膜を得る方法(特許文献2)などが知られている。
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、大量の有機溶媒を複数種類扱わなければならないため、安全設備に多大な投資が必要であり、昨今の工業プロセス全般の水系化の流れに鑑みても、改良が必要であると言わざるを得ない。
また、特許文献2記載の方法で作成した多孔質支持体も、インク透過性に劣ることが知られている(特許文献1)。
したがって、完全水系で作成できて、なおかつ、優れたインク透過性を持つ、多孔質支持体が求められていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−24667号公報
【特許文献2】
特開平4−7198号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水系で製造できて、インク透過性の良い感熱孔版印刷用原紙を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため種々検討を行った結果、水系に分散する高分子バインダーを新たに見出すとともに、ある特定の細孔径分布をもつ無機微粒子を用いることで、本件発明の端緒を得た。
【0007】
すなわち、本件発明は、
1.熱可塑性フィルム上に多孔質層を有する感熱孔版印刷用原紙であって、該多孔質層が少なくとも高分子バインダーと無機微粒子からなり、該多孔質層は細孔径分布曲線におけるピーク細孔径が60nm未満であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙に係る。
2.該無機微粒子が、シリカ、アルミナ、チタニアから選ばれた少なくともひとつであることを特徴とする上記1記載の感熱孔版印刷用原紙に係る。
【0008】
3.該無機微粒子が、金属源として金属酸化物および/またはその前駆体を用い、(i)金属源とテンプレートと水を混合反応させ複合体を製造する工程と、(ii)該複合体からテンプレートを除去する工程とを経て製造されたものであり、動的光散乱法によって測定される数平均粒子径DLが10〜300nmで、DLから求めた換算比表面積SLとBET法による窒素吸着比表面積SBとの差(SB−SL)が250m/g以上であることを特徴とする上記2記載の感熱孔版印刷用原紙に係る。
【0009】
4.該バインダーが、水に分散する高分子を含有することを特徴とする上記1記載の感熱孔版印刷用原紙に係る。
5.該バインダーが、一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有することを特徴とする上記4記載の感熱孔版印刷用原紙に係る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下に具体的に説明する。
【0011】
本発明に用いる熱可塑性フィルムとしては、押出法、流延法等により形成された熱可塑性フィルムであれば良く、具体的には、ポリエステル系(好ましくは共重合ポリエステル)、ナイロン系(好ましくは共重合ナイロン)、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、塩化ビニル系、アクリル酸誘導体系、エチレン・ビニルアルコール系、ポリカーボネート系(好ましくは共重合ポリカーボネート) 等が挙げられる。この他に主鎖あるいは側鎖に電磁波吸収性基を導入した高分子等が好適に用いられる。また、熱可塑性フィルムは穿孔感度が高いことが好ましく、そのためには熱可塑性フィルムが非晶質から結晶化度15%までの範囲であることが好ましく、非晶質であることがより好ましい。また、二軸延伸処理することでも穿孔感度を高めることができる。
【0012】
本発明に用いる多孔質無機膜は、少なくとも高分子バインダーと無機微粒子からなる。
高分子バインダーと無機微粒子の混合割合については、その種類によって本件発明の効果が現れる割合が異なるため、一義的には決められないが、シリカ系微粒子を用いる場合には、シリカ系微粒子100質量部に対して、1〜500質量部、好ましくは5〜100質量部、さらに好ましくは10〜50質量部である。
【0013】
本発明で用いる高分子バインダーは、水に分散する高分子であり、一般には高分子エマルジョンあるいはラテックスと呼ばれるものを形成する高分子であれば、特に限定されるものではない。具体例を挙げれば、アクリル系ポリマー、エステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、アミド系ポリマー、これらの変性物、共重合物などが挙げられる。
【0014】
本発明に用いるポリマーは、水に分散して粒子状を保持していることが必要であり、水溶性ポリマー、有機溶媒に溶解したポリマーでは、本件発明の効果を得ることはできない。
一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)も、本件発明に好適なポリマーとして例示できる。
【0015】
本発明に用いる、一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)は、単独重合することによって該温度応答性(親水性−疎水性の変化)を呈する高分子化合物が得られるモノマー(主モノマー(M))の単独重合高分子化合物、又は二種類以上の主モノマー(M)の共重合高分子化合物、さらには、該主モノマー(M)と反応して高分子化合物を作ることができかつ単独重合によっては該温度応答性を呈する高分子化合物が得られないモノマー(副モノマー(N))と主モノマー(M)との共重合高分子化合物である。主モノマー(M)と副モノマー(N)は各々1種又は2種以上のものを組み合わせて用いることも出来る。
【0016】
単独重合により高い温度応答性を有する高分子化合物が得られるが、該共重合を行うことによって、単独重合高分子化合物とは異なる感温点を持つ高分子化合物が得られる。
【0017】
主モノマー(M)としてはN−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミド誘導体(ここで、(メタ)アクリルとはメタアクリル(又はメタクリル)又はアクリルを簡便に表記したものである)、ビニルメチルエーテルなどが挙げられ、具体的には例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−メチルアクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。成膜性の観点から、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンが好ましい
【0018】
副モノマー(N)としては親油性ビニル化合物、親水性ビニル化合物、イオン性ビニル化合物などが挙げられ、具体的には、親油性ビニル化合物としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどが挙げられ、親水性ビニル化合物としては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−メチル−5−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルピロリジン、アクリロニトリル、などが挙げられ、イオン性ビニル化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有モノマーなどが挙げられる。特に、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドが好ましく用いられる。また、本発明の高分子エマルジョンを用いて得られる塗工層の成膜性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチル等のカルボン酸基含有モノマー、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマーなどのアニオン基含有モノマーを用いることは好ましく、特にアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボン酸基含有モノマーを用いることは好ましい。
【0019】
主モノマー(M)と副モノマー(N)の共重合割合は、得られる共重合高分子化合物が一定の温度を境界にして親水性と疎水性が可逆的に変化する温度応答性を呈する範囲の中で決められる。つまり、副モノマー(N)の割合が多すぎれば得られる共重合高分子化合物が該温度応答性を示さなくなる。
【0020】
即ち、主モノマー(M)と副モノマー(N)の共重合割合は用いるモノマー種の組み合わせに依存するが、生成する高分子化合物中における副モノマー(N)の割合は50質量%以下が好ましい。更に好ましくは、30質量%以下である。また、副モノマー(N)の添加効果がより良く発現されるためには0.01質量%以上が好ましい。
【0021】
本発明において、高分子化合物(A)の「感温点」とは、その親水性−疎水性が変化する温度であり、「温度応答性」とは、該親水性−疎水性の変化を示す性質を意味する。また、本発明において、「親水性」とは高分子化合物(A)と水とが共存する系において高分子化合物(A)は水と相溶した状態の方が、相分離した状態よりも安定であることを意味し、「疎水性」とは高分子化合物(A)と水とが共存する系において高分子化合物(A)は水と相分離した状態の方が、相溶した状態よりも安定であることを意味する。該親水性−疎水性の変化は例えば、高分子化合物(A)と水とが共存する系の温度変化に伴う急激な粘度変化、または高分子化合物(A)と水とが共存する系の透明性の急激な変化、高分子化合物(A)の水に対する溶解性の急激な変化として現れる。即ち、高分子化合物(A)と水とが共存する系の温度を、高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域(感温点を超える温度)から徐々に低下させたときの粘度を測定して得られる温度−粘度曲線が急激に変化する転移点として、または高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域(感温点を超える温度)において得られる高分子化合(A)の水分散液を徐々に冷却した時に該分散液が透明化またはゲル化し始める温度として高分子化合物(A)の感温点を求めることができる。
【0022】
本発明の高分子エマルジョンは、含有する高分子化合物(A)の温度変化による親水性−疎水性の変化の影響によって急激に粘度変化を生じる温度(感温点)を有する。即ち、本発明の高分子エマルジョンの温度を該エマルジョンに含有される高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域(感温点を超える温度)から徐々に低下させたときの粘度を測定して得られる温度−粘度曲線が急激に変化する転移点として、または本発明の高分子エマルジョンの温度を該高分子エマルジョンに含有される高分子化合物(A)が疎水性を示す温度領域(感温点を超える温度)から徐々に低下させたときに該高分子エマルジョンが透明化またはゲル化し始める温度として高分子化合物(A)の感温点を求めることができる。
【0023】
本発明の高分子エマルジョンを製造するに際しては、高分子化合物(A)の感温点を超える温度領域において重合反応を行うことが好ましい。該温度領域において高分子化合物(A)は疎水性を示しエマルジョンを形成することから、該温度領域において、広く知られている高分子エマルジョンの製造技術を用いることによって本発明の高分子エマルジョンが得られる。具体的には、水に界面活性剤を溶解し、前記主モノマー(M)、副モノマー(N)等共重合モノマー成分を加えて乳化させ、ラジカル重合開始剤を加えて一括仕込みによる反応により乳化重合を行う方法のほか、連続滴下、分割添加などの方法により反応系に上記共重合成分や、ラジカル重合開始剤を反応系に供給する方法が挙げられる。
【0024】
本発明のバインダーには、温度に関係なく親水性を示す親水性バインダーを含むこともでき、例えばゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラン、特開平7−195826号および同7−9757号に記載のポリアルキレンオキサイド系共重合性ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
【0025】
好ましい親水性バインダーは、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ゼラチンまたはゼラチン誘導体であり、特に好ましくはポリビニルアルコールである。
【0026】
本発明に用いる無機微粒子は、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、合成結晶質シリカ、コロイダルシリカ、乾式シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト系アルミナ、水酸化アルミニウム、ゼオライト、水酸化マグネシウム、その他にジルコニウム、チタン、タンタル、ニオブ、スズ、タングステンなどの金属酸化物、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、タングステンなどの金属リン酸塩などが挙げられ、該無機化合物の一部を他の元素に置換した物や、有機物で修飾することにより表面を改質した物も用いることができる。これら無機微粒子のうち1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を使用することもできる。
【0027】
本発明に用いる無機微粒子は、一次粒子のまま用いてもよいし、二次粒子を形成した状態で用いることもできる。また、無機微粒子の粒子径はいかなるものも用いることができるが、該無機多孔質膜を形成した場合に、該無機多孔質膜内での孔径分布曲線におけるピークが60nm未満であることが必須である。
該ピーク孔径が60nm未満では、特許文献2の比較例3(該ピーク孔径30nm)に見られるように、インク透過性が悪く、印刷した文字の鮮明さが劣ったり欠落が生じる場合があるようであるが、本件発明では、むしろ、孔径60nm未満の小さい細孔がたくさん開いていたほうが、インク透過性に優れる結果となった。
【0028】
その理由については未だ解明できていない部分もあるものの、本件発明者らは、多孔質無機膜内に、60nm以上の大きな穴がまばらに数少なく開いているよりも、60nm未満の小さな穴が無数に膜全面を埋め尽くすように開いているほうが、熱可塑性フィルム面から反対側へとインクが通過できる細孔のパイプが形成される確率が高まるためと推定している。
【0029】
さらに、無機微粒子として、金属源として金属酸化物および/またはその前駆体を用い、(ア)金属源とテンプレートと水を混合反応させ複合体を製造する工程と、(イ)該複合体からテンプレートを除去する工程と、を経て製造され、動的光散乱法によって測定される数平均粒子径DLから求めた換算比表面積SLとBET法による窒素吸着比表面積SBとの差(SB−SL)が250m/g以上の多孔性物質を使用することは得られる塗工層のインク吸収性の観点から特に好ましい。ここで「多孔性」とは、窒素吸着法で求めた細孔分布において細孔を示すことを意味する。ここでは、動的光散乱法によって測定される平均粒子径DLから計算される換算比表面積SL(m/g)は、粒子が球状であると仮定し、SL=6×10/密度(g/cm)×DL(nm)により求められる。この値と、BET法による窒素吸着比表面積SBとの差(SB−SL)が250m/g以上であるということは、粒子がきわめて多孔性であることを示しており、該多孔性物質を感熱孔版印刷用原紙に使用することはインク透過性の観点から特に好ましい。
【0030】
該多孔性物質の合成で用いられる金属源は金属酸化物および/またはその前駆体であり、金属種としては、ケイ素、2族のマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、3族のアルミニウム、ガリウム、希土類等、4族のチタン、ジルコニウム等、5族のリン、バナジウム、7族のマンガン、テルル等、8族の鉄、コバルト等が挙げられる。前駆体としては、これら金属の硝酸塩、塩酸塩等の無機塩、酢酸塩、ナフテン酸塩等の有機酸塩、アルキルアルミニウム等の有機金属塩、アルコキシド、水酸化物が挙げられるが、後述する合成方法によって合成できるものであればこれに限定されるものではない。
【0031】
金属としてケイ素を選んだ場合、金属源として好ましくはテトラエトキシシラン等のアルコキシドや活性シリカを用いることができる。該活性シリカは、水ガラスから有機溶剤で抽出したり、水ガラスをイオン交換したりするなどして調製することができる。原料として安価な水ガラスを使用することは工業的利用の観点から好ましい。特に、水ガラスをH型カチオン交換体と接触させて調製する場合、Na含有量が少なく、安価である3号水ガラスを用いるのが工業的に好ましい。カチオン交換体としては、たとえばスルホン化ポリスチレンジビニルベンゼン系の強酸性交換樹脂(例えばローム&ハース社製、アンバーライトIR−120B:商品名)等が好ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0032】
金属としてアルミニウムを選んだ場合、金属源として好ましくはアルミン酸アルカリ、具体的にはアルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸リチウム、アルミン酸第一アンモニウム、アルミン酸グアニジンなどを用いることができる。
【0033】
該テンプレートとしては、金属源となる化合物と相互作用を持つものであれば特に制限はないが、非イオン性界面活性剤を用いる場合、該多孔性物質を製造する上で、後述するテンプレート除去工程において水または水と有機溶剤の混合溶媒を用い容易にテンプレートを除去でき好ましい。
【0034】
非イオン性界面活性剤としては、構造式HO(CO)−(CO)−(CO)H(但し、a、cは10〜110を、bは30〜70をしめす)で示されるもの、または構造式R(OCHCHOH(但し、Rは炭素数12〜20のアルキル基を、nは2〜30を示す)で示されるものが好ましい。具体的には、「プルロニックP103」、「プルロニックP123」、「プルロニックP85」(旭電化工業(株)製、界面活性剤:商品名)等やポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等を挙げることができる。
【0035】
該多孔性物質の細孔径を変化させるために、有機助剤として、炭素数6〜20の芳香族炭化水素、炭素数5〜20の脂環式炭化水素、炭素数3〜16の脂肪族炭化水素およびこれらのアミンならびにハロゲン置換体、たとえば、トルエン、トリメチルベンゼン、トリイソプロピルベンゼン等を加えることができる。
【0036】
以下に、該多孔性物質の製造方法を説明する。
金属源とテンプレートの反応は、たとえば、金属源を溶媒に溶解または分散したものと、テンプレートを溶媒に溶解または分散したものを撹拌混合したのち行わせることができるが、これに限定されるものではない。溶媒としては、水または水と有機溶剤の混合溶媒のいずれを用いてもよいが、有機溶剤としては、アルコール類が好ましい。アルコール類としては、エタノールやメタノール等の低級アルコールが好ましい。
【0037】
これらの反応に用いられる組成は、テンプレートと金属源、溶媒により異なるが、凝集や沈殿等が生じ、粒子径が大きくならない範囲を選ぶことが必要である。また、粒子の凝集や沈殿を防ぐためにNaOH等のアルカリや低分子ポリビニルアルコール等の安定化剤を加えてもよい。
【0038】
例えば、金属源として活性シリカを、テンプレートとして「プルロニックP103」を、溶媒として水を用いる場合は、次のような組成を用いることができる。P103/SiO2の質量比として、好ましくは0.01〜30、より好ましくは0.1〜5の範囲が用いられる。有機助剤/P103の質量比は、好ましくは0.02〜100、より好ましくは0.05〜35である。反応時の水/P103の質量比としては、好ましくは10〜1000、より好ましくは20〜500の範囲が用いられる。安定化剤として、NaOHをNaOH/SiOの質量比として1×10−4〜0.15の範囲で加えてもよい。
該多孔性物質が、ケイ素とアルミニウムを含む場合、Al/Siの元素比として好ましくは0.003〜0.1であり、より好ましくは0.005〜0.05である。
【0039】
反応は常温でも容易に進行するが、必要に応じて100℃までの加温下で行うこともできる。反応時間としては0.5〜100時間、好ましくは3〜50時間の範囲が用いられる。反応時のpHは好ましくは2〜13、より好ましくは4〜12の範囲で、pHの制御のためにNaOHなどのアルカリや塩酸、硫酸などの酸を加えてもよい。
【0040】
該複合体を製造した後にアルミン酸アルカリ共存下で40〜95℃に加熱し、変性する工程を行うこともできる。複合体がケイ素を含む場合、この工程をおこなうことで、酸性にしたりカチオン性物質を添加したりしても安定で、長期間の保存にも耐えるゾルを製造することができる。用いるアルミン酸アルカリとしては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸リチウム、アルミン酸第一アンモニウム、アルミン酸グアニジンなどを用いることができるが、アルミン酸ナトリウムが好ましい。該変性工程は、複合体からテンプレートを除去する前でも後でもかまわない。
【0041】
以下に、テンプレート除去前の場合を例に変性方法を説明する。複合体を製造した後、その反応溶液にアルミン酸アルカリ溶液を添加する。添加は、0〜80℃、好ましくは5〜40℃で撹拌しながら行う。添加するアルミン酸アルカリの濃度は特に限定されないが、1〜20質量%で用いるのが好ましい。添加する量は、Al/Siの元素比として好ましくは0.003〜0.1であり、より好ましくは0.005〜0.05である。添加後、40〜95℃で加熱するのが好ましく、60〜80℃で加熱するのがより好ましい。40℃以下の加熱は、ゾルを作成した際に、酸性にしたときにゲル化しやすく、十分な安定性が得られない。
【0042】
次に、テンプレートの除去方法について説明する。得られた反応溶液にアルコール等の溶剤を加え限外ろ過装置などを用いて複合体からテンプレートを除去する事により多孔性物質が得られる。この際、粒子の凝集を防ぐためにNaOH等のアルカリや低分子ポリビニルアルコール等の安定化剤を加えてもよい。除去に用いる溶剤は、テンプレートを溶解するものであればよく、取り扱いが簡単で溶解力の高いアルコール類が好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタノール等の低級アルコールが好ましい。除去温度は、用いる溶剤やテンプレートにより異なるが、20〜80℃が好ましい。除去されたテンプレートは溶剤を除くことで再利用することができる。また、得られた複合体を、ろ過等により濾別し、水洗、乾燥し、ついで含有しているテンプレートを超臨界流体やアルコール等の溶剤と接触させる、または焼成等の方法で除去することにより、多孔性物質を得てもよい。焼成温度は、テンプレートが消失する温度以上、概ね500℃以上で行う。焼成時間は、温度との関係で適宜設定されるが、30分〜6時間程度である。除去方法としては、溶剤と複合体を撹拌混合する方法や、複合体をカラム等に詰め溶剤を流通させる等の方法を取ることができる。
【0043】
本発明の多孔質層は、高分子化合物(A)のエマルジョンと無機微粒子の混合水溶液(以下しばしば塗工液と呼ぶ)を、感温点を超える温度にて調製、使用することが好ましい。即ち、本発明の塗工液は、該感温点を超える温度では、比較的低粘度であるが、該塗工液を該感温点以下の温度に冷却することによって該塗工液は急激に増粘(またはゲル化)する。該増粘は高分子化合物(A)が疎水性から親水性に変化することによって生じる。即ち、本発明の塗工液を、該感温点を超える温度で熱可塑性フィルム上に塗工後、速やかに感温点以下の温度まで冷却することによって、比較的低粘度の塗工液によって形成される極めて均質な塗工膜を、その後の増粘(またはゲル化)によってそのまま固定することが可能で、キャストコート工程においても良好な塗膜の均質性を保持でき、良質な塗工層を得ることができる。
【0044】
本発明の塗工液に使用する溶剤は水である。更に、該塗工液中には必要に応じて顔料分散剤、増粘剤、流動調整剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色剤等を配合することができる。
【0045】
多孔質層を熱可塑性フィルムに設けるには、該無機微粒子と高分子バインダーの混合水溶液を熱可塑性フィルムに塗工し乾燥するだけで接着する。その他の多孔質層を用いる場合、熱可塑性の多孔質層を用い熱融着させて接着してもいいし、熱可塑性フィルムと多孔質層との間に接着層を形成して接着しても良い。接着層は熱可塑性フィルムに接着剤を塗布することでも形成できるし、多孔質層に接着剤を塗布、噴霧させる、あるいは接着剤に多孔質層を浸漬させることでも形成できる。有機溶剤を多量含むインクを用いる場合、接着剤は熱、紫外線、電子線あるいはX線などで硬化する成分を含有することが耐久性を高める観点から好ましい。
【0046】
本発明で用いることができる感熱孔版印刷用原紙は通常サーマルヘッドで製版されるが、製版で赤外線を含む電磁波、レーザ光などを照射する場合、その照射される光を吸収するために赤外線吸収物質、レーザ光吸収物質などの電磁波吸収剤を含有することができる。電磁波吸収剤としては、カーボンブラック、黒鉛、窒化炭素、炭化珪素、ボロン系化合物、金属酸化物、光吸収性金属、その他無機物、有機染料、有機顔料、電磁波吸収性高分子等が具体例として挙げられるが、照射される電磁波に吸収があり、かつ吸収した光を熱に変換する物質であればいずれも好適に用いることができる。
【0047】
【実施例】
以下に、実施例および参考例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例中の部、%は特に記載したもの以外は、質量部、質量%を意味する。
本発明の高分子エマルジョン中の高分子化合物(A)のLCSTは、重合温度以上の温度を保ちながら水溶媒にて高分子化合物(A)の濃度を5質量%に調整した該高分子エマルジョンの温度を、徐々に低下させた時、該液が透明化又はゲル化する温度を測定することによって求めた。
【0048】
インク透過性の評価は以下のように行った。
JIS第一水準の文字を文字サイズ2.0mm角の原紙とし、本発明の感熱孔版印刷用原紙をプリントゴッコ製版機(理想科学工業株式会社製)を用いて製版し、EPSON HG−4800用インクを用いて印刷した。
【0049】
この印刷物を、文字の鮮明さと文字の欠落の点から、以下のように評価した。
【0050】
文字の鮮明さ
A:原紙と同様に見えるもの
B:原紙と異なり線が部分的に切れたり、くっついたりしているが、判読は可能なもの。
C:ほとんど判読ができないもの
文字の欠落
○:文字の欠けがまったくないもの
△:完全な欠落ではないが、かすかに欠けたもの
×:明らかに欠けたもの
【0051】
[参考例1]
攪拌器、還流冷却器、滴下槽及び温度計を取りつけた反応容器に、水200部を投入し反応容器内を80℃にした。次に「コータミン86W」(花王(株)製、カチオン性界面活性剤:商品名)の25%水溶液20部、「エマルゲン1135S−70」(花王(株)製、非イオン性界面活性剤:商品名)の70%水溶液10部、「ブレンマーQA」(日本油脂(株)製、カチオン性反応型界面活性剤:商品名)の25%水溶液15部及びN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩の70%水溶液2部を該反応器内に添加した。さらに該反応器内に2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液15部を投入し、その5分後に、メタクリル酸メチル15部、アクリル酸ブチル20部、スチレン10部、ダイアセトンアクリルアミド2部を混合した液を該反応器内に1時間かけて連続的に添加した。添加は反応容器内を80℃に保ちながら行った。この段階でのエマルジョンの数平均粒子径は40nmであった。引き続き、水380部にN−イソプロピルアクリルアミド60部、ダイアセトンアクリルアミド4部、2−ヒドロキシメタクリル酸エチル5部、「ブレンマーQA」(日本油脂(株)製、カチオン性反応型界面活性剤:商品名)の25%水溶液15部及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ニ塩基酸塩の5%水溶液11部を溶解した液とメタクリル酸メチル30部とを各々該反応容器内に添加開始し、4時間かけて添加を終了させた。添加中及び添加終了後1時間、反応容器内液温を80℃に保った後、50℃まで冷却し、水500部を徐々に該反応容器内に添加した。樹脂固形分11%、数平均粒子径が80nmのエマルジョンを形成したバインダー(a)を得た。その感温点を測定したところ14℃であった。
【0052】
[参考例2]
あらかじめH型にしておいたカチオン交換樹脂(ローム&ハース社製、アンバーライトIR−120B:商品名)100gを水100gに分散したなかに、3号水ガラス(SiO=29質量%、NaO=9.5質量%)33.3gを水66.7gで希釈した溶液を加える。これを、十分撹拌した後、カチオン交換樹脂を濾別し活性シリカ水溶液200gを得た。この活性シリカ水溶液のSiOは5.0質量%であった。
【0053】
5gの旭電化社製プルロニックP103を水1360gに溶解させ、35℃湯浴中で撹拌しながら、上記の活性シリカ水溶液60gを添加した。さらに、0.015mol/lのNaOH水溶液を20ml加える。この混合物のpHは7.5であった。この混合物を35℃で15分撹拌後、80℃で静置し24時間反応させた。この溶液から限外ろ過装置を用いて非イオン界面活性剤を除去し、透明なシリカの分散液を得た。この分散液にN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシランを前記シリカに対し5質量%となる様加え、超音波分散機にて分散することでシリカ濃度20質量%の透明な多孔性物質(MPS)の分散液を得た。この分散液の動的光散乱法によって測定される平均粒子径は60nmで換算比表面積は45m/gであった。該分散液を、105℃で乾燥した試料のBJH法による平均細孔直径は8nm、窒素吸着法による細孔径分布のピークは10nm、細孔容積は1.21ml/g、BET法による窒素吸着比表面積は720m/gであり、換算比表面積との差は675m/gであった。
【0054】
[実施例1]
参考例2で得られた無機微粒子(C)分散液を60℃に加熱し、これに参考例1で得られたバインダー(a)を、無機微粒子(C)/バインダー(a)=100/25(乾燥質量比)となる割合で添加、混合し、塗工液を作成した。
厚さ1.0μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート製フィルムに、60℃に加温したバーコーターで60℃の前記塗工液を塗布した後、速やかに10℃の冷風を塗工膜表面に送風を開始した。このとき塗工膜は冷風を送風開始後速やかにゲル化し均質な膜厚と平滑な表面を保持できた。冷風を1分送風した後、60℃の温風を塗工膜表面に送風した。塗工膜は温風送風開始からおよそ8分間で実質的に乾燥し、乾燥後の付着量が0.8g/mの熱可塑性フィルムを得た。
【0055】
このフィルムの多孔質層を特許文献2記載の方法に準じて、すなわち、日立製作所株式会社製 S−4700 走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧1kV、Ultra−High−Resolution−modeで測定した写真の細孔部分をマーキングして、旭化成株式会社製 IP−1000PC 画像解析処理装置を用いて行い、各細孔を真円に換算したときの最小細孔径と最大細孔径の間を10nm単位で分割して、各分割部における細孔の数を勘定した。その測定結果から、縦軸を単位面積あたりの細孔数、横軸を細孔径として孔径分布曲線を描き、ピークにおける細孔径を求めた。
孔径分布曲線のピークは約40nmであった。
【0056】
このフィルムに、天然マニラ麻80%とポリエステル繊維20%とを混抄して得られた坪量9.8g/mで厚さ35μmの薄葉紙を、70℃の乾燥雰囲気下でラミネートし、本発明のマスタを得た。次にフィルム面にシリコーンとカチオン系帯電防止剤の混合物を、乾燥後の付着量が0.05g/mとなるように塗布、乾燥して感熱孔版印刷用原紙を得た。
印刷した文字の鮮明さはA、欠落の具合は○であった。
【0057】
[比較例1]
特許文献2記載の比較例3と同様のフィルムを作成した。フィルムの多孔質層の孔径分布曲線におけるピークは約30nmであった。
印刷した文字の鮮明さはC、欠落の具合は×であった。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、水系で製造できて、インク透過性の良い感熱孔版印刷用原紙に好適である。

Claims (5)

  1. 熱可塑性フィルム上に多孔質層を有する感熱孔版印刷用原紙であって、該多孔質層が少なくとも高分子バインダーと無機微粒子からなり、該多孔質層は細孔径分布曲線におけるピーク細孔径が60nm未満であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
  2. 該無機微粒子が、シリカ、アルミナ、チタニアから選ばれた少なくともひとつであることを特徴とする請求項1記載の感熱孔版印刷用原紙。
  3. 該無機微粒子が、金属源として金属酸化物および/またはその前駆体を用い、(i)金属源とテンプレートと水を混合反応させ複合体を製造する工程と、(ii)該複合体からテンプレートを除去する工程とを経て製造されたものであり、動的光散乱法によって測定される数平均粒子径DLが10〜300nmで、DLから求めた換算比表面積SLとBET法による窒素吸着比表面積SBとの差(SB−SL)が250m/g以上であることを特徴とする請求項2記載の感熱孔版印刷用原紙。
  4. 該バインダーが、水に分散する高分子を含有することを特徴とする請求項1記載の感熱孔版印刷用原紙。
  5. 該バインダーが、一定の温度(感温点)以下の温度領域では親水性を示し、感温点を超える温度領域では疎水性を示す高分子化合物(A)を含有することを特徴とする請求項4記載の感熱孔版印刷用原紙。
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