JP2005021331A - 安眠促進装置、安眠促進方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】人体から取得した生体情報から上記人体の覚醒度を生成する。そして、このように算出した上記覚醒度の情報に応じて、少なくとも音声の出力を行う音声出力手段に対して、上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行うことで、人体を効率的且つ快適に入眠させることができる。さらに、このように音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行うのに応じて、少なくとも外部音声を打ち消すための制御音を出力する消音手段における上記制御音の出力の開始、又は上記制御音レベルの増化のための制御を行うことで、音声出力の停止や音量の低下に伴って騒音が目立つようにして感じ取られることを防止して、例えば入眠後も快適な環境を維持することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば人体を効率的且つ快適に入眠させると共に、入眠後も快適な睡眠環境を維持することで人の安眠を促進することを目的とした安眠促進装置、及び安眠促進方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平4−309364号公報
【特許文献2】
特開平8−63174号公報
例えば、音響装置を利用して、就寝時に音楽を聴きながらリラックスして入眠するということが行われている。
上記した特許文献1では、安眠促進のために、このような就寝時に流される音楽等の音量を自動制御するようにした技術が記載されている。
この特許文献1では、人体から得られる生体情報を利用して人体の入眠状態を検出するようにしている。そして、このような生体情報に基づき、入眠が検出されるまでは音楽を出力させ、入眠後にその音量を絞るようにしている。
この発明では、例えば単に入眠と同時に音楽を停止させる構成のように、急激な音量の変化を与えないようにして、入眠直後の安眠を確保するようにしているものである。
【0003】
また、安眠促進のためには、他にも外部から進入する騒音を除去して、静かな環境で眠りにつかせるのも有効である。
上記特許文献2では、このような騒音を消音するようにして安眠を促進するようにした技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記した特許文献1では、入眠後に音を下げ始めるようにしているが、就寝時のように人体が比較的落ち着いた状態にある場合において、同音量による音楽が出力され続けることによっては、次第に音が大きく感じ取られるようになって、かえって眠りの妨げとなってしまう可能性がある。
【0005】
さらに、特許文献2のように消音を行う場合は、音響装置からの出力音もかき消されてしまう可能性もあり、これによっては就寝時に音楽を聴きながらリラックスして入眠することができなくなってしまう。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、安眠促進装置として以下のように構成することとした。
すなわち、先ず、人体からの生体情報を取得する生体情報取得手段と、上記生体情報取得手段により取得された上記生体情報から、上記人体の覚醒度を示す覚醒度の情報を生成する生成手段とを備えるようにする。
そして、少なくとも音声の出力を行う音声出力手段に対する制御が可能であって、上記生成手段により生成された上記覚醒度の情報に応じて、少なくとも上記音声出力手段による上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行う第1の制御手段を備える。
さらに、少なくとも外部音声を打ち消すための制御音を出力する消音手段に対する制御が可能であって、上記第1の制御手段によって上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御が行われるのに応じて、少なくとも上記消音手段における上記制御音の出力の開始、又は上記制御音レベルの増化のための制御を行う第2の制御手段を備えるようにした。
【0007】
また、本発明では安眠促進方法として以下のようにすることとした。
つまり、人体からの生体情報を取得する生体情報取得処理と、上記生体情報取得処理により取得した上記生体情報から、上記人体の覚醒度を示す覚醒度の情報を生成する生成処理とを実行する。
そして、上記生成処理により生成した上記覚醒度の情報に応じて、少なくとも音声の出力を行う音声出力手段による上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行う第1の制御処理を実行し、さらに、上記第1の制御処理によって上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行うのに応じて、少なくとも外部音声を打ち消すための制御音を出力する消音手段における上記制御音の出力の開始、又は上記制御音レベルの増化のための制御を行う第2の制御処理を実行することとした。
【0008】
上記本発明では、上記音声出力手段により出力される音声により、上記人体をリラックスさせて入眠させることを想定している。
そしてこの際、本発明によれば、上記のようにして人体の覚醒度に応じて、音量が下げられるか、または音声出力が停止されるから、入眠まで同音量が出力され続けるようなことはない。
また、このとき、上記のような音量の低下、音声出力の停止に応じては、消音のための制御音の出力が開始されるか、又はそのレベルが増化するから、上記のように音量が下げられる、又は音声出力が停止されたことにより騒音が目立つように感じとられることを防止できるようになる。
また、これらの制御は、人体からの生体情報から算出した覚醒度に基づいて行われるから、実際における上記人体の覚醒度に応じて安眠促進のための制御を行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明における第1の実施の形態としての安眠促進装置1を備えたシステム構築例を示した図である。
図1において、本実施の形態の安眠促進装置1としては、図示するようにコントロールユニット1a、生体情報センサ2、騒音計測用マイクロフォン12、12、評価用マイクロフォン13、13、消音スピーカ14、14を含むものとされる。
先ず、本実施の形態の安眠促進装置1としては、図示するように寝室100において使用されることが想定される。
安眠促進装置1において、コントロールユニット1aは、生体情報センサ2、騒音計測用マイクロフォン12、12、評価用マイクロフォン13、13からの入力に基づいて、後述する実施の形態としての安眠促進制御動作を行う部位である。
また、生体情報センサ2は、当該寝室100に配置されるベッド40上で就寝する人体の生体情報についてのセンシング(検知)を行う。このため、この生体情報センサ2としては、上記ベッド40上における人体からの生体情報が取得できる位置に配置される必要がある。
【0010】
騒音計測用マイクロフォン12、12は、騒音を電気信号に変換してコントロールユニット1aに供給する。例えば住宅等、騒音が主に窓付近から進入することが予想される場合には、これら騒音計測用マイクロフォン12、12を、図のように寝室100における窓30付近に配置しておけばよい。
【0011】
消音スピーカ14、14は、上記騒音計測用マイクロフォン12、12により得られた騒音を表す電気信号に基づいて上記コントロールユニット1aが生成する、騒音を打ち消すための制御音を出力するために設けられる。
この消音スピーカ14、14としては、例えば図のようにベッド40における枕元付近に配置されることが想定されている。すなわち、人体がベッド40に就寝した際に、これら消音スピーカ14、14が人体の耳元付近に配置されるようにしておくものである。
これら消音スピーカ14、14の配置位置によっては、騒音についての消音効果が左右されるものとなるから、できるだけ人体が就寝した際の耳元付近に配置するのが好ましい。
また、評価用マイクロフォン13、13も、同様にベッド40上における人体の耳元付近に配置されることが想定される。これら評価用マイクロフォン13、13に得られた音声信号は、コントロールユニット1aに対して供給され、後述するように消音スピーカ14、14から出力される消音のための音声レベルの最適化制御に用いられる。
【0012】
また、この寝室100において、音響装置50は、例えば音響再生が可能な電子機器であり、この場合は就寝時においてBGM(Back Ground Music)としての所要の音響再生を行うことが想定されている。
本例の場合、この音響装置50は、上記コントロールユニット1aが発信するコマンド信号によりその動作が制御されることが想定される。このために、この場合の音響装置50としては、少なくともリモートコントローラによる操作入力が可能な機器が選定されている必要がある。また、これと同時に寝室100において、上記コントロールユニット1aにより発信されるコマンド信号を受信できる位置に配置されている必要がある。
なお、コントロールユニット1aから音響装置50への制御は、専用の信号線を介して行われるようにしてもよい。
【0013】
図2は、本実施の形態の安眠促進装置1の内部構成として、主に図1に示されるコントロールユニット1aの内部構成例について示したブロック図である。
なお、この図2では、説明の便宜上、先の図1に示した騒音計測用マイクロフォン12、12、評価用マイクロフォン13、13、消音スピーカ14、14を、それぞれ1つのブロックにより示している。
この図2において、生体情報センサ2は、先の図1により説明したように、寝室100におけるベッド40上において、人体からの生体情報が得られるようにして配置される。
この場合の生体情報センサ2としては、例えばゴムや柔軟なプラスチック材、或いは布等により形成された袋状容器に空気を密閉的に充填した空気袋と、この空気袋内の空気圧を検出する無指向性マイクロフォン又は圧力センサから成る、いわゆる空気動圧式によるセンサを用いるようにすればよい。
このような空気動圧式によるセンサとしては、比較的薄型で構成することができ、例えば先の図1で示したようなシート状とすることができる。そして、これによって、ベッド40上において人体の自由を束縛することなく生体情報をセンシングすることができるというメリットがある。
この空気動圧式センサとしての生体情報センサ2により得られる信号には、例えば人体の体動や呼吸の様子、或いは心拍の様子といった、上記空気袋内の空気圧の変化を伴う生体情報が反映されることになる。
そして、生体情報センサ2において得られるこのような信号は、図示するようにA/D変換器3を介してバス15に対して送出される。
なお、本例で用いる空気動圧式センサによる生体情報センサ2の構成については、例えば特開2002−10994号公報等に記載の内容等、公知の技術に基づいたものとされればよい。
【0014】
操作入力部7は、当該安眠促進装置1に対する操作入力を可能とするために備えられ、必要な各種操作子が配置される。そして、これら各種操作子に対する操作に応じた操作信号は、バス15を介してCPU4に供給される。
【0015】
コマンド発信部8は、図示するようにバス15を介して接続されたCPU4からの制御に基づいた、所要のコマンド信号を発信する。
なお、このコマンド発信部8としては赤外線方式に対応した構成とされればよいが、例えば電波方式等の他の方式に対応した構成が採用されても構わない。
【0016】
時計機能ブロック9は、例えば年月日時分秒、及び曜日等による現在時刻情報を生成する。この時計機能ブロック9により生成される現在時刻情報は、後述するようにバス15を介して接続されたCPU4によって参照される。
【0017】
LCD(Liquid Crystal Display)10は、図示するようにバス15を介して接続されるCPU4の制御に基づいて、各種情報の表示を行う。また、この場合のLCD10としては、上記時計機能ブロック9により生成される上記現在時刻情報の表示も可能に構成される。
【0018】
消音スピーカ駆動回路11は、先の図1にも示した騒音計測用マイクロフォン12、評価用マイクロフォン13からの入力に基づいて、消音スピーカ14を駆動・制御する。
騒音計測用マイクロフォン12は、先にも説明したように例えば寝室100における窓30付近に配置され、寝室100に進入する騒音を電気信号に変換してこれを上記消音スピーカ駆動回路11に対して供給する。また、評価用マイクロフォン13は、例えばベッド30に就寝する人体の耳元付近に配置され、周囲に得られる音圧に基づいた電気信号を消音スピーカ駆動回路11に供給するものである。
この場合、消音スピーカ駆動回路11としては、上記騒音計測用マイクロフォン12より得られる上記騒音に応じた電気信号に対する波形成形を行って、上記騒音の波形とは逆位相となる音声信号を生成するように構成される。そして、このように生成された音声信号に対する増幅処理を行って、これを上記消音スピーカ14を介して出力させる。
【0019】
上記のようにして、消音スピーカ14から、上記騒音計測用マイクロフォン12に得られる上記騒音とは逆位相による音声が出力されることによっては、この逆位相音声の音波による上記騒音の音波に対する音波干渉が生じ、上記騒音を打ち消すことができる。つまりこれによって寝室100に進入する騒音を消音することができるものである。
すなわち、この場合の消音スピーカ駆動回路11としては、上記のような逆位相音声の出力によって消音動作を行う、いわゆる逆位相方式による消音装置として構成されているものである。
【0020】
なおこの場合、上記のようにして消音スピーカ駆動回路11に対しては、ユーザの耳元に配置される評価用マイクロフォン13からの信号も入力されるものである。そして、この場合の消音スピーカ駆動回路11としては、このように評価用マイクロフォン13からフィードバックされる音声信号に基づき、上記消音スピーカ14が出力する逆位相音声による消音効果のレベルの最適化制御が可能に構成されている。
この際、例えば上記した消音スピーカ14が出力する逆位相音の音量が低ければ、騒音は充分に打ち消されなくなるので、この評価用マイクロフォン13からの入力信号には、このように充分に打ち消されなかった分の騒音が反映されるものとなる。そこでこの場合の消音スピーカ駆動回路11においては、このように評価用マイクロフォン13から供給される信号レベルに応じて、上記逆位相信号についての増幅ゲインを可変させる等して、消音効果を最適なレベルとするための制御を行うようにも構成されているものである。
【0021】
また、さらにこの場合の消音スピーカ駆動回路11は、バス15を介してCPU4から入力される制御信号に応じて、消音スピーカ14による上記逆位相音の出力の開始/停止の制御を行うようにも構成されている。
【0022】
なお、上記で説明したような逆位相方式による消音装置としての、本例の消音スピーカ駆動回路11の内部構成については、例えば特開平2−252398号公報に記載の構成等、公知技術に基づいたものとされればよい。
【0023】
CPU4は、例えば内部にマイクロコンピュータを備えて、当該安眠促進装置1の全体制御を行う。
このCPU4に対しては、ROM5、RAM6がバス15を介して接続されている。
ROM14には、例えばファームウェアとしてCPU4に各種処理を実行させるためのプログラムが格納されている。また、特にこの場合、ROM5に対しては、後の図3により説明する本実施の形態としての処理動作を実現するための、安眠促進制御プログラム5aが格納されている。
また、上記RAM6には、CPU4が各種処理を実行するのに必要なデータやプログラム等が適宜保持される。
【0024】
また、CPU4は、上記のように操作入力部7からバス15を介して入力される操作信号や動作状況に応じて、所定の制御処理を実行するようにされている。例えば、この場合のCPU4としては、上記操作入力部7からの操作信号に応じて、ユーザに起床時刻をセットさせるための画面表示をLCD10に行わせる処理を行う。そして、操作入力によりユーザによって設定された時刻情報を、起床時刻情報として保持する処理を行うものとされる。
【0025】
また、さらにこの場合のCPU4としては、上記した生体情報センサ2によって得られ、A/D変換器3を介してバス15に送出された信号を入力してこれを処理することによって、人体についての生体情報を得る。
本例では、このような空気動圧式による生体情報センサ2より得られる信号に対し、例えば専用のプログラムに基づく処理を行うことで、ベッド40に就寝する人体についての心拍、呼吸、体動の情報を少なくとも取得するようにされる。なお、生体情報センサ2より得られた信号からの各種生体情報の取得方法については、本例では特に限定するものではない。
【0026】
さらに、この場合のCPU4は、このように生体情報センサ2からの信号を処理することによって得たこれら心拍、呼吸、体動の生体情報に基づいて、ベッド40に就寝する人体の覚醒度の演算を行うようにされる。
ここで、これら心拍、呼吸、体動の生体情報によっては、人体の就寝時から入眠に至るまでの、人体の覚醒度の遷移が反映されることがわかっている。
例えば、心拍であれば、入眠に向けて徐々に一定の心拍数へと低下していく。また、同様に呼吸についてもほぼ一定の周期となるようにして低下していくものである。さらに、体動については、例えば人体の覚醒度が高い状態では高頻度でかつ大きな動きが検出される傾向にあるが、入眠に向けて動きが小さく頻度も低くなる傾向となる。
この場合のCPU4においては、これらの生体情報の総合的な分析を行って、就寝時から入眠に向けての人体の覚醒状況に応じた、覚醒度の情報を得るものである。
【0027】
また、CPU4では、上記のように人体の覚醒度についての演算を行うと共に、人体が入眠したか否かの判定も行う。
このような入眠の判定には、例えば、上記覚醒度が所定閾値を下回ったか否かについての情報を用いるようにする。また、これと同時に、上記体動についての生体情報を用いて、人体から体動が検出されない時間長が一定時間以上継続したか否か等の情報も併用することによっても、人体の入眠についての判定を行うことができる。
【0028】
ここで、この場合における、上記心拍、呼吸、体動からの覚醒度の算出、及び入眠の判定の方式については、例えば上記もした特開平4−309364号公報に記載の方式等、公知の方式に基づいた構成が採用されればよい。さらに、将来的な方式が採用されてもよいものであり、つまりはこのような覚醒度、入眠の評価手段の構成を特に限定するものではない。
また、この際、人体の覚醒度、入眠の判定の指標となる生体情報としては、他に脈拍、瞬き、皮膚温度、皮膚電気抵抗、眼球運動、血圧、脳波、筋電位、MV(マイクロバイブレーション)、SPO2(血中酸素飽和度)等の情報があるが、これらの情報と上記心拍、呼吸、体動の情報とを併用して覚醒度の算出、入眠の判定を行うようにしてもよい。このようになるべく多数の情報を必要に応じて同時に用いた方が、より適切な覚醒度の算出及び入眠の判定を行うのに有効である。
なお、上記のように脈拍、瞬き、皮膚温度、皮膚電気抵抗、眼球運動、血圧、脳波、筋電位、MV(マイクロバイブレーション)、SPO2(血中酸素飽和度)の生体情報を併用するとした場合においては、これらの生体情報をセンシングするための専用のセンサが別途設けられる必要がある。
【0029】
ところで、先の図1においても説明したように本例では、寝室100において、ユーザが就寝時に音響装置50によりBGMをかけながら入眠することを想定しているものである。
このように就寝時にBGMをかけて入眠することを想定した場合、このようなBGMが同音量で出力され続けると、ユーザによってその音量が次第に大きく感じられる可能性がある。そして、これによっては音楽を聴くことによりリラックスして眠るところが、かえって眠りの妨げとなってしまう可能性がある。
【0030】
そこで本例では、人体が入眠する以前の段階から、上記のように算出される覚醒度が低下していくのに応じて、音響装置50により出力されるBGMの音量を徐々に下げるように制御を行うものとしている。すなわち、このように覚醒度の低下に応じて音量を下げていくことで、人体の覚醒具合・眠気に応じた適切な音量に調節して快適且つ効率的に入眠させるようにするものである。
【0031】
そして、これと共に本例においては、上記のように覚醒度の情報に応じて音量を徐々に低下させていき、人体の入眠が判定された際には、BGMの音量が入眠後に眠りの妨げとならないように、音響装置50をオフとして音楽の出力を停止させる制御も行うものとしている。
【0032】
ところで、この際、上記のように音響装置50をオフとしてBGMが停止されることによっては、寝室100に進入する騒音が目立つように感じ取られる可能性があり、この騒音が人体の眠りの妨げとなってしまう可能性ある。
このために、本例では、入眠が判定され、音楽が停止された以降は、図2に示した消音スピーカ駆動回路11を動作させて消音動作を行うものとしている。
このようにして消音動作を行うことによっては、入眠後も人体にとって静かな環境を維持することができ、入眠後の安眠を確保することができる。
【0033】
但し、このような消音動作を行う場合、逆に起床時のことを考慮すると、例えば上記のような静かな環境が維持され続けてしまうことによって、ユーザは決められた時刻に起床することが困難となってしまう。
そこで本例としては、予め当該安眠促進装置1に対して入力設定された起床時刻の情報に基づいて、上記のような消音動作を停止するものとしている。また、これと共に、例えばアラーム音等の起床を発生させて、設定された時刻でのユーザの起床を促すようにする。
【0034】
上記説明による本実施の形態としての動作を実現するために、安眠促進装置1において行われるべき処理動作を、次の図3のフローチャートにより説明する。なお、これら図3により示される処理動作は、先の図2に示したROM5内に格納される安眠促進制御プログラム5aに基づいてCPU4が実行するものである。
先ず、図3において、CPU4は、ステップS101の処理によって生体情報の入力を開始する。
つまり、図1に示したベッド40にユーザが就寝したことにより、生体情報センサ2によって得られる生体情報としての信号の入力を開始するものである。
【0035】
ステップS102においては、覚醒度の算出処理を行う。
すなわち、上記ステップS101の処理により生体情報センサ2から入力した信号に基づき、ユーザの心拍、呼吸、体動の生体情報を得ると共に、これら生体情報に基づき、先の図2による説明のようにユーザの覚醒度についての演算を行うものである。
このステップS102においては、予め設定された所定時間ごとに、上記覚醒度の算出を行うものとされる。つまり、人体の覚醒度についての、所定時間ごとのサンプリングを行うものである。
また、これと共に、このように所定時間ごとに算出される覚醒度の情報は、以下で説明するステップS103の処理において、前回の算出結果との比較が行われるものとされているから、このステップS102の処理においては、このように算出される覚醒度の情報を例えばRAM6等に一時保持しておくようにもされる。
【0036】
ステップS103においては、前回算出の覚醒度との比較を行う。
つまり、上記のようにステップS102の処理により所定時間ごとに算出される覚醒度について、最新の算出結果と、RAM6等に一時保持された1つ前の算出結果との比較を行うものである。
【0037】
続くステップS104においては、覚醒度が下がったか否かの判別を行う。
このステップS104において、上記ステップS103の比較結果より、新たに算出された覚醒度の値が前回算出の覚醒度の値よりも大きかったとされ、否定結果が得られた場合には、図示するように再びステップS102における覚醒度の算出処理を行うようにされる。
また、上記ステップS103における比較結果より、新たに算出された覚醒度の値が前回算出の覚醒度の値よりも小さくなっているとされて肯定結果が得られた場合には、ステップS105に処理を進める。
【0038】
ステップS105においては、図1に示した音響装置50の設定音量を下げるための制御を行う。
つまり、図2に示したコマンド発信部8を制御して、音響装置50に設定音量を下げさせるためのコマンド信号を発信させるものである。
なお、このステップS105の処理に伴う音量の下げ幅としては、このときの人体の覚醒度との関係に基づいて、人体に音量を下げたことが過度に認識されない範囲内で任意に設定されればよい。
また、好ましくは、このときの人体の覚醒度との関係に基づき、人体の入眠前に音量が完全に下げられてしまうことがないような幅に設定されるのがよい。
【0039】
ステップS106においては、人体が入眠したか否かの判別処理を行う。
このステップS106では、上記ステップS102の処理によって得られた心拍、呼吸、体動の生体情報、及び覚醒度の情報に基づいて、先の図2にて説明したようにして人体が入眠したか否かの判定を行うものである。
そして、このような判定結果に基づき、人体が未だ入眠していないとして否定結果が得られた場合には、図示するようにステップS102に処理を進めて再び覚醒度の算出を行うようにされる。
また、人体の入眠が判定されて肯定結果が得られた場合には、ステップS107に処理を進める。
【0040】
ステップS107においては、音響装置50の電源をオフとするための処理を行う。
このステップS107の処理としても、先のステップS105の処理と同様、コマンド発信部8を制御して音響装置50に対して電源をオフとさせるためのコマンド信号を発信させるものである。
【0041】
続くステップS108においては、消音動作を開始するための処理を実行する。
つまり、図2に示した消音スピーカ駆動回路11に対して、消音動作を開始させるための制御信号を供給するものである。
これに応じ、消音スピーカ駆動回路11においては、先の図2にて説明したように、騒音計測用マイクロフォン12から入力される音声信号に対して逆位相となる音声信号を生成すると共に、この音声信号を消音スピーカ14を介して出力させる動作が開始される。また、評価用マイクロフォン13からの入力に基づいた、逆位相音の最適化制御も行われるものとなる。
このような駆動回路12による消音動作が開始されることによっては、上記もしたように騒音計測用マイクロフォン12に入力される音声が位相干渉によって打ち消されるようになって、結果的に寝室100に進入する騒音が消音されるものとなる。
【0042】
ステップS109においては、予め設定された起床時刻となるのを監視する。なお、このような起床時刻の情報としては、先の図2にて説明したようにして、操作入力部7を介した操作入力により予めユーザにより設定されていればよい。
【0043】
ステップS110では、上記ステップS109の処理によって起床時刻となったことが認識されたことに応じて、上記ステップS108の処理により開始させた消音動作を停止させるための処理を行う。すなわち、消音スピーカ駆動回路11に対して制御信号を供給することによって、消音動作を停止させるものである。
【0044】
ステップS111においては、起床音を発生させるための処理を行う。
ここでいう起床音とは、人体が起床できるように促すための音を指すものとする。
この場合、上記のような起床音の発生には、例えば音響装置50に音声出力を行わせることが考えられる。そして、このように音響装置50の出力音声を起床音とする場合には、このステップS111の処理として、音響装置50をオンとし、音響再生を開始させるためのコマンド信号の発信をコマンド発信部8において行わせるための制御を行えばよい。
或いは、上記起床音として、例えば所要のアラーム音を当該安眠促進装置1側において出力するといったことも考えられる。これに対応するとしたときは、ステップS111の処理として、例えば所定のアラーム音としての音声信号を消音スピーカ駆動回路11に対して供給して、これを消音スピーカ14を介して出力させるようにすればよい。
このようなステップS111の処理が行われることにより、上記ステップS109の処理によって起床時刻となったとされた場合に対応して、人体の起床を促すための起床音を発生させることができる。
【0045】
以上のようにして、第1の実施の形態の安眠促進装置1によれば、人体が入眠する以前の段階から、人体の覚醒度が低下していくのに応じて、音響装置50により出力される音楽の音量が徐々に下げるように制御が行われる。
このように、人体の覚醒度の低下に応じて、就寝時のBGMとして流される音楽の音量を徐々に下げていくことによっては、このBGMを人体の眠気に応じた適切な音量に調節して、人体を快適且つ効率的に入眠させることができる。
【0046】
また、第1の実施の形態では、人体から得られる生体情報に基づいた判定から、人体が入眠したとされた場合には、音響装置50がオフとされて音楽の出力が停止される。これによっては、入眠後に上記のようなBGMが眠りの妨げとなってしまうことを効果的に防止することができる。
【0047】
またこの際、上記のように人体の入眠が判定され、音響装置50がオフとされた場合には、消音スピーカ駆動回路11を動作させて消音動作を開始するようにしている。これによって、入眠後に寝室100に進入する騒音を消音することが可能となり、人体の安眠を確保することができる。
【0048】
ここで、上記説明からも理解されるように、本例は、就寝時におけるBGMを人体が入眠するまで流し、その後入眠と共に消音動作を開始するものである。
このように、入眠まではBGMを流し続けるようにすることによっては、このBGMにより人体をリラックスさせて眠りにつかせることができる。
そして、入眠後、上記のようにBGMが停止されるタイミングで消音動作を開始することで、BGMの停止により人体にとって目立つように感じ取られる騒音を消音させることができるものである。
つまり、このような本例によれば、音楽聴きながらリラックスして入眠することと、騒音除去による安眠の促進との両立が図られているものである。
そしてこの際、これらの両立は、上記説明からも理解されるように安眠促進制御プログラム5aに基づくソフトウエア処理により実現されるものであるから、安眠促進装置1として特に従来と比較して複雑な構成とせずに、これらの両立が図られるものである。すなわち、このような本例によっては、BGMを聴きながらリラックスして入眠することと、消音による安眠の促進との両立を、比較的簡易な追加構成により実現することができるものである。
【0049】
また、上記もしたように本例では、図2により示した生体情報センサ2により得られた人体からの生体情報に基づいて、上記してきた安眠促進のための制御を行うようにしているものである。
このようにして、人体から得られた生体情報に基づいた制御を行うことによっては、より実際の人体の覚醒度に即して安眠促進のための制御を行うことができる。つまり、このような本例によれば、実際の人体の覚醒度に即してより適切に安眠促進効果を得ることができるものである。
【0050】
さらに、上述のように本例では、予め当該安眠促進装置1に対して入力設定された起床時刻の情報に基づいて、上記のような消音動作を停止させると共に、アラーム音等の起床音を発生させるようにしている。
このように消音を解除し、起床音を発生させることによっては、消音動作により上記のような起床音がかき消されてしまうことを防止しつつ、ユーザを予め設定された時刻に起床可能となるように促すことができる。
【0051】
なお、先の図1にも示されるように、本例においては、安眠促進装置1が、寝室100等に配置されるベッド40とは別体とされる場合を例に挙げたが、安眠促進装置1としては、上記ベッド40と一体化されて構成されても構わない。或いは当該安眠促進装置1を構成する、コントロールユニット1a、生体情報センサ2、騒音計測用マイクロフォン12、評価用マイクロフォン13、消音スピーカ14のうち少なくとも何れか1つが、ベッド40と一体化される構成とすることも可能である。
但しこの場合、先の図1に示したように安眠促進装置1をベッド40と完全に別体とすれば、可搬性を有して他の場所での使用が容易となるというメリットがある。
【0052】
ところで、上記してきたようにして、就寝時においてBGMが流される場合は、寝室100に進入する騒音が、このBGMによって或る程度はかき消されるものとなるので、このような騒音が人体にとって目立つように感じ取られる可能性は低いといえる。
しかしながら、上記第1の実施の形態のように、このようなBGMの音量を徐々に下げていく制御を行った場合、特に音量がゼロレベルに近い状態となった際には、騒音が目立つように感じ取られる可能性がないとはいえない。
【0053】
そこで、本発明における第2の実施の形態としては、このように就寝時におけるBGMの音量を徐々に下げていく制御を行うと同時に、消音レベルを徐々に上げていく制御も行うものとする。つまり、これによって、BGMの音量が下がった状態における騒音についても、消音が可能となるようにするものである。
【0054】
但し、この場合、上記のようにBGMを流した状態で消音動作を開始することによっては、第1の実施の形態のように音響装置50からBGMを流したのでは、その音が消音動作によりかき消されてしまう可能性がある。
そこで、第2の実施の形態の場合は、先の図1に破線で示すようにして、例えば音響装置50が有するヘッドフォン端子等の外部音声出力端子から、BGMとしての音声信号を当該安眠促進装置20に対して入力するものとする。そして、これによって、消音スピーカ14からこのようなBGMとしての音声を出力させるようにして、上記のようにBGMが消音動作によりかき消されてしまう可能性を低くするものである。
なおこの際、例えば一般的な音響装置では、ヘッドフォン端子にプラグが差し込まれた状態ではスピーカからの出力は停止されるものとなるから、BGMが二重に出力されることがなく好都合である。
【0055】
このような使用形態に対応するために、安眠促進装置20側においては、上記のように音響装置50より出力される音声信号を入力する部位として、図4に示す外部音声入力部21が追加されるものとなる。
そして、この外部音声入力部21に入力された音声信号は、図示するようにして消音スピーカ駆動回路11に対して入力されるようにしておく。
【0056】
そして、この場合の消音スピーカ駆動回路11としては、このように外部音声入力部21より供給される音声信号を増幅して、これを消音スピーカ14を介して出力可能となるように構成されているものとする。
なお、このように消音装置において消音用の制御音と他の音声信号とを同時出力する構成については、例えば上記もした特開平2−252398号公報等に開示されている。
【0057】
上記構成による第2の実施の形態としての安眠促進装置20において得られる動作を、次の図5のフローチャートを用いて説明する。
なお、この図では、図4に示されるROM5内の安眠促進制御プログラム5bに基づきCPU4が実行する処理動作を示している。また、この図においては、主に先の図3に示した第1の実施の形態の場合の処理動作とは異なる部分について説明するものとする。
先ず、この場合のCPU4は、図示するステップS201〜S204の処理によって、先の図3のステップS101〜S104の処理と同様にして、人体から得られた生体情報から覚醒度を算出すると共に、前回算出の覚醒度との比較に基づいて、人体の覚醒度が下がったか否かについての判別を行う。
さらに、このような判別処理の結果、人体が入眠したとされた場合には、ステップS205の処理により、この場合も音量を下げるための処理を実行する。
なお、この場合は、先にも述べたようにBGMとしての音声は音響装置50から外部音声入力部21を介して入力し、消音スピーカ14から出力するようにされるものである。従って、このステップS205の処理としては、上記のように消音スピーカ14から出力されるBGM音量を可変するための、消音スピーカ駆動回路11の動作が得られるように制御する制御信号を供給する処理を行うようにされているものとする。
【0058】
そして、このようにステップS205において音量を下げるための処理を実行すると、この場合は続くステップS206において、消音レベルを上げるための処理を行うようにされる。
このステップS206としては、消音スピーカ駆動回路11における、消音のための逆位相音についてのゲインを、予め定められたレベル分上昇させるための制御信号を供給するようにされる。これによって、消音スピーカ駆動回路11により生成される逆位相音信号のレベルが所定レベル分引き上げられるようになり、消音スピーカ14から出力される逆位相音による消音効果のレベルもその分上昇するものとなる。
【0059】
第2の実施の形態では、このようなステップS206による処理動作を、上記ステップS205の処理の後に行うようにしたことで、上記ステップS205においてBGMの音量が下げられるごとに、消音レベルを上昇させることができる。つまり、音量の低下に応じて消音レベルを徐々に上昇させることができるものであり、これによって、音量低下と共に騒音が目立つように感じ取られてしまうことを防止できるものである。
【0060】
続くステップS207においては、先の図3に示したステップS106の処理と同様にして人体が入眠したか否かについての判別処理を行う。そして、この場合も、このような入眠についての判別処理の結果、人体が入眠したとして肯定結果得られた場合には、ステップS208において、先のステップS107の処理と同様に音響装置50の電源をオフとするための処理を行う。つまり、この場合も人体の入眠後にはBGMを停止するものである。
【0061】
そして、この場合、上記のようにステップS208の処理により音響装置50をオフとするための処理を実行すると、続くステップS209の処理によって消音レベルを最大とするための処理を実行するようにされる。
すなわち、このようなステップS209の処理を実行することによって、入眠後において寝室100に進入する騒音が可能な限り消音されるようにし、先の第1の実施の形態と同様に入眠後の騒音が人体の眠りの妨げとなることを防止可能とするものである。
このとき、上記のようにして消音効果を最大とするためには、消音スピーカ駆動回路15において、逆位相信号についてのゲインが評価用マイクロフォン13からの入力信号に応じて最適化されるようにすればよい。
このことから、このステップS209の処理としては、このような増幅ゲインについての最適化が行われるようにするための制御信号を、消音スピーカ駆動回路11に対して供給する処理を行う。
【0062】
続くステップS210においては、設定された起床時刻のn分前となるのを監視する。そして、このステップS210において起床時刻のn分前となったとされた場合は、ステップS211の処理により、経過時間に応じて消音レベルを徐々に低下させてくための処理を行う実行する。
【0063】
ここで、第2の実施の形態では、ユーザにより予め設定された起床時刻に向けて、徐々に消音レベルを低下させていく制御を行うものとしている。そして、このように起床時刻に向けて徐々に消音レベルを低下させていくことにより、人体を騒音に対して徐々に慣らすようにしていき、これによって人体が快適に起床できるようにしているものである。
【0064】
このような制御を実現するために、上記ステップS211の処理としては、起床時刻までのn分間内における所定時間ごとに、消音スピーカ駆動回路11におけるゲインを所定レベル分低下させるための制御信号を供給する処理を行う。
これによって、上記したステップS209の処理以降、最適化されていた逆位相信号についてのゲインを、起床時刻までのn分間の時間経過と共に徐々に下げていくことが可能となる。そして、これによって、上記のように起床時刻に向けて徐々に消音レベルを低下させていくことができるものである。
なお、上記ステップS210において設定される「n」の値によっては、ステップS211の処理によって行われる消音効果レベルの制御が開始されるタイミングが変化することになるが、この「n」の値については、例えば想定される人体の睡眠時間(入眠時刻〜起床時刻)に対して過大/過小とならないような時間が得られる範囲内で設定されていればよい。
【0065】
このようにしてステップS211において消音レベルを徐々に下げるための処理を実行すると、続くステップS212においては、設定された起床時刻となるを監視する。
そして、このステップS212の処理により起床時刻が認識された場合は、ステップS213及びS214において、先のステップS110及びS111と同様、消音動作停止、及び起床音発生のための処理を実行して、この図に示す処理動作を終了する。
【0066】
このようにして、第2の実施の形態の安眠促進装置20では、就寝時におけるBGMの音量を徐々に下げていく制御を行うと同時に、消音レベルを徐々に上げていく制御も行うものとしている。
このようにして、BGMの音量低下と共に消音レベルを徐々に上げていくことによっては、音量低下と共に騒音が目立つように感じ取られてしまうことを防止することができる。
【0067】
また、第2の実施の形態では、予め設定された起床時刻に向けて徐々に消音レベルを低下させていく制御を行うようにしたから、起床時刻に近づくにつれて人体を騒音に対して徐々に慣らしていくようにすることができ、これによって人体の快適な起床を図ることができる。
【0068】
なお、第2の実施の形態では、上記のようにして音量を下げるごとに応じて、その都度消音レベルを所定レベル分上げるように制御を行うものとしたが、消音レベルを上げ始めるタイミング、及び消音レベルを徐々に上げるタイミングは、音量低下と共に騒音が目立つように感じ取られてしまうことを防止することができる範囲内であれば任意に設定されてよい。
【0069】
なお、上記各実施の形態では、人体の安眠を促進する要素として、音を制御する構成を例示したが、本発明に基づけば、例えば「香り」や「揺れ」などの他の要素を可変して安眠を促進する構成も考えられる。
例えば、「香り」の要素については、これを就寝前に発生させることで、人体をいわゆるアロマテラピー効果でリラックスさせて入眠させることができると考えられる。そしてこの際、このような「香り」の発生レベルを、覚醒度の情報に応じて可変すれば、人体の覚醒具合に応じてよりリラックスさせる方向に香りをコントロールして人体の安眠を促進することが可能となる。
また、他の要素としては、例えばゆりかご等による「揺れ」の要素を挙げることができる。このような「揺れ」の要素も、覚醒度の情報に応じてリラックスさせる方向にコントロールすれば、人体の安眠を促進することができると考えられる。そして、人体の入眠後は、このような「揺れ」が眠りの妨げとなることを防止するために、上記した実施の形態のように入眠後は「揺れ」を停止させる制御を行うようにするのが効果的であると考えられる。
また、これら安眠を促すための他の要素の可変制御を、実施の形態で説明した「音」の制御と共に併用すれば、安眠促進効果のさらなる向上を図ることができる。
【0070】
また、上記した各実施の形態では、安眠促進装置が備える消音装置(消音スピーカ駆動回路11)が、いわゆる逆位相方式による構成とされる場合を例に挙げたが、実施の形態の安眠促進装置が備える消音装置としては、これ以外にも、例えば特開平2−228195号公報等に記載される、いわゆる負帰還方式によるものが採用されてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上で説明したように本発明では、先ず、人体からの生体情報を取得し、この生体情報から上記人体の覚醒度の情報を生成するようにしている。
そして、このようにして生成された上記覚醒度の情報に応じて、少なくとも音声の出力を行う音声出力手段に対して、上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行うようにしている。
さらに、このように上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行うのに応じて、少なくとも外部音声を打ち消すための制御音を出力する消音手段における上記制御音の出力の開始、又は上記制御音レベルの増化のための制御を行うものとしている。
【0072】
このような本発明では、上記音声出力手段により出力される音声によって上記人体をリラックスさせて入眠させることができる。
そしてこの際、上記本発明によれば、人体の覚醒度に応じて、この音声出力手段により出力される音声音量が下げられるか、または音声出力が停止されるから、入眠まで同音量が出力されることがなくなって上記人体に音量が大きく感じ取られてしまうことを防止することができる。
また、このとき、上記のような音量の低下、音声出力の停止に応じては、消音のための制御音の出力が開始されるか、又はそのレベルが増化するから、上記のように音量が下げられる又は音声出力が停止されたことにより騒音が目立つように感じとられることを防止できるようになる。
また、これらの制御は、人体からの生体情報から得られた覚醒度の情報に基づいて行われるから、実際における上記人体の覚醒具合に応じて、より適正に安眠促進のための制御を行うことができる。
【0073】
つまり、このような本発明によれば、上記のように覚醒度に応じて音声の停止や音量を減衰させることにより、人体を効率的且つ快適に入眠させることができると共に、消音手段により出力させた制御音によって例えば入眠後も快適な環境を維持することで、人体の安眠を促進することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施の形態としての安眠促進装置の使用形態について説明するための図である。
【図2】本発明における第1の実施の形態としての安眠促進装置内部の構成について例示するブロック図である。
【図3】第1の実施の形態の安眠促進装置において得られる動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明における第2の実施の形態としての安眠促進装置内部の構成について例示するブロック図である。
【図5】第2の実施の形態の安眠促進装置において得られる動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1、20 安眠促進装置、1a コントロールユニット、2 生体情報センサ、3 A/D変換器、4 CPU、5 ROM、5a、5b 安眠促進制御プログラム、6 RAM、7 操作入力部、8 コマンド発信部、9 時計機能ブロック、10 LCD、11 消音スピーカ駆動回路、12 騒音計測用マイクロフォン、13 評価用マイクロフォン、14 消音スピーカ、15 バス、21外部音声入力部
Claims (8)
- 人体からの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
上記生体情報取得手段により取得された上記生体情報から、上記人体の覚醒度を示す覚醒度の情報を生成する生成手段と、
少なくとも音声の出力を行う音声出力手段に対する制御が可能であって、上記生成手段により生成された上記覚醒度の情報に応じて、少なくとも上記音声出力手段による上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行う第1の制御手段と、
少なくとも外部音声を打ち消すための制御音を出力する消音手段に対する制御が可能であって、上記第1の制御手段によって上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御が行われるのに応じて、少なくとも上記消音手段における上記制御音の出力の開始、又は上記制御音レベルの増化のための制御を行う第2の制御手段と、
を備えることを特徴とする安眠促進装置。 - さらに、上記生体情報取得手段により取得される生体情報、及び/又は上記生成手段により生成される上記覚醒度の情報に基づき、上記人体が入眠したか否かについての判定を行う判定手段を備え、
上記第1の制御手段は、
上記生成手段により生成される覚醒度の情報に応じて上記音声の音量を減衰させるための制御を行うと共に、上記判定手段により上記人体の入眠が判定されたことに応じ、上記音声出力手段による上記音声の出力を停止させるための制御を行い、
上記第2の制御手段は、
上記判定手段により上記人体の入眠が判定されて、上記第1の制御手段により上記音声の出力を停止させるための制御が行われたことに応じ、上記消音手段に上記制御音の出力を開始させるための制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の安眠促進装置。 - さらに、上記生体情報取得手段により取得される生体情報、及び/又は上記生成手段により生成される上記覚醒度の情報に基づき、人体が入眠したか否かについての判定を行う判定手段を備え、
上記第1の制御手段は、
上記生成手段により生成される覚醒度の情報に応じて上記音声の音量を減衰させるための制御を行うと共に、上記判定手段により上記人体の入眠が判定されたことに応じ、上記音声出力手段による上記音声の出力を停止させるための制御を行い、
上記第2の制御手段は、
上記第1の制御手段により上記覚醒度の情報に応じて上記音声の音量を減衰させるための制御が行われるのに応じ、上記消音手段により出力される上記制御音のレベルを増化させるための制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の安眠促進装置。 - 上記生体情報取得手段は、上記人体の少なくとも心拍、呼吸、体動のいずれかの生体情報を取得する請求項1に記載の安眠促進装置。
- さらに、設定された時刻情報に応じて、少なくとも上記音声出力手段に対して、上記人体の起床を促すための起床音を出力させるための制御を行う第3の制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の安眠促進装置。
- さらに、設定された時刻情報に応じて、上記消音手段による上記制御音の出力を停止させるように制御を行う第4の制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の安眠促進装置。
- 上記第4の制御手段は、上記時刻情報に応じて、上記制御音のレベルを徐々に下げるように制御を行う請求項6に記載の安眠促進装置。
- 人体からの生体情報を取得する生体情報取得処理と、
上記生体情報取得処理により取得した上記生体情報から、上記人体の覚醒度を示す覚醒度の情報を生成する生成処理と、
上記生成処理により生成した上記覚醒度の情報に応じて、少なくとも音声の出力を行う音声出力手段による上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行う第1の制御処理と、
上記第1の制御処理によって上記音声の出力を停止又は上記音声の音量を減衰させるための制御を行うのに応じて、少なくとも外部音声を打ち消すための制御音を出力する消音手段における上記制御音の出力の開始、又は上記制御音レベルの増化のための制御を行う第2の制御処理と、
を実行することを特徴とする安眠促進方法。
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