JP2005020904A - Dc/dcコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】安価に構成でき、しかも安定したソフトスイッチングの精度が得られるDC/DCコンバータを提供する。
【解決手段】主スイッチング素子20のターンオン時のゼロ電圧スイッチングのために、共振回路40を作動させると、電源部10を構成するコンデンサ11,12の接続点Aから共振用リアクトル41,補助スイッチング素子42を介して電流が流出し、一方、還流用スイッチング素子33のターンオン時のゼロ電圧スイッチングのために、共振回路40を作動させると、逆に、接続点Aには補助スイッチング素子42,共振用リアクトル41を介して電流が流入する。その結果、接続点Aの電位が一定に保持されるため、共振回路40の動作を精度よく制御でき、ひいては主スイッチング素子20及び還流用スイッチング素子33のソフトスイッチングを精度よく行うことができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトスイッチングを行うDC/DCコンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両機器においては、バッテリから供給される直流電圧を、所望の直流電圧に変換するDC/DCコンバータとして、電源経路に接続されたスイッチング素子をPWM(パルス幅変調)制御し、このスイッチング素子を介して供給される電力を平滑回路によって平滑化することで所望の直流電圧を得る非絶縁・降圧型DC/DCコンバータが広く使用されている。
【0003】
この種のDC/DCコンバータでは、スイッチング素子でのスイッチングの際に発生する損失や雑音を低減する技術として、共振回路の共振現象を利用し、スイッチング素子の両端電圧がゼロとなる状態、又はスイッチング素子を流れる電流がゼロとなる状態を発生させ、その状態の時にスイッチングを行う、いわゆるソフトスイッチングが知られている。
【0004】
ここで、図9は、このようなソフトスイッチングを行うDC/DCコンバータの一例を示す回路図である。
図9に示すように、DC/DCコンバータ101は、直列接続された一対の直流電源111,112(いずれも電圧E/2とする)からなる電源部110と、電源部110からの電源経路を断続する主スイッチング素子120と、主スイッチング素子120を介して供給される電力を平滑化する平滑回路130と、一端が直流電源111,112の接続点Aに接続され、他端が主スイッチング素子120と平滑回路130との接続点Bに接続された共振回路140と、平滑回路130の出力電圧が一定となるように主スイッチング素子をPWM制御すると共に、主スイッチング素子120をターンオンさせる際に、主スイッチング素子120の出力側に電源電圧に等しい電圧を発生させるように共振回路140の動作を制御する制御部150とを備えている。
【0005】
なお、主スイッチング素子120はトランジスタからなり、また、平滑回路130は、チョークコイル131、平滑用コンデンサ132、還流用ダイオード133からなる周知の構成を有したものである。
また、共振回路140は、リアクトル141及び補助スイッチング素子142からなる直列回路に、コンデンサ143を並列接続することにより構成されている。但し、補助スイッチング素子142としては、制御部150からの駆動信号に従ってターンオンし、リアクトルから接続点Bに向けて電流を流すように接続されたサイリスタが用いられている。
【0006】
つまり、共振回路140を構成するコンデンサ143は、補助スイッチング素子142がオフされている場合、主スイッチング素子120のオフ時には、直流電源111によって+E/2に充電され、主スイッチング素子120のオン時には、直流電源112によって−E/2に充電される。
【0007】
そして、コンデンサ143が+E/2に充電された状態(主スイッチング素子120がオフの状態)の時に、補助スイッチング素子142をターンオンさせると、リアクトル141,補助スイッチング素子142を介して電流が流れ、還流用ダイオード133を流れる電流がゼロとなった後に、コンデンサ143に充電された電荷が放電され、共振回路140に共振電流が流れる。これにより、接続点Bの電位が次第に上昇し、還流用ダイオード133のオフ後は、共振回路140の共振現象によって、接続点Bの電圧が電源電圧Eまで急激に上昇する。
【0008】
従って、主スイッチング素子120の両端電圧を監視して、その両端電圧がゼロ電圧となった時に主スイッチング素子120を導通させることによりソフトスイッチング(ここではゼロ電圧スイッチング)が実現される(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平06−269166号公報(段落[0010]、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ソフトスイッチングの制御を精度よく行うためには、接続点Aの電位が安定していることが要求される。
また、上記回路では共振回路140に基準電圧を供給する接続点Aを設けるために、一対の直流電源111,112が用いられているが、低コスト化のため、一般的には、これら直流電源111,112をコンデンサで構成することが行われている。
【0011】
しかし、このように直流電源111,112をコンデンサで構成すると、接続点Aからは電流が流出する一方であるため、接続点Aの電位が低下し、その結果、ソフトスイッチングの精度が劣化して、主スイッチング素子120にて発生する損失や雑音を十分に低減することができないという問題があった。
【0012】
本発明は、上記問題点を解決するために、安価に構成でき、しかも安定したソフトスイッチングの精度が得られるDC/DCコンバータを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明のDC/DCコンバータでは、主スイッチング素子を介して直流電源から供給される電力を、平滑回路が平滑化する。そして、この平滑回路からの出力電圧が一定電圧となるように、出力制御手段が、主スイッチング素子をPWM制御する。
【0014】
また、直列接続された複数のコンデンサ又は二次電池からなる分圧回路が、直流電源の電源電圧を分圧してなる基準電圧を発生させ、この基準電圧を取り出す分圧点と主スイッチング素子の出力側との間には、共振回路が接続されている。
なお、共振回路は、共振用リアクトル及び補助スイッチング素子からなる直列回路に、共振用コンデンサを並列接続してなり、しかも、補助スイッチング素子は、双方向に電流を流す素子にて構成されている。
【0015】
そして、ソフトスイッチング制御手段は、主スイッチング素子のターンオン時に、この共振回路が共振して、主スイッチング素子をゼロ電圧スイッチングするための第1の電圧信号が主スイッチング素子の出力側に印加されるように、補助スイッチング素子を制御する。
【0016】
この時、分圧点からは補助スイッチング素子を介して電流が流出するが、ソフトスイッチング制御手段は、第1の電圧信号を再度発生させるまでの間に、その電荷に相当する量の電電荷が分圧点に流入するよう補助スイッチング素子を制御する。
【0017】
つまり、本発明のDC/DCコンバータでは、第1の電圧信号を発生させる際に、スイッチング素子を介して分圧点から流出した電流を、次回の第1の電圧信号を発生させるまでの間に、同じ補助スイッチング素子を介して補充するようにされている。従って、本発明によれば、基準電圧(分圧点の電位)を一定に保つことができるため、共振回路の動作を精度よく制御することができ、その結果、ソフトスイッチングを精度よく行うことができる。
【0018】
ところで、従来装置では、還流用スイッチング素子としてダイオードが用いられているが、この還流用スイッチング素子を、双方向に電流を流す素子にて構成してもよい。この場合、出力制御手段は、主スイッチング素子及び還流用スイッチング素子を、一方がターンオフした後に他方がターンオンするよう制御すればよい。
【0019】
但し、還流用スイッチング素子も、主スイッチング素子と同様に、そのターンオン時にはソフトスイッチングすることが望ましい。そのためには、ソフトスイッチング制御手段は、還流用スイッチング素子のターンオン時に共振回路が共振して、還流用スイッチング素子をゼロ電圧スイッチングするための第2の電圧信号が主スイッチング素子の出力側に印加されるように補助スイッチング素子を制御すればよい。
【0020】
この場合、共振回路に流れる電流の方向が、第1の電圧信号を発生させるときとは反対になるため、このような制御を行うことによって、分圧点に電流が流入することになる。
従って、本発明によれば、主スイッチング素子及び還流用スイッチング素子をソフトスイッチングするための制御を行いさえすれば、それ以外に特別な制御を行わなくても分圧点の電位を一定に保つことができ、ソフトスイッチングを精度よく行うことができる。
【0021】
次に、主スイッチング素子及び還流用スイッチング素子をソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング)するための構成として、例えば、主スイッチング素子の両端電圧を検出する第1電圧検出手段、及び還流用スイッチング素子の両端電圧を検出する第2電圧検出手段を設けることが考えられる。
【0022】
この場合、出力制御手段が、還流用スイッチング素子のターンオフ後に第1電圧検出手段にてゼロ電圧が検出されると主スイッチング素子をターンオンさせ、主スイッチング素子のターンオフ後に第2電圧検出手段にてゼロ電圧が検出されると還流用スイッチング素子をターンオンさせればよい。
【0023】
また、主スイッチング素子及び還流用スイッチング素子としては、例えば、逆並列ダイオードを有したトランジスタを用いることが望ましい。
このうち、主スイッチング素子については、逆並列ダイオードの順方向が電力供給方向とは反対となるように接続すればよい。この場合、共振回路が電源電圧より大きな第1の電圧信号を発生させても、その大きさは逆並列ダイオードによってほぼ電源電圧にクランプされる。つまり、逆並列ダイオードが導通している間は、主スイッチング素子の両端電圧がほぼゼロ電圧に保持されるため、この間にトランジスタをターンオンさせればよいことになる。
【0024】
一方、還流用スイッチング素子については、逆並列ダイオードの順方向が還流電流の流れる方向と一致するように接続すればよい。この場合、還流電流は、還流用スイッチング素子を構成するトランジスタがオフしていても逆並列ダイオードを介して流れることになる。つまり、還流用スイッチング素子をターンオンさせるタイミングが遅れても、還流電流を確実に流すことができる。
【0025】
このように、本発明によれば、主スイッチング素子や還流用スイッチング素子をターンオンさせるタイミングの許容範囲が広がるため、ソフトスイッチングの制御を容易且つ確実に行うことができる。
但し、逆並列ダイオードでは、トランジスタをオンさせた時よりオン電圧が高く、消費電力が大きくなるため、上記許容範囲内であっても、可能な限り早いタイミングでトランジスタをターンオンさせることが望ましい。
【0026】
ところで、ソフトスイッチングに必要な第1の電圧信号及び第2の電圧信号を確実に発生させるには、共振回路に流れる電流を負荷電流より大きくする必要がある。
なお、第1の電圧信号を発生させるには、還流用スイッチング素子がオンしている間に、直前の第2の電圧信号を発生させるために共振回路に流した電流をゼロにし、その後、今回の第1の電圧信号を発生させるために共振回路に流す電流(先の電流とは逆極性)を必要な大きさにしなければならない。
【0027】
同様に、第2の電圧信号を発生させるには、主スイッチング素子がオンしている間に、直前の第1の電圧信号を発生させるために共振回路に流した電流をゼロにし、その後、今回の第2の電圧信号を発生させるために共振回路に流す電流(先の電流とは逆極性)を必要な大きさにしなければならない。
【0028】
つまり、主スイッチング素子又は還流用スイッチング素子のオン期間中に、共振回路に流れる電流を必要な大きさだけ変化させる必要がある。
そのためには、補助スイッチング手段のオン時に共振用リアクトルに流れるリアクトル電流がゼロから予め設定された負荷電流以上の電流値に達するまでに要する時間を所要時間とし、主スイッチング素子又は還流用スイッチング素子のオン時間の下限値のうち、いずれか小さい方を制限時間として、所要時間が制限時間の2分の1より小さくなるように、共振用リアクトルのインダクタンスを設定することが望ましい。
【0029】
また、共振回路を流れる電流(リアクトル電流)の大きさは、電源電圧と基準電圧の影響も受けるため、上述の設定は、これらの電圧が許容範囲の最低電圧である場合を想定して行うことが望ましい。
ところで、DC/DCコンバータの動作状態は、時々刻々と変化する。このため、この動作状態の変化を検出手段が検出し、その検出された動作状態に応じて、ソフトスイッチング制御手段は、主スイッチング素子及び還流用スイッチング素子のターンオフ時に共振回路を負荷電流以上の電流が流れているように、補助スイッチング素子をターンオンするタイミングを変化させることが望ましい。
【0030】
この場合、検出手段は、動作状態として、直流電源の電源電圧及び分圧回路が生成する基準電圧を検出するように構成してもよいし、当該DC/DCコンバータの負荷電流を検出するように構成してもよい。
つまり、直流電源の電源電圧や基準電圧は、補助スイッチング素子をターンオンした時点での共振用リアクトルの両端電圧を決定し、ひいてはリアクトル電流が変化する割合に影響を与えるため、これら電源電圧や基準電圧の変化に応じて、補助スイッチング素子をターンオンするタイミングを変化させる必要がある。
【0031】
また、負荷電流は、共振回路に流すべき電流の大きさを決定し、それが大きいほど補助スイッチング素子のオン時間を長くする必要があるため、この負荷電流の変化に応じて、補助スイッチング素子をターンオンするタイミングを変化させる必要がある。
【0032】
そして、補助スイッチング素子もソフトスイッチングすることが望ましいことは言うまでもない。そのためには、リアクトル電流検出手段が、共振用リアクトルに流れる電流を検出し、ソフトスイッチング制御手段は、検出されるリアクトル電流がゼロになった以降に、補助スイッチング素子をターンオフすればよい。つまり、補助スイッチング素子ではゼロ電流スイッチングを実現するように構成すればよい。
【0033】
また、補助スイッチング素子は、例えば、逆並列ダイオードを有する一対のトランジスタを、逆並列ダイオードの向きが互いに逆向きとなるように直列接続することで構成してもよい。
この場合、電流を流す方向によって、いずれか一方のトランジスタをオンオフ制御してもよいし、両方のトランジスタを同時にオンオフ制御してもよい。
【0034】
前者の場合、オフ側のトランジスタでは逆並列ダイオードに電流が流れるため、一方のトランジスタのみをオンするだけでも双方向に電流を流すことができる。また、後者の場合、逆並列ダイオードには電流が流れないため、前者と比較して補助スイッチング素子での消費電力を低減することができる。
【0035】
ところで、平滑回路を構成するチョークコイルや平滑用コンデンサは、負荷電流が大きいほど、また平滑化すべき電流のリップルが大きいほど、体格の大きなものを使用する必要があり、装置の小型化、低コスト化を阻害する要因の一つとなっている。
【0036】
そこで、主スイッチング素子、平滑回路、共振回路からなる変換部を複数並列に備え、出力制御手段及びソフトスイッチング制御手段は、変換部毎に異なるタイミングで、主スイッチング素子、還流用スイッチング素子、補助スイッチング素子を動作させるように構成してもよい。
【0037】
この場合、各変換部から得られる平滑化すべき電流のリップルは、互いに位相が異なっているため、これを重ね合わせることにより得られる電流のリップルは、変換部が一つの場合と比較して低減されたものとなる。
しかも、変換部がm個あれば、各変換部は、変換部が一つの場合と比較して、1/mの電力を供給できればよいため、各変換部を構成する各素子も、体格の小さいものを用いて構成することができる。
【0038】
従って、本発明のDC/DCコンバータによれば、体格の小さい安価な部品を用いて構成することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のDC/DCコンバータの構成を示す回路図である。
【0040】
なお、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、外部のバッテリBTから電源供給を受け、これを予め設定された直流電圧に降圧して負荷Xに供給する非絶縁・降圧型DC/DCコンバータである。
図1に示すように、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、直列接続された一対のコンデンサ11,12からなり、バッテリBTからの供給電圧Vinを分圧した基準電圧VAを発生させる電源部10と、バッテリBTからの電源供給を受ける電源経路を断続する主スイッチング素子20と、主スイッチング素子20を介して供給される電力を平滑化する平滑回路30と、一端が電源部10の基準電圧VAを取り出す接続点Aに接続され、他端が主スイッチング素子20と平滑回路30との接続点Bに接続された共振回路40とを備えている。
【0041】
なお、電源部10を構成するコンデンサ11,12の容量C1,C2は、同じ大きさ(C1=C2)に設定されており、基準電圧VAは、供給電圧Vinの1/2の大きさ(VA=Vin/2)となるようにされている。また、ここでは、一対のコンデンサ11,12を用いて電源部10を構成しているが、コンデンサ11,12の代わりに複数の二次電池を用いて電源部10を構成してもよい。
【0042】
また、平滑回路30は、チョークコイル31及び平滑用コンデンサ32からなるローパスフィルタと、主スイッチング素子20のオフ時に還流電流をチョークコイル31に流すための還流用スイッチング素子33からなる。
一方、共振回路40は、共振用リアクトル41及び補助スイッチング素子42からなる直列回路に、共振用コンデンサ43を並列接続することにより構成されている。
【0043】
なお、主スイッチング素子20,還流用スイッチング素子33,補助スイッチング素子42は、いずれも双方向に電流を流すことが可能なトランジスタ(例えばMOSFET)からなる。そして特に、主スイッチング素子20は、電力供給方向(図中矢印I1の方向)とは逆方向に電流を流す逆並列ダイオードを有し、また、還流用スイッチング素子33は、還流電流の流れる方向(図中矢印I2とは逆方向)に電流を流す逆並列ダイオードを有している。
【0044】
また、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、当該コンバータ1各部の電流,電圧を検出する検出部50と、検出部50での検出結果に基づいて、所望の出力電圧Voが得られるように主スイッチング素子20及び還流用スイッチング素子33をPWM制御するための制御信号G1,G2を生成すると共に、主スイッチング素子20及び還流用スイッチング素子33のソフトスイッチングを実現するために、補助スイッチング素子42を制御するための制御信号G3を生成する制御部60とを備えている。
【0045】
なお、検出部50の例として、バッテリBTからの入力電圧Vin,負荷Xへの出力電圧Vo,コンデンサ12の両端電圧(基準電圧)VA,主スイッチング素子20のドレイン・ソース間電圧(以下「DS間電圧」と称する。)V1,還流用スイッチング素子33のDS間電圧V2,チョークコイル31を流れる負荷電流IL,共振用リアクトル41を流れるリアクトル電流Irを検出する。
【0046】
これらの検出は周知の方法で行えばよく、測定対象の一端が基準電位(グランド)に接続されているVin,VA,V2については、例えば、測定対象に並列接続された直列抵抗により分圧された分圧電圧を測定することで検出すればよい。また、測定対象が両端ともグランドには接続されていないV1については、例えば、入力電圧Vinと還流用スイッチング素子33のDS間電圧V2の差から求めるようにすればよい。
【0047】
更に、負荷電流IL,リアクトル電流Irについては、例えば、チョークコイル31や共振用リアクトル41が発生させる磁場を測定することで検出するか、或いは、予め回路中にシャント抵抗を挿入しておき、その電圧降下を測定することで検出すればよい。
【0048】
次に、制御部60は、CPU,ROM,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、PWM制御のための制御値を設定するPWM制御値設定処理、ソフトスイッチング制御のための制御値を設定するソフトスイッチング制御値設定処理、及びこれらの処理で設定された制御値を用いて各スイッチング素子20,33,42をスイッチングするための制御信号G1〜G3を生成するスイッチング制御処理などを実行する。
【0049】
このうち、PWM制御値設定処理は、予め設定された時間間隔毎に周期的に起動される。そして、本処理では、図2(a)に示すように、まず、検出部50を介して出力電圧Voを検出し(S110)、その検出結果から設定時間t1,t2を算出して(S120)、本処理を終了する。
【0050】
但し、図5(a)に示すように、設定時間t1は、主スイッチング素子20のオン状態の継続時間であり、設定時間t2は、還流用スイッチング素子33のオン状態の継続時間である。
次に、ソフトスイッチング制御値設定処理は、PWM制御値設定処理と同様に、予め設定された時間間隔毎に周期的に起動される。そして、本処理では、図2(b)に示すように、まず、検出部50を介して入力電圧Vin,基準電圧VA,負荷電流ILを検出し(S210)、その検出結果から、(1)(2)式を満たすような設定時間t3,t5を算出して(S220)、本処理を終了する。
【0051】
但し、設定時間t3、t5は、補助スイッチング素子42をターンオンするタイミングを設定するためのものであり、Lrは共振用リアクトル41のインダクタンス、ΔI1,ΔI2は、主スイッチング素子20又は還流用スイッチング素子33のターンオフ時に、リアクトル電流Irの大きさを負荷電流ILより大きくするための定数である。また、VC1はコンデンサ11の両端電圧、VC2はコンデンサ12の両端電圧であり、VC1=Vin−VA,VC2=VAである。る。
【0052】
【数1】
Figure 2005020904
つまり、(1)式は、主スイッチング素子20のターンオフ時までに、還流用スイッチング素子33のソフトスイッチングに必要なエネルギーを共振用リアクトル41に蓄えるために必要な時間t3を求めるものである。同様に(2)式は、還流用スイッチング素子33のターンオフ時までに、主スイッチング素子20のソフトスイッチングに必要なエネルギーを共振用リアクトル41に蓄えるために必要な時間t5を求めるものである。
【0053】
なお、ここでは、PWM制御値設定処理とソフトスイッチング制御値設定処理とを、別々の処理として行っているが、これらを一つの処理として行ってもよい。また、一方の処理の起動周期が短い場合には、その処理で検出された入力電圧Vinを、他方の処理でも使用するように構成してもよい。
【0054】
次に、スイッチング制御処理を、図3に示すフローチャート、及び図4に示すタイミング図に沿って説明する。
本処理が起動すると、まず、制御信号G1,G3をオン、制御信号G2をオフに初期化し(図4のタイミングT7を参照)、制御信号G1〜G3のスイッチングタイミングを計時するためのタイマーをスタートさせる(S310)。
【0055】
この時、還流用スイッチング素子33及び補助スイッチング素子42がオフされ、主スイッチング素子20がオンされた状態となるため、共振用コンデンサ43は、コンデンサ11の両端電圧により約+VC1に充電された状態となる。但し、共振用コンデンサ43の極性は、接続点Aの電位を基準として接続点B側の極性を示すものとする。
【0056】
そして、タイマーを監視することにより、設定時間t1,t3から算出される時間t1−t3が経過するまで待機し(S320)、時間t1−t3が経過すると(図4のタイミングT1を参照)、制御信号G3をオンすることにより、補助スイッチング素子42をターンオンさせる(S330)。
【0057】
すると、共振用リアクトル41を介して接続点Aに流入する方向に電流(以下「リアクトル電流」と称する。)Irが流れ始め、時間の経過と共に、リアクトル電流の絶対値|Ir|は直線的に増大する。
その後、タイマーを監視することにより、制御信号G1がオンされてから設定時間t1が経過したか否かを判断し(S340)、設定時間t1が経過していなければ、そのまま待機する。
【0058】
設定時間t1が経過すると(タイミングT2)、制御信号G1をオフすることにより、主スイッチング素子20をターンオフさせる(S350)。すると、共振回路40が共振を起こし、共振用コンデンサ43が放電され、接続点Bの電位が急激に低下することにより、還流用スイッチング素子33のDS間電圧V2も急激に低下する。
【0059】
このため、検出部50にて検出されるDS間電圧V2がゼロになるまで待機し(S360)、DS間電圧V2がゼロになると(タイミングT3)、制御信号G2をオンすることにより、還流用スイッチング素子33をターンオンさせると共に、タイマーをリスタートする(S370)。
【0060】
なお、還流用スイッチング素子33は、図6(a)に示すように、実際には、DS間電圧V2がゼロになるタイミングT3ではターンオンせず、少し遅れたタイミングT3’でターンオンするため、この遅れにより、DS間電圧V2はゼロ電圧を超えてマイナスになる。しかし、この時、還流用スイッチング素子33に付随する逆並列ダイオードが導通し、DS間電圧V2を逆並列ダイオードの順電圧(約−0.7V)の大きさにクランプする。つまり、還流用スイッチング素子33は、必ずしもDS間電圧V2がゼロになった瞬間にターンオンさせる必要がなく、この逆並列ダイオードがオンしている期間t7内であれば、大きなDS間電圧|V2|が印加されることがないため、いわゆるソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング)が実現されることになる。
【0061】
このように、還流用スイッチング素子33がターンオンすると、共振回路40ではリアクトル電流の絶対値|Ir|が直線的に減少し始めるため、検出部50にて検出されるリアクトル電流Irがゼロになるまで待機し(S380)、リアクトル電流Irがゼロになると(タイミングT4)、制御信号G3をオフすることにより、補助スイッチング素子42をターンオフする(S390)。つまり、補助スイッチング素子42は、ソフトスイッチング(ここではゼロ電流スイッチング)されることになる。
【0062】
この時、主スイッチング素子20,補助スイッチング素子42がオフされ、還流用スイッチング素子33がオンされた状態となるため、共振用コンデンサ43は、コンデンサ12の両端電圧により約−VC2に充電されることになる。
以下、S400〜S470では、S320〜S290と同様の処理を、t1→t2,t3→t5,G1→G2,G2→G1に置き換えて実行する。
【0063】
即ち、タイマーを監視することにより、設定時間t2,t5から算出される時間t2−t5が経過するまで待機し(S400)、時間t2−t5が経過すると(タイミングT5)、制御信号G3をオンすることにより、補助スイッチング素子42をターンオンさせる(S410)。
【0064】
すると、共振用リアクトル41を介して接続点Aから流出する方向にリアクトル電流Irが流れ始め、時間の経過と共に、リアクトル電流の絶対値|Ir|は直線的に増大する。
その後、タイマーを監視することにより、制御信号G2がオンされてから設定時間t2が経過したか否かを判断し(S420)、設定時間t2が経過していなければ、そのまま待機する。
【0065】
設定時間t2が経過すると(タイミングT6)、制御信号G2をオフすることにより、還流用スイッチング素子33をターンオフさせる(S430)。すると、共振回路40が共振を起こし、共振用コンデンサ43が放電され、接続点Bの電位が急激に上昇することにより、主スイッチング素子20のDS間電圧V1が急激に低下する。
【0066】
このため、検出部50にて検出されるDS間電圧V1がゼロになるまで待機し(S440)、DS間電圧V1がゼロになると(タイミングT7)、制御信号G1をオンすることにより、主スイッチング素子20をターンオンさせると共に、タイマーをリスタートする(S450)。
【0067】
なお、主スイッチング素子20は、図6(b)に示すように、実際には、DS間電圧V1がゼロになるタイミングT7ではターンオンせず、少し遅れたタイミングT7’でターンオンするため、この遅れにより、DS間電圧V1はゼロ電圧を超えてマイナスになる。しかし、この時、主スイッチング素子20に付随する逆並列ダイオードが導通し、DS間電圧V1を逆並列ダイオードの順電圧(約−0.7V)の大きさにクランプする。つまり、主スイッチング素子20は、必ずしもDS間電圧V1がゼロになった瞬間にターンオンさせる必要がなく、この逆並列ダイオードがオンしている期間t8内であれば、大きなDS間電圧|V1|が印加されることはないため、いわゆるソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング)が実現されることになる。
【0068】
このように、主スイッチング素子20がターンオンすると、共振回路40ではリアクトル電流の絶対値|Ir|が直線的に減少し始めるため、検出部50にて検出されるリアクトル電流Irがゼロになるまで待機し(S460)、リアクトル電流Irがゼロになると(タイミングT8)、制御信号G3をオフすることにより、補助スイッチング素子42をターンオフして(S470)、S320に戻る。
【0069】
この時、補助スイッチング素子42は、ソフトスイッチング(ここではゼロ電流スイッチング)されることになる。また、この時、還流用スイッチング素子33,補助スイッチング素子42がオフされ、主スイッチング素子20がオンされた状態となるため、共振用コンデンサ43は、コンデンサ11により+VC1に充電されることになり、S310が実行された時と同じ状態に戻る。
【0070】
なお、本実施形態において、PWM制御値設定処理、及びスイッチング制御処理のS340〜S370,S420〜S450が出力制御手段に相当し、ソフトスイッチング制御値設定処理、及びスイッチング制御処理のS320〜S330,S380〜S400,S460〜S470がソフトスイッチング制御手段に相当する。また、検出部50において、DS間電圧V1を検出するための構成が第1電圧検出手段、DS間電圧V2を検出するための構成が第2電圧検出手段、負荷電流IL及び入力電圧Vin,基準電圧VAを検出するための各構成が各検出手段、リアクトル電流Irを検出するための構成がリアクトル電流検出手段に相当する。
【0071】
以上説明したように、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、主スイッチング素子20のターンオン時のソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング)のために、共振回路40を作動させると、電源部10を構成するコンデンサ11,12の接続点Aから共振用リアクトル41,補助スイッチング素子42を介して電流が流出し、一方、還流用スイッチング素子33のターンオン時のソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング)のために、共振回路40を作動させると、逆に、接続点Aには補助スイッチング素子42、共振用リアクトル41を介して電流が流入する。
【0072】
従って、本実施形態のDC/DCコンバータ1によれば、接続点Aの電位が一定に保持されるため、共振回路40の動作を精度よく制御することができ、その結果、主スイッチング素子20及び還流用スイッチング素子33のソフトスイッチング(ゼロ電圧スイッチング)を精度よく行うことができる。
【0073】
また、本実施形態では、主スイッチング素子20及び還流用スイッチング素子33は、逆並列ダイオードを有しており、この逆並列ダイオードが導通している間であればDS間電圧|V1|,|V2|が小さい状態でのターンオン、即ちソフトスイッチングが可能である。つまり、主スイッチング素子20及び還流用スイッチング素子33をターンオンさせるタイミングの許容範囲が広いため、簡単かつ確実にソフトスイッチングを実現できる。
【0074】
ところで、共振用リアクトル41のインダクタンスLrは、(3)(4)式を満たすように設定することが望ましい。
【0075】
【数2】
Figure 2005020904
但し、Iaは、補助スイッチング素子42のターンオン後、主スイッチング素子20のターンオフ時に共振用リアクトル41に流れているべき電流、Ibは、補助スイッチング素子42のターンオン後、還流用スイッチング素子33のターンオフ時に共振用リアクトル41に流れているべき電流、t1minは、主スイッチング素子20のオン期間t1の最小値、t2minは、還流用スイッチング素子33のオン期間t2の最小値である。また、負荷電流ILの許容範囲の上限値をILmax として、|Ia|,|Ib|>ILmax であるものとする。
【0076】
このようにして共振用リアクトル41のインダクタンスLrを設定した場合、DC/DCコンバータ1が最悪の動作条件、即ち、IL=ILmax であり、且つ、主スイッチング素子20又は還流用スイッチング素子33のオン期間t1,t2のいずれか一方が、その最小値T1min,T2minに設定されたとしても、その最小値に設定されたオン期間内に、ソフトスイッチングのために必要な大きさIa,Ibまでリアクトル電流Irを確実に変化させることができる。
【0077】
なお、上述のようにインダクタンスLrを算出する際に、コンデンサ11,12の両端電圧VC1,VC2としては、一般的には、その許容電圧範囲の中心値を用いればよいが、より信頼性を高めるために、その許容電圧範囲の下限値を用いてもよい。
【0078】
ところで、本実施形態において、図1中の接続点Aの電位が所定電位(=C1・Vin/(C1+C2))から変動した場合、[接続点Aの電位]>[所定電圧]であれば、[接続点Aへの流入電荷量]<[接続点Aからの流出電荷量]となり、[接続点Aの電位]<[所定電位]であれば、[接続点Aへの流入電荷量]>[接続点Aからの流出電荷量]となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
【0079】
本実施形態のDC/DCコンバータ3は、第1実施形態のDC/DCコンバータ1に、構成を追加したものであるため、同じ構成については、同一符号を付して説明を省略し、構成の追加部分を中心に説明する。
本実施形態のDC/DCコンバータ3は、図7に示すように、主スイッチング素子20,共振回路40,チョークコイル31,還流用スイッチング素子33からなる部分を変換部70aとし、これと全く同様に構成された変換部70bを、変換部70aと並列に接続することで構成されている。
【0080】
そして、検出部51は、入力電圧Vin、出力電圧Vo、基準電圧VAを検出する他、変換部70a,70b毎に、DS間電圧V1,V2、リアクトル電流Ir、負荷電流(チョークコイル電流)ILのいずれかを検出するように構成されている。
【0081】
また、制御部61は、変換部70a,70b毎に制御信号G1〜G3を生成し、しかも、両変換部70a,70bでは、例えば、互いに180°位相が異なった制御信号G1〜G3を生成するように構成されている。
このように構成された本実施形態のDC/DCコンバータ3では、各変換部70a,70bは、それぞれ、第1実施形態のDC/DCコンバータ1と同様に動作する。このため、各変換部70a,70bから出力される負荷電流ILのリップルは、互いに同様の形状を有し、且つ位相が異なったものとなり、両負荷電流ILを重ね合わせることで得られる電流、即ち平滑用コンデンサ32が平滑化すべき電圧のリップルは、第1実施形態のDC/DCコンバータ1と比較して低減されたものとなる。しかも、各変換部70a,70bでは、第1実施形態のDC/DCコンバータ1の変換部に相当する構成と比較して、1/2の電力を供給できればよい。
【0082】
従って、本実施形態のDC/DCコンバータ3によれば、第1実施形態のDC/DCコンバータ1と同様の効果が得られるだけでなく、体格(電流容量,耐圧,サイズ)の小さい部品を用いて構成することができるため、装置を安価に構成することができる。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、補助スイッチング素子42は、必ずしも単一の素子にて構成する必要はなく、例えば、逆並列ダイオードを備えた一対のトランジスタを用いて構成してもよい。具体的には、図8(a)に示すように、逆並列ダイオードが互いに逆方向を向くようにして直列接続すればよい。
【0084】
そして、図8(b)に示すように、両トランジスタを別々の制御信号G31,G32を用いて、いずれか一方のみがオンするように制御すれば、いずれをオンした場合でも、オフされたトランジスタに付随する逆並列ダイオード、共振用リアクトル、オンされたトランジスタを介して電流が流れ、トランジスタのオンオフ状態を反転させることにより、電流が流れる方向を反転させることができる。また補助スイッチング素子42の電流がゼロになった後に補助スイッチング素子42のゲートにオフ信号を与えても、逆並列ダイオードにより電流が遮断され、補助スイッチング素子42のゼロ電流スイッチングが実現される。ターンオフは図4のT4からT5の間に行なわれればよく、厳密なタイミングが要求されないメリットがある。
【0085】
但し、逆並列ダイオードに電流を流すより、トランジスタをオンさせて電流を流した方が消費電力は小さいため、トランジスタとして双方向に電流を流すことができるものを用いた場合には、これら両トランジスタを、図8(c)に示すように、同一の制御信号を用いて同時にオン/オフするように構成してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、コンデンサ11,12の容量をC1=C2として、VA=Vin/2となるように設定したが、Vo>Vin/2である場合はC1>C2として、VA>Vin/2となるように設定し、逆にVo<Vin/2である場合はC1<C2として、VA<Vin/2となるように設定してもよい。
【0087】
即ち、Vo>Vin/2の場合は還流用スイッチング素子33のオン期間が、制御信号G1,G2のスイッチング周期の1/2より短くなり、同様に、Vo<Vin/2の場合は主スイッチング素子20のオン期間が、制御信号G1,G2のスイッチング周期の1/2より短くなる。
【0088】
そして、C1>C2に設定すると、還流用スイッチング素子33のオン期間に共振回路40に印加される電圧VC2(=VA)が大きくなることにより、還流用スイッチング素子33のオン期間と重なる補助スイッチング素子42のオン期間t4,t5が短縮されるため、還流用スイッチング素子33のオン期間が短くても、補助スイッチング素子42のターンオン、ターンオフ時と主スイッチング素子20のターンオン時のソフトスイッチングを確実に実現することができる。
【0089】
一方、C1<C2に設定すると、主スイッチング素子20のオン期間に共振回路40に印加される電圧VC1(=Vin−VA)が大きくなることにより、主スイッチング素子20のオン期間と重なる補助スイッチング素子42のオン期間t3,t6が短縮されるため、主スイッチング素子20のオン期間が短くても、補助スイッチング素子42のターンオン、ターンオフ時と還流用スイッチング素子33のターンオン時のソフトスイッチングを確実に実現することができる。
【0090】
また、上記実施形態では、コンデンサ11,12の両端電圧VC1,VC2と負荷電流ILとに基づき、(1)(2)式を用いて設定期間t3,t5を求めているが、この設定期間t3,t5は、コンデンサ11,12の両端電圧VC1,VC2を固定値とみて、負荷電流ILのみを変数として求めてもよいし、逆に負荷電流ILを固定値とみて、コンデンサ11,12の両端電圧VC1,VC2のみを変数として求めてもよい。また、コンデンサ11,12の両端電圧VC1,VC2、及び負荷電流ILの変動がいずれも小さい場合には、設定期間t3,t5自体を固定値としてもよい。
【0091】
更に、上記実施形態では、バッテリBTから直接電源供給を受けるようにされているが、バッテリBTと電源部10との間に、リアクトルとコンデンサとからなるローパスフィルタを挿入してもよい。この場合、バッテリBTに接続された他の機器にて発生したノイズが、DC/DCコンバータ1,3に影響を与えたり、逆に、DC/DCコンバータ1,3で発生したノイズが、バッテリBTに接続された他の機器に影響を与えてしまうことを防止できる。
【0092】
また、上記実施形態では、検出部50,51での検出結果に基づいて、各スイッチング素子20,33,42を制御しているが、検出部50,51を省略して、オープンループ制御にて、各スイッチング素子20,33,42を制御するように構成してもよい。この場合、制御部60,61における制御アルゴリズムを簡略化でき、更なる低コスト化を図ることができる。
【0093】
ところで、各スイッチング素子20,33,42は、耐圧,最大電流定格がすべて同じものを用いてもよいし、補助スイッチング素子42に関しては、他のスイッチング素子20,33より耐圧や最大電流定格の小さいものを用いて構成してもよい。前者の場合、全てのスイッチング素子20、33,42を同一チップ上に形成できるため加工を容易化でき、後者の場合、補助スイッチング素子42での導通損失を低減することができる。
【0094】
また、上記実施形態では、バッテリBT側から負荷X側に電力を送る場合について説明したが、逆に、負荷X側からバッテリBT側に電力を送る場合(即ち、図1の負荷電流ILの向きが逆)でも同様に成立する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のDC/DCコンバータの構成を示す回路図である。
【図2】制御部が実行するPWM制御値設定処理、及びソフトスイッチング制御値設定処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】制御部が実行するスイッチング制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】DC/DCコンバータの各部の動作を示すタイミング図である。
【図5】PWM制御値の設定方法を示す説明図である。
【図6】主スイッチング素子、及び還流用スイッチング素子のターンオン時の動作を示すタイミング図である。
【図7】第2実施形態のDC/DCコンバータの構成を示す回路図である。
【図8】補助スイッチング素子の具体例、及び動作を示す説明図である。
【図9】従来のDC/DCコンバータの構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1,3…DC/DCコンバータ、10…電源部、11,12…コンデンサ、20…主スイッチング素子、30…平滑回路、31…チョークコイル、32…平滑用コンデンサ、33…還流用スイッチング素子、40…共振回路、41…共振用リアクトル、42…補助スイッチング素子、43…共振用コンデンサ、50,51…検出部、60,61…制御部、70a,70b…変換部、A,B…接続点、BT…バッテリ、X…負荷。

Claims (12)

  1. 直流電源に接続された電源経路を断続する主スイッチング素子と、
    チョークコイル、平滑コンデンサ、前記主スイッチング素子のオフ時に前記チョークコイルへ電流を還流させるための還流用スイッチング素子からなり、前記主スイッチング素子を介して供給される電力を平滑化する平滑回路と、
    前記平滑回路からの出力電圧が一定電圧となるように、前記主スイッチング素子をPWM制御する出力制御手段と、
    直列接続された複数のコンデンサ又は二次電池からなり、前記直流電源の電源電圧を分圧してなる基準電圧を発生させる分圧回路と、
    共振用リアクトル及び補助スイッチング素子からなる直列回路に、共振用コンデンサを並列接続してなり、一端が前記分圧回路から基準電圧を取り出す分圧点、他端が前記主スイッチング素子の出力側に接続された共振回路と、
    前記主スイッチング素子のターンオン時に前記共振回路が共振して、前記主スイッチング素子をゼロ電圧スイッチングするための第1の電圧信号が前記主スイッチング素子の出力側に印加されるように前記補助スイッチング素子を制御するソフトスイッチング制御手段と、
    を備えたDC/DCコンバータにおいて、
    前記補助スイッチング素子を、双方向に電流を流す素子にて構成し、
    前記ソフトスイッチング制御手段は、前記第1の電圧信号を発生させることで前記分圧点から流出した電荷に相当する量の電荷が、前記第1の電圧信号を再度発生させるまでの間に、前記分圧点に流入するよう前記補助スイッチング素子を制御することを特徴とするDC/DCコンバータ。
  2. 前記還流用スイッチング素子を、双方向に電流を流す素子にて構成し、
    前記出力制御手段は、前記主スイッチング素子及び前記還流用スイッチング素子を、一方がターンオフした後に他方がターンオンするよう制御し、
    前記ソフトスイッチング制御手段は、前記還流用スイッチング素子のターンオン時に前記共振回路が共振して、前記還流用スイッチング素子をゼロ電圧スイッチングするための第2の電圧信号が前記主スイッチング素子の出力側に印加されるように前記補助スイッチング素子を制御することで、前記分圧点に電流を流入させることを特徴とする請求項1記載のDC/DCコンバータ。
  3. 前記出力制御手段は、前記還流用スイッチング素子のターンオフ後に前記主スイッチング素子のゼロ電圧が検出されると前記主スイッチング素子をターンオンさせると共に、前記主スイッチング素子のターンオフ後に前記還流用スイッチング素子のゼロ電圧が検出されると前記還流用スイッチング素子をターンオンさせることを特徴とする請求項2記載のDC/DCコンバータ。
  4. 前記主スイッチング素子及び還流用スイッチング素子は逆並列ダイオードを有したトランジスタからなり、
    前記主スイッチング素子は、前記逆並列ダイオードの順方向が電力供給方向とは反対となるように接続され、
    前記還流用スイッチング素子は、前記逆並列ダイオードの順方向が還流電流の流れる方向と一致するように接続されることを特徴とする請求項2又は3記載のDC/DCコンバータ。
  5. 前記補助スイッチング手段のオン時に前記共振用リアクトルに流れるリアクトル電流がゼロから予め設定された負荷電流以上の電流値に達するまでに要する時間を所要時間とし、前記主スイッチング素子又は還流用スイッチング素子のオン時間の下限値のうち、いずれか小さい方を制限時間として、前記所要時間が前記制限時間の2分の1より小さくなるように、前記共振用リアクトルのインダクタンスが設定されていることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載のDC/DCコンバータ。
  6. 当該DC/DCコンバータの動作状態を検出する検出手段を備え、
    前記ソフトスイッチング制御手段は、前記主スイッチング素子及び還流用スイッチング素子のターンオフ時に、前記共振回路に負荷電流以上の電流が流れているように、前記検出手段にて検出される動作状態に応じて、前記補助スイッチング素子をターンオンするタイミングを変化させることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のDC/DCコンバータ。
  7. 前記検出手段は、前記動作状態として前記直流電源の電源電圧及び前記分圧回路が生成する基準電圧を検出することを特徴とする請求項6記載のDC/DCコンバータ。
  8. 前記検出手段は、前記動作状態として当該DC/DCコンバータの負荷電流を検出することを特徴とする請求項6又は7記載のDC/DCコンバータ。
  9. 前記共振用リアクトルに流れる電流を検出するリアクトル電流検出手段を備え、
    前記ソフトスイッチング制御手段は、前記リアクトル電流がゼロになった以降に、前記補助スイッチング素子をターンオフすることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載のDC/DCコンバータ。
  10. 前記補助スイッチング素子は、逆並列ダイオードを有する一対のトランジスタからなり、
    該トランジスタは、前記逆並列ダイオードの向きが互いに逆向きとなるように直列接続されていることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載のDC/DCコンバータ。
  11. 前記ソフトスイッチング制御手段は、前記補助スイッチング素子を構成する一対のトランジスタを、同一の制御信号を用いて駆動することを特徴とする請求項10記載のDC/DCコンバータ。
  12. 前記主スイッチング素子、平滑回路、共振回路からなる変換部を複数並列に備え、
    前記出力制御手段及びソフトスイッチング制御手段は、前記主スイッチング素子、還流用スイッチング素子、補助スイッチング素子を、前記変換部毎に異なるタイミングで動作させることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載のDC/DCコンバータ。
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