JP2005020591A - 可変利得増幅器、これを用いた光ピックアップ信号処理用および携帯無線端末送受信信号処理用lsi - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を増加させずに、出力電圧範囲(ダイナミックレンジ)や制御電圧範囲を広げることによって、ノイズなどの外乱に強い可変利得増幅器を実現する。
【解決手段】可変利得増幅器は、入力電圧に比例した第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ出力する電圧電流変換回路1と、第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ入力して制御信号Vcによって制御される利得係数A(0<A<1)で制御され、第1の正電流Iop1をA倍した第2の正電流Iop2と、第1の正電流Iop1を(1−A)倍した第3の正電流Iop3と、第1の負電流をA倍した第2の負電流Ion2と、第1の負電流Ion1を(1−A)倍した第3の負電流Ion3との4つの出力電流を出力する可変利得部4と、第2の正電流Iop2と第2の負電流Ion2、または、第3の正電流Iop3と第3の負電流Iop3のどちらか一方のみを入力して正の出力電圧Vopと負の出力電圧Vonを出力する電圧出力部5と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】可変利得増幅器は、入力電圧に比例した第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ出力する電圧電流変換回路1と、第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ入力して制御信号Vcによって制御される利得係数A(0<A<1)で制御され、第1の正電流Iop1をA倍した第2の正電流Iop2と、第1の正電流Iop1を(1−A)倍した第3の正電流Iop3と、第1の負電流をA倍した第2の負電流Ion2と、第1の負電流Ion1を(1−A)倍した第3の負電流Ion3との4つの出力電流を出力する可変利得部4と、第2の正電流Iop2と第2の負電流Ion2、または、第3の正電流Iop3と第3の負電流Iop3のどちらか一方のみを入力して正の出力電圧Vopと負の出力電圧Vonを出力する電圧出力部5と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変利得増幅器に関するものであり、特に消費電力を増加させることなく、出力電圧範囲(ダイナミックレンジ)や、利得を制御する制御電圧範囲を広げるようにした可変利得増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
可変利得増幅器は、電圧利得が制御信号により可変である増幅器であり、多用途な増幅器である。可変利得増幅器の高周波動作での応用例として、光ディスクのピックアップ信号の増幅や、移動体通信の中間周波数の送受信部の増幅などがある。
【0003】
一般的に、高周波動作回路は消費電力が大きくなる傾向がある。これは、素子の動作を高速化するために動作電流値を大きくしなければならないからである。
そのため、回路構成が複雑になり大規模になってくると、消費電力増大の問題が生じてくる。
【0004】
消費電力を低減させるための一手法として、トランジスタや抵抗素子を縦積みにした回路構成などが考えられる。これによって、単位電流あたりの信号処理機能を増やすことが可能となり、消費電力増大の原因となる電流パスの数を削減できる。すなわち、電源電圧端子から接地端子までの電流を少なくすることが可能である。
【0005】
具体例に基づいて、従来の可変利得増幅器の問題点について説明する。図14は、従来の基本的な可変利得増幅器を示すブロック図である。図14に示す従来の増幅器は電圧電流変換回路1と、可変利得部4と、電圧出力部5と、同相フィードバック部6とにより構成されている。電圧電流変換回路は、入力電圧VipとVinの電圧差に比例した差動電流出力Iop1とIon1を出力する。差動出力電流はそれぞれ、
【数1】
という関係がある。式(1)におけるgmは比例定数である。また、IBはバイアス電流であり一定値である。
【0006】
可変利得部4は、差動電流Iop1とIon1を入力とし、差動入力Iop2とIon2を出力する。上記式(1)におけるIop1とIon1は、それぞれA:1−Aの比に分割され、Iop2とIon2が式(2)となるように加算される。ここで係数Aの値は外部制御信号Vcにより可変であるものとし、A∝Vcであるとする。
【数2】
【0007】
このとき、可変利得部4の差動出力電流Iop2とIon2の差は、式(1)と式(2)より次の下式(3)のように表され、入力電圧(Vip−Vin)に比例する。
【数3】
【0008】
さらに、可変利得部4の差動出力電流Iop2とIon2は、電圧出力部5に供給され、負荷Zの電圧降下により出力電圧が発生する。VopとVonは次式(4)で表される。
【数4】
ここでIcは、同相フィードバック回路6の出力バイアス電流である。
【数5】
となり、式(5)より出力電圧VopとVonの差は入力電圧Vi=(Vip−Vin)に比例する。そこで、制御信号Vcで係数Aの値を可変すると、制御信号Vcで電圧利得が制御される可変利得増幅器を実現できる。
【0009】
同相フィードバック部6は、出力電圧VopとVonの平均値Vcomと外部参照電圧Vrefを比較し、両者の電圧差を増幅して出力バイアス電流Icに加算することにより、電圧出力部を介したフィードバックループを構成している。これによって、出力電圧VopとVonの平均値Vcomは常にVrefになるように制御される。
【0010】
図15は、図14のブロック図に示された可変利得増幅器の詳細な回路例を示している。図15では、図14のブロック図と同様に、電圧電流変換回路1、可変利得部4、電圧出力部5、同相フィードバック部6で構成されている。電圧電流変換回路1は差動入力電圧VipとVinに対し、差動出力電流Iop1とIon1を出力する。可変利得部4と電圧出力部5および同相フィードバック部6は、電源から接地端子まで同電流経路で構成されている。素子を縦積みにすることによって、同電流経路内で複数の機能ブロックを構成し、消費電流が節約できる。
【0011】
電圧電流変換部の出力電流Iop1とIon1は、式(1)を満足する電流である。
【数6】
【0012】
式(6)において、Iop1とIon1は可変利得部4のM1〜M4に入力されている。ここではM1〜M4のサイズが同じであるとし、トランスコンダクタパラメータを、
【数7】
(μ:ホール移動度、Cox:ゲート単位面積あたり容量、W:チャネル幅 L:チャネル長)
とすると、制御電圧がVc=Vc1−Vc2であるとき、M1〜M4のドレイン電流は、それぞれ近似的に次の式(8)のように表される。
【数8】
【0013】
したがって、可変利得部4の出力電流Iop2とIon2は、次式(9)(10)のようになる。
【数9】
IBがgmVi=gm(Vip−Vin)よりもある程度大きいとすると、Iop1とIon1を展開し近似できる。
【数10】
【0014】
差動出力電流Iop2とIon2の差が上式(11)のように表されることから、可変利得部4の出力電流は、制御電圧Vcの値により、電流利得が可変であることがわかる。
【0015】
式(11)の差動電流Iop2とIon2を電圧出力部5に供給したときの出力電圧VopとVonは、
【数11】
となり、出力電圧Vo(=Vop−Von)は、可変利得増幅器の入力電圧Viに比例し、制御電圧VCで電圧利得が可変である。
【0016】
同相フィードバック部6のトランジスタM5,M6は、出力抵抗を高くするためのカスコード回路である。
【0017】
上記従来技術の問題点について説明する。図15の可変利得増幅器が正常に動作するための条件を考えてみる。まず、トランジスタM1〜M4は、飽和領域で動作しなければならない。M1〜M4が飽和領域でなくなると、出力端子VopおよびVonからM1〜M4のソース端子に低い抵抗成分が見えてくるため、出力電圧が式(12)で表されるような特性にならないからである。
【0018】
M1〜M4が飽和領域で動作する条件は、Vc1=一定、Vc2>Vc1とすると、
【数12】
【0019】
式(13)は、出力電圧VopとVonの上限電圧値が、Vc1の電圧値によって制限されていることを示している。
【0020】
また、出力電圧VopとVonの下限電圧も限られてしまう。M5〜M8が十分高い出力抵抗をもつためには飽和領域で動作しなければならず、
【数13】
の条件を満たさなければならない。VDS(sat.)は0.2〜0.4Vほどの電圧値である。
【0021】
また、可変利得部4のM1〜M4のトランジスタのソース電圧Vs1とVs2はM9,M10が飽和領域で動作するために、
【数14】
を満たさなければならず、Vc2がそれぞれM1、M4がカットオフになるまで(最大利得時)高い電圧になったとし、この電圧を制御電圧Vc2の最大値Vc2maxとすると、
【数15】
の条件を満たさなければならない。簡単のために、各トランジスタのVDS(sat)を同電圧VDS(sat.)とし、式(13)〜式(16)をまとめると、
【数16】
が導かれる。この式は、可変利得増幅器の出力電圧Voの最大振幅
【数17】
と、制御電圧の可変電圧範囲
【数18】
の和が一定値であることを示している。前述にもあるとおり、出力電圧範囲も制御電圧範囲も広くとることが好ましいが、図15の回路構成では式(17)より制限されてしまうことがわかる。すなわち、最大出力電圧範囲と制御電圧範囲はトレードオフの関係になってしまう。
【0022】
このように、従来技術の問題点は、制御電圧Vc(=|Vc2−Vc1|)の可変電圧範囲と出力電圧Voの最大電圧振幅が小さくなってしまうことである。
【0023】
出力電圧Voの出力電圧範囲が小さいということは、信号レベルに対して見かけ上ノイズレベルが大きくなるのでS/N(Signal Noise Ratio)の面で不利となる。また、制御電圧Vcの可変電圧幅が狭い条件において、仕様で求められている可変利得範囲を確保しようとすると、ノイズなどの外乱による利得変動が大きくなり不安定な回路となってしまう。
【0024】
一般的に、DVDやCDのピックアップ信号処理や携帯無線端末におけるIF送受信用の可変利得増幅器は、非常に広い可変利得範囲が求められている。可変利得範囲が小さいと、増幅器の多段構成が必要となり、消費電力的にも回路規模的にも不利である。しかしながら、可変利得範囲が広い場合、それだけ制御信号に対する利得感度が高くなってしまう。通常、制御信号は可変利得増幅回路の外部から入力される信号であるため、ノイズなどの影響を受けやすい。そのため、狭い制御電圧範囲で広い可変利得範囲を確保しようとすると、ノイズによる利得変動が大きく不安定な回路となってしまう。
【0025】
【特許文献1】
特開2003−046352号公報
【特許文献2】
特開2002−111417号公報
【特許文献3】
特開平11−340760号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、限られた電源電圧の範囲において、素子の縦積み構成は限度がある。なぜなら回路を構成するトランジスタは、動作に必要な一定のドレイン・ソース間電圧を確保する必要があるからである。仮に動作が可能であっても、最大出力電圧振幅(すなわちダイナミックレンジ)も含め、回路内部の動作電圧範囲が小さくなってしまう。回路内部の信号電圧振幅が小さくなると、ノイズなどの外乱に対して弱くなるといった問題がある。
【0027】
特に、可変利得増幅器に要求される可変利得範囲は一般的に広いため、利得制御をおこなう制御電圧範囲が狭いと利得感度が高くなり、制御端子に混入する外乱に対して出力電圧振幅が不安定になってしまう。
【0028】
本発明においては、消費電力を増加させることなく、出力電圧範囲や制御電圧範囲を広げることによって、ノイズなどの外乱に強い可変利得増幅器を実現することを解決課題としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の基本構成に係る可変利得増幅器は、入力電圧に比例した第1の正電流と第1の負電流をそれぞれ出力する第1の電圧電流変換回路と、前記第1の正電流と前記第1の負電流をそれぞれ入力し、制御信号によって制御される利得係数A(0<A<1)で制御され、前記第1の正電流をA倍した第2の正電流と、前記第1の正電流を(1−A)倍した第3の正電流と、前記第1の負電流をA倍した第2の負電流と、前記第1の負電流を(1−A)倍した第3の負電流との4つの出力電流を出力する可変利得部と、前記第2の正電流と前記第2の負電流、または、前記第3の正電流と前記第3の負電流のどちらか一方のみを入力して正の出力電圧と負の出力電圧を出力する電圧出力部と、を備えることを特徴とする。
【0030】
上述した基本構成において、本発明に係る可変利得増幅器は、電圧電流変換部、可変利得部、電圧出力部、同相フィードバック部によって構成されている。また、電圧電流変換部は、可変利得増幅器の入力電圧に比例した差動電流Iop1とIon1に変換する。さらに、可変利得部は、電圧電流変換部の差動出力電流Iop1とIon1の各々を、外部制御信号の大きさによって重みづけされた電流Iop2、Ion2、Iop3、Ion3に分割する。Iop3とIon3は同相フィードバック部の出力バイアス電流に加算され、Iop2、Ion2は電圧出力部に供給される。
【0031】
本発明の基本構成においては、可変利得部の出力信号Io2(Iop2とIon2)とIo3(Iop3とIon3)を、それぞれ別ブロックに加算することによって、制御電圧の可変電圧範囲が、可変利得増幅器の出力電圧範囲に制限されることなく、広く確保できることを特徴としている。 言い方を替えると、可変利得増幅器の最大出力電圧振幅が、制御電圧値に依存しないため、出力電圧範囲が広くとれる。
【0032】
電圧出力部は、可変利得部の差動出力電流と、同相フィードバック部の出力電流を負荷に供給することによって可変利得増幅器の出力電圧を得ている。同相フィードバック部は差動出力電圧の同相信号レベルを外部参照電圧に固定するためのフィードバック回路である。差動出力の同相信号レベルを検出し、外部参照電圧と比較した誤差信号を増幅し、出力部のバイアス電流制御として用いている。これによって、差動出力電圧の同相信号レベルは外部参照電圧となるように制御される。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可変利得増幅器の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。図14に示した従来の可変利得増幅器の可変利得部の出力がIop2とIon2であったのに対し、本発明の第1実施形態ではIop2とIon2に加え、Iop3とIon3が追加されている。Iop2とIon2は従来例のように電圧出力部に供給されているが、Iop3とIon3はそのまま接地端子へと流れ込む構成になっている。
【0035】
図1において、第1実施形態に係る可変利得増幅器は、入力電圧に比例した第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ出力する電圧電流変換回路1と、第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ入力して制御信号Vcによって制御される利得係数A(0<A<1)で制御され、第1の正電流Iop1をA倍した第2の正電流Iop2と、第1の正電流Iop1を(1−A)倍した第3の正電流Iop3と、第1の負電流Ion1をA倍した第2の負電流Ion2と、第1の負電流Ion1を(1−A)倍した第3の負電流Ion3との4つの出力電流を出力する可変利得部4と、第2の正電流Iop2と第2の負電流Ion2、または、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3のどちらか一方のみを入力して正の出力電圧Vopと負の出力電圧Vonを出力する電圧出力部5と、を備えている。
【0036】
なお、図1に示すように、電圧電流変換回路1は、入力電圧を入力して正の入力電圧Vipと負の入力電圧Vinとを生成する正負入力電圧生成部2と、該正負入力電圧生成部2の出力した正の入力電圧Vipと前記負の入力電圧Vinを入力してこれら正負の入力電圧Vip,Vinの電位差に比例した第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ出力する電圧電流変換部3と、を備えていても良い。
【0037】
図2は、第1実施形態の可変利得増幅器の回路例を示す回路図である。図15に示した従来例の可変利得部の出力電流が、式(9)であったのに対し、図2の可変利得部4の出力電流は、
【数19】
である。Vc1の値は固定とし、Vc=Vc1−Vc2であるとすると、
【数20】
となる。I1とI4が電圧出力部5に供給され、出力電圧Voは次式のようになる。
【数21】
よって、制御電圧Vcで出力電圧の利得が可変であるのは従来と同様である。
【0038】
本発明の利点は、Vc1を一定とした場合、Vc2の電圧値の可変幅が広いということである。図2に示す回路構成の場合、M2とM3のドレイン端子は接地端子に接続されているため、電圧出力部5の出力抵抗に影響を与えない。そのため、Vc2の電圧値は電圧出力部5の動作電圧範囲に制限されないといった特徴がある。Vc2を低くしてもM1とM4がカットオフ状態にならなければよいので、Vc2の可変電圧範囲は接地端子からVc1と大きく広げることができる。
【0039】
通常、可変利得増幅器は2象限動作である。Vc2>Vc1のとき、可変利得増幅器の利得は負となってしまうので、Vc2の電圧値は接地端子からVc1の範囲で使用する。しかし、M2とM3のトランジスタサイズとM1とM4よりも小さくすれば、Vc2>Vc1の条件でも、可変利得増幅器の利得が負になることはないので、さらにVc2の可変電圧範囲を広げることができる。
【0040】
図3は、本発明の第2実施形態に係る可変利得増幅器の概念を示すブロック図である。本発明の第1実施形態である図1の可変利得部のIop3とIon3が接地端子に接続されているのに対し、図3のブロック図は、Ion3とIop3をそれぞれ同相フィードバック部6の出力電流Ic1とIc2に加算している(Ic1=Ic2=Ic)。
【0041】
図4は、本発明の第2実施形態に係る可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。Ion3はM7のドレイン端子、Iop3はM8のドレイン端子に接続し、電流を加算している。このとき、電圧出力部の出力電圧VopとVonは、
【数22】
と表されるので、
【数23】
となり、式(24)は図15の従来の可変利得増幅回路の出力電圧式である式(12)と全く同じである。
【0042】
第2実施形態の回路図である図4における第1実施形態による図2との違いは、信号成分を含む電流Iop3とIon3を接地端子に接続して捨てていないので、図2に示す第1実施形態の回路よりも広い可変利得範囲を得ることができることである。
【0043】
第1実施形態と同様に、M2とM3のドレイン端子は、電圧出力部のVopとVonに接続されていないので、Vc2の電圧が出力端子VopとVonのインピーダンスに影響を与えることはない。また、Vc2が接地電位になっても、M7とM8のドレイン端子電圧はM2とM3のVthpよりも低くなることはないので、Vc2は接地電位からVc1まで可変である(ただしVc2が接地電位でもM2,M3がカットオフしてはならない)。
【0044】
また、第1実施形態に係る可変利得増幅器と同様に、M2とM3のトランジスタサイズ(チャネル幅W)をM1とM4よりも大きければ、Vc2>Vc1となる条件においても、可変利得増幅器の利得は負になることはない。すなわち、Vc2の電圧上限値は、M9,M10が飽和領域で動作することであるから、
【数24】
となる。以上をまとめて、制御電圧Vc2と出力電圧Vo(VopおよびVon)の最大値および最小値を調べると、
【数25】
なので、従来例と同様に、出力電圧Voの最大振幅
【数26】
と、制御電圧の可変電圧範囲
【数27】
の和を求めると、
【数28】
となり、式(17)の従来例の可変利得増幅器に対してVc1だけ増加していることがわかる。すなわちVc1の電圧分だけ出力電圧範囲または制御電圧範囲が広くなっていることがわかる。通常、Vc1は出力電圧範囲を確保するために最低でもVDD/2よりも高い電圧である。よって、制御電圧範囲に着目すると、従来例の回路に対してVDD/2以上の制御電圧範囲が広がることになり、大きな長所となる。
【0045】
また、式(12)と式(24)より、図15の従来型と可変利得増幅器の入出力特性は同じである。このことは、従来例に対して入出力特性を変えることなく、最大出力振幅または制御電圧範囲を広げることができ、外乱ノイズに対して強い可変利得増幅器が実現できることを意味している。
【0046】
以下、本発明の変形例を整理して第3ないし第7実施形態として図5ないし図9に示すブロック図を参照しながら説明する。図5に示す第3実施形態による可変利得増幅器は、本発明の基本構成に最も近い構成を有しており、図1に示す第1実施形態のブロック図との相違点は、電流電圧変換回路1の詳細構成が省略されている点と、電圧出力部5に接続される同相フィードバック部が省略されている点である。図5においては、図1と同様に、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3が電圧出力部5に供給されずに、接地側に供給されている。これらの電流の接続先は、図1と同様に接地電位に接続されていても良いし、基準電位に接続されていても良い。
【0047】
図6は、本発明の第4実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。電圧電流変換回路の構成は、図3に示す第2実施形態に近似しており、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3は接地電位に接続されている。電圧出力部5を構成する抵抗素子の接続点は基準電位に接続されている。このような構成によってもダイナミックレンジや可変利得制御の制御電圧範囲を広く確保することができる。
【0048】
図7は、本発明の第5実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。図6に示す第4実施形態との相違点は、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3が接地電位ではなく、電圧出力部5を構成する抵抗素子の接続点と同じように、基準電位に接続されている点である。このような構成によっても、ダイナミックレンジや制御電圧範囲を広く確保できる。
【0049】
図8は、本発明の第6実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。図8において、電圧出力部5は、可変利得部4の出力する4つの出力電流Iop2,Iop3,Ion2,Ion3のうち2つの出力電流Iop2,Ion2のそれぞれの出力端子を一方の端子に接続し、他方の端子が第2の電圧電流変換器の負入力端子に接続された2つの負荷素子と、正入力端子が基準電圧に接続された第2の電圧電流変換部の出力電流を正の出力端子および負の出力端子にそれぞれ供給する同相フィードバック部6と、より構成されている。第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3は接地電位に接続されていても良いし、基準電位に接続されていても良い。何れに接続されていたとしても、ダイナミックレンジや制御電圧範囲を広く確保することができる。
【0050】
図9は、本発明の第7実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。この第7実施形態による可変利得増幅器は、図8に示された第6実施形態による可変利得増幅器において、電圧出力部5が、可変利得部4からの4つの出力電流のうち電圧出力部5に入力しない2つの出力電流のうちの第3の正電流Iop3を第1の電流加算部21に入力して同相フィードバック部6の出力電流から減算して電圧出力部5の負の出力電圧Vonの出力端子に供給し、第3の負電流Ion3を第2の電流加算部22に入力して同相フィードバック部6の出力電流から減算して電圧出力部5の正の出力電圧Vopの出力端子に供給するように構成されている。
【0051】
なお、上述した第1および第2実施形態による可変利得増幅器における電圧出力部5の負荷素子の構成は、図2および図4に示すような固定の抵抗素子により構成していた。すなわち、図10(a)に示すような構成であるが、本発明はこのような構成に限定されることはなく、図10(b)ないし(d)に示す幾つかの具体例のように、電圧出力部5における抵抗素子をトランジスタに変更しても良い。図10(b)は、負荷素子をNチャネルトランジスタにより構成した例を示している。また、図10(c)は、負荷素子をPチャネルトランジスタにより構成した例を示している。さらに、図10(d)は、負荷素子をNチャネルトランジスタとPチャネルトランジスタとを接合したタイプのトランジスタにより構成した例を示している。
【0052】
負荷素子を固定の抵抗素子で構成する場合には、素子面積を小さくして動作を安定させるという効果がある。また、負荷素子をトランジスタで構成する場合には、設置面積では固定の抵抗素子よりも幾分不利ではあるが、ゲート電圧の制御により可変利得部で可変制御するよりも微細な利得の制御を行なうことができ、本発明に係る可変利得増幅器が適用される技術分野によっては微細な制御を可能にするという効果がある。
【0053】
また、図2および図4を用いて説明した本発明の第1および第2の実施形態に係る可変利得増幅器の回路構成においては、NチャネルMOSトランジスタを主として用いて電源電圧VDDを動作基準電圧として動作するように構成されている。これに対してトランジスタの極性のPMOSトランジスタとNMOSトランジスタを入れ換えた回路構成としても良い。その具体的な回路構成が図11に示されている。
【0054】
図11に示す第8実施形態に係る可変利得増幅器の回路のように構成すると、接地電圧を動作基準として動作するようになり、上述した第1および第2実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0055】
なお、上述した第1ないし第8実施形態は、何れも可変利得増幅器について説明したものであるが、本発明は可変利得増幅器のみに限定されることなく、このような構成を有するアナログ信号処理部が搭載された大規模集積回路(以下、LSI―Large−Scale Integrated circuit―と略記する。)についても適用される。冒頭でも説明したように、可変利得増幅器の高周波動作での応用例として、光ディスクのピックアップ信号の増幅や、移動体通信の中間周波数の送受信部の増幅などの信号処理に用いられる。
【0056】
図12は、本発明の第9および第10実施形態に係る可変利得増幅器を用いた光ピックアップ信号処理用LSIおよび携帯無線端末送受信信号処理用LSIの構成を示しており、アナログ信号処理部に搭載される可変利得増幅器の詳細な構成については第1ないし第8実施形態で説明した構成が適用される。
【0057】
図12に示すように、第9実施形態による光ピックアップ信号処理用LSI10は、DVDやCD等の媒体7より再生された光信号を処理するものであり、第1ないし第8実施形態で説明された可変利得増幅器が搭載されるアナログ信号処理部11と、デジタル信号処理部(DSP)12,復号化器(DEC)13、マイクロコンピュータ14,SRAM15などを1つの回路基板上に実装して構成されている。
【0058】
すなわち、第9実施形態は、少なくとも、光ピックアップにより生成された光信号電圧を前記入力電圧とする第1ないし第8実施形態の何れかに記載された可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部11と、該アナログ信号処理部11より供給されたアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理部12と、符号化信号を復号する復号部13と、アナログ信号処理部11、デジタル信号処理部12、復号部13における信号処理の演算を行なう演算部14と、をLSI10として構成したことを特徴とする。
【0059】
また、この図12は、携帯無線端末8内の送受信信号処理用LSIについても適用することができ、少なくとも、携帯無線端末8で受信した受信信号を入力電圧とする第1ないし第8実施形態の何れかに記載された可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部11と、該アナログ信号処理部11より供給されたアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理部12と、符号化信号を復号する復号部13と、アナログ信号処理部11、デジタル信号処理部12、復号部13における信号処理の演算を行なう演算部14と、をLSI10として構成したことを特徴とする。処理されるアナログ信号は、携帯無線端末8内に含まれる画像(イメージ)に関するものである。
【0060】
図12に示されたアナログ信号処理部12の詳細な構成は図13(a)に示されている。図13(a)において、アナログ信号処理部11は、本発明の第1ないし第8実施形態に係る可変利得増幅器(VGA―Variable Gain Amplifier―)17と、波形等化回路18とを備えており、VGA17にはDSP12から信号状態に関する情報がフィードバックされている。VGA17に入力される電圧は、図13(b)に示すような波形の正弦波であることが望ましいが、光ピックアップのような微細な記録領域からの信号の読出しや、携帯無線端末のような移動体通信における電波品質が保障されていない場所での信号の送受信のように、電波状態が悪い場合には図13(c)に示すように波形にかなりの乱れが生じる。このように、図13(c)のような乱れた信号電圧を図13(b)のように適正な正弦波に波形成形してからDSP12に供給することにより、光ピックアップによる再生信号や携帯無線端末による送受信信号特に受信信号電圧を所望のものとすることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る可変利得増幅器は、消費電力を増加させることなく、出力電圧範囲(ダイナミックレンジ)や、利得を制御する制御電圧範囲を広げることが可能であり、外乱ノイズに対して強い可変利得増幅器が実現できる。また、この可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部をLSIに実装することにより、利得制御特性に優れた可変利得増幅器を容易に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成としての第1実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態による可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態による可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係る可変利得増幅器における電圧出力部の具体的な構成例を示す回路図である。
【図11】本発明の第8実施形態による可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第9および第10実施形態による可変利得増幅器を用いた光ピックアップ信号処理用および携帯無線端末送受信信号処理用LSIの構成を示すブロック図である。
【図13】第9および第10実施形態の(a)詳細な構成を示すブロック図、およびその動作波形(b)(c)を示す波形図である。
【図14】従来の可変利得増幅器の構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示す可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電圧電流変換回路
2 正負入力電圧生成部
3 電圧電流変換部
4 可変利得部
5 電圧出力部
6 同相フィードバック部
7 DVD(CD)
8 携帯無線端末
10 LSI
11 アナログ信号処理部
12 デジタル信号処理部(DSP)
13 復号部(DEC)
14 演算部(マイクロコンピュータ)
17 可変利得増幅器(VGA)
18 波形等化回路
21 第1の電流加算器
22 第2の電流加算器
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変利得増幅器に関するものであり、特に消費電力を増加させることなく、出力電圧範囲(ダイナミックレンジ)や、利得を制御する制御電圧範囲を広げるようにした可変利得増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
可変利得増幅器は、電圧利得が制御信号により可変である増幅器であり、多用途な増幅器である。可変利得増幅器の高周波動作での応用例として、光ディスクのピックアップ信号の増幅や、移動体通信の中間周波数の送受信部の増幅などがある。
【0003】
一般的に、高周波動作回路は消費電力が大きくなる傾向がある。これは、素子の動作を高速化するために動作電流値を大きくしなければならないからである。
そのため、回路構成が複雑になり大規模になってくると、消費電力増大の問題が生じてくる。
【0004】
消費電力を低減させるための一手法として、トランジスタや抵抗素子を縦積みにした回路構成などが考えられる。これによって、単位電流あたりの信号処理機能を増やすことが可能となり、消費電力増大の原因となる電流パスの数を削減できる。すなわち、電源電圧端子から接地端子までの電流を少なくすることが可能である。
【0005】
具体例に基づいて、従来の可変利得増幅器の問題点について説明する。図14は、従来の基本的な可変利得増幅器を示すブロック図である。図14に示す従来の増幅器は電圧電流変換回路1と、可変利得部4と、電圧出力部5と、同相フィードバック部6とにより構成されている。電圧電流変換回路は、入力電圧VipとVinの電圧差に比例した差動電流出力Iop1とIon1を出力する。差動出力電流はそれぞれ、
【数1】
という関係がある。式(1)におけるgmは比例定数である。また、IBはバイアス電流であり一定値である。
【0006】
可変利得部4は、差動電流Iop1とIon1を入力とし、差動入力Iop2とIon2を出力する。上記式(1)におけるIop1とIon1は、それぞれA:1−Aの比に分割され、Iop2とIon2が式(2)となるように加算される。ここで係数Aの値は外部制御信号Vcにより可変であるものとし、A∝Vcであるとする。
【数2】
【0007】
このとき、可変利得部4の差動出力電流Iop2とIon2の差は、式(1)と式(2)より次の下式(3)のように表され、入力電圧(Vip−Vin)に比例する。
【数3】
【0008】
さらに、可変利得部4の差動出力電流Iop2とIon2は、電圧出力部5に供給され、負荷Zの電圧降下により出力電圧が発生する。VopとVonは次式(4)で表される。
【数4】
ここでIcは、同相フィードバック回路6の出力バイアス電流である。
【数5】
となり、式(5)より出力電圧VopとVonの差は入力電圧Vi=(Vip−Vin)に比例する。そこで、制御信号Vcで係数Aの値を可変すると、制御信号Vcで電圧利得が制御される可変利得増幅器を実現できる。
【0009】
同相フィードバック部6は、出力電圧VopとVonの平均値Vcomと外部参照電圧Vrefを比較し、両者の電圧差を増幅して出力バイアス電流Icに加算することにより、電圧出力部を介したフィードバックループを構成している。これによって、出力電圧VopとVonの平均値Vcomは常にVrefになるように制御される。
【0010】
図15は、図14のブロック図に示された可変利得増幅器の詳細な回路例を示している。図15では、図14のブロック図と同様に、電圧電流変換回路1、可変利得部4、電圧出力部5、同相フィードバック部6で構成されている。電圧電流変換回路1は差動入力電圧VipとVinに対し、差動出力電流Iop1とIon1を出力する。可変利得部4と電圧出力部5および同相フィードバック部6は、電源から接地端子まで同電流経路で構成されている。素子を縦積みにすることによって、同電流経路内で複数の機能ブロックを構成し、消費電流が節約できる。
【0011】
電圧電流変換部の出力電流Iop1とIon1は、式(1)を満足する電流である。
【数6】
【0012】
式(6)において、Iop1とIon1は可変利得部4のM1〜M4に入力されている。ここではM1〜M4のサイズが同じであるとし、トランスコンダクタパラメータを、
【数7】
(μ:ホール移動度、Cox:ゲート単位面積あたり容量、W:チャネル幅 L:チャネル長)
とすると、制御電圧がVc=Vc1−Vc2であるとき、M1〜M4のドレイン電流は、それぞれ近似的に次の式(8)のように表される。
【数8】
【0013】
したがって、可変利得部4の出力電流Iop2とIon2は、次式(9)(10)のようになる。
【数9】
IBがgmVi=gm(Vip−Vin)よりもある程度大きいとすると、Iop1とIon1を展開し近似できる。
【数10】
【0014】
差動出力電流Iop2とIon2の差が上式(11)のように表されることから、可変利得部4の出力電流は、制御電圧Vcの値により、電流利得が可変であることがわかる。
【0015】
式(11)の差動電流Iop2とIon2を電圧出力部5に供給したときの出力電圧VopとVonは、
【数11】
となり、出力電圧Vo(=Vop−Von)は、可変利得増幅器の入力電圧Viに比例し、制御電圧VCで電圧利得が可変である。
【0016】
同相フィードバック部6のトランジスタM5,M6は、出力抵抗を高くするためのカスコード回路である。
【0017】
上記従来技術の問題点について説明する。図15の可変利得増幅器が正常に動作するための条件を考えてみる。まず、トランジスタM1〜M4は、飽和領域で動作しなければならない。M1〜M4が飽和領域でなくなると、出力端子VopおよびVonからM1〜M4のソース端子に低い抵抗成分が見えてくるため、出力電圧が式(12)で表されるような特性にならないからである。
【0018】
M1〜M4が飽和領域で動作する条件は、Vc1=一定、Vc2>Vc1とすると、
【数12】
【0019】
式(13)は、出力電圧VopとVonの上限電圧値が、Vc1の電圧値によって制限されていることを示している。
【0020】
また、出力電圧VopとVonの下限電圧も限られてしまう。M5〜M8が十分高い出力抵抗をもつためには飽和領域で動作しなければならず、
【数13】
の条件を満たさなければならない。VDS(sat.)は0.2〜0.4Vほどの電圧値である。
【0021】
また、可変利得部4のM1〜M4のトランジスタのソース電圧Vs1とVs2はM9,M10が飽和領域で動作するために、
【数14】
を満たさなければならず、Vc2がそれぞれM1、M4がカットオフになるまで(最大利得時)高い電圧になったとし、この電圧を制御電圧Vc2の最大値Vc2maxとすると、
【数15】
の条件を満たさなければならない。簡単のために、各トランジスタのVDS(sat)を同電圧VDS(sat.)とし、式(13)〜式(16)をまとめると、
【数16】
が導かれる。この式は、可変利得増幅器の出力電圧Voの最大振幅
【数17】
と、制御電圧の可変電圧範囲
【数18】
の和が一定値であることを示している。前述にもあるとおり、出力電圧範囲も制御電圧範囲も広くとることが好ましいが、図15の回路構成では式(17)より制限されてしまうことがわかる。すなわち、最大出力電圧範囲と制御電圧範囲はトレードオフの関係になってしまう。
【0022】
このように、従来技術の問題点は、制御電圧Vc(=|Vc2−Vc1|)の可変電圧範囲と出力電圧Voの最大電圧振幅が小さくなってしまうことである。
【0023】
出力電圧Voの出力電圧範囲が小さいということは、信号レベルに対して見かけ上ノイズレベルが大きくなるのでS/N(Signal Noise Ratio)の面で不利となる。また、制御電圧Vcの可変電圧幅が狭い条件において、仕様で求められている可変利得範囲を確保しようとすると、ノイズなどの外乱による利得変動が大きくなり不安定な回路となってしまう。
【0024】
一般的に、DVDやCDのピックアップ信号処理や携帯無線端末におけるIF送受信用の可変利得増幅器は、非常に広い可変利得範囲が求められている。可変利得範囲が小さいと、増幅器の多段構成が必要となり、消費電力的にも回路規模的にも不利である。しかしながら、可変利得範囲が広い場合、それだけ制御信号に対する利得感度が高くなってしまう。通常、制御信号は可変利得増幅回路の外部から入力される信号であるため、ノイズなどの影響を受けやすい。そのため、狭い制御電圧範囲で広い可変利得範囲を確保しようとすると、ノイズによる利得変動が大きく不安定な回路となってしまう。
【0025】
【特許文献1】
特開2003−046352号公報
【特許文献2】
特開2002−111417号公報
【特許文献3】
特開平11−340760号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、限られた電源電圧の範囲において、素子の縦積み構成は限度がある。なぜなら回路を構成するトランジスタは、動作に必要な一定のドレイン・ソース間電圧を確保する必要があるからである。仮に動作が可能であっても、最大出力電圧振幅(すなわちダイナミックレンジ)も含め、回路内部の動作電圧範囲が小さくなってしまう。回路内部の信号電圧振幅が小さくなると、ノイズなどの外乱に対して弱くなるといった問題がある。
【0027】
特に、可変利得増幅器に要求される可変利得範囲は一般的に広いため、利得制御をおこなう制御電圧範囲が狭いと利得感度が高くなり、制御端子に混入する外乱に対して出力電圧振幅が不安定になってしまう。
【0028】
本発明においては、消費電力を増加させることなく、出力電圧範囲や制御電圧範囲を広げることによって、ノイズなどの外乱に強い可変利得増幅器を実現することを解決課題としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の基本構成に係る可変利得増幅器は、入力電圧に比例した第1の正電流と第1の負電流をそれぞれ出力する第1の電圧電流変換回路と、前記第1の正電流と前記第1の負電流をそれぞれ入力し、制御信号によって制御される利得係数A(0<A<1)で制御され、前記第1の正電流をA倍した第2の正電流と、前記第1の正電流を(1−A)倍した第3の正電流と、前記第1の負電流をA倍した第2の負電流と、前記第1の負電流を(1−A)倍した第3の負電流との4つの出力電流を出力する可変利得部と、前記第2の正電流と前記第2の負電流、または、前記第3の正電流と前記第3の負電流のどちらか一方のみを入力して正の出力電圧と負の出力電圧を出力する電圧出力部と、を備えることを特徴とする。
【0030】
上述した基本構成において、本発明に係る可変利得増幅器は、電圧電流変換部、可変利得部、電圧出力部、同相フィードバック部によって構成されている。また、電圧電流変換部は、可変利得増幅器の入力電圧に比例した差動電流Iop1とIon1に変換する。さらに、可変利得部は、電圧電流変換部の差動出力電流Iop1とIon1の各々を、外部制御信号の大きさによって重みづけされた電流Iop2、Ion2、Iop3、Ion3に分割する。Iop3とIon3は同相フィードバック部の出力バイアス電流に加算され、Iop2、Ion2は電圧出力部に供給される。
【0031】
本発明の基本構成においては、可変利得部の出力信号Io2(Iop2とIon2)とIo3(Iop3とIon3)を、それぞれ別ブロックに加算することによって、制御電圧の可変電圧範囲が、可変利得増幅器の出力電圧範囲に制限されることなく、広く確保できることを特徴としている。 言い方を替えると、可変利得増幅器の最大出力電圧振幅が、制御電圧値に依存しないため、出力電圧範囲が広くとれる。
【0032】
電圧出力部は、可変利得部の差動出力電流と、同相フィードバック部の出力電流を負荷に供給することによって可変利得増幅器の出力電圧を得ている。同相フィードバック部は差動出力電圧の同相信号レベルを外部参照電圧に固定するためのフィードバック回路である。差動出力の同相信号レベルを検出し、外部参照電圧と比較した誤差信号を増幅し、出力部のバイアス電流制御として用いている。これによって、差動出力電圧の同相信号レベルは外部参照電圧となるように制御される。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可変利得増幅器の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。図14に示した従来の可変利得増幅器の可変利得部の出力がIop2とIon2であったのに対し、本発明の第1実施形態ではIop2とIon2に加え、Iop3とIon3が追加されている。Iop2とIon2は従来例のように電圧出力部に供給されているが、Iop3とIon3はそのまま接地端子へと流れ込む構成になっている。
【0035】
図1において、第1実施形態に係る可変利得増幅器は、入力電圧に比例した第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ出力する電圧電流変換回路1と、第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ入力して制御信号Vcによって制御される利得係数A(0<A<1)で制御され、第1の正電流Iop1をA倍した第2の正電流Iop2と、第1の正電流Iop1を(1−A)倍した第3の正電流Iop3と、第1の負電流Ion1をA倍した第2の負電流Ion2と、第1の負電流Ion1を(1−A)倍した第3の負電流Ion3との4つの出力電流を出力する可変利得部4と、第2の正電流Iop2と第2の負電流Ion2、または、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3のどちらか一方のみを入力して正の出力電圧Vopと負の出力電圧Vonを出力する電圧出力部5と、を備えている。
【0036】
なお、図1に示すように、電圧電流変換回路1は、入力電圧を入力して正の入力電圧Vipと負の入力電圧Vinとを生成する正負入力電圧生成部2と、該正負入力電圧生成部2の出力した正の入力電圧Vipと前記負の入力電圧Vinを入力してこれら正負の入力電圧Vip,Vinの電位差に比例した第1の正電流Iop1と第1の負電流Ion1をそれぞれ出力する電圧電流変換部3と、を備えていても良い。
【0037】
図2は、第1実施形態の可変利得増幅器の回路例を示す回路図である。図15に示した従来例の可変利得部の出力電流が、式(9)であったのに対し、図2の可変利得部4の出力電流は、
【数19】
である。Vc1の値は固定とし、Vc=Vc1−Vc2であるとすると、
【数20】
となる。I1とI4が電圧出力部5に供給され、出力電圧Voは次式のようになる。
【数21】
よって、制御電圧Vcで出力電圧の利得が可変であるのは従来と同様である。
【0038】
本発明の利点は、Vc1を一定とした場合、Vc2の電圧値の可変幅が広いということである。図2に示す回路構成の場合、M2とM3のドレイン端子は接地端子に接続されているため、電圧出力部5の出力抵抗に影響を与えない。そのため、Vc2の電圧値は電圧出力部5の動作電圧範囲に制限されないといった特徴がある。Vc2を低くしてもM1とM4がカットオフ状態にならなければよいので、Vc2の可変電圧範囲は接地端子からVc1と大きく広げることができる。
【0039】
通常、可変利得増幅器は2象限動作である。Vc2>Vc1のとき、可変利得増幅器の利得は負となってしまうので、Vc2の電圧値は接地端子からVc1の範囲で使用する。しかし、M2とM3のトランジスタサイズとM1とM4よりも小さくすれば、Vc2>Vc1の条件でも、可変利得増幅器の利得が負になることはないので、さらにVc2の可変電圧範囲を広げることができる。
【0040】
図3は、本発明の第2実施形態に係る可変利得増幅器の概念を示すブロック図である。本発明の第1実施形態である図1の可変利得部のIop3とIon3が接地端子に接続されているのに対し、図3のブロック図は、Ion3とIop3をそれぞれ同相フィードバック部6の出力電流Ic1とIc2に加算している(Ic1=Ic2=Ic)。
【0041】
図4は、本発明の第2実施形態に係る可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。Ion3はM7のドレイン端子、Iop3はM8のドレイン端子に接続し、電流を加算している。このとき、電圧出力部の出力電圧VopとVonは、
【数22】
と表されるので、
【数23】
となり、式(24)は図15の従来の可変利得増幅回路の出力電圧式である式(12)と全く同じである。
【0042】
第2実施形態の回路図である図4における第1実施形態による図2との違いは、信号成分を含む電流Iop3とIon3を接地端子に接続して捨てていないので、図2に示す第1実施形態の回路よりも広い可変利得範囲を得ることができることである。
【0043】
第1実施形態と同様に、M2とM3のドレイン端子は、電圧出力部のVopとVonに接続されていないので、Vc2の電圧が出力端子VopとVonのインピーダンスに影響を与えることはない。また、Vc2が接地電位になっても、M7とM8のドレイン端子電圧はM2とM3のVthpよりも低くなることはないので、Vc2は接地電位からVc1まで可変である(ただしVc2が接地電位でもM2,M3がカットオフしてはならない)。
【0044】
また、第1実施形態に係る可変利得増幅器と同様に、M2とM3のトランジスタサイズ(チャネル幅W)をM1とM4よりも大きければ、Vc2>Vc1となる条件においても、可変利得増幅器の利得は負になることはない。すなわち、Vc2の電圧上限値は、M9,M10が飽和領域で動作することであるから、
【数24】
となる。以上をまとめて、制御電圧Vc2と出力電圧Vo(VopおよびVon)の最大値および最小値を調べると、
【数25】
なので、従来例と同様に、出力電圧Voの最大振幅
【数26】
と、制御電圧の可変電圧範囲
【数27】
の和を求めると、
【数28】
となり、式(17)の従来例の可変利得増幅器に対してVc1だけ増加していることがわかる。すなわちVc1の電圧分だけ出力電圧範囲または制御電圧範囲が広くなっていることがわかる。通常、Vc1は出力電圧範囲を確保するために最低でもVDD/2よりも高い電圧である。よって、制御電圧範囲に着目すると、従来例の回路に対してVDD/2以上の制御電圧範囲が広がることになり、大きな長所となる。
【0045】
また、式(12)と式(24)より、図15の従来型と可変利得増幅器の入出力特性は同じである。このことは、従来例に対して入出力特性を変えることなく、最大出力振幅または制御電圧範囲を広げることができ、外乱ノイズに対して強い可変利得増幅器が実現できることを意味している。
【0046】
以下、本発明の変形例を整理して第3ないし第7実施形態として図5ないし図9に示すブロック図を参照しながら説明する。図5に示す第3実施形態による可変利得増幅器は、本発明の基本構成に最も近い構成を有しており、図1に示す第1実施形態のブロック図との相違点は、電流電圧変換回路1の詳細構成が省略されている点と、電圧出力部5に接続される同相フィードバック部が省略されている点である。図5においては、図1と同様に、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3が電圧出力部5に供給されずに、接地側に供給されている。これらの電流の接続先は、図1と同様に接地電位に接続されていても良いし、基準電位に接続されていても良い。
【0047】
図6は、本発明の第4実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。電圧電流変換回路の構成は、図3に示す第2実施形態に近似しており、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3は接地電位に接続されている。電圧出力部5を構成する抵抗素子の接続点は基準電位に接続されている。このような構成によってもダイナミックレンジや可変利得制御の制御電圧範囲を広く確保することができる。
【0048】
図7は、本発明の第5実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。図6に示す第4実施形態との相違点は、第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3が接地電位ではなく、電圧出力部5を構成する抵抗素子の接続点と同じように、基準電位に接続されている点である。このような構成によっても、ダイナミックレンジや制御電圧範囲を広く確保できる。
【0049】
図8は、本発明の第6実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。図8において、電圧出力部5は、可変利得部4の出力する4つの出力電流Iop2,Iop3,Ion2,Ion3のうち2つの出力電流Iop2,Ion2のそれぞれの出力端子を一方の端子に接続し、他方の端子が第2の電圧電流変換器の負入力端子に接続された2つの負荷素子と、正入力端子が基準電圧に接続された第2の電圧電流変換部の出力電流を正の出力端子および負の出力端子にそれぞれ供給する同相フィードバック部6と、より構成されている。第3の正電流Iop3と第3の負電流Ion3は接地電位に接続されていても良いし、基準電位に接続されていても良い。何れに接続されていたとしても、ダイナミックレンジや制御電圧範囲を広く確保することができる。
【0050】
図9は、本発明の第7実施形態による可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。この第7実施形態による可変利得増幅器は、図8に示された第6実施形態による可変利得増幅器において、電圧出力部5が、可変利得部4からの4つの出力電流のうち電圧出力部5に入力しない2つの出力電流のうちの第3の正電流Iop3を第1の電流加算部21に入力して同相フィードバック部6の出力電流から減算して電圧出力部5の負の出力電圧Vonの出力端子に供給し、第3の負電流Ion3を第2の電流加算部22に入力して同相フィードバック部6の出力電流から減算して電圧出力部5の正の出力電圧Vopの出力端子に供給するように構成されている。
【0051】
なお、上述した第1および第2実施形態による可変利得増幅器における電圧出力部5の負荷素子の構成は、図2および図4に示すような固定の抵抗素子により構成していた。すなわち、図10(a)に示すような構成であるが、本発明はこのような構成に限定されることはなく、図10(b)ないし(d)に示す幾つかの具体例のように、電圧出力部5における抵抗素子をトランジスタに変更しても良い。図10(b)は、負荷素子をNチャネルトランジスタにより構成した例を示している。また、図10(c)は、負荷素子をPチャネルトランジスタにより構成した例を示している。さらに、図10(d)は、負荷素子をNチャネルトランジスタとPチャネルトランジスタとを接合したタイプのトランジスタにより構成した例を示している。
【0052】
負荷素子を固定の抵抗素子で構成する場合には、素子面積を小さくして動作を安定させるという効果がある。また、負荷素子をトランジスタで構成する場合には、設置面積では固定の抵抗素子よりも幾分不利ではあるが、ゲート電圧の制御により可変利得部で可変制御するよりも微細な利得の制御を行なうことができ、本発明に係る可変利得増幅器が適用される技術分野によっては微細な制御を可能にするという効果がある。
【0053】
また、図2および図4を用いて説明した本発明の第1および第2の実施形態に係る可変利得増幅器の回路構成においては、NチャネルMOSトランジスタを主として用いて電源電圧VDDを動作基準電圧として動作するように構成されている。これに対してトランジスタの極性のPMOSトランジスタとNMOSトランジスタを入れ換えた回路構成としても良い。その具体的な回路構成が図11に示されている。
【0054】
図11に示す第8実施形態に係る可変利得増幅器の回路のように構成すると、接地電圧を動作基準として動作するようになり、上述した第1および第2実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0055】
なお、上述した第1ないし第8実施形態は、何れも可変利得増幅器について説明したものであるが、本発明は可変利得増幅器のみに限定されることなく、このような構成を有するアナログ信号処理部が搭載された大規模集積回路(以下、LSI―Large−Scale Integrated circuit―と略記する。)についても適用される。冒頭でも説明したように、可変利得増幅器の高周波動作での応用例として、光ディスクのピックアップ信号の増幅や、移動体通信の中間周波数の送受信部の増幅などの信号処理に用いられる。
【0056】
図12は、本発明の第9および第10実施形態に係る可変利得増幅器を用いた光ピックアップ信号処理用LSIおよび携帯無線端末送受信信号処理用LSIの構成を示しており、アナログ信号処理部に搭載される可変利得増幅器の詳細な構成については第1ないし第8実施形態で説明した構成が適用される。
【0057】
図12に示すように、第9実施形態による光ピックアップ信号処理用LSI10は、DVDやCD等の媒体7より再生された光信号を処理するものであり、第1ないし第8実施形態で説明された可変利得増幅器が搭載されるアナログ信号処理部11と、デジタル信号処理部(DSP)12,復号化器(DEC)13、マイクロコンピュータ14,SRAM15などを1つの回路基板上に実装して構成されている。
【0058】
すなわち、第9実施形態は、少なくとも、光ピックアップにより生成された光信号電圧を前記入力電圧とする第1ないし第8実施形態の何れかに記載された可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部11と、該アナログ信号処理部11より供給されたアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理部12と、符号化信号を復号する復号部13と、アナログ信号処理部11、デジタル信号処理部12、復号部13における信号処理の演算を行なう演算部14と、をLSI10として構成したことを特徴とする。
【0059】
また、この図12は、携帯無線端末8内の送受信信号処理用LSIについても適用することができ、少なくとも、携帯無線端末8で受信した受信信号を入力電圧とする第1ないし第8実施形態の何れかに記載された可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部11と、該アナログ信号処理部11より供給されたアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理部12と、符号化信号を復号する復号部13と、アナログ信号処理部11、デジタル信号処理部12、復号部13における信号処理の演算を行なう演算部14と、をLSI10として構成したことを特徴とする。処理されるアナログ信号は、携帯無線端末8内に含まれる画像(イメージ)に関するものである。
【0060】
図12に示されたアナログ信号処理部12の詳細な構成は図13(a)に示されている。図13(a)において、アナログ信号処理部11は、本発明の第1ないし第8実施形態に係る可変利得増幅器(VGA―Variable Gain Amplifier―)17と、波形等化回路18とを備えており、VGA17にはDSP12から信号状態に関する情報がフィードバックされている。VGA17に入力される電圧は、図13(b)に示すような波形の正弦波であることが望ましいが、光ピックアップのような微細な記録領域からの信号の読出しや、携帯無線端末のような移動体通信における電波品質が保障されていない場所での信号の送受信のように、電波状態が悪い場合には図13(c)に示すように波形にかなりの乱れが生じる。このように、図13(c)のような乱れた信号電圧を図13(b)のように適正な正弦波に波形成形してからDSP12に供給することにより、光ピックアップによる再生信号や携帯無線端末による送受信信号特に受信信号電圧を所望のものとすることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る可変利得増幅器は、消費電力を増加させることなく、出力電圧範囲(ダイナミックレンジ)や、利得を制御する制御電圧範囲を広げることが可能であり、外乱ノイズに対して強い可変利得増幅器が実現できる。また、この可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部をLSIに実装することにより、利得制御特性に優れた可変利得増幅器を容易に提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成としての第1実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態による可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図4】第2実施形態による可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係る可変利得増幅器の概念構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係る可変利得増幅器における電圧出力部の具体的な構成例を示す回路図である。
【図11】本発明の第8実施形態による可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第9および第10実施形態による可変利得増幅器を用いた光ピックアップ信号処理用および携帯無線端末送受信信号処理用LSIの構成を示すブロック図である。
【図13】第9および第10実施形態の(a)詳細な構成を示すブロック図、およびその動作波形(b)(c)を示す波形図である。
【図14】従来の可変利得増幅器の構成を示すブロック図である。
【図15】図14に示す可変利得増幅器の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 電圧電流変換回路
2 正負入力電圧生成部
3 電圧電流変換部
4 可変利得部
5 電圧出力部
6 同相フィードバック部
7 DVD(CD)
8 携帯無線端末
10 LSI
11 アナログ信号処理部
12 デジタル信号処理部(DSP)
13 復号部(DEC)
14 演算部(マイクロコンピュータ)
17 可変利得増幅器(VGA)
18 波形等化回路
21 第1の電流加算器
22 第2の電流加算器
Claims (11)
- 入力電圧に比例した第1の正電流と第1の負電流をそれぞれ出力する電圧電流変換回路と、
前記第1の正電流と前記第1の負電流をそれぞれ入力し、制御信号によって制御される利得係数A(0<A<1)で制御され、前記第1の正電流をA倍した第2の正電流と、前記第1の正電流を(1−A)倍した第3の正電流と、前記第1の負電流をA倍した第2の負電流と、前記第1の負電流を(1−A)倍した第3の負電流との4つの出力電流を出力する可変利得部と、
前記第2の正電流と前記第2の負電流、または、前記第3の正電流と前記第3の負電流のどちらか一方のみを入力して正の出力電圧と負の出力電圧を出力する電圧出力部と、を備えることを特徴とする可変利得増幅器。 - 前記電圧電流変換回路は、前記入力電圧を入力して正の入力電圧と負の入力電圧とを生成する正負入力電圧生成部と、該正負入力電圧生成部の出力した前記正の入力電圧と前記負の入力電圧を入力してこれら正負の入力電圧の電位差に比例した第1の正電流と第1の負電流をそれぞれ出力する電圧電流変換部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の可変利得増幅器。
- 前記可変利得部は、4つの出力電流のうち電圧出力部に入力しない2つの出力電流の出力端子を接地電位に接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変利得増幅器。
- 前記可変利得部は、4つの出力電流のうち電圧出力部に入力しない2つの出力電流の出力端子をそれぞれ別の基準電圧源に接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変利得増幅器。
- 前記電圧出力部は、前記可変利得部の出力する4つの出力電流のうち2つの出力電流のそれぞれの出力端子を一方の端子に接続し、もう一方の端子を同一の基準電位に接続された2つの負荷素子から構成され、前記可変利得部の出力端子と接続された2つの負荷素子のそれぞれの接続端子を出力端子として正の出力電圧と負の出力電圧を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変利得増幅器。
- 前記電圧出力部は、トランジスタにより構成された負荷素子を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変利得増幅器。
- 前記電圧出力部は、前記可変利得部の出力する4つの出力電流のうち2つの出力電流のそれぞれの出力端子を一方の端子に接続し、他方の端子が第2の電圧電流変換器の負入力端子に接続された2つの負荷素子と、正入力端子が基準電圧に接続された第2の電圧電流変換部の出力電流を正の出力端子および負の出力端子にそれぞれ供給する同相フィードバック部と、より構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変利得増幅器。
- 前記電圧出力部は、前記負荷素子をトランジスタにより構成することを特徴とする請求項7に記載の可変利得増幅器。
- 前記電圧出力部は、前記可変利得部の4つの出力電流のうち電圧出力部に入力しない2つの出力電流のうちの、第2または第3の正電流を第1の電流加算部に入力して前記同相フィードバック部の出力電流から減算して前記電圧出力部の負の出力電圧端子に供給し、第2または第3の負電流を第2の電流加算部に入力して前記同相フィードバック部の出力電流から減算して前記電圧出力部の正の出力電圧端子に供給するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の可変利得増幅器。
- 少なくとも、光ピックアップにより生成された光信号電圧を前記入力電圧とする請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載された可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部と、該アナログ信号処理部より供給されたアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理部と、符号化信号を復号する復号部と、前記アナログ信号処理部、デジタル信号処理部、復号部における信号処理の演算を行なう演算部と、をLSIとして構成したことを特徴とする可変利得増幅器を用いた光ピックアップ信号処理用LSI。
- 少なくとも、携帯無線端末で受信した受信信号を前記入力電圧とする請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載された可変利得増幅器を搭載したアナログ信号処理部と、該アナログ信号処理部より供給されたアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理部と、符号化信号を復号する復号部と、前記アナログ信号処理部、デジタル信号処理部、復号部における信号処理の演算を行なう演算部と、をLSIとして構成したことを特徴とする可変利得増幅器を用いた携帯無線端末送受信信号処理用LSI。
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