JP2005019544A - マーク位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一つ以上のエッジ位置を有する重ね合わせマークの前記エッジ位置を検出するマーク位置検出手段であって、前記重ね合わせマークの複数の画像信号プロファイルから複数のエッジ位置を抽出する抽出手段と、抽出された前記複数のエッジ位置から前記エッジ位置のばらつき度合いを算出する統計処理手段(ステップ2)と、前記ばらつき度合いσと、ばらつき閾値σinとを比較する比較手段(ステップ3)と、前記比較手段の結果に基づき前記複数のエッジ位置を選択する選択手段(ステップ5)とを有し、前記選択手段の(ステップ5)結果に基づき前記エッジ位置を算出すること。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上の重ね合わせマークの位置を検出するマーク位置検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や液晶表示素子の製造工程では、マスク(レチクル)に形成された回路パターンをウエハに塗布されているレジスト膜に焼き付ける露光工程と、レジスト膜の露光部分または未露光部分を溶解する現像工程とを経て、レジスト膜に回路パターン(レジストパターン)が転写され、このレジストパターンをマスクとしてエッチングや成膜などを行うことにより(加工工程)、レジスト膜の直下に隣接している所定の材料膜に回路パターンが転写される(パターン形成工程)。上記所定の材料膜に形成された回路パターンの上に別の回路パターンを形成するためには、同様のパターン形成工程が繰り返される。このように、パターン形成工程を何回も繰り返し実行することにより、様々な材料膜の回路パターンが基板(半導体ウエハや液晶基板)の上に積層され、半導体素子や液晶表示素子が形成される。
【0003】
上記の製造工程では、様々な材料膜の回路パターンを精度よく重ね合わせるため、各々の露光工程において、マスクパターンと基板上のパターンとの重ね合わせを行い、さらに、現像工程の後でかつ加工工程の前に、基板上に形成されたレジストパターンの重ね合わせ状態の検査を行い、製品の歩留まり向上を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
マスクパターンと基板上のパターンとの重ね合わせ(露光工程の前)は、マスク上の回路パターンと、基板上に形成されている回路パターンとの重ね合わせであり、各々の回路パターンの基準位置を示す重ね合わせマークを用いて行われる。また、基板上のレジストパターンの重ね合わせ状態の検査(加工工程の前)は、基板上に形成されている回路パターン(以下「下地パターン」という)に対するレジストパターンの重ね合わせ検査であり、下地パターンとレジストパターンの各々の基準位置を示す重ね合わせマークを用いて行われる。
【0005】
重ね合わせマークの位置検出は、この重ね合わせマークを装置の視野領域内に位置決めし、CCDカメラなどの撮像素子を用いて重ね合わせマークの像を撮像し、得られた画像信号のうちエッジ信号を用いて行われる。なお、画像信号は、撮像素子の撮像面における各画素ごとの輝度値に関する分布を表している。エッジ信号は、画像信号のうち輝度値の急変部分である。
【0006】
このエッジ信号から重ね合わせマークの位置を算出するに当たっては、周知の相関法というアルゴリズムが用いられる。相関法では、エッジ信号の波形の全体を使って相関演算を行うため、信号ノイズの影響を受け難く、重ね合わせマークの位置を再現性よく算出できる。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−174428号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、相関法は、エッジ信号の波形が左右対称であることを前提としたアルゴリズムである。このため、重ね合わせマークのエッジ部に欠陥がありエッジ信号の波形に乱れがあると重ね合わせマークのエッジ位置を算出する際にエッジ位置誤差が増大してしまい、重ね合わせマークのエッジ位置を精度良く決めることができなくなるという虞がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて行われたものであり、マーク位置検出装置に好適なマーク位置検出方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、少なくとも一つ以上のエッジ位置を有する重ね合わせマークの前記エッジ位置を検出するマーク位置検出手段であって、前記重ね合わせマークの複数の画像信号プロファイルから複数のエッジ位置を抽出する抽出手段と、抽出された前記複数のエッジ位置から前記エッジ位置のばらつき度合いを算出する統計処理手段と、前記ばらつき度合いと、ばらつき閾値とを比較する比較手段と、前記比較手段の結果に基づき前記複数のエッジ位置を選択する選択手段とを有し、前記選択手段の結果に基づき前記エッジ位置を算出することを特徴とするマーク位置検出方法を提供する。
【0011】
また、本発明のマーク位置検出方法では、前記選択手段は、前記ばらつき度合いが前記ばらつき閾値をこえない前記複数のエッジ位置を選択することが好ましい。
【0012】
また、本発明のマーク位置検出方法では、前記選択手段は、前記ばらつき度合いが前記ばらつき閾値をこえる前記複数のエッジ位置を選択除去することが好ましい。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る重ね合わせ測定装置の概略構成図を示す。図2は、本発明に係るマーク位置検出方法に用いる重ね合わせマークの一例であり、(a)は重ね合わせマークの斜視図とそのプロファイル取り出し位置の例を、(b)はエッジ部に欠陥がある重ね合わせマーク例の平面図とそのプロファイル取り出し位置の例を、(c)は(b)の重ね合わせマークの画像処理により得られる光量断面プロファイルの例をそれぞれ示す。図3は本発明の第1実施の形態に係るマーク位置検出方法のフローチャートを示す。図4は本発明の第2実施の形態に係るマーク位置検出方法のフローチャートを示す。
【0015】
図1において、重ね合わせ測定装置10は、ウエハ11を支持する検査ステージ12と、ウエハ11表面に向けて照明光L1を射出する照明光学系(13〜16)と、ウエハ11の像を形成する結像光学系(16、15、17)と、CCD撮像素子18と、画像処理装置19とで構成されている。
【0016】
検査ステージ12は、ウエハ11を水平状態に保持すると共に、水平面内で任意の位置に移動可能である。検査ステージ12を移動させることにより、ウエハ11の重ね合わせマーク30(図2(a))を含む観察領域が結像光学系(16、15、17)の視野内に位置決めされる。検査ステージ12の法線方向をZ方向、ウエハ11の載置面をXY面とする。
【0017】
照明光学系(13〜16)は、光源13と照明レンズ14とプリズム15と対物レンズ16とで構成され、プリズム15が対物レンズ16と結像レンズ17との間の光軸02上に配置される。結像光学系(15、16、17)の光軸02はZ方向に平行である。プリズム15の反射透過面15aは、光軸02に対して略45度傾けられている。照明光学系のうち照明レンズ14からプリズム15の反射透過面までの光軸01は、結像光学系(15、16、17)の光軸02に垂直である。
【0018】
結像光学系(15、16、17)は、検査ステージ側から対物レンズ16とプリズム15と結像レンズ17とで順に構成された光学顕微鏡部である。また、結像レンズ17は、第2対物レンズとして機能する光学素子である。
【0019】
上記の照明光学系(13〜16)および結像光学系(15、16、17)において、光源13から射出された光は、照明レンズ14を介してプリズム15に導かれ、その反射透過面15aで反射した後(照明光L1)、対物レンズ16側に導かれる。そして、対物レンズ16を通過した後(照明光L2)、検査ステージ12上のウエハ11に入射する。このとき、ウエハ11の観察領域は、照明光L2により略垂直に照明される。照明光L2が照射されたウエハ11の観察領域からは、そこでの凹凸構造(重ね合わせマーク30)に応じて反射光L3が発生する。この反射光L3は、対物レンズ16により集光され、プリズム15を透過して結像レンズ17に導かれ、対物レンズ16と結像レンズ17の作用によってCCD撮像素子18の撮像面上に結像される。このとき、CCD撮像素子18の撮像面上には、反射光L3に基づく拡大像(反射像)が形成される。
【0020】
CCD撮像素子18は、複数の画素が2次元配列されたエリアセンサであり、撮像面上の反射像を撮像し、画像信号を画像処理装置19に出力する。画像信号は、複数のサンプル点からなり、CCD撮像素子18の撮像面における各画素ごとの輝度値に関する分布(輝度分布)を表している。
【0021】
画像処理装置19は、CCD撮像素子18からの画像信号に基づいて、ウエハ11の観察領域(重ね合わせマーク30を含む)の反射像を画像として取り込み、図2(c)に示すような光量断面プロファイル(F1〜F5)を取り出す。
【0022】
ウエハ11には、複数の回路パターン(何れも不図示)が表面上に積層されている。最上層の回路パターンは、レジスト膜に転写されたレジストパターンである。つまり、ウエハ11は、基板上に形成された下地パターンの上に別の回路パターンを形成する工程の途中(レジスト膜に対する露光・現像後で且つ材料膜に対するエッチング加工前)の状態にある。
【0023】
ウエハ11の下地パターンに対するレジストパターンの重ね合わせ状態が重ね合わせ測定装置10によって検査される。このため、ウエハ11の表面には、重ね合わせ状態の検査に用いられる重ね合わせマーク30(図2(a))が形成されている。
【0024】
図2(a)は重ね合わせマーク30の斜視図である。重ね合わせマーク30は、略四角形状の外Box32と、外Box32と中心位置が略同じ略四角形状の内Box34とからなるBox−in−Boxタイプの重ね合わせマークからなり、外Box33、内Box35のうち一方が下地マーク、他方がレジストマークである。下地マーク、レジストマークは、各々、下地パターン、レジストパターンと同時に形成され、下地パターン、レジストパターンの基準位置を示す。
【0025】
撮像素子18で取り込まれた画像は、画像処理装置19により、各位置(例えば、S1〜S5)ごとの光量断面プロファイル(F1〜F5)が取り出される。図2(b)のS1〜S5が各位置の例を示している。図2(a)に示す重ね合わせマーク30において、例えば位置S1による光量断面プロファイルから、外Box33のエッジ位置P11、およびP14と、内Box35のエッジ位置P12、およびP13がそれぞれ得られる。この光量断面プロファイルから、各エッジ位置を算出して、外Box33の中心位置と内Box35の中心位置のずれ量を検出する。このとき、一般にはスキャン方向と垂直な方向に検査ステージと測定光学系を相対移動させて重ね合わせマーク内の異なる位置毎にスキャンを行って測定した複数の位置情報を平均化処理してばらつきを抑えた測定を行うようにしている。なお、2次元エリアセンサ(例えば、CCD)で撮像し、撮像した結果を画像メモリーに保存し、保存した画素データを基にマトリックス的に平均化処理を行っても良い。
【0026】
図2(b)、(c)に示すように、例えば、重ね合わせマーク30の外Box33のエッジ位置に欠陥部37が有る位置S1,S2による光量断面プロファイルF1、F2から、エッジ位置P11、P21、に対応するエッジ位置X11、X21がそれぞれ求められる。また、欠陥がない位置S3、S4、S5による光量断面プロファイルF3,F4,F5からエッジ位置P31,P41、P51に対応するエッジ位置X31、X41、X51がそれぞれ求められる。X11〜X51を使って統計処理を行って求めたばらつきの度合いσa(一般的には、標準偏差を示す)、X31〜X51を使って統計処理を行って求めたばらつきの度合いσb(一般的には、標準偏差を示す)に比べて、ばらつきの度合いは大きくなる。また、X11〜X51を使って統計処理を行って求めた平均値Xaは、X31〜X51を使って統計処理を行って求めた平均値Xbに比べて、本来のエッジ位置からのずれ量が大きくなってしまう。このように、重ね合わせマーク30に欠陥部37が存在する場合、全ての光量断面プロファイル(例えば、F1〜F5)から求められるエッジ位置を用いて統計処理を行うことは、エッジ位置の誤差を大きくする虞がある。
【0027】
なお、他の外Boxおよび内Boxの各エッジにおいても同様にしてエッジ位置が検出される。また、上述の画像取り込み方向(X方向)と垂直な方向(Y方向)の画像を取り込んで同様の処理を行うことによって外Boxと内Boxの中心位置ずれを検出できる。
【0028】
なお、上述の測定方法では、最初に重ね合わせマークの2次元画像を取り込み、その画像の各位置の断面プロファイルを取り込むこととしたが、重ね合わせマークの各位置について各々スキャンを行い各位置での1次元の断面プロファイルを取り込んでも良い。
【0029】
本発明の実施の形態では、上記のような重ね合わせマーク30に欠陥が含まれている場合においても、高精度にエッジ位置を求めることができるマーク位置検出方法を提案している。以下、本発明の実施の形態に係るマーク位置検出方法に付いて説明する。
【0030】
(第1実施の形態)
図3は、本発明の第1実施の形態に係るメーク位置検出方法のフローチャートを示す。図3において、重ね合わせ測定装置10で、欠陥のない重ね合わせマーク30を用いてエッジ位置を測定した際のばらつきの度合いを閾値σinとして用いる。なお、閾値σinは実測によらず統計的な計算から定めても良い。
【0031】
閾値σinを設定(ステップ1)した後、重ね合わせマーク30の画像を取り込んで各位置に対応した(例えば、F1〜F5)のプロファイルを取り出して得られたエッジ位置(例えば、X11〜X51)を用いて統計処理し、エッジ位置のばらつき度合いσを算出する(ステップ2)。算出されたσと閾値σinとを比較する(ステップ3)。
【0032】
比較した結果、データのばらつき度合いσの方がσinより小さい場合には、重ね合わせマーク30の形状は正常であると判断して、データを統計処理し、エッジ位置を算出(ステップ4)して外Box33と内Box35との重ね合わせずれ量の計算処理に進む。
【0033】
一方、σがσinより大きい場合には、エッジ位置データ中に欠陥部を含んでいる虞があると判断して、それまでの統計計算途上でそれぞれ算出しているばらつき度合いのデータ(例えば、エッジ位置の出現度数分布やエッジ位置を逐次統計処理した際のそれぞれの分散値など)を見直し、分散値が小さかったエッジ位置データを抽出し(ステップ5)、再度統計処理を行ってσとσinとを比較する(ステップ3に戻る)。ステップ3でσがσinより小さくなっていれば、ステップ4に進み、引き続き重ね合わせずれ量の計算処理に進む。なお、上述のエッジ位置データの選択において、エッジ位置の出現度数分布から、出現度数の多いエッジ位置データを選択しても良い。
【0034】
(第2実施の形態)
図4は、本発明の第2実施の形態に係るマーク位置検出方法のフローチャートを示す。第2実施の形態と第1実施の形態の違いは、ステップ5に有り、その他のステップは第1実施の形態と同様であり同じ符号を付し説明を省略する。
【0035】
図4において、本第2実施の形態におけるステップ5では、統計計算途上でそれぞれ算出しているばらつき度合いのデータ(例えば、エッジ位置の出現度数分布やエッジ位置を逐次統計処理した際のそれぞれの分散値など)を見直し、分散値が大きかったエッジ位置データを抽出し、除去する。そして、除去した後のエッジ位置データを用いて再度統計処理を行いステップ3の判断処理をする。σがσinより小さくなった時点でマーク形状が正常と判断して、データを統計処理し、エッジ位置を算出(ステップ4)して外Box33と内Box35との重ね合わせずれ量の計算処理に進む。なお、上述のエッジ位置データの選択において、エッジ位置の出現度数分布から、出現度数の少ないエッジ位置データを選択しても良い。
【0036】
以上、本第実施の形態に係るマーク位置検出方法では、重ね合わせマーク30に欠陥が有る場合でも正確なエッジ位置を算出でき、高精度の重ね合わせ測定が可能となる。
【0037】
なお、上述の実施の形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
【0038】
【発明の効果】
上述のように、本発明では、マーク位置検出装置に好適なマーク位置検出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る重ね合わせ測定装置の概略構成図を示す。
【図2】本発明に係るマーク位置検出方法に用いる重ね合わせマークの一例であり、(a)は重ね合わせマークの斜視図とそのプロファイル取り出し位置の例を、(b)はエッジ部に欠陥がある重ね合わせマーク例の平面図とそのプロファイル取り出し位置の例を、(c)は(b)の重ね合わせマークの画像処理により得られる光量断面プロファイルの例をそれぞれ示す。
【図3】本発明の第1実施の形態に係るマーク位置検出方法のフローチャートを示す。
【図4】本発明の第2実施の形態に係るマーク位置検出方法のフローチャートを示す。
【符号の説明】
10 重ね合わせ測定装置
11 ウエハ
12 検査ステージ
13 光源
14 照明レンズ
15 プリズム
16 体物レンズ
17 結像レンズ
18 CCD撮像素子
19 画像処理装置
30 重ね合わせマーク
33 外Box
35 内Box
37 欠陥部
Claims (3)
- 少なくとも一つ以上のエッジ位置を有する重ね合わせマークの前記エッジ位置を検出するマーク位置検出手段であって、
前記重ね合わせマークの複数の画像信号プロファイルから複数のエッジ位置を抽出する抽出手段と、
抽出された前記複数のエッジ位置から前記エッジ位置のばらつき度合いを算出する統計処理手段と、
前記ばらつき度合いと、ばらつき閾値とを比較する比較手段と、
前記比較手段の結果に基づき前記複数のエッジ位置を選択する選択手段とを有し、
前記選択手段の結果に基づき前記エッジ位置を算出することを特徴とするマーク位置検出方法。 - 前記選択手段は、前記ばらつき度合いが前記ばらつき閾値をこえない前記複数のエッジ位置を選択することを特徴とする請求項1に記載のマーク位置検出方法。
- 前記選択手段は、前記ばらつき度合いが前記ばらつき閾値をこえる前記複数のエッジ位置を選択除去することを特徴とする請求項1に記載のマーク位置検出方法。
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