JP2005019059A - 閃光放電管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ガラスバルブ2の両端に封止金属体3、4を封止することで一対の電極9、10を構成し、この電極の少なくとも一方が、封止金属体の先端に焼結金属体5を取り付けて成る構造の閃光放電管1において、焼結金属体5は、ゲッター効果を有する金属である第1の金属体6と、スパッタ抑制効果を有する金属である第2の金属体7とを積層して成型し焼結されたものであり、第2の金属体7が他方の電極10に対向するように焼結金属体5が封止金属体3に取り付けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真撮影用の人工光源として多用されている閃光放電管に関し、特にその電極の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の閃光放電管として、特許文献1に開示されているものがある。図5はその閃光放電管の断面図である。図5において、閃光放電管17は、ガラスバルブ2内にキセノン等の希ガスを所定圧で封入し、その両端に封止金属体3、4をビードガラス11、12によって封止している。ガラスバルブ内に位置した封止金属体3の先端(ガラスバルブ2の内側)には、焼結金属体18が取り付けられている。封止金属体3と焼結金属体18は電極19を構成している。また、一方の封止金属体4は電極10を構成する。
【0003】
また、ガラスバルブ2の外表面には、例えば透明の導電性被膜で形成されるトリガ電極が施されている。
【0004】
以上の構成よりなる閃光放電管17の発光動作を図4に示す電気回路図を用いて説明する。
【0005】
主放電コンデンサ15は、電源14からの電力供給により閃光放電管17が発光するのに必要な電気エネルギー(例えば300Vの電力)の蓄積を行い、トリガ回路16は、閃光放電管を励起するために、高圧の高周波電力を閃光放電管17のトリガ電極に印加する。
【0006】
かかる構成の電気回路において、主放電コンデンサ15が例えば300Vに充電された状態でトリガ回路16を作動させると、閃光放電管17のトリガ電極に数キロボルトの高電圧が印加されて閃光放電管17は励起され、主放電コンデンサ15の充電エネルギーを瞬時に消費して閃光を発する。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−42726号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の閃光放電管において、電極19を構成する焼結金属体18は、例えばTa(タンタル)とNb(ニオブ)の金属粉末の混合物を成型して高温(約600℃)で焼結させ、更に、放電し易くなるように、その焼結体を炭酸セシウムの溶液中に浸漬してセシウムを含浸させて生成される。
【0009】
しかしながら、従来の焼結金属体は、度重なる放電使用によって焼結金属体がスパッタリング現象を起こし、それによって金属がガラスバルブ内面に付着するため、その部分のガラスバルブが失透し、閃光放電管の光量の低下をもたらしていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の閃光放電管は、ガラスバルブの両端に封止され電極を構成する封止金属体の少なくとも一方の先端に取り付けられる焼結金属体が、ゲッター効果を有する金属である第1の金属体と、スパッタ抑制効果を有する金属である第2の金属体とを積層して焼結されたものである。
【0011】
かかる構成からなる閃光放電管は、封止金属体に取り付けられる焼結金属体は、ゲッター効果を有する第1の金属体とスパッタ抑制効果を有する第2の金属体の2層で構成し、第2の金属体が他方の電極に対向するように取り付けたので、スパッタリング現象を抑制する効果が顕著に働き、閃光放電管の光量の低下を防止することができる。
【0012】
本発明の請求項2に記載の閃光放電管は、スパッタ抑制効果を有した第3の金属体を、第2の金属体が積層される第1の金属体の一方の面側と反対側面に積層して焼結金属体を構成したものである。
【0013】
かかる第3の金属体を、さらに積層して焼結金属体を構成することによって、焼結金属対を貫通して封止金属体が固着される場合に、封止金属体の取付方向を誤ることなく行うことが出来る。
【0014】
本発明の請求項3に記載の閃光放電管は、 前記した請求項1又は請求項2に記載の閃光放電管の第1の金属体が、Ta、Zr、Vのうち何れかの金属でも使用可能である。
【0015】
さらに本発明の請求項4に記載の閃光放電管は、前記した請求項1又は請求項2に記載の閃光放電管の第2の金属体および第3の金属体が、Nb、W、Moのうち何れかの金属でも使用可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の閃光放電管に係る一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は本実施形態に係る閃光放電管の断面図である。図1に示す閃光放電管1は、焼結金属体に係る部分のみが従来の閃光放電管(図5)と異なる。他の点は同一である。従来例(図5)と同一点については、同一符号を付し説明を省略する。図1において、封止金属体3の先端(ガラスバルブ2の内側)には、焼結金属体5が取り付けられている。封止金属体3と焼結金属体5は電極9を構成している。
【0018】
図2は焼結金属体5の斜視図である。図2において、焼結金属体5は、第1の金属体6、第2の金属体7の2層から成り、第1の金属体6側には、封止金属体3を嵌入させ焼結金属体5と固着させるための挿入穴8が設けられている。
【0019】
第1の金属体6は、ガラスバルブ2内に発生する不純ガスを吸着する効果(いわゆるゲッター効果)を有する金属材料(例えばTa(タンタル))の金属粉末を焼結して生成され、第2の金属体7は、放電時に金属が飛散するスパッタリング現象の発生しにくい金属材料(例えばNb(ニオブ))の金属粉末を焼結して生成される。
【0020】
具体的には、先ず、Taの微粉末及びNbの微粉末を順次、例えば円柱形状の型の治具内に装填し、上方から大きな圧力でプレスして成型する。そして、かかる成型体を約2時間、高温(例えば1800℃)の水素炉で焼結させる。
【0021】
このように生成した焼結金属体5の挿入穴8に封止金属体3の先端部を挿入し、溶接又は機械的なかしめ等により封止金属体3に焼結金属体5を固着させる。この焼結金属体5の第2の金属体7が、閃光放電管1の他方の電極10と対向するように封止金属体3に取り付けられる。
【0022】
かかる焼結金属体5を使用する本実施形態の閃光放電管の効果を確認するために、本実施形態の閃光放電管1(本発明品)及び従来の焼結金属体18を使用した閃光放電管17(従来品)の発光試験を行った。
【0023】
尚、本試験では、本発明品及び従来品ともに、キセノンガスを300kPaで封入した同一寸法(外径4mm、内径2.5mm)のガラスバルブを使用し、アーク長(電極9(19)、10間の放電間隔)を20mmとし、焼結金属体の外形を円柱型にして同一寸法とした。また、焼結金属体に使用する金属をTa及びNbとした。
【0024】
そして、上記条件で、表1に示すTaとNbの重量比ごとに各10本ずつの試料を製作した。
【0025】
【表1】
【0026】
次に、図4に示す電気回路により、かかる試料の発光試験を行った。試験は、放電管(試料)への入力を2.2Ws(50μFの主放電コンデンサ15の充電電圧が330Vの充電エネルギー)とし、15秒間隔で1000回連続発光させて、光量と点灯電圧を測定して行った。表2にその結果を示す。尚、各データは、10本の試料の平均値を示している。
【0027】
【表2】
【0028】
表2の結果において、例えば、Taが30%、Nbが70%のもので比較すると、光量については、初期値の光量を100%とすると、本発明品のものは98.9%、従来品のものは97.7%であり、また、点灯電圧については、初期電圧と1000回発光後の電圧差が、本発明品では、3.2V、従来品では、5.6Vであり、何れの結果も本発明品のものが良好であることを示している。
【0029】
他の重量比においても、本発明品の方の性能が優っているという結果を示している。
【0030】
また、表2の結果から、閃光放電管としては、ゲッター効果のある金属材料を使用した第1の金属体、スパッタ抑制効果のある金属材料を使用した第2の金属体の比率が、(第1の金属体:第2の金属体)=(10%:90%)〜(70%:30%)の範囲である焼結金属体を使用するのが好ましいといえる。
【0031】
図3は、他の実施形態に係る閃光放電管に使用される焼結金属体の斜視図を示す。図3において、焼結金属体13は、第1の金属体6を第2の金属体7で挟み込んだ3層構造となっている。この構造の場合も、第1の金属体6と第2の金属体7の重量比が、(10%:90%)〜(70%:30%)の範囲であるのが好ましく、かかる場合には、2層構造の焼結金属体5(図2)と同等の効果を有する。
【0032】
この3層構造の焼結金属体は、次の利点を有する。
【0033】
2層構造の焼結金属体は、封止金属体を挿通するための穴が焼結金属体を完全に貫通したものではないが、封止金属体と焼結金属体との結合強度の点から、焼結金属体を完全に挿通して貫通させて使用する場合もある。したがって、このような場合に、2層構造であれば封止金属体への取り付け方向が誤る場合も考えられるが、三層構造にしておけば、どちらの方向からも取り付け可能となるため、そのような問題を解消することが出来る。
【0034】
尚、上記実施形態において、焼結金属体の第1の金属体としてはTaを使用し、第2の金属体としてはNbを使用したが、これに限定されず、第1の金属体にはZr(ジルコニウム)、V(バナジウム)を使用しても良く、また第2の金属体にはW(タングステン)、Mo(モリブデン)を使用しても良い。
【0035】
また、片方の封止金属体のみに焼結金属体を取り付けるのではなく、両方の封止金属体に焼結金属体を取り付け、両電極が封止金属体と焼結金属体から成る構成でも良い。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の閃光放電管は、電極を構成する焼結金属体をゲッター効果のある金属材料(第1の金属体)と、スパッタリング現象を抑制する効果のある金属材料(第2の金属体)とを積層して構成し、第2の金属体を相対する他の電極に対向させたので、スパッタリング現象による金属溶融物のガラスバルブへの付着を低減でき、光量の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る閃光放電管の断面図
【図2】本発明の一実施形態に係る閃光放電管の電極に使用される焼結金属体の斜視図
【図3】本発明のその他の実施形態に係る閃光放電管の電極に使用される焼結金属体の斜視図
【図4】閃光放電管の発光試験用の電気回路を示す図
【図5】従来の閃光放電管の断面図
【符号の説明】
1 閃光放電管
2 ガラスバルブ
3、4 封止金属体
5、13 焼結金属体
6 第1の金属体
7 第2の金属体
8 挿入穴
9、10 電極
11、12 ビードガラス
Claims (4)
- ガラスバルブの両端に封止され電極を構成する封止金属体の少なくとも一方の先端に焼結金属体を取り付けて成る閃光放電管において、
前記焼結金属体は、ゲッター効果を有する金属である第1の金属体と、スパッタ抑制効果を有する金属である第2の金属体とを積層して焼結されたものであり、前記第2の金属体が他方の電極に対向するように前記焼結金属体が前記封止金属体に取り付けられていることを特徴とする閃光放電管。 - スパッタ抑制効果を有した第3の金属体を、第2の金属体が積層される第1の金属体の一方の面側と反対側面に積層して焼結金属体を構成してなる請求項1記載の閃光放電管。
- 第1の金属体は、Ta、Zr、Vのうち何れかの金属であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の閃光放電管。
- 第2の金属体および第3の金属体は、Nb、W、Moのうち何れかの金属であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の閃光放電管。
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2003
- 2003-06-24 JP JP2003179287A patent/JP2005019059A/ja active Pending
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