JP2005017845A - 画像表示装置用粉体及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィラーの添加量が比較的少なくても隠蔽度を確保することができる画像表示装置用粉体及び画像表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する基板1、2間に少なくとも1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置に用いる画像表示装置用粉体であって、粉体を構成する少なくとも1種以上の粒子群の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを重合したものを用い、粒子群の内少なくとも1種以上の粒子群が低屈折率の樹脂成分モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなるものとする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも一方が透明な対向する基板1、2間に少なくとも1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示装置に用いる画像表示装置用粉体であって、粉体を構成する少なくとも1種以上の粒子群の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを重合したものを用い、粒子群の内少なくとも1種以上の粒子群が低屈折率の樹脂成分モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなるものとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に用いる粉体に関し、特に、クーロン力等による粒子の飛翔移動を利用することで画像表示を繰り返し行うことができる可逆性画像表示用パネルに用いられる画像表示装置用粉体及び画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ペーパーレス化といった環境意識の高揚に伴い、電気的な力を利用して表示基板に所望の画像を表示でき、さらには書き換えも可能であるような電子ペーパーディスプレイに関する研究がなされてきている。この電子ペーパー技術において特に有名なのは、電気泳動型、サーマルリライタブル型等といった液相型のものであるが、液相型では液中を粒子が泳動するので、液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題があるため、最近では、対向する基板間に絶縁着色粒子が封入された構成の乾式のものが着目されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
趙 国来、外3名、“新しいトナーディスプレイデバイス(I)”、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)“Japan Hardcopy’99”論文集、p.249−252
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した乾式の粒子を飛翔移動させるタイプの画像表示装置は、用いる粒子の正負の性格付けと帯電量の確保が容易となる事から、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂を粒子材料として使用し、その粒子径は1〜50μm程度である。その製造方法としては、工程の簡素化、低消費エネルギー化、あるいは、目的の粒子径を直接得るために、粉砕法よりも懸濁重合法を用いる方が効果的である。
【0005】
しかしながら、懸濁重合を用いる方法では、懸濁質の粘度の限界から、高濃度にフィラーを添加する事が難しい。ところが、粒子を飛翔させるタイプの画像表示装置では、1〜30μmという薄い粒子の層により隠蔽性を確保しなければならないため、フィラーの大量添加が必須であり、特に白色粒子においては、その必要性が高かった。
【0006】
本発明の目的は上述した課題を解決して、フィラーの添加量が比較的少なくても隠蔽度を確保することができる画像表示装置用粉体及び画像表示装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像表示装置用粉体は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示用パネルに用いる画像表示装置用粉体であって、粉体を構成する少なくとも1種以上の粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを重合したものを用い、粒子群の内少なくとも1種以上の粒子群が前記樹脂成分モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなることを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを使用して懸濁重合により粒子を作製することで、フィラーの比較的少ない添加で隠蔽度を確保することができる。特に、白色粒子に対して本発明を利用すると、白色フィラーと樹脂成分との屈折率差が大きくなり、界面の屈折による粒子内の乱反射が多くなるため、白色フィラーの添加量が比較的少なくても、白色隠蔽度を確保することができる。
【0009】
本発明の画像表示装置用粉体の好適例としては、粒子群の各粒子の樹脂成分の屈折率が1.50以下の低屈折率であること、粒子群の各粒子の樹脂成分が、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマーから選ばれた1種以上の成分を重合してなること、粒子群の各粒子の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)が60℃以上であること、粒子群の各粒子が球形であること、粒子群の各粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであること、粉体を構成する粒子群が2種の場合に、同じ種類のキャリヤを用いてブローオフ法により測定した2種類の粒子群の、平均表面電荷密度の差の絶対値が、5〜150μC/m2であること、及び、粒子群の各粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8kVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子であること、がある。いずれの場合も本発明を更に好適に実施することができる。
【0010】
また、本発明の画像表示装置は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示用パネルを搭載した画像表示装置において、上述した画像表示装置用粉体を用いたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(c)はそれぞれ本発明の画像表示装置を構成する画像表示用パネルの画像表示素子における一例の構成とその表示駆動原理を示す図である。図1(a)〜(c)に示す例において、1は透明基板、2は対向基板、3は表示電極、4は対向電極、5は負帯電性粒子、6は正帯電性粒子、7は隔壁である。
【0012】
図1(a)に示す例では、対向する基板(透明基板1と対向基板2)の間に、負帯電性粒子5からなる粒子群及び正帯電性粒子6からなる粒子群にて構成される画像表示装置用粉体を配置した状態を示す。この状態のものに、表示電極3側が低電位、対向電極4側が高電位となるように電圧を印加すると、図1(b)に示すように、クーロン力によって、正帯電性粒子6は表示電極3側に移動し、負帯電性粒子5は対向電極4側に移動する。この場合、透明基板1側から見る表示面は正帯電性粒子6の色に見える。次に、電位を切り換えて、表示電極3側が高電位、対向電極4側が低電位となるように電圧を印加すると、図1(c)に示すように、クーロン力によって、負帯電性粒子5は表示電極3側に移動し、正帯電性粒子6は対向電極4側に移動する。この場合、透明基板1側から見る表示面は負帯電性粒子6の色に見える。
【0013】
図1(b)と図1(c)の間は電源の電位を反転するだけで繰り返し表示することができ、このように電源の電位を反転することで可逆的に色を変化させることができる。粒子群の色は、随意に選定できる。例えば、負帯電性粒子5を白色とし、正帯電性粒子6を黒色とするか、負帯電性粒子5を黒色とし、正帯電性粒子6を白色とすると、表示は白色と黒色間の可逆表示となる。この方式では、各粒子群を構成する粒子は一度電極に鏡像力により貼り付いた状態にあるので、電源を切った後も表示画像は長期に保持され、メモリー保持性が良い。
【0014】
本発明では、各帯電した粒子は気体中を移動するため、画像表示の応答速度が速く、応答速度を1msec以下にすることができる。また、液晶表示素子のように配向膜や偏光板等が不要で、構造が単純で、低コストかつ大面積が可能である。温度変化に対しても安定で、低温から高温まで使用可能である。さらに、視野角がなく、高反射率、反射型で明るいところでも見易く、低消費電力である。メモリー性もあり、画像保持する場合に電力を消費しない。
【0015】
本発明の画像表示装置用粉体における特徴は、粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを重合したものを用い、粒子群の内少なくとも1種以上の粒子群の各粒子が前記樹脂成分モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなる点にある。その結果、顔料、荷電制御剤などのフィラーの比較的少ない添加で隠蔽度を確保することができる。そして、特に白色粒子に本発明を適用した場合、白色フィラーと樹脂成分との屈折率差が大きくなり、界面の屈折による粒子内の乱反射が多くなるため、白色フィラーの添加量が比較的少なくても、白色隠蔽度を確保することができ、特に好ましい。
【0016】
以下、本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子について、さらに詳細に説明する。まず、粒子の樹脂成分の屈折率については、後ほど説明する実施例から明らかなように、1.50以下の低屈折率であることが好ましい。屈折率が1.50を超えると所望の隠蔽度を達成できない場合がある。また、粒子の樹脂成分については、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマーから選ばれた1種以上の成分を重合してなるものであり、前記モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなることが好ましい。このように作製された画像表示装置用粉体を構成する粒子は、球形の液滴のまま粒子を硬化させるので、他に粒子の球形化の工程が不要であり、分級のみで目的の粒子径を直接に得ることができ、製造工程が簡略化でき、安価で提供することができる。また、粉砕による大きなエネルギーのロスも防げ、効率的である。
【0017】
アクリル系モノマーとしては、アクリル酸モノマー、アクリル酸メチルモノマー、アクリル酸ブチルモノマー、アクリロニトリルモノマー等が挙げられる。また、メタクリル系モノマーとしては、メタクリル酸モノマー、メタクリル酸メチルモノマー、メタクリル酸n−ブチルモノマー、メタクリル酸t−ブチルモノマー、メタクリル酸グリシジルモノマー、メタクリル酸ヒドロキシエチルモノマー、メタクロロニトリルモノマー、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマー、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルモノマー等が挙げられる。さらに、スチレン系モノマーとしては、スチレンモノマー、メチルスチレンモノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、2種以上混合して使用することもできる。
【0018】
本発明において、粒子原料を懸濁重合する際に使用する、粒子原料を含む懸濁質を懸濁させる懸濁液は、特に限定されず、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類及びその変性体、脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類及びその変性体等の界面活性剤、ポリビニルアルコール及びその変性体、ポリメチルセルロース及びその変性体等の樹脂を水等に溶解させた溶液、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ等の微粉を水等に分散させた溶液などが挙げられる。懸濁質に対する懸濁媒の量については、重量で懸濁質1に対し1〜15倍であることが好ましい。また、本発明の画像表示用粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、熱、圧力、圧電等による粒子の変形を抑えるため、60℃以上であると好ましく、80℃以上であるとさらに好ましい。
【0019】
本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子は、負又は正帯電性の着色粒子で、クーロン力により移動するものであればいずれでも良いが、特に、球形で比重の小さい粒子が好適である。粒子には単一の色のものであり、白色又は黒色の粒子が好適に用いられる。その中でも特に白色の粒子に本発明をさらに好適に適用することができる。粒子の平均粒子径は0.1〜50μmが好ましく、特に1〜30μmが好ましい。粒子径がこの範囲より小さいと粒子の電荷密度が大きすぎて電極や基板への鏡像力が強すぎ、メモリー性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなる。反対に粒子径がこの範囲より大きいと、追随性は良いが、メモリー性が悪くなる。
【0020】
粒子を負又は正に帯電させる方法は、特に限定されないが、コロナ放電法、電極注入法、摩擦法等の粒子を帯電する方法が用いられる。粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、画像表示装置における粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、基板との接触、種類の異なる粒子との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に「種類の異なる粒子との接触」、すなわち2粒子間の接触に伴う帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かっている。したがって、帯電量においてはこの2粒子間の帯電特性の差、すなわち仕事関数の差を知ることが重要であるが、これは簡易測定では難しい。
【0021】
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同じキャリヤを用いて、それぞれの粒子の帯電量測定を行うことにより相対的に評価できることを見出し、これを表面電荷密度によって規定することにより、画像表示装置用粉体として適当な粒子の帯電量を予測できることを見出した。
【0022】
測定方法は詳しくは後に述べるが、ブローオフ法によって、粒子とキャリヤ粒子とを十分に接触させ、その飽和帯電量を測定することにより該粒子の単位重量あたりの帯電量を測定することができる。そして、該粒子の粒子径と比重を別途求めることにより該粒子の表面電荷密度を算出することができる。
【0023】
画像表示装置用粉体においては、用いる粒子の粒子径は小さく、重力の影響はほぼ無視できるほど小さいため、粒子の比重は粒子の動きに対して影響しない。しかし、粒子の帯電量においては、同じ粒子径の粒子で単位重量あたりの平均帯電量が同じであっても、粒子の比重が2倍異なる場合に保持する帯電量は2倍異なることとなる。従って、画像表示装置に用いられる粒子の帯電特性は粒子の比重に無関係な表面電荷密度(単位:μC/m2)で評価するのが好ましいことが分かった。
【0024】
そして、粉体を構成する粒子群が2種の場合に、この2種粒子群の各2種の粒子間においてこの表面電荷密度の差が十分にある時、2種類の粒子群の各粒子はお互いの接触により異なる極性の帯電量を保持し、電界により移動する機能を保持するのである。
【0025】
ここで、表面電荷密度は2種粒子群の各粒子の帯電極性を異なるものにするためにある程度の差が必要であるが、大きいほどよいというものではない。粒子移動による画像表示装置においては粒子の粒子径が大きいときは主に電気影像力が粒子の飛翔電界(電圧)を決定する因子となる傾向が強いため、この粒子を低い電界(電圧)で動かすためには帯電量が低いほうがよいこととなる。また、粒子の粒子径が小さいときは分子間力・液架橋力等の非電気的な力が飛翔電界(電圧)決定因子となることが多いため、この粒子を低い電界(電圧)で動かすためには帯電量が高いほうがよいこととなる。しかし、これは粒子の表面性(材料・形状)にも大きく依存するため一概に粒子径と帯電量で規定することはできない。
【0026】
本発明者らは平均粒子径が0.1〜50μmの粒子からなる2種の粒子群においては、同じ種類のキャリヤを用いてブローオフ法により測定した2種類の粒子群の、平均表面電荷密度の差の絶対値が5〜150μC/m2である場合に画像表示装置として使用できる粒子と成り得ることを見出した。
【0027】
ブローオフ測定原理及び方法は以下の通りである。ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に粉体とキャリヤの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで粉体とキャリヤとを分離し、網の目開きから粉体のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。この時、粉体が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリヤに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサーは充電される。そこでコンデンサー両端の電位を測定することにより粉体の電荷量Qは、Q=CV(C:コンデンサー容量、V:コンデンサー両端の電圧)として求められる。
【0028】
ブローオフ粉体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB−200を用いた。本発明ではキャリヤとして正帯電性・負帯電性の2種類のものを用い、それぞれの場合の単位表面積あたり電荷密度(単位:μC/m2)を測定した。すなわち、正帯電性キャリヤ(相手を正に帯電させ自らは負になりやすいキャリヤ)としてはパウダーテック社製のF963−2535を、負帯電性キャリヤ(相手を負に帯電させ自らは正に帯電しやすいキャリヤ)としてはパウダーテック社製のF921−2535を用いた。
【0029】
粒子はその帯電電荷を保持する必要があるので、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましく、特に1×1012Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましい。
【0030】
また、本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子は、以下に述べる方法で評価した電荷減衰性の遅い粒子が更に好ましい。即ち、粒子を、別途、プレス、加熱溶融、キャストなどにより、厚み5〜100μm範囲のフィルム状にして、そのフィルム表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させ、その表面電位の変化を測定し判定する。この場合、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きく、好ましくは400Vより大きくなるように、粒子構成材料を選択、作製することが望ましい。
【0031】
なお、上記表面電位の測定は、例えば図2に示した装置(QEA社製CRT2000)により行なうことが出来る。この装置の場合は、前述したフィルムを表面に配置したロールシャフト両端部をチャック21にて保持し、小型のスコロトロン放電器22と表面電位計23とを所定間隔離して併設した計測ユニットを上記フィルムの表面と1mmの間隔を持って対向配置し、上記のロールシャフトを静止した状態のまま、上記計測ユニットを該ロールシャフトの一端から他端まで一定速度で移動させることにより、表面電荷を与えつつその表面電位を測定する方法が好適に採用される。なお、測定環境は温度25±3℃、湿度55±5RH%とする。
【0032】
本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子は、好ましくは屈折率1.50以下の低屈折率の樹脂成分モノマーを懸濁重合されて形成された樹脂成分を少なくとも一部に含むことができれば、いずれの材料から構成されても良い。例えば樹脂、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等から、或いは着色剤単独等で形成することができる。
【0033】
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、特に基板との付着力を制御する上から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。2種以上混合することもできる。
【0034】
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフエニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、弗素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0035】
着色剤としては、以下に例示すような、有機又は無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどがある。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどがある。
【0036】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレツド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがある。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。
また、白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などがある。
【0037】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがある。
更に、塩基性、酸性、分散、直接染料などの各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーなどがある。
これらの着色剤は、単独で或いは複数組合せて用いることができる。
特に黒色着色剤としてカーボンブラックが、白色着色剤として酸化チタンが好ましい。
【0038】
本発明の画像表示装置における透明基板1と対向基板2の間隔は、粒子が移動でき、コントラストを維持できれば良いが、通常10〜5000μm、好ましくは30〜500μmに調整される。
粉体充填量(体積占有率)は、基板間の空間体積に対して、10〜80%、好ましくは10〜70%を占める体積になるように充填するのが良い。
【0039】
また、ここで繰り返し耐久性を更に向上させるためには、該粒子を構成する樹脂の安定性、特に、吸水率と溶剤不溶率を管理することが効果的である。
基板間に封入する粒子を構成する樹脂の吸水率は、3重量%以下、特に2重量%以下とすることが好ましい。なお、吸水率の測定は、ASTM D570に準じて行い、測定条件は23℃で24時間とする。
該粒子を構成する樹脂の溶剤不溶率に関しては、下記関係式で表される粒子の溶剤不溶率を50%以上、特に70%以上とすることが好ましい。
溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
(但し、Aは樹脂の溶剤浸漬前重量、Bは良溶媒中に樹脂を25℃で24時間浸漬した後の重量を示す)
この溶剤不溶率が50%未満では、長期保存時に粒子表面にブリードが発生し、粒子との付着力に影響を及ぼし粒子の移動の妨げとなり、画像表示耐久性に支障をきたす場合がある。
なお、溶剤不溶率を測定する際に用いる溶剤(良溶媒)としては、フッ素樹脂ではメチルエチルケトン等、ポリアミド樹脂ではメタノール等、アクリルウレタン樹脂ではメチルエチルケトン、トルエン等、メラミン樹脂ではアセトン、イソプロパノール等、シリコーン樹脂ではトルエン等が好ましい。
【0040】
また、粒子は球形で、粒子径が均一で揃っていることが好ましい。
本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
【0041】
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。
たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに接近して動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0042】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
【0043】
次に、本発明の画像表示装置の構成部分を説明する。
先ず、基板について説明する。
透明基板1は装置外側から粒子群の色が確認できる基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。可とう性の有無は用途により適宜選択され、例えば、電子ペーパー等の用途には可とう性のある材料、携帯電話、PDA、ノートパソコン類の携帯機器表示等の用途には可とう性のない材料が用いられる。
【0044】
基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどのポリマーシートや、ガラス、石英などの無機シートが挙げられる。
基板厚みは、2〜5000μm、好ましくは5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、厚すぎると、表示機能としての鮮明さ、コントラストの低下が発生し、特に、電子ペーパー用途の場合には可とう性に欠ける。
【0045】
基板には、必要に応じて電極を設けても良い。
基板に電極を設けない場合は、基板外部表面に静電潜像を与え、その静電潜像に応じて発生する電界にて、所定の特性に帯電した色のついた粒子群を基板に引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒子群を透明な基板を通して表示用パネル外側から視認する。なお、この静電潜像の形成は、電子写真感光体を用い通常の電子写真システムで行われる静電潜像を本発明の画像表示用パネルの基板上に転写形成する、あるいは、イオンフローにより静電潜像を基板上に直接形成する等の方法で行うことができる。
【0046】
基板に電極を設ける場合は、電極部位への外部電圧入力により、基板上の各電極位置に生じた電界により、所定の特性に帯電した色の粒子群が引き寄せあるいは反発させることにより、電極電位に対応して配列した粒子群を透明な基板を通して表示用パネル外側から視認する方法である。
透明基板側に設ける電極は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、アルミニウムなどの金属類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。
背面基板側に設ける電極は、透明である必要はなくパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、アルミニウム、金、銀、銅などの金属類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。
この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
【0047】
本発明の隔壁7の形状は、表示にかかわる粒子のサイズにより適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜5000μm、好ましくは10〜500μmに調整される。
また、隔壁7を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブ(隔壁)を形成した後に接合する両リブ法による隔壁形成を用いても、対向する両基板の一方にリブを形成した後に接合する片リブ法による隔壁形成を用いてもよい。
これらリブからなる隔壁により形成される表示セルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状(ハニカム構造)が例示される。
表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。
【0048】
なお、本発明の画像表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の表示部、ポイントカードなどのカード表示部、電子広告、電子POPなどに用いられる。
【0049】
【実施例】
次に実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0050】
<実施例1>
正帯電性粒子として、スチレンモノマーに0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)及び正帯電の荷電制御剤として4級アンモニウム塩系化合物(ボントロンP53:オリエント化学(株)製)5重量部を溶かし込み、さらに黒色顔料として、カーボンブラック(MA100:三菱化学(株)製)3重量部を分散させた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて5〜10μmの粒子を得た。
【0051】
得られた粒子の帯電量(表面電荷密度)はF963−2535のキャリヤを用いて+65μC/m2、F921−2535のキャリヤを用いて+53μC/m2で、上述した表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は410Vであった。粒子の樹脂成分のTgは95℃であった。スチレン樹脂自体の屈折率は1.60であった。
【0052】
負帯電性粒子として、トリフルオロエチルメタクリレートモノマーに0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)及び負帯電の荷電制御剤としてサリチル酸系化合物(ボントロンE84:オリエント化学(株)製)5重量部を溶かし込み、さらに白色顔料として、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて5〜10μmの粒子を得た。
【0053】
得られた粒子の帯電量(表面電荷密度)はF963−2535のキャリヤを用いて−21μC/m2、F921−2535のキャリヤを用いて−30μC/m2で、上述した表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は470Vであった。粒子の樹脂成分のTgは90℃であった。トリフルオロエチルメタクリレート樹脂自体の屈折率は1.41であった。
【0054】
粒子の帯電は、両粒子群を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子からなる2種粒子群で構成される粉体を、100μmのスペーサー(隔壁)を介して配置された、一方が内側ITO処理されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、画像表示装置を得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源が接続され、ITOガラス基板が高電位に、銅基板が低電位となる様に250Vの直流電圧をかけると、正帯電性粒子は低電位極側に、負帯電性粒子は高電位極側にそれぞれ移動し、ガラス基板を通して観察される画像表示用パネルは白色に表示された。この時の白色度は、反射率で40%であった。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆の電極に移動し、画像表示用パネルは黒色に表示された。電圧印加に対する応答時間を測定したところ1msecであった。各表示において、電圧印加を停止して1日間放置したが、粒子は基板に付着したままで、表示は保たれていた。
【0055】
<比較例1>
実施例1と同様にしてスチレン樹脂(屈折率1.60)からなる正帯電性粒子を準備した。
次に、負帯電性粒子として、スチレンモノマーに0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)及び負帯電の荷電制御剤としてサリチル酸系化合物(ボントロンE84:オリエント化学(株)製)5重量部を溶かし込み、さらに白色顔料として、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて5〜10μmの粒子を得た。
【0056】
得られた負帯電性粒子の帯電量(表面電荷密度)はF963−2535のキャリヤを用いて−18μC/m2、F921−2535のキャリヤを用いて−28μC/m2で、上述した表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は460Vであった。粒子の樹脂成分のTgは95℃であった。スチレン樹脂自体の屈折率は1.60であった。
【0057】
粒子の帯電は、両粒子群を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子からなる2種粒子群で構成される粉体を、100μmのスペーサー(隔壁)を介して配置された、一方が内側ITO処理されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、画像表示装置を得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源が接続され、ITOガラス基板が高電位に、銅基板が低電位となる様に250Vの直流電圧をかけると、正帯電性粒子は低電位極側に、負帯電性粒子は高電位極側にそれぞれ移動し、ガラス基板を通して観察される画像表示用パネルは白色に表示された。この時の白色度は、反射率で32%であった。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆の電極に移動し、画像表示用パネルは黒色に表示された。電圧印加に対する応答時間を測定したところ1msecであった。各表示において、電圧印加を停止して1日間放置したが、粒子は基板に付着したままで、表示は保たれていた。
【0058】
以上の実施例1と比較例1から、正帯電性粒子の樹脂成分(スチレン)は高屈折率(1.60)だが負帯電性粒子の樹脂成分(トリフルオロエチルメタクリレート)は低屈折率(1.41)である実施例1は、正帯電性粒子及び負帯電性粒子ともに樹脂成分(スチレン)が高屈折率(1.60)である比較例1と比べて、高い白色度を得ることができることがわかる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを使用して懸濁重合により粒子を作製しているため、フィラーの比較的少ない添加で隠蔽度を確保することができる。特に、白色粒子に対して本発明を利用すると、白色フィラーと樹脂成分との屈折率差が大きくなり、界面の屈折による粒子内の乱反射が多くなるため、白色フィラーの添加量が比較的少なくても、白色隠蔽度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の画像表示装置を構成する画像表示用パネルの画像表示素子における一例の構成とその表示駆動原理を示す図である。
【図2】本発明において粒子の表面電位測定をするための測定装置の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 対向基板
3 表示電極
4 対向電極
5 負帯電性粒子
6 正帯電性粒子
7 隔壁
21 チャック
22 スコロトロン放電器
23 表面電位計
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示装置に用いる粉体に関し、特に、クーロン力等による粒子の飛翔移動を利用することで画像表示を繰り返し行うことができる可逆性画像表示用パネルに用いられる画像表示装置用粉体及び画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ペーパーレス化といった環境意識の高揚に伴い、電気的な力を利用して表示基板に所望の画像を表示でき、さらには書き換えも可能であるような電子ペーパーディスプレイに関する研究がなされてきている。この電子ペーパー技術において特に有名なのは、電気泳動型、サーマルリライタブル型等といった液相型のものであるが、液相型では液中を粒子が泳動するので、液の粘性抵抗により応答速度が遅くなるという問題があるため、最近では、対向する基板間に絶縁着色粒子が封入された構成の乾式のものが着目されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
趙 国来、外3名、“新しいトナーディスプレイデバイス(I)”、1999年7月21日、日本画像学会年次大会(通算83回)“Japan Hardcopy’99”論文集、p.249−252
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した乾式の粒子を飛翔移動させるタイプの画像表示装置は、用いる粒子の正負の性格付けと帯電量の確保が容易となる事から、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂を粒子材料として使用し、その粒子径は1〜50μm程度である。その製造方法としては、工程の簡素化、低消費エネルギー化、あるいは、目的の粒子径を直接得るために、粉砕法よりも懸濁重合法を用いる方が効果的である。
【0005】
しかしながら、懸濁重合を用いる方法では、懸濁質の粘度の限界から、高濃度にフィラーを添加する事が難しい。ところが、粒子を飛翔させるタイプの画像表示装置では、1〜30μmという薄い粒子の層により隠蔽性を確保しなければならないため、フィラーの大量添加が必須であり、特に白色粒子においては、その必要性が高かった。
【0006】
本発明の目的は上述した課題を解決して、フィラーの添加量が比較的少なくても隠蔽度を確保することができる画像表示装置用粉体及び画像表示装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像表示装置用粉体は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示用パネルに用いる画像表示装置用粉体であって、粉体を構成する少なくとも1種以上の粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを重合したものを用い、粒子群の内少なくとも1種以上の粒子群が前記樹脂成分モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなることを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを使用して懸濁重合により粒子を作製することで、フィラーの比較的少ない添加で隠蔽度を確保することができる。特に、白色粒子に対して本発明を利用すると、白色フィラーと樹脂成分との屈折率差が大きくなり、界面の屈折による粒子内の乱反射が多くなるため、白色フィラーの添加量が比較的少なくても、白色隠蔽度を確保することができる。
【0009】
本発明の画像表示装置用粉体の好適例としては、粒子群の各粒子の樹脂成分の屈折率が1.50以下の低屈折率であること、粒子群の各粒子の樹脂成分が、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマーから選ばれた1種以上の成分を重合してなること、粒子群の各粒子の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)が60℃以上であること、粒子群の各粒子が球形であること、粒子群の各粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであること、粉体を構成する粒子群が2種の場合に、同じ種類のキャリヤを用いてブローオフ法により測定した2種類の粒子群の、平均表面電荷密度の差の絶対値が、5〜150μC/m2であること、及び、粒子群の各粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8kVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子であること、がある。いずれの場合も本発明を更に好適に実施することができる。
【0010】
また、本発明の画像表示装置は、少なくとも一方が透明な対向する基板間に1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示用パネルを搭載した画像表示装置において、上述した画像表示装置用粉体を用いたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(a)〜(c)はそれぞれ本発明の画像表示装置を構成する画像表示用パネルの画像表示素子における一例の構成とその表示駆動原理を示す図である。図1(a)〜(c)に示す例において、1は透明基板、2は対向基板、3は表示電極、4は対向電極、5は負帯電性粒子、6は正帯電性粒子、7は隔壁である。
【0012】
図1(a)に示す例では、対向する基板(透明基板1と対向基板2)の間に、負帯電性粒子5からなる粒子群及び正帯電性粒子6からなる粒子群にて構成される画像表示装置用粉体を配置した状態を示す。この状態のものに、表示電極3側が低電位、対向電極4側が高電位となるように電圧を印加すると、図1(b)に示すように、クーロン力によって、正帯電性粒子6は表示電極3側に移動し、負帯電性粒子5は対向電極4側に移動する。この場合、透明基板1側から見る表示面は正帯電性粒子6の色に見える。次に、電位を切り換えて、表示電極3側が高電位、対向電極4側が低電位となるように電圧を印加すると、図1(c)に示すように、クーロン力によって、負帯電性粒子5は表示電極3側に移動し、正帯電性粒子6は対向電極4側に移動する。この場合、透明基板1側から見る表示面は負帯電性粒子6の色に見える。
【0013】
図1(b)と図1(c)の間は電源の電位を反転するだけで繰り返し表示することができ、このように電源の電位を反転することで可逆的に色を変化させることができる。粒子群の色は、随意に選定できる。例えば、負帯電性粒子5を白色とし、正帯電性粒子6を黒色とするか、負帯電性粒子5を黒色とし、正帯電性粒子6を白色とすると、表示は白色と黒色間の可逆表示となる。この方式では、各粒子群を構成する粒子は一度電極に鏡像力により貼り付いた状態にあるので、電源を切った後も表示画像は長期に保持され、メモリー保持性が良い。
【0014】
本発明では、各帯電した粒子は気体中を移動するため、画像表示の応答速度が速く、応答速度を1msec以下にすることができる。また、液晶表示素子のように配向膜や偏光板等が不要で、構造が単純で、低コストかつ大面積が可能である。温度変化に対しても安定で、低温から高温まで使用可能である。さらに、視野角がなく、高反射率、反射型で明るいところでも見易く、低消費電力である。メモリー性もあり、画像保持する場合に電力を消費しない。
【0015】
本発明の画像表示装置用粉体における特徴は、粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを重合したものを用い、粒子群の内少なくとも1種以上の粒子群の各粒子が前記樹脂成分モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなる点にある。その結果、顔料、荷電制御剤などのフィラーの比較的少ない添加で隠蔽度を確保することができる。そして、特に白色粒子に本発明を適用した場合、白色フィラーと樹脂成分との屈折率差が大きくなり、界面の屈折による粒子内の乱反射が多くなるため、白色フィラーの添加量が比較的少なくても、白色隠蔽度を確保することができ、特に好ましい。
【0016】
以下、本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子について、さらに詳細に説明する。まず、粒子の樹脂成分の屈折率については、後ほど説明する実施例から明らかなように、1.50以下の低屈折率であることが好ましい。屈折率が1.50を超えると所望の隠蔽度を達成できない場合がある。また、粒子の樹脂成分については、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマーから選ばれた1種以上の成分を重合してなるものであり、前記モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなることが好ましい。このように作製された画像表示装置用粉体を構成する粒子は、球形の液滴のまま粒子を硬化させるので、他に粒子の球形化の工程が不要であり、分級のみで目的の粒子径を直接に得ることができ、製造工程が簡略化でき、安価で提供することができる。また、粉砕による大きなエネルギーのロスも防げ、効率的である。
【0017】
アクリル系モノマーとしては、アクリル酸モノマー、アクリル酸メチルモノマー、アクリル酸ブチルモノマー、アクリロニトリルモノマー等が挙げられる。また、メタクリル系モノマーとしては、メタクリル酸モノマー、メタクリル酸メチルモノマー、メタクリル酸n−ブチルモノマー、メタクリル酸t−ブチルモノマー、メタクリル酸グリシジルモノマー、メタクリル酸ヒドロキシエチルモノマー、メタクロロニトリルモノマー、メタクリル酸2−(ジエチルアミノ)エチルモノマー、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルモノマー等が挙げられる。さらに、スチレン系モノマーとしては、スチレンモノマー、メチルスチレンモノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、2種以上混合して使用することもできる。
【0018】
本発明において、粒子原料を懸濁重合する際に使用する、粒子原料を含む懸濁質を懸濁させる懸濁液は、特に限定されず、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類及びその変性体、脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類及びその変性体等の界面活性剤、ポリビニルアルコール及びその変性体、ポリメチルセルロース及びその変性体等の樹脂を水等に溶解させた溶液、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカ等の微粉を水等に分散させた溶液などが挙げられる。懸濁質に対する懸濁媒の量については、重量で懸濁質1に対し1〜15倍であることが好ましい。また、本発明の画像表示用粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)は、熱、圧力、圧電等による粒子の変形を抑えるため、60℃以上であると好ましく、80℃以上であるとさらに好ましい。
【0019】
本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子は、負又は正帯電性の着色粒子で、クーロン力により移動するものであればいずれでも良いが、特に、球形で比重の小さい粒子が好適である。粒子には単一の色のものであり、白色又は黒色の粒子が好適に用いられる。その中でも特に白色の粒子に本発明をさらに好適に適用することができる。粒子の平均粒子径は0.1〜50μmが好ましく、特に1〜30μmが好ましい。粒子径がこの範囲より小さいと粒子の電荷密度が大きすぎて電極や基板への鏡像力が強すぎ、メモリー性はよいが、電界を反転した場合の追随性が悪くなる。反対に粒子径がこの範囲より大きいと、追随性は良いが、メモリー性が悪くなる。
【0020】
粒子を負又は正に帯電させる方法は、特に限定されないが、コロナ放電法、電極注入法、摩擦法等の粒子を帯電する方法が用いられる。粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、画像表示装置における粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、基板との接触、種類の異なる粒子との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に「種類の異なる粒子との接触」、すなわち2粒子間の接触に伴う帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かっている。したがって、帯電量においてはこの2粒子間の帯電特性の差、すなわち仕事関数の差を知ることが重要であるが、これは簡易測定では難しい。
【0021】
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同じキャリヤを用いて、それぞれの粒子の帯電量測定を行うことにより相対的に評価できることを見出し、これを表面電荷密度によって規定することにより、画像表示装置用粉体として適当な粒子の帯電量を予測できることを見出した。
【0022】
測定方法は詳しくは後に述べるが、ブローオフ法によって、粒子とキャリヤ粒子とを十分に接触させ、その飽和帯電量を測定することにより該粒子の単位重量あたりの帯電量を測定することができる。そして、該粒子の粒子径と比重を別途求めることにより該粒子の表面電荷密度を算出することができる。
【0023】
画像表示装置用粉体においては、用いる粒子の粒子径は小さく、重力の影響はほぼ無視できるほど小さいため、粒子の比重は粒子の動きに対して影響しない。しかし、粒子の帯電量においては、同じ粒子径の粒子で単位重量あたりの平均帯電量が同じであっても、粒子の比重が2倍異なる場合に保持する帯電量は2倍異なることとなる。従って、画像表示装置に用いられる粒子の帯電特性は粒子の比重に無関係な表面電荷密度(単位:μC/m2)で評価するのが好ましいことが分かった。
【0024】
そして、粉体を構成する粒子群が2種の場合に、この2種粒子群の各2種の粒子間においてこの表面電荷密度の差が十分にある時、2種類の粒子群の各粒子はお互いの接触により異なる極性の帯電量を保持し、電界により移動する機能を保持するのである。
【0025】
ここで、表面電荷密度は2種粒子群の各粒子の帯電極性を異なるものにするためにある程度の差が必要であるが、大きいほどよいというものではない。粒子移動による画像表示装置においては粒子の粒子径が大きいときは主に電気影像力が粒子の飛翔電界(電圧)を決定する因子となる傾向が強いため、この粒子を低い電界(電圧)で動かすためには帯電量が低いほうがよいこととなる。また、粒子の粒子径が小さいときは分子間力・液架橋力等の非電気的な力が飛翔電界(電圧)決定因子となることが多いため、この粒子を低い電界(電圧)で動かすためには帯電量が高いほうがよいこととなる。しかし、これは粒子の表面性(材料・形状)にも大きく依存するため一概に粒子径と帯電量で規定することはできない。
【0026】
本発明者らは平均粒子径が0.1〜50μmの粒子からなる2種の粒子群においては、同じ種類のキャリヤを用いてブローオフ法により測定した2種類の粒子群の、平均表面電荷密度の差の絶対値が5〜150μC/m2である場合に画像表示装置として使用できる粒子と成り得ることを見出した。
【0027】
ブローオフ測定原理及び方法は以下の通りである。ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に粉体とキャリヤの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで粉体とキャリヤとを分離し、網の目開きから粉体のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。この時、粉体が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリヤに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサーは充電される。そこでコンデンサー両端の電位を測定することにより粉体の電荷量Qは、Q=CV(C:コンデンサー容量、V:コンデンサー両端の電圧)として求められる。
【0028】
ブローオフ粉体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB−200を用いた。本発明ではキャリヤとして正帯電性・負帯電性の2種類のものを用い、それぞれの場合の単位表面積あたり電荷密度(単位:μC/m2)を測定した。すなわち、正帯電性キャリヤ(相手を正に帯電させ自らは負になりやすいキャリヤ)としてはパウダーテック社製のF963−2535を、負帯電性キャリヤ(相手を負に帯電させ自らは正に帯電しやすいキャリヤ)としてはパウダーテック社製のF921−2535を用いた。
【0029】
粒子はその帯電電荷を保持する必要があるので、体積固有抵抗が1×1010Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましく、特に1×1012Ω・cm以上の絶縁性粒子が好ましい。
【0030】
また、本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子は、以下に述べる方法で評価した電荷減衰性の遅い粒子が更に好ましい。即ち、粒子を、別途、プレス、加熱溶融、キャストなどにより、厚み5〜100μm範囲のフィルム状にして、そのフィルム表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させ、その表面電位の変化を測定し判定する。この場合、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きく、好ましくは400Vより大きくなるように、粒子構成材料を選択、作製することが望ましい。
【0031】
なお、上記表面電位の測定は、例えば図2に示した装置(QEA社製CRT2000)により行なうことが出来る。この装置の場合は、前述したフィルムを表面に配置したロールシャフト両端部をチャック21にて保持し、小型のスコロトロン放電器22と表面電位計23とを所定間隔離して併設した計測ユニットを上記フィルムの表面と1mmの間隔を持って対向配置し、上記のロールシャフトを静止した状態のまま、上記計測ユニットを該ロールシャフトの一端から他端まで一定速度で移動させることにより、表面電荷を与えつつその表面電位を測定する方法が好適に採用される。なお、測定環境は温度25±3℃、湿度55±5RH%とする。
【0032】
本発明の画像表示装置用粉体を構成する粒子群の各粒子は、好ましくは屈折率1.50以下の低屈折率の樹脂成分モノマーを懸濁重合されて形成された樹脂成分を少なくとも一部に含むことができれば、いずれの材料から構成されても良い。例えば樹脂、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等から、或いは着色剤単独等で形成することができる。
【0033】
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフイン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられ、特に基板との付着力を制御する上から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。2種以上混合することもできる。
【0034】
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフエニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、弗素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0035】
着色剤としては、以下に例示すような、有機又は無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭などがある。
黄色顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキなどがある。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGKなどがある。
【0036】
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレツド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどがある。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどがある。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCなどがある。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどがある。
また、白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などがある。
【0037】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどがある。
更に、塩基性、酸性、分散、直接染料などの各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーなどがある。
これらの着色剤は、単独で或いは複数組合せて用いることができる。
特に黒色着色剤としてカーボンブラックが、白色着色剤として酸化チタンが好ましい。
【0038】
本発明の画像表示装置における透明基板1と対向基板2の間隔は、粒子が移動でき、コントラストを維持できれば良いが、通常10〜5000μm、好ましくは30〜500μmに調整される。
粉体充填量(体積占有率)は、基板間の空間体積に対して、10〜80%、好ましくは10〜70%を占める体積になるように充填するのが良い。
【0039】
また、ここで繰り返し耐久性を更に向上させるためには、該粒子を構成する樹脂の安定性、特に、吸水率と溶剤不溶率を管理することが効果的である。
基板間に封入する粒子を構成する樹脂の吸水率は、3重量%以下、特に2重量%以下とすることが好ましい。なお、吸水率の測定は、ASTM D570に準じて行い、測定条件は23℃で24時間とする。
該粒子を構成する樹脂の溶剤不溶率に関しては、下記関係式で表される粒子の溶剤不溶率を50%以上、特に70%以上とすることが好ましい。
溶剤不溶率(%)=(B/A)×100
(但し、Aは樹脂の溶剤浸漬前重量、Bは良溶媒中に樹脂を25℃で24時間浸漬した後の重量を示す)
この溶剤不溶率が50%未満では、長期保存時に粒子表面にブリードが発生し、粒子との付着力に影響を及ぼし粒子の移動の妨げとなり、画像表示耐久性に支障をきたす場合がある。
なお、溶剤不溶率を測定する際に用いる溶剤(良溶媒)としては、フッ素樹脂ではメチルエチルケトン等、ポリアミド樹脂ではメタノール等、アクリルウレタン樹脂ではメチルエチルケトン、トルエン等、メラミン樹脂ではアセトン、イソプロパノール等、シリコーン樹脂ではトルエン等が好ましい。
【0040】
また、粒子は球形で、粒子径が均一で揃っていることが好ましい。
本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動が可能となる。
【0041】
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。
たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに接近して動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0042】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
【0043】
次に、本発明の画像表示装置の構成部分を説明する。
先ず、基板について説明する。
透明基板1は装置外側から粒子群の色が確認できる基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。可とう性の有無は用途により適宜選択され、例えば、電子ペーパー等の用途には可とう性のある材料、携帯電話、PDA、ノートパソコン類の携帯機器表示等の用途には可とう性のない材料が用いられる。
【0044】
基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどのポリマーシートや、ガラス、石英などの無機シートが挙げられる。
基板厚みは、2〜5000μm、好ましくは5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、厚すぎると、表示機能としての鮮明さ、コントラストの低下が発生し、特に、電子ペーパー用途の場合には可とう性に欠ける。
【0045】
基板には、必要に応じて電極を設けても良い。
基板に電極を設けない場合は、基板外部表面に静電潜像を与え、その静電潜像に応じて発生する電界にて、所定の特性に帯電した色のついた粒子群を基板に引き寄せあるいは反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒子群を透明な基板を通して表示用パネル外側から視認する。なお、この静電潜像の形成は、電子写真感光体を用い通常の電子写真システムで行われる静電潜像を本発明の画像表示用パネルの基板上に転写形成する、あるいは、イオンフローにより静電潜像を基板上に直接形成する等の方法で行うことができる。
【0046】
基板に電極を設ける場合は、電極部位への外部電圧入力により、基板上の各電極位置に生じた電界により、所定の特性に帯電した色の粒子群が引き寄せあるいは反発させることにより、電極電位に対応して配列した粒子群を透明な基板を通して表示用パネル外側から視認する方法である。
透明基板側に設ける電極は、透明かつパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、アルミニウムなどの金属類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。
背面基板側に設ける電極は、透明である必要はなくパターン形成可能である導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、アルミニウム、金、銀、銅などの金属類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。
この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
【0047】
本発明の隔壁7の形状は、表示にかかわる粒子のサイズにより適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜5000μm、好ましくは10〜500μmに調整される。
また、隔壁7を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブ(隔壁)を形成した後に接合する両リブ法による隔壁形成を用いても、対向する両基板の一方にリブを形成した後に接合する片リブ法による隔壁形成を用いてもよい。
これらリブからなる隔壁により形成される表示セルは、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状(ハニカム構造)が例示される。
表示側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表示の鮮明さが増す。
【0048】
なお、本発明の画像表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリンター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品の表示部、ポイントカードなどのカード表示部、電子広告、電子POPなどに用いられる。
【0049】
【実施例】
次に実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0050】
<実施例1>
正帯電性粒子として、スチレンモノマーに0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)及び正帯電の荷電制御剤として4級アンモニウム塩系化合物(ボントロンP53:オリエント化学(株)製)5重量部を溶かし込み、さらに黒色顔料として、カーボンブラック(MA100:三菱化学(株)製)3重量部を分散させた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて5〜10μmの粒子を得た。
【0051】
得られた粒子の帯電量(表面電荷密度)はF963−2535のキャリヤを用いて+65μC/m2、F921−2535のキャリヤを用いて+53μC/m2で、上述した表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は410Vであった。粒子の樹脂成分のTgは95℃であった。スチレン樹脂自体の屈折率は1.60であった。
【0052】
負帯電性粒子として、トリフルオロエチルメタクリレートモノマーに0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)及び負帯電の荷電制御剤としてサリチル酸系化合物(ボントロンE84:オリエント化学(株)製)5重量部を溶かし込み、さらに白色顔料として、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて5〜10μmの粒子を得た。
【0053】
得られた粒子の帯電量(表面電荷密度)はF963−2535のキャリヤを用いて−21μC/m2、F921−2535のキャリヤを用いて−30μC/m2で、上述した表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は470Vであった。粒子の樹脂成分のTgは90℃であった。トリフルオロエチルメタクリレート樹脂自体の屈折率は1.41であった。
【0054】
粒子の帯電は、両粒子群を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子からなる2種粒子群で構成される粉体を、100μmのスペーサー(隔壁)を介して配置された、一方が内側ITO処理されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、画像表示装置を得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源が接続され、ITOガラス基板が高電位に、銅基板が低電位となる様に250Vの直流電圧をかけると、正帯電性粒子は低電位極側に、負帯電性粒子は高電位極側にそれぞれ移動し、ガラス基板を通して観察される画像表示用パネルは白色に表示された。この時の白色度は、反射率で40%であった。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆の電極に移動し、画像表示用パネルは黒色に表示された。電圧印加に対する応答時間を測定したところ1msecであった。各表示において、電圧印加を停止して1日間放置したが、粒子は基板に付着したままで、表示は保たれていた。
【0055】
<比較例1>
実施例1と同様にしてスチレン樹脂(屈折率1.60)からなる正帯電性粒子を準備した。
次に、負帯電性粒子として、スチレンモノマーに0.5重量部のAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)及び負帯電の荷電制御剤としてサリチル酸系化合物(ボントロンE84:オリエント化学(株)製)5重量部を溶かし込み、さらに白色顔料として、カップリング剤処理して親油性とした酸化チタン20重量部を分散させた液を、10倍量の0.5%界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)水溶液に懸濁、重合させ、濾過、乾燥させた後、分級機(MDS−2:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて5〜10μmの粒子を得た。
【0056】
得られた負帯電性粒子の帯電量(表面電荷密度)はF963−2535のキャリヤを用いて−18μC/m2、F921−2535のキャリヤを用いて−28μC/m2で、上述した表面電位測定の0.3秒後における表面電位の最大値は460Vであった。粒子の樹脂成分のTgは95℃であった。スチレン樹脂自体の屈折率は1.60であった。
【0057】
粒子の帯電は、両粒子群を等量混合撹拌して摩擦帯電を行った。
上記混合粒子からなる2種粒子群で構成される粉体を、100μmのスペーサー(隔壁)を介して配置された、一方が内側ITO処理されたガラス基板と、もう一方が銅基板であるセル中に体積占有率30%で充填し、画像表示装置を得た。ITOガラス基板、銅基板それぞれに電源が接続され、ITOガラス基板が高電位に、銅基板が低電位となる様に250Vの直流電圧をかけると、正帯電性粒子は低電位極側に、負帯電性粒子は高電位極側にそれぞれ移動し、ガラス基板を通して観察される画像表示用パネルは白色に表示された。この時の白色度は、反射率で32%であった。次に、印加電圧の電位を逆にすると、粒子はそれぞれ逆の電極に移動し、画像表示用パネルは黒色に表示された。電圧印加に対する応答時間を測定したところ1msecであった。各表示において、電圧印加を停止して1日間放置したが、粒子は基板に付着したままで、表示は保たれていた。
【0058】
以上の実施例1と比較例1から、正帯電性粒子の樹脂成分(スチレン)は高屈折率(1.60)だが負帯電性粒子の樹脂成分(トリフルオロエチルメタクリレート)は低屈折率(1.41)である実施例1は、正帯電性粒子及び負帯電性粒子ともに樹脂成分(スチレン)が高屈折率(1.60)である比較例1と比べて、高い白色度を得ることができることがわかる。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、粉体を構成する粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを使用して懸濁重合により粒子を作製しているため、フィラーの比較的少ない添加で隠蔽度を確保することができる。特に、白色粒子に対して本発明を利用すると、白色フィラーと樹脂成分との屈折率差が大きくなり、界面の屈折による粒子内の乱反射が多くなるため、白色フィラーの添加量が比較的少なくても、白色隠蔽度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の画像表示装置を構成する画像表示用パネルの画像表示素子における一例の構成とその表示駆動原理を示す図である。
【図2】本発明において粒子の表面電位測定をするための測定装置の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 対向基板
3 表示電極
4 対向電極
5 負帯電性粒子
6 正帯電性粒子
7 隔壁
21 チャック
22 スコロトロン放電器
23 表面電位計
Claims (10)
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示用パネルに用いる画像表示装置用粉体であって、粉体を構成する少なくとも1種以上の粒子群の各粒子の樹脂成分として、低屈折率の樹脂成分モノマーを重合したものを用い、粒子群の内少なくとも1種以上の粒子群が前記樹脂成分モノマーを含む粒子原料を懸濁重合して作製されてなることを特徴とする画像表示装置用粉体。
- 粒子群の各粒子の樹脂成分の屈折率が1.50以下の低屈折率である請求項1記載の画像表示装置用粉体。
- 粒子群の各粒子の樹脂成分が、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、スチレン系モノマーから選ばれた1種以上の成分を重合してなる請求項1または2記載の画像表示装置用粉体。
- 粒子群の各粒子の樹脂成分のガラス転移温度(Tg)が60℃以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置用粉体。
- 粒子群の各粒子が球形である請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像表示装置用粉体。
- 粒子群の各粒子の平均粒子径が0.1〜50μmである請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像表示装置用粉体。
- 粉体を構成する粒子群が2種の場合に、同じ種類のキャリヤを用いてブローオフ法により測定した2種類の粒子群の、平均表面電荷密度の差の絶対値が、5〜150μC/m2である請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示装置用粉体。
- 粒子群の各粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8kVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子である請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像表示装置用粉体。
- 粉体を構成する粒子群の内少なくとも1種の粒子群の各粒子の色が白色である請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示装置用粉体。
- 少なくとも一方が透明な対向する基板間に1種以上の粒子群からなる粉体を封入し、粒子群に電界を与えて粒子を移動させ画像を表示する画像表示用パネルを搭載した画像表示装置において、請求項1〜9のいずれか1項に記載の画像表示装置用粉体を用いたことを特徴とする画像表示装置。
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Cited By (2)
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WO2012067313A1 (ko) * | 2010-11-16 | 2012-05-24 | (주)바이오제닉스 | 전기 영동 디스플레이 장치, 이미지 시트 및 이의 제조 방법 |
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-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003184620A patent/JP2005017845A/ja active Pending
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