JP2005018109A - タッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】描いた文字や図形通りの描画が得られるタッチパネルを得る。
【解決手段】可撓性と絶縁性を有する上透明基板12の下面に方形の上透明電極13と該上透明電極13の対向する二辺に接続した一対の導電電極14、15とを設けた上基板11と、絶縁性を有する下透明基板2の上面に方形の下透明電極3と該下透明電極3の対向する二辺に接続した一対の導電電極4、5と該下透明電極3上に複数のドットスペーサ58とを設けた下基板51、とを一定の隙間を設けて対向して配置してシール材17を介して前記上下基板の外周域を周回してシールしたタッチパネル50において、ドットスペーサ58の大きさを直径5〜30μm、高さ1〜4μmに形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】可撓性と絶縁性を有する上透明基板12の下面に方形の上透明電極13と該上透明電極13の対向する二辺に接続した一対の導電電極14、15とを設けた上基板11と、絶縁性を有する下透明基板2の上面に方形の下透明電極3と該下透明電極3の対向する二辺に接続した一対の導電電極4、5と該下透明電極3上に複数のドットスペーサ58とを設けた下基板51、とを一定の隙間を設けて対向して配置してシール材17を介して前記上下基板の外周域を周回してシールしたタッチパネル50において、ドットスペーサ58の大きさを直径5〜30μm、高さ1〜4μmに形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手書き文字や図形などを入力する文字入力装置に関し、特に、電子手帳、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどにおいて使用される文字入力装置に係わるタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子手帳、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどの手書き文字入力装置にアナログ型の透明タッチパネルが使われる。このアナログ型タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置の前面に配設されて使用され、方形の透明電極とそれに接続する導電電極を形成した一対の透明絶縁基板を対向して配置し、ペンや指で押圧して押圧位置座標をアナログ/デジタル(A/D)変換器で検出する。A/D変換の能力により高分解能が得られるため文字や図形入力に主流として使われている。
【0003】
このアナログ型透明タッチパネルの従来の一般的な構成を、以下、図7〜10を用いて説明する。図7は従来技術におけるタッチパネルの平面図、図8は図7におけるE−E断面図、図9は図8における下基板の平面図、図10は図8における上基板の平面図、を示したものである。
【0004】
図7、図8、図9、図10に示すように、従来例のタッチパネル20は形状が方形をなす下基板1と可撓性を有する上基板11とを主構成部品にして構成される。下基板1は、板厚が1.1mmの透明な方形のガラスからなる下透明基板2と、この下透明基板2の上面に方形形状に形成された下透明電極3と、この下透明電極3の図中上下の対向する両辺に沿って接続形成されて下透明基板2の図中下側の延設部にある点線枠で囲ったFPC取付部Sにまで引き回した一対の導電電極4及び5と、FPC取付部S近辺に形成された継ぎ電極6、7と、下透明電極3上にマトリックス状に配置したドットスペーサ8とで構成されている。尚、上記継ぎ電極6、7は、後述する上基板11の導電電極14、15に導通接続を行うためにFPC取付部S近辺に設けられている。
【0005】
上基板11は、板厚が0.2mmの可撓性のある透明な方形のマイクロガラス(マイクロシートガラス)からなる上透明基板12と、この上透明基板12の下面に方形形状に形成されている上透明電極13と、この上透明電極13の図中左右の対向する両辺に沿って接続形成されてFPC取付部S方向に向かって引き回された一対の導電電極14、15とで構成されている。
【0006】
そして、上下基板11、1の導電電極14、15及び4、5が方形配置となるように対向配置し、上下基板11、1とに8〜10μm位の隙間を持たせてシール材17で上下基板11、1とを接着して固定すると共に、上下基板11、1の外周域を周回してシールしている。更に、上基板11の導電電極14及び15は、接続部B及びAの場所において、その先端部14a、15aが下基板1の継ぎ電極6及び7と導電性接着剤を介して接続され、導通がとられている。
【0007】
上記構造を成すタッチパネル20の各構成要素部品は次のようになっている。下基板1を構成する下透明基板2は、透明なソーダガラス、石英ガラス、アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、普通板ガラス等が使用でき、反り等が起きない程度の厚さのものが使われる。多くは0.7〜1.1mmのものが選択される。ここでの下透明基板2は厚みが1.1mmのソーダガラスを使用している。上基板11を構成する上透明基板12は可撓性を必要とするところなので透明な薄板ガラスや透明なプラスチックフイルムが用いられるが、ここでは耐熱性や衝撃性にも強く、且つ可撓性を有する0.2mm厚みのホウケイ酸ガラスからなるマイクロガラス(マイクロシートガラス)を使っている。
【0008】
下基板1を構成する下透明電極3及び上基板11を構成する上透明電極13は錫をドープした酸化インジウムのITO(Indium Tin Oxide)膜で、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、印刷法等で形成する。この下透明電極3及び上透明電極13は高抵抗値であることが求められるため250〜500オングストロームの範囲で非常に薄く形成する。このITO膜は、基板全面に形成したものをフォトリソグラフィにより不要部分を除去し、必要な部分を残して形成する。
【0009】
下基板1を構成する導電電極4、5、継ぎ電極6、7、及び上基板11を構成する導電電極14、15は、上下の透明電極13、3に電圧印加するために設けるもので、銀粉や黒鉛粉等の高導電性金属粉を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷等の印刷方法で形成する。タッチパネルの性能上、これらの電極の抵抗値が低ければ低いほど良いものであり、一般に、透明電極のシート抵抗値に対してこれらの電極のシート抵抗値は100分の1以下であることが必要とされている。そこで、これらの電極の印刷の厚さを増したり、幅を広くしたりして抵抗値を小さく押さえる設計がなされている。
【0010】
下基板1を構成するドットスペーサ8は、押圧を解除したときに上下の透明電極同士が離れ易くするために設けるもので、絶縁性を有する透明なアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、その他の透明な樹脂材料をスクリーン印刷等の方法でドットマトリックス状に一定間隔に形成し、その後、熱または紫外線で硬化処理を施して形成する。このドットスペーサ8は目に見えない大きさであることが求められることから、直径30〜50μm、高さは4〜5μm、ドット間隔は1〜8mmの範囲で設計される。
【0011】
シール材17は、スペーサボールを分散させた熱硬化性のエポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等をスクリーン印刷等の方法で印刷して形成する。ここで使われるスペーサボールは上基板11と下基板1との隙間を一定隙間に保持するために設けるもので、所定の大きさの絶縁性のあるプラスチックボールやファイバーガラス等が利用される。このプラスチックボールやファイバーガラスの大きさは、上基板11の透明絶縁基板12の材質や厚さによって異なるが、0.2mmのマイクロガラスを使用した場合は概ね8〜10μm位の径のものが選択される。このシール材17は上基板11または下基板1の何れか一方に印刷した後、上基板11と下基板1とを位置を合わせて貼合わせ、加圧の下で加熱処理を施して硬化させ、接着固定を行っている。また、このシール材17は上基板11と下基板1を固定する役目と共に内部に水分やゴミ等の進入を防止するシールの役目も持っている
【0012】
図11はペンで上基板11を押圧したときの押圧状態を示した模式図である。上記構成を取るタッチパネル20の上基板11を構成する可撓性のある上透明基板12をペン101で図中入力点Pで示した位置を押圧すると、上透明基板12が撓んで上透明電極13が下透明電極3に接触し、その接触位置で電気的導通が行われる。
【0013】
図12は座標入力の原理を説明する説明図を示している。X11はX軸の座標読取りパネルで、透明電極T11とその対向する二辺に設けられた一対の導電電極D11とからなっており、上記で述べた上透明電極13と導電電極14、15に相当するものである。また、Y1はY軸の座標読取りパネルで、透明電極T1とその対向する二辺に設けられた一対の導電電極D1とからなっており、上記で述べた下透明電極3と導電電極4、5に相当するものである。31はアナログスイッチ、32は定電圧電源、33はA/Dコンバータ、34はCPU、35はA/DコンバータとCPUからなる位置座標検出回路である。
【0014】
X軸の座標読取りパネルX11に定電圧電源32を介して電圧を印加した状態で、ペン101で入力点Pの位置(X軸の座標読取りパネルX11では接触点P11の位置、Y軸の座標読取りパネルY1では接触点P1の位置に当たる)を押圧すると、X軸の座標読取りパネルX11における接触点P11の電圧が対面する透明電極T11、T1との接触点P1でY軸の座標読取りパネルY1側に分圧して流れる。この分圧した電圧を検出することによって接触点P1、即ちPのY軸座標が算出される。次に、アナログスイッチ31を切り替えてY軸の座標読取りパネルY1に電圧を印加すると、接触点P1の電圧が接触点P11でX軸の座標読取りパネルX11側に分圧して流れる。この分圧した電圧を検出することによって接触点P11、即ちPのX軸座標が算出される。この検出した電圧量をA/Dコンバータ33、CPU34からなる位置座標検出回路35で入力点PのX軸、Y軸の位置座標が算出される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成を取るタッチパネルでの文字や図形などの手書き入力は上下に対面する透明電極同士を接触させてを行う。入力点(上記した入力点Pの位置)が移動すれば速やかにその位置における上下の透明電極同士の接触が解除されなければならない。この上下の透明電極同士の接触状態を速やかに解除させるためにドットスペーサ8を下基板1の下透明電極3の面上にマトリックス状に設けている。
【0016】
このドットスペーサ8は、前述したように、通常、直径30〜50μm、高さ(厚み)4〜5μm、ドットのピッチ間隔1〜8mmの範囲の設計値で、スクリーン印刷などで形成している。これは、上透明基板12に0.2mm厚のマイクロガラスを使った場合の設計値で、プラスチックシート、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)シートなどを使用した場合には、高さは多少大きい設計値を取っている。
【0017】
ドットスペーサ8は絶縁性を有する透明な樹脂で形成しているためその部分の上下の透明電極13、3同士は接触しない。このため、文字や図形の連続線においてその部分が途切れてしまう。この途切れ部分をなくすために、通常ソフトのプログラム上で補正を行う方法が取られていて、連続線になるようにしている。しかしながら、ドットスペーサ8の上述した直径、高さの寸法値の下では次のような問題を有していた。
【0018】
図13は、従来のドットスペーサの寸法値の下でフリーに描いた直線の得られた描画の一部分を示す直線図を示したものである。上透明基板12は0.2mm厚みのホウケイ酸ガラスを用い、上下基板11、1の隙間は8μmに設定し、ドットスペーサ8は直径40±5μm、高さ4〜5μm、ドットのピッチ間隔5mmに形成したものである。図より、この直線40は周期的に大きな凸部40a、40b、40cが現れていて、波をうっている線に描かれている。この凸部が描かれた部分は丁度ペン101がドットスペーサ8の真上を走った部分になっていて、ドットスペーサの大きさによって描いた直線通りの線が現れない。文字入力した場合も同様で、描いた通りの描画が得られない。場合によっては誤った出力情報が得られることにもなる。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解する目的で成されたものである。そして、その解決する手段として、本発明の請求項1に係る発明は、可撓性と絶縁性を有する上透明基板の下面に方形の上透明電極と該上透明電極の対向する二辺に接続した一対の導電電極とを設けた上基板と、絶縁性を有する下透明基板の上面に方形の下透明電極と該下透明電極の対向する二辺に接続した一対の導電電極と該下透明電極上に複数のドットスペーサとを設けた下基板、とを一定の隙間を設けて対向して配置してシール材を介して前記上下基板の外周域を周回してシールしたタッチパネルにおいて、前記ドットスペーサは、外径の大きさが5〜30μmであることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記ドットスペーサは、高さが1〜4μmであることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1は本発明のタッチパネルの要部断面図、図2は図1におけるG部の拡大図、図3は図2におけるドットスペーサの形成方法を示す工程図、図4は本発明のタッチパネルで描いた直線図形画、図5は比較例としての従来のタッチパネルで描いた直線図形画、図6はドットスペーサの寸法を変えた時におけるタッチパネルの直線性と書き味の評価表を示している。尚、従来例と同じ構成部品は同一付号を付している。
【0022】
図1より、本発明のタッチパネルは、従来例と対比して、ドットスペーサのみが異なる。ドットスペーサ以外の構成部品や構造は全て従来例と同じである。従って、ドットスペーサを58、このドットスペーサ58を形成した下基板を51、そして、この下基板51と上基板11とを接合したタッチパネルを50と符合して説明する。
【0023】
図2は図1におけるG部を拡大して示したものである。本実施形態におけるドットスペーサ58は、透明な絶縁性の紫外線硬化型のアクリル樹脂、より好ましくはポリイミド系樹脂で従来例と同じようにマトリックス状に5mmピッチ間隔に形成している。また、このドットスペーサ58は直径mが20±5μm、高さhが3〜4μmの範囲で形成している。本発明において、ドットスペーサ58の材質としてポリイミド系樹脂が適していることの理由は、ドットスペーサを従来技術との比較で外径、高さ共小さく形成するため、ドットスペーサとしての機能と耐久性とを劣化させないために、より硬いポリイミド系樹脂が好ましい訳である。
【0024】
このドットスペーサ58は直径が非常に小さいために従来のスクリーン印刷方法では形成できない。従って、図3に示すような製造方法を取る。最初に、ガラスからなる下透明基板2上に形成した下透明電極3の上面に紫外線硬化型のアクリル樹脂塗膜58Aをスクリーン印刷方法で形成する。厚みは3〜4μmである。次に、紫外線を透光する部分と遮断する部分を設けた、厚み20μm程度のフィルム59を樹脂塗膜58Aの上側に配置し、紫外線を照射する。紫外線の透光する部分は、丁度ドットスペーサ58を形成する部分に当たるので、ドットスペーサ58のピッチ間隔でマトリックス状にドットスペーサの大きさと同じ大きさの寸法で形成している。樹脂塗膜58Aで紫外線が照射された部分、即ち、ドットスペーサ58となる部分の樹脂は硬化する。紫外線が当たらない部分の樹脂塗膜58Aは柔らかい状態のままにある。次に、柔らかい状態にある部分の樹脂塗膜58Aを溶剤で溶かして除去する。このようにすることによって、硬化したドットスペーサ58が下透明電極3上に残る。
【0025】
図4は、本実施形態のドットスペーサを設けたタッチパネルを使って、フリーに直線的な図形を描いた図形画である。尚、上透明基板2は、従来例と同様に、0.2mm厚のホウケイ酸ガラスを使用し、上下基板11、51の隙間は8μmに設定している。また、比較例として、従来の設計寸法としていた直径40±5μm、高さ4〜5μmの大きさのドットスペーサを設けたタッチパネルを使って、フリーに直線的な図形を描いた図形画を図5に示す。尚、図4、図5は何れも同じ倍率で表示したものである。図5で描かれている多くの直線は、一見して、周期的に凹凸が現れていて波をうった線になっている。とても直線とは云え難い。これに対して、図4に描かれている直線は、部分的には小さい凹凸は有るものの周期的な凹凸はさほど見受けられず、一見して、直線に近いものとして感じ取ることができる。この両者の図形画から、ドットスペーサの大きさを小さくすることによって周期的な凹凸をなくし、描いた直線に近い直線の描画が得られることが解る。
【0026】
次に、図6に示すものは、ドットスペーサ58の直径(m)と高さ(h)を色々変えたタッチパネルを作り、フリーな直線を描いてのその直線性や書き味などを評価した評価表である。ここで、直線性とは凹凸の大きさなどを含めて描いた直線通りの描画が得られるか否かの評価で、書く味とはペンを上透明基板を押圧しながらなぞった時のペンの滑らかな走り具合とかドットスペーサに当たったときの引っ掛かり具合や突き上がり具合などの感触による評価である。何れも社内規格の下で評価している。尚、上透明基板12は0.2mm厚のホウケイ酸ガラスを使用しており、上下基板11、51の隙間は8μmに設定している。
【0027】
ドットスペーサ58の大きさが、直径(m)40±5μm、高さ(h)4〜5μmのものは、前述した図5に示す図形画のものが得られ、大きい凹凸が周期的に現れて波を打った線に描画される。一見して直線には見えず、直線性の評価としては×である。書き味は、ドットスペーサの部分にペンが当たると引っ掛かりはしないものの山をなでるような突き上がりを感じ、感触としては余り良い感じがしない。評価としては、悪くはないが好ましいと云う状態ではないので△の評価。次に、直径(m)30±5μm、高さ(h)3〜4μmのものは、直線性の評価は、周期的に凹凸は現れるもののその凹凸は小さく、一応直線性が現れたものになっていて使用できる範囲にあると云うことで○の評価。書き味は、ドットスペーサに当たる部分において多少山をなでる感触を受けるが比較的ペンの走りもスムーズに行き、問題なく使用できる範囲のものとして○の評価である。次に、直径(m)20±5μm、高さ(h)3〜4μmのものは、これは図4に示す図形画のものが得られ、部分的に小さい凹凸は有るが描いた直線に近い線が現れていることから◎の評価である。書き味は、直径(m)30±5μm、高さ(h)3〜4μmのものより僅かに良い程度の感触で、○の評価である。次に、直径(m)10±5μm、高さ(h)2〜3μmのものは、直線性の評価は殆ど凹凸のない描いた直線通りの線が現れることから◎の評価。また、書き味は、ドットスペーサとの当たりも感じない程で、ペンの走りも非常に滑らかであることから◎の評価である。
【0028】
以上の結果から、ドットスペーサ58の直径(m)は30μmが上限の範囲と認定された。また、下限の範囲はかなり小さいところまで許容できるが、上記した製造方法では5μmの大きさが限度であることから、直径(m)は5〜30μmの範囲が許容範囲と設定するものである。また、高さ(h)は4μmが上限の範囲と認定された。また、下限の範囲は印刷方法で形成することから1μmが限度で、このことから、高さ(h)は1〜4μmの範囲が許容範囲と設定するものである。
【0029】
ドットスペーサ58のピッチ間隔pはペンの曲率半径より大きく設定する必要がある。本実施の形態では5mmのピッチ間隔を取っている。これは、上透明基板12に0.2mm厚のガラスを用いていることも考慮している。ピッチ間隔を狭く設定するとペンの押圧力を強くしなければならない。ペン書きの平均筆圧は個人差があるが、100〜200gが多い、しかし、最近の携帯端末用途のものは更に低い筆圧のものが求められている。上透明基板の材質や板厚、求められる筆圧などを考慮して適宜にピッチ間隔を設定するのが好ましい。
【0030】
以上のことから、ドットスペーサの直径を5〜30μm、高さ(厚み)を1〜4μに設定することによって、描いた文字や図形通りの、或いは、それに非常に近い文字や図形の描画を得ることができる。尚、本実施の形態では上透明基板12に0.2mm厚のガラスを用いた。更に薄いガラスを用いると、例えば0.1mm厚位のガラスを用いると、可撓性が増すことからドットスペーサ58と下透明電極3との境目部分などはより決め細かく上下の透明電極13、3同士を接触させることができ、描いた線通りのはっきりとした描画を得ることができる。
【0031】
本発明のドットスペーサの形成方法の別の実施形態として、液晶セルで用いられているポストスペーサ技術、いわゆるフォトリソグラフィを用いることもできる。原理的には前述の紫外線照射法と同様なので図は省略する。図3に示すガラスからなる下透明基板2上に形成した下透明電極3の上面に感光性樹脂、例えばネガ型のアクリル樹脂の被膜を形成する。その際、スピンコート方式を用いると、感光性樹脂被膜が1〜4μmの範囲の、所望の厚さに精度良く形成される。
【0032】
次に、感光性樹脂膜にフォトマスクを介して紫外線を照射する。この場合も、ネガ型レジストを使用し、ドットスペーサとして残す部分にUV光を照射する。フォトマスクとしては、厚みが100〜200μmの透明なPET樹脂若しくはガラス板の下面に、2〜5μmの厚みの黒色の遮光被膜を乳剤等で形成し、ドットスペーサに対応するサイズ及びピッチで遮光被膜を除去してフォトマスクとして用いる。
【0033】
次に、紫外線露光後の現像工程で現像液により未露光部を除去する。現像液は有機もしくは無機のアルカリ水溶液を用いる。最後にガラス基板を200℃を超える温度で焼成し、残留溶媒や現像液を蒸発させる。焼成温度が高すぎると透明電極の特性が変化するなどの問題が発生するので、200〜300℃程度が望ましい。
【0034】
このようにフォトリソグラフィの手法を用いることで、レジスト膜とフォトマスクの遮光被膜面とを密着させて露光することが可能になり、ドットスペーサの外形形状及び寸法と、高さとを正確に形成することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したことより、ドットスペーサの直径を5〜30μm、高さ(厚み)を1〜4μに設定することによって、描いた文字や図形通りの、或いは、それに非常に近い文字や図形の描画が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタッチパネルの要部断面図である。
【図2】図1におけるG部の拡大図である。
【図3】図2におけるドットスペーサの形成方法を示す工程図である。
【図4】本発明のタッチパネルで描いた直線図形図である。
【図5】比較例として、従来のタッチパネルで描いた直線図形図である。
【図6】ドットスペーサの寸法を変えたときにおけるタッチパネルの直線性と書き味の評価表である。
【図7】従来技術におけるタッチパネルの平面図である。
【図8】図7におけるE−E断面図である。
【図9】図8における下基板の平面図である。
【図10】図8における上基板の平面図である。
【図11】ペンで上基板を押圧したときの押圧状態を示した模式図である。
【図12】座標入力の原理を説明する説明図である。
【図13】従来のドットスペーサの寸法値の下でフリーに描いた直線の得られた描画の一部分を示す直線図である。
【符号の説明】
1、51 下基板
2 下透明基板
3 下透明電極
4、5、14、15 導電電極
6、7 継ぎ電極
8、58 ドットスペーサ
9 FPC
11 上基板
12 上透明基板
13 上透明電極
20、50 タッチパネル
31 アナログスイッチ
32 定電圧電源
33 A/Dコンバータ
34 CPU
35 位置座標検出回路
40 直線
X11 X軸の座標読取りパネル
T11、T1 透明電極
D11、D1 導電電極
Y1 Y軸の座標読取りパネル
P 入力点
101 ペン
【発明の属する技術分野】
本発明は、手書き文字や図形などを入力する文字入力装置に関し、特に、電子手帳、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどにおいて使用される文字入力装置に係わるタッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子手帳、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータなどの手書き文字入力装置にアナログ型の透明タッチパネルが使われる。このアナログ型タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置の前面に配設されて使用され、方形の透明電極とそれに接続する導電電極を形成した一対の透明絶縁基板を対向して配置し、ペンや指で押圧して押圧位置座標をアナログ/デジタル(A/D)変換器で検出する。A/D変換の能力により高分解能が得られるため文字や図形入力に主流として使われている。
【0003】
このアナログ型透明タッチパネルの従来の一般的な構成を、以下、図7〜10を用いて説明する。図7は従来技術におけるタッチパネルの平面図、図8は図7におけるE−E断面図、図9は図8における下基板の平面図、図10は図8における上基板の平面図、を示したものである。
【0004】
図7、図8、図9、図10に示すように、従来例のタッチパネル20は形状が方形をなす下基板1と可撓性を有する上基板11とを主構成部品にして構成される。下基板1は、板厚が1.1mmの透明な方形のガラスからなる下透明基板2と、この下透明基板2の上面に方形形状に形成された下透明電極3と、この下透明電極3の図中上下の対向する両辺に沿って接続形成されて下透明基板2の図中下側の延設部にある点線枠で囲ったFPC取付部Sにまで引き回した一対の導電電極4及び5と、FPC取付部S近辺に形成された継ぎ電極6、7と、下透明電極3上にマトリックス状に配置したドットスペーサ8とで構成されている。尚、上記継ぎ電極6、7は、後述する上基板11の導電電極14、15に導通接続を行うためにFPC取付部S近辺に設けられている。
【0005】
上基板11は、板厚が0.2mmの可撓性のある透明な方形のマイクロガラス(マイクロシートガラス)からなる上透明基板12と、この上透明基板12の下面に方形形状に形成されている上透明電極13と、この上透明電極13の図中左右の対向する両辺に沿って接続形成されてFPC取付部S方向に向かって引き回された一対の導電電極14、15とで構成されている。
【0006】
そして、上下基板11、1の導電電極14、15及び4、5が方形配置となるように対向配置し、上下基板11、1とに8〜10μm位の隙間を持たせてシール材17で上下基板11、1とを接着して固定すると共に、上下基板11、1の外周域を周回してシールしている。更に、上基板11の導電電極14及び15は、接続部B及びAの場所において、その先端部14a、15aが下基板1の継ぎ電極6及び7と導電性接着剤を介して接続され、導通がとられている。
【0007】
上記構造を成すタッチパネル20の各構成要素部品は次のようになっている。下基板1を構成する下透明基板2は、透明なソーダガラス、石英ガラス、アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、普通板ガラス等が使用でき、反り等が起きない程度の厚さのものが使われる。多くは0.7〜1.1mmのものが選択される。ここでの下透明基板2は厚みが1.1mmのソーダガラスを使用している。上基板11を構成する上透明基板12は可撓性を必要とするところなので透明な薄板ガラスや透明なプラスチックフイルムが用いられるが、ここでは耐熱性や衝撃性にも強く、且つ可撓性を有する0.2mm厚みのホウケイ酸ガラスからなるマイクロガラス(マイクロシートガラス)を使っている。
【0008】
下基板1を構成する下透明電極3及び上基板11を構成する上透明電極13は錫をドープした酸化インジウムのITO(Indium Tin Oxide)膜で、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、印刷法等で形成する。この下透明電極3及び上透明電極13は高抵抗値であることが求められるため250〜500オングストロームの範囲で非常に薄く形成する。このITO膜は、基板全面に形成したものをフォトリソグラフィにより不要部分を除去し、必要な部分を残して形成する。
【0009】
下基板1を構成する導電電極4、5、継ぎ電極6、7、及び上基板11を構成する導電電極14、15は、上下の透明電極13、3に電圧印加するために設けるもので、銀粉や黒鉛粉等の高導電性金属粉を熱硬化性のエポキシ樹脂等に混ぜ合わせてインク化したものをスクリーン印刷等の印刷方法で形成する。タッチパネルの性能上、これらの電極の抵抗値が低ければ低いほど良いものであり、一般に、透明電極のシート抵抗値に対してこれらの電極のシート抵抗値は100分の1以下であることが必要とされている。そこで、これらの電極の印刷の厚さを増したり、幅を広くしたりして抵抗値を小さく押さえる設計がなされている。
【0010】
下基板1を構成するドットスペーサ8は、押圧を解除したときに上下の透明電極同士が離れ易くするために設けるもので、絶縁性を有する透明なアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、その他の透明な樹脂材料をスクリーン印刷等の方法でドットマトリックス状に一定間隔に形成し、その後、熱または紫外線で硬化処理を施して形成する。このドットスペーサ8は目に見えない大きさであることが求められることから、直径30〜50μm、高さは4〜5μm、ドット間隔は1〜8mmの範囲で設計される。
【0011】
シール材17は、スペーサボールを分散させた熱硬化性のエポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等をスクリーン印刷等の方法で印刷して形成する。ここで使われるスペーサボールは上基板11と下基板1との隙間を一定隙間に保持するために設けるもので、所定の大きさの絶縁性のあるプラスチックボールやファイバーガラス等が利用される。このプラスチックボールやファイバーガラスの大きさは、上基板11の透明絶縁基板12の材質や厚さによって異なるが、0.2mmのマイクロガラスを使用した場合は概ね8〜10μm位の径のものが選択される。このシール材17は上基板11または下基板1の何れか一方に印刷した後、上基板11と下基板1とを位置を合わせて貼合わせ、加圧の下で加熱処理を施して硬化させ、接着固定を行っている。また、このシール材17は上基板11と下基板1を固定する役目と共に内部に水分やゴミ等の進入を防止するシールの役目も持っている
【0012】
図11はペンで上基板11を押圧したときの押圧状態を示した模式図である。上記構成を取るタッチパネル20の上基板11を構成する可撓性のある上透明基板12をペン101で図中入力点Pで示した位置を押圧すると、上透明基板12が撓んで上透明電極13が下透明電極3に接触し、その接触位置で電気的導通が行われる。
【0013】
図12は座標入力の原理を説明する説明図を示している。X11はX軸の座標読取りパネルで、透明電極T11とその対向する二辺に設けられた一対の導電電極D11とからなっており、上記で述べた上透明電極13と導電電極14、15に相当するものである。また、Y1はY軸の座標読取りパネルで、透明電極T1とその対向する二辺に設けられた一対の導電電極D1とからなっており、上記で述べた下透明電極3と導電電極4、5に相当するものである。31はアナログスイッチ、32は定電圧電源、33はA/Dコンバータ、34はCPU、35はA/DコンバータとCPUからなる位置座標検出回路である。
【0014】
X軸の座標読取りパネルX11に定電圧電源32を介して電圧を印加した状態で、ペン101で入力点Pの位置(X軸の座標読取りパネルX11では接触点P11の位置、Y軸の座標読取りパネルY1では接触点P1の位置に当たる)を押圧すると、X軸の座標読取りパネルX11における接触点P11の電圧が対面する透明電極T11、T1との接触点P1でY軸の座標読取りパネルY1側に分圧して流れる。この分圧した電圧を検出することによって接触点P1、即ちPのY軸座標が算出される。次に、アナログスイッチ31を切り替えてY軸の座標読取りパネルY1に電圧を印加すると、接触点P1の電圧が接触点P11でX軸の座標読取りパネルX11側に分圧して流れる。この分圧した電圧を検出することによって接触点P11、即ちPのX軸座標が算出される。この検出した電圧量をA/Dコンバータ33、CPU34からなる位置座標検出回路35で入力点PのX軸、Y軸の位置座標が算出される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成を取るタッチパネルでの文字や図形などの手書き入力は上下に対面する透明電極同士を接触させてを行う。入力点(上記した入力点Pの位置)が移動すれば速やかにその位置における上下の透明電極同士の接触が解除されなければならない。この上下の透明電極同士の接触状態を速やかに解除させるためにドットスペーサ8を下基板1の下透明電極3の面上にマトリックス状に設けている。
【0016】
このドットスペーサ8は、前述したように、通常、直径30〜50μm、高さ(厚み)4〜5μm、ドットのピッチ間隔1〜8mmの範囲の設計値で、スクリーン印刷などで形成している。これは、上透明基板12に0.2mm厚のマイクロガラスを使った場合の設計値で、プラスチックシート、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)シートなどを使用した場合には、高さは多少大きい設計値を取っている。
【0017】
ドットスペーサ8は絶縁性を有する透明な樹脂で形成しているためその部分の上下の透明電極13、3同士は接触しない。このため、文字や図形の連続線においてその部分が途切れてしまう。この途切れ部分をなくすために、通常ソフトのプログラム上で補正を行う方法が取られていて、連続線になるようにしている。しかしながら、ドットスペーサ8の上述した直径、高さの寸法値の下では次のような問題を有していた。
【0018】
図13は、従来のドットスペーサの寸法値の下でフリーに描いた直線の得られた描画の一部分を示す直線図を示したものである。上透明基板12は0.2mm厚みのホウケイ酸ガラスを用い、上下基板11、1の隙間は8μmに設定し、ドットスペーサ8は直径40±5μm、高さ4〜5μm、ドットのピッチ間隔5mmに形成したものである。図より、この直線40は周期的に大きな凸部40a、40b、40cが現れていて、波をうっている線に描かれている。この凸部が描かれた部分は丁度ペン101がドットスペーサ8の真上を走った部分になっていて、ドットスペーサの大きさによって描いた直線通りの線が現れない。文字入力した場合も同様で、描いた通りの描画が得られない。場合によっては誤った出力情報が得られることにもなる。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解する目的で成されたものである。そして、その解決する手段として、本発明の請求項1に係る発明は、可撓性と絶縁性を有する上透明基板の下面に方形の上透明電極と該上透明電極の対向する二辺に接続した一対の導電電極とを設けた上基板と、絶縁性を有する下透明基板の上面に方形の下透明電極と該下透明電極の対向する二辺に接続した一対の導電電極と該下透明電極上に複数のドットスペーサとを設けた下基板、とを一定の隙間を設けて対向して配置してシール材を介して前記上下基板の外周域を周回してシールしたタッチパネルにおいて、前記ドットスペーサは、外径の大きさが5〜30μmであることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記ドットスペーサは、高さが1〜4μmであることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1は本発明のタッチパネルの要部断面図、図2は図1におけるG部の拡大図、図3は図2におけるドットスペーサの形成方法を示す工程図、図4は本発明のタッチパネルで描いた直線図形画、図5は比較例としての従来のタッチパネルで描いた直線図形画、図6はドットスペーサの寸法を変えた時におけるタッチパネルの直線性と書き味の評価表を示している。尚、従来例と同じ構成部品は同一付号を付している。
【0022】
図1より、本発明のタッチパネルは、従来例と対比して、ドットスペーサのみが異なる。ドットスペーサ以外の構成部品や構造は全て従来例と同じである。従って、ドットスペーサを58、このドットスペーサ58を形成した下基板を51、そして、この下基板51と上基板11とを接合したタッチパネルを50と符合して説明する。
【0023】
図2は図1におけるG部を拡大して示したものである。本実施形態におけるドットスペーサ58は、透明な絶縁性の紫外線硬化型のアクリル樹脂、より好ましくはポリイミド系樹脂で従来例と同じようにマトリックス状に5mmピッチ間隔に形成している。また、このドットスペーサ58は直径mが20±5μm、高さhが3〜4μmの範囲で形成している。本発明において、ドットスペーサ58の材質としてポリイミド系樹脂が適していることの理由は、ドットスペーサを従来技術との比較で外径、高さ共小さく形成するため、ドットスペーサとしての機能と耐久性とを劣化させないために、より硬いポリイミド系樹脂が好ましい訳である。
【0024】
このドットスペーサ58は直径が非常に小さいために従来のスクリーン印刷方法では形成できない。従って、図3に示すような製造方法を取る。最初に、ガラスからなる下透明基板2上に形成した下透明電極3の上面に紫外線硬化型のアクリル樹脂塗膜58Aをスクリーン印刷方法で形成する。厚みは3〜4μmである。次に、紫外線を透光する部分と遮断する部分を設けた、厚み20μm程度のフィルム59を樹脂塗膜58Aの上側に配置し、紫外線を照射する。紫外線の透光する部分は、丁度ドットスペーサ58を形成する部分に当たるので、ドットスペーサ58のピッチ間隔でマトリックス状にドットスペーサの大きさと同じ大きさの寸法で形成している。樹脂塗膜58Aで紫外線が照射された部分、即ち、ドットスペーサ58となる部分の樹脂は硬化する。紫外線が当たらない部分の樹脂塗膜58Aは柔らかい状態のままにある。次に、柔らかい状態にある部分の樹脂塗膜58Aを溶剤で溶かして除去する。このようにすることによって、硬化したドットスペーサ58が下透明電極3上に残る。
【0025】
図4は、本実施形態のドットスペーサを設けたタッチパネルを使って、フリーに直線的な図形を描いた図形画である。尚、上透明基板2は、従来例と同様に、0.2mm厚のホウケイ酸ガラスを使用し、上下基板11、51の隙間は8μmに設定している。また、比較例として、従来の設計寸法としていた直径40±5μm、高さ4〜5μmの大きさのドットスペーサを設けたタッチパネルを使って、フリーに直線的な図形を描いた図形画を図5に示す。尚、図4、図5は何れも同じ倍率で表示したものである。図5で描かれている多くの直線は、一見して、周期的に凹凸が現れていて波をうった線になっている。とても直線とは云え難い。これに対して、図4に描かれている直線は、部分的には小さい凹凸は有るものの周期的な凹凸はさほど見受けられず、一見して、直線に近いものとして感じ取ることができる。この両者の図形画から、ドットスペーサの大きさを小さくすることによって周期的な凹凸をなくし、描いた直線に近い直線の描画が得られることが解る。
【0026】
次に、図6に示すものは、ドットスペーサ58の直径(m)と高さ(h)を色々変えたタッチパネルを作り、フリーな直線を描いてのその直線性や書き味などを評価した評価表である。ここで、直線性とは凹凸の大きさなどを含めて描いた直線通りの描画が得られるか否かの評価で、書く味とはペンを上透明基板を押圧しながらなぞった時のペンの滑らかな走り具合とかドットスペーサに当たったときの引っ掛かり具合や突き上がり具合などの感触による評価である。何れも社内規格の下で評価している。尚、上透明基板12は0.2mm厚のホウケイ酸ガラスを使用しており、上下基板11、51の隙間は8μmに設定している。
【0027】
ドットスペーサ58の大きさが、直径(m)40±5μm、高さ(h)4〜5μmのものは、前述した図5に示す図形画のものが得られ、大きい凹凸が周期的に現れて波を打った線に描画される。一見して直線には見えず、直線性の評価としては×である。書き味は、ドットスペーサの部分にペンが当たると引っ掛かりはしないものの山をなでるような突き上がりを感じ、感触としては余り良い感じがしない。評価としては、悪くはないが好ましいと云う状態ではないので△の評価。次に、直径(m)30±5μm、高さ(h)3〜4μmのものは、直線性の評価は、周期的に凹凸は現れるもののその凹凸は小さく、一応直線性が現れたものになっていて使用できる範囲にあると云うことで○の評価。書き味は、ドットスペーサに当たる部分において多少山をなでる感触を受けるが比較的ペンの走りもスムーズに行き、問題なく使用できる範囲のものとして○の評価である。次に、直径(m)20±5μm、高さ(h)3〜4μmのものは、これは図4に示す図形画のものが得られ、部分的に小さい凹凸は有るが描いた直線に近い線が現れていることから◎の評価である。書き味は、直径(m)30±5μm、高さ(h)3〜4μmのものより僅かに良い程度の感触で、○の評価である。次に、直径(m)10±5μm、高さ(h)2〜3μmのものは、直線性の評価は殆ど凹凸のない描いた直線通りの線が現れることから◎の評価。また、書き味は、ドットスペーサとの当たりも感じない程で、ペンの走りも非常に滑らかであることから◎の評価である。
【0028】
以上の結果から、ドットスペーサ58の直径(m)は30μmが上限の範囲と認定された。また、下限の範囲はかなり小さいところまで許容できるが、上記した製造方法では5μmの大きさが限度であることから、直径(m)は5〜30μmの範囲が許容範囲と設定するものである。また、高さ(h)は4μmが上限の範囲と認定された。また、下限の範囲は印刷方法で形成することから1μmが限度で、このことから、高さ(h)は1〜4μmの範囲が許容範囲と設定するものである。
【0029】
ドットスペーサ58のピッチ間隔pはペンの曲率半径より大きく設定する必要がある。本実施の形態では5mmのピッチ間隔を取っている。これは、上透明基板12に0.2mm厚のガラスを用いていることも考慮している。ピッチ間隔を狭く設定するとペンの押圧力を強くしなければならない。ペン書きの平均筆圧は個人差があるが、100〜200gが多い、しかし、最近の携帯端末用途のものは更に低い筆圧のものが求められている。上透明基板の材質や板厚、求められる筆圧などを考慮して適宜にピッチ間隔を設定するのが好ましい。
【0030】
以上のことから、ドットスペーサの直径を5〜30μm、高さ(厚み)を1〜4μに設定することによって、描いた文字や図形通りの、或いは、それに非常に近い文字や図形の描画を得ることができる。尚、本実施の形態では上透明基板12に0.2mm厚のガラスを用いた。更に薄いガラスを用いると、例えば0.1mm厚位のガラスを用いると、可撓性が増すことからドットスペーサ58と下透明電極3との境目部分などはより決め細かく上下の透明電極13、3同士を接触させることができ、描いた線通りのはっきりとした描画を得ることができる。
【0031】
本発明のドットスペーサの形成方法の別の実施形態として、液晶セルで用いられているポストスペーサ技術、いわゆるフォトリソグラフィを用いることもできる。原理的には前述の紫外線照射法と同様なので図は省略する。図3に示すガラスからなる下透明基板2上に形成した下透明電極3の上面に感光性樹脂、例えばネガ型のアクリル樹脂の被膜を形成する。その際、スピンコート方式を用いると、感光性樹脂被膜が1〜4μmの範囲の、所望の厚さに精度良く形成される。
【0032】
次に、感光性樹脂膜にフォトマスクを介して紫外線を照射する。この場合も、ネガ型レジストを使用し、ドットスペーサとして残す部分にUV光を照射する。フォトマスクとしては、厚みが100〜200μmの透明なPET樹脂若しくはガラス板の下面に、2〜5μmの厚みの黒色の遮光被膜を乳剤等で形成し、ドットスペーサに対応するサイズ及びピッチで遮光被膜を除去してフォトマスクとして用いる。
【0033】
次に、紫外線露光後の現像工程で現像液により未露光部を除去する。現像液は有機もしくは無機のアルカリ水溶液を用いる。最後にガラス基板を200℃を超える温度で焼成し、残留溶媒や現像液を蒸発させる。焼成温度が高すぎると透明電極の特性が変化するなどの問題が発生するので、200〜300℃程度が望ましい。
【0034】
このようにフォトリソグラフィの手法を用いることで、レジスト膜とフォトマスクの遮光被膜面とを密着させて露光することが可能になり、ドットスペーサの外形形状及び寸法と、高さとを正確に形成することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上詳細に説明したことより、ドットスペーサの直径を5〜30μm、高さ(厚み)を1〜4μに設定することによって、描いた文字や図形通りの、或いは、それに非常に近い文字や図形の描画が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタッチパネルの要部断面図である。
【図2】図1におけるG部の拡大図である。
【図3】図2におけるドットスペーサの形成方法を示す工程図である。
【図4】本発明のタッチパネルで描いた直線図形図である。
【図5】比較例として、従来のタッチパネルで描いた直線図形図である。
【図6】ドットスペーサの寸法を変えたときにおけるタッチパネルの直線性と書き味の評価表である。
【図7】従来技術におけるタッチパネルの平面図である。
【図8】図7におけるE−E断面図である。
【図9】図8における下基板の平面図である。
【図10】図8における上基板の平面図である。
【図11】ペンで上基板を押圧したときの押圧状態を示した模式図である。
【図12】座標入力の原理を説明する説明図である。
【図13】従来のドットスペーサの寸法値の下でフリーに描いた直線の得られた描画の一部分を示す直線図である。
【符号の説明】
1、51 下基板
2 下透明基板
3 下透明電極
4、5、14、15 導電電極
6、7 継ぎ電極
8、58 ドットスペーサ
9 FPC
11 上基板
12 上透明基板
13 上透明電極
20、50 タッチパネル
31 アナログスイッチ
32 定電圧電源
33 A/Dコンバータ
34 CPU
35 位置座標検出回路
40 直線
X11 X軸の座標読取りパネル
T11、T1 透明電極
D11、D1 導電電極
Y1 Y軸の座標読取りパネル
P 入力点
101 ペン
Claims (2)
- 可撓性と絶縁性を有する上透明基板の下面に方形の上透明電極と該上透明電極の対向する二辺に接続した一対の導電電極とを設けた上基板と、絶縁性を有する下透明基板の上面に方形の下透明電極と該下透明電極の対向する二辺に接続した一対の導電電極と該下透明電極上に複数のドットスペーサとを設けた下基板、とを一定の隙間を設けて対向して配置してシール材を介して前記上下基板の外周域を周回してシールしたタッチパネルにおいて、前記ドットスペーサは、外径の大きさが5〜30μmであることを特徴とするタッチパネル。
- 前記ドットスペーサは、高さが1〜4μmであることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
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JP2003177722A JP2005018109A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | タッチパネル |
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Cited By (2)
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KR100805523B1 (ko) | 2006-01-26 | 2008-02-20 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 전기 광학 장치 및 전자 기기 |
JP2011013904A (ja) * | 2009-07-01 | 2011-01-20 | Toshiba Tec Corp | タッチパネル |
-
2003
- 2003-06-23 JP JP2003177722A patent/JP2005018109A/ja active Pending
Cited By (2)
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KR100805523B1 (ko) | 2006-01-26 | 2008-02-20 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 전기 광학 장치 및 전자 기기 |
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