JP2005018304A - 時系列データ予測方法、装置、時系列データ予測プログラム及びその記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】予測実行時刻とその近傍過去の各時系列データ値からの予測方法と、予測対象時刻と同一傾向の時系列データ集合の統計値からの予測方法の各長所を取り入れ、時間変動の大きい予測や直前の非定常的な予測を可能とする。
【解決手段】ヒストグラム作成処理200では、予測実行時刻texeと同一傾向の時系列データ集合U(texe)の分布を表わす頻度ヒストグラムH(texe)と、予測対象時刻ttarと同一傾向の時系列データ集合U(ttar)の分布を表わす頻度ヒストグラムH(ttar)を作成する。予測値算出処理700では、H(texe)にて、最小値始点からtexeでの時系列データの値V(texe)までの頻度値を合計した値をU(texe)の全データ数で割ることで累積度Sを計算すると共に、H(ttar)にて、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求めてttarにおける時系列データの予測値V(ttar)とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ヒストグラム作成処理200では、予測実行時刻texeと同一傾向の時系列データ集合U(texe)の分布を表わす頻度ヒストグラムH(texe)と、予測対象時刻ttarと同一傾向の時系列データ集合U(ttar)の分布を表わす頻度ヒストグラムH(ttar)を作成する。予測値算出処理700では、H(texe)にて、最小値始点からtexeでの時系列データの値V(texe)までの頻度値を合計した値をU(texe)の全データ数で割ることで累積度Sを計算すると共に、H(ttar)にて、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求めてttarにおける時系列データの予測値V(ttar)とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を、過去の時系列データと予測実行時刻での時系列データの値V(texe)を用いて予測する時系列データ予測方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の時系列データ予測方法には、大きく分けて次の2通りの方法に分類される。
(1)予測実行時刻の時系列データ値、および予測実行時刻の近傍過去の時系列データ値にもとづき予測値を算出する方法。
(2)予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の統計値(平均値や最頻値など)にもとづき予測値を算出する方法。
【0003】
予測方法(1)の例としては、例えばARモデル、ARMAモデル、カルマンフィルターなどが挙げられる。これら手法の基本となるARモデルとは、予測実行時刻texeまでのM個の時系列データ値{V(t);t=texe−(M−1),…,texe−1,texe−2,texe}にもとづき、次の時刻texe+1での値を予測する手法である。具体的には、M個の係数の列{a(m);m=0,1,…,M−1}を構成し、以下の式
【0004】
【数1】
【0005】
により予測値V(texe+1)を算出する。係数の列a(m)は、学習用データを用い、予測値と実際の値との差を最小とするよう決定することができる。ARモデルの最も単純な例として、M=1,a(0)=1とすることにより、
V(texe+1)=V(texe)
と、予測実行時刻の値をそのまま予測値として出力する方法がある。この方法は、予測実行時刻での値が将来も継続するとの仮定にもとづいており、予測実行時刻と予測対象時刻との時間差が小さい予測(短期予測)や、時間による変動が小さい時系列データの予測に用いられる。
【0006】
なお、ARモデル、ARMAモデル、カルマンフィルター等、以上説明してきた予測方法(1)に関する参考文献として、以下の非特許文献1が挙げられる。
【0007】
予測方法(2)の例としては、予測対象時刻と同一季節あるいは同一曜日など、予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の平均値や最頻値など、なんらかの統計値を予測値として出力する方法がある。この方法は、時系列データの変動は周期的であり、過去のふるまいが再現されるであろうという仮定にもとづく予測方法であり、例えば月別電力消費量の予測や気温変動予測などに用いられる。
【0008】
【非特許文献1】
尾崎統、北川源四郎、“時系列解析の方法”、朝倉書店、pp.61−106、2002。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の(1)、(2)の従来方法には、以下の問題が存在する。
【0010】
(1)については、予測実行時刻またはその近傍過去に発生した事象を再現することはできるが、予測実行時刻と予測対象時刻との時間差が大きい予測(長期予測)や、時間による変動が大きな時系列データの予測に不向きである。
【0011】
(2)については、周期的にあらわれる事象を効果的に予測に反映することはできるが、その直前に起きた非定常的な事象を予測に反映することが困難である。
【0012】
本発明は、上記従来手法の問題点に対し、従来方法(1)と(2)の両方の長所を取り入れることによって、それらの問題点を補う手法を提供することが課題である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を予測する時系列データ予測方法であって、予測を実行する時刻(以下、予測実行時刻またはtexeと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(texe)と呼称)と、予測の対象となる時刻(以下、予測対象時刻またはttarと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(ttar)と呼称)を作成する手順と、U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(texe)と呼称)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(ttar)と呼称)を作成する手順と、H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値(以下、V(texe)と呼称)までの頻度値を合計し、該合計値をU(texe)の全データ数で割ることで求められる累積度(以下、Sと呼称)を計算する手順と、H(ttar)において、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値をttarにおける時系列データの予測値(以下、V(ttar)と呼称)とする手順とを有することを特徴とする時系列データ予測方法を、その手段とする。
【0014】
あるいは、上記の時系列データ予測方法において、時系列データを作成する手順では、頻度ヒストグラムを作成するための時系列データの集合を、同一曜日あるいは同一時刻あるいは同一曜日同一時刻のデータを指定した期間分収集することにより作成する手順を有することを特徴とする時系列データ予測方法を、その手段とする。
【0015】
あるいは、時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を予測する時系列データ予測装置であって、予測を実行する時刻(以下、予測実行時刻またはtexeと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(texe)と呼称)と、予測の対象となる時刻(以下、予測対象時刻またはttarと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(ttar)と呼称)を作成する手段と、U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(texe)と呼称)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(ttar)と呼称)を作成する手段と、H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値(以下、V(texe)と呼称)までの頻度値を合計し、該合計値をU(texe)の全データ数で割ることで求められる累積度(以下、Sと呼称)を計算する手段と、H(ttar)において、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値をttarにおける時系列データの予測値(以下、V(ttar)と呼称)とする手段とを有することを特徴とする時系列データ予測装置を、その手段とする。
【0016】
あるいは、上記の時系列データ予測装置において、時系列データを作成する手段は、頻度ヒストグラムを作成するための時系列データの集合を、同一曜日あるいは同一時刻あるいは同一曜日同一時刻のデータを指定した期間分収集することにより作成する手段を有することを特徴とする時系列データ予測装置を、その手段とする。
【0017】
あるいは、上記の時系列データ予測方法における手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムとしたことを特徴とする時系列データ予測プログラムを、その手段とする。
【0018】
あるいは、上記の時系列データ予測方法における手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムとし、該プログラムを、該コンピュータが読み取りできる記録媒体に記録したことを特徴とする時系列データ予測プログラムを記録した記録媒体を、その手段とする。
【0019】
本発明では、予測対象時刻における時系列データの統計的な値(平均値など)に対し、予測実行時刻での時系列データ値が有するヒストグラム累積度を持続させるという方法で補正をかけることにより、
(1)予測実行時刻の時系列データ値、および予測実行時刻の近傍過去の時系列データ値にもとづき予測値を算出する予測方法と、
(2)予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の統計値(平均値や最頻値など)にもとづき予測値を算出する予測方法の両者の長所を取り入れた予測方法とする。
【0020】
この予測方法により、予測に用いるヒストグラム群は複数回作成する必要をなくして一度作成しておけばよいようにし、処理の高速性を図る。ヒストグラム作成用時系列データを逐次更新し、その都度新たにヒストグラム群を作成する方法については、常に最新の統計情報が使えるようにすることで、予測の高精度化を見込む。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態として、時系列データの予測方法を実施例として、以下に図を用いて詳細に説明する。
【0022】
本発明は、以下の1〜4の手順に従う。
1.予測を実行する時刻texeと同一の傾向を示す時系列データの集合U(texe)と、予測の対象となる時刻ttarと同一の傾向を示す時系列データの集合U(ttar)を作成する。
2.U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラムH(texe)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラムH(ttar)を作成する。
3.H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値V(texe)までの累積度Sを算出する。
4.H(ttar)において、3の手順で算出された累積度Sに該当する値を求め、該値を予測値V(ttar)とする。
【0023】
図1に本実施の形態例の処理フローを示す。ここでは方法の例を示すが、以下に示される処理を実行する手段(処理部)によって装置を構成できることは、もちろんのことである。
【0024】
図1において、100は予測する対象に応じて適当な期間収集したヒストグラム作成用時系列データ、200はヒストグラム作成用時系列データ100を同一の傾向を示す部分集合に分割して各部分集合の値の分布を表わすヒストグラムを作成する処理、300はヒストグラム作成処理200により作成されたヒストグラム群、400は予測実行時刻、500は予測実行時刻における時系列データの値、600は予測対象時刻、700は予測値算出処理、800は予測値算出処理700の結果出力される予測値である。
【0025】
ヒストグラム作成用時系列データ100は、予測の対象に応じ、例えば過去1年分や、過去1ヶ月分、過去1週間分など、任意に指定した期間の時系列データである。
【0026】
ヒストグラム作成処理200は、ヒストグラム作成用時系列データ100に対し、これを同一の傾向を示す部分集合に分割し、各部分集合についてその値の頻度分布を示すヒストグラムを作成する処理である。
【0027】
ヒストグラム作成用時系列データ100の部分集合への分割は、同一曜日、同一時間帯、同一曜日かつ同一時間帯など、予測する対象に応じて指定した時間属性ごとにデータをまとめることにより行われる。分割方法にはこの他にも、“月曜日から金曜日までの平日”、“土曜日”、“日曜日及び休日”の3つのカテゴリに分割する方法や、この3カテゴリをさらに時間帯ごとに細かく分割する方法や、同一月、同一週、同一季節、特定月群、曜日群、日付の下一桁に5や0が付く五十日など特定の日付ごと、等に分割する方法が考えられる。また、上記時間情報に着目して分割する方法以外にも、晴れ・曇り・雨・雪などといった天候、気温、降水量、湿度、風向、風速、水温、波高、潮汐などの気象情報にもとづいて分割する方法も考えられる。
【0028】
本実施の形態例では、以下、過去1年間分程度のまとまった量のヒストグラム作成用時系列データを、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日および休日、の7つの部分集合に分割し、さらにこれら7つの部分集合を0時0分からはじまる5分間隔の時間帯ごとに分割(1回あたり288分割)し、計2016個(=7×288)の部分集合に分割する。これにより時間属性は“月曜日の0時0分〜0時5分”(以下、{月、00:00}と表記)からはじまり、“日曜日および休日の23時55分〜24時0分(以下、{日&休、23:55}と表記)まで存在することとなる。
【0029】
次に、以上の方法により分割した各部分集合それぞれに対し、値の頻度分布を表わすヒストグラムを作成する。本実施の形態例では、2016個の部分集合それぞれに対応して2016個のヒストグラムが作成されることとなる。予測する対象に応じてヒストグラムの階級の数、および各階級が担当するデータ値の幅を指定し、各階級について、該階級の担当するデータ値の幅の中に含まれる標本数をカウントする。本実施の形態例では、各階級の担当するデータ幅wを一定値とし、階級の数は各部分集合の最大値に応じヒストグラムごとに可変とする。
【0030】
例えば、ある部分集合の最大値をMaxとすると、該部分集合に対応するヒストグラムの階級の数Nclassは、
【0031】
【数2】
【0032】
となる。ここでINT( )は、( )内の値の小数点以下を切り捨てる関数を表わす。Nclass個の階級それぞれについて、各階級に含まれる標本の数をカウントし、ヒストグラムを作成する。例えば、Xの値を持つ標本は、INT(X/w)+1番目の階級に分類されることとなる。本実施の形態例では、以下、説明の簡略化のため、ヒストグラムの階級をC(i)(i=1〜Nclass)、階級C(i)に含まれる標本の数をN(i)(i=1〜Nclass)、各階級の担当するデータ値の代表値(平均値、最小値、最大値など)をX(i)(i=1〜Nclass)と表記する。
【0033】
予測処理に用いるヒストグラム群300は、過去1年分など指定した期間の時系列データを用いて作成していたが、このヒストグラム作成用時系列データを逐次更新し、その都度新たにヒストグラムを作り直すことにより、常に最新のデータを用いた予測を可能とすることもできる。
【0034】
ヒストグラム群300は、ヒストグラム作成処理200の結果作成されるヒストグラム群である。本実施の形態例では、ヒストグラム作成用時系列データを2016個の部分集合に分割したため、各部分集合に対応した2016個のヒストグラムが作成されることとなる。
【0035】
図2の310に、ヒストグラムの一例を示す。横軸はヒストグラムの階級を、縦軸は標本の数を表わす。
【0036】
予測実行時刻400は、予測値算出処理700を行う時点での時刻であり、例として2003年3月31日9時00分(以下、2003/03/31 09:00と表記)とする。
【0037】
予測実行時刻における時系列データ値500は、予測実行時刻における時系列データの値である。本実施の形態例では、この値をXとして説明する。
【0038】
予測対象時刻600は、予測値算出の対象となる未来の時刻であり、例として予測実行時刻の30分後の2003年3月31日9時30分(2003/03/31 09:30)とする。
【0039】
予測値算出処理700は、ヒストグラム群300、予測実行時刻400、予測実行時刻における時系列データ値500、予測対象時刻600にもとづき、予測値を算出する処理である。図3に予測値算出処理のフロー図を示す。
【0040】
図3の400,600は、図1の400,600と同様であり、それぞれ予測実行時刻texeと、予測対象時刻ttarである。710は、予測実行時刻の時間属性((以下、ATTexeと表記)と、予測対象時刻の時間属性(以下、ATTtarと表記)を算出する処理である。300は図1のヒストグラム群300と同様である。720はヒストグラム群からATTexeに対応するヒストグラムHexeと、ATTtarに対応するヒストグラムHtarを読み込む処理である。500は図1の予測実行時刻における時系列データ値Xと同様である。730はHexeにおいて、最小値始点からXまでの累積度Sを計算する処理である。740はHtarにおいて、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値を予測値800として出力する処理である。
【0041】
以上説明した予測値算出処理700は、ヒストグラムの累積度が連続的に推移するアナログデータを対象とした場合であるが、ディジタルデータを本発明の対象とした場合、ヒストグラム累積度の推移は連続的にならず、離散的となるため、ある種の近似計算を行う必要がある。近似計算の例を、図4を用いて以下過程1〜6に示す。
【0042】
過程1:予測実行時刻の時間属性ATTexeを求める。上記予測実行時刻2003/03/31 09:00の場合、該時刻の時間属性は{月、09:00}である。
【0043】
過程2:予測対象時刻の時間属性ATTtarを求める。上記予測対象時刻2003/03/31 09:30の場合、該時刻の時間属性は{月、09:30}である。
【0044】
過程3:ATTexeに対応するヒストグラムHexeと、ATTtarに対応するヒストグラムHtarを用意する。図4の750がHexe、760がHtarである。
【0045】
過程4:Hexeにおいて予測実行時刻における時系列データ値Xが属する階級C(j)を求め、以下の式により計算される階級jまでのヒストグラムの累積度S(j)および階級j−1までのヒストグラム累積度S(j−1)を算出する。
【0046】
【数3】
【0047】
例として、予測実行時刻における時系列データ値Xが図4のヒストグラム750の階級C(2)に属すと仮定すると、j=2であるから
【0048】
【数4】
【0049】
と計算される。
【0050】
過程5:Htarにおいて、以下の値k,lを求める。
k:Htarの階級kまでのヒストグラム累積度S(k)が一番初めにS(k)>S(j−1)となるk。
l:Htarの階級lまでのヒストグラム累積度S(l)が一番初めにS(l)≧S(j)となるl。
【0051】
図4の例では、ヒストグラム760における階級C(2)、C(3)、C(4)までのヒストグラム累積度S(2)、S(3)、S(4)をそれぞれ計算すると、
【0052】
【数5】
【0053】
となり、k=3,l=4と算出される。
【0054】
過程6:Htarにおいて、階級C(k)〜C(l)の代表値X(k)〜X(l)の平均値を予測値V(ttar)として出力する。V(ttar)の算出式を以下に示す。
【0055】
【数6】
【0056】
予測値800は、予測値算出処理700の結果出力され、予測実行時刻400の時点で算出された予測対象時刻600の時系列データ値である。
【0057】
なお、図1、及び図3を用いて説明した処理の手順や過程をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータにその処理の手順や過程を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスクや、MO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記のプログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。このように、記録媒体やネットワークにより提供されたプログラムをコンピュータにインストールすることで、本発明が実施可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明は、予測対象時刻における時系列データの統計的な値(平均値など)に対し、予測実行時刻での時系列データ値が有するヒストグラム累積度を持続させるという方法で補正をかけることにより、
(1)予測実行時刻の時系列データ値、および予測実行時刻の近傍過去の時系列データ値にもとづき予測値を算出する予測方法と、
(2)予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の統計値(平均値や最頻値など)にもとづき予測値を算出する予測方法の両者の長所を取り入れた予測方法である。
【0059】
本発明によれば、予測に用いるヒストグラム群は複数回作成する必要がなく一度作成しておけばよいため、処理の高速性を図ることもできる。また、ヒストグラム作成用時系列データを逐次更新し、その都度新たにヒストグラム群を作成する方法については、常に最新の統計情報が使えるため予測の高精度化を見込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例を示す全体の処理フロー図
【図2】上記実施の形態例におけるヒストグラム例を示す図
【図3】上記実施の形態例における予測値算出処理フロー図
【図4】上記実施の形態例における予測値算出処理例を示す図
【符号の説明】
100…ヒストグラム作成用時刻列データ
200…ヒストグラム作成処理
300…ヒストグラム群
400…予測実行時刻
500…予測実行時刻における時刻列データ値
600…予測対象時刻
700…予測値算出処理
710…時間属性算出処理
720…ヒストグラム読み込み処理
730…累積度算出処理
740…予測対象時刻ヒストグラムにおける累積度該当値算出処理
800…予測値
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を、過去の時系列データと予測実行時刻での時系列データの値V(texe)を用いて予測する時系列データ予測方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の時系列データ予測方法には、大きく分けて次の2通りの方法に分類される。
(1)予測実行時刻の時系列データ値、および予測実行時刻の近傍過去の時系列データ値にもとづき予測値を算出する方法。
(2)予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の統計値(平均値や最頻値など)にもとづき予測値を算出する方法。
【0003】
予測方法(1)の例としては、例えばARモデル、ARMAモデル、カルマンフィルターなどが挙げられる。これら手法の基本となるARモデルとは、予測実行時刻texeまでのM個の時系列データ値{V(t);t=texe−(M−1),…,texe−1,texe−2,texe}にもとづき、次の時刻texe+1での値を予測する手法である。具体的には、M個の係数の列{a(m);m=0,1,…,M−1}を構成し、以下の式
【0004】
【数1】
【0005】
により予測値V(texe+1)を算出する。係数の列a(m)は、学習用データを用い、予測値と実際の値との差を最小とするよう決定することができる。ARモデルの最も単純な例として、M=1,a(0)=1とすることにより、
V(texe+1)=V(texe)
と、予測実行時刻の値をそのまま予測値として出力する方法がある。この方法は、予測実行時刻での値が将来も継続するとの仮定にもとづいており、予測実行時刻と予測対象時刻との時間差が小さい予測(短期予測)や、時間による変動が小さい時系列データの予測に用いられる。
【0006】
なお、ARモデル、ARMAモデル、カルマンフィルター等、以上説明してきた予測方法(1)に関する参考文献として、以下の非特許文献1が挙げられる。
【0007】
予測方法(2)の例としては、予測対象時刻と同一季節あるいは同一曜日など、予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の平均値や最頻値など、なんらかの統計値を予測値として出力する方法がある。この方法は、時系列データの変動は周期的であり、過去のふるまいが再現されるであろうという仮定にもとづく予測方法であり、例えば月別電力消費量の予測や気温変動予測などに用いられる。
【0008】
【非特許文献1】
尾崎統、北川源四郎、“時系列解析の方法”、朝倉書店、pp.61−106、2002。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、以上の(1)、(2)の従来方法には、以下の問題が存在する。
【0010】
(1)については、予測実行時刻またはその近傍過去に発生した事象を再現することはできるが、予測実行時刻と予測対象時刻との時間差が大きい予測(長期予測)や、時間による変動が大きな時系列データの予測に不向きである。
【0011】
(2)については、周期的にあらわれる事象を効果的に予測に反映することはできるが、その直前に起きた非定常的な事象を予測に反映することが困難である。
【0012】
本発明は、上記従来手法の問題点に対し、従来方法(1)と(2)の両方の長所を取り入れることによって、それらの問題点を補う手法を提供することが課題である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を予測する時系列データ予測方法であって、予測を実行する時刻(以下、予測実行時刻またはtexeと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(texe)と呼称)と、予測の対象となる時刻(以下、予測対象時刻またはttarと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(ttar)と呼称)を作成する手順と、U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(texe)と呼称)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(ttar)と呼称)を作成する手順と、H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値(以下、V(texe)と呼称)までの頻度値を合計し、該合計値をU(texe)の全データ数で割ることで求められる累積度(以下、Sと呼称)を計算する手順と、H(ttar)において、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値をttarにおける時系列データの予測値(以下、V(ttar)と呼称)とする手順とを有することを特徴とする時系列データ予測方法を、その手段とする。
【0014】
あるいは、上記の時系列データ予測方法において、時系列データを作成する手順では、頻度ヒストグラムを作成するための時系列データの集合を、同一曜日あるいは同一時刻あるいは同一曜日同一時刻のデータを指定した期間分収集することにより作成する手順を有することを特徴とする時系列データ予測方法を、その手段とする。
【0015】
あるいは、時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を予測する時系列データ予測装置であって、予測を実行する時刻(以下、予測実行時刻またはtexeと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(texe)と呼称)と、予測の対象となる時刻(以下、予測対象時刻またはttarと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(ttar)と呼称)を作成する手段と、U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(texe)と呼称)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(ttar)と呼称)を作成する手段と、H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値(以下、V(texe)と呼称)までの頻度値を合計し、該合計値をU(texe)の全データ数で割ることで求められる累積度(以下、Sと呼称)を計算する手段と、H(ttar)において、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値をttarにおける時系列データの予測値(以下、V(ttar)と呼称)とする手段とを有することを特徴とする時系列データ予測装置を、その手段とする。
【0016】
あるいは、上記の時系列データ予測装置において、時系列データを作成する手段は、頻度ヒストグラムを作成するための時系列データの集合を、同一曜日あるいは同一時刻あるいは同一曜日同一時刻のデータを指定した期間分収集することにより作成する手段を有することを特徴とする時系列データ予測装置を、その手段とする。
【0017】
あるいは、上記の時系列データ予測方法における手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムとしたことを特徴とする時系列データ予測プログラムを、その手段とする。
【0018】
あるいは、上記の時系列データ予測方法における手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムとし、該プログラムを、該コンピュータが読み取りできる記録媒体に記録したことを特徴とする時系列データ予測プログラムを記録した記録媒体を、その手段とする。
【0019】
本発明では、予測対象時刻における時系列データの統計的な値(平均値など)に対し、予測実行時刻での時系列データ値が有するヒストグラム累積度を持続させるという方法で補正をかけることにより、
(1)予測実行時刻の時系列データ値、および予測実行時刻の近傍過去の時系列データ値にもとづき予測値を算出する予測方法と、
(2)予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の統計値(平均値や最頻値など)にもとづき予測値を算出する予測方法の両者の長所を取り入れた予測方法とする。
【0020】
この予測方法により、予測に用いるヒストグラム群は複数回作成する必要をなくして一度作成しておけばよいようにし、処理の高速性を図る。ヒストグラム作成用時系列データを逐次更新し、その都度新たにヒストグラム群を作成する方法については、常に最新の統計情報が使えるようにすることで、予測の高精度化を見込む。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態として、時系列データの予測方法を実施例として、以下に図を用いて詳細に説明する。
【0022】
本発明は、以下の1〜4の手順に従う。
1.予測を実行する時刻texeと同一の傾向を示す時系列データの集合U(texe)と、予測の対象となる時刻ttarと同一の傾向を示す時系列データの集合U(ttar)を作成する。
2.U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラムH(texe)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラムH(ttar)を作成する。
3.H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値V(texe)までの累積度Sを算出する。
4.H(ttar)において、3の手順で算出された累積度Sに該当する値を求め、該値を予測値V(ttar)とする。
【0023】
図1に本実施の形態例の処理フローを示す。ここでは方法の例を示すが、以下に示される処理を実行する手段(処理部)によって装置を構成できることは、もちろんのことである。
【0024】
図1において、100は予測する対象に応じて適当な期間収集したヒストグラム作成用時系列データ、200はヒストグラム作成用時系列データ100を同一の傾向を示す部分集合に分割して各部分集合の値の分布を表わすヒストグラムを作成する処理、300はヒストグラム作成処理200により作成されたヒストグラム群、400は予測実行時刻、500は予測実行時刻における時系列データの値、600は予測対象時刻、700は予測値算出処理、800は予測値算出処理700の結果出力される予測値である。
【0025】
ヒストグラム作成用時系列データ100は、予測の対象に応じ、例えば過去1年分や、過去1ヶ月分、過去1週間分など、任意に指定した期間の時系列データである。
【0026】
ヒストグラム作成処理200は、ヒストグラム作成用時系列データ100に対し、これを同一の傾向を示す部分集合に分割し、各部分集合についてその値の頻度分布を示すヒストグラムを作成する処理である。
【0027】
ヒストグラム作成用時系列データ100の部分集合への分割は、同一曜日、同一時間帯、同一曜日かつ同一時間帯など、予測する対象に応じて指定した時間属性ごとにデータをまとめることにより行われる。分割方法にはこの他にも、“月曜日から金曜日までの平日”、“土曜日”、“日曜日及び休日”の3つのカテゴリに分割する方法や、この3カテゴリをさらに時間帯ごとに細かく分割する方法や、同一月、同一週、同一季節、特定月群、曜日群、日付の下一桁に5や0が付く五十日など特定の日付ごと、等に分割する方法が考えられる。また、上記時間情報に着目して分割する方法以外にも、晴れ・曇り・雨・雪などといった天候、気温、降水量、湿度、風向、風速、水温、波高、潮汐などの気象情報にもとづいて分割する方法も考えられる。
【0028】
本実施の形態例では、以下、過去1年間分程度のまとまった量のヒストグラム作成用時系列データを、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日、日曜日および休日、の7つの部分集合に分割し、さらにこれら7つの部分集合を0時0分からはじまる5分間隔の時間帯ごとに分割(1回あたり288分割)し、計2016個(=7×288)の部分集合に分割する。これにより時間属性は“月曜日の0時0分〜0時5分”(以下、{月、00:00}と表記)からはじまり、“日曜日および休日の23時55分〜24時0分(以下、{日&休、23:55}と表記)まで存在することとなる。
【0029】
次に、以上の方法により分割した各部分集合それぞれに対し、値の頻度分布を表わすヒストグラムを作成する。本実施の形態例では、2016個の部分集合それぞれに対応して2016個のヒストグラムが作成されることとなる。予測する対象に応じてヒストグラムの階級の数、および各階級が担当するデータ値の幅を指定し、各階級について、該階級の担当するデータ値の幅の中に含まれる標本数をカウントする。本実施の形態例では、各階級の担当するデータ幅wを一定値とし、階級の数は各部分集合の最大値に応じヒストグラムごとに可変とする。
【0030】
例えば、ある部分集合の最大値をMaxとすると、該部分集合に対応するヒストグラムの階級の数Nclassは、
【0031】
【数2】
【0032】
となる。ここでINT( )は、( )内の値の小数点以下を切り捨てる関数を表わす。Nclass個の階級それぞれについて、各階級に含まれる標本の数をカウントし、ヒストグラムを作成する。例えば、Xの値を持つ標本は、INT(X/w)+1番目の階級に分類されることとなる。本実施の形態例では、以下、説明の簡略化のため、ヒストグラムの階級をC(i)(i=1〜Nclass)、階級C(i)に含まれる標本の数をN(i)(i=1〜Nclass)、各階級の担当するデータ値の代表値(平均値、最小値、最大値など)をX(i)(i=1〜Nclass)と表記する。
【0033】
予測処理に用いるヒストグラム群300は、過去1年分など指定した期間の時系列データを用いて作成していたが、このヒストグラム作成用時系列データを逐次更新し、その都度新たにヒストグラムを作り直すことにより、常に最新のデータを用いた予測を可能とすることもできる。
【0034】
ヒストグラム群300は、ヒストグラム作成処理200の結果作成されるヒストグラム群である。本実施の形態例では、ヒストグラム作成用時系列データを2016個の部分集合に分割したため、各部分集合に対応した2016個のヒストグラムが作成されることとなる。
【0035】
図2の310に、ヒストグラムの一例を示す。横軸はヒストグラムの階級を、縦軸は標本の数を表わす。
【0036】
予測実行時刻400は、予測値算出処理700を行う時点での時刻であり、例として2003年3月31日9時00分(以下、2003/03/31 09:00と表記)とする。
【0037】
予測実行時刻における時系列データ値500は、予測実行時刻における時系列データの値である。本実施の形態例では、この値をXとして説明する。
【0038】
予測対象時刻600は、予測値算出の対象となる未来の時刻であり、例として予測実行時刻の30分後の2003年3月31日9時30分(2003/03/31 09:30)とする。
【0039】
予測値算出処理700は、ヒストグラム群300、予測実行時刻400、予測実行時刻における時系列データ値500、予測対象時刻600にもとづき、予測値を算出する処理である。図3に予測値算出処理のフロー図を示す。
【0040】
図3の400,600は、図1の400,600と同様であり、それぞれ予測実行時刻texeと、予測対象時刻ttarである。710は、予測実行時刻の時間属性((以下、ATTexeと表記)と、予測対象時刻の時間属性(以下、ATTtarと表記)を算出する処理である。300は図1のヒストグラム群300と同様である。720はヒストグラム群からATTexeに対応するヒストグラムHexeと、ATTtarに対応するヒストグラムHtarを読み込む処理である。500は図1の予測実行時刻における時系列データ値Xと同様である。730はHexeにおいて、最小値始点からXまでの累積度Sを計算する処理である。740はHtarにおいて、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値を予測値800として出力する処理である。
【0041】
以上説明した予測値算出処理700は、ヒストグラムの累積度が連続的に推移するアナログデータを対象とした場合であるが、ディジタルデータを本発明の対象とした場合、ヒストグラム累積度の推移は連続的にならず、離散的となるため、ある種の近似計算を行う必要がある。近似計算の例を、図4を用いて以下過程1〜6に示す。
【0042】
過程1:予測実行時刻の時間属性ATTexeを求める。上記予測実行時刻2003/03/31 09:00の場合、該時刻の時間属性は{月、09:00}である。
【0043】
過程2:予測対象時刻の時間属性ATTtarを求める。上記予測対象時刻2003/03/31 09:30の場合、該時刻の時間属性は{月、09:30}である。
【0044】
過程3:ATTexeに対応するヒストグラムHexeと、ATTtarに対応するヒストグラムHtarを用意する。図4の750がHexe、760がHtarである。
【0045】
過程4:Hexeにおいて予測実行時刻における時系列データ値Xが属する階級C(j)を求め、以下の式により計算される階級jまでのヒストグラムの累積度S(j)および階級j−1までのヒストグラム累積度S(j−1)を算出する。
【0046】
【数3】
【0047】
例として、予測実行時刻における時系列データ値Xが図4のヒストグラム750の階級C(2)に属すと仮定すると、j=2であるから
【0048】
【数4】
【0049】
と計算される。
【0050】
過程5:Htarにおいて、以下の値k,lを求める。
k:Htarの階級kまでのヒストグラム累積度S(k)が一番初めにS(k)>S(j−1)となるk。
l:Htarの階級lまでのヒストグラム累積度S(l)が一番初めにS(l)≧S(j)となるl。
【0051】
図4の例では、ヒストグラム760における階級C(2)、C(3)、C(4)までのヒストグラム累積度S(2)、S(3)、S(4)をそれぞれ計算すると、
【0052】
【数5】
【0053】
となり、k=3,l=4と算出される。
【0054】
過程6:Htarにおいて、階級C(k)〜C(l)の代表値X(k)〜X(l)の平均値を予測値V(ttar)として出力する。V(ttar)の算出式を以下に示す。
【0055】
【数6】
【0056】
予測値800は、予測値算出処理700の結果出力され、予測実行時刻400の時点で算出された予測対象時刻600の時系列データ値である。
【0057】
なお、図1、及び図3を用いて説明した処理の手順や過程をコンピュータのプログラムで構成し、そのプログラムをコンピュータに実行させることができることは言うまでもなく、コンピュータにその処理の手順や過程を実行させるためのプログラムを、そのコンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスクや、MO、ROM、メモリカード、CD、DVD、リムーバブルディスクなどに記録して、保存したり、配布したりすることが可能である。また、上記のプログラムをインターネットや電子メールなど、ネットワークを通して提供することも可能である。このように、記録媒体やネットワークにより提供されたプログラムをコンピュータにインストールすることで、本発明が実施可能となる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明は、予測対象時刻における時系列データの統計的な値(平均値など)に対し、予測実行時刻での時系列データ値が有するヒストグラム累積度を持続させるという方法で補正をかけることにより、
(1)予測実行時刻の時系列データ値、および予測実行時刻の近傍過去の時系列データ値にもとづき予測値を算出する予測方法と、
(2)予測対象時刻と同一の傾向を示す時系列データの集合を作成し、該集合の統計値(平均値や最頻値など)にもとづき予測値を算出する予測方法の両者の長所を取り入れた予測方法である。
【0059】
本発明によれば、予測に用いるヒストグラム群は複数回作成する必要がなく一度作成しておけばよいため、処理の高速性を図ることもできる。また、ヒストグラム作成用時系列データを逐次更新し、その都度新たにヒストグラム群を作成する方法については、常に最新の統計情報が使えるため予測の高精度化を見込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例を示す全体の処理フロー図
【図2】上記実施の形態例におけるヒストグラム例を示す図
【図3】上記実施の形態例における予測値算出処理フロー図
【図4】上記実施の形態例における予測値算出処理例を示す図
【符号の説明】
100…ヒストグラム作成用時刻列データ
200…ヒストグラム作成処理
300…ヒストグラム群
400…予測実行時刻
500…予測実行時刻における時刻列データ値
600…予測対象時刻
700…予測値算出処理
710…時間属性算出処理
720…ヒストグラム読み込み処理
730…累積度算出処理
740…予測対象時刻ヒストグラムにおける累積度該当値算出処理
800…予測値
Claims (6)
- 時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を予測する時系列データ予測方法であって、
予測を実行する時刻(以下、予測実行時刻またはtexeと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(texe)と呼称)と、予測の対象となる時刻(以下、予測対象時刻またはttarと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(ttar)と呼称)を作成する手順と、
U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(texe)と呼称)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(ttar)と呼称)を作成する手順と、
H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値(以下、V(texe)と呼称)までの頻度値を合計し、該合計値をU(texe)の全データ数で割ることで求められる累積度(以下、Sと呼称)を計算する手順と、
H(ttar)において、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値をttarにおける時系列データの予測値(以下、V(ttar)と呼称)とする手順とを有する
ことを特徴とする時系列データ予測方法。 - 請求項1に記載の時系列データ予測方法において、
時系列データを作成する手順では、頻度ヒストグラムを作成するための時系列データの集合を、同一曜日あるいは同一時刻あるいは同一曜日同一時刻のデータを指定した期間分収集することにより作成する手順を有する
ことを特徴とする時系列データ予測方法。 - 時間の経過とともに変動する時系列データの将来の値を予測する時系列データ予測装置であって、
予測を実行する時刻(以下、予測実行時刻またはtexeと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(texe)と呼称)と、予測の対象となる時刻(以下、予測対象時刻またはttarと呼称)と同一の傾向を示す時系列データの集合(以下、U(ttar)と呼称)を作成する手段と、
U(texe)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(texe)と呼称)と、U(ttar)の値の分布の様子を表わす頻度ヒストグラム(以下、H(ttar)と呼称)を作成する手段と、
H(texe)において、最小値始点からtexeでの時系列データの値(以下、V(texe)と呼称)までの頻度値を合計し、該合計値をU(texe)の全データ数で割ることで求められる累積度(以下、Sと呼称)を計算する手段と、
H(ttar)において、最小値始点からの累積度がSに該当する値を求め、該値をttarにおける時系列データの予測値(以下、V(ttar)と呼称)とする手段とを有する
ことを特徴とする時系列データ予測装置。 - 請求項3に記載の時系列データ予測装置において、
時系列データを作成する手段は、頻度ヒストグラムを作成するための時系列データの集合を、同一曜日あるいは同一時刻あるいは同一曜日同一時刻のデータを指定した期間分収集することにより作成する手段を有する
ことを特徴とする時系列データ予測装置。 - 請求項1または請求項2に記載の時系列データ予測方法における手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムとした
ことを特徴とする時系列データ予測プログラム。 - 請求項1または請求項2に記載の時系列データ予測方法における手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムとし、
該プログラムを、該コンピュータが読み取りできる記録媒体に記録した
ことを特徴とする時系列データ予測プログラムを記録した記録媒体。
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-
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