JP2005018108A - 生活空間用の物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う生活空間内に存在する物品を管理するシステムにおいて、ユーザが実行する種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを提示する。
【解決手段】予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに関連する過去イベントの情報を個人スケジュール管理データベース122 から抽出し、その抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を物品/移動体データベース106 から選択して、その選択した物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに関連する過去イベントの情報を個人スケジュール管理データベース122 から抽出し、その抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を物品/移動体データベース106 から選択して、その選択した物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う空間(以下、これらを総称して生活空間という)において物品の管理を行う生活空間用の物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所定の空間における物品の管理を行うシステムとして、産業分野では自動倉庫が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている自動倉庫は、倉庫に保管されている物品の指定を受けて、その指定された物品を出庫させるように構成されている。
【0004】
また、特許文献2に開示されている自動倉庫は、定期的に交換の必要な灯器を保管する自動倉庫であって、その灯器の交換スケジュールを入力を受けて、その灯器の交換日毎に必要な種類の灯器を、必要な数だけ出庫するように構成されている。
【0005】
また、特許文献3には、物品管理方法として、ユーザの行動予定や状況に応じて必要な物品又は不要な物品をリストアップする方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−113315号公報
【特許文献2】
特開平8−234809号公報
【特許文献3】
特開2002−163301号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等においては、各種のイベントが実行される。例えば一般家庭では、お父さんが泊りがけで出張に出かけたり、家族でキャンプに出かけたりするイベントが行われる。こうしたイベントの実行の際にはそのイベントに対応した物品が必要となる。例えば泊りがけの出張では、着替え等が必要となる。また、キャンプでは、テント、簡易テーブルセット、ガスコンロ、寝袋等が必要となる。このため、これからイベントを実行しようとする際には、人はそれに必要な物品をリストアップし、そのリストアップした物品を収集することを行う。
【0008】
ここで、特許文献1,2に開示されている産業用の物品管理システムを上記生活空間に適用することが考えられるかもしれない。
【0009】
ところが、特許文献1に開示された物品管理システムは、出庫させる物品を一つ一つ指定しなければならないため、生活空間に適用させたときでも、イベントに用いる物品を、ユーザが一つ一つ指定しなければならず、ユーザによる物品の指定が煩雑になる。
【0010】
また、特許文献2に開示された物品管理システムは、必要な物品を一つ一つ指定する必要はなく、イベントを指定することによってその実行の際に用いる物品が選択されることになるものの、特許文献2に開示された物品管理システムが対象とするイベントは灯器の交換に限られており、その一つのイベントのみに用いる物品の種類と数とが管理されるに過ぎない。これに対し、生活空間において実行されるイベントは多種多様であり、その各イベントに用いる物品は互いに相違する。このため、特許文献2に開示された物品システムを生活空間に適用させたとしても、ユーザが実行する種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを選択することはできない。
【0011】
一方、特許文献3に開示された物品管理システムは、イベント(行動予定)に必要な物品の標準的なリストを、イベントの実行主体が予め作成しておき、そのリストに基づいてイベントに用いる物品を特定するようにしている。
【0012】
ところが、上述したように、生活空間において実行されるイベントは多種多様であることから、その一つ一つのイベントについて標準的なリストを予め作成することは極めて困難である。また、特許文献3には、その標準的なリストをイベントの実行主体以外の者が作成することも開示されているが、同じイベントを実行するとしても、イベントに用いる物品は各個人で異なることが普通である。そのため、イベントの実行主体以外の者が標準的なリストを作成したとしても、そのイベントの実行主体にとって最適な物品がリストに含まれるとは限らない。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う生活空間内に存在する物品を管理するシステムにおいて、ユーザが実行する種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを特定することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、次のようなシステムが考えられる。つまり、人の生活上、同じイベントが繰り返し行われる場合があることに着目して、これから実行される予定イベントに用いる物品を特定する際に、そのイベントに関連するイベントを予定イベントの実行主体が過去に実行しているときには、その過去のイベントに用いた物品を、予定イベントに用いる物品と特定するのである。こうすることで、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品を特定することが可能になると共に、予定イベントの実行主体に最適な物品を、特定することが可能になる。
【0015】
ところが、イベントの内容によっては、過去のイベントに用いた物品と同じ物品を、予定イベントに用いる物品とすることが、人の一般的な生活行為に照らして好ましくない場合がある。例えばイベント内容が食事に行くことである場合は、過去のイベントに用いた物品を、予定イベントに用いる物品と特定したのでは、過去に食事に行ったときに着用していた衣服と同じ衣服が、今度の食事に行くときに着用する衣服と特定されてしまう。
【0016】
そこで、本発明は、これから実行される予定イベントに用いる物品を、過去に実行された過去イベントの情報を基に特定(選択)するものの、過去イベントに用いた物品とは異なる物品とすることによって、人の一般的な生活行為に適合させることにした。
【0017】
本発明の物品管理システムは、所定の生活空間内に存在する物品の管理を行うシステムである。
【0018】
この物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、を備える。
【0019】
そして、上記物品選択手段は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を上記物品データベースから選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0020】
ここで、IDは物品を特定するものであり、物品一つ一つについて個別のものである。これに対し、属性は、同じ性質を有する個々の物品を包含するグループであり、例えば「ジャケット」「シャツ」「パンツ」等と表される。
【0021】
この構成により、物品選択手段123 は予定イベントに関連する過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を、その予定イベントに用いる物品として選択する。
【0022】
このように、過去イベントに用いた物品の情報を基に物品を選択することで、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを選択することが可能になる。
【0023】
また、予定イベントに用いる物品として選択される物品は、過去イベントに用いた物品と同じではなく、同じ属性を有する異なる物品であるため、物品として必要な機能は確保される一方で、予定イベントに用いる物品は過去イベントに用いた物品とは異ならせたいという、人の一般的な生活行為に適合した物品の選択が実現する。
【0024】
上記物品管理システムは、物品の選択ルールを記憶するルールベースをさらに備え、上記ルールベースは、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択する第1ルールと、過去イベントに用いた物品と同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択する第2ルールとのうちのいずれか一方を、イベント毎に設定して記憶し、上記物品選択手段は、上記ルールベースを参照して、予定イベントに対応して設定されたルールに従って物品データベースから物品を選択してもよい。
【0025】
上記ルールベースは、第2ルールが設定されたイベントについては、その第2ルールが適用される物品の種類を設定して記憶してもよい。
【0026】
上記物品管理システムは、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを検出するセンシング手段をさらに備え、上記物品データベースは、上記センシング手段の検出結果に基づく物品の持出履歴及び持込履歴の情報を蓄積してもよい。
【0027】
上記センシング手段は、それぞれ物品の存在を検出する複数のセンサを、生活空間の出入口に物品の通過方向に並べて配設することにより、その並べて配設したセンサの物品の検出順序によって、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを区別して検出してもよい。
【0028】
上記センシング手段は、物品の持出又は持込を行った物品取扱主体をさらに検出し、上記物品データベースは、上記センシング手段の検出結果に基づいて、持出又は持込された物品とその物品取扱主体とを対応付けて記憶してもよい。
【0029】
上記物品選択手段は、過去イベントに用いた物品を、物品データベースを参照することにより、その物品の物品取扱主体がその過去イベントの実行主体又は共同参加者であることと、その過去イベントの開始時に生活空間から持ち出された物品であることと、その過去イベントの終了時に生活空間に持ち込まれた物品であること、との3つの条件に基づいて特定してもよい。尚、過去イベントの共同参加者の情報は、イベントデータベースに蓄積された過去イベントの情報に含めればよい。
【0030】
上記物品管理システムは、上記物品選択手段が作成した物品リストを提示する提示手段をさらに備えてもよい。
【0031】
また、上記物品管理システムは、作業命令を受けて物品の取り扱い作業を実行する作業ロボットと、物品選択手段が作成した物品リストに含まれる物品を所定の場所に移動させる作業命令を、上記作業ロボットに出力する制御手段と、をさらに備えてもよい。
【0032】
上記イベントデータベースは、ユーザのスケジュールとして予定イベントの情報を蓄積し、上記制御手段は、上記予定イベントの実行前に、その予定イベントについて作成された物品リストに含まれる物品の移動作業を作業ロボットに実行させてもよい。
【0033】
本発明の他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースと、を備え、上記物品選択手段は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、上記ルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記抽出した過去イベントの情報を利用して上記物品データベースから物品を選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0034】
本発明のさらに他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースと、を備え、上記物品選択手段は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品を上記物品データベースから選択して、その選択した物品を含む仮物品リストを作成し、上記ルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行うことにより、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する。
【0035】
本発明の物品管理サーバは、所定の生活空間内に存在する物品の管理を行うサーバである。
【0036】
この物品管理サーバは、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、上記物品選択手段は、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択し、その選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0037】
本発明の他の物品管理サーバは、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、上記物品選択手段は、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントの情報を利用して物品を選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0038】
本発明のさらに他の物品管理サーバは、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、上記物品選択手段は、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品を、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから選択して、その選択した物品を含む仮物品リストを作成し、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行うことによって、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する。
【0039】
本発明の物品管理方法は、所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う方法である。
【0040】
この物品管理方法は、これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択するステップと、上記選択した物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む。
【0041】
本発明の他の物品管理方法は、これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントの情報を利用して物品を選択するステップと、上記選択した物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む。
【0042】
本発明のさらに他の物品管理方法は、これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、上記抽出した過去イベントに用いた物品を、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから選択し、その選択した物品を含む仮物品リストを作成するステップと、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行って、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る物品管理システムは、所定の空間における物品を管理するシステムである。本実施形態では、所定の空間は、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う空間(生活空間)とし、特に本実施形態では、一般家庭のある一つの部屋を、物品管理システムの対象空間(以下これを環境と呼ぶ)とする。
【0044】
本システムは、図1に示すように、環境管理サーバ101 (以下、単にサーバと省略することもある)、作業ロボット102 (以下、単にロボットと省略することもある)、及び操作端末103 の大きく分けて3つのサブシステムから構成される。これら3つのサブシステム101 〜103 は、無線又は有線のネットワークを介して接続されていて、このネットワークを介して情報のやり取りを行うように構成されている。
【0045】
3つのサブシステム101 〜103 はそれぞれ、制御手段110 ,115 ,119 と送受信手段109 とを備えている。各サブシステム101 〜103 の送受信手段109 は処理が同じであるため、同じ符号を付すことにする。
【0046】
ここで、物品とは、人や作業ロボット102 によって取り扱われるものをいう。また、人及び作業ロボット102 は物品の取り扱いを行うものであり、以下、これら総称して移動体と呼ぶ。尚、物品の一つである衣服(ジャケット、シャツ、パンツ等を含む)は、人が着ているときには、人によって取り扱われているとみなす。さらに、物品の取り扱いを行っている移動体を、物品取扱主体と呼ぶ。従って、衣服を着ている人は、その衣服の取り扱いを行っている物品取扱主体となる。
【0047】
−センシング手段の構成−
本システムは、環境内の状況を把握するセンシング手段120 を備え、このセンシング手段120 は、1番目のサブシステムである環境管理サーバ101 に接続されている。
【0048】
上記センシング手段120 は、環境の出入口の状況を検出する出入口センシング手段121 と、環境内の状況を検出する環境内センシング手段122 とから構成されている。
【0049】
(出入口センシング手段)
上記出入口センシング手段121 は、移動体が環境内に物品を持ち込んだこと、及び環境外へ物品を持ち出したことを検出するものである。つまり、出入口センシング手段121 は、物品が物品取扱主体によって出入口を通過されたことを検出する。
【0050】
この出入口センシング手段121 としては、電子タグとリーダライタとからなるものを採用することができる。
【0051】
電子タグとはデータを蓄えるICとデータを無線で送受信するアンテナとから構成されるデバイスであり、リーダライタとは電子タグに書き込まれた情報を読みとったり、電子タグに情報を書き込んだりすることのできる装置である。
【0052】
この電子タグとリーダライタとからなる出入口センシング手段121 は、例えば図2に示すように、環境と外部との出入口である窓51及びドア52の開口部それぞれに、ゲート型のリーダライタ(RFアンテナ)41,42を配設して構成される。
【0053】
また、この出入口を通過する全ての物品には、予め上記電子タグを付す。この電子タグには、その物品に関するデータ、例えば物品の種類、形状、重さ、その物品の画像、製造年月日等のデータを埋め込むのがよい。
【0054】
さらに、この出入口を通過する移動体にも、予め電子タグを付す。人に付す電子タグは、その人が常時携帯するもの(例えば腕時計や指輪等)に埋め込んでもよい。移動体に付す電子タグには、その移動体に関するデータ、例えば人の名前や生年月日等の情報を書き込むのがよい。
【0055】
出入口センシング手段121 をこのように構成することによって、物品及び移動体がこの窓51やドア52を通過するときには、その出入口に設置されたリーダライタ41,42が、物品及び移動体に取り付けられた電子タグからの情報を読み取ることになる。こうして、電子タグからの情報を読み取ることによって、出入口センシング手段121 は、物品及び移動体が出入口を通過したことを検出することができる。
【0056】
また、上記リーダライタを出入口に対して二重に設置するように構成すれば、出入口センシング手段121 は、物品が出入口を通過したことだけではなく、物品が環境内に持ち込まれたのか、環境内から持ち出されたのかを区別して検出することができる。
【0057】
つまり、図3に示すように、第1のリーダライタ43を環境外である、窓やドアの開口部53の外側に設置する一方で、第2のリーダライタ44を環境内である、窓やドアの開口部53の内側に設置するのである。この構成によって、環境の外側に設置された第1のリーダライタ43が電子タグからの情報を検出した後に、内側に設置された第2のリーダライタ44が電子タグからの情報を検出したときには、その電子タグが取り付けられた物品は、外部から環境内に持ち込まれた(又は移動体が外部から環境内に入った)と特定することができる。逆に、環境の内側に設置された第2のリーダライタ44が電子タグからの情報を検出した後に、外側に設置された第1のリーダライタ43が電子タグからの情報を検出したときには、その電子タグが取り付けられた物品は、環境内から外部に持ち出された(又は移動体が環境内から外部に出た)と特定することができる。
【0058】
尚、図2及び図3では、窓51やドア52の開口部53の上下左右を囲むようにリーダライタ41〜44を設置しているが、これは電子タグの向きに依存せず高精度の検出を行なうためであり、リーダライタ41〜44は、開口部53の上下位置のみ、左右位置のみ、又はその中央位置に設置してもよい。
【0059】
尚、出入口センシング手段121 は、電子タグとリーダライタとからなるものに限らず、その他の構成のものを採用してもよい。その場合も、物品の持ち出しと持ち込みとを区別して検出できることが好ましい。但し、後述する環境内センシング手段122 によって、環境内の存在する物品は検出可能であることから、出入口センシング手段121 が、物品の持ち出しと持ち込みとを区別して検出できなくても、この環境内センシング手段122 の検出結果と出入口センシング手段121 の検出結果とを組み合わせることによって、物品が環境外に持ち出されたか、環境内に持ち込まれたかを区別することは可能である。
【0060】
(環境内センシング手段)
上記環境内センシング手段122 は、環境内に存在する物品や設備(家具等を含む)、及び人やロボット102 の位置と状態とを常時検出するものである。
【0061】
この環境内センシング手段122 としては、画像センサを用いるものを採用することができる。画像センサを用いる環境内センシング手段122 は、部屋の天井や壁等に固定したカメラを備え、そのカメラが撮像したカメラ画像によって、室内の物品等の検出を行うように構成される。
【0062】
カメラ画像を用いて環境内の物品や移動体を検出する一般的な方法の一つに、背景差分法があり、環境内センシング手段122 としては、その背景差分法を利用することができる。この背景差分法とは、背景としてのモデル画像を予め用意しておき、現在のカメラ画像と上記モデル画像との差分を取ることによって、対象物を検出する方法である。
【0063】
本システムにおける環境内センシング手段122 は、環境内の物品や移動体を検出・監視することが目的であるため、モデル画像としては、環境の状況変動が少ない場合は、その環境内に物品・移動体が存在していないときに撮像した画像を用いればよい。尚、環境の状況変動が激しい場合は、所定の時間間隔を空けて撮影された複数の画像を平均して得られた画像を、モデル画像として用いればよい。
【0064】
具体的に、背景差分法による物品の検出方法について、図4を参照しながら説明する。ここで、図4(a)はモデル画像の例を示す図であり、図4(b)はある時点でカメラが撮影した画像(入力画像)を示す図であり、図4(c)は、入力画像からモデル画像を差し引くことによって得られた背景差分画像の例を示す図である。図4(c)から分かるように、背景差分画像では、入力画像とモデル画像との差のある部分が浮き出てくる(同図の網掛け部分参照)。このため、その浮き出た部分のみをそれぞれ取り出すことで環境内に存在する物品を検出することができる。さらに、その画像を画像処理することによって、その物品が何であるかを特定する(この処理は、後述する物品特定手段32が行う)。このように、背景差分法を用いることによって、環境内の物品及び移動体の状況を検出することが可能になる。
【0065】
また、環境内センシング手段122 としては、上記出入口センシング手段121 と同様に、電子タグ及びリーダライタを用いるものも採用することができる。
【0066】
この電子タグとリーダライタとからなる環境内センシング手段122 は、図示は省略するが、環境内にリーダライタを多数設置することで構成される。また、環境内に存在する各物品及び各移動体には、上述したように、電子タグを付す。この構成により、環境内に設置されたリーダライタは、環境内に存在している各物品に付された電子タグからの情報を読み取ることになり、それによって、カメラがなくても、環境内に存在する物品や移動体を検出することが可能になる。
【0067】
また、カメラを用いる構成の環境内センシング手段122 は、単に物品の存在を検出するだけであるが、電子タグとリーダライタを用いる構成の環境内センシング手段122 は、物品の存在を検出することに加えて、電子タグに埋め込まれている情報を利用することが可能である。それによって、その物品が何であるかを確実に特定することが可能になる、その物品の製造年月日データによる品質期限の管理が可能になる、物品の形状データにより後述するロボット102 の物品の把持作業が容易になる等、さらに利便性を高めることができる。
【0068】
環境内センシング手段122 は、画像センサと電子タグとの双方を用いるものとすることも可能である。つまり、上述した背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定し、さらに電子タグを使ってその物品を特定するというハイブリッド処理を行うのである。具体的な処理として、以下の2つの例を挙げることができる。
【0069】
一つの例は、環境内の天井や壁等にカメラを設置し、作業ロボット102 にはリーダライタを取り付けて環境内センシング手段122 を構成する。また、各物品及び移動体には電子タグを取り付けておく。そして、上記カメラ画像を用いた背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定する。次に、特定した物品の近傍に上記ロボット102 を移動させて、そのロボット102 に取り付けたリーダライタによって、その物品に取り付けられた電子タグから情報を読みとり、その物品を特定する。
【0070】
もう一つの例は、環境内の天井や壁等にカメラを設置し、その環境内に複数個のリーダライタを略均等に設置して環境内センシング手段122 を構成する。このリーダライタは、電子タグのデータ読みとりに関して指向性を有しかつ、その読み取り方向が可変であるものとする。そして、上記カメラ画像を用いた背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定する。次に、特定した物品に最も近い位置に設置されたリーダライタを選択すると共に、そのリーダライタの読みとり方向をその物品に向ける。こうして、その物品に取り付けられた電子タグから情報を読み取り、その物品を特定する。尚、この例では、リーダライタと電子タグとの間の距離が長くなる場合があるため、比較的強い無線電波を用いることになる。このため、環境内に人がいないことを、例えば背景差分法によって確認した上で、リーダライタが電子タグの情報を読み取ることが好ましい。
【0071】
尚、環境内センシング手段122 はここで説明した以外の方法(例えば、光ビーコンを用いたセンシング手法)を採用してもよい。
【0072】
上記センシング手段120 は、以上のようにして環境に対する物品の持ち込み・持ち出し、及び環境内における物品の移動(取扱い)を検出したときには、その検出結果を、サーバ101 の物品/移動体検索・管理手段105 に送信する。
【0073】
−環境管理サーバの構成−
環境管理サーバ101 は、図1に示すように、上記センシング手段120 によって把握した状況のうち、環境内に存在する物品と移動体との状況を管理する物品/移動体検索・管理手段105 及びその物品及び移動体のデータを蓄積する物品/移動体データベース106 と、上記物品及び移動体以外の環境全体の状況を管理する環境マップ管理手段107 及びその環境全体のデータを蓄積する環境マップ108 と、各移動体のスケジュール(過去に実行した過去イベント及びこれから実行する予定イベント)が記憶されているスケジュール管理データベース122 と、物品/移動体データベース106 に蓄積されている物品の中から、予定イベントに用いる物品を選択する物品選択手段123 と、この物品選択手段123 による物品の選択ルールを蓄積する物品選択ルールベース121 と、物品/移動体データベース106 のデータや環境マップ108 のデータの問い合わせ(信号)を外部から受信したり、その応答信号を外部に発信したり、また、ロボット102 に対する制御コマンドを送信したりする送受信手段109 と、これらの手段105 ,107 ,109 ,123 をコントロールする制御手段110 とからなる。
【0074】
この環境管理サーバ101 としては汎用コンピュータを用いることが可能である。この場合は、後述する各処理を実行する制御プログラムをコンピュータが読み込むことによって、そのコンピュータを環境管理サーバ101 として用いることが可能になる。
【0075】
(物品/移動体検索・管理手段)
物品/移動体検索・管理手段105 は、センシング手段120 によって検出された各物品及び移動体の情報を、物品/移動体データベース(DB)106 に蓄積するものである。
【0076】
また、物品/移動体検索・管理手段105 は、センシング手段120 の検出結果に基づいて、物品の特定を行うと共に、その物品を取り扱っている移動体を特定し、それらの特定結果を上記物品/移動体DB106 に蓄積するように構成されている。
【0077】
さらに、上記物品/移動体検索・管理手段105 は、制御手段110 から物品/移動体DB106 に問い合わせがあった場合に、その問い合わせの内容に応じて必要な情報を物品/移動体DB106 から取り出し、その情報を制御手段110 に送ることも行う。
【0078】
上記物品/移動体検索・管理手段105 は、図5に示すように、センシング手段120 の検出結果を受けて物品が移動体によって取り扱われていること(物品取扱状態)を検出する物品取扱検出手段31と、上記物品取扱検出手段31の検出結果を受けて、移動体に取り扱われている物品を特定する物品特定手段32と、上記物品取扱検出手段31の検出結果を受けて、物品を取り扱っている移動体(物品取扱主体)を特定する物品取扱主体特定手段33と、を備えている。
【0079】
上記物品取扱検出手段31は、出入口センシング手段121 の検出結果に基づいて、環境の出入口における物品取扱状態を検出する。具体的には、物品と移動体とが共に出入口を通過したことを出入口センシング手段121 が検出したときに、上記物品取扱手段31は、出入口において物品が取り扱われたと検出する。例えば衣服を着た移動体が出入口を通過すれば、上記物品取扱手段31は、出入口において物品が取り扱われたと検出する。また、移動体が物品を手に持って出入口を通過したときにも、上記物品取扱手段31は、出入口において物品が取り扱われたと検出する。
【0080】
また、物品取扱検出手段31は、環境内センシング手段122 の検出結果に基づいて、環境内における物品取扱状態を検出する。具体的には、環境内センシング手段122 が、上述した背景差分法を利用して環境内における物品の検出を行っているときには、入力画像(カメラ画像)とモデル画像とに差のある部分が生じたときに、上記物品取扱検出手段31は、その部分で物体が取り扱われていると検出する。
【0081】
また、環境内センシング手段122 が、上述した電子タグとリーダライタとを利用して環境内における物品の検出を行っているときには、電子タグからの情報を読み取っていたリーダライタが、その電子タグからの情報が読み取れなくなったとき、逆に、電子タグからの情報を読み取っていなかったリーダライタが、電子タグからの情報を読み取ることができるようになったときに、上記物品取扱検出手段31は、その電子タグが付された物品が取り扱われていると検出する。
【0082】
上記物品特定手段32は、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出したときに、物品取扱主体に取り扱われている物品を特定し、その物品の情報を物品/移動体DB106 に蓄積するものである。
【0083】
上記物品特定手段32は、上述したように、センシング手段120 が電子タグとリーダライタを用いたものであるときには、その電子タグからの情報に基づいて物品の特定をする。また、センシング手段120 がカメラ画像を用いたものであるときには、そのカメラ画像に基づいて物品の認識処理を行い、その物品の特定を行う。
【0084】
上記物品取扱主体特定手段33は、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出したときに、その物品を取り扱っている物品取扱主体を特定し、その物品取扱主体の情報を物品/移動体DB106 に蓄積するものである。
【0085】
上記物品取扱主体特定手段33は、物品取扱検出手段31が出入口における物品の取り扱い(物品の移入又は移出)を検出したときには、その物品と略同時に出入口を通過した移動体を物品取扱主体と特定する。この物品取扱主体は、移動体に付された電子タグからの情報に基づいて特定すればよい。上述したように、衣服を着ている移動体が出入口を通過したときには、その移動体が、衣服の取扱主体と特定される。
【0086】
一方、上記物品取扱主体特定手段33は、物品取扱検出手段31が環境内における物品の取り扱いを検出したときには、次のようにして物品取扱主体を特定する。つまり、環境内センシング手段122 がカメラを用いて物品を検出しているときには、物品取扱主体特定手段33は、そのカメラに物品取扱状態が検出された領域を撮像させ、その撮像した画像に対して顔認証処理を行い、その認証処理によって移動体を特定する。こうして特定された移動体は、取扱いがされた物品の近傍にいたと考えられるので、その移動体を物品取扱主体と推定することができる。ここで、環境内センシング手段122 として用いるカメラは、背景差分法による物品検出に用いるため、通常、広域を撮影する広角カメラである。この広角カメラの撮像画像は解像度が比較的低く、顔認証処理を行なうには解像度が足りない場合がある。そこで、背景差分法に用いるカメラとは別に、顔認証処理用のカメラとして狭角の高分解能カメラを、環境内に設置又はロボット102 に設置してもよい。この場合、物品取扱主体特定手段33は、狭角カメラに、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出した領域を撮像させ、その撮像した画像に対して顔認証処理を行う。こうすることにより、物品取扱主体特定手段33は物品取扱主体を精度よく特定することができる。
【0087】
尚、物品取扱主体特定手段33における物品取扱主体の特定方法は、顔認証処理に限らず、例えば虹彩認証等のその他の認証処理によって行ってもよい。また、カメラ画像に対する認証処理を行わなくても、そのカメラ画像自体を物品/移動体DB106 に蓄積することによって、物品取扱主体の情報を保持してもよい。これは、認証処理によって移動体を特定することができなかったときに限って行ってもよい。
【0088】
また、物品取扱主体の特定は、電子タグを利用して行ってもよいし、光ビーコンを利用して行ってもよい。
【0089】
尚、上述した出入口における物品取扱主体の特定を、カメラ画像を用いた認証処理によって行ってもよい。
【0090】
(物品/移動体データベース)
環境管理サーバ101 の物品/移動体DB106 は、物品及び移動体の情報を蓄積するDBであり、この物品/移動体DB106 は、物品を扱う物品データベース(図6)と、移動体を扱う移動体データベース(図示省略)とからなる。
【0091】
物品DB61は、図6に示すように、物品データ611 、物品履歴データ612 、及び物品属性データ613 の3種類のデータをそれぞれ蓄積するサブデータベースからなる。各サブデータベースに蓄積されるデータ内容は以下の通りである。
【0092】
1)物品データ611 :物品の名称、個々の物品を区別するためのID、物品履歴データへのポインタ、物品の属性が記載された物品属性データへのポインタ、が蓄積される。ここで、複数の物品について、その属性が同じであっても物理的に別の存在であれば、それらはそれぞれ別の物品として扱うため異なるIDが割り当てられると共に、異なる物品属性データへのポインタを持つ。一方、属性が同じ物品は異なるIDが割り当てられていても、同じ物品属性データへのポインタを持つ。これにより、データベースの容量を節約する。また、IDは、Name−ID部分とID番号とによって構成される。Name−IDは、同じ属性を有する物品に対しては共通であり、このName−IDによって物品の属性を判別する。ID番号は、各物品に固有であり、このID番号によって各個体を識別し、特定する。
【0093】
2)物品履歴データ612 :物品が取り扱われた履歴を格納するもので、取り扱われた時刻、取扱内容、物品取扱主体、位置、の4項目からなる。この内、取扱内容には、センシング手段120 による検出結果に基づいて、(環境内で)移動、(環境外へ)持出、(環境内に)持込、等と記憶される。また、物品の位置は、種々の表現形態が考えられるが、物品が家具や収納スペース(例えば押し入れ等)に収容されているときには、その家具や収納スペースを特定することによって、物品の位置を表現することとする(図例では、タンス−001,押入−001)。この場合に、家具全体を一つの場所として特定してもよいし、家具に含まれる各スペースを一つの場所として特定してもよい。つまり、例えばタンスであれば、そのタンス全体を一つの場所として、「タンス−001」としてもよいし、タンスは複数の引出しを備えているため、一つ一つの引き出しを一つの場所として特定してもよい。また、物品が家具等に収容されていないとき、例えば床上に置かれているとき等には、環境内における座標によって、物品の位置を表現することとする。例えば(x1,y1,z1,l1,m1,n1 )という6つのパラメータで、環境内における物品の位置を表現することが可能である。ここで、最初の3つのパラメータ(x1,y1,z1)は、物品の位置(重心位置等を用いる)を表し、後の3つのパラメータ(l1,m1,n1)は、物品の向きを表す。尚、物品履歴データ612 における物品取扱主体は、上記物品取扱主体特定手段33によって特定された移動体である。
【0094】
図例の物品履歴データ612 には、ジャケット(jacket−001)が、2002年9月23日17:00に、お父さんによって環境外に持ち出され(例えばジャケットを着たお父さんが外出した)、2002年9月23日23:00に、お父さんによって環境内に持ち込まれ(例えばジャケットを着たお父さんが帰宅)、その後、タンス−001に収納された履歴が記憶されている。また、テント(tent−001)が、2002年8月10日9:00に、お父さんによって環境外に持ち出され、2002年8月15日19:00に、お父さんによって環境内に持ち込まれ、その後、押入−001に収納された履歴が記憶されている。物品履歴データ612 は、記憶容量を考慮して、所定よりも過去のデータは逐次消去するようにしてもよい。
【0095】
3)物品属性データ613 :物品が有する物理的な属性情報を格納するもので、属性情報の例としては、図6に示すように、物品の重さ、外観画像が挙げられる。また、物品毎に格納される属性情報が異なり、例えば衣服(jacket−001)には、色や、それを使用する季節の情報が記憶される。また、使用時以外は折り畳んだ状態で置かれる物品(例えば環境内では折り畳んだ状態で置かれる物品:tent−001)には、その折り畳んだ状態での形状とサイズとの情報が記憶される。この物品属性データ613 に記憶されている情報は、後述する物品選択手段123 における物品の選択に利用される。
【0096】
これに対し、移動体DBは、図示は省略するが、個々の移動体に関するデータと、その個々の移動体の移動履歴に関するデータとがそれぞれ蓄積される。
【0097】
(環境マップ管理手段・環境マップ)
環境マップ管理手段107 は、センシング手段120 からの情報に基づいて環境マップ108 を作成すると共に、その作成した環境マップ108 の管理を行うものである。この環境マップ108 は、ロボット102 が環境内を移動する際に利用するものである。ロボット102 は、後述するように、この環境マップ108 をサーバ101 から取得して移動経路計画を立てる。
【0098】
また、上記環境マップ管理手段107 は、詳しくは後述するが、制御手段110 から環境マップ108 に問い合わせがあった場合に、その問い合わせの内容に応じて必要な情報を制御手段110 に送ることも行う。
【0099】
環境マップ108 は、例えば環境の実状況が、図7(a)に示される場合に、その実状況を立体モデルで簡略化したもの(図7(b))を環境マップ108 としてもよい。また、図7(c)に示すように、さらに平面モデルで簡略化したものを環境マップ108 としてもよい。すなわち環境マップ108 は、そのマップの用途や、そのマップ作成にかけることのできる時間(手間)に応じて作成すればよい。例えば、立体モデルからなる環境マップを極めて短時間で作成する必要があるときは、環境内に存在する立体物を、その立体物を覆う最小の直方体でモデル化すればよい。図7(b)に示す環境マップ108 はその例であり、洋服ダンスを直方体でモデル化している。平面モデルからなる環境マップも同様であり、図7(c)に示す作業マップ108 では、洋服ダンスを平面に正射影した矩形領域(斜線を付した領域)でそれぞれモデル化している。また、この平面モデルからなるマップ108 では、上記の矩形領域をロボット102 が移動不可能な領域に設定する。
【0100】
(スケジュール管理データベース)
スケジュール管理データベース122 は、ユーザ毎にスケジュール(過去に実行された過去イベント及びこれから実行される予定イベント)の情報を蓄積して管理するデータベースである。このスケジュール管理データベース122 に蓄積される情報は、ユーザが操作端末103 において予定イベントの情報を入力する毎に追加される。
【0101】
図8はスケジュール管理DB122 に蓄積されているスケジュールを表形式で示す一例であり、ここでは、各イベントの情報として、出発日時(開始時刻)、帰宅日時(終了時刻)、イベント内容、行き先、同行者(共同参加者)、の5つの項目の情報が蓄積されている(以下、これをイベントデータと呼ぶ)。尚、図示は省略するが、このスケジュール管理DB122 には、ユーザ毎にスケジュールが記憶されて管理される。
【0102】
このスケジュール管理DB122 に記憶されているイベントデータは、後述する物品選択手段123 による、物品の選択に利用される。
【0103】
(物品選択手段)
物品選択手段123 は、スケジュール管理DB122 に登録されている予定イベントに用いる物品を物品DB61から選択すると共に、その選択した物品を含む物品リストを作成するものである。この物品選択手段123 による物品リストの具体的な作成手順については、後述する。
【0104】
(物品選択ルールベース)
物品選択ルールベース121 は、上記物品選択手段123 による物品の選択ルール(入れ替えルール)を蓄積するものであり、この物品選択ルールベース121 に蓄積される物品の選択ルールは、過去イベントの情報を利用したルールである。具体的には、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択するルールと、過去イベントに用いた物品とは異なる物品、より詳しくは、過去イベントに用いた物品とは属性が同じでかつIDが異なる物品を選択するルールと、の2つのルールが設定されている。
【0105】
ここで、本実施形態では「物品の属性」とは、例えば「ジャケット」「シャツ」「パンツ」等の同じ性質を有する個々の物品を包含するグループをいう。また、「物品の種類」とは、例えば「衣服」「食器」等の、複数の属性を包含するグループをいう。つまり、「衣服」という物品の種類には、「ジャケット」「シャツ」「パンツ」等がそれぞれ包含される。
【0106】
図9は、物品選択ルールベース121 に登録されているルールを、表形式で示した図であり、イベント内容と選択ルールとが互いに対応付けられて登録されている。
【0107】
ここで、物品選択ルールの欄が「−」とされているイベントは、そのイベントについては、デフォルトルールが設定されていることを意味する。このデフォルトルールとは、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択するルールである。図例では、「キャンプ」はデフォルトルールに設定されているため、キャンプの予定イベントに用いる物品としては、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品が選択されることになる。
【0108】
一方、物品選択ルールの欄が「サブルール」とされているイベントは、そのイベントについては、サブルールが設定されている(デフォルトルールに対してサブルールが追加して設定されている)ことを意味する。このサブルールとは、過去イベントに用いた物品とは属性が同じでかつIDが異なる物品を選択するルールである。図例では、「食事」はサブルールに設定されているため、食事の予定イベントに用いる物品としては、過去イベントに用いた物品と属性が同じでIDが異なる物品が選択されることになる。
【0109】
また、物品選択ルールの欄が「サブルール.衣服」に設定されているのは、物品の種類が「衣服」である物品について、サブルールが適用されることを意味する。このため、衣服以外の物品についてはサブルールは適用されない(デフォルトルールが適用される)ことになる。
【0110】
(制御手段)
環境管理サーバ101 における制御手段110 はサーバ全体を制御する部分であり、主な制御内容としては以下のものがある。
【0111】
1)送受信手段109 が、サーバ内にある各種データに関する問い合わせ受信したときに、その問い合わせ内容を判断し、その判断結果に応じて物品/移動体検索・管理手段105 、環境マップ管理手段107 、スケジュール検索・管理手段121 にデータの参照要求を出す。
【0112】
2)上記要求に対して物品/移動体検索・管理手段105 、環境マップ管理手段107 又はスケジュール検索・管理手段121 から送られてきた結果を、送受信手段109 を介して問い合わせ元に送る。
【0113】
3)操作端末103 から送受信手段109 を介して送信されたロボット102 の作業内容メッセージを解釈し、そのロボット102 に動作を実行させるためのロボット制御コマンド列を生成して上記ロボット102 に送信する。尚、ロボット制御コマンド列については、後述する。
【0114】
4)必要に応じて、一定時間毎に、物品/移動体DB106 で管理している物品の一部又は全部の状況、環境マップ108 の状況を、個人スケジュール管理DB122 で管理しているスケジュール情報を、送受信手段109 を通じてロボット102 やユーザ(操作端末103 )にブロードキャストする。
【0115】
5)予定イベントに対応する物品リストが作成されたことを受けて、その物品リストの情報を送受信手段109 を通じて操作端末103 に送信する。
【0116】
6)予定イベントに対応する物品リストが作成されたことを受けて、その物品リストの情報を送受信手段109 を通じて作業ロボット102 に送信する。
【0117】
上記の5),6)の処理の詳細については、後述する。
【0118】
−作業ロボットの構成−
2番目のサブシステムである作業ロボット102 は、ユーザによって指定された作業命令に従って物品の取扱い作業を行うものである。
【0119】
図1に示すように、ロボット102 はその基本構成として、ロボット102 の近辺の障害物等を検知する障害物センサ111 、物品を把持する把持手段112 、環境マップ108 を使って移動計画を立てる移動計画作成手段113 、上記ロボット102 自体を移動させる移動手段114 、環境管理サーバ101 や操作端末103 との間で種々のデータの送受信を行う送受信手段109 、これらのセンサ111 及び各手段109 ,112 〜114をコントロールする制御手段115 とからなる。
【0120】
図10は、本システムにおけるロボット102 の構造の一例を示した模式図であり、このロボット102 は、移動計画作成手段113 や制御手段115 等を収容する略箱型の本体部10を備えている。以下、図10における紙面右側を前側、左側を後側、紙面奥側を左側、紙面手前側を右側と呼ぶ。
【0121】
把持手段112 は、多関節アーム12a とそのアーム12a の先端に配設されたハンド12b とから構成され、上記本体部10の上面に取り付けられている。上記アーム12a 及びハンド12b は、モータ制御によるアクチュエータを用いたものとしてもよいし、その他のアクチュエータ、例えば人工筋肉によるアクチュエータを用いたものでもよい。
【0122】
移動手段114 は車輪14によって構成されており、この車輪14は、上記本体部10の左右両側にそれぞれ2つ取り付けられている(図例では、左側の車輪の図示を省略する)。ここでは、移動手段114 を車輪14で構成したが、移動手段114 の構成は、そのロボットが使用される環境に応じて最適な構成を選択すればよい。例えば環境の床面の起伏が激しい場合は、移動手段114 をクローラ型や多足歩行型に構成することが好ましい。
【0123】
障害物センサ111 は、本システムでは、超音波センサ11a 、視覚センサとしてのステレオカメラ11b 、及び衝突センサ11c から構成される。
【0124】
上記超音波センサ11a は、超音波を発してその反射波を受信するまでの時間を測定することにより当該センサ11a から障害物までの距離を計算するもので、近距離の障害物を、それに衝突する前に検知するためのものである。この超音波センサは、本体部の各側面(前面、後面、左右側面)に、3つずつ取り付けられている。
【0125】
上記ステレオカメラ11b は、ロボット102 の周囲の状況を画像として入力し、その画像の認識等の処理を行うことで、障害物の有無の判断や把持対象物品のより正確な情報を得るためのものである。このステレオカメラ11b は、本体部10の前部に取り付けられている。
【0126】
上記衝突センサ11c は、ロボット102 に所定の衝撃力が加わったことを検知するセンサである。例えば障害物がロボット102 に衝突してきたことや、ロボット102 自体が移動中に障害物に衝突したことを、この衝突センサ11c で検知する。この衝突センサ11c は、本体部の前面と後面とのそれぞれに取り付けられている。
【0127】
移動計画作成手段113 は、ロボット102 に物品の移動作業やその他の作業に伴う移動が指定されたときに、そのロボット102 の現在位置から指定された位置(目的位置)までの移動経路を、環境マップ108 を使って作成するものである。この際、現在位置から目的位置までの移動経路上に障害物があってはならないが、環境マップ108 には、上述したように、ロボットが移動不可領域(例えば図7(c)の斜線を付した領域)が設定されている。このため、この移動不可領域以外の領域で移動経路を作成すれば、障害物を回避した移動経路が作成される。こうした移動経路の作成に当たっては、最も一般的な方法であるダイクストラ法を使ってもよいし、環境が複雑であれば、ダイクストラ法を改良した経路探索アルゴリズムを用いてもよい。
【0128】
尚、環境の状況が複雑すぎてロボット102 の移動経路の算出が出来ない、又はその算出に多大な時間を要するような場合等の対策として、ユーザがロボット102 の移動経路を指定するモードを設けてもよい。
【0129】
作業ロボット102 の制御手段115 は、主に環境管理サーバ101 から送受信手段109 を介して送られてきたロボット制御コマンド列を解釈し、そのロボット制御コマンドを順に実行するものである。
【0130】
ここで、ロボット制御コマンドとは、物品の把持や、ロボット102 自体の移動の制御を行うためのコマンドであって、本実施形態では以下の「移動」「把持」「解放」の3種類が設定されている。
【0131】
1)移動:(move,座標)
ロボット102 の現在位置から座標で指定された位置まで移動するコマンドである。座標は世界座標系で指定し、現在位置から目的位置までの移動経路は移動計画作成手段113 が計画する。
【0132】
2)把持:(grab,物品ID)
物品IDで指定された物品を、ハンド12b によって把持するコマンドである。物品の場所は物品DBを参照し、把持計画は把持手段112 が作成する。
【0133】
3)解放:(release)
ハンド12b を解放するコマンドである。
【0134】
ロボット制御コマンドはこの3種類に限らず、必要に応じて増やしてもよい。
【0135】
尚、本実施形態では、作業ロボット102 を、車輪14によって構成された移動手段114 を有する自走ロボットとしたが、作業ロボット102 は、この構成に限るものではない。例えば上述したアーム12a とハンド12b とからなる把持手段112 を、環境内の天井に取り付けたガイドレールに組み付けることで、作業ロボット102 を構成してもよい。この構成の作業ロボット102 は、上記把持手段112 がガイドレールに案内されて移動することにより、指定された位置に移動することができ、それによって、環境内で指定された物品を指定された位置に移動させる作業を実行することができる。
【0136】
−操作端末の構成−
3番目のサブシステムである操作端末103 は、本システムにおけるユーザインタフェースであり、主にロボット102 に対する物品の取扱い作業を指示するためにユーザが操作する端末である。
【0137】
操作端末103 はその基本構成として、図1に示すように、ロボット102 の作業内容を指定するための操作画面、サーバ101 に対してスケジュールの登録を行うための入力画面、作成された物品リストを表示(提示)する提示画面を表示する、例えばCRTや液晶ディスプレイからなる表示部117 、上記操作画面、入力画面及び提示画面上での入力を行うための、例えばポインティングデバイスやキーボードからなる入力部116 、上記表示部117 に表示される画面の作成等の表示制御を行う表示制御手段118 、上記入力部116 にて入力されたロボット102 の作業内容やスケジュールの登録内容を環境管理サーバ101 に送る送受信手段109 、これらの各手段109 ,116 〜118 をコントロールする制御手段119 からなる。
【0138】
この操作端末103 としては、例えば汎用PCを用いることも可能である。この場合、制御プログラムをPCが読み込むことによって、そのPCを操作端末103 として用いることが可能になる。
【0139】
ユーザは、この操作端末103 を用いてロボット102 の作業内容を指定したり、サーバ101 の個人スケジュール管理データベース122 に登録するスケジュール(予定イベント)を入力したり、物品リストに含まれる物品の追加・変更・削除を要求したりする。
【0140】
−物品管理手順−
次に、上記構成の物品管理システムにおける物品管理の一つである予定イベントに用いる物品を選択する手順について、説明する。本システムでは、予定イベントに用いる物品を過去イベントの情報に基づいて選択する。この物品の選択は、上記物品選択ルールベースに蓄積されている選択ルールに従って行われる。このため、予定イベントの内容に応じて、過去イベントに用いた物品を選択するときと、過去イベントに用いた物品とは異なる物品を選択するときとが切り替わる。
【0141】
上述したように、ユーザが操作端末103 を操作することによって、予定イベントが入力され、その入力された予定イベントの情報は、スケジュール管理DB122 に蓄積される。こうして、図8に示すスケジュール情報が作成される。
【0142】
ここで、図8に示すスケジュールが「お父さん」のものであり、これから実行される予定イベントとして、
出発日時:2003年9月13日10:00、帰宅日時:2003年9月17日20:00、内容:キャンプ、行き先:上高地、同行者:家族
という予定イベントAと、
出発日時:2003年9月23日18:00、帰宅日時:2003年9月23日23:30、内容:食事、行き先:レストラン△△、同行者:Aさん
という予定イベントBとが存在していたとし、この場合を例に、本システムにおける物品選択処理について、具体的に説明する。
【0143】
図11は、物品選択手段123 による物品管理処理を示すフローチャートであり、このフローチャートは、所定の時間間隔でスタートされる。
【0144】
先ず、ステップS11では、スケジュール管理DB122 を参照し、現時点から所定時間だけ未来の間に実行される予定イベントが存在するか否かを判定する。ここでの所定時間は、物品管理システムを利用するユーザの人数や、スケジュール管理DB122 に登録されているイベントの数等に応じて適宜設定すればよい。ステップS11で、予定イベントが存在するときには、ステップS12に移行する一方、予定イベントが存在しないときには、そのまま終了する。
【0145】
ここでは、予定イベントA、及び予定イベントBがそれぞれ存在しているとし、ステップS12に移行する。
【0146】
上記ステップS12では、その予定イベントの内容を把握し、続くステップS13では、スケジュール管理DB122 を参照することによって、予定イベントに関連する過去イベントが存在するか否かを判定する。例えば予定イベントと内容が同じ過去イベントが存在するか否かを判定してもよい。尚、予定イベントと内容が同一・類似の過去イベントが存在するか否かを判定してもよい。予定イベントと内容が類似する過去イベントは、イベントの内容が予定イベントと同じカテゴリに属する過去イベントとしてもよい。例えば、イベントの一つであるキャンプは、アウトドアスポーツのカテゴリに属するため、そのアウトドアスポーツのカテゴリに属するイベント(登山等)はキャンプに類似するイベントとなる。ここでは、予定イベントと内容が同じ過去イベントが存在するか否かを判定することとする。
【0147】
またステップS13では、予定イベントの実行主体と同じ実行主体が過去に実行した過去イベントを検索対象とする。つまり、仮に予定イベントの実行主体とは異なる人が、予定イベントと同じ内容の過去イベントを実行していたとしても、ステップS13では過去イベントは存在しないと判定する。そして、過去イベントが存在するときにはステップS15に移行する一方、過去イベントが存在しないときにはステップS14に移行する。
【0148】
ここでは、内容がキャンプである予定イベントAについては、図8に示すスケジュール管理DB122 を参照することにより、
出発日時:2002年8月10日9:00、帰宅日時:2002年8月15日19:00、内容:キャンプ、行き先:八ヶ岳、同行者:家族
という過去イベントAが存在していることがわかる。このため、ステップS15に移行することになる。
【0149】
一方、内容が食事である予定イベントBについては、同じくスケジュール管理DB122 を参照することにより、
出発日時:2002年9月23日17:00、帰宅日時:2002年9月23日23:00、内容:食事、行き先:レストラン○○、同行者:Aさん
という過去イベントBが存在していることがわかる。このため、ステップS15に移行することになる。
【0150】
上記ステップS14では、予定イベントと同じ内容のイベントが過去、実行されていない旨をユーザに通知する(サーバ101 から操作端末103 に情報を送信し、それによって操作端末の表示部117 にその旨の表示をする)。これによりユーザは、予定イベントに用いる物品の情報が得られないことを認識することができる。
【0151】
一方、上記ステップS15では、予定イベントと同じ内容のイベントを、過去に実行していることから、その過去イベントの情報を利用した物品の選択処理を実行する。
【0152】
図12は、ステップS15における物品選択処理のフローチャートを示していて、先ずステップS21では、スケジュール管理DB122 から、予定イベントと同じ内容の過去イベントを抽出する。このときに、予定イベントと同じ内容の過去イベントが複数存在するときには、時間的に直近の過去イベントを一つ抽出する。
【0153】
上記予定イベントAについては、過去イベントAが抽出され、上記予定イベントBについては、過去イベントBが抽出される。
【0154】
続くステップS22では、ステップS21で抽出した過去イベントに用いた物品を、物品DB61から選択する処理を実行する。具体的には、物品DB61における物品履歴データ612 を参照することにより、次の3つの条件を全て満足する物品を選択する。
【0155】
1)物品の取扱い主体が過去イベントの実行主体と同一である。
【0156】
2)過去イベントの開始時刻(出発時間)と略同じ時刻に持ち出されている。
【0157】
3)過去イベントの終了時刻(帰宅時間)と略同じ時刻に持ち込まれている。
【0158】
ここで、2),3)の条件については、スケジュール管理DB122 に記憶されている出発時間及び帰宅時間は、それぞれ実際の出発時間及び帰宅時間に対して時間ずれが生じる場合を考慮して、スケジュール管理DB122 に記憶されている出発及び帰宅時間を中心とした所定時間の範囲に、物品履歴データ612 の取扱時刻が含まれれば条件を満たすと判断するのがよい。ここでの所定時間は、適宜設定すればよい。また、1)の条件は、物品の取扱い主体が過去イベントの実行主体又は同行者と同一である、としてもよい。
【0159】
こうして、ステップS22において物品を選択することにより、過去イベントAについては、図13(a)に示す仮物品リスト301 が、過去イベントBについては、図13(b)に示す仮物品リスト302 がそれぞれ作成されたとする。このように本実施形態では、全てのイベントについて過去イベントに用いた物品を選択する処理が行われるため、全てのイベントに対してデフォルトルールが設定されているといえる。
【0160】
こうして過去イベントに用いた物品を含む仮物品リスト301 を作成すれば、ステップS23で、物品選択ルールベース121 を参照し、予定イベント(又は過去イベント。尚、過去イベント又は予定イベントのイベント内容は互いに同じである)に対応して設定されている物品の選択ルールを確認する。その結果、サブルールの適用が指定されているときにはステップS24に移行する一方、サブルールの適用が指定されていないときにはステップS25に移行する。
【0161】
上記ステップS24では、サブルールを適用した物品の選択処理を実行する。このサブルールを適用した物品の選択処理については後述する。このように本実施形態では、仮物品リストを作成した後に、サブルールに従って物品を選択するため、サブルールは、デフォルトルールに対して追加されるルールであるといえる。
【0162】
一方、ステップS24に移行することなくステップS25に移行するのは、デフォルトルールが適用されるとき(サブルールが追加されないとき)であり、デフォルトルールは過去イベントに用いた物品を選択するルールであることから、ステップS22で作成した仮物品リスト(図13参照)が、そのまま予定イベントに用いる物品を含む物品リストとなる。
【0163】
ここで、過去イベントA及び予定イベントA(イベント内容:キャンプ)は、図9(物品選択ルールベース121 )を参照することにより、デフォルトルールが設定されている。サブルールの適用が指定されていないため、ステップS25に移行し、この予定イベントAに対応する物品リストは、図13(a)に示す物品リストとなる。
【0164】
一方、過去イベントB及び予定イベントB(イベント内容:食事)は、図9を参照することにより、サブルールが設定されていることがわかる。このため、ステップS24に移行することになる。
【0165】
図14は、上記ステップS24におけるサブルール適用処理のフローチャートを示している。このフローでは、仮物品リストに含まれる物品を、選択ルールに従って入れ替える処理を行う。
【0166】
具体的に先ずステップS31では、仮物品リストにサブルールが適用される物品が含まれているか否かを判定する。このサブルールが適用される物品とは、例えば、図9の物品選択ルールベース122 においては「衣服」が該当する。サブルールが適用される物品が物品リストに含まれるときには、ステップS32に移行する一方、含まれないときにはそのまま終了する。
【0167】
ここでは、対象となる過去イベントB及び予定イベントBの内容は食事であるため、「衣服」についてサブルールが適用される。このため、図13(b)に示す過去イベントBの物品リストに「衣服」が含まれるか否かを判定することになる。過去イベントBの物品リストには、「ジャケット」「シャツ」「パンツ」が含まれ、これらはそれぞれ衣服に包含される。このため、ステップS32に移行することになる。
【0168】
上記ステップS32では、物品リストに含まれる、サブルールが適用される物品を一つ抽出し、その物品と同じ属性を有する物品を物品DB61から選択して候補リストを作成する。そうして、続くステップS33では、サブルールが適用される物品の全てについて候補リストが作成されたか否かを判定し、作成されていないときにはステップS32に戻る一方、作成されたときにはステップS34に移行する。
【0169】
ここでは、上述したように、過去イベントBの物品リストには、「ジャケット(jacket−001)」「シャツ(shirt−001)」「パンツ(pants−001)」の3つの物品が含まれるため、先ず「ジャケット」について、同じ属性を有する物品を物品DB61から選択する。このことにより、図15に示すように、ジャケットの候補リスト401 が作成されたとする。つまり、物品DB61において、「jacket」のName−IDを有する物品を選択する。このときに、予定イベントの実行時季(9月)を考慮して、物品属性データ613 を参照することにより、「jacket」のName−IDを有する物品の内の、使用季節が秋である物品を選択することが好ましい。こうして、jacket−002のジャケットが選択され、jacket−001とjacket−002とを含む候補リスト401 が作成される。
【0170】
「シャツ」及び「パンツ」についても同様に、同じ属性を有する物品を物品DB61から選択することにより、図15に示すように、シャツの候補リスト402 及びパンツの候補リスト403 がそれぞれ作成される。ここで、図15に示す各候補リスト401 〜403 では、前回利用された時期が新しい順に、左から右に物品が並べられているものとする。
【0171】
こうして、各物品の候補リストが作成されれば、ステップS34では、その各候補リストの中から、過去イベントに用いた物品以外の物品を選択する。
【0172】
ここでは、ジャケットの候補リスト401 においては、過去イベントBに用いられた物品が「jacket−001」であるため、これ以外の物品として、「jacket−002」が選択される。また、シャツの候補リスト402 においては、過去イベントBに用いられた物品が「shirts−001」であるため、これ以外の物品として「shirts−002」又は「shirts−003」が選択される。さらに、パンツの候補リスト403 においては、過去イベントBに用いられた物品が「pants−001 」であるため、これ以外の物品として、「pants−002」が選択される。
【0173】
ここで、シャツの候補リスト402 のように、過去イベントBに用いられた物品以外の物品が複数存在するときには、季節・天候等を考慮して、適切でない物品は削除してもよい。また、その複数の物品の内でも、前回利用された(衣服であれば着用された)時期が最も過去である物品(これは、物品履歴データ612 を参照することにより判断する)を選択してもよい。これに従えば、図15の例では、「shirts−003」が選択される。
【0174】
また、本例のジャケット、シャツ、パンツのように組み合わされる物品の選択を行う場合は、その組み合わせを考慮して各候補リストの中から物品を選択するようにしてもよい。例えば、各候補リストの中から物品を選択すれば、それらの組み合わせが見栄えの良い組み合わせであるかを判断する。物品の種類が衣服であれば、見栄えの良い色の組み合わせを予め設定し、その設定した組み合わせに適合するか否かによって見栄えの良し悪しを判断してもよい。その結果、組み合わせが悪いと判断されたときには、候補リストの中からさらに別の物品を選択し直す。このようにして、最適な組み合わせとなるように各物品を選択してもよい。
【0175】
ステップS34において、各候補リストから物品を選択すれば、仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行う。これにより、図16に示すように、予定イベントBの物品リスト303 が作成される。図13(b)に示す過去イベントBの仮物品リスト302 と図16に示す予定イベントBの物品リスト303 とを比較すれば、予定イベントBの物品リスト303 は、過去イベントBの仮物品リスト302 に含まれる各物品(jacket−001,shirts−001,pants−001 )について、同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品(jacket−002,shirts−003,pants−002 )を含むことが判る。
【0176】
図12に戻り、ステップS22又はステップS24で、予定イベントの物品リストが作成されれば、ステップS25では、作成した物品リストを制御手段110 に出力する。
【0177】
物品リストを受けた制御手段110 は、その物品リストの情報を、操作端末103 にネットワークを介して送信する。これにより、操作端末103 の表示部117 には、物品リストが表示されることになり、ユーザは、予定イベントに用いる物品を確認することができる。このときに、操作端末103 の入力部116 を操作することによって、ユーザは物品リストに含まれる物品の追加・変更・削除が可能である。
【0178】
また、上記制御手段110 は、その物品リスト(又はユーザによって更新された物品リスト)に含まれる各物品を準備する(所定の位置に収集する)ためのロボット制御コマンドを、物品DB61を参照しながら作成し、そのロボット制御コマンドを作業ロボット102 にネットワークを介して送信する。こうして、作業ロボット102 がロボット制御コマンドに従って物品の移動作業を行うことにより、予定イベントに用いる物品がロボット102 によって準備されることになる。
【0179】
尚、本実施形態では、サブルールが適用されるイベントを、食事としたが、サブルールが適用されるイベントはこれに限るものではない。
【0180】
また、本実施形態では、イベント内容のみに対応してサブルールの適用を設定したが、例えば予定イベントと過去イベントとの同行者が同じであるときに、サブルールを適用するようにしてもよい。つまり、図9の例では、イベント内容が食事であるときには、サブルールが適用されるが、イベント内容が食事でありかつ、予定イベントの同行者と過去イベントの同行者とが同じであるときに限って、サブルールを適用してもよい。
【0181】
また、本実施形態では、物品の選択ルールをフローチャート形式で示したが、物品の選択ルールの記述方法はこれに限らず、その他の書式・記述方法でルール化してもよい。
【0182】
また、本実施形態では、イベント内容に応じてサブルールが適用される場合に、デフォルトルールに対してサブルールを追加するようにしたが、イベント内容に応じて、デフォルトルール(第1のルール)と、サブルール(第2のルール)とを切り替えるようにしてもよい。つまり、本実施形態では、過去イベントに用いた物品を選択して仮物品リストを作成し(デフォルトルールの適用)、その上でサブルールが適用されるときには、物品DB61から過去イベントに用いた物品とは異なる物品を選択して、予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成(物品の入れ替え)したが、サブルールが適用されるときには、仮物品リストを作成することなく、物品DB61から過去イベントに用いた物品とは異なる物品を選択して、予定イベントに用いる物品を含む物品リストを直接作成してもよい。
【0183】
このように、本発明の物品管理システムでは、所定の生活空間(環境)内に存在する物品の管理を行うシステムであって、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベース61と、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベース(スケジュール管理データベース122 )と、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 と、を備え、上記物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベース122 から抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を上記物品データベース61から選択し、上記選択した物品を含む物品リスト303 を作成する。
【0184】
この構成により、物品選択手段123 は予定イベントに関連する過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を、その予定イベントに用いる物品として選択する。過去イベントに用いた物品の情報を基に物品を選択することで、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを選択することが可能になる。
【0185】
また、予定イベントに用いる物品として選択される物品は、過去イベントに用いた物品と同じではなく、同じ属性を有する異なる物品であるため、物品として必要な機能は確保される一方で、予定イベントに用いる物品は過去イベントに用いた物品とは異ならせたいという、人の一般的な生活行為に適合させることができる。
【0186】
上記物品管理システムは、物品の選択ルールを記憶するルールベース(物品選択ルールベース121 )をさらに備え、上記ルールベース121 は、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択する第1ルールと、過去イベントに用いた物品と同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択する第2ルールとのうちのいずれか一方を、イベント毎に設定して記憶し、上記物品選択手段123 は、上記ルールベースを参照して、予定イベントに対応して設定されたルールに従って物品データベースから物品を選択する。
【0187】
これにより、物品選択手段123 は、イベントに応じて過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択するときと、過去イベントに用いた物品と同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択するときとを切り替える。こうすることで、例えばキャンプであれば、過去のキャンプで用いたテントやコンロ等が、これから実行するキャンプに用いる物品として選択されるため、イベントに用いる物品として適切なものを確実に(準備し忘れることなく)選択することができる。一方、例えば食事であれば、過去の食事で着用した衣服とは異なる衣服が、これから行う食事で着用する衣服として選択されるため、人の一般的な生活行為に適合させることができる。
【0188】
上記ルールベース121 は、第2ルールが設定されたイベントについては、その第2ルールが適用される物品の種類を設定して記憶する。
【0189】
こうすることで、第2ルールの適用が、物品の種類毎に設定されることになるため、例えば衣服は第2ルールを適用することにより、異なるIDを有する物品を選択する一方で、例えば異なるIDを有する物品を選択する必要がない物品、例えば財布は第1ルールを適用することにより、同じIDを有する物品を選択することになり、物品の種類に応じた物品の選択が実現する。
【0190】
上記物品管理システムは、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを検出するセンシング手段120 をさらに備え、物品データベース61は、上記センシング手段120 の検出結果に基づく物品の持出履歴及び持込履歴の情報を蓄積する。
【0191】
この物品の持出履歴及び持込履歴の情報を、物品DB61に蓄積することによって、その情報を基に過去イベントに用いた物品の特定が可能になる。
【0192】
センシング手段120 は、それぞれ物品の存在を検出する複数のセンサ43,44を、生活空間の出入口53に物品の通過方向に並べて配設していて、その並べて配設したセンサ43,44の物品の検出順序によって、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを区別して検出する。
【0193】
このように、物品が出入口を通過する際に、複数のセンサの検出タイミングに時間差を設けることで、物品の通過方向を区別することができ、それによって、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを区別して検出することが可能になる。
【0194】
上記センシング手段120 は、物品の持出又は持込を行った物品取扱主体をさらに検出し、物品データベース61は、上記センシング手段120 の検出結果に基づいて、持出又は持込された物品とその物品取扱主体とを対応付けて記憶する。
【0195】
こうすることで、過去イベントに用いた物品をより精度よく特定することが可能になる。
【0196】
つまり、上記物品選択手段123 は、過去イベントに用いた物品を、その物品の物品取扱主体がその過去イベントの実行主体又は同行者であることと、その過去イベントの開始時に生活空間から持ち出された物品であることと、その過去イベントの終了時に生活空間に持ち込まれた物品であること、との3つの条件に基づいて特定することで、過去イベントに用いた物品をより精度よく特定することが可能になる。
【0197】
上記物品管理システムは、物品選択手段123 が作成した物品リスト303 を提示する提示手段(操作端末103 )をさらに備える。
【0198】
ユーザは、提示された物品リスト303 によって予定イベントに用いる物品を確認することが可能になる。
【0199】
上記物品管理システムは、作業命令を受けて物品の取り扱い作業を実行する作業ロボット102 と、物品選択手段123 が作成した物品リストに含まれる物品を所定の場所に移動させる作業命令を、上記作業ロボット102 に出力する制御手段110 と、をさらに備える。
【0200】
この構成により、ユーザに代わって作業ロボット102 が、予定イベントに用いる物品を所定の場所に収集することになり、利便性の向上が図られる。
【0201】
上記イベントデータベース122 は、ユーザのスケジュールとして予定イベントの情報を蓄積し、上記制御手段110 は、上記予定イベントの実行前に、その予定イベントについて作成された物品リストに含まれる物品の移動作業を作業ロボット102 に実行させる。
【0202】
これにより、ユーザは、スケジュールを入力すれば、そのスケジュールに従って予定イベントの実行前に、その予定イベントに用いる物品が所定の場所に収集されることになる。こうして、利便性の更なる向上が図られる。
【0203】
本発明の他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベース61と、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベース122 と、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 と、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベース121 と、を備え、上記物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベース122 から抽出し、上記ルールベース121 を参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記抽出した過去イベントの情報を利用して上記物品データベース61から物品を選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0204】
この構成により、物品選択手段123 は、予定イベントに対応して設定されたルールに従い、その予定イベントに関連する過去イベントの情報を利用して、予定イベントに用いる物品を選択する。過去イベントの情報を利用することにより、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品を選択することが可能になり、さらに、予定イベントに対応して設定されたルールに従って物品を選択することにより、過去イベントと予定イベントとの双方を考慮した、最適な物品を選択することが可能になる。
【0205】
本発明のさらに他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベース61と、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベース122 と、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 と、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベース121 と、を備え、上記物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベース122 から抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品を上記物品データベース61から選択して、その選択した物品を含む仮物品リスト302 を作成し、上記ルールベース121 を参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リスト301 に含まれる物品の入れ替えを行うことにより、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リスト302 を作成する。
【0206】
この構成により、物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントに用いた物品を選択し、それによって仮物品リストを作成する。こうして仮物品リストを作成すれば、予定イベントに対応して設定された入れ替えルールに従い、仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行い、それによって、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する。このように、過去イベントに用いた物品の情報を基に、予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成するため、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品を特定することが可能になる。また、予定イベントに対応して設定された入れ替えルールに従って仮物品リストに含まれる物品を入れ替えることで、過去イベントと予定イベントとの双方を考慮した最適な物品を選択することが可能になる。
【0207】
−他の実施形態−
尚、本実施形態では、物品管理システムを、環境管理サーバ101 、ロボット102 、操作端末103 の3つのサブシステムからなり、それらサブシステム101 〜103 が無線又は有線等のネットワークを介して互いに情報をやりとりするような構成とした。しかし、物品管理システムはこの構成に限らず、例えば操作端末103 が環境管理サーバ101 に一体となった構成でもよい。
【0208】
またロボット102 は1台ではなく複数台が協調しながら作業を並行して行う構成でもよい。さらに、ロボット102 は省略してもよい。
【0209】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法によると、過去イベントに用いた物品の情報を基に予定イベントに用いる物品を選択することで、種々のイベントに対応することができると共に、過去イベントに用いた物品を適宜変更することで、人の一般的な生活行為に適合させつつ、イベントに用いる物品として適切な物品を特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る物品管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【図2】ゲート型のリーダライタを環境内のドアや窓に配置した例を示す図である。
【図3】リーダライタを出入口に対して二重に配置した例を示す斜視図である。
【図4】背景差分法の原理を示す説明図である。
【図5】物品/移動体検索・管理手段の構成を示すブロック図である。
【図6】物品データベースの構成とその記載内容例を示す図である。
【図7】環境の実状況と、それに対応する環境マップとを例示する図である。
【図8】スケジュール管理データベースの構成とその記載内容例とを示す図である。
【図9】物品選択ルールベースの構成とその記載内容例とを示す図である。
【図10】作業ロボットの構成の一例を示す概略図である。
【図11】物品管理処理のフローチャートである。
【図12】物品選択処理のフローチャートである。
【図13】物品選択処理によって作成された仮物品リストの一例を示す図である。
【図14】サブルール適用処理のフローチャートである。
【図15】候補リストの一例を示す図である。
【図16】サブルールの適用によって作成された物品リストの一例を示す図である。
【符号の説明】
101・・・環境管理サーバ(物品管理サーバ)
102・・・作業ロボット
103・・・操作端末(提示手段)
106・・・物品/移動体データベース
110・・・制御手段
120・・・センシング手段
121・・・物品選択ルールベース(ルールベース)
122・・・スケジュール管理データベース(イベントデータベース)
123・・・物品選択手段
301,302・・・仮物品リスト
303・・・物品リスト
41〜44・・・リーダライタ(センサ)
53・・・出入口
61・・・物品データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う空間(以下、これらを総称して生活空間という)において物品の管理を行う生活空間用の物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、所定の空間における物品の管理を行うシステムとして、産業分野では自動倉庫が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている自動倉庫は、倉庫に保管されている物品の指定を受けて、その指定された物品を出庫させるように構成されている。
【0004】
また、特許文献2に開示されている自動倉庫は、定期的に交換の必要な灯器を保管する自動倉庫であって、その灯器の交換スケジュールを入力を受けて、その灯器の交換日毎に必要な種類の灯器を、必要な数だけ出庫するように構成されている。
【0005】
また、特許文献3には、物品管理方法として、ユーザの行動予定や状況に応じて必要な物品又は不要な物品をリストアップする方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−113315号公報
【特許文献2】
特開平8−234809号公報
【特許文献3】
特開2002−163301号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等においては、各種のイベントが実行される。例えば一般家庭では、お父さんが泊りがけで出張に出かけたり、家族でキャンプに出かけたりするイベントが行われる。こうしたイベントの実行の際にはそのイベントに対応した物品が必要となる。例えば泊りがけの出張では、着替え等が必要となる。また、キャンプでは、テント、簡易テーブルセット、ガスコンロ、寝袋等が必要となる。このため、これからイベントを実行しようとする際には、人はそれに必要な物品をリストアップし、そのリストアップした物品を収集することを行う。
【0008】
ここで、特許文献1,2に開示されている産業用の物品管理システムを上記生活空間に適用することが考えられるかもしれない。
【0009】
ところが、特許文献1に開示された物品管理システムは、出庫させる物品を一つ一つ指定しなければならないため、生活空間に適用させたときでも、イベントに用いる物品を、ユーザが一つ一つ指定しなければならず、ユーザによる物品の指定が煩雑になる。
【0010】
また、特許文献2に開示された物品管理システムは、必要な物品を一つ一つ指定する必要はなく、イベントを指定することによってその実行の際に用いる物品が選択されることになるものの、特許文献2に開示された物品管理システムが対象とするイベントは灯器の交換に限られており、その一つのイベントのみに用いる物品の種類と数とが管理されるに過ぎない。これに対し、生活空間において実行されるイベントは多種多様であり、その各イベントに用いる物品は互いに相違する。このため、特許文献2に開示された物品システムを生活空間に適用させたとしても、ユーザが実行する種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを選択することはできない。
【0011】
一方、特許文献3に開示された物品管理システムは、イベント(行動予定)に必要な物品の標準的なリストを、イベントの実行主体が予め作成しておき、そのリストに基づいてイベントに用いる物品を特定するようにしている。
【0012】
ところが、上述したように、生活空間において実行されるイベントは多種多様であることから、その一つ一つのイベントについて標準的なリストを予め作成することは極めて困難である。また、特許文献3には、その標準的なリストをイベントの実行主体以外の者が作成することも開示されているが、同じイベントを実行するとしても、イベントに用いる物品は各個人で異なることが普通である。そのため、イベントの実行主体以外の者が標準的なリストを作成したとしても、そのイベントの実行主体にとって最適な物品がリストに含まれるとは限らない。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う生活空間内に存在する物品を管理するシステムにおいて、ユーザが実行する種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを特定することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、次のようなシステムが考えられる。つまり、人の生活上、同じイベントが繰り返し行われる場合があることに着目して、これから実行される予定イベントに用いる物品を特定する際に、そのイベントに関連するイベントを予定イベントの実行主体が過去に実行しているときには、その過去のイベントに用いた物品を、予定イベントに用いる物品と特定するのである。こうすることで、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品を特定することが可能になると共に、予定イベントの実行主体に最適な物品を、特定することが可能になる。
【0015】
ところが、イベントの内容によっては、過去のイベントに用いた物品と同じ物品を、予定イベントに用いる物品とすることが、人の一般的な生活行為に照らして好ましくない場合がある。例えばイベント内容が食事に行くことである場合は、過去のイベントに用いた物品を、予定イベントに用いる物品と特定したのでは、過去に食事に行ったときに着用していた衣服と同じ衣服が、今度の食事に行くときに着用する衣服と特定されてしまう。
【0016】
そこで、本発明は、これから実行される予定イベントに用いる物品を、過去に実行された過去イベントの情報を基に特定(選択)するものの、過去イベントに用いた物品とは異なる物品とすることによって、人の一般的な生活行為に適合させることにした。
【0017】
本発明の物品管理システムは、所定の生活空間内に存在する物品の管理を行うシステムである。
【0018】
この物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、を備える。
【0019】
そして、上記物品選択手段は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を上記物品データベースから選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0020】
ここで、IDは物品を特定するものであり、物品一つ一つについて個別のものである。これに対し、属性は、同じ性質を有する個々の物品を包含するグループであり、例えば「ジャケット」「シャツ」「パンツ」等と表される。
【0021】
この構成により、物品選択手段123 は予定イベントに関連する過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を、その予定イベントに用いる物品として選択する。
【0022】
このように、過去イベントに用いた物品の情報を基に物品を選択することで、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを選択することが可能になる。
【0023】
また、予定イベントに用いる物品として選択される物品は、過去イベントに用いた物品と同じではなく、同じ属性を有する異なる物品であるため、物品として必要な機能は確保される一方で、予定イベントに用いる物品は過去イベントに用いた物品とは異ならせたいという、人の一般的な生活行為に適合した物品の選択が実現する。
【0024】
上記物品管理システムは、物品の選択ルールを記憶するルールベースをさらに備え、上記ルールベースは、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択する第1ルールと、過去イベントに用いた物品と同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択する第2ルールとのうちのいずれか一方を、イベント毎に設定して記憶し、上記物品選択手段は、上記ルールベースを参照して、予定イベントに対応して設定されたルールに従って物品データベースから物品を選択してもよい。
【0025】
上記ルールベースは、第2ルールが設定されたイベントについては、その第2ルールが適用される物品の種類を設定して記憶してもよい。
【0026】
上記物品管理システムは、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを検出するセンシング手段をさらに備え、上記物品データベースは、上記センシング手段の検出結果に基づく物品の持出履歴及び持込履歴の情報を蓄積してもよい。
【0027】
上記センシング手段は、それぞれ物品の存在を検出する複数のセンサを、生活空間の出入口に物品の通過方向に並べて配設することにより、その並べて配設したセンサの物品の検出順序によって、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを区別して検出してもよい。
【0028】
上記センシング手段は、物品の持出又は持込を行った物品取扱主体をさらに検出し、上記物品データベースは、上記センシング手段の検出結果に基づいて、持出又は持込された物品とその物品取扱主体とを対応付けて記憶してもよい。
【0029】
上記物品選択手段は、過去イベントに用いた物品を、物品データベースを参照することにより、その物品の物品取扱主体がその過去イベントの実行主体又は共同参加者であることと、その過去イベントの開始時に生活空間から持ち出された物品であることと、その過去イベントの終了時に生活空間に持ち込まれた物品であること、との3つの条件に基づいて特定してもよい。尚、過去イベントの共同参加者の情報は、イベントデータベースに蓄積された過去イベントの情報に含めればよい。
【0030】
上記物品管理システムは、上記物品選択手段が作成した物品リストを提示する提示手段をさらに備えてもよい。
【0031】
また、上記物品管理システムは、作業命令を受けて物品の取り扱い作業を実行する作業ロボットと、物品選択手段が作成した物品リストに含まれる物品を所定の場所に移動させる作業命令を、上記作業ロボットに出力する制御手段と、をさらに備えてもよい。
【0032】
上記イベントデータベースは、ユーザのスケジュールとして予定イベントの情報を蓄積し、上記制御手段は、上記予定イベントの実行前に、その予定イベントについて作成された物品リストに含まれる物品の移動作業を作業ロボットに実行させてもよい。
【0033】
本発明の他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースと、を備え、上記物品選択手段は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、上記ルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記抽出した過去イベントの情報を利用して上記物品データベースから物品を選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0034】
本発明のさらに他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースと、を備え、上記物品選択手段は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品を上記物品データベースから選択して、その選択した物品を含む仮物品リストを作成し、上記ルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行うことにより、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する。
【0035】
本発明の物品管理サーバは、所定の生活空間内に存在する物品の管理を行うサーバである。
【0036】
この物品管理サーバは、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、上記物品選択手段は、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択し、その選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0037】
本発明の他の物品管理サーバは、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、上記物品選択手段は、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントの情報を利用して物品を選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0038】
本発明のさらに他の物品管理サーバは、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、上記物品選択手段は、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品を、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから選択して、その選択した物品を含む仮物品リストを作成し、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行うことによって、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する。
【0039】
本発明の物品管理方法は、所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う方法である。
【0040】
この物品管理方法は、これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択するステップと、上記選択した物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む。
【0041】
本発明の他の物品管理方法は、これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントの情報を利用して物品を選択するステップと、上記選択した物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む。
【0042】
本発明のさらに他の物品管理方法は、これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、上記抽出した過去イベントに用いた物品を、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから選択し、その選択した物品を含む仮物品リストを作成するステップと、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行って、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る物品管理システムは、所定の空間における物品を管理するシステムである。本実施形態では、所定の空間は、一般家庭、オフィス、ホテル、店舗及び病院等の、人が活動を行う空間(生活空間)とし、特に本実施形態では、一般家庭のある一つの部屋を、物品管理システムの対象空間(以下これを環境と呼ぶ)とする。
【0044】
本システムは、図1に示すように、環境管理サーバ101 (以下、単にサーバと省略することもある)、作業ロボット102 (以下、単にロボットと省略することもある)、及び操作端末103 の大きく分けて3つのサブシステムから構成される。これら3つのサブシステム101 〜103 は、無線又は有線のネットワークを介して接続されていて、このネットワークを介して情報のやり取りを行うように構成されている。
【0045】
3つのサブシステム101 〜103 はそれぞれ、制御手段110 ,115 ,119 と送受信手段109 とを備えている。各サブシステム101 〜103 の送受信手段109 は処理が同じであるため、同じ符号を付すことにする。
【0046】
ここで、物品とは、人や作業ロボット102 によって取り扱われるものをいう。また、人及び作業ロボット102 は物品の取り扱いを行うものであり、以下、これら総称して移動体と呼ぶ。尚、物品の一つである衣服(ジャケット、シャツ、パンツ等を含む)は、人が着ているときには、人によって取り扱われているとみなす。さらに、物品の取り扱いを行っている移動体を、物品取扱主体と呼ぶ。従って、衣服を着ている人は、その衣服の取り扱いを行っている物品取扱主体となる。
【0047】
−センシング手段の構成−
本システムは、環境内の状況を把握するセンシング手段120 を備え、このセンシング手段120 は、1番目のサブシステムである環境管理サーバ101 に接続されている。
【0048】
上記センシング手段120 は、環境の出入口の状況を検出する出入口センシング手段121 と、環境内の状況を検出する環境内センシング手段122 とから構成されている。
【0049】
(出入口センシング手段)
上記出入口センシング手段121 は、移動体が環境内に物品を持ち込んだこと、及び環境外へ物品を持ち出したことを検出するものである。つまり、出入口センシング手段121 は、物品が物品取扱主体によって出入口を通過されたことを検出する。
【0050】
この出入口センシング手段121 としては、電子タグとリーダライタとからなるものを採用することができる。
【0051】
電子タグとはデータを蓄えるICとデータを無線で送受信するアンテナとから構成されるデバイスであり、リーダライタとは電子タグに書き込まれた情報を読みとったり、電子タグに情報を書き込んだりすることのできる装置である。
【0052】
この電子タグとリーダライタとからなる出入口センシング手段121 は、例えば図2に示すように、環境と外部との出入口である窓51及びドア52の開口部それぞれに、ゲート型のリーダライタ(RFアンテナ)41,42を配設して構成される。
【0053】
また、この出入口を通過する全ての物品には、予め上記電子タグを付す。この電子タグには、その物品に関するデータ、例えば物品の種類、形状、重さ、その物品の画像、製造年月日等のデータを埋め込むのがよい。
【0054】
さらに、この出入口を通過する移動体にも、予め電子タグを付す。人に付す電子タグは、その人が常時携帯するもの(例えば腕時計や指輪等)に埋め込んでもよい。移動体に付す電子タグには、その移動体に関するデータ、例えば人の名前や生年月日等の情報を書き込むのがよい。
【0055】
出入口センシング手段121 をこのように構成することによって、物品及び移動体がこの窓51やドア52を通過するときには、その出入口に設置されたリーダライタ41,42が、物品及び移動体に取り付けられた電子タグからの情報を読み取ることになる。こうして、電子タグからの情報を読み取ることによって、出入口センシング手段121 は、物品及び移動体が出入口を通過したことを検出することができる。
【0056】
また、上記リーダライタを出入口に対して二重に設置するように構成すれば、出入口センシング手段121 は、物品が出入口を通過したことだけではなく、物品が環境内に持ち込まれたのか、環境内から持ち出されたのかを区別して検出することができる。
【0057】
つまり、図3に示すように、第1のリーダライタ43を環境外である、窓やドアの開口部53の外側に設置する一方で、第2のリーダライタ44を環境内である、窓やドアの開口部53の内側に設置するのである。この構成によって、環境の外側に設置された第1のリーダライタ43が電子タグからの情報を検出した後に、内側に設置された第2のリーダライタ44が電子タグからの情報を検出したときには、その電子タグが取り付けられた物品は、外部から環境内に持ち込まれた(又は移動体が外部から環境内に入った)と特定することができる。逆に、環境の内側に設置された第2のリーダライタ44が電子タグからの情報を検出した後に、外側に設置された第1のリーダライタ43が電子タグからの情報を検出したときには、その電子タグが取り付けられた物品は、環境内から外部に持ち出された(又は移動体が環境内から外部に出た)と特定することができる。
【0058】
尚、図2及び図3では、窓51やドア52の開口部53の上下左右を囲むようにリーダライタ41〜44を設置しているが、これは電子タグの向きに依存せず高精度の検出を行なうためであり、リーダライタ41〜44は、開口部53の上下位置のみ、左右位置のみ、又はその中央位置に設置してもよい。
【0059】
尚、出入口センシング手段121 は、電子タグとリーダライタとからなるものに限らず、その他の構成のものを採用してもよい。その場合も、物品の持ち出しと持ち込みとを区別して検出できることが好ましい。但し、後述する環境内センシング手段122 によって、環境内の存在する物品は検出可能であることから、出入口センシング手段121 が、物品の持ち出しと持ち込みとを区別して検出できなくても、この環境内センシング手段122 の検出結果と出入口センシング手段121 の検出結果とを組み合わせることによって、物品が環境外に持ち出されたか、環境内に持ち込まれたかを区別することは可能である。
【0060】
(環境内センシング手段)
上記環境内センシング手段122 は、環境内に存在する物品や設備(家具等を含む)、及び人やロボット102 の位置と状態とを常時検出するものである。
【0061】
この環境内センシング手段122 としては、画像センサを用いるものを採用することができる。画像センサを用いる環境内センシング手段122 は、部屋の天井や壁等に固定したカメラを備え、そのカメラが撮像したカメラ画像によって、室内の物品等の検出を行うように構成される。
【0062】
カメラ画像を用いて環境内の物品や移動体を検出する一般的な方法の一つに、背景差分法があり、環境内センシング手段122 としては、その背景差分法を利用することができる。この背景差分法とは、背景としてのモデル画像を予め用意しておき、現在のカメラ画像と上記モデル画像との差分を取ることによって、対象物を検出する方法である。
【0063】
本システムにおける環境内センシング手段122 は、環境内の物品や移動体を検出・監視することが目的であるため、モデル画像としては、環境の状況変動が少ない場合は、その環境内に物品・移動体が存在していないときに撮像した画像を用いればよい。尚、環境の状況変動が激しい場合は、所定の時間間隔を空けて撮影された複数の画像を平均して得られた画像を、モデル画像として用いればよい。
【0064】
具体的に、背景差分法による物品の検出方法について、図4を参照しながら説明する。ここで、図4(a)はモデル画像の例を示す図であり、図4(b)はある時点でカメラが撮影した画像(入力画像)を示す図であり、図4(c)は、入力画像からモデル画像を差し引くことによって得られた背景差分画像の例を示す図である。図4(c)から分かるように、背景差分画像では、入力画像とモデル画像との差のある部分が浮き出てくる(同図の網掛け部分参照)。このため、その浮き出た部分のみをそれぞれ取り出すことで環境内に存在する物品を検出することができる。さらに、その画像を画像処理することによって、その物品が何であるかを特定する(この処理は、後述する物品特定手段32が行う)。このように、背景差分法を用いることによって、環境内の物品及び移動体の状況を検出することが可能になる。
【0065】
また、環境内センシング手段122 としては、上記出入口センシング手段121 と同様に、電子タグ及びリーダライタを用いるものも採用することができる。
【0066】
この電子タグとリーダライタとからなる環境内センシング手段122 は、図示は省略するが、環境内にリーダライタを多数設置することで構成される。また、環境内に存在する各物品及び各移動体には、上述したように、電子タグを付す。この構成により、環境内に設置されたリーダライタは、環境内に存在している各物品に付された電子タグからの情報を読み取ることになり、それによって、カメラがなくても、環境内に存在する物品や移動体を検出することが可能になる。
【0067】
また、カメラを用いる構成の環境内センシング手段122 は、単に物品の存在を検出するだけであるが、電子タグとリーダライタを用いる構成の環境内センシング手段122 は、物品の存在を検出することに加えて、電子タグに埋め込まれている情報を利用することが可能である。それによって、その物品が何であるかを確実に特定することが可能になる、その物品の製造年月日データによる品質期限の管理が可能になる、物品の形状データにより後述するロボット102 の物品の把持作業が容易になる等、さらに利便性を高めることができる。
【0068】
環境内センシング手段122 は、画像センサと電子タグとの双方を用いるものとすることも可能である。つまり、上述した背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定し、さらに電子タグを使ってその物品を特定するというハイブリッド処理を行うのである。具体的な処理として、以下の2つの例を挙げることができる。
【0069】
一つの例は、環境内の天井や壁等にカメラを設置し、作業ロボット102 にはリーダライタを取り付けて環境内センシング手段122 を構成する。また、各物品及び移動体には電子タグを取り付けておく。そして、上記カメラ画像を用いた背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定する。次に、特定した物品の近傍に上記ロボット102 を移動させて、そのロボット102 に取り付けたリーダライタによって、その物品に取り付けられた電子タグから情報を読みとり、その物品を特定する。
【0070】
もう一つの例は、環境内の天井や壁等にカメラを設置し、その環境内に複数個のリーダライタを略均等に設置して環境内センシング手段122 を構成する。このリーダライタは、電子タグのデータ読みとりに関して指向性を有しかつ、その読み取り方向が可変であるものとする。そして、上記カメラ画像を用いた背景差分法によって、環境内の物品の位置を特定する。次に、特定した物品に最も近い位置に設置されたリーダライタを選択すると共に、そのリーダライタの読みとり方向をその物品に向ける。こうして、その物品に取り付けられた電子タグから情報を読み取り、その物品を特定する。尚、この例では、リーダライタと電子タグとの間の距離が長くなる場合があるため、比較的強い無線電波を用いることになる。このため、環境内に人がいないことを、例えば背景差分法によって確認した上で、リーダライタが電子タグの情報を読み取ることが好ましい。
【0071】
尚、環境内センシング手段122 はここで説明した以外の方法(例えば、光ビーコンを用いたセンシング手法)を採用してもよい。
【0072】
上記センシング手段120 は、以上のようにして環境に対する物品の持ち込み・持ち出し、及び環境内における物品の移動(取扱い)を検出したときには、その検出結果を、サーバ101 の物品/移動体検索・管理手段105 に送信する。
【0073】
−環境管理サーバの構成−
環境管理サーバ101 は、図1に示すように、上記センシング手段120 によって把握した状況のうち、環境内に存在する物品と移動体との状況を管理する物品/移動体検索・管理手段105 及びその物品及び移動体のデータを蓄積する物品/移動体データベース106 と、上記物品及び移動体以外の環境全体の状況を管理する環境マップ管理手段107 及びその環境全体のデータを蓄積する環境マップ108 と、各移動体のスケジュール(過去に実行した過去イベント及びこれから実行する予定イベント)が記憶されているスケジュール管理データベース122 と、物品/移動体データベース106 に蓄積されている物品の中から、予定イベントに用いる物品を選択する物品選択手段123 と、この物品選択手段123 による物品の選択ルールを蓄積する物品選択ルールベース121 と、物品/移動体データベース106 のデータや環境マップ108 のデータの問い合わせ(信号)を外部から受信したり、その応答信号を外部に発信したり、また、ロボット102 に対する制御コマンドを送信したりする送受信手段109 と、これらの手段105 ,107 ,109 ,123 をコントロールする制御手段110 とからなる。
【0074】
この環境管理サーバ101 としては汎用コンピュータを用いることが可能である。この場合は、後述する各処理を実行する制御プログラムをコンピュータが読み込むことによって、そのコンピュータを環境管理サーバ101 として用いることが可能になる。
【0075】
(物品/移動体検索・管理手段)
物品/移動体検索・管理手段105 は、センシング手段120 によって検出された各物品及び移動体の情報を、物品/移動体データベース(DB)106 に蓄積するものである。
【0076】
また、物品/移動体検索・管理手段105 は、センシング手段120 の検出結果に基づいて、物品の特定を行うと共に、その物品を取り扱っている移動体を特定し、それらの特定結果を上記物品/移動体DB106 に蓄積するように構成されている。
【0077】
さらに、上記物品/移動体検索・管理手段105 は、制御手段110 から物品/移動体DB106 に問い合わせがあった場合に、その問い合わせの内容に応じて必要な情報を物品/移動体DB106 から取り出し、その情報を制御手段110 に送ることも行う。
【0078】
上記物品/移動体検索・管理手段105 は、図5に示すように、センシング手段120 の検出結果を受けて物品が移動体によって取り扱われていること(物品取扱状態)を検出する物品取扱検出手段31と、上記物品取扱検出手段31の検出結果を受けて、移動体に取り扱われている物品を特定する物品特定手段32と、上記物品取扱検出手段31の検出結果を受けて、物品を取り扱っている移動体(物品取扱主体)を特定する物品取扱主体特定手段33と、を備えている。
【0079】
上記物品取扱検出手段31は、出入口センシング手段121 の検出結果に基づいて、環境の出入口における物品取扱状態を検出する。具体的には、物品と移動体とが共に出入口を通過したことを出入口センシング手段121 が検出したときに、上記物品取扱手段31は、出入口において物品が取り扱われたと検出する。例えば衣服を着た移動体が出入口を通過すれば、上記物品取扱手段31は、出入口において物品が取り扱われたと検出する。また、移動体が物品を手に持って出入口を通過したときにも、上記物品取扱手段31は、出入口において物品が取り扱われたと検出する。
【0080】
また、物品取扱検出手段31は、環境内センシング手段122 の検出結果に基づいて、環境内における物品取扱状態を検出する。具体的には、環境内センシング手段122 が、上述した背景差分法を利用して環境内における物品の検出を行っているときには、入力画像(カメラ画像)とモデル画像とに差のある部分が生じたときに、上記物品取扱検出手段31は、その部分で物体が取り扱われていると検出する。
【0081】
また、環境内センシング手段122 が、上述した電子タグとリーダライタとを利用して環境内における物品の検出を行っているときには、電子タグからの情報を読み取っていたリーダライタが、その電子タグからの情報が読み取れなくなったとき、逆に、電子タグからの情報を読み取っていなかったリーダライタが、電子タグからの情報を読み取ることができるようになったときに、上記物品取扱検出手段31は、その電子タグが付された物品が取り扱われていると検出する。
【0082】
上記物品特定手段32は、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出したときに、物品取扱主体に取り扱われている物品を特定し、その物品の情報を物品/移動体DB106 に蓄積するものである。
【0083】
上記物品特定手段32は、上述したように、センシング手段120 が電子タグとリーダライタを用いたものであるときには、その電子タグからの情報に基づいて物品の特定をする。また、センシング手段120 がカメラ画像を用いたものであるときには、そのカメラ画像に基づいて物品の認識処理を行い、その物品の特定を行う。
【0084】
上記物品取扱主体特定手段33は、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出したときに、その物品を取り扱っている物品取扱主体を特定し、その物品取扱主体の情報を物品/移動体DB106 に蓄積するものである。
【0085】
上記物品取扱主体特定手段33は、物品取扱検出手段31が出入口における物品の取り扱い(物品の移入又は移出)を検出したときには、その物品と略同時に出入口を通過した移動体を物品取扱主体と特定する。この物品取扱主体は、移動体に付された電子タグからの情報に基づいて特定すればよい。上述したように、衣服を着ている移動体が出入口を通過したときには、その移動体が、衣服の取扱主体と特定される。
【0086】
一方、上記物品取扱主体特定手段33は、物品取扱検出手段31が環境内における物品の取り扱いを検出したときには、次のようにして物品取扱主体を特定する。つまり、環境内センシング手段122 がカメラを用いて物品を検出しているときには、物品取扱主体特定手段33は、そのカメラに物品取扱状態が検出された領域を撮像させ、その撮像した画像に対して顔認証処理を行い、その認証処理によって移動体を特定する。こうして特定された移動体は、取扱いがされた物品の近傍にいたと考えられるので、その移動体を物品取扱主体と推定することができる。ここで、環境内センシング手段122 として用いるカメラは、背景差分法による物品検出に用いるため、通常、広域を撮影する広角カメラである。この広角カメラの撮像画像は解像度が比較的低く、顔認証処理を行なうには解像度が足りない場合がある。そこで、背景差分法に用いるカメラとは別に、顔認証処理用のカメラとして狭角の高分解能カメラを、環境内に設置又はロボット102 に設置してもよい。この場合、物品取扱主体特定手段33は、狭角カメラに、上記物品取扱検出手段31が物品取扱状態を検出した領域を撮像させ、その撮像した画像に対して顔認証処理を行う。こうすることにより、物品取扱主体特定手段33は物品取扱主体を精度よく特定することができる。
【0087】
尚、物品取扱主体特定手段33における物品取扱主体の特定方法は、顔認証処理に限らず、例えば虹彩認証等のその他の認証処理によって行ってもよい。また、カメラ画像に対する認証処理を行わなくても、そのカメラ画像自体を物品/移動体DB106 に蓄積することによって、物品取扱主体の情報を保持してもよい。これは、認証処理によって移動体を特定することができなかったときに限って行ってもよい。
【0088】
また、物品取扱主体の特定は、電子タグを利用して行ってもよいし、光ビーコンを利用して行ってもよい。
【0089】
尚、上述した出入口における物品取扱主体の特定を、カメラ画像を用いた認証処理によって行ってもよい。
【0090】
(物品/移動体データベース)
環境管理サーバ101 の物品/移動体DB106 は、物品及び移動体の情報を蓄積するDBであり、この物品/移動体DB106 は、物品を扱う物品データベース(図6)と、移動体を扱う移動体データベース(図示省略)とからなる。
【0091】
物品DB61は、図6に示すように、物品データ611 、物品履歴データ612 、及び物品属性データ613 の3種類のデータをそれぞれ蓄積するサブデータベースからなる。各サブデータベースに蓄積されるデータ内容は以下の通りである。
【0092】
1)物品データ611 :物品の名称、個々の物品を区別するためのID、物品履歴データへのポインタ、物品の属性が記載された物品属性データへのポインタ、が蓄積される。ここで、複数の物品について、その属性が同じであっても物理的に別の存在であれば、それらはそれぞれ別の物品として扱うため異なるIDが割り当てられると共に、異なる物品属性データへのポインタを持つ。一方、属性が同じ物品は異なるIDが割り当てられていても、同じ物品属性データへのポインタを持つ。これにより、データベースの容量を節約する。また、IDは、Name−ID部分とID番号とによって構成される。Name−IDは、同じ属性を有する物品に対しては共通であり、このName−IDによって物品の属性を判別する。ID番号は、各物品に固有であり、このID番号によって各個体を識別し、特定する。
【0093】
2)物品履歴データ612 :物品が取り扱われた履歴を格納するもので、取り扱われた時刻、取扱内容、物品取扱主体、位置、の4項目からなる。この内、取扱内容には、センシング手段120 による検出結果に基づいて、(環境内で)移動、(環境外へ)持出、(環境内に)持込、等と記憶される。また、物品の位置は、種々の表現形態が考えられるが、物品が家具や収納スペース(例えば押し入れ等)に収容されているときには、その家具や収納スペースを特定することによって、物品の位置を表現することとする(図例では、タンス−001,押入−001)。この場合に、家具全体を一つの場所として特定してもよいし、家具に含まれる各スペースを一つの場所として特定してもよい。つまり、例えばタンスであれば、そのタンス全体を一つの場所として、「タンス−001」としてもよいし、タンスは複数の引出しを備えているため、一つ一つの引き出しを一つの場所として特定してもよい。また、物品が家具等に収容されていないとき、例えば床上に置かれているとき等には、環境内における座標によって、物品の位置を表現することとする。例えば(x1,y1,z1,l1,m1,n1 )という6つのパラメータで、環境内における物品の位置を表現することが可能である。ここで、最初の3つのパラメータ(x1,y1,z1)は、物品の位置(重心位置等を用いる)を表し、後の3つのパラメータ(l1,m1,n1)は、物品の向きを表す。尚、物品履歴データ612 における物品取扱主体は、上記物品取扱主体特定手段33によって特定された移動体である。
【0094】
図例の物品履歴データ612 には、ジャケット(jacket−001)が、2002年9月23日17:00に、お父さんによって環境外に持ち出され(例えばジャケットを着たお父さんが外出した)、2002年9月23日23:00に、お父さんによって環境内に持ち込まれ(例えばジャケットを着たお父さんが帰宅)、その後、タンス−001に収納された履歴が記憶されている。また、テント(tent−001)が、2002年8月10日9:00に、お父さんによって環境外に持ち出され、2002年8月15日19:00に、お父さんによって環境内に持ち込まれ、その後、押入−001に収納された履歴が記憶されている。物品履歴データ612 は、記憶容量を考慮して、所定よりも過去のデータは逐次消去するようにしてもよい。
【0095】
3)物品属性データ613 :物品が有する物理的な属性情報を格納するもので、属性情報の例としては、図6に示すように、物品の重さ、外観画像が挙げられる。また、物品毎に格納される属性情報が異なり、例えば衣服(jacket−001)には、色や、それを使用する季節の情報が記憶される。また、使用時以外は折り畳んだ状態で置かれる物品(例えば環境内では折り畳んだ状態で置かれる物品:tent−001)には、その折り畳んだ状態での形状とサイズとの情報が記憶される。この物品属性データ613 に記憶されている情報は、後述する物品選択手段123 における物品の選択に利用される。
【0096】
これに対し、移動体DBは、図示は省略するが、個々の移動体に関するデータと、その個々の移動体の移動履歴に関するデータとがそれぞれ蓄積される。
【0097】
(環境マップ管理手段・環境マップ)
環境マップ管理手段107 は、センシング手段120 からの情報に基づいて環境マップ108 を作成すると共に、その作成した環境マップ108 の管理を行うものである。この環境マップ108 は、ロボット102 が環境内を移動する際に利用するものである。ロボット102 は、後述するように、この環境マップ108 をサーバ101 から取得して移動経路計画を立てる。
【0098】
また、上記環境マップ管理手段107 は、詳しくは後述するが、制御手段110 から環境マップ108 に問い合わせがあった場合に、その問い合わせの内容に応じて必要な情報を制御手段110 に送ることも行う。
【0099】
環境マップ108 は、例えば環境の実状況が、図7(a)に示される場合に、その実状況を立体モデルで簡略化したもの(図7(b))を環境マップ108 としてもよい。また、図7(c)に示すように、さらに平面モデルで簡略化したものを環境マップ108 としてもよい。すなわち環境マップ108 は、そのマップの用途や、そのマップ作成にかけることのできる時間(手間)に応じて作成すればよい。例えば、立体モデルからなる環境マップを極めて短時間で作成する必要があるときは、環境内に存在する立体物を、その立体物を覆う最小の直方体でモデル化すればよい。図7(b)に示す環境マップ108 はその例であり、洋服ダンスを直方体でモデル化している。平面モデルからなる環境マップも同様であり、図7(c)に示す作業マップ108 では、洋服ダンスを平面に正射影した矩形領域(斜線を付した領域)でそれぞれモデル化している。また、この平面モデルからなるマップ108 では、上記の矩形領域をロボット102 が移動不可能な領域に設定する。
【0100】
(スケジュール管理データベース)
スケジュール管理データベース122 は、ユーザ毎にスケジュール(過去に実行された過去イベント及びこれから実行される予定イベント)の情報を蓄積して管理するデータベースである。このスケジュール管理データベース122 に蓄積される情報は、ユーザが操作端末103 において予定イベントの情報を入力する毎に追加される。
【0101】
図8はスケジュール管理DB122 に蓄積されているスケジュールを表形式で示す一例であり、ここでは、各イベントの情報として、出発日時(開始時刻)、帰宅日時(終了時刻)、イベント内容、行き先、同行者(共同参加者)、の5つの項目の情報が蓄積されている(以下、これをイベントデータと呼ぶ)。尚、図示は省略するが、このスケジュール管理DB122 には、ユーザ毎にスケジュールが記憶されて管理される。
【0102】
このスケジュール管理DB122 に記憶されているイベントデータは、後述する物品選択手段123 による、物品の選択に利用される。
【0103】
(物品選択手段)
物品選択手段123 は、スケジュール管理DB122 に登録されている予定イベントに用いる物品を物品DB61から選択すると共に、その選択した物品を含む物品リストを作成するものである。この物品選択手段123 による物品リストの具体的な作成手順については、後述する。
【0104】
(物品選択ルールベース)
物品選択ルールベース121 は、上記物品選択手段123 による物品の選択ルール(入れ替えルール)を蓄積するものであり、この物品選択ルールベース121 に蓄積される物品の選択ルールは、過去イベントの情報を利用したルールである。具体的には、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択するルールと、過去イベントに用いた物品とは異なる物品、より詳しくは、過去イベントに用いた物品とは属性が同じでかつIDが異なる物品を選択するルールと、の2つのルールが設定されている。
【0105】
ここで、本実施形態では「物品の属性」とは、例えば「ジャケット」「シャツ」「パンツ」等の同じ性質を有する個々の物品を包含するグループをいう。また、「物品の種類」とは、例えば「衣服」「食器」等の、複数の属性を包含するグループをいう。つまり、「衣服」という物品の種類には、「ジャケット」「シャツ」「パンツ」等がそれぞれ包含される。
【0106】
図9は、物品選択ルールベース121 に登録されているルールを、表形式で示した図であり、イベント内容と選択ルールとが互いに対応付けられて登録されている。
【0107】
ここで、物品選択ルールの欄が「−」とされているイベントは、そのイベントについては、デフォルトルールが設定されていることを意味する。このデフォルトルールとは、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択するルールである。図例では、「キャンプ」はデフォルトルールに設定されているため、キャンプの予定イベントに用いる物品としては、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品が選択されることになる。
【0108】
一方、物品選択ルールの欄が「サブルール」とされているイベントは、そのイベントについては、サブルールが設定されている(デフォルトルールに対してサブルールが追加して設定されている)ことを意味する。このサブルールとは、過去イベントに用いた物品とは属性が同じでかつIDが異なる物品を選択するルールである。図例では、「食事」はサブルールに設定されているため、食事の予定イベントに用いる物品としては、過去イベントに用いた物品と属性が同じでIDが異なる物品が選択されることになる。
【0109】
また、物品選択ルールの欄が「サブルール.衣服」に設定されているのは、物品の種類が「衣服」である物品について、サブルールが適用されることを意味する。このため、衣服以外の物品についてはサブルールは適用されない(デフォルトルールが適用される)ことになる。
【0110】
(制御手段)
環境管理サーバ101 における制御手段110 はサーバ全体を制御する部分であり、主な制御内容としては以下のものがある。
【0111】
1)送受信手段109 が、サーバ内にある各種データに関する問い合わせ受信したときに、その問い合わせ内容を判断し、その判断結果に応じて物品/移動体検索・管理手段105 、環境マップ管理手段107 、スケジュール検索・管理手段121 にデータの参照要求を出す。
【0112】
2)上記要求に対して物品/移動体検索・管理手段105 、環境マップ管理手段107 又はスケジュール検索・管理手段121 から送られてきた結果を、送受信手段109 を介して問い合わせ元に送る。
【0113】
3)操作端末103 から送受信手段109 を介して送信されたロボット102 の作業内容メッセージを解釈し、そのロボット102 に動作を実行させるためのロボット制御コマンド列を生成して上記ロボット102 に送信する。尚、ロボット制御コマンド列については、後述する。
【0114】
4)必要に応じて、一定時間毎に、物品/移動体DB106 で管理している物品の一部又は全部の状況、環境マップ108 の状況を、個人スケジュール管理DB122 で管理しているスケジュール情報を、送受信手段109 を通じてロボット102 やユーザ(操作端末103 )にブロードキャストする。
【0115】
5)予定イベントに対応する物品リストが作成されたことを受けて、その物品リストの情報を送受信手段109 を通じて操作端末103 に送信する。
【0116】
6)予定イベントに対応する物品リストが作成されたことを受けて、その物品リストの情報を送受信手段109 を通じて作業ロボット102 に送信する。
【0117】
上記の5),6)の処理の詳細については、後述する。
【0118】
−作業ロボットの構成−
2番目のサブシステムである作業ロボット102 は、ユーザによって指定された作業命令に従って物品の取扱い作業を行うものである。
【0119】
図1に示すように、ロボット102 はその基本構成として、ロボット102 の近辺の障害物等を検知する障害物センサ111 、物品を把持する把持手段112 、環境マップ108 を使って移動計画を立てる移動計画作成手段113 、上記ロボット102 自体を移動させる移動手段114 、環境管理サーバ101 や操作端末103 との間で種々のデータの送受信を行う送受信手段109 、これらのセンサ111 及び各手段109 ,112 〜114をコントロールする制御手段115 とからなる。
【0120】
図10は、本システムにおけるロボット102 の構造の一例を示した模式図であり、このロボット102 は、移動計画作成手段113 や制御手段115 等を収容する略箱型の本体部10を備えている。以下、図10における紙面右側を前側、左側を後側、紙面奥側を左側、紙面手前側を右側と呼ぶ。
【0121】
把持手段112 は、多関節アーム12a とそのアーム12a の先端に配設されたハンド12b とから構成され、上記本体部10の上面に取り付けられている。上記アーム12a 及びハンド12b は、モータ制御によるアクチュエータを用いたものとしてもよいし、その他のアクチュエータ、例えば人工筋肉によるアクチュエータを用いたものでもよい。
【0122】
移動手段114 は車輪14によって構成されており、この車輪14は、上記本体部10の左右両側にそれぞれ2つ取り付けられている(図例では、左側の車輪の図示を省略する)。ここでは、移動手段114 を車輪14で構成したが、移動手段114 の構成は、そのロボットが使用される環境に応じて最適な構成を選択すればよい。例えば環境の床面の起伏が激しい場合は、移動手段114 をクローラ型や多足歩行型に構成することが好ましい。
【0123】
障害物センサ111 は、本システムでは、超音波センサ11a 、視覚センサとしてのステレオカメラ11b 、及び衝突センサ11c から構成される。
【0124】
上記超音波センサ11a は、超音波を発してその反射波を受信するまでの時間を測定することにより当該センサ11a から障害物までの距離を計算するもので、近距離の障害物を、それに衝突する前に検知するためのものである。この超音波センサは、本体部の各側面(前面、後面、左右側面)に、3つずつ取り付けられている。
【0125】
上記ステレオカメラ11b は、ロボット102 の周囲の状況を画像として入力し、その画像の認識等の処理を行うことで、障害物の有無の判断や把持対象物品のより正確な情報を得るためのものである。このステレオカメラ11b は、本体部10の前部に取り付けられている。
【0126】
上記衝突センサ11c は、ロボット102 に所定の衝撃力が加わったことを検知するセンサである。例えば障害物がロボット102 に衝突してきたことや、ロボット102 自体が移動中に障害物に衝突したことを、この衝突センサ11c で検知する。この衝突センサ11c は、本体部の前面と後面とのそれぞれに取り付けられている。
【0127】
移動計画作成手段113 は、ロボット102 に物品の移動作業やその他の作業に伴う移動が指定されたときに、そのロボット102 の現在位置から指定された位置(目的位置)までの移動経路を、環境マップ108 を使って作成するものである。この際、現在位置から目的位置までの移動経路上に障害物があってはならないが、環境マップ108 には、上述したように、ロボットが移動不可領域(例えば図7(c)の斜線を付した領域)が設定されている。このため、この移動不可領域以外の領域で移動経路を作成すれば、障害物を回避した移動経路が作成される。こうした移動経路の作成に当たっては、最も一般的な方法であるダイクストラ法を使ってもよいし、環境が複雑であれば、ダイクストラ法を改良した経路探索アルゴリズムを用いてもよい。
【0128】
尚、環境の状況が複雑すぎてロボット102 の移動経路の算出が出来ない、又はその算出に多大な時間を要するような場合等の対策として、ユーザがロボット102 の移動経路を指定するモードを設けてもよい。
【0129】
作業ロボット102 の制御手段115 は、主に環境管理サーバ101 から送受信手段109 を介して送られてきたロボット制御コマンド列を解釈し、そのロボット制御コマンドを順に実行するものである。
【0130】
ここで、ロボット制御コマンドとは、物品の把持や、ロボット102 自体の移動の制御を行うためのコマンドであって、本実施形態では以下の「移動」「把持」「解放」の3種類が設定されている。
【0131】
1)移動:(move,座標)
ロボット102 の現在位置から座標で指定された位置まで移動するコマンドである。座標は世界座標系で指定し、現在位置から目的位置までの移動経路は移動計画作成手段113 が計画する。
【0132】
2)把持:(grab,物品ID)
物品IDで指定された物品を、ハンド12b によって把持するコマンドである。物品の場所は物品DBを参照し、把持計画は把持手段112 が作成する。
【0133】
3)解放:(release)
ハンド12b を解放するコマンドである。
【0134】
ロボット制御コマンドはこの3種類に限らず、必要に応じて増やしてもよい。
【0135】
尚、本実施形態では、作業ロボット102 を、車輪14によって構成された移動手段114 を有する自走ロボットとしたが、作業ロボット102 は、この構成に限るものではない。例えば上述したアーム12a とハンド12b とからなる把持手段112 を、環境内の天井に取り付けたガイドレールに組み付けることで、作業ロボット102 を構成してもよい。この構成の作業ロボット102 は、上記把持手段112 がガイドレールに案内されて移動することにより、指定された位置に移動することができ、それによって、環境内で指定された物品を指定された位置に移動させる作業を実行することができる。
【0136】
−操作端末の構成−
3番目のサブシステムである操作端末103 は、本システムにおけるユーザインタフェースであり、主にロボット102 に対する物品の取扱い作業を指示するためにユーザが操作する端末である。
【0137】
操作端末103 はその基本構成として、図1に示すように、ロボット102 の作業内容を指定するための操作画面、サーバ101 に対してスケジュールの登録を行うための入力画面、作成された物品リストを表示(提示)する提示画面を表示する、例えばCRTや液晶ディスプレイからなる表示部117 、上記操作画面、入力画面及び提示画面上での入力を行うための、例えばポインティングデバイスやキーボードからなる入力部116 、上記表示部117 に表示される画面の作成等の表示制御を行う表示制御手段118 、上記入力部116 にて入力されたロボット102 の作業内容やスケジュールの登録内容を環境管理サーバ101 に送る送受信手段109 、これらの各手段109 ,116 〜118 をコントロールする制御手段119 からなる。
【0138】
この操作端末103 としては、例えば汎用PCを用いることも可能である。この場合、制御プログラムをPCが読み込むことによって、そのPCを操作端末103 として用いることが可能になる。
【0139】
ユーザは、この操作端末103 を用いてロボット102 の作業内容を指定したり、サーバ101 の個人スケジュール管理データベース122 に登録するスケジュール(予定イベント)を入力したり、物品リストに含まれる物品の追加・変更・削除を要求したりする。
【0140】
−物品管理手順−
次に、上記構成の物品管理システムにおける物品管理の一つである予定イベントに用いる物品を選択する手順について、説明する。本システムでは、予定イベントに用いる物品を過去イベントの情報に基づいて選択する。この物品の選択は、上記物品選択ルールベースに蓄積されている選択ルールに従って行われる。このため、予定イベントの内容に応じて、過去イベントに用いた物品を選択するときと、過去イベントに用いた物品とは異なる物品を選択するときとが切り替わる。
【0141】
上述したように、ユーザが操作端末103 を操作することによって、予定イベントが入力され、その入力された予定イベントの情報は、スケジュール管理DB122 に蓄積される。こうして、図8に示すスケジュール情報が作成される。
【0142】
ここで、図8に示すスケジュールが「お父さん」のものであり、これから実行される予定イベントとして、
出発日時:2003年9月13日10:00、帰宅日時:2003年9月17日20:00、内容:キャンプ、行き先:上高地、同行者:家族
という予定イベントAと、
出発日時:2003年9月23日18:00、帰宅日時:2003年9月23日23:30、内容:食事、行き先:レストラン△△、同行者:Aさん
という予定イベントBとが存在していたとし、この場合を例に、本システムにおける物品選択処理について、具体的に説明する。
【0143】
図11は、物品選択手段123 による物品管理処理を示すフローチャートであり、このフローチャートは、所定の時間間隔でスタートされる。
【0144】
先ず、ステップS11では、スケジュール管理DB122 を参照し、現時点から所定時間だけ未来の間に実行される予定イベントが存在するか否かを判定する。ここでの所定時間は、物品管理システムを利用するユーザの人数や、スケジュール管理DB122 に登録されているイベントの数等に応じて適宜設定すればよい。ステップS11で、予定イベントが存在するときには、ステップS12に移行する一方、予定イベントが存在しないときには、そのまま終了する。
【0145】
ここでは、予定イベントA、及び予定イベントBがそれぞれ存在しているとし、ステップS12に移行する。
【0146】
上記ステップS12では、その予定イベントの内容を把握し、続くステップS13では、スケジュール管理DB122 を参照することによって、予定イベントに関連する過去イベントが存在するか否かを判定する。例えば予定イベントと内容が同じ過去イベントが存在するか否かを判定してもよい。尚、予定イベントと内容が同一・類似の過去イベントが存在するか否かを判定してもよい。予定イベントと内容が類似する過去イベントは、イベントの内容が予定イベントと同じカテゴリに属する過去イベントとしてもよい。例えば、イベントの一つであるキャンプは、アウトドアスポーツのカテゴリに属するため、そのアウトドアスポーツのカテゴリに属するイベント(登山等)はキャンプに類似するイベントとなる。ここでは、予定イベントと内容が同じ過去イベントが存在するか否かを判定することとする。
【0147】
またステップS13では、予定イベントの実行主体と同じ実行主体が過去に実行した過去イベントを検索対象とする。つまり、仮に予定イベントの実行主体とは異なる人が、予定イベントと同じ内容の過去イベントを実行していたとしても、ステップS13では過去イベントは存在しないと判定する。そして、過去イベントが存在するときにはステップS15に移行する一方、過去イベントが存在しないときにはステップS14に移行する。
【0148】
ここでは、内容がキャンプである予定イベントAについては、図8に示すスケジュール管理DB122 を参照することにより、
出発日時:2002年8月10日9:00、帰宅日時:2002年8月15日19:00、内容:キャンプ、行き先:八ヶ岳、同行者:家族
という過去イベントAが存在していることがわかる。このため、ステップS15に移行することになる。
【0149】
一方、内容が食事である予定イベントBについては、同じくスケジュール管理DB122 を参照することにより、
出発日時:2002年9月23日17:00、帰宅日時:2002年9月23日23:00、内容:食事、行き先:レストラン○○、同行者:Aさん
という過去イベントBが存在していることがわかる。このため、ステップS15に移行することになる。
【0150】
上記ステップS14では、予定イベントと同じ内容のイベントが過去、実行されていない旨をユーザに通知する(サーバ101 から操作端末103 に情報を送信し、それによって操作端末の表示部117 にその旨の表示をする)。これによりユーザは、予定イベントに用いる物品の情報が得られないことを認識することができる。
【0151】
一方、上記ステップS15では、予定イベントと同じ内容のイベントを、過去に実行していることから、その過去イベントの情報を利用した物品の選択処理を実行する。
【0152】
図12は、ステップS15における物品選択処理のフローチャートを示していて、先ずステップS21では、スケジュール管理DB122 から、予定イベントと同じ内容の過去イベントを抽出する。このときに、予定イベントと同じ内容の過去イベントが複数存在するときには、時間的に直近の過去イベントを一つ抽出する。
【0153】
上記予定イベントAについては、過去イベントAが抽出され、上記予定イベントBについては、過去イベントBが抽出される。
【0154】
続くステップS22では、ステップS21で抽出した過去イベントに用いた物品を、物品DB61から選択する処理を実行する。具体的には、物品DB61における物品履歴データ612 を参照することにより、次の3つの条件を全て満足する物品を選択する。
【0155】
1)物品の取扱い主体が過去イベントの実行主体と同一である。
【0156】
2)過去イベントの開始時刻(出発時間)と略同じ時刻に持ち出されている。
【0157】
3)過去イベントの終了時刻(帰宅時間)と略同じ時刻に持ち込まれている。
【0158】
ここで、2),3)の条件については、スケジュール管理DB122 に記憶されている出発時間及び帰宅時間は、それぞれ実際の出発時間及び帰宅時間に対して時間ずれが生じる場合を考慮して、スケジュール管理DB122 に記憶されている出発及び帰宅時間を中心とした所定時間の範囲に、物品履歴データ612 の取扱時刻が含まれれば条件を満たすと判断するのがよい。ここでの所定時間は、適宜設定すればよい。また、1)の条件は、物品の取扱い主体が過去イベントの実行主体又は同行者と同一である、としてもよい。
【0159】
こうして、ステップS22において物品を選択することにより、過去イベントAについては、図13(a)に示す仮物品リスト301 が、過去イベントBについては、図13(b)に示す仮物品リスト302 がそれぞれ作成されたとする。このように本実施形態では、全てのイベントについて過去イベントに用いた物品を選択する処理が行われるため、全てのイベントに対してデフォルトルールが設定されているといえる。
【0160】
こうして過去イベントに用いた物品を含む仮物品リスト301 を作成すれば、ステップS23で、物品選択ルールベース121 を参照し、予定イベント(又は過去イベント。尚、過去イベント又は予定イベントのイベント内容は互いに同じである)に対応して設定されている物品の選択ルールを確認する。その結果、サブルールの適用が指定されているときにはステップS24に移行する一方、サブルールの適用が指定されていないときにはステップS25に移行する。
【0161】
上記ステップS24では、サブルールを適用した物品の選択処理を実行する。このサブルールを適用した物品の選択処理については後述する。このように本実施形態では、仮物品リストを作成した後に、サブルールに従って物品を選択するため、サブルールは、デフォルトルールに対して追加されるルールであるといえる。
【0162】
一方、ステップS24に移行することなくステップS25に移行するのは、デフォルトルールが適用されるとき(サブルールが追加されないとき)であり、デフォルトルールは過去イベントに用いた物品を選択するルールであることから、ステップS22で作成した仮物品リスト(図13参照)が、そのまま予定イベントに用いる物品を含む物品リストとなる。
【0163】
ここで、過去イベントA及び予定イベントA(イベント内容:キャンプ)は、図9(物品選択ルールベース121 )を参照することにより、デフォルトルールが設定されている。サブルールの適用が指定されていないため、ステップS25に移行し、この予定イベントAに対応する物品リストは、図13(a)に示す物品リストとなる。
【0164】
一方、過去イベントB及び予定イベントB(イベント内容:食事)は、図9を参照することにより、サブルールが設定されていることがわかる。このため、ステップS24に移行することになる。
【0165】
図14は、上記ステップS24におけるサブルール適用処理のフローチャートを示している。このフローでは、仮物品リストに含まれる物品を、選択ルールに従って入れ替える処理を行う。
【0166】
具体的に先ずステップS31では、仮物品リストにサブルールが適用される物品が含まれているか否かを判定する。このサブルールが適用される物品とは、例えば、図9の物品選択ルールベース122 においては「衣服」が該当する。サブルールが適用される物品が物品リストに含まれるときには、ステップS32に移行する一方、含まれないときにはそのまま終了する。
【0167】
ここでは、対象となる過去イベントB及び予定イベントBの内容は食事であるため、「衣服」についてサブルールが適用される。このため、図13(b)に示す過去イベントBの物品リストに「衣服」が含まれるか否かを判定することになる。過去イベントBの物品リストには、「ジャケット」「シャツ」「パンツ」が含まれ、これらはそれぞれ衣服に包含される。このため、ステップS32に移行することになる。
【0168】
上記ステップS32では、物品リストに含まれる、サブルールが適用される物品を一つ抽出し、その物品と同じ属性を有する物品を物品DB61から選択して候補リストを作成する。そうして、続くステップS33では、サブルールが適用される物品の全てについて候補リストが作成されたか否かを判定し、作成されていないときにはステップS32に戻る一方、作成されたときにはステップS34に移行する。
【0169】
ここでは、上述したように、過去イベントBの物品リストには、「ジャケット(jacket−001)」「シャツ(shirt−001)」「パンツ(pants−001)」の3つの物品が含まれるため、先ず「ジャケット」について、同じ属性を有する物品を物品DB61から選択する。このことにより、図15に示すように、ジャケットの候補リスト401 が作成されたとする。つまり、物品DB61において、「jacket」のName−IDを有する物品を選択する。このときに、予定イベントの実行時季(9月)を考慮して、物品属性データ613 を参照することにより、「jacket」のName−IDを有する物品の内の、使用季節が秋である物品を選択することが好ましい。こうして、jacket−002のジャケットが選択され、jacket−001とjacket−002とを含む候補リスト401 が作成される。
【0170】
「シャツ」及び「パンツ」についても同様に、同じ属性を有する物品を物品DB61から選択することにより、図15に示すように、シャツの候補リスト402 及びパンツの候補リスト403 がそれぞれ作成される。ここで、図15に示す各候補リスト401 〜403 では、前回利用された時期が新しい順に、左から右に物品が並べられているものとする。
【0171】
こうして、各物品の候補リストが作成されれば、ステップS34では、その各候補リストの中から、過去イベントに用いた物品以外の物品を選択する。
【0172】
ここでは、ジャケットの候補リスト401 においては、過去イベントBに用いられた物品が「jacket−001」であるため、これ以外の物品として、「jacket−002」が選択される。また、シャツの候補リスト402 においては、過去イベントBに用いられた物品が「shirts−001」であるため、これ以外の物品として「shirts−002」又は「shirts−003」が選択される。さらに、パンツの候補リスト403 においては、過去イベントBに用いられた物品が「pants−001 」であるため、これ以外の物品として、「pants−002」が選択される。
【0173】
ここで、シャツの候補リスト402 のように、過去イベントBに用いられた物品以外の物品が複数存在するときには、季節・天候等を考慮して、適切でない物品は削除してもよい。また、その複数の物品の内でも、前回利用された(衣服であれば着用された)時期が最も過去である物品(これは、物品履歴データ612 を参照することにより判断する)を選択してもよい。これに従えば、図15の例では、「shirts−003」が選択される。
【0174】
また、本例のジャケット、シャツ、パンツのように組み合わされる物品の選択を行う場合は、その組み合わせを考慮して各候補リストの中から物品を選択するようにしてもよい。例えば、各候補リストの中から物品を選択すれば、それらの組み合わせが見栄えの良い組み合わせであるかを判断する。物品の種類が衣服であれば、見栄えの良い色の組み合わせを予め設定し、その設定した組み合わせに適合するか否かによって見栄えの良し悪しを判断してもよい。その結果、組み合わせが悪いと判断されたときには、候補リストの中からさらに別の物品を選択し直す。このようにして、最適な組み合わせとなるように各物品を選択してもよい。
【0175】
ステップS34において、各候補リストから物品を選択すれば、仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行う。これにより、図16に示すように、予定イベントBの物品リスト303 が作成される。図13(b)に示す過去イベントBの仮物品リスト302 と図16に示す予定イベントBの物品リスト303 とを比較すれば、予定イベントBの物品リスト303 は、過去イベントBの仮物品リスト302 に含まれる各物品(jacket−001,shirts−001,pants−001 )について、同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品(jacket−002,shirts−003,pants−002 )を含むことが判る。
【0176】
図12に戻り、ステップS22又はステップS24で、予定イベントの物品リストが作成されれば、ステップS25では、作成した物品リストを制御手段110 に出力する。
【0177】
物品リストを受けた制御手段110 は、その物品リストの情報を、操作端末103 にネットワークを介して送信する。これにより、操作端末103 の表示部117 には、物品リストが表示されることになり、ユーザは、予定イベントに用いる物品を確認することができる。このときに、操作端末103 の入力部116 を操作することによって、ユーザは物品リストに含まれる物品の追加・変更・削除が可能である。
【0178】
また、上記制御手段110 は、その物品リスト(又はユーザによって更新された物品リスト)に含まれる各物品を準備する(所定の位置に収集する)ためのロボット制御コマンドを、物品DB61を参照しながら作成し、そのロボット制御コマンドを作業ロボット102 にネットワークを介して送信する。こうして、作業ロボット102 がロボット制御コマンドに従って物品の移動作業を行うことにより、予定イベントに用いる物品がロボット102 によって準備されることになる。
【0179】
尚、本実施形態では、サブルールが適用されるイベントを、食事としたが、サブルールが適用されるイベントはこれに限るものではない。
【0180】
また、本実施形態では、イベント内容のみに対応してサブルールの適用を設定したが、例えば予定イベントと過去イベントとの同行者が同じであるときに、サブルールを適用するようにしてもよい。つまり、図9の例では、イベント内容が食事であるときには、サブルールが適用されるが、イベント内容が食事でありかつ、予定イベントの同行者と過去イベントの同行者とが同じであるときに限って、サブルールを適用してもよい。
【0181】
また、本実施形態では、物品の選択ルールをフローチャート形式で示したが、物品の選択ルールの記述方法はこれに限らず、その他の書式・記述方法でルール化してもよい。
【0182】
また、本実施形態では、イベント内容に応じてサブルールが適用される場合に、デフォルトルールに対してサブルールを追加するようにしたが、イベント内容に応じて、デフォルトルール(第1のルール)と、サブルール(第2のルール)とを切り替えるようにしてもよい。つまり、本実施形態では、過去イベントに用いた物品を選択して仮物品リストを作成し(デフォルトルールの適用)、その上でサブルールが適用されるときには、物品DB61から過去イベントに用いた物品とは異なる物品を選択して、予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成(物品の入れ替え)したが、サブルールが適用されるときには、仮物品リストを作成することなく、物品DB61から過去イベントに用いた物品とは異なる物品を選択して、予定イベントに用いる物品を含む物品リストを直接作成してもよい。
【0183】
このように、本発明の物品管理システムでは、所定の生活空間(環境)内に存在する物品の管理を行うシステムであって、上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベース61と、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベース(スケジュール管理データベース122 )と、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 と、を備え、上記物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベース122 から抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を上記物品データベース61から選択し、上記選択した物品を含む物品リスト303 を作成する。
【0184】
この構成により、物品選択手段123 は予定イベントに関連する過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を、その予定イベントに用いる物品として選択する。過去イベントに用いた物品の情報を基に物品を選択することで、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品として適切なものを選択することが可能になる。
【0185】
また、予定イベントに用いる物品として選択される物品は、過去イベントに用いた物品と同じではなく、同じ属性を有する異なる物品であるため、物品として必要な機能は確保される一方で、予定イベントに用いる物品は過去イベントに用いた物品とは異ならせたいという、人の一般的な生活行為に適合させることができる。
【0186】
上記物品管理システムは、物品の選択ルールを記憶するルールベース(物品選択ルールベース121 )をさらに備え、上記ルールベース121 は、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択する第1ルールと、過去イベントに用いた物品と同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択する第2ルールとのうちのいずれか一方を、イベント毎に設定して記憶し、上記物品選択手段123 は、上記ルールベースを参照して、予定イベントに対応して設定されたルールに従って物品データベースから物品を選択する。
【0187】
これにより、物品選択手段123 は、イベントに応じて過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択するときと、過去イベントに用いた物品と同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択するときとを切り替える。こうすることで、例えばキャンプであれば、過去のキャンプで用いたテントやコンロ等が、これから実行するキャンプに用いる物品として選択されるため、イベントに用いる物品として適切なものを確実に(準備し忘れることなく)選択することができる。一方、例えば食事であれば、過去の食事で着用した衣服とは異なる衣服が、これから行う食事で着用する衣服として選択されるため、人の一般的な生活行為に適合させることができる。
【0188】
上記ルールベース121 は、第2ルールが設定されたイベントについては、その第2ルールが適用される物品の種類を設定して記憶する。
【0189】
こうすることで、第2ルールの適用が、物品の種類毎に設定されることになるため、例えば衣服は第2ルールを適用することにより、異なるIDを有する物品を選択する一方で、例えば異なるIDを有する物品を選択する必要がない物品、例えば財布は第1ルールを適用することにより、同じIDを有する物品を選択することになり、物品の種類に応じた物品の選択が実現する。
【0190】
上記物品管理システムは、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを検出するセンシング手段120 をさらに備え、物品データベース61は、上記センシング手段120 の検出結果に基づく物品の持出履歴及び持込履歴の情報を蓄積する。
【0191】
この物品の持出履歴及び持込履歴の情報を、物品DB61に蓄積することによって、その情報を基に過去イベントに用いた物品の特定が可能になる。
【0192】
センシング手段120 は、それぞれ物品の存在を検出する複数のセンサ43,44を、生活空間の出入口53に物品の通過方向に並べて配設していて、その並べて配設したセンサ43,44の物品の検出順序によって、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを区別して検出する。
【0193】
このように、物品が出入口を通過する際に、複数のセンサの検出タイミングに時間差を設けることで、物品の通過方向を区別することができ、それによって、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを区別して検出することが可能になる。
【0194】
上記センシング手段120 は、物品の持出又は持込を行った物品取扱主体をさらに検出し、物品データベース61は、上記センシング手段120 の検出結果に基づいて、持出又は持込された物品とその物品取扱主体とを対応付けて記憶する。
【0195】
こうすることで、過去イベントに用いた物品をより精度よく特定することが可能になる。
【0196】
つまり、上記物品選択手段123 は、過去イベントに用いた物品を、その物品の物品取扱主体がその過去イベントの実行主体又は同行者であることと、その過去イベントの開始時に生活空間から持ち出された物品であることと、その過去イベントの終了時に生活空間に持ち込まれた物品であること、との3つの条件に基づいて特定することで、過去イベントに用いた物品をより精度よく特定することが可能になる。
【0197】
上記物品管理システムは、物品選択手段123 が作成した物品リスト303 を提示する提示手段(操作端末103 )をさらに備える。
【0198】
ユーザは、提示された物品リスト303 によって予定イベントに用いる物品を確認することが可能になる。
【0199】
上記物品管理システムは、作業命令を受けて物品の取り扱い作業を実行する作業ロボット102 と、物品選択手段123 が作成した物品リストに含まれる物品を所定の場所に移動させる作業命令を、上記作業ロボット102 に出力する制御手段110 と、をさらに備える。
【0200】
この構成により、ユーザに代わって作業ロボット102 が、予定イベントに用いる物品を所定の場所に収集することになり、利便性の向上が図られる。
【0201】
上記イベントデータベース122 は、ユーザのスケジュールとして予定イベントの情報を蓄積し、上記制御手段110 は、上記予定イベントの実行前に、その予定イベントについて作成された物品リストに含まれる物品の移動作業を作業ロボット102 に実行させる。
【0202】
これにより、ユーザは、スケジュールを入力すれば、そのスケジュールに従って予定イベントの実行前に、その予定イベントに用いる物品が所定の場所に収集されることになる。こうして、利便性の更なる向上が図られる。
【0203】
本発明の他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベース61と、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベース122 と、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 と、過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベース121 と、を備え、上記物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベース122 から抽出し、上記ルールベース121 を参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記抽出した過去イベントの情報を利用して上記物品データベース61から物品を選択し、上記選択した物品を含む物品リストを作成する。
【0204】
この構成により、物品選択手段123 は、予定イベントに対応して設定されたルールに従い、その予定イベントに関連する過去イベントの情報を利用して、予定イベントに用いる物品を選択する。過去イベントの情報を利用することにより、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品を選択することが可能になり、さらに、予定イベントに対応して設定されたルールに従って物品を選択することにより、過去イベントと予定イベントとの双方を考慮した、最適な物品を選択することが可能になる。
【0205】
本発明のさらに他の物品管理システムは、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベース61と、過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベース122 と、これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段123 と、物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベース121 と、を備え、上記物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベース122 から抽出し、上記抽出した過去イベントに用いた物品を上記物品データベース61から選択して、その選択した物品を含む仮物品リスト302 を作成し、上記ルールベース121 を参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リスト301 に含まれる物品の入れ替えを行うことにより、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リスト302 を作成する。
【0206】
この構成により、物品選択手段123 は、予定イベントに関連する過去イベントに用いた物品を選択し、それによって仮物品リストを作成する。こうして仮物品リストを作成すれば、予定イベントに対応して設定された入れ替えルールに従い、仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行い、それによって、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する。このように、過去イベントに用いた物品の情報を基に、予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成するため、種々のイベントに対応して、そのイベントに用いる物品を特定することが可能になる。また、予定イベントに対応して設定された入れ替えルールに従って仮物品リストに含まれる物品を入れ替えることで、過去イベントと予定イベントとの双方を考慮した最適な物品を選択することが可能になる。
【0207】
−他の実施形態−
尚、本実施形態では、物品管理システムを、環境管理サーバ101 、ロボット102 、操作端末103 の3つのサブシステムからなり、それらサブシステム101 〜103 が無線又は有線等のネットワークを介して互いに情報をやりとりするような構成とした。しかし、物品管理システムはこの構成に限らず、例えば操作端末103 が環境管理サーバ101 に一体となった構成でもよい。
【0208】
またロボット102 は1台ではなく複数台が協調しながら作業を並行して行う構成でもよい。さらに、ロボット102 は省略してもよい。
【0209】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による物品管理システム、物品管理サーバ、物品管理方法によると、過去イベントに用いた物品の情報を基に予定イベントに用いる物品を選択することで、種々のイベントに対応することができると共に、過去イベントに用いた物品を適宜変更することで、人の一般的な生活行為に適合させつつ、イベントに用いる物品として適切な物品を特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る物品管理システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【図2】ゲート型のリーダライタを環境内のドアや窓に配置した例を示す図である。
【図3】リーダライタを出入口に対して二重に配置した例を示す斜視図である。
【図4】背景差分法の原理を示す説明図である。
【図5】物品/移動体検索・管理手段の構成を示すブロック図である。
【図6】物品データベースの構成とその記載内容例を示す図である。
【図7】環境の実状況と、それに対応する環境マップとを例示する図である。
【図8】スケジュール管理データベースの構成とその記載内容例とを示す図である。
【図9】物品選択ルールベースの構成とその記載内容例とを示す図である。
【図10】作業ロボットの構成の一例を示す概略図である。
【図11】物品管理処理のフローチャートである。
【図12】物品選択処理のフローチャートである。
【図13】物品選択処理によって作成された仮物品リストの一例を示す図である。
【図14】サブルール適用処理のフローチャートである。
【図15】候補リストの一例を示す図である。
【図16】サブルールの適用によって作成された物品リストの一例を示す図である。
【符号の説明】
101・・・環境管理サーバ(物品管理サーバ)
102・・・作業ロボット
103・・・操作端末(提示手段)
106・・・物品/移動体データベース
110・・・制御手段
120・・・センシング手段
121・・・物品選択ルールベース(ルールベース)
122・・・スケジュール管理データベース(イベントデータベース)
123・・・物品選択手段
301,302・・・仮物品リスト
303・・・物品リスト
41〜44・・・リーダライタ(センサ)
53・・・出入口
61・・・物品データベース
Claims (18)
- 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理システムであって、
上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースと、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、
これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、を備え、
上記物品選択手段は、
予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、
上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を上記物品データベースから選択し、
上記選択した物品を含む物品リストを作成する物品管理システム。 - 請求項1において、
物品の選択ルールを記憶するルールベースをさらに備え、
上記ルールベースは、過去イベントに用いた物品と同じIDを有する物品を選択する第1ルールと、過去イベントに用いた物品と同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択する第2ルールとのうちのいずれか一方を、イベント毎に設定して記憶し、
上記物品選択手段は、上記ルールベースを参照して、予定イベントに対応して設定されたルールに従って物品データベースから物品を選択する物品管理システム。 - 請求項2において、
ルールベースは、第2ルールが設定されたイベントについては、その第2ルールが適用される物品の種類を設定して記憶する物品管理システム。 - 請求項1において、
生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを検出するセンシング手段をさらに備え、
物品データベースは、上記センシング手段の検出結果に基づく物品の持出履歴及び持込履歴の情報を蓄積する物品管理システム。 - 請求項4において、
センシング手段は、それぞれ物品の存在を検出する複数のセンサを、生活空間の出入口に物品の通過方向に並べて配設していて、その並べて配設したセンサの物品の検出順序によって、生活空間から物品が持ち出されたことと、生活空間に物品が持ち込まれたこととを区別して検出する物品管理システム。 - 請求項4において、
センシング手段は、物品の持出又は持込を行った物品取扱主体をさらに検出し、
物品データベースは、上記センシング手段の検出結果に基づいて、持出又は持込された物品とその物品取扱主体とを対応付けて記憶する物品管理システム。 - 請求項6において、
物品選択手段は、過去イベントに用いた物品を、物品データベースを参照することにより、その物品の物品取扱主体がその過去イベントの実行主体又は共同参加者であることと、その過去イベントの開始時に生活空間から持ち出された物品であることと、その過去イベントの終了時に生活空間に持ち込まれた物品であること、との3つの条件に基づいて特定する物品管理システム。 - 請求項1において、
物品選択手段が作成した物品リストを提示する提示手段をさらに備える物品管理システム。 - 請求項1において、
作業命令を受けて物品の取り扱い作業を実行する作業ロボットと、
物品選択手段が作成した物品リストに含まれる物品を所定の場所に移動させる作業命令を、上記作業ロボットに出力する制御手段と、をさらに備える物品管理システム。 - 請求項9において、
イベントデータベースは、ユーザのスケジュールとして予定イベントの情報を蓄積し、
制御手段は、上記予定イベントの実行前に、その予定イベントについて作成された物品リストに含まれる物品の移動作業を作業ロボットに実行させる物品管理システム。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理システムであって、
上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、
これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、
過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースと、を備え、
上記物品選択手段は、
予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、
上記ルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記抽出した過去イベントの情報を利用して上記物品データベースから物品を選択し、
上記選択した物品を含む物品リストを作成する物品管理システム。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理システムであって、
上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースと、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースと、
これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段と、
物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースと、を備え、
上記物品選択手段は、
予定イベントに関連する過去イベントの情報を上記イベントデータベースから抽出し、
上記抽出した過去イベントに用いた物品を上記物品データベースから選択して、その選択した物品を含む仮物品リストを作成し、
上記ルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行うことにより、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品管理システム。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理サーバであって、
これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、
上記物品選択手段は、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、
上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択し、
上記選択した物品を含む物品リストを作成する物品管理サーバ。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理サーバであって、
これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、
上記物品選択手段は、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、
過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントの情報を利用して物品を選択し、
上記選択した物品を含む物品リストを作成する物品管理サーバ。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理サーバであって、
これから実行される予定イベントの情報を受けて、その予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品選択手段を備え、
上記物品選択手段は、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出し、
上記抽出した過去イベントに用いた物品を、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから選択して、その選択した物品を含む仮物品リストを作成し、
物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行うことによって、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成する物品管理サーバ。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理方法であって、
これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、
上記生活空間内に存在する物品の情報として、その物品を特定するID情報と、その物品の属性を示す属性情報とを蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントに用いた物品に対して同じ属性を有しかつ異なるIDを有する物品を選択するステップと、
上記選択した物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む物品管理方法。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理方法であって、
これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、
過去イベントの情報を利用した物品の選択ルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから、上記抽出した過去イベントの情報を利用して物品を選択するステップと、
上記選択した物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む物品管理方法。 - 所定の生活空間内に存在する物品の管理を行う物品管理方法であって、
これから実行される予定イベントの情報を受けるステップと、
過去に実行された過去イベントの情報を蓄積するイベントデータベースから、上記予定イベントに関連する過去イベントの情報を抽出するステップと、
上記抽出した過去イベントに用いた物品を、上記生活空間内に存在する物品の情報を蓄積する物品データベースから選択し、その選択した物品を含む仮物品リストを作成するステップと、
物品リストに含まれる物品の入れ替えルールをイベント毎に設定して記憶するルールベースを参照して、上記予定イベントに対応して設定されたルールに従い、上記仮物品リストに含まれる物品の入れ替えを行って、上記予定イベントに用いる物品を含む物品リストを作成するステップと、を含む物品管理方法。
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Cited By (4)
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WO2018155064A1 (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 収納管理システム、収納管理方法及びプログラム |
WO2018155063A1 (ja) * | 2017-02-22 | 2018-08-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 収納管理システム、収納管理方法及びプログラム |
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- 2003-06-23 JP JP2003177717A patent/JP2005018108A/ja active Pending
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