JP2005017044A - 放射線位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シンチレータの数に比べて少ない個数の光計数器、あるいは分解能が比較的低い位置敏感型の光検出装置を用いても高い位置分解能が得られ、そのため部品点数の削減、装置構成の簡略化、コスト削減を図る。
【解決手段】多数の角形シンチレータ10を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体12と、少なくともシンチレータと対向する端面側が角形をなす光ガイド14を多数平面格子状に密に配列した光ガイド構造体16と、光計数装置18とが縦続的に組み合わせられ、光ガイドがシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光ガイドの一辺の長さの1/√2倍に設定されている。光ガイドを省略することも可能である。光計数装置には、同時に信号が検出された隣接する光計数器の組を特定可能な論理プログラムを組み込む。
【選択図】 図1
【解決手段】多数の角形シンチレータ10を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体12と、少なくともシンチレータと対向する端面側が角形をなす光ガイド14を多数平面格子状に密に配列した光ガイド構造体16と、光計数装置18とが縦続的に組み合わせられ、光ガイドがシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光ガイドの一辺の長さの1/√2倍に設定されている。光ガイドを省略することも可能である。光計数装置には、同時に信号が検出された隣接する光計数器の組を特定可能な論理プログラムを組み込む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射した放射線の2次元位置分布を簡便に高分解能で測定できる放射線位置検出装置に関し、更に詳しく述べると、シンチレータと光計数器の間、またはシンチレータと光ガイドと光計数器の間のいずれかで、互いに角形構造を対向させ対角線に沿って斜め45度ずらせて配置することにより、光計数器の数を低減した放射線位置検出装置に関するものである。この技術は、原子力、高エネルギー物理学、宇宙、核医学などの分野での放射線計測に有用である。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−288671号公報
【0003】
入射した放射線の2次元位置分布を測定するには、放射線位置検出装置が用いられている。従来の放射線位置検出装置は、例えば多数のシンチレータを平面格子状に配列したシンチレータ構造体と、多数の光電子増倍管を各シンチレータにそれぞれに接続した光計数装置を配置した構造であり、シンチレータから放出される光を計数することによってどのシンチレータに放射線が入射したかを計測するように構成されている。多数の光電子増倍管を配列した光計数装置に代えて、位置敏感型の光電子増倍管を備えた光計数装置を用いる構成もある。
【0004】
これらの構成に対して、シンチレータ構造体と光計数装置との間に、平面格子状に配列した光リフレクタを配置すると共に、各光リフレクタの内部を貫通するように入射光により発光する波長シフト光ファイバを設けて、この各波長シフト光ファイバにより直接及び光リフレクタで反射するシンチレーション光を取り出し、この光パルスと波長シフト光ファイバから発光位置を検出する構成が提案されている(特許文献1参照)。この構成では、小型の波長シフト光ファイバを用いることで特に検出器部分を小型化できるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの構成において位置分解能を高めるためには、多数の光計数器を密に配列する必要があるし、あるいは分解能の高い位置敏感型の光検出装置を使用する必要があるなど、高価なものとなる欠点があった。
【0006】
本発明の目的は、シンチレータの数に比べて少ない個数の光計数器、あるいは分解能が比較的低い位置敏感型の光検出装置を用いても、高い位置分解能が得られる安価な放射線位置検出装置を提供することである。本発明の他の目的は、部品点数を削減し装置構成を簡略化でき、それによって信頼性の高い測定結果が得られるような放射線位置検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数の角形シンチレータを平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光計数器がシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置である。
【0008】
また本発明は、平面状のシンチレータ構造体と、多数の角形光ガイドを平面格子状に密に配列した光ガイド構造体と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光計数器が光ガイドの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つ光ガイドの一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置である。
【0009】
更に本発明は、多数の角形シンチレータを平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体と、少なくともシンチレータと対向する端面側が角形をなす光ガイドを多数平面格子状に密に配列した光ガイド構造体と、光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光ガイドがシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光ガイドの一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置である。
【0010】
これらにおいて、光計数装置には、同時に信号が検出された隣接する光計数器の組を特定可能な論理プログラムを組み込む。光計数装置に位置敏感型の光電子増倍管などを用いる場合には、同時に信号が検出された隣接する光計数領域の組を特定可能な論理プログラムを組み込めばよい。基本的な構成は同様である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る放射線位置検出装置の一実施例を示す概念図である。Aは平面(上面)を、Bは側面を表しており、Cは斜視図である。この実施例では、4×4=16個の角形シンチレータ10を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体12と、3×3=9個の角形光ガイド14を平面格子状に密に配列した光ガイド構造体16と、光計数装置18とを縦続的に組み合わせている。ここでは、図面や説明を簡略化するために少ない個数で表現しているが、実際には縦横多数のシンチレータ10を配列し、光ガイド14もそれに対応して多数配列される。
【0012】
図1のAに示すように、シンチレータ構造体12と光ガイド構造体16とは、光ガイド16がシンチレータ10の対角線に沿って斜め45度となり互いに密着するように配置されており、且つ光ガイド14の一辺の長さはシンチレータ10の一辺の長さの√2倍に設定されている。従って、光ガイド14の断面積はシンチレータ10の面積の2倍であり、光ガイド14の個数はシンチレータ10の個数の半分でよい。
【0013】
光計数装置18は、光電子増倍管やフォトダイオードなどの光計数器、あるいは位置敏感型の光電子増倍管などからなる。ここでは、角形光ガイド14と同数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した構造としている。しかし、光ガイド14は、シンチレータ10との接合端面が共に角形であればよく、テーパ形状にすれば他方の端面は任意の形状にできるため、光計数器の形状は必ずしも角形とする必要はなく、光ガイドの他方の端面に応じた形状にすればよい。
【0014】
図1では、シンチレータ10と光ガイド14の向きを明瞭に示すために、シンチレータ構造体12と光ガイド構造体16の外形を四角形にしているが、四隅の出っ張りをできるだけ無くし小型化するために、例えば四隅に位置する光ガイドの不要な角部を切り落とすような形状としてもよい。
【0015】
シンチレータ構造体12の上方から放射線が入射した場合、格子状に配列されている多数のシンチレータ10のどれかに入射する。放射線が入射したシンチレータ10は、シンチレーション光を放出し、シンチレータ構造体12の下部の光ガイド構造体16の該当する光ガイド14に導かれ、光計数装置18の光計数器に達する。
【0016】
図1のAにおいて、9個の光ガイドを左上から右下に向かって順に1〜9の符号で区別する(従って、対応する9個の光計数器についても同様とする)。ここで、例えば、符号「a」で示すシンチレータ(斜線で示す領域)に入射した放射線によるシンチレーション光は、シンチレータaを挟む2つの光ガイド(符号2と5で表される光ガイド)に導かれて、この2つに対応した光計数器のみが計数する。符号「b」で示すシンチレータ(点々で示す領域)に入射した放射線によるシンチレーション光は、シンチレータbを挟む2つの光ガイド(符号2と3で表される光ガイド)に導かれて、この2つに対応した光計数器のみが計数する。もし、符号「c」で示すシンチレータ(格子パターンで示す領域)に放射線が入射した場合は、発生したシンチレーション光は、シンチレータcに対応する光ガイドが1個のみであるため、その光ガイド(符号2で表される光ガイド)に導かれて、それに対応した光計数器のみが計数する。
【0017】
光計数装置18には、同時に信号が検出された隣接する光計数器の組を特定可能な論理プログラムが組み込まれている。これによって、例えば、光計数装置の2と5に信号パルスが同時に出力された場合には放射線がシンチレータaに入射したと表示し、光計数装置の2と3に信号パルスが同時に出力された場合には放射線がシンチレータbに入射したと表示する。もし光計数装置の2のみ出力信号があった場合には、シンチレータcに放射線が入射したと表示する。
【0018】
従って、光計数器として個々の光電子増倍管やフォトダイオードを使用する場合、シンチレータの個数の約半数で済む。また、位置敏感型の光電子増倍管や多重陽極型の光電子増倍管を使用する場合は、同時に信号が検出された隣接する光計数領域の組を特定可能な論理プログラムを組み込む。これによって、放射線が入射したシンチレータを特定でき、位置分解能がシンチレータの面積よりも大きいものを使用することができる。
【0019】
光ガイドは、例えばアクリル樹脂などで成形できるため、図1の構成では、光ガイドをテーパ状に形成することも可能である。その場合、シンチレータとの接合面側が角形であれば、その反対側の面は、光検出器に応じた任意の形状(例えば丸形など)であってもよい。シンチレータとテーパ状光ガイドが45度の角度で組み合わせられ接合されていればよいため、光検出器は任意の大きさのものが使用できる。
【0020】
図2は、本発明に係る放射線位置検出装置の他の実施例を示す説明図である。ここでは、光ガイドを使用せず、多数の角形シンチレータ10を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体12と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置18とを縦続的に組み合わせた構造である。図1のAと同様に、光計数器がシンチレータ10の対角線に沿って斜め45度ずらせて密着配置され、且つシンチレータ10の一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されている。動作的には図1の場合と同様である。
【0021】
図3は、本発明に係る放射線位置検出装置の更に他の実施例を示す説明図である。平面状のシンチレータ構造体22と、多数の角形光ガイド24を平面格子状に密に配列した光ガイド構造体26と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置28とを縦続的に組み合わせた構造である。光計数器が光ガイド24の対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つ光ガイド24の一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されている。従って、光検出器の面積は光ガイド24の面積の2倍であり、光検出器の個数は光ガイド24の個数の半分でよい。
【0022】
シンチレータ構造体22は、平面状シンチレータでもよいし、多数のシンチレータを平面格子状に密に配列した構造でもよい。図3では、多数の角形シンチレータ20を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体22を用い、各シンチレータ20の形状は角形光ガイド24の形状と一致させ、辺を揃えて密着させている。この場合も、光ガイド24における光検出器との接合面が角形であれば、その反対側の面(シンチレータとの接合面)は、シンチレータに応じた任意の形状でよく、逆に言うとシンチレータは任意の大きさ・形状のものが使用できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上記のように、シンチレータと光ガイド、光ガイドが無い場合にはシンチレータと光検出器、あるいは光ガイドと光検出器のいずれかの組み合わせにおいて、互いに45度の角度で且つ大きさが√2の関係で結合した放射線位置検出装置であるから、少ない個数の光検出器または位置分解能の低い位置敏感型の光計数装置でも、より正確な位置分布の測定が行える。また光計数装置の出力信号の増幅器やカウンタなどの読み出し装置が少なくて済み、これらによってシステムを安価に製作できると同時に、検出精度のばらつきが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線位置検出装置の一実施例を示す説明図。
【図2】本発明に係る放射線位置検出装置の他の実施例を示す説明図。
【図3】本発明に係る放射線位置検出装置の更に他の実施例を示す説明図。
【符号の説明】
10 シンチレータ
12 シンチレータ構造体
14 光ガイド
16 光ガイド構造体
18 光計数装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、入射した放射線の2次元位置分布を簡便に高分解能で測定できる放射線位置検出装置に関し、更に詳しく述べると、シンチレータと光計数器の間、またはシンチレータと光ガイドと光計数器の間のいずれかで、互いに角形構造を対向させ対角線に沿って斜め45度ずらせて配置することにより、光計数器の数を低減した放射線位置検出装置に関するものである。この技術は、原子力、高エネルギー物理学、宇宙、核医学などの分野での放射線計測に有用である。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−288671号公報
【0003】
入射した放射線の2次元位置分布を測定するには、放射線位置検出装置が用いられている。従来の放射線位置検出装置は、例えば多数のシンチレータを平面格子状に配列したシンチレータ構造体と、多数の光電子増倍管を各シンチレータにそれぞれに接続した光計数装置を配置した構造であり、シンチレータから放出される光を計数することによってどのシンチレータに放射線が入射したかを計測するように構成されている。多数の光電子増倍管を配列した光計数装置に代えて、位置敏感型の光電子増倍管を備えた光計数装置を用いる構成もある。
【0004】
これらの構成に対して、シンチレータ構造体と光計数装置との間に、平面格子状に配列した光リフレクタを配置すると共に、各光リフレクタの内部を貫通するように入射光により発光する波長シフト光ファイバを設けて、この各波長シフト光ファイバにより直接及び光リフレクタで反射するシンチレーション光を取り出し、この光パルスと波長シフト光ファイバから発光位置を検出する構成が提案されている(特許文献1参照)。この構成では、小型の波長シフト光ファイバを用いることで特に検出器部分を小型化できるとされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの構成において位置分解能を高めるためには、多数の光計数器を密に配列する必要があるし、あるいは分解能の高い位置敏感型の光検出装置を使用する必要があるなど、高価なものとなる欠点があった。
【0006】
本発明の目的は、シンチレータの数に比べて少ない個数の光計数器、あるいは分解能が比較的低い位置敏感型の光検出装置を用いても、高い位置分解能が得られる安価な放射線位置検出装置を提供することである。本発明の他の目的は、部品点数を削減し装置構成を簡略化でき、それによって信頼性の高い測定結果が得られるような放射線位置検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数の角形シンチレータを平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光計数器がシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置である。
【0008】
また本発明は、平面状のシンチレータ構造体と、多数の角形光ガイドを平面格子状に密に配列した光ガイド構造体と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光計数器が光ガイドの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つ光ガイドの一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置である。
【0009】
更に本発明は、多数の角形シンチレータを平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体と、少なくともシンチレータと対向する端面側が角形をなす光ガイドを多数平面格子状に密に配列した光ガイド構造体と、光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光ガイドがシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光ガイドの一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置である。
【0010】
これらにおいて、光計数装置には、同時に信号が検出された隣接する光計数器の組を特定可能な論理プログラムを組み込む。光計数装置に位置敏感型の光電子増倍管などを用いる場合には、同時に信号が検出された隣接する光計数領域の組を特定可能な論理プログラムを組み込めばよい。基本的な構成は同様である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る放射線位置検出装置の一実施例を示す概念図である。Aは平面(上面)を、Bは側面を表しており、Cは斜視図である。この実施例では、4×4=16個の角形シンチレータ10を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体12と、3×3=9個の角形光ガイド14を平面格子状に密に配列した光ガイド構造体16と、光計数装置18とを縦続的に組み合わせている。ここでは、図面や説明を簡略化するために少ない個数で表現しているが、実際には縦横多数のシンチレータ10を配列し、光ガイド14もそれに対応して多数配列される。
【0012】
図1のAに示すように、シンチレータ構造体12と光ガイド構造体16とは、光ガイド16がシンチレータ10の対角線に沿って斜め45度となり互いに密着するように配置されており、且つ光ガイド14の一辺の長さはシンチレータ10の一辺の長さの√2倍に設定されている。従って、光ガイド14の断面積はシンチレータ10の面積の2倍であり、光ガイド14の個数はシンチレータ10の個数の半分でよい。
【0013】
光計数装置18は、光電子増倍管やフォトダイオードなどの光計数器、あるいは位置敏感型の光電子増倍管などからなる。ここでは、角形光ガイド14と同数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した構造としている。しかし、光ガイド14は、シンチレータ10との接合端面が共に角形であればよく、テーパ形状にすれば他方の端面は任意の形状にできるため、光計数器の形状は必ずしも角形とする必要はなく、光ガイドの他方の端面に応じた形状にすればよい。
【0014】
図1では、シンチレータ10と光ガイド14の向きを明瞭に示すために、シンチレータ構造体12と光ガイド構造体16の外形を四角形にしているが、四隅の出っ張りをできるだけ無くし小型化するために、例えば四隅に位置する光ガイドの不要な角部を切り落とすような形状としてもよい。
【0015】
シンチレータ構造体12の上方から放射線が入射した場合、格子状に配列されている多数のシンチレータ10のどれかに入射する。放射線が入射したシンチレータ10は、シンチレーション光を放出し、シンチレータ構造体12の下部の光ガイド構造体16の該当する光ガイド14に導かれ、光計数装置18の光計数器に達する。
【0016】
図1のAにおいて、9個の光ガイドを左上から右下に向かって順に1〜9の符号で区別する(従って、対応する9個の光計数器についても同様とする)。ここで、例えば、符号「a」で示すシンチレータ(斜線で示す領域)に入射した放射線によるシンチレーション光は、シンチレータaを挟む2つの光ガイド(符号2と5で表される光ガイド)に導かれて、この2つに対応した光計数器のみが計数する。符号「b」で示すシンチレータ(点々で示す領域)に入射した放射線によるシンチレーション光は、シンチレータbを挟む2つの光ガイド(符号2と3で表される光ガイド)に導かれて、この2つに対応した光計数器のみが計数する。もし、符号「c」で示すシンチレータ(格子パターンで示す領域)に放射線が入射した場合は、発生したシンチレーション光は、シンチレータcに対応する光ガイドが1個のみであるため、その光ガイド(符号2で表される光ガイド)に導かれて、それに対応した光計数器のみが計数する。
【0017】
光計数装置18には、同時に信号が検出された隣接する光計数器の組を特定可能な論理プログラムが組み込まれている。これによって、例えば、光計数装置の2と5に信号パルスが同時に出力された場合には放射線がシンチレータaに入射したと表示し、光計数装置の2と3に信号パルスが同時に出力された場合には放射線がシンチレータbに入射したと表示する。もし光計数装置の2のみ出力信号があった場合には、シンチレータcに放射線が入射したと表示する。
【0018】
従って、光計数器として個々の光電子増倍管やフォトダイオードを使用する場合、シンチレータの個数の約半数で済む。また、位置敏感型の光電子増倍管や多重陽極型の光電子増倍管を使用する場合は、同時に信号が検出された隣接する光計数領域の組を特定可能な論理プログラムを組み込む。これによって、放射線が入射したシンチレータを特定でき、位置分解能がシンチレータの面積よりも大きいものを使用することができる。
【0019】
光ガイドは、例えばアクリル樹脂などで成形できるため、図1の構成では、光ガイドをテーパ状に形成することも可能である。その場合、シンチレータとの接合面側が角形であれば、その反対側の面は、光検出器に応じた任意の形状(例えば丸形など)であってもよい。シンチレータとテーパ状光ガイドが45度の角度で組み合わせられ接合されていればよいため、光検出器は任意の大きさのものが使用できる。
【0020】
図2は、本発明に係る放射線位置検出装置の他の実施例を示す説明図である。ここでは、光ガイドを使用せず、多数の角形シンチレータ10を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体12と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置18とを縦続的に組み合わせた構造である。図1のAと同様に、光計数器がシンチレータ10の対角線に沿って斜め45度ずらせて密着配置され、且つシンチレータ10の一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されている。動作的には図1の場合と同様である。
【0021】
図3は、本発明に係る放射線位置検出装置の更に他の実施例を示す説明図である。平面状のシンチレータ構造体22と、多数の角形光ガイド24を平面格子状に密に配列した光ガイド構造体26と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置28とを縦続的に組み合わせた構造である。光計数器が光ガイド24の対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つ光ガイド24の一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されている。従って、光検出器の面積は光ガイド24の面積の2倍であり、光検出器の個数は光ガイド24の個数の半分でよい。
【0022】
シンチレータ構造体22は、平面状シンチレータでもよいし、多数のシンチレータを平面格子状に密に配列した構造でもよい。図3では、多数の角形シンチレータ20を平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体22を用い、各シンチレータ20の形状は角形光ガイド24の形状と一致させ、辺を揃えて密着させている。この場合も、光ガイド24における光検出器との接合面が角形であれば、その反対側の面(シンチレータとの接合面)は、シンチレータに応じた任意の形状でよく、逆に言うとシンチレータは任意の大きさ・形状のものが使用できる。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上記のように、シンチレータと光ガイド、光ガイドが無い場合にはシンチレータと光検出器、あるいは光ガイドと光検出器のいずれかの組み合わせにおいて、互いに45度の角度で且つ大きさが√2の関係で結合した放射線位置検出装置であるから、少ない個数の光検出器または位置分解能の低い位置敏感型の光計数装置でも、より正確な位置分布の測定が行える。また光計数装置の出力信号の増幅器やカウンタなどの読み出し装置が少なくて済み、これらによってシステムを安価に製作できると同時に、検出精度のばらつきが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線位置検出装置の一実施例を示す説明図。
【図2】本発明に係る放射線位置検出装置の他の実施例を示す説明図。
【図3】本発明に係る放射線位置検出装置の更に他の実施例を示す説明図。
【符号の説明】
10 シンチレータ
12 シンチレータ構造体
14 光ガイド
16 光ガイド構造体
18 光計数装置
Claims (4)
- 多数の角形シンチレータを平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光計数器がシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置。
- 平面状のシンチレータ構造体と、多数の角形光ガイドを平面格子状に密に配列した光ガイド構造体と、多数の角形光計数器を平面格子状に密に配列した光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光計数器が光ガイドの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つ光ガイドの一辺の長さが光計数器の一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置。
- 多数の角形シンチレータを平面格子状に密に配列したシンチレータ構造体と、少なくともシンチレータと対向する端面側が角形をなす光ガイドを多数平面格子状に密に配列した光ガイド構造体と、光計数装置とが縦続的に組み合わせられ、光ガイドがシンチレータの対角線に沿って斜め45度ずらせて配置され、且つシンチレータの一辺の長さが光ガイドの一辺の長さの1/√2倍に設定されていることを特徴とする放射線位置検出装置。
- 光計数装置には、同時に信号が検出された隣接する光計数器の組を特定可能な論理プログラムが組み込まれている請求項1乃至3のいずれかに記載の放射線位置検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003180186A JP2005017044A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 放射線位置検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003180186A JP2005017044A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 放射線位置検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005017044A true JP2005017044A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34181296
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007077939A1 (ja) * | 2006-01-06 | 2007-07-12 | Riken | 中性子検出器 |
US9110174B2 (en) | 2010-08-26 | 2015-08-18 | Koninklijke Philips N.V. | Pixellated detector device |
WO2023120922A1 (ko) * | 2021-12-22 | 2023-06-29 | 주식회사 브라이토닉스이미징 | 섬광 검출기 및 이를 이용한 양전자방출단층촬영장치 |
-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003180186A patent/JP2005017044A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007077939A1 (ja) * | 2006-01-06 | 2007-07-12 | Riken | 中性子検出器 |
US9110174B2 (en) | 2010-08-26 | 2015-08-18 | Koninklijke Philips N.V. | Pixellated detector device |
WO2023120922A1 (ko) * | 2021-12-22 | 2023-06-29 | 주식회사 브라이토닉스이미징 | 섬광 검출기 및 이를 이용한 양전자방출단층촬영장치 |
KR20230095204A (ko) * | 2021-12-22 | 2023-06-29 | 주식회사 브라이토닉스이미징 | 섬광 검출기 및 이를 이용한 양전자방출단층촬영장치 |
KR102679432B1 (ko) * | 2021-12-22 | 2024-06-28 | 주식회사 브라이토닉스이미징 | 섬광 검출기 및 이를 이용한 양전자방출단층촬영장치 |
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A02 | Decision of refusal |
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