JP2005018027A - 多孔質体層を有する液晶素子、多孔質体膜の製造方法および多孔質体層を有する液晶素子の製造方法 - Google Patents

多孔質体層を有する液晶素子、多孔質体膜の製造方法および多孔質体層を有する液晶素子の製造方法 Download PDF

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麻由佳 荒海
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Abstract

【課題】 低屈折率層に基板とスペーサを用いた気体層等を用いることなく散乱型液晶素子の反射率を向上させ、高精細化に適した液晶素子およびその製造方法を提供することである。
【解決手段】 本発明は、2枚の基板1,2に挟持され多孔質体層3、電極4、液晶層6、電極5、吸収層7とこの順に積層された液晶素子であり、低屈折率な多孔質体膜を用いることによって、素子内の層構造に大きな屈折率差を形成でき、高反射率の散乱型の液晶素子を形成することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多孔質体層を有する液晶素子、多孔質体膜の製造方法および多孔質体層を有する液晶素子の製造方法に関し、特に、表示素子として有用な反射型液晶表示素子である多孔質体層を有する液晶素子、多孔質体膜の製造方法および多孔質体層を有する液晶素子の製造方法に関する。
光の散乱を利用して白色表示を行う液晶素子は、紙と同様な原理による白色表示であり、目にやさしい、見やすい表示素子として、さらにはバックライトや偏光板を用いないため消費電力の少ない明るい表示素子として期待されている。このような液晶素子として、動的散乱モード方式、高分子分散型液晶方式(NCAP方式を含む)、フォーカルコニック相を利用したスメクチック液晶方式あるいはコレステリック−ネマチック相転移方式等が上げられる。
これらの方式は液晶を駆動させることによって散乱状態と透過状態を制御できる。従って、これら素子の液晶層の視認面と逆側に黒色や青色等の吸収層を設けることにより、単色の表示素子が可能である。
しかしながら、これら素子の散乱状態の反射率は現状では低く、白表示が暗く、明るさが不十分であるため、さらなる反射率の向上が望まれている。これら散乱型の白色表示を行う素子の反射率向上の手法として、素子を構成する層構造の隣り合う層の屈折率差を大きくし、界面による反射を大きくする方法を用いた先行技術を以下に示す。
液晶表示層の後方に、空気層等の低屈折率層と半透過光反射層が配置され、さらに後方に光吸収層が配置されていることにより、白色表示時の輝度を著しく高めることが可能であり、バックライトが不要で明るく、コントラストの高い反射型液晶表示装置を提供している(特許文献1参照)。
入射した外部光を反射するための光反射層を鏡面反射板にすることによって明るい反射型の液晶表示装置を提供している(特許文献2)。
特開平7−56157号公報 特開平9−281489号公報
しかしながら、低屈折率層としてスペーサを用いて基板間に空気もしくは不活性ガス層を挿入する気体層と比較的に高屈折率の基板の屈折率差を利用するものであり、他の屈折率材料による具現性が乏しかった。また、高精細化を目指し駆動阻止を微細にした場合、各素子にスペーサと基板による気体層を設けることは工法的に難しいという問題があった。
さらに、透過状態で鏡面反射層からの光の正反射成分を直接観察することになり、黒表示が得にくいという問題があった。
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、低屈折率層に基板とスペーサを用いた気体層等を用いることなく散乱型液晶素子の反射率を向上させ、高精細化に適した多孔質体層を有する液晶素子、多孔質体膜の製造方法および多孔質体層を有する液晶素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の多孔質体層を有する液晶素子は、少なくとも一対の基板に挟持された光の透過率を制御する液晶層と、少なくとも一方の基板に多孔質体層が形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、液晶層は、光の散乱状態と透過状態との間を制御することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、基板に電極が形成され、液晶層を電界駆動によって制御することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、液晶層が高分子分散型液晶であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層が少なくともメソ領域、マイクロ領域の細孔径を備える構造を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層が、0.5から50nmの細孔径を備える構造を有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層が金属酸化物の多孔質体であることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層が、ケイ素酸化物の多孔質体であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、光吸収層が、視認面と反対側基板に隣接して形成されたことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層は、該多孔質体層の表面の開口部が塞がった多孔質体層を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項1記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層と液晶層との間には、多孔質体の表面の細孔を覆う層を積層することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層の表面の細孔を覆う層の屈折率が、多孔質体層よりも高いことを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項11または12記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層の表面の細孔を覆う層の屈折率が、液晶層の屈折率よりも高いことを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体を液晶層よりも視認面側に配置することを特徴とする。
請求項15記載の発明は、請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、液晶層を多孔質体層よりも視認面側に配置することを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体層を液晶層の上側および下側に配置することを特徴とする。
請求項17記載の発明は、請求項12または13記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、多孔質体の表面の細孔を覆う層が、透明金属酸化物からなることを特徴とする。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、透明金属酸化物に含まれる金属が、ケイ素、チタン、亜鉛、ジルコニウム、インジウム、スズ、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするものであることを特徴とする。
請求項19記載の発明は、請求項17または18記載の多孔質体層を有する液晶素子であって、透明金属酸化物は、導電性を有することを特徴とする。
請求項20記載の多孔質体膜の製造方法は、界面活性剤が添加された、金属アルコキシドを酸性条件で加水分解して得られるゾル溶液を塗布する塗布行程と、塗布行程により塗布されたゾル溶液を乾燥させることにより界面活性剤分散金属酸化物膜を得る乾燥工程と、界面活性剤分散金属膜を焼成することによって界面活性剤を除去する焼成行程によって多孔質体を得ることを特徴とする。
請求項21記載の多孔質体膜の製造方法は、界面活性剤が添加された、金属アルコキシドを酸性条件で加水分解して得られるゾル溶液を塗布する塗布行程と、塗布行程により塗布されたゾル溶液を乾燥させることにより界面活性剤分散金属酸化物を得る乾燥工程と、界面活性剤分散金属酸化物膜を溶媒で洗浄することによって界面活性剤を除去する洗浄工程によって多孔質体を得ることを特徴とする。
請求項22記載の多孔質体膜の製造方法は、界面活性剤が添加された、金属アルコキシドを酸性条件で加水分解して得られるゾル溶液を塗布する行程と、塗布行程により塗布されたゾル溶液を乾燥させることにより界面活性剤分散金属酸化物を得る乾燥工程と、界面活性剤分散金属酸化物膜をオゾン雰囲気下で界面活性剤を除去するオゾン酸化除去行程によって多孔質体を得ることを特徴とする。
請求項23記載の発明は、請求項19から21のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法であって、ゾル溶液にアルキルトリアルコキシシランあるいはジアルキルジアルコキシシランあるいはトリアルキルアルコキシシランを添加することを特徴とする。
請求項24記載の発明は、請求項19から21のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法であって、ゾル溶液にアルキルトリクロロシシランあるいはジアルキルジクロロシランあるいはトリアルキルクロロシランを添加することを特徴とする。
請求項25記載の発明は、請求項20から22のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法であって、多孔質体は、界面活性剤の除去行程後、疎水化処理工程によって疎水化することを特徴とする。
請求項26記載の発明は、請求項23または24記載の多孔質体膜の製造方法であって、ゾル溶液中に疎水化処理剤を添加することを特徴とする。
請求項27記載の多孔質体層を有する液晶素子の製造方法は、視認側とする多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、第2の基板に吸収層と多孔質体膜、透明電極をこの順に積層する行程と、第1の基板と第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする。
請求項28記載の多孔質体層を有する液晶素子の製造方法は、視認側とする多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、第2の基板に吸収層と透明電極を、この順に積層する行程と、第1の基板と第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする。
請求項29記載の多孔質体層を有する液晶素子の製造方法であって、視認側とする第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、第2の基板に吸収層と多孔質体膜、透明電極をこの順に積層する行程と、第1の基板と第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする。
請求項30記載の多孔質体層を有する液晶素子の製造方法は、多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、第2の基板に多孔質体膜と透明電極を、この順に積層する行程と、第1の基板と第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする。
請求項31記載の多孔質体層を有する液晶素子の製造方法は、多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、第2の基板に透明電極を成膜する行程と、第1の基板と第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする。
請求項32記載の発明は、請求項27から31のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子の製造方法であって、多孔質体膜は、請求項20から26のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法によって得られた多孔質体膜であることを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明の多孔質体層を有する液晶素子、多孔質体膜の製造方法および多孔質体層を有する液晶素子の製造方法は、多孔質体層が低屈折率層となるので、スペーサと基板とで構成した気体層を用いなくとも、高品位であり、反射率を向上させ、明るくすることができる。
また、多孔質体層の表面の開口部が塞がっている、あるいは多孔質体と液晶との間に多孔質体の表面の細孔を覆う層を積層することによって、液晶層の多孔質体層への浸入を防止し、反射率が向上した液晶素子を提供することができる。
次に添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における液晶素子は、光の透過率を制御する液晶層と多孔質体層を有するものである。多孔質体層は、中空細孔のため母材材料よりも屈折率が低下し、一般的に屈折率の低い高分子材料(屈折率n=約1.34)および無機材料(n=約1.38)より低い屈折率を示すため低屈折率材料として有用である。
本発明によれば、光の透過率を制御し、光の散乱状態と透過状態を制御する液晶素子において、素子中に多孔質体層を設けることにより散乱状態の反射率が向上し、明るい白色表示が達成される。また、多孔質体層は一般の高分子材料のように溶液を塗布するなどにより低屈折率を形成することができるため、スペーサと基板を用いた気体層を挟み込むといった煩わしく複雑な素子構成を用いなくても、簡便に低コストで液晶素子の反射率が向上し、バックライトを用いない低消費電力の明るい表示が可能である。
これらの効果は、以下に示す作用から得られる。隣接する素子を構成する材料(例えば、ガラスn=1.4〜1.5、配向膜n=1.5〜2.0、透明電極n=1.7〜2.0)よりも多孔質体層は屈折率がかなり低いため、多孔質体層と多材料界面の屈折率差が大きくなる。光は屈折率の大きな媒体から小さな媒体へ進むとき、その界面で反射され、特に屈折率差が大きければ正反射を含めた全ての入射角において反射率は増加し、また入射光が全反射される角度領域も増加する。
よって、一つめの作用は、液晶層に入射し、前方散乱された光および直進した光が、液晶層よりも下側にある多孔質体に隣接する界面で効率良く反射され、再び液晶層に入射し、さらに散乱されるために、散乱状態の反射率が向上するものである(以上の作用を作用(1)する)。
二つめの作用として、多孔質体層が液晶層より視認側にあり、特に、液晶層と隣り合う場合、多孔質体層より視認側にある基板内あるいは素子を構成する薄膜内に内面反射によって損失する散乱光の割合を低減し、結果として反射率が向上する(以上の作用を作用(2)とする)。
本発明は、多孔質体層を液晶素子中に形成することにより、作用(1)、(2)を利用して、液晶層からの散乱光を効率良く取り出し、液晶素子の反射率の向上を達成したものである。
また、本発明の液晶層は散乱状態と透過状態との間を制御するものであり、液晶層のモードとしては、動的散乱モード方式、高分子分散型液晶方式(NCAP方式を含む)、フォーカルコニック相を利用したスメクチック液晶方式あるいはコレステリック−ネマチック相転移方式が用いられる。
本発明の液晶層の駆動方法としては、光−熱書き込み方式、熱書き込み方式、電界駆動方式があるが、ここでは、すばやく書き換え可能な表示素子としてはエネルギー効率が良く、マトリクス方式による素子構成が可能な電界駆動方式を用いる。
さらに、本発明の光の散乱状態と透過状態との間を制御する液晶層としては、散乱状態の明るさ、作製の簡便さ、また、すばやく書き換えが可能な電界駆動表示素子として高分子分散型液晶を使用する。
本発明では、多孔質体層が液晶層より視認側にあるとき、作用(2)に示した作用は有用である。多孔質体層が、液晶層と隣り合って配置した場合に、厚さ400nm以下の透明電極を液晶層とで挟み込むようにした場合に効果が高い。
液晶層が多孔質体層よりも視認側にあるとき、作用(1)に示した作用が有用である。多孔質体層と他の材料で構成された界面において、液晶層で前方散乱された光や直進した光がより強く反射されることから、視認側を上側として素子中の液晶層より下側のいずれかに多孔質体層を配置すればよい。吸収層を用いた素子構成の場合は、吸収層と液晶層の間に多孔質体層を配置すればよい。さらに、多孔質体層が液晶層の上側および下側の両側に配置する場合、作用(1)および作用(2)が効率よく行われ、単独の作用よりも明るい素子が達成される。
本発明の多孔質体層の中空細孔の細孔径が少なくともメソ領域、マイクロ領域の大きさであるとき、マクロ領域であるときに比較し、多孔質体層の力学的強度が高くなり、特に好ましい。また、多孔質体層の中空細孔の細孔径が0.5nm未満では中空細孔の体積が少なく、比較的低屈折率の膜が得られないこと、50nmより大きい場合は膜が散乱性を帯びてくることから、多孔質体の細孔径は0.5〜50nm程度が好ましく、特に好ましくは2〜15nmである。
ここで、本発明のマイクロ、メソ、マクロ領域とはThe International Union of Pure and Applied Chemistry(IUPAC)によって定義された多孔質体の細孔径による分類によるものであり、マイクロ領域とは2nm以下、メソ領域とは2〜50nm、マクロ領域とは50nm以上の細孔径であることを意味する。
多孔質体層が金属酸化物であると他の高分子化合物と比較し、耐薬品性、耐酸化性に優れ、力学的強度も高いので好ましい。多孔質体層がケイ素酸化物であるとき他の金属酸化物に比較し屈折率が低いので特に好ましい。
本発明の界面活性剤の存在化金属アルコキシドを酸性条件化で加水分解してゾル溶液を塗布し、乾燥する工程を経て得られる金属酸化物の多孔質体層は、様々な塗布方式を経て低屈折率層を形成できることから、特別な塗布工程を必要とせず、あらゆる塗布工程を有する製造プロセスに適用可能であり、生産性に優れている。
本発明の塗布方法には、スピンキャスト法、ディップコート法、スクリーン印刷法、キャスト法等の中で、特に膜厚の制御が簡便で比較的大きい面積を塗工できるスピンキャスト法、ディップコート法を用いる。また、本発明に用いる界面活性剤は、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、また、これらの共重合体やブロック共重合体などのノニオン性界面活性剤、三級アルキルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤が好ましく、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、また、これらの共重合体やブロック共重合体は、中空細孔の体積が大きくなり特に好ましい。また、中空細孔の体積を大きくするためにメシチレン等の化合物を添加しても良く、本発明の金属アルコキシドの種類に特に制限されるものではないが、テトラメトキシシラン(TMOS)あるいはテトラエトキシシラン(TEOS)が安価であることからこれらを使用する。
本発明において界面活性剤分散金属酸化物膜とは、金属酸化物を母材とした多孔質体に界面活性剤が細孔部に保持された状態を示し、本発明のゾル溶液を塗布し、乾燥させて得られる膜の状態である。この界面活性剤分散金属酸化物膜から界面活性剤を除去することによって、膜中に中空細孔を形成し多孔質体層が得られる。界面活性剤分散金属酸化物膜を空気中で加熱することにより焼成し、界面活性剤をほぼ完全に除去した多孔質体を得ることができる。焼成温度は、用いる活性剤により適宜最適の温度が存在するが、200℃〜600℃が好ましい。
本発明の界面活性剤を溶媒で抽出除去する方法、界面活性剤をオゾン雰囲気下で酸化除去する方法により、加熱を伴うことなく界面活性剤分散金属酸化物膜から多孔質体を形成することができる。これらの方法を用いれば素子内に耐熱性の低い材料が存在しても金属酸化物の多孔質層を形成することができる。
上記に示す方法を用いれば素子内に耐熱性の低い材料が存在しても金属酸化物の多孔質体層を形成することができる。しかし、これらの方法では、界面活性剤を完全に除去することは難しく、本発明の溶媒にて抽出除去する方法は、用いる溶媒に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、水、THF等は極性が高く活性剤を溶出させやすいので好ましい。また、細孔内を何らかの方法で疎水化処理した場合は、極性の低い溶媒が有効であり、石油エーテル、ヘキサン、オクタン等の炭化水素系の溶媒やベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系の溶媒が有効である。これら、極性、非極性溶媒を加熱したものは、活性剤の溶解度が増すためにさらに好ましい溶媒となる。
本発明の多孔質体膜の製造において、ゾル溶液の作製条件によっては界面活性剤分散金属酸化物膜から活性剤を除去する過程もしくは除去した後に膜にクラックが生じ、均一で平滑な多孔質体膜を形成することが困難なことがしばしばあった。しかし、本発明の方法によって、この問題点を多孔質体の細孔表面の疎水化によって解決できる。疎水化の方法としては、ゾル溶液に疎水化部を有するケイ素化合物を添加する方法および活性剤の除去後に多孔質体の細孔表面を疎水化処理する方法が挙げられる。
ケイ素酸化物を添加する方法では、アルキル基を有するアルコキシシランを添加する方法、アルキル基を有するクロロシランを添加する方法により達成できる。多孔質体の細孔表面を疎水化処理する方法では、多孔質体膜を形成したあと、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、アルキル基を有するクロロシランやその溶液に浸したり、これら蒸気に曝したりして乾燥することによって達成できる。さらに溶媒除去に際に、溶媒中にHMDSやアルキル基を有するクロロシランを添加することにより、界面活性剤の除去と細孔表面の疎水化を同時に行える。これにより、より生産性の高い本発明の液晶が可能である。また、これらの疎水化処理によって処理前よりも多孔質体層の屈折率が低下する。
以下に実施例を参照して本発明の第1の実施形態における液晶素子を詳細に説明する。
(実施例1)
TEOS:水:エタノール:濃塩酸のモル比が1:5:5:0.005〜0.05となる混合溶液を70℃に加熱し、3時間攪拌する。その溶液に界面活性剤であるポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイドブロック共重合体(EO-b-PO-b-EO)のエタノール溶液を加え攪拌した後、2〜6時間静置して、界面活性剤の存在下、ケイ素アルコキシドを酸性条件で加水分解したゾル溶液を得た。最終的なゾル溶液の組成は、TEOS:水:エタノール:濃塩酸:EO-b-PO-b-EOは、モル比で1:5:10:0.005〜0.05:0.02であった。
石英基板にゾル溶液をスピンキャストし、110℃のオーブンで乾燥し、界面活性剤分散シリカ膜を作製した。この膜を空気中400℃に加熱することによって界面活性剤を除去した後、HMDSに浸漬し110℃で真空乾燥することによって多孔質体層を形成した。この多孔質体層上にインジウムスズ酸化物(ITO)をスパッタリングで成膜することによって、石英−多孔質体層−透明電極基板を作製した。この基板を用いて図1に示すような基板1、2に挟持され、視認側から多孔質体層3、電極4、液晶層6、電極5、吸収層7と、この順に積層された液晶素子を作製し、反射率の測定を行った。
なお、電極にはITOを用い厚み約30mmとした。液晶層には、高分子分散型液晶を用いた。反射率の測定は図4に示すように、視認面の法線方向に受光ユニット8を置き、その法線から30°傾斜させた方向から光源9によって白色光源をあてたときの受光ユニット9への反射光を測定した。これと同条件で標準白色板を測定した反射強度を100%として試料の反射強度との比を反射率とした。その結果、反射率は約10%であって、以下、実施例および比較例は同様な手法で反射率を測定した。
(実施例2)
ガラス基板上に吸収層として黒色樹脂を設け、その上に実施例1に示したゾル溶液をスピン塗布し、110℃にて乾燥後、オゾン雰囲気下で20分間暴露し、実施例1と同様のHMDS処理をすることにより多孔質体層を有する基板を得た。その基板の多孔質体層上に再度ITOをスパッタすることにより、図2に示す基板1、2に挟持され、視認側から電極4、液晶層6、電極5、多孔質体層3、吸収層7と、この順に積層された液晶素子を作製し、実施例1と同様な反射率の測定を行った。なお、電極には、ITOを用いて厚み約30nmとした、液晶層には高分子分散型液晶を用いた。その結果は、反射率が約30%となった。
(実施例3)
実施例1の界面活性剤をEO-b-PO-b-EOからPEOにした以外は、同様の操作で作製したゾル溶液を用意した。実施例2と同様にガラス基板上に吸収層として黒色樹脂を設けた基板に、ゾル溶液をスピン塗布し、110℃で乾燥後、オゾン雰囲気下で20分間暴露し、実施例1と同様のHMDS処理をすることにより、多孔質体層を有する基板を得た。その基板の多孔質体層上に再度ITOをスパッタすることにより、図2に示す液晶素子を作製し、実施例1と同様な反射率の測定を行った。なお、電極にはITOを用い、厚み約30nmとした。液晶層には、高分子分散型液晶を用いた。その結果反射率は約25%であった。
(実施例4)
実施例1のゾル溶液にPPOを数10重量%添加した以外は同様の操作で作製したゾル溶液を用意した。実施例2と同様にガラス基板上に吸収層として黒色樹脂を基板に、このゾル溶液をスピン塗布し、110℃で乾燥後、オゾン雰囲気下で20分間暴露し、実施例1と同様のHMDS処理することにより多孔質体層を有する基板を得た。その基板の多孔質体層上に再度ITOをスパッタすることにより、図2に示す液晶素子を作製し、実施例1と同様な反射率の測定を行った。なお、電極にはITOを用い、厚み約30nmとした。液晶層には高分子分散型液晶を用いた。その結果、反射率は約35%であった。
(比較例1)
実施例2〜4における素子の比較例として、多孔質体層を持たない以外は同様に図3に示す基板1、2に挟持され、視認側から電極4、液晶層6、電極5、吸収層7と、この順に積層された液晶素子を作製した。なお、電極にはITOを用い厚み約30nmとした。液晶層には、高分子分散型液晶を用いた。反射率は約3%であった。
以下に、実施例および比較例の結果を表1にまとめる。
Figure 2005018027
本発明は、上記に示した実施例に限定されるものでなく、本発明が達成される範囲内で界面活性剤、アルコキシド、反応条件、界面活性剤の除去方法が異なっても本発明の主旨を損なわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、多孔質体層に隣接する層が多孔質体の細孔内に浸入することを防止し、低屈折率層による界面反射の効果を十分に発揮させることにより、素子の反射率をより一層向上させることを目的としている。
光の透過率を制御する液晶層15と多孔質体層12を持つ液晶素子の多孔質体層12の表面の開口部が塞がっていることによって、低屈折率による界面反射の効果を十分に発揮させることにより、より一層反射率の高い液晶素子を作製することができる。多孔質体の表面の開口部を塞ぐ一つの形態として多孔質体層12と液晶層15との間に多孔質体の表面の細孔を覆う層17を積層することによっても同様の効果が得られる。
本発明の液晶素子に用いられる多孔質体層12は細孔(空隙部)を多く有する構造であり、その細孔があることにより母体材料よりも低い屈折率を示すものである。ここで示す細孔とは、多孔質体層中の空隙部全般を指すものとし、その大きさや形が限定しない。本発明で用いられる多孔質体には、開口部を持つ空隙が規則的あるいはランダムに存在している。
その構造ゆえに、素子の作製過程あるいは使用中に隣接する層を構成する物質が多孔質体層12の細孔内に浸入することがあるが、多孔質体の表面の開口部が塞がっていることによって、それを防止できる。その結果、多孔質体層12の空隙率が確保されることになるので、多孔質体層12と液晶層15との間の屈折率差がより大きくなり、散乱状態の反射率を上げることができたものと考えられる。
表面の開口部が塞がった多孔質体層12の形態としては、多孔質体層12を作製した後に表面の開口部を塞ぐための処理をしたものに限定はされず、もともと表面に開口部が存在しないような構造を作製しても良い。具体的には、多孔質体層12が層内部にのみ細孔を持ち、表面は開口部が無いもの、あるいは細孔が層厚み方向に垂直な管状構造を有し表面に開口部が無いものであっても良い。
液晶層15は、散乱状態と透過状態との間を制御するものであればその効果に変わりはなく、液晶層15のモードとしては、動的散乱モード方式、高分子分散型液晶方式、フォーカルコニック相を利用したスメクチック液晶方式あるいはコレステリック・ネマチック相転移が好ましい。また、その駆動方法としては、従来公知の方法で良く特に制限を受けることはないが、素早い書き換えが可能かつエネルギー効率の良い方法である電界駆動方式が好ましい。
液晶層15が高分子分散型液晶であれば、散乱状態の明るさ及び作製の簡便さに優れ、素早い書き換えが可能な電界駆動素子として特に好ましい。
多孔質体層12の表面の細孔を覆う層17の屈折率が、多孔質体層12、液晶層15の屈折率よりも高いことにより、より一層の反射率の向上を達成することができる。細孔を覆う層17の屈折率の範囲は特に限定されないが、2.0以上であれば特に好ましい。この効果は、次の二つの作用により推察できる。一般に光は屈折率の大きな媒体から小さな媒体に進むとき、その界面で反射され、特に屈折率差が大きければ正反射を含めた全ての入射角において反射率が増加し、また、入射光が全反射される角度領域も増加する。よって、一つめの作用は、液晶層15に入射し、前方散乱された光および直進した光が、液晶層15よりも下側にある多孔質体に隣接する界面で効率よく反射され、再び液晶層15に入射し、さらに散乱されるために、散乱状態の反射率が向上するものである(これを作用(3)とする)。
もう一方の作用は、多孔質体層12が液晶層15よりも視認側にあり、特に液晶層15と隣り合う場合、その多孔質体層12より視認側にある基板内あるいは素子を構成する薄膜内に内面反射によって損失する散乱光の割合を低減し、結果として反射率が向上するものである(これを作用(4)とする)。
本発明の実施形態の液晶素子の一部を図5に示す。ここで多孔質体の表面の細孔を覆う層17の屈折率が多孔質体層12の屈折率よりも高ければ、これらの界面で作用(3)の効果が発現し、散乱状態の反射率を上げることができる。
また、多孔質体層の表面の細孔を覆う層17の屈折率が液晶層15の屈折率よりも高ければ、これらの界面で作用(4)の効果を発現し、液晶層15よりも視認側にある層内に内面反射によって損失する光の割合を減らすことができる。
また、図6に示すように、液晶層15と多孔質体層12の位置関係が図5の例と逆になるような場合でも同様で、多孔質体の表面の細孔を覆う層17の屈折率が高ければ、多孔質体層12との界面で作用(4)による効果が、液晶層15との界面で作用(3)による効果が発現し、反射率の向上を達成することができる。
多孔質体層12を液晶層15よりも視認面側(上側)、液晶層15よりも下側、あるいは上側と下側の両方に配置することで、液晶素子の反射率の向上を達成することができる。これらの発明は、少なくとも作用(3)及び作用(4)を利用して、液晶層15からの散乱光を効率よく取り出し、液晶素子の反射率の向上を達成したものである。
多孔質体層12が液晶層15よりも視認面側である場合(例えば図6に示した構成のように)は、作用(4)に特に有用である。液晶層15が多孔質体層12よりも視認面側である場合(例えば図5に示した構成のように)は、作用(3)の効果が主に発現する。
この効果は、多孔質体層12と他の材料で構成された界面において、液晶層15で前方散乱された光や直進した光がより強く反射されることになるので、液晶層15よりも下側のいずれかの位置に多孔質体層12が存在すれば効果があるが、表面の細孔を覆う層17を挟んで多孔質体層12と液晶層15を配置することにより、より効果的に作用(3)の効果が発現し、反射率の向上を達成できる。
さらに、多孔質体層12が表面の細孔を覆う層17を挟んで液晶層の上側と下側の両方に配置する場合は、作用(3)の効果と作用(4)の効果が効率よく発現し、単独の効果に加え、より明るい液晶素子を作製することができる。
多孔質体層が0.5〜50nmの細孔径を備える構造を有することにより、多孔質体層12が低屈折率層としての効力を発揮し、液晶素子の反射率を向上させることができる。ここでいう細孔径とは、細孔の開口部あるいは内部の孔径のことを示す。具体的には、細孔の形状を仮に球に近似するならばその直径、あるいは長さを持つ管に近似するならばその断面の直径を指すものとする。
従って、細孔の形状がランダムであれば細孔径は分布を持つ。細孔径を測定する手段としては、ガス吸着法、X線散乱法、ラザフォード後方散乱法などを用いることができる。多孔質体層12の中空細孔の細孔径が0.5mm未満の場合は、空隙部の体積が少ないため、低屈折率の層が得られず、多孔質体層12による反射率向上の効果が望めない。
細孔径が光の波長よりも十分に小さい場合は空隙による散乱は少ないが、細孔径が50nmより大きくなると、可視光が空隙によって散乱を受け、多孔質体層12が散乱性を帯びてくるため素子の透明性を落とす要因となる。以上の理由から、多孔質体層12の細孔径は0.5〜50nmが好ましく、特に好ましくは2〜15nmである。
多孔質体層12がケイ素酸化物の多孔体であることにより、反射率を向上させ、かつ強度に優れた液晶素子を作製することができる。多孔質体層12の材料としては、金属酸化物であれば、他の高分子などの材料と比較して耐薬品性、耐酸化性に優れ、力学的強度も高いので好ましい。なかでもケイ素酸化物は、他の金属酸化物と比較して屈折率が低いので特に好ましい。
多孔質体の表面の細孔を覆う層17が金属酸化物、中でも特にケイ素、チタン、亜鉛、ジルコニウム、インジウム、スズ、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも一種を主成分とする金属の酸化物からなることにより、細孔を覆う層を生産性良く形成するとともに効果に反射率を向上させることができる。
多孔質体の表面の細孔を覆う層としては、細孔内に浸入することなく層を形成できる可視光領域で透明な材料であれば特に限定はされず、有機薄膜、無機薄膜のいずれも使用することができるが、生産性良く強度に優れる層を形成する材料として、透明金属酸化物が適している。特に、前述のような金属の酸化物が、耐久性の点で実績があることに加え比較的屈折率も高いことから好ましい。
透明金属酸化物が導電性を有することによって、多孔質体の表面の細孔を覆う層17が電極としての機能も備えることになるので、より簡易な手順にて、本発明の目的を達成する液晶素子を得ることができる。導電性を有する透明金属酸化物としては、インジウムスズ酸化物(ITO)が、透明電極としての使用実績があり屈折率も高いので好適に用いられ、ほか酸化インジウム、酸化亜鉛などでも良い。
本発明における多孔質体層の表面の細孔を覆う層17を形成する方法は特に限定されず、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法などの塗布成膜、あるいは真空蒸着法、スパッタ法などの気相成膜などの方法を用いることができる。中でも塗布による成膜方法のほうが大掛かりな設備を必要としないので生産性が高くコスト的にも有利であるのでより適している。特に好ましくは、膜厚の制御がしやすく比較的大面積への塗布が可能な、スピンコーティング法である。
白色表示の反射率が高く目への負担が軽減される液晶表示装置を作成することができる。
以下に示す実施例及び比較例を参照して、本発明の第2の実施形態における液晶素子について詳細に説明する。
(実施例5)
オルトケイ酸テトラエチル(TEOS):水:エタノール:塩酸がモル比で1:5:5:0.02−0.1となる混合溶液を50℃に加熱しながら3時間攪拌してシリカゾルを作製した。得られた溶液に界面活性剤としてポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリエチレンオキシドブロック共重合体(EO-b-PO-b-EO)のエタノール溶液を加えて攪拌した後に1時間放置し、ゾル溶液を得た。最終的なゾル溶液の組成は、TEOS:水:エタノール:塩酸:EO-b-PO-b-EOはモル比で1:5:36:0.02−0.01であった。
ガラス基板に光吸収層16として黒色樹脂を設けたものを用意した。その上に透明電極としてITOをスパッタリングで成膜した後に、ゾル溶液をスピンコーティング法により成膜し、110℃のホットプレート上で乾燥させ、界面活性剤分散シリカ構造体を作製した。得られた膜上にさらに、シリカゾル(活性剤を含まないもの)をスピンコートして乾燥させることにより、表面の細孔を覆う層17を作製した。スピンコートと同時にシリカゾル中のアルコールが蒸発してシリカ層が形成されるため、細孔内へゾルが浸入することなく細孔を覆う層17を形成することができた。
得られた層の上ともう一方のガラス基板に透明電極としてITOをスパッタリングで成膜し、図4に示したような構成の液晶素子を作製した。液晶層15には高分子分散型液晶(大日本インキ化学工業製 PNM−101)を用い、液晶層15の厚みは、約20μmとした。反射率の測定は図9に示すように、視認面の法線方向に受光部を置き、その法線から30°傾斜させた方向から白色光源を当てたときの受光部への反射光を測定した。これと同条件で標準白色板を測定した反射強度を100%として試料への反射強度との比をもって反射率とした。その結果、反射率は8.5%であった。以下の実施例及び比較例においても同様の方法で反射率を測定した。
(実施例6)
実施例1と同様に、基板10,11上に光吸収層16、電極13,14を設け、その上に多孔質体層12を作製した。多孔質体層12の表面の細孔を覆う層として、二酸化チタンの層をスパッタリングで成膜することを除いては、実施例1と同様の方法で液晶素子を作製した。液晶層15には、高分子分散型液晶(大日本インキ化学工業製 PNM−101)を用い、液晶層15の厚みは約20μmとした。その結果、反射率は9.5%であった。
(実施例7)
ガラス基板に透明電極としてITOをスパッタにより成膜したもの(上基板10)と、光吸収層16として黒色樹脂を設けてからITOを成膜したもの(下基板11)を用意した。
上基板10に、実施例と同様に多孔質シリカ層を形成し、その上に多孔質体層の表面の細孔を覆う層17として、二酸化チタンの層をスパッタリングで成膜した。これを下基板11と組み合わせ、図7に示すような構成の液晶素子を作製した。液晶層15には、高分子分散型液晶(大日本化学工業製 PNM−101)を用い、液晶層の厚みは約20μmとした。その結果、反射率は7.0%であった。
(実施例8)
ガラス基板を二枚用意し、うち一枚には光吸収層16として黒色樹脂を形成した。両基板10,11上にそれぞれ実施例1と同様にして多孔質シリカ層を形成し、さらにそれらの上にITOをスパッタにより成膜して表面の細孔を覆う層17としてITOの厚みは約50nmとした。
これらの基板を組み合わせて、図5に示すような構成の液晶素子を作製した。液晶層15には高分子分散型液晶(大日本インキ化学工業製 PNM−101)を用い、液晶層15の厚みは約20μmとした。その結果、反射率は11.0%であった。
(比較例2)
実施例1、2に比較例として、多孔質体層の表面の細孔を覆う層を持たない液晶素子を作製した。電極にはITOを用い、液晶層には高分子分散型液晶(大日本インキ化学工業製 PNM−101)を用い、その厚みは約20μmとした。その結果、反射率は6.0%であった。
以上の本発明の実施形態から、熱を用いない、すばやい書き換えとエネルギー効率の良い表示素子が達成でき、マトリクス方式の素子構成の可能な明るいほう品位の液晶素子を実現することができる。
また、高分子分散型液晶を利用するので、散乱状態のより明るく、すばやく書き換え可能で、作製が簡便である。
また、力学的強度の高い、多孔質体膜を形成することができ、より透明でより屈折率の低い多孔質体膜を形成することができる。さらには、耐薬品性、耐酸化性に優れ、生産性の高い塗布工程により多孔質体層が形成できるため、高品位の液晶素子を効率良く製造することができる。
また、界面活性剤分散金属酸化物膜からほぼ完全に界面活性剤を除去できるので、より屈折率の低い高品位の多孔質体層を形成することができ、高温に加熱しなくとも界面活性剤分散型金属酸化物膜から界面活性剤を除去できるので、素子中に耐熱性のない材料が存在しても多孔質体膜を形成することができる。
また、疎水化処理によって、クラックが生じない、より屈折率の低い多孔質体膜を形成することができ、界面活性剤の除去と疎水化処理を同時に行えることから、クラックのない、屈折率の低い多孔質体膜を効率よく製造することができる。
本発明の第1の実施形態における液晶素子の断面を示した図である(視認側を上側にした図である)。 本発明の第1の実施形態における液晶素子の断面を示した図である(視認側を上側にした図である)。 本発明の第1の実施形態における比較例の液晶素子の断面を示した図である(視認側を上側にした図である)。 本発明の第2の実施形態における液晶素子の断面を示した図である。 本発明の第2の実施形態における液晶素子の断面を示した図である。 本発明の第2の実施形態における多孔質体層が液晶層よりも視認面側に配置する場合の説明図である。 本発明の第2の実施形態における液晶素子の断面を示した図である。 本発明の第2の実施形態における液晶素子の断面を示した図である。 本発明の実施形態における反射率の測定方法を示した図である。
符号の説明
1,2,10,11 基板
3,12 多孔質体層
4,5,13,14 電極
6,15 液晶層
7,16 吸収層
8 受光ユニット
9 光源
17 多孔質体層を覆う層

Claims (32)

  1. 少なくとも一対の基板に挟持された光の透過率を制御する液晶層と、
    少なくとも一方の基板に多孔質体層が形成されていることを特徴とする多孔質体層を有する液晶素子。
  2. 前記液晶層は、光の散乱状態と透過状態との間を制御することを特徴とする請求項1記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  3. 前記基板に電極が形成され、前記液晶層を電界駆動によって制御することを特徴とする請求項1または2記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  4. 前記液晶層が高分子分散型液晶であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  5. 前記多孔質体層が少なくともメソ領域、マイクロ領域の細孔径を備える構造を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  6. 前記多孔質体層が、0.5から50nmの細孔径を備える構造を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  7. 前記多孔質体層が金属酸化物の多孔質体であることを特徴とする多孔質体層を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  8. 前記多孔質体層が、ケイ素酸化物の多孔質体であることを特徴とする多孔質体層を有する請求項1から7のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  9. 光吸収層が、視認面と反対側基板に隣接して形成されたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  10. 前記多孔質体層は、該多孔質体層の表面の開口部が塞がった多孔質体層を有することを特徴とする請求項1記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  11. 前記多孔質体層と前記液晶層との間には、多孔質体の表面の細孔を覆う層を積層することを特徴とする請求項1記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  12. 前記多孔質体層の表面の細孔を覆う層の屈折率が、前記多孔質体層よりも高いことを特徴とする請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  13. 前記多孔質体層の表面の細孔を覆う層の屈折率が、液晶層の屈折率よりも高いことを特徴とする請求項11または12記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  14. 前記多孔質体を液晶層よりも視認面側に配置することを特徴とする請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  15. 前記液晶層を前記多孔質体層よりも視認面側に配置することを特徴とする請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  16. 前記多孔質体層を液晶層の上側および下側に配置することを特徴とする請求項11記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  17. 前記多孔質体の表面の細孔を覆う層が、透明金属酸化物からなることを特徴とする請求項12または13記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  18. 前記透明金属酸化物に含まれる金属が、ケイ素、チタン、亜鉛、ジルコニウム、インジウム、スズ、タンタルからなる群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするものであることを特徴とする請求項17記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  19. 前記透明金属酸化物は、導電性を有することを特徴とする請求項17または18記載の多孔質体層を有する液晶素子。
  20. 界面活性剤が添加された、金属アルコキシドを酸性条件で加水分解して得られるゾル溶液を塗布する塗布行程と、
    前記塗布行程により塗布されたゾル溶液を乾燥させることにより界面活性剤分散金属酸化物膜を得る乾燥工程と、
    前記界面活性剤分散金属膜を焼成することによって界面活性剤を除去する焼成行程によって多孔質体を得ることを特徴とする多孔質体膜の製造方法。
  21. 界面活性剤が添加された、金属アルコキシドを酸性条件で加水分解して得られるゾル溶液を塗布する塗布行程と、
    前記塗布行程により塗布されたゾル溶液を乾燥させることにより界面活性剤分散金属酸化物を得る乾燥工程と、
    前記界面活性剤分散金属酸化物膜を溶媒で洗浄することによって界面活性剤を除去する洗浄工程によって多孔質体を得ることを特徴とする多孔質体膜の製造方法。
  22. 界面活性剤が添加された、金属アルコキシドを酸性条件で加水分解して得られるゾル溶液を塗布する行程と、
    前記塗布行程により塗布されたゾル溶液を乾燥させることにより界面活性剤分散金属酸化物を得る乾燥工程と、
    前記界面活性剤分散金属酸化物膜をオゾン雰囲気下で前記界面活性剤を除去するオゾン酸化除去行程によって多孔質体を得ることを特徴とする多孔質体膜の製造方法。
  23. 前記ゾル溶液にアルキルトリアルコキシシランあるいはジアルキルジアルコキシシランあるいはトリアルキルアルコキシシランを添加することを特徴とする請求項19から21のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法。
  24. 前記ゾル溶液にアルキルトリクロロシシランあるいはジアルキルジクロロシランあるいはトリアルキルクロロシランを添加することを特徴とする請求項19から21のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法。
  25. 前記多孔質体は、前記界面活性剤の除去行程後、疎水化処理工程によって疎水化することを特徴とする請求項20から22のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法。
  26. 前記ゾル溶液中に疎水化処理剤を添加することを特徴とする請求項23または24記載の多孔質体膜の製造方法。
  27. 視認側とする多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、
    第2の基板に吸収層と多孔質体膜、透明電極をこの順に積層する行程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする多孔質体層を有する液晶素子の製造方法。
  28. 視認側とする多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、
    第2の基板に吸収層と透明電極を、この順に積層する行程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする多孔質体層を有する液晶素子の製造方法。
  29. 視認側とする第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、
    第2の基板に吸収層と多孔質体膜、透明電極をこの順に積層する行程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする多孔質体層を有する液晶素子の製造方法。
  30. 多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、
    第2の基板に多孔質体膜と透明電極を、この順に積層する行程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする多孔質体層を有する液晶素子の製造方法。
  31. 多孔質体膜を設けた第1の基板に、透明電極を成膜する成膜行程と、
    第2の基板に透明電極を成膜する行程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の透明電極側で液晶層を挟持する挟持行程とを有することを特徴とする多孔質体層を有する液晶素子の製造方法。
  32. 前記多孔質体膜は、請求項20から26のいずれか1項に記載の多孔質体膜の製造方法によって得られた多孔質体膜であることを特徴とする請求項27から31のいずれか1項に記載の多孔質体層を有する液晶素子の製造方法。
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