JP2005019361A - 燃料電池発電システムの運転方法および燃料電池発電システム - Google Patents

燃料電池発電システムの運転方法および燃料電池発電システム Download PDF

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修 酒井
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栄一 安本
Takeshi Tomizawa
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Abstract

【課題】起動時間を短縮させることができる燃料電池発電システムの運転方法、およびその方法を実施するための燃料電池発電システムの提供。
【解決手段】水素を含む改質ガスを生成する改質器2と、白金触媒を含む燃料極と空気極とで電解質膜を挟んでなる電解質膜電極接合体を有し、改質器2から供給される改質ガスと外部から供給される空気とを前記電解質膜電極接合体にて反応させて発電する複数のセルが積層されてなる固体高分子型の燃料電池スタック1とを備える燃料電池発電システムにおいて、改質器2の温度を測定するための温度センサ2fと、燃料電池スタック1の温度を測定するための温度センサ1aと、燃料電池スタック1の電流密度を一時的に増加させるための電流制御装置3と、燃料電池発電システムを起動させる場合であって、改質器2の温度および燃料電池スタック1の温度が所定の温度に達したと判定したとき、燃料電池スタック1の電流密度を一時的に増加させる処理を実行するように電流制御装置3の動作を制御する制御装置5とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型の燃料電池スタックを備える燃料電池発電システムの運転方法に関し、特に起動時間を短縮させることができる燃料電池発電システムの運転方法およびその方法を実施するための燃料電池発電システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロトン伝導性高分子膜を電解質として用いる高分子電解質型燃料電池を備えた燃料電池発電システムは、電解質においてプロトンを選択的に輸送し、水素を主成分とする燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを白金等の触媒層を有するガス核酸電極によって電気化学的に反応させることによって、電気と熱とを同時に発生させるものである。
【0003】
以上のような燃料電池発電システムが備える高分子電解質型燃料電池の発電部において、白金(Pt)系の金属触媒を担持したカーボン粉末とそのカーボン粉末を被覆するようにして混合された高分子電解質とを主成分とする触媒反応層が、プロトン伝導性電解質膜の両面に密着して配置されている。また、その触媒反応層の外面には、ガス透過性および導電性を兼ね備えた一対のガス拡散層が密着して配置されている。これらの触媒反応層とガス拡散層とによりガス拡散電極が構成される。
【0004】
プロトン伝導性電解質膜を一対のガス拡散電極で挟持してなるものは、MEA(Membrane Electrode Assembly:電解質膜電極接合体)と呼ばれている。このMEAは、当該MEAのガス拡散電極に反応ガスを供給するため且つ反応により発生した水および余剰のガスを搬送するためのガス流路が形成された導電性の一対のセパレータ板で挟持されている。この一対のセパレータ板により、MEAが機械的に固定されるとともに、隣り合うMEAが電気的に直列に接続されることになる。
【0005】
なお、ガス流路をセパレータ板とは別に設けることも可能であるが、セパレータ板の表面に所定の形状の溝を設けてこれをガス流路とする方式が一般的である。
【0006】
以上のようにMEAを一対のセパレータ板で挟持してなるものは、セルと呼ばれている。一つのセルの起電力は小さいため、通常、複数のセルが積層してなる燃料電池スタックとして利用されている。燃料電池スタックの場合、セパレータ板およびガス拡散電極等の積層される構成部品間の接触抵抗を低減するため、およびガスのシール性を維持するために、燃料電池スタック全体をセルの積層方向に恒常的に締め付ける必要がある。
【0007】
各セルに設けられている一対のガス拡散電極のうちの燃料極側へ供給する燃料としては純水素が好適であるが、インフラが整っておらず、しかも貯蔵の面でも多くの課題がある。そのため、多くの燃料電池発電システムは、炭化水素等の水素含有の化合物から触媒反応によって改質ガスを生成する改質器を備え、その改質器によって生成された改質ガスを燃料極側へ供給する。このような改質器において、例えばメタン、ブタン、及び天然ガス等の炭化水素、メタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル(DME)、並びにガソリン等から改質ガスが生成される。
【0008】
このような燃料電池発電システムを定置用コージェネレーションシステムとして用いた場合、高効率且つクリーンな分散型エネルギーシステムとなる。このような定置用コージェネレーションシステムの場合、既にインフラが整備されている都市ガスを改質することにより燃料ガスを生成することができるという利点がある。
【0009】
都市ガスはメタンを主成分とし、エタン、プロパン等を含んでいる。都市ガスを改質する改質器は、改質部、一酸化炭素(CO)変成部、およびCO浄化部から構成されるのが一般的である。これらのCO変成部およびCO浄化部により副生成物であるCOの生成量を低減させることができる。通常、改質部にて生成される燃料ガスには約10%程度のCOが含まれるが、CO変成部で約1%、CO浄化部で50ppm以下にまでCOが低減される。
【0010】
COはPtの表面に吸着する性質を有している。そのため、燃料ガスにCOが含まれていると、燃料極側の触媒反応層のPt触媒にCOが吸着し、Pt表面での水素分子の酸化反応が阻害されることになる。この現象はCO被毒と呼ばれている。このCO被毒により、燃料電池の出力が著しく低下する。
【0011】
CO被毒を防止するための対策としては、燃料ガス中のCOを選択的に電解によって酸化させることにより、効率よくしかも確実にCO濃度を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、燃料電池の出力電圧を一時的に強制低下させることにより、燃料極側の触媒反応層に吸着したCOを除去する方法も提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0012】
【特許文献1】
特開平2000−233905号公報
【特許文献2】
特開平11−345624号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、固体高分子型燃料電池の場合、他の種類の燃料電池と比べて、100℃以下という比較的低い温度下でも起動停止が容易であるという特徴を有している。しかしながら、電池の温度が60℃以下の場合ではCO被毒が顕著になることが知られており、このような温度ではCOを含有する改質ガスを燃料として発電させても電池性能は著しく低下する。
【0014】
そのため、改質器および燃料電池スタックが充分に昇温するのを待ってから発電を開始するように燃料電池発電システムを運転させるのが通常である。具体的には、改質器を昇温させるとともに、熱回収および燃料電池スタックの温度調節のために循環させている冷却水等を用いて、65℃から85℃程度にまで燃料電池スタックを昇温させる。そして、その後改質ガスおよび酸化剤ガスを燃料電池スタックに供給して発電を開始させる。このように、通常の場合、改質器および燃料電池スタックの昇温を待つことになるため、従来の燃料電池発電システムの起動には30分以上の時間を要する。
【0015】
前述したような従来のCO被毒を防止するための燃料電池発電システムの運転方法は、改質器および燃料電池スタックが充分に昇温された後の定常運転におけるものである。したがって、そのような運転方法を採用したとしても、起動時間の短縮化を図ることはできない。
【0016】
このように、起動時間が長くなることは燃料電池発電システムにおいて大きな課題となっている。特に、起動停止が頻繁に行われる自動車用の燃料電池発電システム、および日毎に起動停止が行われるDSS(Daily Start and Shutdown)運転を前提とした定置用燃料電池発電システムの場合、起動時間の短縮化が必要不可欠である。
【0017】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来と比べて起動時間を大幅に短縮することができる燃料電池発電システムの運転方法、およびその方法を実施するための燃料電池発電システムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、本発明に係る燃料電池発電システムの運転方法は、水素を含む改質ガスを生成する改質器と、白金触媒を含む燃料極と空気極とで電解質膜を挟んでなる電解質膜電極接合体を有し、前記改質器から供給される改質ガスと外部から供給される酸化剤ガスとを前記電解質膜電極接合体にて反応させて発電する複数のセルが積層されてなる固体高分子型の燃料電池スタックとを備える燃料電池発電システムの運転方法において、前記燃料電池発電システムを起動させる場合、前記改質部の温度および前記燃料電池スタックの温度が所定の温度に達するまで、前記燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させる処理を実行することを特徴とする。
【0019】
このように、燃料電池発電システムの起動時において、燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させる処理を実行することによって、燃料電池スタックを構成する各セルが有する燃料極に含まれている白金触媒のCO吸着量を低減させることができる。これにより、CO被毒を回避することができる。
【0020】
また、各セルが有する燃料極におけるCOの酸化反応が促進されるため、従来と比べて迅速に燃料電池スタックの温度を上昇させることができる。これにより、燃料電池発電システムの起動時間を従来よりも短縮させることが可能となる。
【0021】
また、前記燃料電池発電システムの運転方法において、前記燃料電池スタックの電流密度を増加させている期間において前記燃料電池スタックを構成する各セルの電圧が0V以上0.3V以下であることが好ましい。
【0022】
また、前記燃料電池発電システムの運転方法において、前記燃料電池スタックの温度の上昇に応じて、前記燃料電池スタックの電流密度を増加させている期間を短くすることが好ましい。
【0023】
さらに、前記燃料電池発電システムの運転方法において、前記改質器から前記燃料電池スタックへ供給される改質ガスの一酸化炭素濃度の減少に応じて、前記燃料電池スタックの電流密度を増加させる処理の繰り返し周期を長くすることが好ましい。
【0024】
また、本発明の燃料電池発電システムは、水素を含む改質ガスを生成する改質器と、白金触媒を含む燃料極と空気極とで電解質膜を挟んでなる電解質膜電極接合体を有し、前記改質器から供給される改質ガスと外部から供給される酸化剤ガスとを前記電解質膜電極接合体にて反応させて発電する複数のセルが積層されてなる固体高分子型の燃料電池スタックとを備える燃料電池発電システムにおいて、前記改質器の温度を測定するための第1温度測定手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定するための第2温度測定手段と、前記燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させるための電流制御装置と、前記燃料電池発電システムを起動させる場合、前記第1温度測定手段によって測定された前記改質器の温度および前記第2温度測定手段によって測定された前記燃料電池スタックの温度が所定の温度に達したか否かを判定し、その結果前記改質器の温度および前記燃料電池スタックの温度が前記所定の温度に達したと判定したとき、前記燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させる処理を実行するように前記電流制御装置の動作を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の燃料電池発電システムは、Pt触媒を含む燃料極と空気極とで電解質膜を挟んでなるMEAを有する複数のセルが積層してなる燃料電池スタック1と、その燃料電池スタック1に供給する水素を主成分とする改質ガスを生成する改質器2とを備えている。
【0027】
燃料電池スタック1には、その燃料電池スタック1内を循環する冷却水の温度を測定するための温度センサ1aが設けられている。この温度センサ1aは、燃料電池スタック1に導入されるときの冷却水の温度を測定すべく、燃料電池スタック1の冷却水の入口近傍に配設されている。なお、本明細書では、温度センサ1aによって測定された冷却水の温度を燃料電池スタック1の温度とする。
【0028】
改質器2は、外部から供給される原料中の硫黄分を取り除くための脱硫部2aと、脱硫された原料と水蒸気とを反応させて改質ガスを生成する改質部2bと、改質ガスのCO濃度を低減するためのCO変成部2cおよびCO浄化部2dと、改質部2bを加熱するためのバーナー2eとを有している。
【0029】
また、改質器2には、前述した改質部2b、CO変成部2cおよびCO浄化部2dのそれぞれの温度を測定するための温度センサ2fが設けられている。
【0030】
また、燃料電池スタック1は、インバータ4と接続されている。このインバータ4は、燃料電池スタック1によって得られた直流電流を交流電流に変換し、変換した交流電流を外部の負荷へ供給するためのものである。
【0031】
さらに、燃料電池スタック1は、電流制御装置3と接続されている。この電流制御装置3は、外部の負荷とは別系統の負荷であり、後述するように燃料電池発電システムを起動させる際に燃料電池スタック1の電流密度を周期的に増大させるためのものである。
【0032】
以上の燃料電池スタック1、改質器2、電流制御装置3、およびインバータ4の動作は何れも制御装置5によって制御される。制御装置5は、負荷変動に応じた出力を得るために、これらの装置の動作を制御する。
【0033】
本実施の形態において、燃料電池スタック1は次のようにして作製されている。まず、燃料極側の触媒にPt−Ru(ルテニウム)合金、空気極側の触媒にPtを用いて、電極面積200cmのMEAが作製されている。そして、このMEAを一対のセパレータ板で挟持することによりセルが作製される。ここで、セパレータ板としてはサーペンタイン状のガス流路が形成されたカーボン板を用いている。このようにして作製されたセルを70個積層させて燃料電池スタックを得る。なお、各セル間には冷却水流路が形成されており、この冷却水流路を用いて燃料電池スタック1内に冷却水を循環させることによって燃料電池スタック1の温度が制御される。
【0034】
以上のようにして作製された燃料電池スタック1の単体での性能を確認するために、次のような特性試験を行った。
【0035】
水素80%、二酸化炭素20%、一酸化炭素20ppmの組成比の改質模擬ガスを露点65℃に加湿し水素利用率70%で各セルの燃料極側へ供給するとともに、空気を露点70℃に加湿し酸素利用率40%で各セルの空気極側へ供給した。また、70℃の冷却水を燃料電池スタック1に供給し、この冷却水が燃料電池スタック1から排出されるときには75℃になるように流量を調整した。以上の条件にて、電流制御装置3により電流密度が200mA/cmとなるように燃料電池スタック1に発電を行わせた結果、燃料電池スタック1の出力電圧は52.5Vであった。これにより、燃料電池スタック1が安定した発電性能を有していることが確認された。
【0036】
次に、改質器2の単体での性能を確認するために、次のような特性試験を行った。なお、改質器2の燃料としては都市ガス13Aを選定した。
【0037】
改質器2が有する改質部2bを約700℃に、CO変成部2cを約200℃に、CO浄化部2dを約150℃に維持した。この状態で、都市ガスを供給するとともに、脱硫部2aと改質部2bとの間でカーボン−スチーム比(S/C)が4.0となるように水蒸気を供給することにより改質器2に改質反応を行わせた。その結果、改質器2にて、水素79.0%、二酸化炭素19.8%、一酸化炭素8ppmの組成比の改質ガスが生成された。これにより、改質器2が安定した発電性能を有していることが確認された。
【0038】
次に、以上のように構成された本実施の形態の燃料電池発電システムの動作について説明する。本実施の形態の燃料電池発電システムの運転は、起動してから(例えば、改質器2のバーナー2eが点火されてから)定常状態に至るまでの期間における運転である起動時運転と、定常状態での運転である定常運転とに分けられる。ここで、定常状態とは、燃料電池発電システムの起動後に燃料電池スタック1および改質器2が所定の温度に達した後の状態をいう。また、所定の温度とは、例えば燃料が都市ガスの場合、燃料電池スタック1においては約50℃乃至85℃、改質器2の改質部2bにおいては約600℃乃至750℃、CO変成部2cにおいては約200℃乃至350℃、CO浄化部2dにおいては約100℃乃至150℃の範囲内の温度であり、燃料電池発電システムの用途、運転方法等に依存して定められるものである。
【0039】
本実施の形態では、前述した特性試験における燃料電池スタック1の温度と改質器2の温度を所定の温度とする。すなわち、本実施の形態では、燃料電池スタック1が70℃に達し、且つ改質器2の改質部2bが約700℃に、CO変成部2cが約200℃に、CO浄化部2dが約150℃にそれぞれ達した後の状態を定常状態と呼ぶことにする。
【0040】
なお、定常運転における本実施の形態の燃料電池発電システムの動作は通常の燃料電池発電システムの場合と同様であるので説明を省略する。
【0041】
以下、起動時運転における本実施の形態の燃料電池発電システムの動作について説明する。
【0042】
まず、改質器2に対して原料(都市ガス)および水を供給するとともに、改質器2のバーナー2eを点火させる。これにより、改質器2の改質部2bにて改質反応が起こり、その結果改質ガスが生成される。このようにして生成された改質ガスは、改質器2のCO変成部2cおよびCO浄化部2dによってCO濃度が低減された後に燃料電池スタック1へ供給される。
【0043】
制御装置5は、燃料電池スタック1が備える温度センサ1aおよび改質器2が備える温度センサ2fのそれぞれから、燃料電池スタック1の温度を示す信号並びに改質部2b、CO変成部2cおよびCO浄化部2dの温度を示す信号を一定の時間間隔で受け取る。
【0044】
そして、制御装置5は、温度センサ1aおよび2fから受け取った信号に基づいて、本実施の形態の燃料電池発電システムが定常状態に達したか否かを定期的に判定する。ここで、燃料電池発電システムが起動を開始してから定常状態に達したと判定されるまでの間、制御装置5は、燃料電池スタック1の電流密度を周期的に増加させるように電流制御装置3の動作を制御する。
【0045】
図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの起動時運転におけるスタック電圧および電流密度の時間変化を示す図である。ここで、スタック電圧とは、燃料電池スタック1全体の電圧を意味している。
【0046】
図2において、tは電流密度増加時間を、Tは電流密度増加周期をそれぞれ示している。図2に示す図は、電流密度増加時間tを0.1秒、電流密度増加周期Tを1.5秒として起動時運転を行った場合に得られたものである。
【0047】
図2に示すように、運転を開始してから電流密度の増加処理が行われるまでの間、スタック電圧は約60V程度から緩やかに低下する。これはCO被毒が起きるために燃料電池スタック1の出力が低下するためである。
【0048】
しかしながら、電流制御装置3により、燃料電池スタック1の電流密度が800mA/cm程度まで一時的に増加された後、燃料電池スタック1のスタック電圧は約60V程度に回復する。これは、燃料電池スタック1の電流密度が増加されている間、燃料電池スタック1を構成する各セルが有する燃料極の電位がCOの酸化電位以上になるので、燃料極の触媒反応層のPt表面に吸着されているCOが酸化し、CO被毒が回避されるからである。
【0049】
なお、燃料電池スタック1にかける負荷電圧を一時的に上げることによっても同様の効果が得られると考えられる。しかしながら、この場合、燃料電池スタック1全体の負荷電圧が変化するものの、各セルの電圧は必ずしも均一になるわけではないため、燃料極の電位がCOの酸化電位以上にならないセルが発生することがある。その結果、燃料電池スタック1の一部のセルにおけるCO被毒を回避することができないという問題が生じ得る。
【0050】
これに対して、本実施の形態のように、燃料電池スタック1の電流密度を増大させる処理を実行した場合、電流密度の変化が燃料電池スタック1を構成する全てのセルに対して均一に伝わるため、全てのセルにおけるCO被毒を回避することが可能になる。
【0051】
図3は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化および電流密度の増加を行わない運転方法(以下、比較例という)を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を示すグラフである。
【0052】
図3において、A1は本実施の形態の燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を、A2は同じく比較例の運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化をそれぞれ示している。また、図3において、T11は本実施の形態の燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合の起動時運転の期間を、T12は同じく定常運転の期間をそれぞれ示している。一方、図3において、T21は比較例の運転方法を実施した場合の起動時運転の期間を、T22は同じく定常運転の期間をそれぞれ示している。
【0053】
なお、本実施の形態の運転方法では起動時運転において一時的に電流密度を増加させているが、図3に示す時間変化A1は、そのように電流密度を増加させていない状態でのスタック電圧を経時的にプロットして得られたものである。
【0054】
比較例の運転方法を実施した場合、定常運転に移行するまで激しい電圧振動が生じた。図3に示す時間変化A2は、このときの電圧振動幅の中心値を経時的にプロットして得られたものである。
【0055】
図3に示すように、比較例の運転方法の場合、起動時運転期間T21においてはスタック電圧が25V程度と比較的低い状態が続き、その後約28分経過後に急激に上昇する。そして、定常運転期間T22が開始してから10分程度経過した後にスタック電圧が約60V程度となり、その後スタック電圧は約60V程度で安定する。
【0056】
これに対して、本実施の形態の運転方法の場合、起動時運転期間T11が開始してから約5分後にスタック電圧が約60V程度まで上昇し、その後は起動時運転期間T11および定常運転期間T12にわたってスタック電圧はその値を保持している。
【0057】
図3を参照すると明らかなように、本実施の形態の運転方法の場合、比較例の運転方法と比べて起動時運転期間が短い。具体的には、比較例の運転方法を実施した場合の起動時運転期間T21が34分であったのに対し、本実施の形態の運転方法を実施した場合の起動時運転期間T11は22分であった。これは、本実施の形態の運転方法により各セルが有する燃料極におけるCOの酸化反応が促進されたことに起因する。つまり、発熱反応であるCOの酸化反応が促進されたことにより、燃料電池スタック1の昇温が加速され、その結果比較例の運転方法の場合と比べて速く燃料電池スタック1の温度が上昇したために起動時運転期間が短くなったのである。
【0058】
次に、本実施の形態の運転方法における起動時運転において、燃料電池スタック1の電流密度をどの程度増加させればよいのかについて検討する。
【0059】
起動時運転において電流密度を増加させたときの燃料電池スタック1を構成する各セルの電圧が0V以上0.25V以下,0V以上0.3V以下,0V以上0.35V以下,0V以上0.4V以下となるように、制御装置5が電流制御装置3の動作を制御した場合の実験結果を図4に示す。
【0060】
図4において、B1,B2,B3,B4はそれぞれ、前記各セルの電圧が0V以上0.25V以下,0V以上0.3V以下,0V以上0.35V以下,0V以上0.4V以下となる場合のスタック電圧の時間変化を示している。
【0061】
図4中の時間変化B3,B4を参照すると分かるように、各セルの電圧が0V以上0.35V以下の場合および0V以上0.4V以下の場合では、起動時運転が開始してから25分程度まではスタック電圧が比較的低い状態が継続し、その後に約60V程度に上昇している。
【0062】
これに対して、図4中の時間変化B1,B2を参照すると分かるように、各セルの電圧が0V以上0.25V以下の場合および0V以上0.3V以下の場合では、起動時運転が開始してからまもなくスタック電圧が約60℃程度に上昇し、その後もその値を保持している。
【0063】
この実験結果から明らかなように、燃料電池スタック1の電流密度を増加させたときに各セルの燃料極の電位をCOの酸化電位以上とすることにより確実にCOの酸化除去を実現させるためには、各セルの電圧が0V以上0.3V以下となるように電流制御装置3の動作を制御することが好ましい。
【0064】
(実施の形態2)
実施の形態1の場合、起動時運転における電流密度増加時間は一定である。これに対して、実施の形態2に係る燃料電池発電システムは、起動時運転において、スタック温度の上昇に伴って電流密度増加時間を短くするように運転されるものである。
【0065】
なお、本実施の形態の燃料電池発電システムの構成は実施の形態1の場合と同様であるので説明を省略する。以下、本実施の形態の燃料電池発電システムの動作について、図1を参照しながら説明する。
【0066】
実施の形態1の場合と同様に、制御装置5は、燃料電池スタック1が備える温度センサ1aおよび改質器2が備える温度センサ2fから受け取った信号に基づいて、本実施の形態の燃料電池発電システムが定常状態に達したか否かを定期的に判定する。ここで、燃料電池発電システムが起動を開始してから定常状態に達したと判定されるまでの間、制御装置5は、燃料電池スタック1の電流密度を周期的に増加させるように電流制御装置3の動作を制御する。
【0067】
この起動時運転において、制御装置5は、燃料電池スタック1の温度が高くなるにしたがって電流密度増加時間が短くなるように電流制御装置3の動作を制御する。
【0068】
図5は、起動時運転における本発明の実施の形態2の燃料電池発電システムの燃料電池スタック1の電流密度の時間変化を示すグラフである。図5に示すように、起動時運転が開始してから燃料電池スタック1の温度が所定の温度に達するまでの期間T31において、電流密度増加周期Tごとに電流密度増加時間t1だけ電流密度を増加させるように電流制御装置3の動作が制御される。また、期間T31の終了後、燃料電池スタック1の温度が所定の温度に達するまでの期間T32において、同様にして電流密度増加時間t2だけ電流密度を増加させるように電流制御装置3の動作が制御される。さらに、期間T32の終了後、燃料電池スタック1の温度が所定の温度に達するまでの期間T33において、同様にして電流密度増加時間t3だけ電流密度を増加させるように電流制御装置3の動作が制御される。ここで、t1>t2>t3が成り立つ。
【0069】
なお、図5に示すグラフは電流密度増加時間を3段階に設定した場合の例を示すものであるがこれに限られるわけではない。したがって、電流密度増加時間を2段階に設定してもよく、4段階以上に設定してもよい。
【0070】
ここでは、具体例として、燃料電池スタック1の温度が50℃に達するまでの期間においては電流密度増加時間を0.1秒とし、同じく温度が50℃以上であって60℃に達するまでの期間においては電流密度増加時間を0.05秒とし、同じく温度が60℃以上であって70℃(定常状態の温度)に達するまでの期間においては電流密度増加時間を0.02秒とする。また、電流密度増加周期は1.5秒で一定とする。
【0071】
図6は、本発明の実施の形態1および実施の形態2に係る燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を示すグラフである。
【0072】
図6において、C1は実施の形態1の燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を、C2は本実施の形態の燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化をそれぞれ示している。また、図6において、T31は本実施の形態の燃料電池発電システムの運転方法において電流密度増加時間t1が0.1秒である起動時運転の期間を、T32は同じく電流密度増加時間t2が0.05秒である起動時運転の期間を、T33は同じく電流密度増加時間t3が0.02秒である起動時運転の期間をそれぞれ示している。
【0073】
なお、実施の形態1および実施の形態2の運転方法では起動時運転において一時的に電流密度を増加させているが、図6に示す時間変化C1およびC2は、そのように電流密度を増加させていない状態でのスタック電圧を経時的にプロットして得られたものである。
【0074】
図6に示すように、本実施の形態においても、実施の形態1の場合と同様にスタック電圧の値が変化している。これにより、本実施の形態でも、実施の形態1の場合と同様に燃料電池発電システムの起動時間を短縮することができることが分かる。
【0075】
本実施の形態のように、燃料電池スタック1の温度の上昇に応じて電流密度増加時間を短くした場合であっても、実施の形態1の場合と同様にCO被毒を回避することができる。これは、次の理由による。燃料電池スタックの温度が高くなるほど各セルが有する燃料極の触媒反応層のPt表面に吸着するCOの量が少なくなり、燃料極側の分極が小さくなる。そのため、燃料電池スタックの昇温が進行するにしたがって、COを酸化除去するために必要となる電流密度増加時間は短くなる。よって、燃料電池スタック1の温度の上昇に応じて電流密度増加時間を短くしたとしても、CO被毒を回避することができるのである。
【0076】
なお、前述した電流密度増加時間t1,t2,t3の値および期間T31,T32,T33の値は例示であり、これらの値に限定されるわけではないが、燃料電池スタック1の温度に依存して定められるものである。
【0077】
また、本実施の形態では、電流密度増加時間をステップ状に変化させているが、燃料電池スタックの温度の上昇にしたがって連続的に変化させるようにしてもよい。
【0078】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る燃料電池発電システムは、改質器から燃料電池スタックへ供給される改質ガスのCO濃度を測定するためのCO濃度測定手段を備え、そのCO濃度測定手段の測定結果に応じて起動時運転における電流密度増加周期が変化するように制御されるものである。
【0079】
図7は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。図7に示すとおり、本実施の形態の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池スタック1と改質器2との間には、改質器2から燃料電池スタック1へ供給される改質ガスのCO濃度を測定するためのCO濃度センサ10が設けられている。
【0080】
なお、本実施の形態の燃料電池発電システムのその他の構成については、実施の形態1の場合と同様であるので同一符号を付して説明を省略する。
【0081】
以下、本実施の形態の燃料電池発電システムの起動時運転における動作について説明する。
【0082】
実施の形態1の場合と同様に、制御装置5は、燃料電池スタック1が備える温度センサ1aおよび改質器2が備える温度センサ2fから受け取った信号に基づいて、本実施の形態の燃料電池発電システムが定常状態に達したか否かを定期的に判定する。ここで、燃料電池発電システムが起動を開始してから定常状態に達したと判定されるまでの間、制御装置5は、燃料電池スタック1の電流密度を周期的に増加させるように電流制御装置3の動作を制御する。
【0083】
この起動時運転において、制御装置5は、CO濃度センサ10から、改質器2から燃料電池スタック1へ供給される改質ガスのCO濃度を示す信号を一定の時間間隔で受け取る。そして、制御装置5は、CO濃度センサ10から受け取った信号に基づいて改質ガスのCO濃度を判定し、そのCO濃度が減少するにしたがって電流密度増加周期が長くなるように電流制御装置3の動作を制御する。
【0084】
図8は、起動時運転における本発明の実施の形態3の燃料電池発電システムの燃料電池スタック1の電流密度の時間変化を示すグラフである。図8に示すように、起動時運転が開始してから燃料電池スタック1に供給される改質ガスのCO濃度が所定の値を下回るまでの期間T41において、電流密度増加周期T1ごとに電流密度増加時間tだけ電流密度を増加させるように電流制御装置3の動作が制御される。また、期間T41の終了後、同じく改質ガスのCO濃度が所定の値を下回るまでの期間T42において、電流密度増加周期T2ごとに同様にして電流密度を増加させるように電流制御装置3の動作が制御される。さらに、期間T42の終了後、定常状態に至るまでの期間T43において、電流密度増加周期T3ごとに同様にして電流密度を増加させるように電流制御装置3の動作が制御される。ここで、T1<T2<T3が成り立つ。
【0085】
なお、図8に示すグラフは電流密度増加周期を3段階に設定した場合の例を示すものであるがこれに限られるわけではない。したがって、電流密度増加周期を2段階に設定してもよく、4段階以上に設定してもよい。
【0086】
ここでは、具体例として、燃料電池スタック1に供給される改質ガスのCO濃度が500ppm以上の期間においては電流密度増加周期を1.5秒とし、同じくCO濃度が100ppm以上であって500ppmより低い期間においては電流密度増加周期を3.0秒とし、同じくCO濃度が100ppmより低い期間においては電流密度増加周期を5.0秒とする。また、電流密度増加時間は0.05秒で一定とする。
【0087】
したがって、本実施の形態において、制御装置5は、起動時運転が開始してから燃料電池スタック1に供給される改質ガスのCO濃度が500ppmを下回るまでの期間において電流密度増加周期が1.5秒となり、その後改質ガスのCO濃度が100ppmを下回るまでの期間において電流密度増加周期が3.0秒となり、その後定常状態に至るまでの期間において電流密度増加周期が5.0秒となるように電流制御装置3の動作を制御する。
【0088】
図9は、本発明の実施の形態1および実施の形態3に係る燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を示すグラフである。
【0089】
図9において、D1は実施の形態1の燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を、D2は本実施の形態の燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化をそれぞれ示している。また、図9において、T41は本実施の形態の燃料電池発電システムの運転方法において電流密度増加周期T1が1.5秒である起動時運転の期間を、T42は同じく電流密度増加周期T2が3.0秒である起動時運転の期間を、T43は同じく電流密度増加周期T3が5.0である起動時運転の期間をそれぞれ示している。
【0090】
なお、実施の形態1および実施の形態3の運転方法では起動時運転において一時的に電流密度を増加させているが、図9に示す時間変化D1およびD2は、そのように電流密度を増加させていない状態でのスタック電圧を経時的にプロットして得られたものである。
【0091】
図9に示すように、本実施の形態においても、実施の形態1の場合と同様にスタック電圧の値が変化している。これにより、本実施の形態でも、実施の形態1の場合と同様に燃料電池発電システムの起動時間を短縮することができることが分かる。
【0092】
本実施の形態のように、燃料電池スタック1に供給される改質ガスのCO濃度の減少に応じて電流密度増加周期を長くした場合であっても、実施の形態1の場合と同様にCO被毒を回避することができる。これは、次の理由による。燃料電池スタックの各セルが有する燃料極の触媒反応層のPt表面に吸着したCOを酸化除去してから再び燃料極のCO被毒により電池電圧が低下するまでの期間は、当該燃料極に供給される改質ガスのCO濃度が低いほど長くなる。そのため、改質器2の昇温が進行するのに伴い改質ガスのCO濃度が減少するにしたがって、燃料電池スタック1の電流密度を一時的に増加させる頻度を減らしてもCO被毒を回避することができることになる。
【0093】
なお、前述した電流密度増加期間T1,T2,T3の値および期間T41,T42,T43の値は例示であり、これらの値に限定されるわけではないが、改質ガス中のCO濃度に依存して定められるものである。
【0094】
また、本実施の形態では、電流密度増加周期をステップ状に変化させているが、燃料電池スタックに供給される改質ガスのCO濃度の減少にしたがって連続的に変化させるようにしてもよい。
【0095】
また、実施の形態2および実施の形態3とを組み合わせてもよい。すなわち、燃料電池スタック1の温度の上昇に応じて電流密度増加時間を短くするとともに、燃料電池スタック1に供給される改質ガスのCO濃度の減少に応じて電流密度増加周期を長くするようにしてもよい。
【0096】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の場合、起動時運転において燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させる処理を行うことによって、燃料電池発電システムの起動時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの起動時運転におけるスタック電圧および電流密度の時間変化を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化および電流密度の増加を行わない運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を示すグラフである。
【図5】起動時運転における本発明の実施の形態2の燃料電池発電システムの燃料電池スタックの電流密度の時間変化を示すグラフである。
【図6】本発明の実施の形態1および実施の形態2に係る燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態3に係る燃料電池発電システムの概略構成を示すブロック図である。
【図8】起動時運転における本発明の実施の形態3の燃料電池発電システムの燃料電池スタックの電流密度の時間変化を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態1および実施の形態3に係る燃料電池発電システムの運転方法を実施した場合におけるスタック電圧の時間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
1a 温度センサ
2 改質器
2a 脱硫部
2b 改質部
2c CO変成部
2d CO浄化部
2e バーナー
2f 温度センサ
3 電流制御装置
4 インバータ
5 制御装置
10 CO濃度センサ

Claims (5)

  1. 水素を含む改質ガスを生成する改質器と、白金触媒を含む燃料極と空気極とで電解質膜を挟んでなる電解質膜電極接合体を有し、前記改質器から供給される改質ガスと外部から供給される酸化剤ガスとを前記電解質膜電極接合体にて反応させて発電する複数のセルが積層されてなる固体高分子型の燃料電池スタックとを備える燃料電池発電システムの運転方法において、
    前記燃料電池発電システムを起動させる場合、前記改質部の温度および前記燃料電池スタックの温度が所定の温度に達するまで、前記燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させる処理を実行することを特徴とする燃料電池発電システムの運転方法。
  2. 前記燃料電池スタックの電流密度を増加させている期間において前記燃料電池スタックを構成する各セルの電圧が0V以上0.3V以下である、請求項1に記載の燃料電池発電システムの運転方法。
  3. 前記燃料電池スタックの温度の上昇に応じて、前記燃料電池スタックの電流密度を増加させている期間を短くする、請求項1または請求項2に記載の燃料電池発電システムの運転方法。
  4. 前記改質器から前記燃料電池スタックへ供給される改質ガスの一酸化炭素濃度の減少に応じて、前記燃料電池スタックの電流密度を増加させる処理の繰り返し周期を長くする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の燃料電池発電システムの運転方法。
  5. 水素を含む改質ガスを生成する改質器と、白金触媒を含む燃料極と空気極とで電解質膜を挟んでなる電解質膜電極接合体を有し、前記改質器から供給される改質ガスと外部から供給される酸化剤ガスとを前記電解質膜電極接合体にて反応させて発電する複数のセルが積層されてなる固体高分子型の燃料電池スタックとを備える燃料電池発電システムにおいて、
    前記改質器の温度を測定するための第1温度測定手段と、
    前記燃料電池スタックの温度を測定するための第2温度測定手段と、
    前記燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させるための電流制御装置と、
    前記燃料電池発電システムを起動させる場合、前記第1温度測定手段によって測定された前記改質器の温度および前記第2温度測定手段によって測定された前記燃料電池スタックの温度が所定の温度に達したか否かを判定し、その結果前記改質器の温度および前記燃料電池スタックの温度が前記所定の温度に達したと判定したとき、前記燃料電池スタックの電流密度を一時的に増加させる処理を実行するように前記電流制御装置の動作を制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする燃料電池発電システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005327584A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Equos Research Co Ltd 燃料電池の再生制御方法

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