JP2005021816A - 異物分離装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排液や汚泥中に含まれる浮遊性の異物(例えば種子など)や沈降性のノリ状物質(トイレットペーパーなどのセルロースからなる繊維質)を考慮した異物の分離に対応できるような異物分離技術などの課題について解決方法を提供する。
【解決手段】乱流沈殿槽で沈降性物質を除去し、さらに旋回流分離槽にて浮遊性物質と沈降性物質、特にトイレットペーパーなどのセルロースからなるノリ状の繊維質などの異物を分離することでフィルターを使用しない異物分離装置を実現するとともに、旋回流分離槽内に沈降する異物を自動的に所定時間毎または連続的に排出するような運転制御をすることにより、配管の詰まりを防止し安定した処理液を得るような異物分離装置を実現する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場や排水処理施設などから排出される様々な排液(汚泥も含む)に含まれる浮遊性や沈降性を有する様々な異物について、フィルターを使用することなく分離することを可能とする異物分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例として、排液からの異物分離技術には自動微細目スクリーン、液体サイクロンなどがある。自動微細目スクリーンは、金属製のフィルターを使用し、排液に含まれる異物をろ過するものであり、フィルターに付着した異物を除去するための自動洗浄機構が組み込まれ、比較的大型の装置である。また、液体サイクロン(特許文献1参照)は、旋回流を利用して慣性力で排液中の沈降性物質を分離する技術であり、異物の分離速度と分離効率を改善する方法が開示されている。一方、乱流沈殿槽(特許文献2参照)はガス流中の粒子を除去する方法が知られており。乱ガス流がある空間において、壁付近の粘性境界ゾーンとして知られる漸減乱流ゾーンにおいて粒子を捕獲し、除去する方法が特許文献2において開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−58914号公報
【特許文献2】
特開2000−502598号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の異物分離技術は、浮遊性の異物(例えば種子など)や沈降性のノリ状物質(トイレットペーパーなどのセルロースからなる繊維質)を考慮した異物の分離を提案するものではなく、排液や汚泥中に含まれる様々な異物に対応できるような異物分離技術はこれまで提案されていなかった。
【0005】
そこで、本発明は排液貯留槽から取り込んだ排液を、乱流沈殿槽や旋回流分離槽へ流入するものと排液貯留槽へ返送するものとに分岐させ、乱流沈殿槽や旋回流分離槽で分離された異物を排液とともに排液貯留槽へ返送することによりフィルターを使用しない異物分離装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は旋回流分離槽にて浮遊性物質と沈降性物質、特にトイレットペーパーなどのセルロースからなるノリ状の繊維質などの異物を分離できる異物分離装置を実現できる。
【0007】
特に、本発明は異物分離装置の起動時に旋回流分離槽内に舞い上がった異物が処理液へ混入しないような異物分離装置を実現できる。
【0008】
また、本発明は旋回流分離槽内に沈降する異物を自動的に所定時間毎または連続的に排出するような運転制御をすることにより、配管の詰まりを防止し安定した処理液を得るような異物分離装置を実現できる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の異物分離装置は、排液の処理法において、排液貯留槽から排液を取り込む排液取込みポンプおよび排液取込み管と、前記排液取込み管から枝分れした一方に排液の一部を旋回流分離槽へ取り込むための分離槽流入管および分離槽流入量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた空気抜きバルブと、前記旋回流分離槽から処理液を取り出す処理液流出管と、前記処理液流出管に設けた処理量調整弁と、前記排液取込み管から枝分れした他方に排液を排液貯留槽へ返送する排液返送管と、前記旋回流分離槽に水位センサーとを備えた異物分離装置であって、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされていないと検知した場合に前記排液取り込みポンプを駆動し、前記分離槽流入量調整弁を開放して前記旋回流分離槽へ排液を取り込み、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされたと検知した時点で前記分離槽流入量調整弁を閉じ、所定時間経過後に前記分離槽流入量調整弁を開放して所定流量となるように前記処理量調整弁を調整することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の本発明の異物分離装置は、排液の処理法において、排液貯留槽から乱流沈殿槽へ排液を取り込む排液取り込みポンプおよび排液取り込み管と、前記乱流沈殿槽と旋回流分離槽とを結び前記乱流沈殿槽からの処理液を前記旋回流分離槽へ流入させる槽間接続管および分離槽流入量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた空気抜きバルブと、前記旋回流分離槽から処理液を取り出す処理液流出管と、前記処理液流出管に設けた処理量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた水位センサーと、前記乱流沈殿槽下部に排液返送管とを備えた異物分離装置であって、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされていないと検知した場合に前記排液取り込みポンプを駆動し、前記分離槽流入量調整弁を開放して前記旋回流分離槽へ排液を取り込み、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされたと検知した時点で前記分離槽流入量調整弁を閉じ、所定時間経過後に前記分離槽流入量調整弁を開放して所定流量となるように前記処理量調整弁を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の本発明は、請求項1または2に記載の異物分離装置において、前記旋回流分離槽の下部に前記旋回流分離槽と前記排液返送管とを結ぶ異物返送接続管に異物返送調整弁を備え、前記旋回流分離槽に溜まった異物を排出するために通常閉じられた前記異物返送調整弁を所定時間経過毎に開くことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の本発明は、請求項1または2に記載の異物分離装置において、前記旋回流分離槽の下部に前記旋回流分離槽と前記排液返送管とを結ぶ異物返送接続管に開度を調整できる異物返送調整弁を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の本発明は、請求項1または2に記載の異物分離装置において、前記旋回流分離槽の下部に前記旋回流分離槽と前記排液返送管とを結ぶ異物返送接続管を備え、前記異物返送接続管に前記排液取り込みポンプの運転と停止によって、旋回流分離槽内へ沈降した異物を排出する異物返送調整弁を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の本発明は、請求項1または2に記載の異物分離装置において、前記排液返送管に開度を調整できる排液加圧弁を設けたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による異物分離装置は、排液貯留槽から排液を取り込む排液取込みポンプおよび排液取込み管と、前記排液取込み管から枝分れした一方に排液の一部を旋回流分離槽へ取り込むための分離槽流入管および分離槽流入量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた空気抜きバルブと、前記旋回流分離槽から処理液を取り出す処理液流出管と、前記処理液流出管に設けた処理量調整弁と、前記排液取込み管から枝分れした他方に排液を排液貯留槽へ返送する排液返送管と、前記旋回流分離槽に水位センサーとを備えた異物分離装置である。本実施の形態によれば、水位センサーによって旋回流分離槽が排液によって満たされていないと検知した時には、排液取り込みポンプを駆動し分離槽流入量調整弁を開放して旋回流分離槽へ排液を取り込む。次に、水位センサーによって旋回流分離槽が排液によって満たされたと検知した時点で分離槽流入量調整弁を閉じ、所定時間静置し旋回流分離槽内に舞い上がった異物を沈降した後に分離槽流入量調整弁を開放して所定流量となるように処理量調整弁を調整することで、旋回流分離槽が排液で満たされていない状態から運転を開始した場合に、旋回流分離槽内に異物が舞い上がり処理液へ混入することを防ぐことができる。
【0016】
本発明の第2の実施の形態は、、排液貯留槽から乱流沈殿槽へ排液を取り込む排液取り込みポンプおよび排液取り込み管と、前記乱流沈殿槽と旋回流分離槽とを結び前記乱流沈殿槽からの処理液を前記旋回流分離槽へ流入させる槽間接続管および分離槽流入量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた空気抜きバルブと、前記旋回流分離槽から処理液を取り出す処理液流出管と、前記処理液流出管に設けた処理量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた水位センサーと、前記乱流沈殿槽下部に排液返送管とを備えた異物分離装置である。本実施の形態によれば、水位センサーによって旋回流分離槽が排液によって満たされていないと検知した時には、排液取り込みポンプを駆動し、分離槽流入量調整弁を開放し、旋回流分離槽へ排液を取り込む。次に、水位センサーによって旋回流分離槽が排液によって満たされたと検知した時点で分離槽流入量調整弁を閉じ、所定時間静置して旋回流分離槽内に舞い上がった異物を沈降した後に分離槽流入量調整弁を開放して所定流量となるように処理量調整弁を調整することで旋回流分離槽が排液で満たされていない状態から運転を開始した場合に、旋回流分離槽内に異物が舞い上がり処理液へ混入することを防ぐことができる。
【0017】
本発明の第3の実施の形態は、第1、第2の実施の形態における異物分離装置において、旋回流分離槽の下部に前記旋回流分離槽と排液返送管とを結ぶ異物返送接続管に異物返送調整弁を備え、前記旋回流分離槽に溜まった異物を排出するために通常閉じられた前記異物返送調整弁を所定時間経過毎に開くものである。本実施の形態によれば、旋回流分離槽に沈降し溜まった異物を自動的に排出し、配管の詰まりを防止し、安定した処理液を得ることができる。
【0018】
本発明の第4の実施の形態は、第1、第2の実施の形態における異物分離装置において、旋回流分離槽の下部に旋回流分離槽と排液返送管とを結ぶ異物返送接続管に開度を調整できる異物返送調整弁を備えたものである。本実施の形態によれば、旋回流分離槽に沈降し溜まった異物を自動的に排出して配管の詰まりを防止し、安定した処理液を得ることができる。
【0019】
本発明の第5の実施の形態は、第1、第2の実施の形態における異物分離装置において、旋回流分離槽の下部に旋回流分離槽と排液返送管とを結ぶ異物返送接続管を備え、前記異物返送接続管に前記排液取り込みポンプの運転と停止によって、旋回流分離槽内へ沈降した異物を排出する異物返送調整弁を設けたものである。本実施の形態によれば、排液取り込みポンプの運転と停止によって異物返送調整弁を制御することにより旋回流分離槽に沈降し溜まった異物を自動的に排出することができ、配管の詰まりを防いで安定した処理液を得ることができる。
【0020】
本発明の第6の実施の形態は、第1、第2の実施の形態における異物分離装置において、前記排液返送管に開度を調整できる排液加圧弁を設けたものである。本実施の形態によれば、排液取り込みポンプの能力不足や配管の詰まりなどで旋回流分離槽へ排液を送り込む圧力が不足した場合に、排液加圧弁の開度を調整することにより処理流量の調整を行うことができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明による実施例の異物分離装置について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1と図2は、本発明による一実施例の異物分離装置を示す構成図である。
【0023】
図1に示すように工場や下水処理場などから排出される排液や汚泥は、排液貯留槽1に貯留されている。この排液や汚泥に対して何らかの処理を施して再利用や減容を行う場合には、排液に含まれる異物を除去する必要が生じる。図1で排液は排液貯留槽1から排液取り込みポンプ2によって加圧され、排液取り込み管3を通り、旋回流分離槽6へ流入する少量の被処理液と、排液貯留槽1へ戻る残りの排液とに分岐する。分岐後、少量の被処理液は分離槽流入管4と分離槽流入管4に設けられた分離槽流入量調整弁5を通り、旋回流分離槽6へ流入し、旋回流分離槽6によって異物を除去された処理液は処理液流出管8を通り、処理量調整弁10と処理量流量計11を通って流出する。一方、旋回流分離槽6内に沈降した異物は、所定時間間隔毎または連続的に異物返送接続管12と異物返送調整弁13を経由して排液返送管14へ流入し、排液貯留槽1へと返流する。ここで、異物返送調整弁13は、開閉動作のみの電動バルブを用いて所定時間間隔毎に旋回流分離槽6に沈降した異物を排出してもよいし、比例制御式の電動バルブを用いて処理量流量計11の値に連動して開度を調整することで旋回流分離槽6に沈降した異物を連続的に排出してもよいし、排液取り込みポンプ2の運転と停止によって開閉する異物返送逆止弁24を使用してもよい。旋回流分離槽6へ流入する被処理液の流量は、排液貯留槽1へ返流する流量に対して少ないため、旋回流分離槽6の容量を小さくすることができ、異物分離装置をコンパクトにすることが可能となる。また、被処理排液と返流する排液の流量は被処理排液3割に対して返流する排液7割以上の割合とするのが効果的である。また、旋回流分離槽6へ流入しない排液と旋回流分離槽6へ沈降した異物を別途に設けた異物貯留槽へ貯留してもよい。旋回流分離槽6のケーシングは、円筒状の胴部分である旋回流分離槽ケーシング6Aとおわん状の旋回流分離槽底面6Bとで構成されている。旋回流分離槽のケーシングの胴部分である旋回流分離槽ケーシング6Aには、処理液が旋回流分離槽6に流入する分離槽流入管4と処理液が流出する処理液流出管8が旋回流分離槽6内に突き出している。排液が流入する分離槽流入管4は、処理液流出管8より下側にありおわん状の底部分である旋回流分離槽底面6Aよりも上側に配置されている。分離槽流入管4の先端はエルボとなっており、旋回流分離槽6内でケーシングの接線方向へ排液が流出し、旋回流を発生させることが可能となっている。処理液流出管8の取出し位置は旋回流分離槽6内の水面より下にあり、流出口の方向は上側に向いており、旋回流分離槽6の水面に浮上した浮遊性の異物や、おわん状の底部である旋回流分離槽底面6Bに沈降した沈降性の異物や旋回流による慣性力で旋回流分離槽の外周へ分離された異物を除去した処理液の排出が可能となっている。また、浮遊物返送管16は旋回流分離槽6の上面から排液を排液貯留槽1へ返流する排液返送管14へつながっているため、水面に浮上した浮遊性の異物は浮遊物返送管16より流出し、排液貯留槽1へ返送することが可能となっている。また、おわん状の底部分である旋回流分離槽底面6Bに沈降した沈降性の異物は、異物返送接続管12と異物返送調整弁13を経由し、排液貯留槽1へ返送することが可能となっている。ここで、処理液が流出する処理液流出管8の取出口は水面より下側となっているため、旋回流分離槽6内へ溜まった空気が完全に抜けないという課題が生じる。このため、旋回流分離槽の上部へ空気抜きバルブ7を設け、旋回流分離槽6内へ溜まる空気を外部へ排出するようにしている。このため旋回流分離槽6へ圧力がかからずケーシングの強度を低く抑えることができ、旋回流分離槽のコンパクト化と低コスト化を実現できるようになる。
また、排液取り込みポンプ2の能力不足や排液取り込み管3の詰まりなどによって、処理液の流量が処理液流量計11によって所定流量を下回ったと検知された場合は、処理量調整弁10を開いたり、排液加圧弁15を絞ったりすることで所定流量を確保するように自動的に調節を行うようになっている。また、本異物分離装置の起動時などにおいて旋回流分離槽6内に排液が満たされていない状態から運転を開始した場合には、旋回流分離槽6内へ流れ込む排液によって旋回流分離槽6内が撹拌され、効果的に異物の沈降が行われず処理液に異物が混入する可能性がある。そこで、旋回流分離槽6へ水位センサー9を設置し、旋回流分離槽6が排液で満たされていない状態から運転を開始した場合には、水位を水位センサー9によって検知し、排液によって旋回流分離槽6が満たされた時点で分離槽流入量調整弁5を閉じ、所定時間旋回流分離槽6に静置して異物を沈降させ、旋回流分離槽内6内が安定した後で分離槽流入弁5を開放し、所定の処理流量となるように処理量流量計11と処理量調整弁10によって処理量を調整する。
【0024】
図2に示す異物分離装置は、図1の異物分離装置に対して、排液を排液取り込みポンプ2によって加圧して排液取り込み管3より乱流沈殿槽17へ流入させ、前記乱流沈殿槽17で処理された少量の処理液を旋回流分離槽6へ流入させるとともに前記乱流沈殿槽17の下部から排液返送管14で残りの排液を排液貯留槽1へ返流するようになっている。ここで、前記排液返送管14には流量調整用の排液加圧弁が設けられている。すなわち、旋回流分離槽6への前処理として乱流沈殿槽17を設けた構成が図2に示す異物分離装置である。
【0025】
図3は本発明の一実施例の異物分離装置の旋回流分離槽6に用いる異物返送接続管12に設置する異物返送逆止弁24の構造を示したものである。異物返送逆止弁24はケーシング20とボール23と上押さえ板21と下押さえ板22とから構成されている。異物返送逆止弁24の上下にかかる圧力差によってボールが上下し、流体の流れを制御するものである。
【0026】
図4は本発明の一実施例による異物分離装置の異物返送逆止弁24の動作を示したものである。図4(a)では排液返送管14内を流れる排液の静圧によってボール23は上側へ押し上げられることにより、旋回流分離槽6内に沈降した異物や排液が排液返送管14へ流出しないように栓の役目をしている。一方、図4(b)では排液返送管14内を排液が流れていないため、ボール23は旋回流分離槽6内に沈降した異物や排液によって押し下げられ、異物や排液が流出するようになっている。このように、異物返送調整弁13を異物返送接続管12に設置することによって、別途電動バルブなどを使用せずに排液取り込みポンプ2の運転と停止によって、旋回流分離槽6内へ沈降した異物の排出が可能となっている。
【0027】
図5は本発明の一実施例による異物分離装置の制御方法を示すタイムチャート図である。
【0028】
(S1区間)
まず、運転を開始すると分離槽流入量調整弁5と異物返送調整弁13が閉じ、排液加圧弁15と処理量調整弁10が開く、次に水位センサー9によって旋回流分離槽6内の排液のレベルを検知し、旋回流分離槽6内が排液によって満たされていない場合は分離槽流入量調整弁5を開き旋回流分離槽6へ排液を導入する。水位センサー9によって旋回流分離槽6内が排液によって満たされた場合は、分離槽流入量調整弁5を閉じ、旋回流分離槽6内への排液の流入を止める。
【0029】
(S2区間)
所定時間が経過した後に分離槽流入量調整弁5を開き、所定流量となるように処理量調整弁10の開度を調節する。ここで、排液加圧弁15は開いているが、処理流量が所定の流量に到達しない場合は排液加圧弁15の開度を調節する。
【0030】
(S3区間)
所定時間間隔毎に旋回流分離槽6内に沈降した異物を排出する。まず、排液取り込みポンプ2を停止し、分離槽流入調整弁5を閉じる、次に異物返送調整弁13を所定時間の間開いて旋回流分離槽内に沈降した異物を排出する。
【0031】
(S4区間)
旋回流分離槽6内に沈降した異物を排出した後は、再度排液取り込みポンプ2の起動を行う。つまり、排液取り込みポンプ2が運転し、旋回流分離槽6内が排液によって満たされていない場合は異物返送調整弁13を閉じ、分離槽流入量調整弁5が開き、旋回流分離槽6へ排液を導入する。水位センサー9によって旋回流分離槽6内が排液によって満たされた場合は、分離槽流入量調整弁5を閉じ、旋回流分離槽6内への排液の流入を止める。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、排液貯留槽から取り込む排液の一部を旋回流分離槽へ流入して異物を除去し処理液として取り出し、残りの排液を排液貯留槽へ返送することでフィルターを使用しない異物分離装置を実現することができる。
【0033】
また、本発明は乱流沈殿槽で沈降性物質を除去し、さらに旋回流分離槽にて浮遊性物質と沈降性物質、特にトイレットペーパーなどのセルロースからなるノリ状の繊維質などの異物を分離することでフィルターを使用しない異物分離装置を実現することができる。
【0034】
また、特に本発明は異物分離槽の排液取り込みポンプ起動時において、旋回流分離槽を一定時間静置することで異物の少ない安定した処理液を得ることを実現できる。
【0035】
また、本発明は異物返送調整弁を排液取り込みポンプと連動させて所定時間間隔毎に開閉することにより、自動的に旋回流分離槽内に沈降した異物を排出できる異物分離装置を実現することができる。
【0036】
また、本発明は異物返送調整弁を処理液流量計と連動させて開度を調整することにより、連続的に旋回流分離槽内に沈降した異物を排出できる異物分離装置を実現することができる。
【0037】
また、本発明は旋回流分離槽下部に設けた異物返送調整弁を排液取り込みポンプの運転と停止によって開閉することで異物を排出できる異物分離装置を実現することができる。
【0038】
また、本発明は排液返送管に設けた排液加圧弁の開度を調整することにより旋回流分離槽への流量を調整できる異物分離装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の異物分離装置を示すブロック構成図
【図2】本発明による一実施例の異物分離装置を示すブロック構成図
【図3】本発明による一実施例の異物返送調整弁の断面図
【図4】(a)本発明による一実施例の異物返送調整弁の断面図
(b)同図
【図5】本発明による一実施例の異物分離装置のタイムチャート
【符号の説明】
1 排液貯留槽
2 排液取り込みポンプ
3 排液取り込み管
4 分離槽流入管
5 分離槽流入量調整弁
6 旋回流分離槽
6A 旋回流分離槽ケーシング
6B 旋回流分離槽底面
7 空気抜きバルブ
8 処理液流出管
9 水位センサー
10 処理量調整弁
11 処理量流量計
12 異物返送接続管
13 異物返送調整弁
14 排液返送管
15 排液加圧弁
16 浮物物返送管
20 ケーシング
21 上押さえ板
22 下押さえ板
23 ボール
24 異物返送逆止弁

Claims (6)

  1. 排液の処理法において、排液貯留槽から排液を取り込む排液取込みポンプおよび排液取込み管と、前記排液取込み管から枝分れした一方に排液の一部を旋回流分離槽へ取り込むための分離槽流入管および分離槽流入量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた空気抜きバルブと、前記旋回流分離槽から処理液を取り出す処理液流出管と、前記処理液流出管に設けた処理量調整弁と、前記排液取込み管から枝分れした他方に排液を排液貯留槽へ返送する排液返送管と、前記旋回流分離槽に水位センサーとを備えた異物分離装置であって、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされていないと検知した場合に前記排液取り込みポンプを駆動し、前記分離槽流入量調整弁を開放して前記旋回流分離槽へ排液を取り込み、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされたと検知した時点で前記分離槽流入量調整弁を閉じ、所定時間経過後に前記分離槽流入量調整弁を開放して所定流量となるように前記処理量調整弁を調整することを特徴とする異物分離装置。
  2. 排液の処理法において、排液貯留槽から乱流沈殿槽へ排液を取り込む排液取り込みポンプおよび排液取り込み管と、前記乱流沈殿槽と旋回流分離槽とを結び前記乱流沈殿槽からの処理液を前記旋回流分離槽へ流入させる槽間接続管および分離槽流入量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた空気抜きバルブと、前記旋回流分離槽から処理液を取り出す処理液流出管と、前記処理液流出管に設けた処理量調整弁と、前記旋回流分離槽に設けた水位センサーと、前記乱流沈殿槽下部に排液返送管とを備えた異物分離装置であって、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされていないと検知した場合に前記排液取り込みポンプを駆動し、前記分離槽流入量調整弁を開放して前記旋回流分離槽へ排液を取り込み、前記水位センサーによって前記旋回流分離槽が排液によって満たされたと検知した時点で前記分離槽流入量調整弁を閉じ、所定時間経過後に前記分離槽流入量調整弁を開放して所定流量となるように前記処理量調整弁を調整することを特徴とする異物分離装置。
  3. 前記旋回流分離槽の下部に前記旋回流分離槽と前記排液返送管とを結ぶ異物返送接続管に異物返送調整弁を備え、前記旋回流分離槽に溜まった異物を排出するために通常閉じられた前記異物返送調整弁を所定時間経過毎に開くことを特徴とする請求項1または2に記載の異物分離装置。
  4. 前記旋回流分離槽の下部に前記旋回流分離槽と前記排液返送管とを結ぶ異物返送接続管に開度を調整できる異物返送調整弁を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の異物分離装置。
  5. 前記旋回流分離槽の下部に前記旋回流分離槽と前記排液返送管とを結ぶ異物返送接続管を備え、前記異物返送接続管に前記排液取り込みポンプの運転と停止によって、旋回流分離槽内へ沈降した異物を排出する異物返送調整弁を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の異物分離装置。
  6. 前記排液返送管に開度を調整できる排液加圧弁を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の異物分離装置。
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