JP2005017864A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第一の像担持体に形成されたトナー像を第二の像担持体に一次転写し、第二の像担持体より転写材にトナー像を二次転写する画像形成装置において、「バンディング」、「濃度ムラ」、「ゴースト」を抑制し、転写材の種類に依らず、良好な画質を形成する画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写材Pの種類に応じて一次転写の条件を変更する制御手段を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行う複写機、プリンタ、フアクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置としては、第一の像担持体である単一又は複数の感光ドラム上に形成された現像剤像(トナー像)を、第二の像担持体である中間転写体上に転写することで中間転写体上の複数色トナー像を形成した後、中間転写体上の複数色トナー像を転写材上に転写することで多色画像を形成する多色画像形成装置が実用化されている。
【0003】
上記した従来の多色画像形成装置では、中間転写体は感光ドラムに一次転写部で接触しており、感光ドラム上に形成されたトナー像は、いったん中間転写体上に転写(一次転写)された後、二次転写部においてトナー像は中間転写体上から転写材に転写(二次転写)される。その後トナー像が転写された転写材は定着装置に到達し、定着装置で加熱・加圧されて転写材上に永久定着像が得られる。
【0004】
上述したような中間転写方式の多色画像形成装置では、例えば、転写ベルトなどの転写材担持体に転写材を吸着させて搬送し、感光ドラム上に形成したトナー像を直接転写材上に転写して、転写材上で複数色のトナー像を重ね合わせる方式とは異なり、転写材を転写材担持体に吸着させる必要がなく、中間転写体上に形成した複数トナー像を一括して転写材に転写するため、比較的転写材を選ばずに画像形成が行える利点がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平3−148680号公報
【特許文献2】
特開平11−249459号公報
【特許文献3】
特開平8−286528号公報
【特許文献4】
特開平10−48975号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような中間転写体を有する電子写真方式の画像形成装置においては、中間転写体表面の移動速度を感光ドラム表面の移動速度と異ならせて、感光ドラム上のトナー像をすくい取るようなせん断力を利用して一次転写を行うことにより、感光ドラム上のトナー像を中間転写体上へ一次転写する際の転写効率の向上と安定化が達成される。
【0007】
しかしながら、上述したような感光ドラム表面と中間転写体表面に周速差を設けた(移動速度比が1ではない)構成においては、一次転写部(一次転写ニツプ)において感光ドラムと中間転写体との間に摩擦力が生じるために、感光ドラムや中間転写体の移動に対する抗力が発生する。この一次転写部における摩擦力は、一次転写ニツプ内に存在するトナー量に依存して変化する。即ち、一次転写ニツプ内に存在するトナーが感光ドラム表面と中間転写体表面の摩擦力を減少させる潤滑粒子として件用し、トナー量が多いほどこの摩擦力は小さくなり、トナー量が少ないほど大きくなる。
【0008】
このため、画像形成工程において、画像パターンに応じて一次転写ニツプ内のトナー量が変動すると、感光ドラムや中間転写体の駆動源が受ける抗力が変動し、感光ドラムや中間転写体に移動速度ムラが発生する。この移動速度ムラにより感光ドラム上に形成される静電潜像や中間転写体上に形成される転写像の位置が瞬間的にずれ、感光ドラム上や中間転写体上に形成されるトナー像内(特にハーフトーン画像部)にはいわゆる「バンディング」が生じる。この「バンディング」は、中間転写体上のトナー像が、コート紙、OHPフィルムのような表面平滑性の高い転写材上に二次転写される際には、トナーの飛散り等が生じず忠実に再現されるため、特に目立ってしまう。
【0009】
一方、上述の「バンディング」発生を防止するために、感光ドラム表面と中間転写体表面の移動速度比をほぼ等速に設定した構成においては、今度は、一次転写効率が低下し、これに起因して中間転写体上のトナー像(特にベタ画像部)に「濃度ムラ」が生じる。特に、中間転写体上のトナー像が、ボンド紙、レード紙のような表面平滑性の低い転写材上に二次転写される際には、二次転写効率も低下するため、本「濃度ムラ」が転写材上で更に炙り出され、目立ってしまう。
【0010】
又、上述したような中間転写体を有する電子写真方式の画像形成装置においては、感光ドラム上のトナー像を中間転写体上へ一次転写する際の一次転写バイアスの設定値にも依存して、いくつかの画像不良が生じる可能性がある。
【0011】
一次転写バイアスを高く設定した構成においては、一次転写時に、感光ドラム表面には画像パターンに応じて強いプラス電荷が付与される部分(以下、「転写メモリ」と称す。)が生じる。この部分は、帯電ローラによる帯電工程を経ても、電位が負極性の所定電位までは僅かに回復しきらず、周囲の正常電位の部分に比べ露光後の電位が低下する。すると、この部分に現像されるトナー量が周囲よりも増えてしまう。従って、次の(感光ドラムが1周した後の)画像形成時に、前回画像形成時の画像パターンの履歴は、「ゴースト」として画像上に出現し、画像品位を損ねる。「ゴースト」は、中間転写体上のトナー像が、コート紙、OHPフィルムのような表面平滑性の高い転写材上に二次転写される際には、トナーの飛散り等が生じず忠実に再現されるため、特に目立ってしまう。
【0012】
一方、上述の「ゴースト」発生を防止するために、一次転写バイアスを低く設定した構成においては、やはり前記と同様に、一次転写効率が低下し、これに起因して中間転写体上のトナー像(特にベタ画像部)に「濃度ムラ」が生じる。特に、中間転写体上のトナー像が、ボンド紙、レード紙のような表面平滑性の低い転写材上に二次転写される際には、二次転写効率も低下するため、本「濃度ムラ」が転写材上で更に炙り出され、目立ってしまう。
【0013】
従って、本発明は、第一の像担持体に形成されたトナー像を第二の像担持体に一次転写し、第二の像担持体より転写材にトナー像を二次転写する画像形成装置において、「バンディング」、「濃度ムラ」、「ゴースト」を抑制し、転写材の種類に依らず、良好な画質を形成する画像形成装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、第一の像担持体上に形成したトナー像を前記第一の像担持体と一次転写部にて接触する第二の像担持体上に一次転写し、更に、前記第二の像担持体上に転写された前記トナー像を、転写材上に二次転写する画像形成装置において、
前記転写材の種類に応じて前記一次転写の条件を変更する制御手段を備える、ことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0015】
本発明の一実施態様によると、前記転写材の種類に応じて変更する前記一次転写の条件に、前記第一の像担持体表面の移動速度と前記第二の像担持体表面の移動速度との移動速度比を含み、前記移動速度比は、前記第一の像担持体表面の移動速度を変更することにより変更されることが望ましく、又、前記転写材の種類に応じて前記転写材の搬送速度を変更する制御手段を備えることがある。
【0016】
本発明の他の実施態様によると、前記転写材の種類に応じて変更する前記一次転写の条件に、前記一次転写部に形成される転写電界を含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0018】
実施例1
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置である、電子写真方式のプリンタ等のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【0019】
まず、装置構成全体に関して説明する。この画像形成装置は、イエロー色の画像を形成する画像形成部1Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部1Mと、シアン色の画像を形成する画像形成部1Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成部1Kの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔をおいて一列に配置されている。
【0020】
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kには、それぞれ第一の像担持体としての感光ドラム2a、2b、2c、2dが設置されている。感光ドラム2a、2b、2c、2dの周囲には、帯電ローラ3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4d、一次転写ローラ5a、5b、5c、5d、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dがそれぞれ設置されており、帯電ローラ3a、3b、3c、3dと、現像装置4a、4b、4c、4d間の上方には、露光装置7a、7b、7c、7dがそれぞれ設置されている。
【0021】
感光ドラム2a、2b、2c、2dは、本実施例では負帯電の有機感光ドラムで外径30.0mmであり、アルミニウム等のドラム基体上にOPC感光層を有している。
【0022】
接触帯電手段としての帯電ローラ3a、3b、3c、3dは、それぞれ感光ドラム2a、2b、2c、2dに所定の圧接力で接触している。
【0023】
現像装置4a、4b、4c、4dは、本実施例では二成分現像方式である。そして、現像装置4a、4b、4c、4dには、それぞれ、現像剤としてイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーが収納されている。
【0024】
接触転写手段としての一次転写ローラ5a、5b、5c、5dは、第二の像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト8を介して各感光ドラム2a、2b、2c、2d表面に所定の押圧力で接触している。
【0025】
中間転写ベルト8は、駆動ローラ11と二次転写対向ローラ12と従動ローラ13によって張架されている。中間転写ベルト8の張架張力は、従動ローラ13に対して不図示の加圧手段により、中間転写ベルト8と駆動ローラ11とがスリップしないように、98Nの荷重がかけられている。尚、駆動ローラ11、二次転写対向ローラ12、従動ローラ13は電気的に接地されている。
【0026】
接触転写手段としての二次転写ローラ19は、中間転写ベルト8を介して二次転写対向ローラ12に所定の押圧力で接触している。
【0027】
定着装置21は、定着ローラ21aと加圧ローラ21bを備えており、転写材搬送方向で二次転写ローラ19と二次転写対向ローラ12の下流に配置されている。
【0028】
そして、本実施例の画像形成装置において、反射型光学式転写材センサ40及び、透過型光学式転写材センサ50が、画像形成装置内の転写材Pが二次転写部以前に通過する位置に、転写材種類検知手段として設置されている。これらが行う転写材種類の判別方法については後述する。
【0029】
上記に記載したように、本実施例の画像形成装置は、中間転写体を使用したものである。次に、ここで使用されている中間転写ベルト8の詳細について説明する。中間転写ベルト8には、ウレタン系樹脂、フツ素系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂フィルムや、これらの樹脂にカーボンや導電粉体を分散させ抵抗調製を行った樹脂フィルム、又、ウレタンゴム、NBR等の基層シートの像担持面側に離型層として樹脂層を形成した複数層構造を有するエラストマシート等を用いることが出来る。本実施例では中間転写体ベルト8として、ポリイミドにカーボンを分散して体積抵抗率ρv=1×10Ωcmに調整した、周長1000mm、厚み100μmの単層無端状ベルトを用いている。尚、上記抵抗率は、JIS−K6911に準拠し、導電性ゴムを電極とすることで電極とベルト表面の良好な接触性を得た上で、超高抵抗計(アドバンテスト社製:R8340A)を用いて測定した。測定条件は、印加電圧:100V、印加時間:30secである。
【0030】
このように、中間転写体を使用した画像形成装置は、従来例にて説明したように、転写材の種類を幅広く選択できるが、こうした画像形成装置による画像形成動作に関して説明する。
【0031】
画像形成動作開始信号が発せられると、画像形成部1Y、1M、1C、1Kの感光ドラム2a、2b、2c、2dは、駆動装置(不図示)によって矢印方向(反時計方向)に所定の移動速度v1[mm/s]で回転駆動される。本実施例の移動速度v1[mm/s]は約117mm/sである。
【0032】
そして、帯電バイアス電源(不図示)から帯電バイアスを印加された帯電ローラ3a、3b、3c、3dは、感光ドラム2a、2b、2c、2dの表面を、一様に負極性の所定電位、本実施例では、約−650Vに帯電する。
【0033】
露光装置7a、7b、7c、7dは、ホストコンピュータ(不図示)から入力される色分解された画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換された光信号であるレーザ光を、帯電された各感光ドラム2a、2b、2c、2d上にそれぞれ走査露光して画像情報に応じた静電潜像を形成する。
【0034】
そして、先ず感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、現像バイアス電源(不図示)から負極性の現像バイアスを印加された現像装置4aによって、イエローのトナーを付着させて反転現像を行い、現像剤像(トナー像)として可視像化する。本実施例における現像バイアスは、DC成分;−400V、AC成分;1.5kVpp、周波数:3kHz、波形;矩形波の条件で構成され、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアスとされている。
【0035】
そして、このイエローのトナー像は、一次転写部Taにて転写バイアス電源9aから正極性の一次転写バイアスvt1[V]、本実施例では、約+200Vの定電圧制御されたバイアスが印加された一次転写ロ−ラ5aにより、駆動ローラ11の回転駆動によって感光ドラム2a、2b、2c、2dの回転に同期して矢印方向に所定の移動速度v2[mm/s]で移動(回転)している中間転写ベルト8上に一次転写される。
【0036】
各感光ドラム2a、2b、2c、2dの移動速度v1[mm/s]と中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]との移動速度比γ12については後述する。
【0037】
イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト8は、駆動ローラ11の駆動によって画像形成部1M側に移動される。そして、画像形成部1Mにおいても、同様にして感光ドラム2b上に形成されたマゼンタのトナー像が、一次転写部Tbにて一次転写バイアス電源9bから一次転写バイアスvt1[V]が印加された一次転写ローラ5bにより、中間転写ベルト8上のイエロ−のトナー像上に重ね合わせて転写される。
【0038】
以下、同様にして中間転写ベルト8上に重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部1C、1Kの感光ドラム2c、2dで形成されたシアン、ブラックのトナー像を、各一次転写部Tc、Tdにて各転写バイアス電源9c、9dから一次転写バイアスvt1[V]が印加された一次転写ローラ5c、5dにより、順次重ね合わせて転写してフルカラーのトナー像を中間転写ベルト8上に形成する。
【0039】
そして、中間転写ベルト8上のフルカラーのトナー像先端が二次転写ローラ19と二次転写対向ローラ12との間の二次転写部Tn2に移動されるタイミングに合わせて、転写材Pがこの二次転写部に所定の移動速度vp[mm/s]で搬送され、二次転写バイアス電源20から正極性の二次転写バイアス、本実施例では、+20μAが印加された二次転写ローラ19により、転写材P上にフルカラーのトナー像が一括して二次転写される。
【0040】
そして、フルカラーのトナー像が形成された転写材Pは定着装置21に搬送され、定着装置21の定着ローラ21aと加圧ローラ21b間の定着ニツプ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部に排出して、一連の画像形成動作を終了する。
【0041】
ここで、上記した一次転写工程において、感光ドラム2a、2b、2c、2d上に残留している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置6a、6b、6c、6dによってそれぞれ除去されて回収される。又、二次転写後に中間転写ベルト8表面に残った残トナーは、ベルトクリーニング装置16によって除去されて回収される。
【0042】
尚、このような画像形成装置において、レーザー光が走査される方向を「主走査方向」、感光ドラム2a、2b、2c、2d、中間転写ベルト8、転写材P等が移動する矢印方向を「副走査方向」とそれぞれ称す。
【0043】
上記に説明したように、本実施例の画像形成装置は、第一の像担持体である感光ドラム上に形成したトナー像を第二の像担持体である中間転写体上に一次転写し、更にそれを転写材上に二次転写することで転写材上に転写画像を得る画像形成装置である。そこで、本発明の特徴としては、こうした中間転写方式の画像形成装置において発生しやすい「バンディング」、「濃度ムラ」、「ゴースト」等の画像不良を回避するために、転写材の種類に応じて、一次転写の条件を変更するような制御手段が設けられている。
【0044】
そして、本実施例では、上記に記載したように、転写材の種類を転写材種類検知手段である反射型光学式転写材センサ40によって検知し、一次転写の条件として、感光ドラム2a〜2dの移動速度と、中間転写ベルト8の移動速度と、の移動速度比γ12を変更させる構成をとる。
【0045】
次に、本実施例の画像形成装置において特徴的である、転写材種類に応じて感光ドラム2a、2b、2c、2dの移動速度v1[mm/s]と中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]との移動速度比γ12を変更する制御について説明する。本制御の概要図を図2に示す。
【0046】
本制御では、反射型光学式転写材センサ40により転写材Pの種類を検知し、その検知結果に基づき、制御手段であるCPU60が、駆動源である不図示のステッピングモータの回転駆動を制御して感光ドラム2a、2b、2c、2dの移動速度v1[mm/s]を変更する。これにより、下式で定義される移動速度比γ12を変更する。
【0047】
γ12=v2[mm/s]/v1[mm/s]
【0048】
尚、本制御において中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]は変更しない。従って、本制御を行うことでは、後述する中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]と転写材Pの移動速度vp[mm/s]との移動速度比γ2pが変化することはなく、二次転写条件に影響されることはない。
【0049】
転写材種類検知手段である反射型光学式転写材センサ40は、画像形成装置内の転写材Pが二次転写部以前に通過する位置に設置され、転写材P表面に照射した光の反射光量に基づいて転写材P表面の平滑性を検知する。その構成を図3に示す。反射型光学式転写材センサ40は、LEDなどの光源41の光を反射面である転写材Pに照射し、その反射光をフォトダイオードなどの受光素子42で受光するものである。ここで、本センサ40上では、普通紙の場合と比べ、コート紙、OHPフィルム等の平滑性の高い面に対しては反射光の受光光量が多くなり、逆に、ボンド紙、レード紙等の平滑性の低い面に対しては受光光量が減少する。従って、受光光量により転写材Pの種類を判別できる。
【0050】
このように反射型光学式転写材センサ40によって転写材の種類を判別し、感光ドラム2a〜2dの移動速度と、中間転写ベルト8の移動速度と、の移動速度比γ12を変更させる構成をとることによって、「バンディング」、「濃度ムラ」、「ゴースト」等の画像不良を回避できるが、ここで、本実施例の画像形成装置において、上記制御の方法及び効果について実験例を用いて詳しく説明する。
【0051】
実験例1
図1の構成の画像形成装置において、実験的に移動速度比γ12を変化させ、各転写材P上における画像レベルを確認した結果を下表1に示す。
【0052】
尚、▲1▼普通紙としてはXerox4024紙(75g/m)、▲2▼コート紙としてはFuturaLaser紙(104g/m)、OHPフィルムとしてはキヤノンTR−3、▲3▼ボンド紙としてはPloverBond紙(90g/m)、レード紙としてはNeenahClassicLaid紙(105g/m)が使用されている。そして、表1に示される転写材P上での上記「バンディング」、「濃度ムラ」の様子は、それぞれ図4、図5に示した形状にて現れる。
【0053】
【表1】
Figure 2005017864
【0054】
表1に示すように、転写材Pの種類に応じて、良好な画像レベルが得られる移動速度比γ12の設定値は異なる。
【0055】
実験例2
表1の結果は、以下のように解釈することができる。移動速度比γ12の違いによって、表1にて3種類に分類された転写材Pの種類、▲1▼普通紙、▲2▼コート紙、OHPフィルム、▲3▼ボンド紙、レード紙等によって、転写材Pの表面平滑性のレベルは異なる。▲1▼の普通紙を基準とすると、▲2▼のコート紙やOHPフィルム等は表面平滑性が高く、▲3▼のボンド紙やレード紙等は表面平滑性が低い。
【0056】
そこで、実際に、本発明者らが、JIS−P8119法に基づき各転写材Pについて表面平滑度を測定したところ、これを支持する下表2の結果が得られた。
【0057】
【表2】
Figure 2005017864
【0058】
尚、キヤノンTR−3は▲2▼に分類されるOHPフィルムであるため、本測定法では表面平滑度が測定できないものの、上記転写材Pに比べれば、極めて高い表面平滑性を有すると考えられる。
【0059】
実験例1において、表1に示したように、▲1▼の普通紙では、γ12=1.0150において、「バンディング」と「濃度ムラ」の抑制を両立した良好な画像レベルが得られる。尚、γ12=1.0175とすると「バンディング」が、γ12=1.0125とすると「濃度ムラ」が転写材上で抑制できなくなる。
【0060】
これに対し、▲2▼のコート紙、OHPフィルム、▲3▼のボンド紙、レード紙等では、両者を両立するための最適なγ12の設定値が異なる。
【0061】
そこで、実験例2にて求められた表2の結果より、その理由は下記のように考える。
【0062】
▲2▼のコート紙やOHPフィルム等では、γ12=1.0125が最適な設定値となる。コート紙やOHPフィルム等は、▲1▼の普通紙に比べ転写材表面の凹凸が小さく、二次転写時のトナーの飛散り等が生じにくい。従って、図4に示されるような、中間転写ベルト8上のトナー像内(特にハーフトーン画像部)に生じた「バンディング」は、転写材上でも忠実に再現され易い。一方、これらの転写材は、転写材表面の凹凸が小さく、二次転写時には良好な転写効率が確保される。従って、一次転写後の中間転写ベルト8上のトナー像(特にベタ画像部)に「濃度ムラ」が生じたとしても、それが二次転写後に転写材上で更に悪化して目立つことは少ない。
【0063】
よって、▲2▼のコート紙やOHPフィルム等では、中間転写ベルト8上のトナー像に関して「濃度ムラ」よりも「バンディング」の抑制を重点的に実現する、▲1▼の普通紙よりも小さな値のγ12(=1.0125)を設定することが必要となる。
【0064】
逆に、▲3▼ボンド紙やレード紙等では、γ12=1.0175が最適な設定値となる。理由は次の通りである。ボンド紙やレード紙等は、▲1▼の普通紙に比べ転写材表面の凹凸が大きく、二次転写時の転写効率が低下し易い。従って、図5に示されるような、中間転写ベルト8上のトナー像(特にベタ画像部)に生じた「濃度ムラ」は、二次転写後に炙り出され、転写材P上で更に悪化し易い。一方、これらの転写材Pは、転写材P表面の凹凸が大きく、二次転写時にトナーの飛散り等が生じる。従って、中間転写ベルト8上のトナー像内(特にハーフトーン画像部)に「バンディング」が生じたとしても、それが二次転写後に転写材上で忠実に再現され目立つことは少ない。
【0065】
よって、▲3▼のボンド紙やレード紙等では、中間転写ベルト8上のトナー像に関して「バンディング」よりも「濃度ムラ」の抑制を重点的に実現する、▲1▼の普通紙よりも大きな値のγ12(=1.0175)を設定することが必要となる。
【0066】
以上の知見の元、本実施例の画像形成装置においては、反射型光学式転写材センサ40により検知した転写材種類に応じて、移動速度比γ12の設定値が表3に示すものに変更されるよう制御を行っている。
【0067】
【表3】
Figure 2005017864
【0068】
表3に示したように、▲2▼のコート紙、OHPフィルム等の表面平滑性の高い転写材については、移動速度比γ12を普通紙に比べて小さく、等速(γ12=1)に近い値に設定することで、移動速度ムラを抑制し、「濃度ムラ」を二次転写時に目立たせることなく、転写材上での「バンディング」レベルを改善できる。
【0069】
逆に、▲3▼のボンド紙、レード紙等の表面平滑性の低い転写材については、移動速度比γ12を普通紙に比べて大きく設定することで、一次転写効率を向上し、「バンディング」を二次転写時に目立たせることなく、転写材P上での「濃度ムラ」を改善できる。
【0070】
このように、本実施例の画像形成装置においては、画像形成装置に備えられた転写材種類検知手段による転写材種類、ここでは転写材の表面平滑性の違いの検知結果に応じて、移動速度比γ12を、表面平滑性の高い転写材については普通紙より低く、表面平滑性の低い転写材については普通紙より高くするように、変更する制御を行うことで、「バンディング」と「濃度ムラ」を良好なレベルに抑制することが可能となっている。
【0071】
尚、移動速度比γ12を変更する制御について、前述したように、本実施例の画像形成装置においては、中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]を固定した上で、感光ドラムの移動速度v1[mm/s]を変更することにより実施している。従って、移動速度比γ12を変更しても、二次転写部への影響が生じないというメリットが得られる。
【0072】
これに対し、γ12を変更するためにv1[mm/s]ではなくv2[mm/s]を変更すると、二次転写部における中間転写ベルトの移動速度v2[mm/s]と転写材の移動速度vp[mm/s]との移動速度比も変化するため、v2[mm/s]に合わせてvp[mm/s]をも変更する必要が生じ、制御が複雑化してしまう。
【0073】
実施例2
次に本発明の実施例2の画像形成装置について説明する。実施例1の画像形成装置と同様の構成については、同符号を付し、説明を省略する。
【0074】
本実施例の画像形成装置は、装置の全体構成や中間転写ベルトや転写材種類検知手段である反射型光学式転写材センサ40の構成については、実施例1の画像形成装置と同様であり、転写材の種類を検知し、それに応じて、一次転写の条件を変更する手段を有する。
【0075】
但し、転写材Pの種類を検知するにあたっては、画像形成装置の外部から指定してもよい。即ち、ユーザーが、直接との転写材Pの種類を入力することも可能であり、また、画像形成装置に設けている外部インターフェースから、転写材Pの情報を入力してもよく、センサ40による検知に限定するものではない。
【0076】
本実施例において特徴的であるのは、転写材種類に応じて変更する一次転写の条件として、一次転写部に形成される転写電界、つまり各一次転写部にて一次転写ローラ5a、5b、5c、5dに印加される一次転写バイアスvt1[V]を変更する制御を行う点である。
【0077】
本制御の概要図を図6に示す。本制御では、反射型光学式転写材センサ40による転写材Pの種類の検知結果に基づき、制御手段であるCPU60が、電源である転写バイアス電源9a、9b、9c、9dの出力を制御して一次転写ローラ5a、5b、5c、5dに印加される一次転写バイアスvt1[V]を変更する。
【0078】
ここで、本実施例の画像形成装置において、上記制御の効果と方法について詳しく説明する。
【0079】
実験例3
本実施例の画像形成装置において、実験的に一次転写バイアスvt1[V]を変化させ、各転写材上における画像レベルを確認した結果を表4に示す。尚、各転写材としては、実施例1で述べたものと同じ▲1▼▲2▼▲3▼の3種類のものが使用され、転写材上での「濃度ムラ」の様子は、実施例1における、図5に示されるものと同様である。又、転写材上での上記「ゴースト」の様子は、図7に示されるようなものである。
【0080】
【表4】
Figure 2005017864
【0081】
表4に示すように、転写材の種類に応じて、良好な画像レベルが得られる一次転写バイアスvt1[V]の設定値は異なる。
【0082】
表4の結果は、以下のように解釈することができる。上記の▲1▼▲2▼▲3▼は実験例2にて前述したように、転写材Pの種類(普通紙、コート紙、OHPフィルム、ボンド紙、レード紙等)によって、転写材の表面平滑性のレベルは異なる。
【0083】
表4に示したように、▲1▼の普通紙では、vt1[V]=200Vにおいて、「濃度ムラ」と「ゴースト」の抑制を両立した良好な画像レベルが得られる。尚、vt1[V]=150Vとすると「濃度ムラ」が、vt1[V]=250Vとすると「ゴースト」が転写材上で抑制できなくなる。
【0084】
これに対し、▲2▼のコート紙、OHPフィルム、▲3▼のボンド紙、レード紙等では、両者を両立するための最適なvt1[V]の設定値が異なる。
【0085】
▲2▼のコート紙やOHPフィルム等では、vt1[V]=150Vが最適な設定値となる。理由は次の通りである。コート紙やOHPフィルム等は、▲1▼の普通紙に比べ転写材表面の凹凸が小さく、二次転写時のトナーの飛散り等が生じにくい。従って、図7のように、中間転写ベルト8上のトナー像内(特にハーフトーン画像部)に生じた「ゴースト」は、転写材上でも忠実に再現されてしまう。一方、これらの転写材は、転写材表面の凹凸が小さく、二次転写時には良好な転写効率が確保される。従って、一次転写後の中間転写ベルト8上のトナー像(特にベタ画像部)に「濃度ムラ」が生じたとしても、それが二次転写後に転写材上で更に悪化して目立つことは少ない。
【0086】
よって、▲2▼のコート紙やOHPフィルム等では、中間転写ベルト8上のトナー像に関して「濃度ムラ」よりも「ゴースト」の抑制を重点的に実現する、▲1▼の普通紙よりも低い値のvt1[V](=150V)を設定することが必要となる。
【0087】
逆に、▲3▼のボンド紙やレード紙等では、vt1[V]=250Vが最適な設定値となる。理由は次の通りである。ボンド紙やレード紙等は、▲1▼の普通紙に比べ転写材表面の凹凸が大きく、二次転写時の転写効率が低下し易い。従って、中間転写ベルト8上のトナー像(特にベタ画像部)に生じた「濃度ムラ」は、二次転写後に炙り出され、転写材上で更に悪化し易い。一方、これらの転写材は、転写材表面の凹凸が大きく、二次転写時にトナーの飛散り等が生じる。従って、中間転写ベルト8上のトナー像内(特にハーフトーン画像部)に「ゴースト」が生じたとしても、それが二次転写後に転写材上で忠実に再現され目立つことは少ない。
【0088】
よって、▲3▼のボンド紙やレード紙等では、中間転写ベルト8上のトナー像に関して「ゴースト」よりも「濃度ムラ」の抑制を重点的に実現する、▲1▼の普通紙よりも高い値のvt1[V](=250V)を設定することが必要となる。
【0089】
以上の知見のもと、本実施例の画像形成装置においては、反射型光学式転写材センサ40により検知した転写材種類に応じて、一次転写バイアスvt1[V]の設定値が表5に示すものに変更されるよう制御を行っている。
【0090】
【表5】
Figure 2005017864
【0091】
表5に示したように、▲2▼のコート紙、OHPフィルム等の表面平滑性の高い転写材については、一次転写バイアスVt1[V]を普通紙に比べて低く設定することで、転写メモリを抑制し、「濃度ムラ」を二次転写時に目立たせることなく、転写材上での「ゴースト」レベルを改善できる。
【0092】
逆に、▲3▼のボンド紙、レード紙等の表面平滑性の低い転写材については、一次転写バイアスVt1[V]を普通紙に比べて高く設定することで、一次転写効率を向上し、「ゴースト」を二次転写時に目立たせることなく、転写材上での「濃度ムラ」を改善できる。
【0093】
このように、本実施例の画像形成装置においては、画像形成装置に備えられた転写材種類検知手段による転写材種類、ここでは転写材の表面平滑性の違いの検知結果に応じて、一次転写バイアスvt1[V]を、表面平滑性の高い転写材については普通紙より低く、表面平滑性の低い転写材については普通紙より高くするように、変更する制御を行うことで、「ゴースト」と「濃度ムラ」を良好なレベルに抑制することが可能となっている。
【0094】
尚、上述の実施例の画像形成装置においては、各画像形成部1Y、1M、1C、1Kの一次転写ローラ5a、5b、5c、5dの抵抗値が全て同じであった。しかし、これらが互いに異なる抵抗値である構成の画像形成装置においても、各一次転写部に形成される転写電界に着目し、▲1▼の普通紙よりも、▲2▼のコート紙、OHPフィルム等を使用するときの転写電界が低く、又、▲3▼のボンド紙、レード紙等を使用するときの転写電界が高くなるように、各一次転写ローラ5a、5b、5c、5dに印加するバイアスを制御することで、同様の効果が得られる。
【0095】
なぜならば、トナーの転写性や感光ドラムの転写メモリといった物理現象は、本質的に一次転写部のニップ内における転写電界の作用によって生じるものであるためである。従って、例えば、帯電ローラ3a、3b、3c、3dによる感光ドラム2a、2b、2c、2dの帯電電位を切り替えることによって一次転写部における転写電界を制御することも可能である。
【0096】
実施例3
次に本発明の実施例3の画像形成装置について説明する。実施例1の画像形成装置と同様の構成については、同符号を付し、説明を省略する。
【0097】
本実施例の画像形成装置は、装置の全体構成や中間転写ベルトや転写材種類検知手段である反射型光学式転写材センサ40の構成については、実施例1の画像形成装置と同様であり、転写材の種類を検知し、それに応じて、一次転写の条件を変更する手段を有するが、本実施例において特徴的であるのは、転写材種類に応じて感光ドラム2a〜2dの表面移動速度と中間転写ベルト8の表面移動速度比γ12である一次転写の条件を変更する実施例1に記載した制御に加えて、更に、中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]と転写材Pの搬送速度vp[mm/s]との移動速度比γ2pを変更する制御を行う点である。
【0098】
本制御の概要図を図8に示す。本制御では、もうひとつの転写材種類検知手段である透過型光学式転写材センサ50により転写材Pの種類を検知し、その検知結果に基づき、転写材Pの種類がOHPフィルム等である場合、制御手段であるCPU60が、駆動源である不図示のステッピングモータの回転駆動を制御し二次転写ローラ19の周速を変更して、転写材Pの搬送速度vp[mm/s]を変更する。これにより、下式で定義される移動速度比γ2pを変更する。
【0099】
γ2p=vp[mm/s]/v2[mm/s]
【0100】
尚、実施例1と同様、本制御において中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]は変更しない。従って、実施例1に記載した以外の制御によって、つまり本制御を行うことによっては、前述した感光ドラムの移動速度v1[mm/s]と中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]との移動速度比γ12が変化することはなく、一次転写の条件が影響されることはない。
【0101】
透過型光学式転写材センサ50は、実施例1にて使用された反射型光学式転写材センサ40と同様、画像形成装置内の転写材Pが二次転写部以前に通過する位置に設置され、転写材表面に照射した光の透過光量に基づいて転写材の種類を検知する。その構成を図9に示す。透過型光学式転写材センサ50は、LEDなどの光源51の光を透過面である転写材Pに照射し、その透過光を反射ミラー52、53を介してフォトダイオードなどの受光素子54で受光するものである。ここで、本センサ上では、OHPフィルム等以外の転写材に対しては光路が遮られ透過光の受光光量がなくなるのに対し、OHPフィルムに対しては光路が遮られず受光光量が多くなる。従って、受光光量により転写材の種類を判別できる。
【0102】
ここで、本実施例の画像形成装置において、上記制御の効果と方法について詳しく説明する。
【0103】
転写材Pとして、表面硬度の高いOHPフィルム等を用いた場合、二次転写部Tn2において、中間転写ベルト8上のトナー像を、転写材P上に転写する際に、転写材Pを介し二次転写ローラ19がトナー像を中間転写ベルト8に押し付けるために、図10(a)を正確な転写画像30aとしたとき、同図(b)の符号30b部分のように画像の中央部分のトナーが転写されないか、転写効率が悪くなる、いわゆる「中抜け」の転写画像を生じることがある。
【0104】
この「中抜け」を防止する手段として、二次転写部において二次転写ローラ19を中間転写ベルト8よりも大きい移動速度で駆動すればよいことが知られている(特許文献1及び2参照)。
【0105】
つまり、二次転写ローラ19の移動速度を大きくすることで転写材Pの搬送速度vp[mm/s]を、中間転写ベルト8の移動速度v2[mm/s]よりも速くなるよう設定し、その速度比により中間転写ベルト8上のトナー像をすくい取るようなせん断力を利用して二次転写を行うことにより、中間転写ベルト8上のトナー像を転写材P上へ二次転写する際の転写効率を向上し、「中抜け」のない転写画像を得ることができる。
【0106】
実験例4
本実施例の画像形成装置において、実験的に移動速度比γ2pを変化させ、各転写材上における画像レベルを確認したところ、表6のような結果が得られた。尚、各転写材としては、実験例1、2で述べたものと同じ種類のものが使用されているが、移動速度比γ2pの値による画像の性質は、実験例1、2のように3種類に分類されずに、(イ)OHPフィルムと(ロ)他の転写材との2種類に分類される。
【0107】
【表6】
Figure 2005017864
【0108】
表6のように、転写材Pの種類が(イ)のOHPフィルム等である場合、良好な画像レベルが得られる移動速度比γ2pの設定値は(ロ)の他の転写材とは異なる。
【0109】
つまり、転写材の表面硬度の高いOHPフィルムでは、移動速度比γ2pが低くなると、一次転写効率が下がり、「中抜け」が発生すると考えられる。
【0110】
以上の知見の元、本実施例の画像形成装置においては、透過型光学式転写材センサ50により検知された転写材種類に応じて、移動速度比γ2pの設定値が表7に示すものに変更されるよう制御を行っている。
【0111】
【表7】
Figure 2005017864
【0112】
表7に示したように、(イ)のOHPフィルム等の表面硬度の高い転写材については、移動速度比γ2pを(ロ)の他の転写材に比べて大きく設定することで、せん断力を作用させ、転写材上での「中抜け」を防止できる。
【0113】
このように、本実施例の画像形成装置においては、画像形成装置に備えられた転写材種類検知手段による転写材種類、ここでは転写材の表面硬度の違いの検知結果に応じて、転写材Pの種類がOHPフィルム等の表面硬度が高いものである場合、移動速度比γ2pを変更する制御を行うことで、「中抜け」を防止することが可能となっている。
【0114】
尚、本制御は、実施例1で述べた、転写材種類に応じて一次転写部における移動速度比γ12を変更する制御と、組み合わせて実施している。即ち、転写材種類に応じて、移動速度比γ12と移動速度比γ2pの両者を最適に制御することで、何れの転写材においても、「バンディング」、「濃度ムラ」、「中抜け」の発生を抑制し、良好な画質を得ることが可能となる。
【0115】
ここで、上記の組合せ制御を行う際は、中間転写ベルトの移動速度v2[mm/s]を固定した上で、感光ドラムの移動速度v1[mm/s]と転写材の搬送速度vp[mm/s]を変更して移動速度比γ12と移動速度比γ2pを変更する制御を行うことで、以下のメリットが得られる。
【0116】
即ち、画像形成動作中、γ12とγ2pを変更する制御を、互いに異なるタイミングで実施することができる。従って、複数種の転写材を混載して連続プリントを実施する場合にも、まず一次転写部においてトナー画像が最終的に転写される先の転写材種類が切り替わるタイミングでv1[mm/s]を変更し、次いで二次転写部において転写材種類が切り替わるタイミングでvp[mm/s]を、画像形成動作を停止させることなく、変更することができる。これに対し、γ12とγ2pを変更するためにv1[mm/s]とvp[mm/s]ではなくv2[mm/s]を変更すると、速度変更制御のために画像形成動作を一旦停止する必要が生じ、装置のスループットが低下してしまう。
【0117】
以上実施例1〜3について述べた、各実施例の画像形成装置において、転写材の種類は、画像形成装置に備えられた転写材種類検知手段により検知されていた。しかし、外部からの情報によって、例えば、ユーザにより、ホストコンピュータの画面上や画像形成装置のパネル上等で指定される転写材種類の情報を用いて、転写材種類を検知することも可能である。
【0118】
又、転写材の種類に依らない良好な定着性を確保するため、転写材の種類に応じて、画像形成動作の絶対的な速度を変更する制御が、特許文献3や特許文献4等に示される画像形成装置において実施されている。
【0119】
こうした画像形成装置では、例えば、転写材として厚紙やOHPフィルムを使用する場合、感光ドラムと中間転写体の移動速度、及び定着装置の定着速度が通常時の1/2程度の速度に減速され、画像形成動作が行われる。このような画像形成装置に関しても、本発明の制御が同様に適用可能である。
【0120】
即ち、転写材の種類に応じて画像形成動作の絶対速度が変更された状態で、更に、転写材の種類に応じて一次転写部における移動速度比と転写電界、二次転写部における移動速度比を最適値に変更するという本発明の制御を行うことで、前記した種々の画像不良のない良好な画質を得ることが可能となる。
【0121】
尚、本発明の制御における転写材の種類は、実施例1〜3に記載した転写材の表面平滑性や表面硬度によるものに限定されず、転写材の他の性質によるものでも良い。そして、制御する一次転写の条件も、像担持体や中間転写体の移動速度、一次転写部における転写電界以外の条件でも良い。
【0122】
以上に説明したように、感光ドラム等の第一の像担持体上に形成したトナー像を中間転写体等の第二の像担持体上に一次転写し、更にそれを転写材上に二次転写することで転写材上に転写画像を得る画像形成装置において、転写材の種類に応じて、一次転写の条件を変更する手段を有するので、転写材の種類に依らず、「バンディング」、「濃度ムラ」、「ゴースト」等が目立ちやすくなることを抑制し、良好な画質を得ることが可能となる。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置は、第一の像担持体上に形成したトナー像を第一の像担持体と一次転写部にて接触する第二の像担持体上に一次転写し、更に、第二の像担持体上に転写されたトナー像を、転写材上に二次転写する画像形成装置において、転写材の種類に応じて一次転写の条件を変更する制御手段を備えるので、転写材の種類に依らず、「バンディング」、「濃度ムラ」、「ゴースト」等が目立ちやすくなることを抑制し、良好な画質を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る転写材種類検知手段の一例を示す概略構成図である。
【図4】転写材上に生じた「バンディング」を示す説明図である。
【図5】転写材上に生じた「濃度ムラ」を示す説明図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
【図7】転写材上に生じた「ゴースト」を示す説明図である。
【図8】本発明に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
【図9】本発明に係る転写材種類検知手段の他の例を示す概略構成図である。
【図10】転写材上に生じる「中抜け」を示す説明図である。
【符号の説明】
2a〜2d 感光ドラム(第一の像担持体)
5a〜5d 一次転写ローラ
8 中間転写ベルト(第二の像担持体)
9a〜9d 一次転写バイアス電源
12 二次転写対向ローラ
19 二次転写ローラ
20 二次転写バイアス電源
40 反射型光学式転写材センサ(転写材種類検知手段)
50 透過型光学式転写材センサ(転写材種類検知手段)
60 CPU(制御手段)
P 転写材
Ta〜Td 一次転写部
Tn2 二次転写部

Claims (7)

  1. 第一の像担持体上に形成したトナー像を前記第一の像担持体と一次転写部にて接触する第二の像担持体上に一次転写し、更に、前記第二の像担持体上に転写された前記トナー像を、転写材上に二次転写する画像形成装置において、
    前記転写材の種類に応じて前記一次転写の条件を変更する制御手段を備える、ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記転写材の種類が、画像形成装置に備えられた転写材種類検知手段による検知結果により判別される、ことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 前記転写材の種類が、画像形成装置の外部から指定される、ことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  4. 前記転写材の種類に応じて変更する前記一次転写の条件に、前記第一の像担持体表面の移動速度と前記第二の像担持体表面の移動速度との移動速度比を含む、ことを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
  5. 前記転写材の種類に応じて変更する前記一次転写の条件に、前記一次転写部に形成される転写電界を含む、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  6. 前記移動速度比は、前記第一の像担持体表面の移動速度を変更することにより変更される、ことを特徴とする請求項4の画像形成装置。
  7. 前記転写材の種類に応じて前記転写材の搬送速度を変更する制御手段を備える、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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