JP2005019293A - ヒータ付ガラス - Google Patents

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Takashi Misawa
尚 美澤
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ASAHI DENSHI KOGYO KK
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】ガラス本体を適宜の温度を維持させることができる。
【解決手段】少なくとも酸化錫と、酸化鉛と、塩化鉛とを原料とした透明の発熱機能材を、透明基材4に蒸着又は溶射せしめた透明ヒータ素子4をガラス板3に付着せしめるか、発熱機能材をフィルム材として帯状ヒータ30を形成し、自動車等のフロントガラスの下部に貼着する。これにより、ガラス板3を加熱でき、フロントガラスへの霜、雪、水滴等の付着を有効に防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、霜、雪、水滴等の付着を防止するか、又は周囲環境温度を加温するためのヒータ付ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガラスは透明であり、自動車、船、飛行機等の乗物の透視用ガラス、内部を透視できる水槽等に使用されている。このようなガラスの用途においては、霜、雪、水滴付着防止又は内部温度の保持のためにガラス自体を加熱することが必要とされる場合がある。
【0003】
【発明により解決しようとする課題】
現在、このようなガラスの加熱のためにはガラス内にニクロム細線を配設したりしているが、このニクロム細線が目視の邪魔となるばかりでなく、比較的大きな電力を消費し、バッテリーの寿命を縮めている。また、水槽の壁に使用されるガラスにおいては、内部の水の十分な温度を維持することが難しかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、ガラス本体に有色又は透明の導電性半導体を発熱機能として備えるようにした。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
【0006】
図1において、自動車のフロントガラス1は、図2に示すように、ガラス板又は樹脂板3、3間には透明ヒータ素子4が接着挟持されている。そして、フロントガラス1の両端部においては電極5、5が透明ヒータ素子4に接続され、これら電極5が車載のバッテリー2に接続されている。このバッテリー2の代わりに太陽電池に接続されてもよい。
【0007】
なお、一枚のガラス板3に透明ヒータ素子4を付着せしめ、他のガラス板3で挟持せしめなくてもよい。
【0008】
次に、前記透明ヒータ素子4の詳細について説明する。この素子4に付着される発熱機能材については本件発明者と同一発明者の出願である特願2003−148347号(平成15年5月26日出願)に記載されている。
【0009】
すなわち、前記透明ヒータ素子4は透明基材4aとこの表面に付着された発熱機能材からなる蒸着膜4bを有している。この発熱機能材は、以下のようにして製造される。
【0010】
図8に示すように、本発明の発熱機能材の製造方法は、酸化錫と、酸化鉛と、塩化鉛と、を原料とし(S2)、これら原料を有機溶剤で希釈して希釈物を形成する希釈工程(S4)と、希釈工程(S4)により形成された希釈物に還元剤を添加する還元剤添加工程(S6)と、還元剤添加工程により還元剤が添加された希釈物を加熱、混合する加熱混合工程(S8)と、加熱混合工程後の希釈物を冷却して、濃灰色の沈殿物と透明の上澄み液を得る分離工程(S10)と、からなる。
【0011】
原料となる酸化錫としては、酸化第一錫(SnO)、酸化第二錫(SnO)をはじめ、Sn、Sn、やSnO等の全ての酸化錫が含まれる。この中でも、本発明においては、酸化第一錫(SnO)、酸化第二錫(SnO)を混合して用いることが好ましい。この場合の混合比は、製造しようとする発熱機能材の用途など(つまり、当該発熱機能材をどの程度の温度まで発熱させて使用するのかなど)により任意に設定することができる。例えば、酸化第一錫(SnO)、酸化第二錫(SnO)の混合比は1:1(容積比)としてもよい。この比率以外では過不足を生じ、充分の結果を期待できない場合もある。
【0012】
また、原料となる酸化鉛とは、PbO、Pb等の酸化数の異なる全ての酸化鉛をいう。さらに、塩化鉛にあっても、PbClのみならず、従来公知の全ての塩化鉛をいう。
【0013】
このような、酸化鉛と塩化鉛の使用量は、特に限定されることはなく、前述したように、製造しようとする発熱機能材をどの程度の温度まで発熱させるかにより、任意に決定することができる。具体的には、例えば、酸化鉛と塩化鉛は、3:2、4:5又は6:5の割合(容積比)で混合して使用することができる。容積比が3:2の場合には、製造される発熱機能材の上限温度を約80℃程度に設定することができる。また、容積比が4:5の場合には、上限温度を約150℃に設定することができ、さらに、容積比が6:5の場合には、上限温度を約200℃に設定することができる。なお、当該上限温度は、発熱機能材を製造する際の1つの基準となる温度であり、当該容積比と合わせて、その他の要因によっても上限温度を調整することが可能である。
【0014】
また、「酸化鉛」と、「酸化鉛と塩化鉛との混合物」との混合比については、本発明の方法は特に限定されることはなく、前記上限温度等を考慮して任意に設定することができる。
【0015】
本発明の方法においては、前記の原料の他にも、硝酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化ガリウム、酸化インジウム、ITO等の他の金属酸化物を少量含有することができる。この場合、種々の原子価の酸化物を使用することができる。また、亜鉛、スズ、アンチモン、ビスマス、鉛、ガリウム、インジウム等の金属単体を少量含有することもできる。
【0016】
この製造において、先ず、前述の原料を有機溶剤で希釈して希釈物を形成する希釈工程(S4)を行う。
【0017】
ここで用いられる有機溶剤としては、前述の原料を希釈することができればよく、特に限定されることはない。例えば、エチルアルコール、メチルアルコール等を好適に用いることができる。
【0018】
また、このような有機溶剤の使用量は、特に限定されることはなく、当業者の常識事項であるが、例えば混合物の全量に対して5%〜10%(重量)使用する。
【0019】
そして、希釈工程により形成された希釈物に還元剤を添加する還元剤添加工程(S6)を行う。
【0020】
ここで用いられる還元剤としては、前記原料となる酸化物を還元することができるものであればいかなる物であってもよい。更に還元剤添加工程(S6)終了後の希釈物を加熱、混合する加熱混合工程(S8)を行う。
【0021】
この工程における加熱温度については、特に限定することはないが、150〜230℃が好ましい。加熱の温度を150℃未満にすると、反応不十分になり易く、230℃を越えると加熱過多になるおそれがあるからである。
【0022】
最後に、前記加熱混合工程(S8)の終了後、加熱された希釈物を冷却し、当該希釈物を濃灰色の沈殿物と透明の上澄み液に分離する分離工程(S10)を行う。
【0023】
前記上澄み液は透明であり、図3に示すように蒸着材Lとして真空蒸着炉内で透明基材4aに蒸着され、この基材4aとしては、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、シリコン樹脂、弗化ビニル樹脂、高融点ポリエステル、高融点アミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミノビスマレイミド、メチルペンテンコポリマー、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミド−トリアジン系熱硬化型芳香族ポリイミド等のエンジニアリングプラスチック等の耐熱性熱可塑性樹脂等が好ましいが、適用温度が低い場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、低融点ポリエステル、低融点ポリアミド等の一般的な熱可塑性樹脂を使用することもできる。この中でも特に、ポリイミド、シリコン樹脂が好ましい。
【0024】
また、図4に示すように前記上澄み液を溶射ガン10によって連続フィルム基材14a上に溶射によって溶射膜14bを付着してもよく、上澄み液内に基材4aドブ漬けしてもよい。
【0025】
なお、基材4aの両面にヒータ用の膜を上述した種々の方法により形成してもよい。
【0026】
更に透明ヒータ素子4を介在することなく透明なガラス本体の前面又は裏面に直接上澄み液を蒸着させるようにしてもよい。また、現在透明なソーラパネルが出現しているが、このソーラパネルに透明フィルムを介して(又は直接)発熱機能材を蒸着又は溶着してもよい。このようにして、ソーラパネルの起電力で発熱機能材を発熱せしめれば、ソーラパネル上への雪、霜、水滴付着が防止できる。透明なソーラパネルとしては、例えば、酸化亜鉛と銅アルミ酸化物とを組合わせたものがある。
【0027】
また、前記沈殿物は濃灰色であり(有色)、透明ではないが、この沈殿物をフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂のバインダーを使用してヒータフィルム20とし(図6)、このフィルム20を基材としての耐熱絶縁フィルム21上に貼着し、その両端に電極22を取付けるようにして有色帯状ヒータ30を形成し、図5に示すように自動車のフロントガラス1の下部にフィルム20にガラスに接着させるようにして貼り付ける。このようにすれば、図7に示すように、フロントガラス前面下部が加熱されて雪5がワイパー40の動きを妨害することがない。なお、この帯状ヒータ30は、透明ヒータ素子4の代わりに使用される。
【0028】
なお、かかるヒータ付ガラスは自動車のフロントガラスのみでなく飛行機、船等の乗物のあらゆる窓に使用でき、窓への霜付き、水滴付き等窓の曇りを有効に防止できる。更には、温度調節が必要な熱帯魚の水槽の周壁にも使用できる。また、有色の発熱機能材としては、特許第2628519号に開示されているものを使用することも可能である。すなわち、四塩化錫と三塩化アンチモン、塩化鉛、塩化亜鉛および塩化インジウムから選ばれた少なくとも1つの塩化物をエチルアルコール、メチルアルコールおよびアセトンから選ばれた1つの有機溶剤に溶解し、この有機溶液に弗化アンモニウム、弗化水素酸および酒石酸の水溶液から選ばれた1つの水溶液を加えて還元し、これを150〜250℃に加熱して形成された半導体材料をバインダー(テフロン(登録商標)等)でフィルム状に形成したものあるいは蒸着、溶着させたものを用いることも可能である。
【0029】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、ガラス本体を加熱でき、ガラス本体への霜付き、雪付着、水滴付着、更にはガラス本体への周囲環境温度を簡単に調整できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は自動車のフロントガラスの構成図である。
【図2】図2は図1のフロントガラスの側面構成図である。
【図3】図3は透明ヒータ素子に蒸着法で発熱機能材を付着せしめる状態図である。
【図4】図4は透明ヒータ素子に溶射法で発熱機能材を付着せしめる状態である。
【図5】図5は本発明の他の実施例を示す自動車のフロントガラスの他の構成図である。
【図6】図6は図5に示す自動車のフロントガラスの下部に貼着される帯状ヒータの構成図である。
【図7】図7は自動車のフロントガラスの取付構成図である。
【図8】図8は本発明に係る発熱機能材の製造工程図である。
【符号の説明】
1 フロントガラス
2 バッテリー
3 ガラス板
4 透明ヒータ素子
30 帯状ヒータ

Claims (5)

  1. 有色又は透明の導電性半導体を発熱機能として備えた加温可能なガラス。
  2. 透明耐熱プラスチック上に透明な発熱機能材を蒸着した透明ヒータ素子をガラス本体内に組込んだ請求項1記載のガラス。
  3. ガラス本体の前面又は裏面に透明又は有色の前記発熱機能材を溶射又は蒸着せしめた請求項1記載のガラス。
  4. ガラス本体の一部に耐熱プラスチックに前記発熱機能材を備えた有色帯状ヒータを付着せしめた請求項1記載のガラス。
  5. 透明なソーラパネルに前記透明発熱機能材を付着せしめた請求項2記載のガラス。
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