JP2005019865A - 位置検出方法及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターンの変化に対応して所望のパターンの相対位置を適切に検出することができる位置検出方法を提供する。
【解決手段】実際に撮像した画像から設計情報に基づいて相対位置検出対象の一方のパターンの画像を抽出しこれをテンプレートとする。次に、他方のパターンが存在する領域を被計測領域として設定し、その領域を走査して並進対称性を検出することにより他方のパターンを検出する。そして、テンプレート画像として設定した一方のパターンと、検出した他方のパターンとの相対距離を計測し出力する。相対距離測定対象の2つのパターンの一方をテンプレートとして、撮像条件の影響が等しく作用しているパターン同士をマッチングしているので、両パターンを適切に検出することができる。また、テンプレートがずれた場合は計測パターンも同様にずれて検出され、相対距離が適切に検出できる。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子デバイスを製造する際の露光工程におけるウエハやレチクル等の位置決め処理に適用して好適な位置検出方法、そのために使用するテンプレートの作成方法、そのテンプレートを使用してアライメントマーク等のパターンを検出するパターン検出方法、検出したマーク等に基づいて基板等の露光位置を検出し露光を行う露光方法及び露光装置、及び、そのような露光を行って電子デバイスを製造するデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、液晶表示素子、プラズマディスプレイ素子、薄膜磁気ヘッド等の電子デバイスを製造する際には、露光装置を用いて、マスクやレチクル(以下、レチクルと総称する)に形成された微細なパターンの像を感光剤が塗布された半導体ウエハやガラスプレート等の基板上に繰り返し投影露光する。この際、露光装置においては、基板の位置と投影されるパターンの像の位置とを高精度に合わせる必要がある。特に半導体素子の製造においては、近年の集積度の向上に伴って形成するパターンが非常に微細になっている。従って、所望の性能を有する半導体素子を製造するためには、非常に高精度な位置合わせが要求される。
【0003】
露光装置におけるこの位置合わせは、基板やレチクルに形成されたアライメントマーク(以下、単にマークあるいはパターンと称する場合もある。)をアライメントセンサにより検出し、基板等の位置を検出し、その位置を制御することにより行う。マークの位置を検出する方法としては種々の方法が用いられているが、近年、画像処理によりマークの位置を検出するFIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサが用いられるようになっている。これは、マーク付近の基板表面を撮像した信号(n次元画像信号)を画像処理して、マークの位置情報を検出する方法である。また画像処理の方法として、予め用意したマーク信号に対応するテンプレート信号(テンプレートデータ)を用いてマークを検出する方法も知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−210577号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなFIA方式のアライメントセンサにおいてパターンを検出するために、あるいは検出したパターンを用いてマッチングを行うために、パターン間の相対位置の計測を行う場合がしばしば生じる。そのような場合、従来は、パターンを構成するプリミティブな構造、すなわち、ライン等の画像に対して、エッジ計測を行ったり、あるいは反転対称性(折り返し対称性)等の特徴を抽出したりして、各パターンの位置を計測し、その計測結果より各パターン間の相対位置を算出していた。
【0006】
しかしながら、そのような方法においては、計測対象パターンのすぐ近傍に別のパターンが存在したり、像崩れ、像変形等によりエッジ位置が検出できない状態となった場合に、相対位置の計測ができないという問題がある。
また、反転対称性を用いる場合には、パターンが左右非対称な像であったり左右非対称にパターンが変形した場合に、これを検出することができないという問題がある。
さらに、相対位置計測を行う場合には、基準パターンと計測パターンの両方の位置を計測する必要があるため、前述したような理由によりどちらか一方のパターン像の位置が計測できなくなると、相対位置を正確に計測することは不可能になるという問題も生じる。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、パターンの変化に対応して所望のパターンの相対位置を適切に検出することができる位置検出方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、そのような相対位置検出を適切に行うためのテンプレート作成方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、パターンの変化に対応して所望のパターンの相対位置を適切に検出することにより、所望のパターンを適切に検出することができるパターン検出方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、アライメントマーク等のパターンを適切に検出することにより、基板等の所望の位置に適切に露光を行うことができる露光方法及び露光装置を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、基板等の所望の位置に適切に露光を行うことにより、電子デバイスを適切に製造することのできるデバイス製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の位置検出方法は、物体上を撮像して物体上の任意のパターンを検出する検出方法であって、前記物体上の被計測領域を撮像して得られた信号の中から、該物体上の前記被計測領域内に存在する特定領域に対応するテンプレート信号を決定する(ステップS220)第1工程と、前記物体上の被計測領域を撮像して(ステップS120)、当該被計測領域に対応する被計測信号を生成する(ステップS230)第2工程と、前記生成した被計測信号と前記決定したテンプレート信号との相関検出を行って(ステップS240)、前記テンプレート信号との間で所定値以上の相関値を示す前記物体上の相関領域を、前記被計測領域の中から特定する(ステップS260)第3工程と、前記特定領域と、前記第3工程で特定された前記相関領域との間の相対的な位置関係を検出する(ステップS270)第4工程とを含む(図7及び図8参照)。
好適には、前記第1工程では、前記物体上に形成されたパターンに対応した設計値情報に基づいて、前記特定領域を決定する
また好適には、前記第3工程における相関検出は、並進対称性又は回転対称性を検出する。
【0009】
このような位置検出方法においては、まず第1工程において、物体上から実際に撮像した信号の中から、例えば設計値情報等に基づいて、相対位置検出対象の一方のパターンの信号を抽出し、これをテンプレート画像として設定する。次に、第2工程において、相対位置検出対象の他方のパターンであって第1工程で設定したテンプレート画像とテンプレートマッチングをすることによりその位置を検出するパターンが存在する可能性のある領域を被計測領域として設定し、その被計測領域の信号を取り込む。次に、第3工程において、第1工程で設定したテンプレート画像を用いて第2工程で取り込んだ被計測領域画像を走査し、例えば並進対称性を検出することにより、他方のパターンを検出する。そして、第4工程において、テンプレート画像として設定した一方のパターンと、第3工程で検出した他方のパターンとの距離を計測し出力する。
【0010】
このように、本発明の位置検出方法では、相対距離測定対象の2つのパターンの一方のパターンをテンプレートとして設定し、他方のパターンをテンプレートマッチングにより検出している。従って、撮像条件等の影響、すなわち像変形等が等しく作用しているパターン同士を比較照合(マッチング)しており、両パターンを適切に検出することができる。また、撮像画像より切り出したパターンをそのまま使用しテンプレートとしているので、仮にテンプレートがずれて切り出された場合には、それに対応してずれたパターンが検出される。その結果、計測対象である2つのパターンの相対距離は維持される。すなわち、パターンの像の変形やテンプレートのずれに関係なく、パターン間の相対位置をロバストに計測することが可能となる。
【0011】
好適には、前記第1工程は、互いに異なる複数の領域をそれぞれ前記特定領域として決定する工程と、前記決定された複数の前記特定領域にそれぞれ対応する複数の前記テンプレート信号を決定する工程とを含み(ステップS320)、前記第3工程では、前記被計測信号と前記複数のテンプレート信号との相関検出を行って(ステップS340)、前記複数のテンプレート信号のそれぞれについて、当該テンプレート信号との間で所定値以上の相関値を示す前記物体上の相関領域を、前記被計測領域の中からそれぞれ特定し(ステップS360)、前記第4工程では、前記第1工程で決定された前記各特定領域と、前記第3工程で特定された前記各相関領域との間のそれぞれの相対的な計測位置関係を求め(ステップS370)、その各計測位置関係に基づいて、代表的な前記特定領域と代表的な前記相関領域との間の相対位置関係を決定する(ステップS390)(図13参照)。
このような方法によれば、複数のテンプレートを用いて相対距離を複数回計測して最終的な相対位置を決定しているので、より正確かつより高い信頼性で位置を計測することができる。
【0012】
また好適には、前記第4工程は、前記複数の相対的な計測位置関係を所定の統計的手法を用いて解析し、その解析結果に基づいて前記代表的な特定領域と前記代表的な相関領域との間の相対位置関係の決定の際に使用する前記相対的な計測位置関係を特定する工程と、前記特定された前記相対的な計測位置関係に基づいて、前記代表的な特定領域と前記代表的な相関領域との間の相対位置関係の検出を行う工程とを含む。
【0013】
また、本発明のテンプレート作成方法は、物体上を撮像光学系を介して撮像して、該物体上の任意のパターンを検出する際に使用するテンプレートを作成する方法であって、前記物体上を前記撮像光学系を介して撮像し、前記撮像光学系の撮像視野で規定された領域内の画像に対応する信号を得る第1工程と、前記第1工程で得られた信号の内の前記撮像視野内の互いに異なる複数の特定領域にそれぞれ対応する複数の信号を、それぞれ独立したテンプレートとして設定する第2工程とを含む。
好適には、前記第2工程では、前記物体上に形成されたパターンに対応した設計値情報に基づいて、前記複数の特定領域を決定する。
また好適には、前記第2工程では、前記第1工程で得られた信号の解析結果に基づいて、前記複数の特定領域を決定する
【0014】
また、本発明のパターン検出方法は、前述したいずれかのテンプレート作成方法を用いて作成されたテンプレートを用いて、前記物体上を撮像して得られた信号に対してテンプレートマッチング処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の位置検出方法は、前述したパターン検出方法を用いて、前記物体上に形成されたアライメントマークに付随して形成された識別マークを検出し、
前記識別マークの検出結果に基づいて特定されたアライメントマークの位置情報を計測することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の露光方法は、マスク上に形成されたパターンで基板上を露光する露光方法であって、前記マスク及び前記基板の少なくとも一方の位置情報を、請求項10に記載の位置検出方法により検出し、前記検出された位置情報に基づいて、前記マスクと前記基板の相対的な位置合わせを行い、前記位置合わせされた前記基板を露光し、当該基板上に前記マスクのパターンを転写する。
また、本発明の露光装置は、前述した露光方法により露光を行う。
また、本発明のデバイス製造方法は、デバイスパターンを、前述した露光方法を用いて基板上に露光する工程を含む。
【0016】
なお、本欄においては、各構成に対して、添付図面に示されている対応する構成の符号を記載したが、これはあくまでも理解を容易にするためのものであって、何ら本発明に係る手段が添付図面を参照して後述する実施の形態の態様に限定されることを示すものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態について、図1〜図12を参照して説明する。
本実施の形態においては、画像処理によりウエハのアライメントマークを検出するオフアクシス方式のアライメント光学系を有する露光装置について説明する。この露光装置においては、特に、本発明に係る位置検出方法によりアライメントマークを識別し、適切なアライメントマークを検出し、検出した適切なアライメントマークを用いてウエハの位置合わせを行う。
【0018】
まず、その露光装置の全体構成について図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の露光装置100の概略構成を示す図である。
なお、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びZ軸が紙面に対して平行となるよう設定され、Y軸が紙面に対して垂直となる方向に設定される。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
【0019】
図1に示すように、図示しない照明光学系から出射された露光光ELは、コンデンサレンズ1を介してレチクルRに形成されたパターン領域PAに均一な照度分布で照射される。露光光ELとしては、例えばg線(436nm)やi線(365nm)、又は、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)又はF2エキシマレーザ(193nm)から出射される光等が用いられる。
【0020】
レチクルRはレチクルステージ2上に保持され、レチクルステージ2はベース3上の2次元平面内において移動及び微小回転ができるように支持される。装置全体の動作を制御する主制御系15が、ベース3上の駆動装置4を介してレチクルステージ2の動作を制御する。このレチクルRは、その周辺に形成された図示しないレチクルアライメントマークがミラー5、対物レンズ6、マーク検出系7からなるレチクルアライメント系で検出されることによって、投影レンズPLの光軸AXに関して位置決めされる。
【0021】
レチクルRのパターン領域PAを透過した露光光ELは、例えば両側(片側でもよい。)テレセントリックな投影レンズPLに入射され、ウエハ(基板)W上の各ショット領域に投影される。投影レンズPLは、露光光ELの波長に関して最良に収差補正されており、その波長のもとでレチクルRとウエハWとは互いに共役になっている。また、照明光ELは、ケラー照明であり、投影レンズPLの瞳EP内の中心に光源像として結像される。
なお、投影レンズPLはレンズ等の光学素子を複数有する。その光学素子の硝材としては露光光ELの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料が使用される。
【0022】
ウエハWは、ウエハホルダー8を介してウエハステージ9上に載置される。ウエハホルダー8上には、ベースライン計測等で使用する基準マーク10が設けられている。ウエハステージ9は、投影レンズPLの光軸AXに垂直な面内でウエハWを2次元的に位置決めするXYステージ、投影レンズPLの光軸AXに平行な方向(Z方向)にウエハWを位置決めするZステージ、ウエハWを微小回転させるステージ、及び、Z軸に対する角度を変化させてXY平面に対するウエハWの傾きを調整するステージ等を有する。
【0023】
ウエハステージ9の上面の一端にはL字型の移動ミラー11が取り付けられ、移動ミラー11の鏡面に対向した位置にレーザ干渉計12が配置される。図1では簡略化して図示しているが、移動鏡11はX軸に垂直な反射面を有する平面鏡及びY軸に垂直な反射面を有する平面鏡より構成される。
また、レーザ干渉計12は、X軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干渉計より構成され、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計により、ウエハステージ9のX座標及びY座標が計測される。また、X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、ウエハステージ9のXY平面内における回転角が計測される。
【0024】
レーザ干渉計12により計測されたX座標、Y座標及び回転角を示す位置計測信号PDSは、ステージコントローラ13に供給される。ステージコントローラ13は、主制御系15の制御の下、この位置計測信号PDSに応じて、駆動系14を介してウエハステージ9の位置を制御する。
また、位置計測情報PDSは主制御系15へ出力される。主制御系15は、供給された位置計測信号PDSをモニターしつつ、ウエハステージ9の位置を制御する制御信号をステージコントローラ13へ出力する。
さらに、レーザ干渉系12から出力された位置計測信号PDSは後述するレーザステップアライメント(LSA)演算ユニット25へ出力される。
【0025】
また、露光装置100は、レーザ光源16、ビーム整形光学系17、ミラー18、レンズ系19、ミラー20、ビームスプリッタ21、対物レンズ22、ミラー23、受光素子24、LSA演算ユニット25及び投影レンズPLを構成部材とするTTL方式のアライメント光学系を有する。
レーザ光源16は、例えばHe−Neレーザ等の光源であり、赤色光(例えば波長632.8nm)であってウエハW上に塗布されたフォトレジストに対して非感光性のレーザビームLBを出射する。このレーザビームLBは、シリンドリカルレンズ等を含むビーム整形光学系17を透過し、ミラー18、レンズ系19、ミラー20、ビームスプリッタ21を介して対物レンズ22に入射する。対物レンズ22を透過したレーザビームLBは、レチクルRの下方であってXY平面に対して斜め方向に設けられたミラー23で反射され、投影レンズPLの視野の周辺に光軸AXと平行に入射され、投影レンズPLの瞳EPの中心を通ってウエハWを垂直に照射する。
【0026】
レーザビームLBは、ビーム整形光学系17の働きで対物レンズ22と投影レンズPLとの間の光路中の空間にスリット状のスポット光SP0となって集光している。
投影レンズPLは、このスポット光SP0をウエハW上にスポットSPとして再結像する。
ミラー23は、レチクルRのパターン領域PAの周辺よりも外側で、かつ投影レンズPLの視野内にあるように固定される。従って、ウエハW上に形成されるスリット状のスポット光SPは、パターン領域PAの投影像の外側に位置する。
【0027】
このスポット光SPによってウエハW上のマークを検出するには、ウエハステージ9をXY平面内においてスポット光SPに対して水平移動させる。スポット光SPがマークを相対走査すると、マークからは正反射光、散乱光、回折光等が生じ、マークとスポット光SPの相対位置により光量が変化していく。こうした光情報は、レーザビームLBの送光路に沿って逆進し、投影レンズPL、ミラー23、対物レンズ22及びビームスプリッタ21を介して、受光素子24に達する。受光素子24の受光面は投影レンズPLの瞳EPとほぼ共役な瞳像面EP′に配置され、マークからの正反射光に対して不感領域をもち、散乱光や回折光のみを受光する。
【0028】
図2は、瞳EP(又は瞳像面EP′)上におけるウエハW上のマークからの光情報の分布を示す図である。瞳EPの中心にX軸方向にスリット状に伸びた正反射光D0の上下(Y軸方向)には、それぞれ正の1次回折光+D1、2次回折光+D2と、負の1次回折光−D1、2次回折光−D2が並び、正反射光D0の左右(X軸方向)にはマークエッジからの散乱光±Drが位置する。これは例えば特開昭61−128106号公報に詳しく述べられているので詳しい説明は省略するが、回折光±D1、±D2はマークが回折格子マークの時にのみ生じる。
【0029】
図2に示した分布を有するマークからの光情報を受光するために、受光素子24は、図3に示すように、瞳像面EP′内で4つの独立した受光面24a,24b,24c,24dに4分割され、受光面24a,24bが散乱光±Drを受光し、受光面24c,24dが回折光±D1、±D2を受光するように配列される。
図3は受光素子24の受光面を示す図である。なお、投影レンズPLのウエハW側の開口数(N.A.)が大きく、回折格子マークから発生する3次回折光も瞳EPを通過する場合には、受光面24c,24dはその3次回折光も受光するような大きさにするとよい。
【0030】
受光素子24からの各光電信号はレーザ干渉計12から出力される位置計測信号PDSとともに、LSA演算ユニット25に入力され、マーク位置の情報AP1が作られる。LSA演算ユニット25は、スポット光SPに対してウエハマークを走査した時の受光素子24からの光電信号波形を位置計測信号PDSに基づいてサンプリングして記憶し、その波形を解析することによってマークの中心がスポット光SPの中心と一致した時のウエハステージ9の座標位置として、マーク位置の情報AP1を出力する。
【0031】
なお、図1に示した露光装置においては、TTL方式のアライメント系(16,17,18,19,20,21,22,23及び24)は、1組しか示していないが、紙面と直交する方向(Y軸方向)にもう1組が設けられ、同様のスポット光が投影像面内に形成される。これら2つのスポット光の長手方向の延長線は光軸AXに向かっている。
また、図1中のTTL方式のアライメント光学系の光路中に示した実線は、ウエハWとの結像関係を表し、破線は瞳EPとの共役関係を表す。
【0032】
また、露光装置100は、本発明に係るオフ・アクシス方式のアライメント光学系(以下、アライメントセンサと称する)を投影光学系PLの側方に備える。このアラメントセンサは、基板表面のアライメントマーク付近を撮像した信号(n次元信号)を画像処理して、マークの位置情報を検出するFIA(Field Image Alignment)方式のアライメントセンサである。
露光装置100においては、このアライメントセンサにより、サーチアライメント計測やファインアライメント計測を行う。
サーチアライメント計測とは、通常は前記FIAセンサを用いてウエハ上に複数個形成されているサーチアライメント用のマークを検出し、ウエハのウエハホルダーに対する回転量やXY面内での位置ずれを検出する処理である。このサーチアライメント計測時の観察倍率は、後述のファインアライメント計測時の観察倍率と等しいか、又は、それよりも低倍率に設定される。本実施の形態においてサーチアライメントの画像処理方法としては、予め用意したマーク信号に対応するテンプレート信号(テンプレートデータ)を用いてマークを検出する手法(テンプレートマッチング手法)を用いる。
【0033】
また、ファインアライメント計測とは、ショット領域に対応して形成されているファインアライメント用のアライメントマークを検出し、最終的に各露光ショットの位置決めを行うための処理である。本実施の形態においてファインアライメントの画像処理方法としては、マークのエッジを抽出してその位置を検出する手法(エッジ計測手法)を用いる。このファインアライメントでは、前述のサーチアライメントよりも高倍率でマーク検出をするようにしてもよい。
なお、ファインアライメントにおいて、その画像処理方法は本実施の形態の手法に限られるものではなく、テンプレートマッチング手法を用いるようにしてもよいし(これについては後述する)、あるいはまたその他の画像処理方法であってもよい。
【0034】
また、本実施の形態の説明では、検出対象のパターンあるいはテンプレートパターンをウエハ上い形成された所定のマークのパターン(マークパターン)として説明を進めるが、本発明はそのようなマークへの適用のみに限られるものではない。例えば、検出対象パターンあるいはテンプレートパターンとして、物体(ウエハやマスク)上に形成せれた回路パターン(デバイスパターン)の一部を用いるものや、ストリートラインの一部を用いるものにも本発明は適用可能である。
【0035】
このアライメントセンサは、ウエハWを照明するための照射光を出射するハロゲンランプ26、ハロゲンランプ26から出射された照明光を光ファイバー28の一端に集光するコンデンサレンズ27、及び、照明光を導波する光ファイバー28を有する。
照明光の光源としてハロゲンランプ26を用いるのは、ハロゲンランプ26から出射される照明光の波長域は500〜800nmであり、ウエハW上面に塗布されたフォトレジストを感光しない波長域であるため、及び、波長帯域が広く、ウエハW表面における反射率の波長特性の影響を軽減することができるためである。
【0036】
光ファイバー28から出射された照明光は、ウエハW上に塗布されたフォトレジストの感光波長(短波長)域と赤外波長域とをカットするフィルタ29を通過して、レンズ系30を介してハーフミラー31に達する。ハーフミラー31によって反射された照明光は、ミラー32によってX軸方向とほぼ平行に反射された後、対物レンズ33に入射し、さらに投影レンズPLの鏡筒下部の周辺に投影レンズPLの視野を遮光しないように固定されたプリズム(ミラー)34で反射されてウエハWを垂直に照射する。
【0037】
なお、図示を省略しているが、光ファイバー28の出射端から対物レンズ33までの光路中には、適当な照明視野絞りが対物レンズ33に関してウエハWと共役な位置に設けられる。また、対物レンズ33はテレセントリック系に設定され、その開口絞り(瞳と同じ)の面33aには、光ファイバー28の出射端の像が形成され、ケーラー照明が行われる。対物レンズ33の光軸は、ウエハW上では垂直となるように定められ、マーク検出時に光軸の倒れによるマーク位置のずれが生じないようになっている。
【0038】
ウエハWからの反射光は、プリズム34、対物レンズ33、ミラー32、ハーフミラー31を介して、レンズ系35によって指標板36上に結像される。この指標板36は、対物レンズ33とレンズ系35とによってウエハWと共役に配置され、図4に示すように矩形の透明窓内に、X軸方向とY軸方向のそれぞれに伸びた直線状の指標マーク36a,36b,36c,36dを有する。図4は、指標板36の断面図である。従って、ウエハWのマークの像は、指標板36の透明窓36e内に結像され、このウエハWのマークの像と指標マーク36a,36b,36c,36dとは、リレー系37,39及びミラー38を介してイメージセンサ40に結像する。
【0039】
イメージセンサ(光電変換手段、光電変換素子)40は、その撮像面に入射する像を光電信号(画像信号、画像データ、データ、信号)に変換するものであり、例えば2次元CCDが用いられる。イメージセンサ40から出力された信号(n次元信号)は、FIA演算ユニット41に、レーザ干渉計12からの位置計測信号PDSとともに入力される。
【0040】
なお、本実施の形態では、イメージセンサ40において2次元画像信号を得て、これをFIA演算ユニット41に入力し、2次元計測あるいは1次元計測に使用する。また、サーチアライメント処理の時に行うテンプレートマッチングの際には、2次元CCDで得た信号を非計測方向に積算(投影)して1次元投影信号として、計測方向への計測に使用する。
しかしながら、イメージセンサ40で得る信号やその後段の信号処理の際に処理対象とする信号の形式は、本実施の形態のこのような例に限られるものではない。テンプレートマッチングの際に、2次元画像処理を行うように構成して2次元信号を計測に用いるようにしてもよい。また、3次元画像信号を得て、3次元画像処理を行うように構成してもよい。さらに言えば、CCDの信号をn次元(nは、n≧1の整数)に展開して、(例えば、n次元の余弦成分信号、n次元正弦信号、あるいはn次周波数信号等を生成し)、そのn次元信号を用いて位置計測を行うものに対しても本発明は適用可能である。
なお、本明細書の説明において画像、画像信号、画像情報、パターン信号等と称する時も同様に、2次元の画像のみならず、このようなn次元信号(n次元の画像信号や、上述の如く画像信号から展開された信号)をも含むものとする。
【0041】
FIA演算ユニット41は、入力された画像信号からアライメントマークを検出し、そのアライメントマークの指標マーク36a〜36dに対するマーク像のずれを求める。そして、位置計測信号PDSによって表されるウエハステージ9の停止位置から、ウエハWに形成されたマークの像が指標マーク36a〜36dの中心に正確に位置した時のウエハステージ9のマーク中心検出位置に関する情報AP2を出力する。
FIA演算ユニット41は、サーチアライメント及びファインアライメントの各アライメント処理時に、各々、所定のアライメントマーク像の位置検出及びそのずれの検出を行う。本実施の形態においては、サーチアライメントの時にはテンプレートマッチング手法を利用し、また、ファインアライメントの時にはエッジ検出処理手法を利用して、マークの位置検出及びずれの検出を行う。
なお、FIA演算ユニット41の構成及びこれらの処理については、本発明に係るサーチアライメントの処理(テンプレートマッチング処理)を中心に、次段においてより詳細に説明する。
以上、露光装置100の全体の概略の構成である。
【0042】
次に、FIA演算ユニット41の構成及び動作について、図5を参照して説明する。
図5は、FIA演算ユニット41の内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、FIA演算ユニット41は、画像信号記憶部50、テンプレートデータ記憶部52、データ処理部53及び制御部54を有する。
【0043】
画像信号記憶部50は、イメージセンサ40から入力される画像信号を記憶する。画像信号記憶部50には、イメージセンサ40により取り込まれた画像であって、検出対象のアライメントマークのサイズに比べて十分に大きい視野領域の画像が記憶される。
【0044】
テンプレートデータ記憶部52は、例えばサーチアライメントの際に行うテンプレートマッチング処理で用いるテンプレートデータを記憶する。テンプレートデータは、ウエハ上のマークを検出するために画像信号記憶部50に記憶されている画像信号とパターンマッチングを行うための基準のパターンデータである。
テンプレートデータは、露光装置100とは別の計算機システム等で作成されてテンプレートデータ記憶部52に記憶されてもよいし、アライメントセンサで撮像されたマークの画像情報に基づいてFIA演算ユニット41で作成されてテンプレートデータ記憶部52に記憶されてもよい。
【0045】
データ処理部53は、画像信号記憶部に記憶されている画像信号に対してテンプレートマッチング及びエッジ検出処理等の所望の画像処理を行い、マークの検出、位置情報の検出、識別情報の検出、及び、ずれ情報の検出等を行う。
例えば、データ処理部53は、画像信号記憶部50に記憶される画像信号とテンプレートデータ記憶部52に記憶するテンプレートとのマッチングを行い、画像信号中のマークの有無を検出する。その場合データ処理部53は、検出対象のマークの大きさに相当する探索領域で視野領域を順次走査し、各位置においてその領域の画像信号とテンプレートデータとを比較照合する。そして、それらのパターン間(画像間)の類似度、相関度等を評価値として検出し、類似度が所定の閾値以上の場合に、その領域にマークが存在する、すなわち、その箇所の画像中にマークの像が含まれているものと判断する。
そして、最終的にデータ処理部53は、そのマークが視野内のどの位置にあるかを求める。これによって、ウエハWに形成されたマークの像が指標マーク36a〜36dの中心に正確に位置した時のウエハステージ9のマーク中心位置に関する情報AP2を得る。
【0046】
また、データ処理部53は、本発明に係る識別情報を有するアライメントマークを検出する場合には、そのマークにより示されている識別情報を検出する。識別情報の検出方法としても、テンプレートマッチングやエッジ検出を用いることができる。
本実施の形態においては、サーチアライメント時にテンプレートマッチング手法により、サーチマークに表される識別情報を抽出する。なお、その処理については、後に詳細に説明する。
そして、データ処理部53は、検出した識別情報に基づいて検出したアライメントマークの種類を判別し、後段のアライメント処理や露光処理において使用すべきマークの選別、あるいは、使用すべきマークであることの確認を行い、適切に選択したマークに対して、前述したような位置情報を検出する。
【0047】
制御部54は、画像信号記憶部50における画像信号の記憶及び読み出し、テンプレートデータ記憶部52におけるテンプレートデータの記憶及び読み出し、及び、データ処理部53における前述したマッチングやエッジ検出等の処理が各々適切に行われるように、FIA演算ユニット41全体の動作を制御する。
【0048】
次に、本発明に係る露光装置100の動作について、FIA演算ユニット41においてサーチアライメントの際に行うアライメントマーク(サーチマーク)の検出処理を中心に詳細に説明する。
まず、このような構成の露光装置100における露光処理に適用して好適な、アライメントマークについて、図6を参照して説明する。
図6は、そのアライメントマーク(サーチ用アライメントマーク又はサーチマークとも称する)AM1の構成を示す図である。
【0049】
アライメントマークAM1は、後述するファインアライメント用のアライメントマークよりも若干大きく、図示の如く比較的簡単な構成のマークである。
アライメントマークAM1は、縦方向に互いに平行に延在する3本の縦パターンP1L,P1C,P1Rと、横方向に互いに平行に延在する3本の横パターンP2A,P2C,P2Uとを有する。これら3本の縦パターン及び3本の横パターンは相互に重なり合い、9個の交点を形成する。
【0050】
縦パターンの中央のパターン(縦中央パターン)P1Cは、左右の縦パターンP1LとP1Rとの間の任意の位置に配置される。また、横パターンの中央のパターン(横中央パターン)P2Cは、上下の横パターンP2AとP2Uとの間の任意の位置に配置される。
なお、アライメントマークAM1のこれら各パターンP1L,P1C,P1R及びP2A,P2C,P2Uの線幅は本実施の形態ではいずれも同一線幅としているが、本発明はこれに限られるものではなく、互いに異なる線幅であっても本発明を適用可能である。
【0051】
このような構成のアライメントマークAM1では、前述したように、縦中央パターンP1C及び横中央パターンP2Cは、各々、左右の縦パターンP1LとP1Rとの間及び上下の横パターンP2AとP2Uとの間の任意の位置に配置される。従って、縦中央パターンP1Cと横中央パターンP2Cとの交点Pの位置は、それらの縦中央パターンP1C及び横中央パターンP2Cの位置がそれぞれ相違することにより、左右の縦パターンP1L,P1R及び上下の横パターンP2A,P2Uで囲まれる空間内で変化する。
【0052】
この交点Pの位置と所望の情報とを対応付けることにより、すなわち、異なる交点Pに異なる情報を対応付けることにより、多数の情報を表すことができる。すなわち、縦中央パターンP1Cと横中央パターンP2Cとにより形成される十字型のマークにより異なる多数の情報を表すことができる。実際には、アライメントセンサにおける縦パターンP1L,P1C及びP1R、及び、横パターンP2A,P2C及びP2Uの検出分解能を考慮し、縦中央パターンP1Cの検出可能な配置の数、及び、横中央パターンP2Cの検出可能な配置の数の組み合わせの数に相当する種類の所望の情報を表すことができる。
【0053】
ウエハ上のサーチ用アライメントマーク(サーチマーク)は、マスク(レチクル)に設けられているサーチマークが基板に転写されて形成されるものであり、基板上の各ショット領域のそれぞれにサーチマークが形成されることになる場合がある。しかし、サーチアライメント処理に用いるウエハ上のサーチマークの数は3つ程度であり、サーチアライメント処理に用いない多数のサーチマークがウエハ上に存在することとなる。従って、サーチアライメント処理の際は、検出したサーチマークが適切なサーチマークか否か(計測すべきサーチマークであるか否か)識別する必要がある。本実施の形態においては、サーチアライメントに使用するサーチマークを識別するための情報を、上述した縦中央パターンP1C及び横中央パターンP2Cの位置により表すものとする。
【0054】
従って、アライメントセンサにおいてサーチマークをアライメントに使用する際には、まず、縦パターンの左側のパターンP1Lと縦パターンの中央のパターンP1Cとの相対距離、及び、横パターンの上側のパターンP2Aと横パターンの中央のパターンP2Cとの相対距離を計測する。
次に、各パターンの配置に対応付けられている情報、換言すれば縦中央パターンP1C及び横中央パターンP2Cの交点に対応付けられている情報を、予め記憶されている情報より抽出する。
そしてこれにより、そのマークが如何なるパターンとして形成されたマークであるかを示す情報を検出し、そのマークがサーチアライメントに用いるマークとして適切か否かの判定を行う。
【0055】
次に、露光装置100の動作について、サーチアライメント処理を中心として、図7〜図12を参照して説明する。
まず、露光処理の全体の流れについて、図7を参照して説明する。
まず、レチクルR及びウエハWを、各々レチクルステージ2及びウエハステージ9上に搬送し、各ステージ上に載置し支持する。この際、ウエハWは、ウエハに形成されたオリエンテーション・フラット又はノッチ等を用いて、ウエハステージ9に対して位置合わせ(プリアライメント処理)をした後、ウエハホルダー8を介してウエハステージ9上に保持される(ステップS110)。
【0056】
次に、アライメントセンサにより、ウエハホルダー8に搭載されたウエハWのウエハホルダー8に対する回転量やXYずれを求めるサーチアライメント計測を行う(ステップS120)。ここでのサーチアライメント計測においては、ウエハW上の離れた複数点に形成されたサーチアライメント用のアライメントマーク(サーチマーク)を検出し、その各サーチマークの位置関係に基づいてウエハの回転量やXYずれ等を求める。
【0057】
サーチアライメント計測においては、まず、サーチマークの設計上の位置情報に基づいて、そのサーチマークが配置されるウエハW上の所定の領域内の画像を取り込む(ステップS121)。
具体的には、主制御系15が、ステージコントローラ13及び駆動系14を介して、サーチマークがアライメントセンサの視野(計測領域)内に入るようにウエハステージ9を駆動する。
移動処理が完了すると、アライメントセンサの照明光がウエハW上に照明される。すなわち、ハロゲンランプ26から出射された照明光が、コンデンサレンズ27によって光ファイバー28の一端に集光されて光ファイバー28内に入射される。入射された照明光は、光ファイバー28内を伝搬して他端から出射され、フィルタ29を通過して、レンズ系30を介してハーフミラー31に達する。ハーフミラー31によって反射された照明光は、ミラー32によってX軸方向に対してほぼ水平に反射された後、対物レンズ33に入射し、さらに投影レンズPLの鏡筒下部の周辺に投影レンズPLの視野を遮光しないように固定されたプリズム34で反射されてウエハWに垂直に照射される。
【0058】
ウエハWからの反射光は、プリズム34、対物レンズ33、ミラー32、ハーフミラー31を介して、レンズ系35によって指標板36上に結像される。ウエハWのマークの像と指標マーク36a,36b,36c,36dとは、リレー系37,39及びミラー38を介してイメージセンサ40に結像する。イメージセンサ40に結像した画像データは、計測領域内の画像として、FIA演算ユニット41の画像信号記憶部50に記憶される。
なお、サーチアライメント計測時のこの画像の取り込みを、アライメントセンサの倍率を後述するファインアライメントの時よりも低倍率に設定して行うにようにすれば、ウエハW上のより広い領域の画像が取り込まれることとなる。なお、前述したように、検出対象のサーチマーク自身も、後述するファインアライメント時のアライメントマークよりも大きく形成されている。
【0059】
次に、FIA演算ユニット41のデータ処理部53は、画像信号記憶部50に記憶された視野画像(計測領域内の画像)を走査して、所望のアライメントマークを検出する(ステップS122)。本実施の形態においては、図6を参照して前述したようなアライメントマークAM1を検出する。視野領域内に複数のアライメントマークが観察される場合にはその全てを検出する。
【0060】
アライメントマークを検出したら、次に、検出したアライメントマークの識別を行う(ステップS123)。
図6を参照して前述したように、各アライメントマークAM1においては、縦中央パターンP1C及び横中央パターンP2Cのマーク内の位置によって、サーチマークを識別するための情報が表されている。データ処理部53は、画像信号記憶部50に記憶されている画像情報より、各アライメントマークAM1の縦中央パターンP1C及び横中央パターンP2Cを抽出し、縦パターンの左側のパターンP1Lと縦中央パターンP1Cとの相対距離、及び、横パターンの上側のパターンP2Aと横中央パターンP2Cとの相対距離を計測する。そして、縦中央パターンP1Cと横中央パターンP2Cとの交点に対応付けられている情報を予め記憶されている情報より抽出する。
なお、この縦パターンの左側のパターンP1Lと縦中央パターンP1Cとの相対距離を計測する処理、及び、横パターンの上側のパターンP2Aと横中央パターンP2Cとの相対距離を計測する処理については、後にさらに詳細に説明する。
【0061】
そして、検出された識別情報に基づいて、今回のサーチアライメント計測処理で使用するアライメントマークを特定する(ステップS124)。
なお、ステップS122で抽出されたマークが1つのみの場合には、ステップS123及びステップS124の処理を省略し、直ちにそのマークを今回の露光処理で使用するマークと特定してもよい。また、そのような場合も、ステップS123及びステップS124の処理を行い、今回の露光処理で使用するマークか否かを確認するようにしてもよい。
このようなステップS121〜ステップS124の処理を繰り返し、サーチアライメント計測に用いるウエハW上の全てのサーチマークを検出したら(ステップS125)、それら各マークの位置情報に基づいて、所定の演算を行い、ウエハWの回転量やXYずれを求める(ステップS126)。
【0062】
サーチアライメント計測が終了したら、次に、アライメントセンサにより、ウエハW上の各露光ショットの位置ずれを検出するファインアライメント計測を行う(ステップS130)。ファインアライメント計測においては、ウエハW上の露光ショットに対応して形成されたファインアライメント用のアライメントマークを検出し、そのアライメントマークの位置を求めて、各ショット領域の回転量や位置ずれを検出する。
本実施の形態においては、検出した画像の波形信号に対してエッジ計測手法による画像処理を施すことにより、アライメントマークの検出及びその位置情報の検出を行う。なお、エッジ計測手法は、例えば特開平4−65603号公報等に開示されており、その詳細な説明は省略する。
【0063】
このファインアライメント計測は、ウエハW上の各ショット領域に対応して設けられたアライメントマークの全てを検出して行ってもよいし、いくつかのショット領域を選択し、その選択されたショット領域に対応するアライメントマークを検出して行ってもよい。但し、一部のショット領域に対応するアライメントマークを選択して行う場合には、後述するショット領域の位置算出の際に統計演算処理(EGA処理)を施し、各ショット領域の位置を検出することとなる。
なお、ファインアライメント計測時のこの画像の取り込みは、アライメントセンサの倍率を前述したサーチアライメントの時よりも高倍率に設定して行われる。また、検出対象のアライメントマークは、前述したサーチアライメント時のアライメントマークよりも小さい、すなわち高精細なマークである。
【0064】
ファインアライメント計測が終了したら、データ処理部53は、サーチアライメント計測の結果及びファインアライメント計測の結果に基づいて、例えばEGA処理等の処理を行い、ウエハW上の各ショット領域の位置を算出する(ステップS140)。
【0065】
ショット領域の位置が算出されたら、主制御系15は、予め管理されているベースライン量及び算出したショット領域に基づいてレチクルRとウエハWのショット領域との位置合わせを行う。そして、ショット領域にレチクルRのパターン像を正確に重ね合わせ、露光を行う(ステップS150)。
【0066】
次に、前述したステップS123の識別情報検出処理について、さらに図8を参照して詳細に説明する。
図6を参照して前述したように、本実施の形態で示すアライメントマークAM1は、縦のパターンP1L,P1C及びP1R、及び、横のパターンP2A,P2C及びP2Uを有する。そして、縦中央パターンP1Cと横中央パターンP2Cとの交点PのマークAM1内の位置により、換言すれば、左側の縦のパターンP1Lと中央の縦のパターンP1Cとの相対距離L1と上側の横のパターンP2Aと中央の横のパターンP2Cとの相対距離L2との組み合わせにより、アライメントマークAM1を識別する情報を表す。
ここでは、左側の縦のパターンP1Lと中央の縦のパターンP1Cとの相対距離L1の検出方法を具体的に例示し、アライメントマークAM1の識別情報の検出処理について説明する。
【0067】
図8は、左側の縦のパターンP1Lと中央の縦のパターンP1Cとの相対距離L1の計測方法を説明するためのフローチャートである。
【0068】
まず、図5に示したFIA演算ユニット41のデータ処理部53は、マークAM1のX方向の輝度分布平均を求めることにより、X方向に関する信号強度分布、すなわち波形信号を抽出する(ステップS210)。
データ処理部53は、図7に示すステップS122の処理で検出されたマークAM1の視野画像中の位置及びその設計情報に基づいて、視野画像中のマークAM1が配置される領域を検出する。そして、さらにこのマークAM1の配置領域に基づいて、波形信号を抽出する領域を設定する。波形信号を抽出する領域は、基本的にマークAM1の配置領域と同一でよい。そして、データ処理部53は、設定した領域内の視野画像を走査し、マークAM1のX方向に関する信号強度分布を求める。
例えば図6に示すマークAM1の縦パターンP1L及びP1Cに対しては、図9(A)に示すような波形信号W1が抽出される。
【0069】
次に、このような波形信号W1に対して、テンプレートを設定する(ステップS220)。データ処理部53は、アライメントマークAM1の設計情報に基づいて、ステップS220で抽出した波形信号W1より、左側の縦パターンP1Lに対応する波形信号が存在する領域を抽出し、この領域の波形信号をテンプレートとして設定する。
図9(A)に示した波形信号W1に対しては、図9(B)に示すテンプレートT1が設定される。
【0070】
以降のステップS230〜S250では、波形信号W1内の相関検出(演算)の対象範囲(後述の被計測範囲P1〜P4)に対して、テンプレートT1を演算上で順次走査させながら、相関検出(並進対称性の検出)を行う。
まず、波形信号W1内において、相関検出対象範囲(計測パターンPn)を順次設定する(ステップS230)。データ処理部53は、まず、計測パターンを設定する範囲を、アライメントマークAM1の設計情報及び画像情報中のテンプレートT1の位置情報に基づいて画像情報中に設定する。そして、その計測パターン設定範囲内を所定の間隔で順に移動し、すなわち走査し、順次計測パターンを設定する。
図9(B)に示した波形信号W1及びテンプレートT1に対しては、図9(C)に示す計測パターンP1〜P4が順次設定される。
【0071】
次に、設定した計測パターンとテンプレートとの並進対称性を検出する(ステップS240)。
並進対称性は、式(1)又は式(2)に基づいて求める。
【0072】
【数1】
Figure 2005019865
【0073】
【数2】
Figure 2005019865
【0074】
但し、kは基準パターン(テンプレート)と計測パターンの距離、xは基準パターンの位置、Nはパターンサイズ、R(k)は基準パターンと計測パターンの距離がkの時の並進対称性評価値である。そして、距離kを変化させて、R(k)が最大になる時の距離kの値が、相対位置検出結果Kである。
また、S1,S2は、式(3)及び式(4)により表される。
【0075】
【数3】
Figure 2005019865
【0076】
【数4】
Figure 2005019865
【0077】
式(1)及び式(2)により計算される評価値R(x)は、xの位置、Nが異なってもほぼ同じになる。
なお、式(1)で求められる評価値は、パターン間の振幅に対して不変な値となり、式(2)で求められる評価値は、振幅の値を反映した値となる。このいずれの評価式を求めるかは、位置計測したい状況等により適宜決定する。
【0078】
次に、設定され得る全ての計測パターンに対して並進対称性の検出を行ったか否か、すなわち、計測パターン設定範囲内の走査が終了したか否かをチェックする(ステップS250)。そして、終了していなければステップS230に戻って次の計測パターンの検出を行い、その計測パターンについてテンプレートとの並進対称性を検出する(ステップS240)。以後、計測パターン設定範囲内の全計測パターンについて並進対称性の検出が終了するまで、ステップS230〜ステップS250の処理を繰り返す。
この処理により、例えば図9(C)に示す計測パターンP1〜P4の各々について、テンプレートT1に対する並進対称性評価値が算出される。
【0079】
ステップS250において、計測パターン設定範囲内の走査が終了したら、次に、設定した各計測パターンから検出した並進対称性の評価値を比較し、評価値が最大となる計測パターンを検出する(ステップS260)。
図9(C)に示した例においては、計測パターンP1〜P4の中で、図示により明らかなように、計測パターンP3に対して算出された並進対称性評価値が最も高い値となる。従って、ステップS260においては、この計測パターンP3が検出される。
【0080】
そして、その評価値が最大となる計測パターンの位置を検出し、これとテンプレートの位置との相対位置(相対距離)を検出し、これを検出結果として出力する(ステップS270)。
図9(C)に示した例においては、計測パターンP3とテンプレートT1の距離Lが検出され、出力される。
【0081】
図7に示したアライメント処理のステップS123においては、このような処理により、まず図6に示したマークAM1の左側の縦パターンP1Lと中央の縦パターンP1Cとの相対距離L1を検出する。次に、同様の処理を行うことによりマークAM1の上側の横パターンP2Aと中央の横パターンP2Cとの相対距離L2を検出する。そして、これら検出した相対距離L1及びL2に基づいて、マークAM1が示す情報、すなわち、マークAM1を識別する情報を検出する。
【0082】
このように、本実施の形態においては、サーチマークAM1で表される情報を検出する際に、ウエハを撮像して得られた画像情報よりテンプレート(基準パターン)を抽出し、これと計測パターンとを比較することにより基準パターンと同一のパターンを検出し、それらの相対位置を検出している。基準パターンと計測対象のパターンとの設計上の形状が同じであれば、撮像条件等に起因する像変形もほぼ同じになる。すなわち、像変形があっても基準パターンと計測対象のパターンとの像形状は強い相関を維持している。従って、このような方法によりテンプレートを設定することにより、適切に計測対象のパターンを検出することができる。
【0083】
また、本実施の形態のマーク検出方法においては、基準パターンと計測パターンとの相関を、並進対称性を検出することにより求めている。並進対称性は、撮像条件に起因する像変形が基準パターン及び計測パターンに生じたとしても保持される。また、並進対称性は、パターンが左右非対称であっても何ら問題なく検出することができる。従って、それらの相関を適切に検出できる。
【0084】
また、並進対称性は、基準パターンとして検出しようとした所定のパターンを正確に基準パターンとして切り出していなくとも、すなわち、切り出したパターンの位置がずれていたり、パターンを部分的に切り出したりした場合においても、計測パターンの対応する部分との間で成立する特徴である。また、並進対称性を有するパターン間の相対的な位置は、ずれたパターンや部分的なパターンを用いたとしても維持される。従って、本実施の形態のようなマーク検出方法により、基準パターンと計測パターンとの距離は適切に検出することができる。
【0085】
具体的には、例えば、本来は図10(A)に示すように設定されるべきテンプレートT1が、例えば図10(B)又は図10(C)に示すテンプレートT5又はT6のようにずれて設定される場合がある。このような場合、並進対称性の評価値が最大となる計測パターンは、各々図示の如く、テンプレートと同様にずれた計測パターンP5又はP6である。従って、これらの相対距離Lは、テンプレートT1が理想的に検出された場合と同じ距離Lとなる。すなわち、テンプレートパターンの位置がずれていても、換言すればテンプレートとすべきパターンの位置が厳密にわかっていなくとも、これらの相対距離は適切に検出される。
【0086】
また、例えば、図11(A)に示すように、テンプレートが、設定されるべきテンプレートのパターンの一部のみを切り出したパターンT7のような場合がある。さらに、図11(A)〜(C)に示すテンプレートT7〜T9のように、その部分的なテンプレートがさらに種々の位置にずれて設定される場合がある。計測パターンのサイズは、テンプレートのサイズと同一に設定される。従って、このような場合においても、並進対称性の評価値が最大となる計測パターンは、各々図示の如く、テンプレートと同様のサイズ、すなわちテンプレートと同様にパターンの一部に対応する大きさで、波形信号に対してテンプレートと同様にずれたパターンP7〜P9である。従って、これらの相対距離は、やはりテンプレートが理想的に設定された場合と同じ距離Lとなる。すなわち、テンプレートパターンが本来のパターン信号の一部のみのパターンであっても、換言すれば本来のパターン信号の一部を使用しないパターンであっても、並進対称性を有するパターンの検出及びそのパターンとの相対距離の検出は適切に行える。
【0087】
また、並進対称性は、例えば図12に示すように、左右が非対称のパターンであっても、適切にその相関を検出できる。またこれにより、テンプレートT10と、並進対称性評価値が最大となる計測パターンP10との相対距離も、適切に検出することができる。
【0088】
第2の実施の形態
前述した第1の実施の形態においては、サーチアライメント計測時に本発明に係るテンプレートマッチング方法を適用した。しかしながら、本発明は各ショット領域の位置決めを行うためのファインアライメント計測に対しても適用可能である。
そのようなアライメント方法(ファインアライメント方法)について、第2の実施の形態として図13及び図14を参照して説明する。
なお、第2の実施の形態において露光装置の構成及びサーチアライメントの方法は、第1の実施の形態と同一の構成及び方法を適用可能であり、その説明は省略する。なお、露光装置の構成を示す場合は第1の実施の形態で示した符号と同一の符号を用いる。
【0089】
まず、ファインアライメント用のマークとして用いて好適なアライメントマークについて、図13を参照して説明する。
図13は、そのアライメントマークAM2の構成を示す図である。
アライメントマークAM2は、第1のマークM1及び第2のマークM2が図示の如く配置されたマークである。
第1のマークM1は、ウエハW上に設けられ、ウエハWのXY平面内における位置情報を検出する際に用いられるマークである。第1のマークM1は、X軸方向に所定長さで延伸されたパターン部P11とスペース部S11とをY軸方向に周期的に配置したマークM11、Y軸方向に所定長さで延伸されたパターン部P12とスペース部S12とをX軸方向に周期的に配置したマークM12、マークM11と同一のパターン構成でアライメントマークAM2のマーク中心点Cを通過するX軸に平行な線を対称軸としてマークM11と線対称な位置に配置されたマークM13、及び、マークM12と同一のパターン構成で中心点Cを通過するY軸に平行な線を対称軸としてマークM12と線対称な位置に配置されたマークM14を有する。すなわち、第1のマークM1は、マーク中心点Cの周囲にマークM11〜M14がY方向及びX方向に図示の如く配置された十字型のマークである。
【0090】
第2のマークM2は、第1のマークM1を識別するために(例えば、ウエハ上の第nレイヤーに形成されたアライメントマークである、ということを認識するために)、第1のマークM1に付随してウエハW上に設けられるマークである。
ウエハ上には、ショット領域ごとに、さらには各ショット領域の各レイヤーごとに別個のアライメントマークが形成される場合がある。そのような場合、通常、アライメントマークは相互にずらして配置されるが、結果的に近接して配置される場合がある。その結果、アライメントマークを検出する場合にアライメントセンサの視野内にはウエハ上に積層された複数の層(レイヤー)ごとにそれぞれ形成されているアライメントマークが観察される可能性がある。そのような場合に、どのアライメントマークが計測すべきレイヤーに形成されているアライメントマークであるかを識別するために、第2のマークM2を検出する。この第2のマークM2がどのようなマーク構造であるかを識別(認識)することで、そのマークM2が付随して形成されているマークM1が、計測すべきレイヤーのマークM1であるか否かを識別することができる。
【0091】
第2のマークM2は、図示の如く、マークM21〜マークM24の4個のマークを有する。マークM21は、第1のマークM1のマークM14とマークM11との間に形成されるアライメントマークAM2の角部の領域A1に形成され、マークM22は、第1のマークM1のマークM11とマークM12との間に形成されるアライメントマークAM2の角部の領域A2に形成される。また、マークM23は、第1のマークM1のマークM12とマークM13との間に形成されるアライメントマークAM2の角部の領域A3に形成され、マークM24は、第1のマークM1のマークM13とマークM14との間に形成されるアライメントマークAM2の角部の領域A4に形成される。
本実施の形態において、マークM21とマークM23及びマークM22とマーク24は、各々、中心点Cを対称中心とする点対称なマークとなっている。また、マークM21とマークM22及びマークM24とマークM23は、各々、中心点Cを通過するY軸に平行な直線を対称軸とする線対称な図形となっており、また、マークM21とマークM24及びマークM22とマークM23は、各々、中心点Cを通過するX軸に平行な直線を対称軸とする線対称な図形となっている。
【0092】
マークM21は、十字型のマークM211と、L字型のマークM212とを有する。
十字型のマークM211は、領域A1内をY方向(ここでは、縦方向と称する)に延伸した縦パターンPV1と、領域A1内をX方向(ここでは、横方向と称する)に延伸した横パターンPH1とを有する。縦パターンPV1は、横方向(X方向)には領域A1内の任意の位置に配置される。また、横パターンPH1は、縦方向(Y方向)には領域A1内の任意の位置に配置される。
L字型のマークM212は、十字型のマークM211を保護するための仕切マークである。L字型のマークM212は、領域A1の第1のマークM1のマークM11に近接するY方向の辺上に設けられる縦パターンPV2、及び、領域A1の第1のマークM1のマークM14に近接するX方向の辺上に設けられる横パターンPH2より形成される。
なお、第2のマークM2のこれら各パターンPV1,PV2,PH1及びPH2の線幅は本実施の形態ではいずれも同一線幅としているが、本発明はこれに限られるものではなく、互いに異なる線幅であっても本発明を適用可能である。
【0093】
このような構成の第2のパターンM2の十字型のマークM211の縦パターンPV1及び横パターンPH1は、前述したように、各々、領域A1の範囲内でX方向及びY方向の任意の位置に配置される。すなわち、縦パターンPV1と横パターンPH1の一方又は両方の位置が相違することにより、それらの交点の位置は、領域A1内で変化する。
この交点の位置と所望の情報とを対応付けることにより、すなわち、異なる交点に異なる情報を対応付けることにより、この十字型のマークM21により異なる多数の情報を表す。実際には、アライメントセンサにおけるこれら縦パターンPV1及び横パターンPH1の検出分解能を考慮し、縦パターンPV1の検出可能な配置の数、及び、横パターンPH1の検出可能な配置の数の組み合わせの数に相当する種類の所望の情報を表すことができる。
【0094】
従って、アライメントセンサにおいては、まず、L字型のマークM212の縦パターンPV2と、十字型のマークM211の縦パターンPV1との相対距離を計測することにより、十字型のマークM211の縦パターンPV1の位置を計測する。また、L字型のマークM212の横パターンPH2と、十字型のマークM211の横パターンPH1との相対距離を計測することにより、十字型のマークM211の横パターンPH1の位置を計測する。
次に、予め記憶されている縦パターンPV1及び横パターンPH1の配置に関わる設計情報を参照し、計測されたそれら各パターンの位置に基づいて、各パターンが如何なる配置のパターンとして形成されたものかを検出する。そして、各パターンの配置に対応付けられている情報、換言すれば縦パターンPV1及び横パターンPH1の交点に対応付けられている情報を、前記設計情報とともに予め記憶されている情報より抽出する。
これにより、十字型のマークM21、すなわち第2のマークM2により表されている情報を検出することができる。
前述したように、本実施の形態においては、第2のマークM2は第1のマークM1を識別する情報を示すものとした。従って、これにより、第1のマークM1の種類を識別することができる。
【0095】
次に、このようなアライメントマークを用いてファインアライメント計測を行う場合の処理の流れについて、図14及び前述した図8を参照して説明する。
まず、露光処理の全体の流れについて、図14を参照して説明する。
露光処理においては、まず、ウエハWを、プリアライメント処理し、ウエハホルダー8を介してウエハステージ9上に保持する(ステップS310)。
次に、第1の実施の形態で示したようなサーチアライメント計測を行い、ウエハWのウエハホルダー8に対する回転量やXYずれ等を求める(ステップS320)。
【0096】
次に、本実施の形態に係るファインアライメント計測を行う(ステップS330)。
ファインアライメント計測においては、まず、アライメントセンサによりウエハW上の所定の計測領域内の画像を取り込む(ステップS331)。この際、前述したサーチアライメント計測時より高倍率で高精細に基板上の画像を取り込む。
次に、FIA演算ユニット41のデータ処理部53は、画像信号記憶部50に記憶された視野画像(計測領域内の画像)を走査して、所望のアライメントマークを検出する(ステップS332)。本実施の形態においては、図13に示す第1のマークM1を検出することにより、アライメントマークAM2を検出する。視野領域内に複数のアライメントマークが観察される場合があるが、そのような場合にはその全てを検出する。
【0097】
視野内の第1のマーク、すなわちアライメントマークを検出したら、次に、検出したアライメントマークの識別を行う(ステップS333)。図13に示したように、各アライメントマークAM2には、アライメントマークを識別するための第2のマークM2が付随されている。データ処理部53は、画像信号記憶部50に記憶されている画像情報より、ステップS332で検出された各アライメントマークAM2の第2のマークM2を抽出し、そのマークで示されている識別情報を検出する。
なお、この第2のマークM2の識別情報を検出する処理については、後に説明する。
【0098】
そして、検出された識別情報に基づいて、今回の露光処理で使用するアライメントマークを特定する(ステップS334)。
なお、ステップS332で抽出されたマークが1つのみの場合には、ステップS333及びステップS334の処理を省略し、直ちにそのマークを今回の露光処理で使用するマークと特定してもよい。また、そのような場合も、ステップS333及びステップS334の処理を行い、今回の露光処理で使用するマークか否かを確認するようにしてもよい。
アライメントマークを特定したら、データ処理部53は、このアライメントマークの位置を検出する(ステップS335)。
【0099】
このようにしてファインアライメントが終了したら、サーチアライメント及びファインアライメントの結果に基づいて、ショット領域の位置を算出する(ステップS340)。
なお、ショット領域の位置の検出に、例えば統計演算処理(EGA処理)を行う場合のように、ウエハW上の複数箇所のアライメントマークの位置情報を用いる場合がある。そのような場合は、図示しないが、ステップS331〜ステップS335、あるいは、ステップS332〜ステップS335のファインンアライメントの処理を繰り返し、その複数のアライメントマークの位置を各々検出する。そして、その複数のアライメントマークの位置情報に基づいて、ステップS340においてEGA処理等を行い、ショット領域を算出する。
【0100】
ショット領域の位置が算出されたら、露光装置100の主制御系15は、予め管理されているベースライン量及び算出したショット領域に基づいてレチクルRとウエハWのショット領域との位置合わせを行う。そして、ショット領域のレチクルRのパターン像を正確に重ね合わせ、露光を行う(ステップS350)。なお、ステップS340において、ウエハW上の複数のショット領域又は全てのショット領域の位置が一括的に算出されている場合には、その算出位置に従ってウエハWを順次移動させ、各ショット領域に順次露光を行う。
【0101】
次に、本発明に係るステップS333の識別情報検出処理について説明する。なお、この処理の流れは、図8を参照して例示した第1の実施の形態におけるサーチアライメント時の識別情報検出処理と基本的に同じである。従って、ここでは再度図8を参照して説明を行う。
図13を参照して前述したように、本実施の形態で示すアライメントマークAM2の第2のマークM2は、各々同じ情報を示す4つのマークM21〜マークM24を有する。そして、例えばマークM21においては、L字型のマークM212の縦パターンPV2と十字型のマークM211の縦パターンPV1との相対距離L1、及び、L字型のマークM212の横パターンPH2と十字型のマークM211の横パターンPH1との相対距離L2によりアライメントマークAM2を識別する情報を表す。
以下、マークM21のL字型のマークM212の縦パターンPV2と十字型のマークM211の縦パターンPV1との相対距離L1の検出方法を例示する。
【0102】
まず、FIA演算ユニット41のデータ処理部53は、マークM21のX方向の輝度分布平均を求めることにより、X方向に関する信号強度分布、すなわち波形信号を抽出する(ステップS210)。
データ処理部53は、図14に示すステップS332の処理で検出された第1のマークM1の視野画像中の位置及びアライメントマークAM2の設計情報に基づいて、視野画像中のマークM21が配置される領域を検出する。そして、さらにこのマークM21の配置領域に基づいて、波形信号を抽出する領域を設定する。波形信号を抽出する領域は、基本的にマークM21の配置領域と同一でよい。しかし、縦パターンPV2と縦パターンPV1の相対距離を検出する今回の処理であれば、X方向には、これらのパターンが確実に領域に含まれるように、マークM21の配置領域より若干のマージンを確保した範囲を設定するのが好適である。一方、Y方向には、縦パターンPV2及びPV1が横パターンPH2及びPH1により接続される領域以外の領域、すなわち、これらのパターンがX方向に区別される領域を十分に含んでいればよく、マークM21の配置領域よりも狭く設定してよい。そして、データ処理部53は、設定した領域内の視野画像を走査し、マークM21のX方向に関する信号強度分布を求める。
【0103】
次に、このような波形信号に対して、テンプレートを設定する(ステップS220)。データ処理部53は、アライメントマークAM2の設計情報に基づいて、ステップS220で抽出した波形信号より、L字型マークM212の縦パターンPV2に対応する波形信号が存在する領域を抽出し、この領域の波形信号をテンプレートとして設定する。
【0104】
以降のステップS230〜S250では、波形信号内の相関検出(演算)の対象範囲に対して、テンプレートを演算上で順次走査させながら、相関検出(並進対称性の検出)を行う。
まず、波形信号内において、相関検出対象範囲(計測パターン)を順次設定する(ステップS230)。データ処理部53は、計測パターンを設定する範囲を、アライメントマークAM2の設計情報及び画像情報中のテンプレートの位置情報に基づいて画像情報中に設定する。そして、その計測パターン設定範囲内を所定の間隔で順に走査し、順次計測パターンを設定する。
次に、設定した計測パターンとテンプレートとの並進対称性を検出する(ステップS240)。並進対称性は、前述した式(1)又は式(2)に基づいて求める。
【0105】
次に、設定され得る全ての計測パターンに対して並進対称性の検出を行ったか否か、すなわち、計測パターン設定範囲内の走査が終了したか否かをチェックする(ステップS250)。そして、終了していなければステップS230に戻って次の計測パターンの検出を行い、その計測パターンについてテンプレートとの並進対称性を検出する(ステップS240)。以後、計測パターン設定範囲内の全計測パターンについて並進対称性の検出が終了するまで、ステップS230〜ステップS250の処理を繰り返す。
ステップS250において、計測パターン設定範囲内の走査が終了したら、次に、設定した各計測パターンから検出した並進対称性の評価値を比較し、評価値が最大となる計測パターンを検出する(ステップS260)。
そして、その評価値が最大となる計測パターンの位置を検出し、これとテンプレートの位置との相対位置を検出し、これを検出結果として出力する(ステップS270)。
【0106】
図14に示したアライメント処理のステップS333においては、このような処理により、まずマークM21のL字型のマークM212の縦パターンPV2と十字型のマークM211の縦パターンPV1との相対距離L1を検出する。次に、同様の処理を行うことによりL字型のマークM212の横パターンPH2と十字型のマークM211の横パターンPH1との相対距離L2を検出する。そして、これら検出した相対距離L1及びL2に基づいて、第2のマークM2が示す情報、すなわち、第1のマークM1を識別する情報を検出する。
なお、ステップS333において、さらに、第2のマークM2のその他のマークM22〜M24についても同様の処理を行い、それらのマークが示す情報を検出してもよい。それら各マークM21〜M24が示す情報を比較照合することにより、第2のマークM2の示す情報をより正確に検出することができる。
【0107】
このように、第2の実施の形態においては、第2のマークM2で表される情報を検出する際に、ウエハを撮像して得られた画像情報よりテンプレート(基準パターン)を抽出し、これと計測パターンとを比較することにより基準パターンと同一のパターンを検出し、それらの相対位置を検出している。基準パターンと計測対象のパターンとの設計上の形状が同じであれば、撮像条件等に起因する像変形もほぼ同じになる。すなわち、像変形があっても基準パターンと計測対象のパターンとの像形状は強い相関を維持している。従って、撮像画像よりこのような方法によりテンプレートを設定することにより、適切に計測対象のパターンを検出することができる。
【0108】
その他、第1の実施の形態と同様に、基準パターンと計測パターンとの相関を、並進対称性を検出することにより求めているので、撮像条件に起因する像変形が基準パターン及び計測パターンに生じた場合や、左右非対称なパターンが検出された場合でも、それらの相関を適切に検出できる。
また、切り出したパターンの位置がずれていたり、パターンを部分的に切り出したりした場合においても、基準パターンと計測パターンとの距離は適切に検出することができる。
【0109】
第3の実施の形態
前述した第2のマークM2により表される識別情報を検出する他の処理について、本発明に係る第3の実施の形態として、図15を参照して詳細に説明する。
なお、ここでは、図8を参照して前述した処理と同様に、図13紙面上右上のマークであるマークM21のL字型のマークM212の縦パターンPV2と十字型のマークM211の縦パターンPV1との相対距離L1の検出方法を例示する。
図15は、その縦パターンPV2と縦パターンPV1の相対距離を検出する方法を示すフローチャートである。
【0110】
まず、FIA演算ユニット41のデータ処理部53は、マークM21のX方向に関する信号強度分布、すなわち波形信号を抽出し(ステップS410)、抽出した波形信号に対してテンプレートを設定する(ステップS420)。
次に、計測パターンを設定し(ステップS430)、設定した計測パターンとテンプレートとの並進対称性を前述した式(1)又は式(2)に基づいて検出する(ステップS440)。
計測パターン設定範囲内の全域にわたって計測パターンを順次設定し、各々並進対称性を検出したら(ステップS450)、検出した並進対称性の評価値を比較し、評価値が最大となる計測パターンを検出し(ステップS460)、その計測パターンとテンプレートとの相対位置を検出する(ステップS470)。
以上は、図8を参照して前述した第1及び第2の実施の形態の相対位置検出方法とほぼ同じである。
【0111】
第3の実施の形態においては、ステップS470までの処理により設定したテンプレートに対して相関パターンとの相対位置が検出されたら、ステップS420に戻りテンプレートを変更して、その新たなテンプレートに対して新たに相関パターンとの相対位置の検出を行うようにしている。
すなわち、ステップS420において新たなテンプレートを設定し、これに対して新たに計測パターンを順次設定し、各計測パターンに対して並進対称性の評価値を検出する(ステップS430〜S450)。そして、並進対称性評価値をが最大となる計測パターンを検出し(ステップS460)、その計測パターンとテンプレートとの相対位置を検出する(ステップS470)。
このようなステップS420〜ステップS470の処理を、所定のルールに従ってテンプレートを順次変更し(ステップS480)、繰り返し行う。
そして、所定の複数のテンプレートの設定に対して、各々相関パターンとの相対距離が検出されたら、その複数の相対距離の平均値を検出する(ステップS490)。これにより相関のある2つのパターンの相対距離が検出できる。
【0112】
複数のテンプレートの設定の仕方、また、複数の相対距離の平均の取り方等は、任意に設定してよい。
例えば、図16に示すように、サイズの異なるテンプレートT11〜T1nを順次設定して、その各々について、並進対称性が最大となる計測パターンP1i(i=1〜n)を検出し、各々テンプレートT1iと計測パターンP1iとの相対距離を求めるようにしてもよい。
このような場合には、平均値をとる際に、得られた各テンプレートに対する相対距離Ki(i=1〜n)を、パターンサイズNにより重み付けをすると有効である。すなわち、例えば平均の相対位置Kestを、式(5)により求めるのが有効である。
【0113】
【数5】
Figure 2005019865
【0114】
一般に、テンプレートサイズ(計測パターンサイズ)が大きいほど情報が多く、検出された値の信頼度は高いとみなせる。従って、このような重み付き平均値を求めることによりより適切な結果を求めることができる。
【0115】
また、例えば図17に示すように、位置の異なるテンプレートT21〜T2nを順次設定して、その各々について、並進対称性が最大となる計測パターン2i(i=1〜n)を検出し、各々テンプレートT2iと計測パターンP2iとの相対距離を求めるようにしてもよい。
このような場合には、平均値をとる際に、得られた各テンプレートに対する相対距離Ki(i=1〜n)を、生起確率に基づいて重み付けをする手段が有効である。すなわち、例えば平均の相対位置Kestを、式(6)により求めるのが有効である。
【0116】
【数6】
Figure 2005019865
【0117】
なお、生起確率は、得られた相対距離Ki(i=1〜n)の結果から、データの分布を推定し、その分布から計測された相対位置の生起確率を算出するのが好適である。
また、図16及び図17を用いて前述した手法を組み合わせて、すなわち、テンプレートサイズとともにテンプレートの位置をそれぞれ変化させながら得られた相対距離を前述した手法で重み付けすることによって、相対位置Kestを求めるようにしてもよい。
【0118】
このように、第3の実施の形態の方法によれば、異なるテンプレートの設定に対して、各々最も相関の高いパターンとの相対距離を求め、これに重み付き平均値計算、あるいは、分布からの生起確率を考慮した演算等の統計的処理を施して、相対距離を検出している。従って、計測精度を向上させたり、信頼度を算出したりすることが可能となり、ひいては、精度よく第2のマークM2で表される情報を検出することができる。
【0119】
第4の実施の形態
前述した各実施の形態におけるサーチマークの識別情報を検出する工程において、相対距離を計測する基準のパターン又は計測対象のパターンの形状の一部が何らかの原因で大きく崩れ、基準パターンと計測パターンの形状の一部が異なることとなる場合が予測される。そのような場合の、相関検出すなわち相対距離の計測方法について、第4の実施の形態として説明する。
【0120】
そのような、パターンの形状の一部が何らかの原因で大きく崩れた波形信号の例を図18に示す。
図18は、図9(A)と同様に、図6に示したサーチマークAM1の縦パターンP1L及びP1Cに対して抽出された波形信号を示す図である。しかしながら、図18に示す波形信号W3は、図9(A)に示す波形信号と異なり、左側の縦パターンP1Lの信号の波形が大きく崩れており、その結果、基準とするパターン(テンプレート設定対象のパターン)と計測対象のパターンの波形信号とが大きく異なっている。
【0121】
このような場合には、テンプレートT31を、図18に示すような波形信号が崩れていない波形部分に設定する。パターンを部分的に使用してテンプレートとしても並進対称性は適切に検出することができ、その結果、相関検出及び相対距離計測も適切に行えることは、図11を参照し第1の実施の形態中で説明した通りである。
従って、このようにテンプレートT31を設定して並進対称性を検出することにより、図18に示すパターンP31が、相関が最大になるパターン(並進対称性評価値が最大となるパターン)として検出される。
そして、このテンプレートT31と検出されたパターンP31の距離Lを求めることにより、基準パターン及び計測パターンの相対距離が検出できる。
【0122】
このように、本実施の形態によれば、基準パターンあるいは計測パターンの形状の一部が何らかの原因で大きく崩れ基準パターンと計測パターンの形状の一部が異なることとなった場合においても、基準パターンを崩れていない部分に設定することにより、基準パターンと計測パターンの相関検出及び相対距離検出を適切に行うことができる。
なお、本実施の形態のようにテンプレートを波形変形の少ない箇所に設定する操作は、オペレータ等が波形信号を確認することにより設定することができる。そのような処理は、例えば作成した波形信号の波形の特性を解析する手段を設け、波形信号に大きな崩れが存在する可能性があるような場合にはオペレータが操作を行う入力モードに移行する構成とすればよく容易に実現可能である。
あるいはまた、テンプレートを波形変形の少ない箇所に自動的に設定するようにすることも可能である。この場合には、基準パターンを設定する部分(図18のテンプレートT31の位置やサイズ)を種々変更してみて、それぞれの基準パターン(テンプレートT31)を用いて計測パターンとの相関検出を行い、最も相関の高かった基準パターン(テンプレートT31の位置、サイズ)を自動的にテンプレートT31として正式に選択するようにすればよい。
【0123】
デバイス製造方法
次に、上述した露光システムをリソグラフィー工程において使用したデバイスの製造方法について図19を参照して説明する。
図19は、例えばICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
図19に示すように、電子デバイスの製造工程においては、まず、電子デバイスの回路設計等のデバイスの機能・性能設計を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行い(工程S810)、次に、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する(工程S820)。
一方、シリコン等の材料を用いてウエハ(シリコン基板)を製造する(工程S830)。
【0124】
次に、工程S820で製作したレチクル及び工程S830で製造したウエハを使用して、リソグラフィー技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する(工程S840)。
具体的には、まず、ウエハ表面に、絶縁膜、電極配線膜あるいは半導体膜との薄膜を成膜し(工程S841)、次に、この薄膜の全面にレジスト塗布装置(コータ)を用いて感光剤(レジスト)を塗布する(工程S842)。
次に、このレジスト塗布後の基板をウエハホルダー上にロードするとともに、工程S830において製造したレチクルをレチクルステージ上にロードして、そのレチクルに形成されたパターンをウエハ上に縮小転写する(工程S843)。この時、露光装置においては、上述した本発明に係る位置合わせ方法によりウエハの各ショット領域を順次位置合わせし、各ショット領域にレチクルのパターンを順次転写する。
【0125】
露光が終了したら、ウエハをウエハホルダーからアンロードし、現像装置(デベロッパ)を用いて現像する(工程S844)。これにより、ウエハ表面にレチクルパターンのレジスト像が形成される。
そして、現像処理が終了したウエハに、エッチング装置を用いてエッチング処理を施し(工程S845)、ウエハ表面に残存するレジストを、例えばプラズマアッシング装置等を用いて除去する(工程S846)。
これにより、ウエハの各ショット領域に、絶縁層や電極配線等のパターンが形成される。そして、この処理をレチクルを変えて順次繰り返すことにより、ウエハ上に実際の回路等が形成される。
【0126】
ウエハ上に回路等が形成されたら、次に、デバイスとしての組み立てを行う(工程S850)。具体的には、ウエハをダイシングして個々のチップに分割し、各チップをリードフレームやパッケージに装着し電極を接続するボンディングを行い、樹脂封止等パッケージング処理を行う。
そして、製造したデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行い(工程S860)、デバイス完成品として出荷する。
【0127】
以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0128】
例えば、前述した第2の実施の形態においては、第2のマークM2中よりテンプレート画像を設定するようにしていたが、図13を参照して例示したアライメントマークAM2のように各パターンの線幅が全て同じような場合には、例えば、第1のマークM1の任意の縦パターンをテンプレート画像として用いて、第2のマークM2のパターンの相対位置を求めるようにしてもよい。相対的な位置関係を求める基準のパターンを、より変形が少ない他のパターンにしたり、より計測パターンと同様に変形をする他のパターンにしたりしたい場合に、そのようなテンプレートの設定の仕方をすると有効な場合がある。そのような場合には、その条件に対応して、アライメントマークAM2内の任意のパターンをテンプレート画像として用いてよい。第1の実施の形態におけるアライメントマークAM1に対する相対位置計測についても同様である。
【0129】
また、前述した実施の形態においては、ウエハW上に形成されたマークの位置情報を検出する場合を例示して本発明を説明したが、例えばレチクルR上に形成されたマーク、ガラスプレートに形成されたマークの位置情報を検出する場合にも本発明を適用することができる。
また、前述した実施の形態においては、本発明をオフ・アクシス方式のアライメントセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、撮像素子で撮像したマークの画像を処理してマーク位置を検出する装置であれば、その全てに本発明を適用することができる。
その他、テンプレート画像の設定方法、アライメントマークの形状等は任意に設定してよい。
【0130】
また、本発明は、ステップ・アンド・リピート方式又はステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影型露光装置、ミラープロジェクション方式、プロキシミティ方式、コンタクト方式等の露光装置に適用することが可能である。
また、半導体素子、液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド及び撮像素子(CCD等)の製造にも用いられる露光装置、及び、レチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハ等に回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。すなわち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
【0131】
また、本実施の形態の露光装置100の露光光ELとしては、g線やi線、又は、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2エキシマレーザから出射される光を用いていたが、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)から出射される光のみならず、X線や電子線等の荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB6)、タンタル(Ta)を用いることができる。
また、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は、可視域の単一波長レーザを、エルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、さらに非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。なお、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。
【0132】
なお、前述した本発明の実施の形態による露光装置(図1)は、基板Wを精度よく高速に位置制御することができ、スループットを向上しつつ高い露光精度で露光が可能となるように、照明光学系、レチクルRのアライメント系(不図示)、ウエハステージ9、移動鏡11及びレーザ干渉計12を含むウエハアライメント系、投影レンズPL等の図1に示された各要素が電気的、機械的又は光学的に連結して組み上げられた後、総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより製造される。なお、露光装置の製造は、温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パターンの変化に対応して所望のパターンの相対位置を適切に検出することができる位置検出方法を提供することができる。
また、そのような相対位置検出を適切に行うためのテンプレート作成方法を提供することができる。
また、パターンの変化に対応して所望のパターンの相対位置を適切に検出することにより、所望のパターンを適切に検出することができるパターン検出方法を提供することができる。
また、アライメントマーク等のパターンを適切に検出することにより、基板等の所望の位置に適切に露光を行うことができる露光方法及び露光装置を提供することができる。
さらに、基板等の所望の位置に適切に露光を行うことにより、電子デバイスを適切に製造することのできるデバイス製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態の露光装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示した露光装置のTTL方式アライメント系の瞳像面上におけるウエハ上のマークからの光情報の分布を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した露光装置のTTL方式アライメント系の受光素子の受光面を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した露光装置のオフ・アクシス方式のアライメント光学系の指票板の断面図である。
【図5】図5は、図1に示した露光装置のオフ・アクシス方式のアライメント光学系のFIA演算ユニットの構成を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係るウエハ上に形成されるアライメントマークの例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係る露光処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、図7に示した処理における識別情報検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8に示した相対距離の計測方法におけるテンプレートパターン及び計測パターンの設定状態を示す図である。
【図10】図10は、図8に示した相対距離の計測方法において、テンプレートパターンがずれても適切に相対距離が計測できる状態を示す図である。
【図11】図11は、図8に示した相対距離の計測方法において、テンプレートパターンが部分的なパターンであっても、適切に相対距離が計測できる状態を示す図である。
【図12】図12は、図8に示した相対距離の計測方法において、テンプレートパターンが左右非対称なパターンであっても適切に相対距離が計測できる状態を示す図である。
【図13】図13は、本発明の第2の実施の形態に係るウエハ上に形成されるアライメントマークの例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第2の実施の形態に係る露光処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【図15】図15は、本発明の第3の実施の形態に係る他の識別情報検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】図16は、図15に示した相対距離の計測方法において、サイズの異なるテンプレートを順次設定する状態を示す図である。
【図17】図17は、図15に示した相対距離の計測方法において、位置をずらしてテンプレートを順次設定する状態を示す図である。
【図18】図18は、本発明の第4の実施の形態に係る大きく崩れた波形信号に対するテンプレート設定及び相関検出の状態を示す図である。
【図19】図19は、本発明に係るデバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
100…露光装置
1…コンデンサレンズ 2…レチクルステージ
3…ベース 4…駆動装置
5…ミラー 6…対物レンズ
7…マーク検出系 8…ウエハホルダー
9…ウエハステージ 10…基準マーク
11…移動ミラー 12…レーザ干渉計
13…ステージコントローラ 14…駆動系
15…主制御系 16…レーザ光源
17…ビーム整形光学系 18,20,23…ミラー
19…レンズ系 21…ビームスプリッタ
22…対物レンズ 24…受光素子
25…LSA演算ユニット 26…ハロゲンランプ
27…コンデンサレンズ 28…光ファイバー
29…フィルタ 30,35…レンズ系
31…ハーフミラー 32,38…ミラー
33…対物レンズ 34…プリズム(ミラー)
36…指票マーク 37,39…リレー系
40…イメージセンサ
41…FIA演算ユニット
50…画像信号記憶部 52…テンプレートデータ記憶部
53…データ処理部 54…制御部

Claims (13)

  1. 物体上を撮像して物体上の任意のパターンを検出する検出方法であって、
    前記物体上の被計測領域を撮像して得られた信号の中から、該物体上の前記被計測領域内に存在する特定領域に対応するテンプレート信号を決定する第1工程と、
    前記物体上の被計測領域を撮像して、当該被計測領域に対応する被計測信号を生成する第2工程と、
    前記生成した被計測信号と前記決定したテンプレート信号との相関を検出し、前記テンプレート信号との間で所定値以上の相関値を示す前記物体上の相関領域を、前記被計測領域の中から特定する第3工程と、
    前記特定領域と、前記第3工程で特定された前記相関領域との間の相対的な位置関係を検出する第4工程と
    を含むことを特徴とする位置検出方法。
  2. 前記第1工程は、互いに異なる複数の領域をそれぞれ前記特定領域として決定する工程と、前記決定された複数の前記特定領域にそれぞれ対応する複数の前記テンプレート信号を決定する工程とを含み、
    前記第3工程では、前記被計測信号と前記複数のテンプレート信号との相関検出を行い、前記複数のテンプレート信号のそれぞれについて、当該テンプレート信号との間で所定値以上の相関値を示す前記物体上の相関領域を、前記被計測領域の中からそれぞれ特定し、
    前記第4工程では、前記第1工程で決定された前記各特定領域と、前記第3工程で特定された前記各相関領域との間のそれぞれの相対的な計測位置関係を求め、その各計測位置関係に基づいて、代表的な前記特定領域と代表的な前記相関領域との間の相対的な位置関係を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出方法。
  3. 前記第4工程は、
    前記複数の相対的な計測位置関係を所定の統計的手法を用いて解析し、その解析結果に基づいて前記代表的な特定領域と前記代表的な相関領域との間の相対的な位置関係の決定の際に使用する前記相対的な計測位置関係を特定する工程と、
    前記特定された前記相対的な計測位置関係に基づいて、前記代表的な特定領域と前記代表的な相関領域との間の相対的な位置関係を検出する工程と
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の位置検出方法。
  4. 前記第3工程における相関検出は、並進対称性又は回転対称性を検出する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の位置検出方法。
  5. 前記第1工程では、前記物体上に形成されたパターンに対応した設計値情報に基づいて、前記特定領域を決定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位置検出方法。
  6. 物体上を撮像光学系を介して撮像して、該物体上の任意のパターンを検出する際に使用するテンプレートを作成する方法であって、
    前記物体上を前記撮像光学系を介して撮像し、前記撮像光学系の撮像視野で規定された領域内の画像に対応する信号を得る第1工程と、
    前記第1工程で得られた信号の中の前記撮像視野内の互いに異なる複数の特定領域にそれぞれ対応する複数の信号を、それぞれ独立したテンプレートとして設定する第2工程と
    を含むことを特徴とするテンプレート作成方法。
  7. 前記第2工程では、前記物体上に形成されたパターンに対応した設計値情報に基づいて、前記複数の特定領域を決定する
    ことを特徴とする請求項6に記載のテンプレート作成方法。
  8. 前記第2工程では、前記第1工程で得られた信号の解析結果に基づいて、前記複数の特定領域を決定する
    ことを特徴とする請求項6に記載のテンプレート作成方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載のテンプレート作成方法を用いて作成されたテンプレートを用いて、前記物体上を撮像して得られた信号に対してテンプレートマッチング処理を行うことを特徴とするパターン検出方法。
  10. 請求項9に記載のパターン検出方法を用いて、前記物体上に形成されたアライメントマークに付随して形成された識別マークを検出し、
    前記識別マークの検出結果に基づいて特定されたアライメントマークの位置情報を計測することを特徴とする位置検出方法。
  11. マスク上に形成されたパターンで基板上を露光する露光方法であって、
    前記マスク及び前記基板の少なくとも一方の位置情報を、請求項10に記載の位置検出方法により検出し、
    前記検出された位置情報に基づいて、前記マスクと前記基板の相対的な位置合わせを行い、
    前記位置合わせされた前記基板を露光し、当該基板上に前記マスクのパターンを転写する
    露光方法。
  12. 請求項11に記載の露光方法により露光を行う露光装置。
  13. デバイスパターンを、請求項11に記載の露光方法を用いて基板上に露光する工程を含むデバイス製造方法。
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