JP2005021783A - 環境汚染防止用薬剤及びその製造方法 - Google Patents

環境汚染防止用薬剤及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】動植物性残渣を有効に再利用することが出来、農地、河川、海の汚染に対処することが出来て、家畜の糞尿処理にも有効な環境汚染防止用薬剤及びその製造方法の提供。
【解決手段】高温加熱乾燥炉(103)により動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c)を高温加熱して炭化する工程と、該炭化する工程により生成された炭化物(200C)とアクリル系水溶性高分子材料(P)とを混合する工程と、該混合する工程で生じた混合物を破砕して粉体(200)とせしめる破砕工程、とを有している
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環境汚染対策に有効な汚染防止用薬剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現時点において、環境リサイクル(再生利用)は、ごく一部の分野に限られて行われている。人間が食する物から排出される残渣物(動植物性残渣:いわゆる「生ゴミ」)においては、環境リサイクル(再生利用)は殆ど行われていないのが現状である。
【0003】
動植物性残渣は、人間が生きていく為に必ず発生するもので、しかも、多量に発生する。
我々の食物由来であるため、動植物性残渣の安全性は保証されてはいるが、動植物性残渣をそのまま放置しておけば、時間の経過とともに腐敗して、雑菌等が大量に繁殖し、我々の生活環境を脅かす恐れを生じる。
係る事態を防止するには、動植物性残渣を焼却処分して、効率良く炭化滅菌をすることが好適である。
【0004】
しかし、動植物性残渣を焼却処分した場合に、焼却処分後の残存物をどの様に処分するかが問題となる。
従来は、そのように焼却処分後の残存物を土中に埋めて処分をしていたが(埋め立て処分)、国土面積の狭い我国では埋め立て処分用地の供給に限界がある。また、埋め立て処分を行った場合には、動植物性残渣が再生利用可能であれば、再生利用可能な貴重な資源を無駄に廃棄したこととなってしまう、という問題が存在する。
【0005】
動植物性残渣を焼却処分するための乾燥炉は、従来から提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかし従来の乾燥炉は、焼却処分後の処理という問題を解決するものではない。
【0006】
また、農地等についても、重大な環境問題が存在する。
物質循環の末端になるのは「土」であり、揮発性物質を除けば大半の物質は最終的には「土に戻る」と言われている。
ところが、近年において、我国の農地の一部は、カドミウム等重金属やダイオキシンに汚染されている、との指摘が為されている。長年に亘って日本の農地に撒かれていた除草剤CNPの中にダイオキシン類が含まれていたため、我国の農地にダイオキシン類等が蓄積されている。
それらの有害物質は農地に蓄積されているだけではなく、河川等に流出し、海へと流れ出てしまい、魚介類等にも少なからず影響を与えている可能性がある。
【0007】
農地や河川、海等の汚染は、各種病気を引き起こす原因になっており、我国において、胆のうガンによる死亡率が、男性が第二位、女性が第五位と世界的にかなり上位である理由の一つに考えられている。
また、我国内での胆のうガンによる死亡率は、男女共に新潟県が一位で、次に山形県、秋田県、青森県といったいわゆる「米どころ」が上位を占めている事実も、農地に含有する有害物質による悪影響の傍証と考えられている。
しかし、現時点において、この様な農地や河川、海における有害物質の汚染について、決定的な対応手段は確立されていない。
【0008】
さらに、酪農農家等で飼育されている家畜の糞尿についても、環境上、大きな問題が存在する。
家畜の糞尿には、窒素やカリウムやリン酸等の多くの肥料成分が含まれているため、家畜の糞尿を発酵させ、良質な肥料とすることが、古くから行われている。
しかし、これらの糞尿は、発酵方法を誤ると貯蔵箇所から流出してしまい、土壌汚染や地下水汚染、河川等の環境汚染を惹起してしまう。
【0009】
その様な環境汚染を防止するため、糞尿等の排出事業者である生産者(酪農農家等)の責任で、廃水処理設備の設置、その他の措置を講じることが望ましい。
しかしながら、酪農農家等で糞尿による汚染防止措置を講じることは、酪農農家等の負担増を意味しており、零細事業者が多い現状を考えると、非常に困難である。
【0010】
糞尿等の流出を防ぐ手段の一つとして、固液分離による排出処理がある。固液分離による処理は、装置化や自動化ができるため、他の処理方法に比べて人件費の負担が少なくてすむ。
しかし、その一方で、装置のランニングコストが負担になってしまう、という問題が存在する。
【0011】
この様に、動植物性残渣の再利用、農地や河川等の汚染、家畜の糞尿処理は環境上の大きな課題であり、早急に解決するべき課題であるが、現時点において、有効な解決策が存在しない。
【0012】
【特許文献1】
特許第2733902号公報
【特許文献2】
特許第2928851号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、動植物性残渣を有効に再利用することが出来、農地、河川、海の汚染に対処することが出来て、家畜の糞尿処理にも有効な環境汚染防止用薬剤及びその製造方法の提供を目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の環境汚染防止用薬剤(200)は、動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c)を高温加熱して生成した炭化物(200C)と、アクリル系水溶性高分子材料(P)との混合物であり、粉体状に構成されていることを特徴としている(請求項1)。
【0015】
本発明において、前記アクリル系水溶性高分子材料(P)は、イオン性水溶性モノマーの重合体であるか、或いは、イオン性水溶性モノマーと非イオン性水溶性モノマーの共重体であるのが好ましい(請求項2)。
【0016】
ここで、前記アクリル系水溶性高分子材料(P)が、イオン性水溶性モノマーと非イオン性水溶性モノマーの共重体である場合には、3〜100モル%のイオン性水溶性モノマーと0〜97モル%の非イオン性水溶性との共重合体であるのが、特に好ましい。
【0017】
そして、イオン性水溶性モノマーとしては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩及び、またはその四級化物、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩及びまたはその四級化物等のアクリル系カチオンモノマー、並びに(メタ)アクリル酸またはその塩あるいは2−アクリルアミドアルキルスルホン酸塩などのアクリル系アニオンモノマー等が好ましい。ここで、これ等のイオン性水溶性モノマーは、2種以上を併用してアクリルアミドと共重合しても良い。
一方、非イオン性水溶性モノマーとして、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン等を選択することが出来る。特に、アクリルアミドが好ましい。
【0018】
さらに、20質量%以下の凝集に悪影響をおよぼさない範囲であれば、アクリロニトルのような疎水性モノマーを共重合することも可能である。
【0019】
上述した有機系高分子凝集剤の分子量は100万以上が好ましく、凝集効果の点からは300万以上が特に好ましい。
【0020】
本発明においてアクリル系水溶性高分子材料(P)の添加量は、動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c)を高温加熱して生成した炭化物(200C)の1%〜50%であるのが好ましい(請求項3)。
【0021】
本発明の環境汚染防止用薬剤(200)の製造方法は、高温加熱乾燥炉(103)により動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」:120c、122c、123、124c、125)を高温加熱して炭化する工程と、該炭化する工程により生成された炭化物(200C)とアクリル系水溶性高分子材料(P)とを混合する工程と、該混合する工程で生じた混合物を破砕して粉体(200)とせしめる破砕工程、とを有している(請求項4)。
【0022】
或いは、本発明の環境汚染防止用薬剤(200)の製造方法は、高温加熱乾燥炉(103)により動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125)を高温加熱して炭化する工程と、該炭化する工程により生成された炭化物(200C)を破砕して粉体とせしめる破砕工程と、粉体状の炭化物と粉体状のアクリル系水溶性高分子材料(P)とを混合する混合工程、とを有している(請求項5)。
【0023】
ここで、動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125)を高温加熱して炭化する工程に先立って、動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125)を脱水処理することが好ましい。
【0024】
上述した様な構成を有する本発明によれば、凝集沈殿剤(200A)及び/又は土壌改良剤(200B)としての作用を奏する環境汚染防止用薬剤(200)を提供することが出来る。
動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125、125)を高温加熱処理して炭化した後、係る炭化物(200C)を埋め立て処理等すること無く、環境汚染防止用薬剤(200)の原料として積極的に活用することにより、動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125)における循環型の再生利用を実現することが可能となる。
【0025】
そして、凝集沈殿剤(200A)としての作用を奏することにより、本発明の環境汚染防止用薬剤(200)を食品工場(例えば食肉センター120)や食品加工場(例えば魚介類等加工事業所121)等からの排水全般(例えば廃水処理槽120w、121w)に対して投入すれば、当該排水を容易に浄化処理することが出来る。
また、本発明の環境汚染防止用薬剤(200)を汚染物質が流出した河川や海等に投入すれば、有害物質を沈殿させて、水質を浄化させることが出来る。
【0026】
さらに、土壌改良剤(200B)としての作用を奏する本発明の環境汚染防止用薬剤(200)を汚染された農地(124)等へ混入することにより、農地汚染による被害を食い止めることが可能となる。
すなわち、過去に農地に撒いた除草剤の中に含まれていたダイオキシン類等の汚染物質を完全に除去することは不可能であっても、土壌改良剤(200B)により有害物質を封じ込めることが出来るので、汚染物質が農作物内部に滞留する事や、飛散することによる汚染の連鎖を止める事ができる。
【0027】
具体的には、動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」:120c、122c、123、124c、125)を高温加熱処理した後の炭化物(200C)は、体積に比べてその表面積が大きく、極めて良好な吸着作用を奏する。そのため、汚染物質を吸着することにより、汚染物質を封じ込めることが可能である。
ここで、炭化物(200C)の原料である動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」、120c、122c、123、124c、125)は、無尽蔵に供給されるので、多量の炭化物(200C)の需要にも十分に応えることが出来て、しかも、生ゴミであるため購入コストは殆ど必要としない。
さらに、化学化合物とは異なり、炭化物(200C)であれば農地の安全を損なうこともない。
【0028】
これに加えて、有害物質を吸着する作用を奏するため、有害物質の溶出を制御すると共に、土壌を団粒化する作用を奏する。土壌が団粒化することにより、当該土壌における保水性、通気性、良質な土壌菌の繁殖性が向上する。
【0029】
これに加えて、動植物性残渣(120c、122c、123、124c、125)を高温で加熱滅菌し炭化するため、生成した炭化物(200C)が時間の経過と共に腐敗をすることはなく、雑菌等を大量に繁殖させてしまうことも無いため、我々の生活環境を脅かす事も無い。
汚染された農地の改良等におけるランニングコストの軽減が図られる。
【0030】
さらに本発明において、前記炭化物(200C)を微細粉末とすることが可能であり、そのように構成すれば、体積に対する炭化物の質量が大きくなり、凝集沈殿剤として用いた場合に、沈降速度を早くすることが出来る。
さらに、微細粉末とすることにより、単位体積当たりの表面積が増大し、吸着性が向上するので、大腸菌や重金属等の有害物質の吸着性も向上する。
【0031】
これに加えて、本発明で提供される環境汚染防止用薬剤(200)は土壌安定剤として利用することが出来る。そして、土壌安定材として使用すれば、軟弱地盤を団粒化して、軟弱地盤中の自由水を保持し、法面緑化の保水力を向上せしめることが出来る。それと共に、通気性を向上させて、微生物繁殖による膜質効果を得ることが出来る。
【0032】
それに加えて、本発明で提供される環境汚染防止用薬剤(200)は、動植物性残渣(120c、122c、123、124c、125)を主原料の一つとしている。従って、食品加工場(121)や酪農農家(122)においては、従来の動植物性残渣廃棄費用で本発明の環境汚染防止用薬剤(200)を製造して、排水処理施設(121w、122w)等に使用すれば良い。
その結果、食品加工場(121)や酪農農家(122)におけるランニングコストの軽減を図ることが出来る。さらに、余剰の環境汚染防止用薬剤(200)を販売して収益を上げれば、本発明の環境汚染防止用薬剤(200)を製造のコストを更に軽減することが出来る。
【0033】
本発明の実施に際して、動植物性残渣(120c、122c、123、124c、125)を高温加熱して炭化するための高温加熱乾燥炉(103)は、軸方向に延在する多数のロッド(37)を円周方向へ等間隔に配置して処理筒(或いは灰落し用火格子:J)を構成し、当該ロッド(37)は(廃棄物送り用の)スクリュー羽根(32)を貫通し以って当該スクリュー羽根(32)により支持されており、当該スクリュー羽根(32)には乾燥用熱風が通過するための開口部(32a)が形成されており、当該開口部以外の部分(32b)におけるスクリュー羽根(32)の断面形状は乾燥用熱風が供給される側に向かって突出した形状(例えば、頂角が乾燥用熱風供給側を向いている三角形状32c)であるのが好ましい。
【0034】
また、前記高温加熱乾燥炉(103)は、軸方向に延在する多数のロッド(37)を円周方向へ等間隔に配置して成る前記処理筒(J)は軸方向にテーパを有する様に構成され、投入口(5)側の断面積よりも、排出口(6)側の断面積の方が広くなる様に構成されているのが好ましい。
【0035】
そして、排出口(7)近傍に配置された(比較的大きな)スクリュー羽根(32)に複数(例えば6本)の円柱突起(32e)を設け、該円柱突起は、スクリュー羽根が回転する際に乾燥した対象物の(比較的大径の)塊と当接し、当該塊を前記処理筒(J)の上方に持ち上げ、前記処理筒の頂部近傍から処理筒の底部まで落下せしめる様に構成されていることが好ましい。
【0036】
また、前記円柱突起(32e)を設けたスクリュー羽根(32)と、排出口(第1の排出口6)との間の領域に配置されているスクリュー羽根(32)には、前記円柱突起(32e)により処理筒(J)頂部近傍まで持ち上げられた前記(乾燥した対象物の比較的大径の)塊を排出口(第1の排出口6)へ誘導するガイド(34a、34a)が設けられているのが好ましい。
【0037】
さらに、投入口(5)近傍の領域では小径のスクリュー羽根(35)が設けられ、前記ロッド(37)は大径のスクリュー羽根(32)のみを貫通しており、大径のスクリュー羽根の投入口(5)側にはロッド(37)を介して大径のスクリュー羽根に接続している環状部材(33)が設けられ、該環状部材(33)の内部空間には小径のスクリュー羽根(35)の排出口端部が配置されていると共に、該環状部材(33)の外周部には掻き取り部材(33a)が設けられているのが好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0039】
図1及び図2を参照して第1実施形態を説明する。
図1及び図2において、食肉センタ120で排出される残渣物120c、家畜酪農事業所122で発生する糞尿等の残渣物122c、剪定木等125及び家庭ごみの内の残渣物、所謂「生ごみ」123は図示しない専用の回収車両によって動植物性残渣の処理を専門に行う処理場に運び込まれて一旦、貯蔵・定量供給ホッパ101に投じられる。
【0040】
前記貯蔵・定量供給ホッパ101からは定期的に一定量の残渣が脱水機能を有する投入装置102に投入され、その投入装置102からドラムスクリーン型の高温加熱滅菌装置(以降、「ドラムスクリーン型の高温加熱滅菌装置」を「高温加熱乾燥炉」という)103へ投入される。
【0041】
高温加熱乾燥炉103内に投入された残渣物は高温加熱滅菌されて炭化物200Cに生成される。そして生成された炭化物200Cは、炭化物定量供給機104に投入され、定量分だけ粉砕機106Aを備えたミキサ106に投入される。
一方、高分子系ポリマ定量供給機105で軽量された一定量の高分子系ポリマもミキサ106に投入され、その投入された高分子系ポリマと、前記ミキサ106に投入され比較的大きな塊を含む炭化物がミキサ106内で混合される。
尚、前記比較的大きな塊の炭化物は、ミキサに備えられた前記粉砕機106Aによって所定の大きさまで粉砕された後、ミキサ106から環境汚染防止薬剤200として排出されて袋詰めされる。
【0042】
前記高温加熱乾燥炉103からは排煙が排出されるが、その排煙は熱交換器107で排熱利用のために熱交換され、高温の熱エネルギが取り出されると共にブロワ107Aから送られる新気によって一定温度まで下げられた排熱が更に熱交換集塵装置108に投入される。
【0043】
熱交換集塵装置108に投入されたダストを含む排煙のダスト分の多くは熱交換集塵装置108の底部に落下し除去される。残った微細なダストを含む排煙は更に熱交換煙道109に導かれここにおいても熱交換が成される。そして熱交換されさらに降温した排煙は排気洗浄装置110に送られる。
【0044】
排気洗浄装置110内では循環槽から汲み上げ、排気洗浄装置110内に散布される洗浄兼冷却水によって排気中に含まれる微細なダストが完全に除去され、冷却された排煙が再び熱交換集塵装置108のジャケット部108Aに排気ブロワ112によって送り込まれる。
【0045】
排煙は、前記排気洗浄装置110において既に冷却されている。排気洗浄装置110において脱臭は行われているものの、そのままでは大気に放出した際に万一匂いが周囲に残ってもいけないので排出した排気が大気の上方に逃げやすいように排気の温度を上げたい。そこで前記熱交換集塵機108では最終的に大気に排出される排気が該装置108を通過する中高温の排気によって熱をもらって昇温されるように構成されている。尚、図1において符号113は当該処理場のシステム全体を制御する制御盤を示す。
【0046】
ここで、前述の動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」)120c、122c、123を高温加熱して生成した炭化物に対するアクリル系水溶性高分子材料は3%〜50%である。
アクリル系水溶性高分子材料の含有率が低過ぎると凝集作用が弱くなり、一方、アクリル系水溶性高分子材料の含有率が高すぎると、相対的に炭化物の含有量が減少して、吸着作用が弱くなるからである。
下表1に、「炭化物に含有するアクリル系水溶性高分子材料の含有率が汚染物質を吸着する、その吸着効果」を測定した実験結果を示す。
Figure 2005021783
【0047】
実験結果によれば、高温加熱して生成した炭化物に対するアクリル系水溶性高分子材料が3%〜50%の含有率の領域において吸収性が良好であることが認められる。
【0048】
また、図1における高温加熱乾燥炉103については、以下に説明するものが好適である。
すなわち、
図3において、全体を符号103で示す高温加熱乾燥炉は、図示の左側が投入側で、右側が排出側となっており、外側カバー1と、内側カバー2と、前記外側カバー1の軸方向の投入側端部を覆う投入側カバー3と、外側カバー1の軸方向の排出側カバー4、とで箱型に構成されている。
【0049】
前記外側カバー1は通常の薄板鋼板で作られ、外側下部カバー11と、外側上部投入側カバー12と、外側上部排出側カバー13、とで構成されている。
【0050】
その外側下部カバー11及び/又は外側上部投入側カバー12には、乾燥処理されるべき廃棄物を投入するための投入口5が、図4に示すように、左方側面(図4では下方)に設けられている。
また、外側下部カバー11の排出側カバー4近傍には、下流側、すなわち排出側カバー4から近い順に第1の排出口6と、第2の排出口7が形成されている。
【0051】
一方、前記外側上部排出側カバー13の長手方向の中央近傍には、乾燥用熱風の排出口となる排気口8が形成されている。
なお、図示しない乾燥用熱風の供給源は排出側カバー4の外部にあり、図示では明確に示していない排出側カバー4に設けた送風口から炉内に導入される。
【0052】
前記外側下部カバー11及び外側上部投入側カバー12と、前記投入側カバー3は、中央が図示の左側中央に円形の孔Waが設けられた第1の隔壁W1によって隔離されている。
【0053】
第1の隔壁W1の中央で図示(図3及び図4)の左方の面には、前記円形の孔Waを塞ぐように図示の左方に凸の、すなわち炉外に突出するような部分球状体の投入側鏡板10が取付けられている。その投入側鏡板10には、後述のスクリューシャフト30の端部を挿通させるための挿通孔10aが形成されている。
一方、第1の隔壁W1の中央で図示の右方の面には、前記投入口5と連通し、後述の乾燥炉本体Fに連通する筒状体9の一端が支持されている。その筒状体9は筒状体9の途中で第2の隔壁W2を介して外側下部カバー11及び外側上部投入側カバー12に支持されている。
【0054】
前記外側下部カバー11及び外側上部排出側カバー13と、前記排出側カバー4は、中央に大口径の円形の孔Wbを設けた第3の隔壁W3によって隔離されている。
【0055】
第3の隔壁W3の図3の右方の面には、前記円形の孔Wbを塞ぐように図示の右方に凸の、すなわち炉外に突出するような部分球状体の排出側鏡板15が取り付けられている。その投入側鏡板15には、後述のスクリューシャフト30の端部を挿通させるための挿通孔15aが形成されている。
【0056】
ここで、前記内側カバー2は、耐熱を考慮してステンレス鋼板で作られ、内側下部投入側カバー21と、内側下部排出側カバー22と、内側上部投入側カバー23と、内側上部排出側カバー24、とで構成されている。
【0057】
そして、前記第3の隔壁W3の中央の図示の左方の面には、内側下部排出側カバー22及び内側上部排出側カバー24の夫々の一端を同時に支持している。
また、内側下部排出側カバー22及び内側上部排出側カバー24の夫々の他端は第4の隔壁W4を介して外側下部カバー11及び外側上部排出側カバー13に支持されている。
【0058】
同様に、内側下部投入側カバー21及び内側上部投入側カバー23の夫々の一端(排出側の端部)は前記第4の隔壁に隣接して設けられた第5の隔壁W5を介して外側下部カバー11及び外側上部排出側カバー13に支持され、内側下部排出側カバー21及び内側上部排出側カバー23の夫々の他端(投入側の端部)は前記第2の隔壁W2に隣接して設けられた第6の隔壁W6を介して外側下部カバー11及び外側上部投入側カバー12に支持されている。
【0059】
また、前記第4の隔壁と第5の隔壁の間には隙間(δ)が設けてあり、内カバーの排出側(21、23)と投入側(22、24)の熱膨張を吸収するように構成されている。
【0060】
図3及び図4において、符号Mは、図示しないギヤトレイン、又は図示しないプーリとベルトによって後述のスクリューシャフト30を回転させるためのギヤードモータを示し、符号Bi、Boは夫々スクリューシャフト30の投入側及び排出側の端部を軸支する軸受を示す。
【0061】
次に図5〜図10を参照して、投入口5から投入され乾燥処理されるべき廃棄物を回転しつつ撹拌しながら搬送するスクリューシャフト30に関して説明する。
【0062】
図5〜図7に示すように、当該のスクリューシャフト30は、薄肉で中空のシャフト本体31と、薄板で投入側が口径の小さな円形で、排出側が口径の大きな円形のテーパ状スクリュー羽根32と、そのスクリュー羽根32の投入側に隣接して設けられた投入側スクリュー35と、スクリュー羽根32の排出側に隣接して設けられた排出側スクリュー36、とを有している。
【0063】
スクリュー羽根32と投入側スクリュー35との境界部には投入側ガイド環状体33が、スクリュー羽根32と排出側スクリュー36との境界部には排出側ガイド環状体34が共にスクリュー羽根32に系止されている。
【0064】
スクリュー羽根32の各螺旋の外周近傍には、周方向に同一のピッチ(例えば投入側の最も狭いピッチでは12mm;隣り合うロッド間の隙間は2mm)で螺旋の各ピッチを貫通するように配置された多数の、例えば直径が10mmのロッド37によって円錐柱の「籠」状に構成されている。(以下、本明細書では、多数のロッド37で形成された「籠」状の部材は、「籠」と表記する。)
したがって、排出側の隣り合うロッド37、37間の隙間は、例えば4mm以上となっている。
そして、この円柱状の「籠」及びスクリュー羽根32、シャフト本体31、及び内側カバー2によって乾燥炉本体Fが形成されている。
【0065】
ここで、乾燥炉本体Fで乾燥される有機物等は、3mm程度の径に造粒される。
3mm程度の径に造粒された被乾燥物は、隣り合うロッド37、37間の隙間が2mmピッチでは、多数のロッドで形成される「籠」(請求項1〜4において処理筒、以降、処理筒を「籠」と略記する)Jから下方には脱落しない。
【0066】
上述したように、本実施形態では、「籠」Jにテーパがついており、投入口(5)側の断面積よりも、排出孔(6)側の断面積の方が広くなっている。
ロッド37間のピッチは、投入口(5)側の2mmから徐々に拡大され、例えば、排出口(6)側は4mmとなる。そのため、粒状有機物の粒径に比例して落下地点が軸方向に均一に分布する。
【0067】
多数のロッド37で構成される「籠」J下方に落下した粒状有機物は、多数のロッド37で構成される「籠」Jよりも半径方向外方の領域に突出したスクリュー羽根32の外周部分により、軸方向に掻き出されるように移動し、前記第2の排出口7から排出される。
【0068】
薄肉で中空のシャフト本体31の両端には、前述の軸受Bi、Boによって軸支される軸端部部材31i(投入側)、31o(排出側)が取り付けられ、その軸端部部材31i、31oの中心には、シャフト本体31を冷却するための冷却流体(冷却空気、又は冷却水)の流入・排出孔31a、31bが中空のシャフト本体31に連通するように穿孔されている。
そして、冷却流体が図示のように冷却空気の場合には、シャフト本体31に数箇所のエア噴出口31cが設けてある。
【0069】
スクリューシャフト30の排出側端部31oの軸受Boは、回転のみを支持して、スクリューシャフト30の軸方向については移動自在に構成すると共に、熱膨張によるシャフトの軸方向の伸びを吸収する様に構成してある。
一方、スクリューシャフト30の投入側端部31iの軸受Biは、回転及び軸方向の双方を支持する様に構成してある。
スクリューシャフト30の投入側端部31iについても、軸方向へ移動自在に構成すると、シャフトが熱膨張で伸びると何れかの部材と干渉してしまう恐れがある。
従って、他の部材と干渉の恐れが無い排出側31oについてのみ、熱膨張による伸びを許容しているのが好ましいのである。
【0070】
図8は、図6のZ矢印方向(軸方向)にスクリュー羽根32の1ピッチ分を切り出して視た図であり、便宜上スクリュー羽根32を平面に変位して示した変位図示である。
ここで、図6は斜め手前が排出側で、反対側が投入側であり、乾燥炉を稼動させる場合、即ちスクリューシャフト30が回転する場合は、スクリューシャフト30の回転方向はR矢印方向である。
したがって、乾燥処理される廃棄物の流れは、図6のV矢印方向(斜め手前側に向かって来る)で、乾燥のための熱風の流れはVと反対のZ矢印方向である。
【0071】
図7は、図6同様スクリューシャフト30の斜視図であるが、図7と反対に、斜め手前が投入側で、反対側が排出側として示している。したがって、廃棄物の流れV、熱風の流れZ及び回転方向Rは共に図7とは反対向きとなっている。
【0072】
図8をも参照して、スクリュー羽根32の螺旋1ピッチ分には、図示の例では通風のために4箇所の開口部32aが形成されている。
【0073】
本発明では、スクリュー羽根32に設けた開口部32aにより、オイルバーナからの熱風の一部が投入口5方向へ直進し、残った熱風はスクリュー羽根32に沿って旋回しつつ、乾燥炉の排出孔6、7側(バーナ側)から投入口5側まで、均一に加熱する。
すなわち、オイルバーナからの熱風の全てが湾曲して排気口8へ直接向かうことはなく、乾燥炉内が均一に加熱される。
【0074】
スクリュー羽根32において、上記開口部32a以外でシャフト本体31と外周部32fを接続する4本のサポートアーム、所謂「スポーク」32bには、図7に断面を示す整流部材32cが溶接等の公知の手段で固着されている。
整流部材32cの断面形状は、頂角が乾燥用熱風を供給する側を向いた三角形状である。
スポーク32bと整流部材32cとを別体としたのは、スクリュー羽根32が捩れを伴う螺旋形状であり、スポーク32bと整流部材32cとを一体成形することが困難であるためである。しかし、部分的な簡易型を用いて別工程で簡易プレスを施すことにより、一体とすることも可能である。
【0075】
そのようにスポーク32bには、頂角が乾燥用熱風を供給する側を向いた三角形状の断面を有する清流板32cが取り付けてあるために、スクリュー羽根の外周部32fを十分な強度で支持することが出来る。
また、スポーク32bが平坦であると、図示しないオイルバーナからの熱風がそのまま反射してオイルバーナ側に戻ってしまい、乾燥炉内の投入口5側に到達しない可能性がある。
これに対して、スポーク32bの乾燥用熱風を供給する側の断面を3角形状に構成すれば、オイルバーナからの熱風が分流されて、スクリュー羽根32の前記開口部32aに効率的に熱風が誘導される。
【0076】
また、スクリュー羽根32の外周近傍には、図8及び図10に示すように、円柱突起32eが6箇所、軸芯に平行に突設されている。
円柱突起32eを設けないと、前記排出側のスクリュー(逆スクリュー)36が排出口6よりも投入口5側の領域まで到達しているため、大きな塊は排出側のスクリュー(逆スクリュー)36に押圧されて逆走して、排出口6まで到達出来ない。
したがって、上述したようにスクリュー羽根32の外周近傍に、円柱突起32eを設けることにより、大きな塊となった乾燥対象物(有機物等)が、スクリュー羽根32の回転に伴い、乾燥炉Fの(多数のロッド37で構成される「籠」J内の空間の)上方に持ち上げられて、下方に落下する。
大きな塊は落下の際の衝撃で破砕され、細かい粒となって、ロッド37間から「籠」Jの下方へ脱落して、排出口6から排出される。
【0077】
投入側スクリュー35は、スクリュー羽根32に対して同じ向きのスクリューとなっており、投入口5から投入された乾燥対象物(有機物等)を円滑にスクリュー羽根32へ送り込む役を果たす。
投入側スクリュー35には、投入口5側の端部(投入側鏡板8の内面)まで、バーナからの熱風が良好に循環するように、スクリュー羽根を多数の小孔「35a」を有するパンチングメタルで構成することが好ましい(図7参照)。
【0078】
また、前記投入側ガイド環状体33の外周面には、軸方向に対して傾斜して配置されたガイド部材33aが形成されている。
ガイド部材33aを設けることにより、投入側ガイド環状体33と内側下部投入側カバー21とによって囲まれた円環状の空間Gに滞溜した粒状乾燥物を、第2の排出口7側に押出してやることが出来る。
換言すれば、比較的細かい粒状の乾燥対象物が円環状の空間Gに滞溜すると、乾燥炉Fの回転にブレーキがかかってしまうので、そうした事態を防止するために、ガイド部材33aが設けられているのである。
【0079】
さらに、前記排出側ガイド環状体34のテーパ状の内周面には、軸方向に捩れて傾斜するように配置されたガイド部材34aが形成されている。
このガイド部材34aは、第1の排出口6に向けて、大きな塊を誘導するためのガイド部材である。
大きな塊が、前述の円柱突起32eにより持ち上げられて落下する際に、図3において、符号「E」で示す領域に来た場合には、ガイド部材34aにより第1の排出口6へ案内される。
【0080】
再び図2において、上述したように、図示の実施形態では、動植物性残渣、いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125を高温加熱処理して炭化した後、係る炭化物200Cを埋め立て処理等すること無く、凝集沈殿剤200A及び/又は土壌改良剤200Bとして作用する環境汚染防止用薬剤200を製造する。
換言すれば、動植物性残渣、いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125を、環境汚染防止用薬剤200の原料として積極的に活用することにより、「生ゴミ」の循環型の再生利用を実現している。
【0081】
そして、環境汚染防止用薬剤200は凝集沈殿剤200Aとして作用するので、食品工場(例えば食肉センター120)や食品加工場(例えば魚介類等加工事業所121)等からの排水全般に対して投入すれば、具体的には、廃水処理槽120w、121wに投入することにより、当該排水を浄化処理するのである。
また、図2では示されていないが、汚染物質が流出した河川や海等に環境汚染防止用薬剤200を投入して、有害物質を沈殿させて、水質を浄化させることも出来る。
炭化物200Cを微細粉末して、体積に対する炭化物の質量が大きくせしめ、凝集沈殿剤200Aを用いた場合における沈降速度を高速化したためである。さらに、微細粉末とすることにより、凝集沈殿剤200Aの単位体積当たりの表面積が増大し、吸着性が向上するので、大腸菌や重金属等の有害物質の吸着性も向上する。
【0082】
また、環境汚染防止用薬剤200は土壌改良剤としての作用を奏するので、環境汚染防止用薬剤200を土壌改良剤200Bとして、土壌汚染された農地124等へ混入して、係る土壌汚染による被害を解消している。
すなわち、土壌改良剤200Bにより、有害物質(例えば過去に農地に撒いた除草剤の中に含まれていたダイオキシン類等の汚染物質)を封じ込めて、農作物内部に対する汚染物質の滞留や、飛散を防止し、以って、汚染の連鎖を食い止めているのである。
【0083】
ここで、いわゆる「生ゴミ」120c、122c、123、124cを高温加熱処理した後の炭化物200Cは、体積に比べてその表面積が大きく、極めて良好な吸着作用を有するため、ダイオキシン等の汚染物質を吸着して、封じ込めるのである。
そして、土壌改良剤200Bの原料である「生ゴミ」120c、122c、123、124c)は無尽蔵に供給されるので、土壌改良剤200Bの需要にも十分に応えることが出来て、しかも、(生ゴミであるため)購入コストは殆ど掛からない。
さらに、土壌改良剤200Bの原料は、化学化合物ではなく炭化物200Cであるため、農地の安全を損なわない。
【0084】
これに加えて、土壌改良剤200Bを構成する炭化物200Cは有害物質を吸着する作用を奏するため、有害物質の溶出を制御すると共に、土壌を団粒化する作用を奏する。土壌が団粒化することにより、当該土壌における保水性、通気性、良質な土壌菌の繁殖性が向上する。
【0085】
しかも、「生ゴミ」120c、122c、123、124cを高温で加熱滅菌し炭化するため、生成した炭化物200Cが時間の経過と共に腐敗をすることはなく、雑菌等を大量に繁殖させてしまうことも無いため、我々の生活環境を脅かす事も無い。
汚染された農地の改良等におけるランニングコストの軽減が図られる。
【0086】
環境汚染防止用薬剤200は、「生ゴミ」120c、122c、123、124c、125(動植物性残渣)を主原料としている。従って、食品加工場121や酪農農家122においては、従来の動植物性残渣廃棄コストよりも低額なコストにて、環境汚染防止用薬剤200を製造して、排水処理施設121w、122w等に使用することが出来る。その結果、食品加工場121や酪農農家122におけるランニングコストを減少することが可能となる。さらに、余剰の環境汚染防止用薬剤200を販売して収益を上げれば、各種コストを更に軽減することが出来る。
【0087】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【0088】
【発明の効果】
本発明の作用効果を以下に列挙する。
(1) 凝集沈殿剤及び/又は土壌改良剤としての作用を奏する環境汚染防止用薬剤を提供することが出来る。
(2) 動植物性残渣(いわゆる「生ゴミ」)を高温加熱処理して炭化した後、係る炭化物を埋め立て処理等すること無く、環境汚染防止用薬剤の原料として積極的に活用することにより、動植物性残渣における循環型の再生利用を実現することが可能となる。
(3) 凝集沈殿剤としての作用を奏することにより、本発明の環境汚染防止用薬剤を食品工場(例えば食肉センター)や食品加工場(例えば魚介類等加工事業所)等からの排水全般(例えば廃水処理槽)に対して投入すれば、当該排水を容易に浄化処理することが出来る。
また、本発明の環境汚染防止用薬剤を汚染物質が流出した河川や海等に投入すれば、有害物質を沈殿させて、水質を浄化させることが出来る。
(4) さらに、土壌改良剤としての作用を奏する本発明の環境汚染防止用薬剤を汚染された農地等へ混入することにより、農地汚染による被害を食い止めることが可能となる。これに加えて、有害物質を吸着する作用を奏するため、有害物質の溶出を制御すると共に、土壌を団粒化する作用を奏する。土壌が団粒化することにより、当該土壌における保水性、通気性、良質な土壌菌の繁殖性が向上する。
(5) 土壌改良剤としての作用を奏する本発明の環境汚染防止用薬剤を汚染された農地等へ混入することにより、係る土壌改良剤は動植物性残渣を高温で加熱滅菌し炭化するため、生成した炭化物が時間の経過と共に腐敗をすることはなく、雑菌等を大量に繁殖させてしまうことも無いため、我々の生活環境を脅かす事も無く、汚染された農地の改良等におけるランニングコストの軽減が図られる。
(6) 前記炭化物を微細粉末とすることが可能であり、そのように構成すれば、体積に対する炭化物の質量が大きくなり、凝集沈殿剤として用いた場合に、沈降速度を早くすることが出来る。さらに、微細粉末とすることにより、単位体積当たりの表面積が増大し、吸着性が向上するので、大腸菌や重金属等の有害物質の吸着性も向上する。
(7) 本発明で提供される環境汚染防止用薬剤は土壌安定剤として利用することが出来る。そして、土壌安定材として使用すれば、軟弱地盤を団粒化して、軟弱地盤中の自由水を保持し、法面緑化の保水力を向上せしめることが出来る。それと共に、通気性を向上させて、微生物繁殖による膜質効果を得ることが出来る。
(8) 本発明で提供される環境汚染防止用薬剤は、動植物性残渣を主原料の一つとしてため、食品加工場や酪農農家においては、従来の動植物性残渣廃棄費用で本発明の環境汚染防止用薬剤を製造して、排水処理施設等に使用すれば良い。その結果、食品加工場や酪農農家におけるランニングコストの軽減を図ることが出来、余剰の環境汚染防止用薬剤を販売して収益を上げれば、本発明の環境汚染防止用薬剤を製造のコストを更に軽減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る環境汚染防止用薬剤の製造プラントの概要を示す製造フロー図。
【図2】本発明の実施形態に係る環境汚染防止用薬剤を用いた場合におけるリサイクルの概念を示す図。
【図3】ドラムスクリーン方降温加熱滅菌装置(乾燥炉)の全体を示す断面図。
【図4】図3に対する平面図。
【図5】本発明の実施形態におけるスクリューシャフトの側面図。
【図6】本発明の実施形態におけるスクリューシャフトの斜視図で排出側を手前側として表した図。
【図7】本発明の実施形態におけるスクリューシャフトの斜視図で投入側を手前側として表した図。
【図8】図7のZ矢印方向(軸方向)にスクリュー羽根32の1ピッチ分を切り出して視た図。
【図9】図8のX−X断面図。
【図10】図8のY−Y断面図。
【符号の説明】
101・・・貯蔵・定量供給ホッパ
102・・・投入装置
103・・・高温加熱滅菌装置/高温加熱乾燥炉
104・・・炭化物定量供給機
105・・・高分子系ポリマ定量供給機
106・・・混合機
106A・・・粉砕機
107・・・熱交換器
108・・・熱交換集塵装置
109・・・熱交換煙道
110・・・排気洗浄装置
111・・・循環槽
112・・・排気ブロワ

Claims (5)

  1. 動植物性残渣を高温加熱して生成した炭化物と、アクリル系水溶性高分子材料との混合物であり、粉体状に構成されていることを特徴とする環境汚染防止用薬剤。
  2. 前記アクリル系水溶性高分子材料は、イオン性水溶性モノマーの重合体であるか、或いは、イオン性水溶性モノマーと非イオン性水溶性モノマーの共重体である請求項1の環境汚染防止用薬剤。
  3. アクリル系水溶性高分子材料の添加量は、動植物性残渣を高温加熱して生成した炭化物の1%〜50%である請求項1、2の何れかの環境汚染防止用薬剤。
  4. 請求項1〜3の何れかの環境汚染防止用薬剤を製造する方法において、高温加熱乾燥炉により動植物性残渣を高温加熱して炭化する工程と、該炭化する工程により生成された炭化物とアクリル系水溶性高分子材料とを混合する工程と、該混合する工程で生じた混合物を破砕して粉体とせしめる破砕工程、とを有していることを特徴とする環境汚染防止用薬剤の製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れかの環境汚染防止用薬剤を製造する方法において、高温加熱乾燥炉により動植物性残渣を高温加熱して炭化する工程と、該炭化する工程により生成された炭化物を破砕して粉体とせしめる破砕工程と、粉体状の炭化物と粉体状のアクリル系水溶性高分子材料とを混合する混合工程、とを有していることを特徴とする環境汚染防止用薬剤の製造方法。
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