JP2005018594A - 指紋入力装置、その製造方法、及び個人認証システム - Google Patents

指紋入力装置、その製造方法、及び個人認証システム Download PDF

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Abstract

【課題】従来以上に安定で精細な画像をえられる指紋入力装置を容易かつ安価に提供する。
【解決手段】指紋入力装置は、LEDチップ10と、LEDチップ10からの光を指紋入力対象者の指20に照射し、その光のうち指内部から散乱した光を受光する固体撮像素子が形成された固体撮像素子基板1とを有し、固体撮像素子の受光信号に基づき指20の指紋画像を読み取る。固体撮像素子は、矩形状の固体撮像素子基板1上に形成された一次元又は二次元撮像素子で構成される。固体撮像素子基板1上の指20が接する側に矩形状の保護部材30が接着固定される。保護部材30は、矩形状の外形を成す4辺L1、L2、W1、W2の内の2つの長辺L1、L2と1つの短辺W1が固体撮像素子基板1の外形と同じである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明手段から指先に照射した光のうち、指先内部からの散乱光線を、固体撮像素子で受光する指紋入力装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報技術の著しい進歩によって電子商取引等の経済活動が普及するのに伴い、情報の不正使用を防止する目的から個人認証を電子化する必要性もまた増大している。
【0003】
個人認証電子化の手法として、従来から指紋を画像入力する方法が多く用いられているが、例えば特許文献1等に述べられる全反射プリズムを利用するものは形状が大きくなり、また、樹脂等で型どりをした偽造指紋を判別することができない等の難点があった。
【0004】
かかる点を改善した小型でかつ信頼性の高い指紋入力装置として、特許文献2に述べられるように、二次元固体撮像素子の表面近傍に指を接触させておき、近赤外光線を照射し、指先内部からの散乱光を受光する方法が提案されている。この方法を図10に沿って説明する。
【0005】
図10に示す指紋入力装置において、固体撮像素子基板1の表面には所定間隔pで二次元状に配列された固体撮像素子1aが形成され、その上にカバーガラス100が透明な封止材41で接着固定されている。この固体撮像素子基板1は、配線基板3に固定され、ワイヤ21によって配線基板3上の配線3aと電気的に接続され、封止樹脂41で保護されている。また、照明用のLEDチップ10も、ワイヤ12によって配線基板3上の配線3aに接続され、封止樹脂11で保護されている。このLEDチップ10から照射される光線10aは指20に入射し、その内部で拡散されて、指紋20aからカバーガラス100に散乱光10bとなって入射する。この入射光は、カバーガラス100を介し固体撮像素子1aに到達し、ここで光電変換され、これにより指紋画像の電気信号が得られる。LEDチップ10としては、赤外線、近赤外線、赤色光線などが使用できるが、他の波長領域でも使用できる。
【0006】
カバーガラス100は、固体撮像素子1aに指20などが触れて電気的、機械的にこれを破壊することから保護する目的と同時に、指紋画像以外の外乱光を除去するための光学フィルター機能を持たせることも必要である。しかし、鮮明な指紋画像を得るために、カバーガラス100の厚さtは極めて薄いことが求められ、これを避けるためにファイバー・オプティックス・プレート(FOP)などの高価な材料を使わなければならなかった。
【0007】
他方で低コスト・小型化を実現する技術として、指先と固体撮像素子との位置を相対的に移動させ、その移動する指先の連続した複数の部分画像を画像合成することによって指先全体の画像を得るスイープ型が提案されている(例えば、特許文献3、4等参照)。この技術によれば、これまで指の大きさ程度の面積が必要だった二次元配列の固体撮像素子が指の幅だけでよいため、固体撮像素子及びファイバー・オプティクス・プレートなどが安価となる。上記の光学方式の他に、このスイープ型では、静電容量方式、熱検知方式などの入力方式も知られている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−11142号公報
【特許文献2】
特許第3150126号明細書
【特許文献3】
特開2002−216116号公報
【特許文献4】
特開2002−133402号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例の方法では、小型化、低価格化を実現する場合、以下の問題点がある。
【0010】
1)光学方式の場合には、保護部材と固体撮像素子との接着厚みやそのムラが、画像の鮮明度に影響してしまうため、貼付け方法が不安定だと歩留まりが悪化してしまっていた。
【0011】
2)また保護部材を固体撮像素子に貼付ける際、接着剤内に気泡が残らないよう、かつ全体に接着剤が行き渡るよう、樹脂がはみ出る程度塗布し保護部材を押圧する。そのため、貼付けの際には、保護部材上に接着剤が溢れ出し、接着後拭き取り作業などの手直しが必要で、生産効率を低下させていた。
【0012】
3)保護部材のエッジ部分の欠けがクラックの発生につながるため、保護部材の安定な切断、取り扱いが必要である。特に薄い保護部材の場合、従来は小片を一つ一つ貼り付けているので、そのハンドリングによって、欠けやクラックを生じさせたりしていた。
【0013】
4)保護部材を押圧した際に、ゴミ・異物を挟み込んで、固体撮像素子基板のダメージや、保護部材の割れなどが発生するため、極力ゴミのない状態で貼ることが望まれている。
【0014】
5)静電対策としての手段が、本体部材などに持たせていたため、本体の設計やデザインの制約、組み付けによるバラツキなどある。
【0015】
上記問題点1)〜5)に関して、従来の方法では、十分な対策がとられていなかった。また前述の特許公報1〜4においても、そのような具体的な対策についての説明は全く記載されていないか、十分とは言えないものであった。
【0016】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、従来以上に安定で精細な画像を得られる指紋入力装置を容易かつ安価に提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、照明手段と、該照明手段からの光を指に照射し、その光のうち指内部から散乱した光を受光する固体撮像素子部とを有し、該固体撮像素子部の受光信号に基づき前記指の指紋画像を読み取る指紋入力装置において、前記固体撮像素子部は、固体撮像素子基板上に形成された一次元又は二次元撮像素子で構成され、前記固体撮像素子基板上の指が接する側に保護部材が接着固定され、前記保護部材は、前記固体撮像素子基板の外形と同じである部分を少なくとも一部有することを特徴とする。
【0018】
前記固体撮像素子基板と前記保護部材は共に矩形状であり、前記保護部材は、前記矩形状の外形を成す4辺の内の少なくとも2辺が前記固体撮像素子基板の外形と同じであることが更に好ましい。
【0019】
前記固体撮像素子基板は、長方形状に形成され、前記少なくとも2辺は、前記長方形状の外形の内の長辺であってもよい。
【0020】
前記固体撮像素子部は、前記矩形状の外形が所定寸法で形成され、前記保護部材の表面に置かれた前記指の指紋画像を前記固体撮像素子部を介して一括して読み取ってもよい。固体撮像素子部の寸法は、概ね10から20ミリメートル平方であることが好ましい。
【0021】
前記固体撮像素子部は、前記矩形状の外形が所定の幅及び長さ寸法で形成され、前記保護部材の表面に置かれた前記指を所定の方向に沿って滑らせながら該指の指紋画像を前記固体撮像素子部を介して読み取ってもよい。固体撮像素子部は、概ね幅が10から20ミリメートルかつ長さが数ミリメートルかそれ以下であることが好ましい。
【0022】
前記照明手段は、赤外光及び/又は近赤外光を発光する光源を有することが好適である。
【0023】
前記保護部材は、所定厚さのシリコン基板であってもよい。シリコン基板の厚さは、30μm以上200μm以下であることが好ましい。
【0024】
前記保護部材は、導電手段を有してもよい。
【0025】
また、本発明は、上記いずれかに記載の指紋入力装置の製造方法であって、前記固体撮像素子部の集合体と、前記保護部材の集合体とを同時に接着固定する工程と、該接着固定された集合体を個別に分割する工程とを有することを特徴とする。
【0026】
また、本発明にかかる個人認証システムは、上記いずれかに記載の指紋入力装置を用いたことを特徴とする。この個人認証システムは、前記指紋入力装置により読み取られた前記指の指紋画像を前記被検体の識別情報として予め登録する指紋登録手段と、前記指紋入力装置により読み取られた前記指の指紋画像と前記指紋登録手段の登録画像とが一致するか否かを照合し、その照合結果を個人認証信号として出力する指紋照合手段とをさらに備えてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる指紋入力装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0028】
(第一の実施形態)
図1は、本実施形態による指紋入力装置の斜視図であり、図2は、その指紋入力装置の断面図、図3は、その指紋入力装置の製造方法の説明図を示す。本実施形態は、指紋入力対象者の指先と固体撮像素子との位置を相対的に移動させ、その移動する指先の連続した複数の部分画像を収集し、その各画像を画像合成することによって指先全体の画像を得るスイープ型の指紋入力装置に適用したものである。
【0029】
図1〜図3に示す指紋入力装置において、配線部が形成された配線基板3上に、矩形状の外形をもつ固体撮像素子基板1と、赤外光及び/又は近赤外光を発光する照明手段であるLEDチップ10とが共に所定場所に配置されている。固体撮像素子基板1上には、図2に示すように、ライン状に配列された固体撮像素子(一次元撮像素子)1aが複数個搭載されている。LEDチップ10は、図1に示す例では、固体撮像素子基板1の長手方向の一方の側面に対向する配線基板3上の2箇所に設けられている。LEDチップ10の数量及び配置箇所は、これに限らず変更可能である。
【0030】
固体撮像素子基板1は、図1及び図3に示すように、その長手方向の端部に配置されたボンディングパッド部1bの電極部がワイヤー21によって配線基板3上の配線3aと電気的に接続され、ワイヤー21を保護するために封止樹脂22が所定の箇所に塗布される。
【0031】
LEDチップ10は、図2に示すように、その電極部がワイヤー12によって配線基板3の配線3aと電気的に接続され、ワイヤー12を保護するために封止樹脂11が所定の箇所に塗布される。
【0032】
固体撮像素子基板1は、指紋入力対象者の指20を接触させる側の表面がその指紋20aの画像を読み取るための読み取り面を構成しており、その読み取り面上に保護部材30が配置されている。
【0033】
この保護部材30は、その材料として、ガラス、ファイバー・オプティカル・プレート(FOP)などが使用可能である。この保護部材30は、さらなる低価格と精細な画像を読み取るためには、1)隣合う固体撮像素子への光の漏れ込み(クロストーク)を考えた場合、入射から出射間での光の広がりを抑えるため屈折率が大きいこと、2)鮮明な画像を得るために、照明光以外の不要光が入らないこと、3)保護部材としての耐擦傷性や、耐候性があること、4)低価格であること、5)加工性が容易であること、6)そり・変形を考えた場合、固体撮像素子基板と線膨張係数が近いことの各項目が充足される必要がある。
【0034】
そこで、本実施形態の保護部材30には、上記1)〜6)の要求を充足するものとして、特に好適なシリコン基板が使用される。このシリコン基板は、バックグラインドもしくはバックラッピングによって所望の厚みに加工可能であり、また、赤外・近赤外光を透過し、可視光はカットするため、外光などの不要光をカットでき、さらに屈折率も3.4程度であるため、ガラスと比較して、1.5〜2倍の厚みでも、同等の解像力を得ることができる。保護部材30として、シリコン基板を使用する場合は、30μm〜200μmの厚みのものが使用可能である。特に70〜150μmの厚みが好適である。このシリコン基板は、保護部材30として、赤外/近赤外を透過する接着剤にて固体撮像素子基板1の固体撮像素子1a上に接着固定される。
【0035】
本実施形態の保護部材30は、図1及び図2に示すように、矩形状の外形を成す周囲4辺(以下、便宜上、2つの長辺を第1長辺L1、第2長辺L2とし、2つの短辺を第1短辺W1、第2短辺W2とする)の内の第1長辺L1、第2長辺L2、第1短辺W1が、固体撮像素子基板1の外形を成す周囲4辺の内の2つの長辺と1つの短辺とそれぞれ同一面となるように構成されている。
【0036】
これは、特にシリコン基板や薄いガラスなどを、保護部材30として使用した場合、固体撮像素子基板1よりも大きかったりすると、その部分を指で触ったり、押されたりしてクラックの原因となりやすく、逆に固体撮像素子基板1より、保護部材30が小さい場合は、保護部材30としての機能が満足できず、固体撮像素子基板1が指などによってダメージを受けてしまうことがあるためである。
【0037】
次に、本実施形態の指紋入力装置の製造方法を図3に基づき説明する。
【0038】
まず、固体撮像素子基板1を所定方向に複数個配列した集合体1cと、保護部材30の集合体として厚さ100μmのシリコンシート32とを一括して接着する。ここで、集合体1cは、図3の例では縦(長手方向)方向に2列、横(幅方向)方向に14列の計28個の固体撮像素子基板1から構成されるが、その数量及び配列形態はこれに限定されず変更可能である。
【0039】
本実施形態では、集合体1aを構成する各固体撮像素子基板1のボンディングパッド部1bは、図3に示すように、縦方向に隣接する2列では、長手方向の両端部のうちそれぞれ外側の端部に対向して配置され、両ボンディングパッド部1b、1bの間に位置する固体撮像素子基板2上にシリコンシート32が接着されることになる。この時、固体撮像素子基板1のボンディングパッド部1bには、接着樹脂が付着しないようにマスキングテープなどで保護することが望ましい。
【0040】
上記接着剤の硬化後、ダイシングによって固体撮像素子基板1の集合体とシリコンシート32とを同時に切断して個々に分割することになる。これにより、保護部材30の第1長辺L1、第2長辺L2、及び第1短辺W1が、固体撮像素子基板1の外形とそれぞれ同一面となるように形成され、これを配線基板3に実装すれば、図1及び図2に示す形態の指紋入力装置が得られる。
【0041】
上記の製造方法の例では、小片を個別に固体撮像素子基板1に接着する場合に比べて、以下の効果が得られる。
【0042】
1)特に割れやすいガラスやシリコン基板などの保護部材30を、一括して取り扱えるため、個別に貼る場合に比べて、ハンドリングが容易となり、自動化もしやすく、生産性が向上する。接着厚みもこれによって安定化し、結果画像の鮮明度も向上する。
【0043】
2)切断面が固体撮像素子基板1と同一となるため、従来の大きい場合の割れや、小さい場合の固体撮像素子基板1へのダメージの懸念が解消される。
【0044】
3)保護部材30の接着剤の漏れ出しを、ボンディングパッド部1bのみに注意すればよく、生産性が向上する。
【0045】
4)ウェハーそのもの、もしくはそれに近い状態での加工であるため、ゴミ・異物の少ないクリーンルーム内の作業が可能となる。また薄いガラスやシリコン基板などの保護部材30を、固体撮像素子基板1と共に切断するため、切断時のびびりによる欠けやクラックが、薄いまま個別に分割する場合に比べて、大幅に低減する。
【0046】
5)固体撮像素子基板1とともに切断するため、保護部材30の外形精度、位置精度が向上する。
【0047】
6)トータルの工数が低減するため、ローコスト化が図れる。
【0048】
(第二の実施形態)
図4は、本実施形態による指紋入力装置の断面図である。
【0049】
図4に示す指紋入力装置では、配線基板3上に設けた固体撮像素子基板1上に密着固定される保護部材30の表面に、さらにITO、金属薄膜などの導電層30aを設け、その導電層30aをワイヤー21によって配線基板3上の配線部3aに設けた所定の電極と接続している。
【0050】
これにより、上記第一の実施形態と同様の効果に加え、さらに静電対策およびノイズのシールド対策としての効果が得られる。この指紋入力装置は、上記第一の実施形態と同様の製造方法を用いて製作することができる。
【0051】
(第三の実施形態)
図5は、本実施形態による指紋入力装置の製造方法を説明するものである。
【0052】
図5に示す指紋入力装置の製造方法において、固体撮像素子基板1を同一方向に複数個並べた集合体1cを用意する。この集合体1cは、図5の例では、前述した図3の例と同様に、縦方向に2列、横方向に14列の計28個の固体撮像素子基板1から構成されるが、その数量及び配列形態はこれに限定されず変更可能である。この集合体1c上の縦方向に隣接する2列の固体撮像素子基板1、1毎に分けて、上記第一の実施形態と同様に、保護部材30の集合体としての2つのシリコンシート32、32を一括して接着する。
【0053】
この場合、保護部材30の長辺側の2辺を成す第1長辺L1、第2長辺L2が固体撮像素子基板1の外形とそれぞれ同一面となる。すなわち、上記第一の実施形態の場合と異なり、本実施形態では、保護部材30の短辺W1は、固体撮像素子基板1の外形と同一面ではない。これは、固体撮像素子基板1のボンディングパッド部1bと逆側では、保護部材30がなくとも、指が触らない領域である。接着剤のはみだしについては、ボンディングパッド部1bをマスキングすることは、上記第一の実施形態と同じである。従って、本実施形態でも、上記第一の実施形態と同様の効果が期待できる。
【0054】
(第四の実施形態)
図6は、本実施形態による指紋入力装置の断面図を示す。
【0055】
図6に示す指紋入力装置において、固体撮像素子基板1への保護部材30の貼り付け工程は、前述の図5に示す第三の実施形態と同様の製造方法が適用される。図5において、保護部材30上の導電層30aを、銀ペースト、カーボンペーストなどの導電ペースト50にて、固体撮像素子基板1上に設けられた配線パターン1dに電気的に接続し、一定電位に保持する。これにより第二の実施形態と同様に、静電対策およびノイズのシールド対策としての効果が得られる。
【0056】
(第五の実施形態)
図7は、本発明の第五の実施例の製造方法を説明する図である。上記第一〜第四実施形態では、スイープ型の指紋入力装置について説明してきたが、本実施形態では、二次元配列の固体撮像素子1に適用した場合を説明する。
【0057】
まず、二次元配列の固体撮像素子1を複数個集まった集合体1cに、短冊状のシリコンシート32を接着肯定する。前実施例でも説明した通り、ボンディングパッド部1bを、マスキングなどによって接着剤の付着を防止しながら、シリコンシート32を貼り付ける。接着剤の硬化後、ダイシングによってこの固体撮像素子基板1の集合体とシリコンシート32を同時に切断して、個々に分割することになる。効果については、第一の実施例と同様である。
【0058】
(第六の実施形態)
次に、上記の指紋入力装置を用いた個人認証システムの実施形態を図8及び図9を参照して説明する。
【0059】
図8に示す個人認証システムは、前述の固体撮像素子1aから構成される撮像部101、その周辺回路部102、前述のLEDチップ10に搭載されるLED103を有する指紋入力装置100と、この指紋入力装置100に接続される指紋照合装置110とを備える。
【0060】
周辺回路部102は、前述の固体撮像素子基板1上等に形成され、図9に示すように、固体撮像素子101の動作を制御する制御回路(駆動回路)1021と、撮像部101から出力される指の指紋に関する画像に応じたアナログ撮像信号をクランプ回路1022を介しアナログ信号からデジタル信号に変換するA/Dコンバータ1023と、A/Dコンバータ1023にて変換されたデジタル信号を指紋の画像信号として外部の装置(インターフェースなど)にデータ通信するための通信制御回路1024及びそれに接続されるレジスタ1025と、LED103のLEDの発光を制御するLED制御回路1026と、外部の発振子1027から供給される基準パルスに基づき上記回路1021〜1026の動作タイミングを制御する制御パルスを発生するタイミング発生器1028とを含む。周辺回路部102を含む回路は、上記に限らず、別種の回路を含めてもよい。他方、上記の回路の一部を不図示の別チップとしてもよい。
【0061】
指紋照合装置110は、周辺回路部102の通信制御部から出力される通信データを入力する入力インターフェース111と、この入力インターフェース111に接続される画像処理部(指紋照合手段)112と、この画像処理部112に接続される指紋画像データベース(指紋登録手段)113及び出力インターフェース114とを備える。出力インターフェース114は、使用やログイン等に際しセキュリティ確保等のため個人認証が必要とされる電子機器(ソフトウエアも含む)に接続される。
【0062】
ここで、指紋画像データベース113には、予め個人認証すべき対象者の指の指紋画像が登録されている。ここでの対象者は、一人でも複数人でも構わない。対象者の指紋画像は、対象者の個人認証情報として、初期設定時や対象者追加時などに予め指紋入力装置100から入力インターフェース111を介し入力される。
【0063】
画像処理部112は、指紋入力装置100により読み取られた指紋画像を入力インターフェース111を介し入力し、指紋画像データベース113の登録画像と一致するか否かを既知の指紋照合用画像処理アルゴリズムを基に照合し、その照合結果(指紋一致又は不一致)を個人認証信号として出力インターフェース114を介し出力する。
【0064】
なお、この例では、指紋入力装置100と指紋照合装置110を別デバイスで構成しているが、本発明はこれに限らず、必要に応じ指紋照合装置110の少なくとも一部の機能を指紋入力装置100の周辺回路部102内に一体に構成してもよい。また、この例の個人認証システムは、個人認証が必要とされる電子機器内に一体に組み込んで構成しても、電子機器と別体で構成しても構わない。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、従来以上に安定で精細な画像をえられる指紋入力装置を容易かつ安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態による指紋入力装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態による指紋入力装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態による指紋入力装置の製造方法を示す説明図である。
【図4】本発明の第二の実施形態による指紋入力装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第三の実施形態による指紋入力装置の製造方法を示す説明図である。
【図6】本発明の第四の実施形態による指紋入力装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第五の実施形態による指紋入力装置の製造方法を示す説明図である。
【図8】本発明の第六の実施形態による指紋入力装置を用いた個人認証システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第六の実施形態による指紋入力装置の周辺回路部の構成を示すブロック図である。
【図10】従来例の指紋入力装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固体撮像素子基板
1a 固体撮像素子
1b ボンディングパッド部
1c 固体撮像素子基板の集合体
1d 配線パターン
3 配線基板
3a 配線
4 封止樹脂
10 LED
10a 入射光
10b 拡散光
11 封止樹脂
12 ワイヤー
20 指
20a 指紋
21 ワイヤー
22 封止樹脂
23 樹脂
30 保護部材
30a 導電層
32 シリコンシート
41 封止樹脂
50 導電ペースト
100 カバーガラス

Claims (11)

  1. 照明手段と、該照明手段からの光を指に照射し、その光のうち指内部から散乱した光を受光する固体撮像素子部とを有し、該固体撮像素子部の受光信号に基づき前記指の指紋画像を読み取る指紋入力装置において、
    前記固体撮像素子部は、固体撮像素子基板上に形成された一次元又は二次元撮像素子で構成され、
    前記固体撮像素子基板上の指が接する側に保護部材が接着固定され、
    前記保護部材は、前記固体撮像素子基板の外形と同じである部分を少なくとも一部有することを特徴とする指紋入力装置。
  2. 前記固体撮像素子基板と前記保護部材は共に矩形状であり、前記保護部材は、前記矩形状の外形を成す4辺の内の少なくとも2辺が前記固体撮像素子基板の外形と同じであることを特徴とする請求項1記載の指紋入力装置。
  3. 前記固体撮像素子基板は、長方形状に形成され、
    前記少なくとも2辺は、前記長方形状の外形の内の長辺であること特徴とする請求項2記載の指紋入力装置。
  4. 前記固体撮像素子部は、前記矩形状の外形が所定寸法で形成され、前記保護部材の表面に置かれた前記指の指紋画像を前記固体撮像素子部を介して一括して読み取ることを特徴とする請求項2記載の指紋入力装置。
  5. 前記固体撮像素子部は、前記矩形状の外形が所定の幅及び長さ寸法で形成され、前記保護部材の表面に置かれた前記指を所定の方向に沿って滑らせながら該指の指紋画像を前記固体撮像素子部を介して読み取ることを特徴とする請求項2記載の指紋入力装置。
  6. 前記照明手段は、赤外光及び/又は近赤外光を発光する光源を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の指紋入力装置。
  7. 前記保護部材は、所定厚さのシリコン基板であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の指紋入力装置。
  8. 前記保護部材は、導電手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の指紋入力装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の指紋入力装置の製造方法であって、
    前記固体撮像素子部の集合体と、前記保護部材の集合体とを同時に接着固定する工程と、
    該接着固定された集合体を個別に分割する工程とを有することを特徴とする指紋入力装置の製造方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の指紋入力装置を用いたことを特徴とする個人認証システム。
  11. 前記指紋入力装置により読み取られた前記指の指紋画像を被検体の識別情報として予め登録する指紋登録手段と、
    前記指紋入力装置により読み取られた前記指の指紋画像と前記指紋登録手段の登録画像とが一致するか否かを照合し、その照合結果を個人認証信号として出力する指紋照合手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の個人認証システム。
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