JP2005017018A - 廃棄物組成の計測方法及び装置 - Google Patents

廃棄物組成の計測方法及び装置 Download PDF

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雅之 田畑
Masahito Kaneko
雅人 金子
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Abstract

【課題】本発明は、種々雑多な状態で存在する燃料中における燃料中のバイオマス混合比又は及びバイオマス量を、組成分析を行う事無く、オンラインで高精度なモニタリングを可能とする事ことを課題とする。
【解決手段】バイオマス及び化石燃料を含有する混合燃料におけるバイオマス混合比を計測する方法において、上記バイオマスのみを燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記混合燃料を燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記2個の炭素同位体14Cの存在量に基づき、バイオマス混合比を演算することにより、種々雑多な状態で存在する燃料中における燃料中のバイオマス混合比又は及びバイオマス量を、組成分析を行う事無く、オンラインで高精度なモニタリングを可能とすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオマス及び化石燃料等を含有する燃料を用いる燃焼装置の利用分野において、燃料中のバイオマス混合比(バイオマスである燃料の比率)又は及びバイオマス量等を測定する方法及び装置に係り、特に、その排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測する事により、燃料中のバイオマス混合比又は及びバイオマス量を算出する方法、及び燃焼装置で利用される燃料中のバイオマス混合比又は及びバイオマス量を連続的に測定、記録するための計測装置並びに該装置を適用する燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化防止のための二酸化炭素(CO)の発生量低減、及び化石燃料の枯渇対策の観点から、石油、石炭等の化石燃料の代替エネルギーとして、風力、太陽光、地熱、水力、バイオマス等の利用が急速に拡がりつつある。
【0003】
特に、2002年12月に一部施行が開始された、平成14年法律第62号「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(以下、RPS(Renewables Portfolio Standard)法と省略する)」では、電気事業者は一定割合以上の新エネルギー等(風力、太陽光、地熱、水力、バイオマス)から発電される電気の利用を義務付けられるため、今後、バイオマスを用いた発電設備も増加していく事が予想される。
【0004】
ここで、RPS法では、バイオマスを、「動植物に由来する有機物であって、エネルギー源として利用する事が出来るもので、原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く」ものと定義している。
新エネルギー等としてバイオマスを利用していくためには、利用するバイオマス混合比またはバイオマス量を正確に把握する必要がある。
【0005】
例えば、RPS法に於いては、以下のようにバイオマス量の算定が義務付けられている。
RPS法に於いて、「新エネルギー等から発電される電気」とは、新エネルギー等発電設備を用いて新エネルギー等を変換して得られる電気の事であり、また「新エネルギー等発電設備」とは、新エネルギー等を電気に変換する設備であって、RPS法の規定により認定を受けた設備の事である。
【0006】
バイオマスを用いた発電設備がRPS法の認定を受けるためには、一般廃棄物発電の場合年4回以上、産業廃棄物発電の場合月1回、投入する燃料に占めるバイオマス量(或いはバイオマス混合比)を算定する必要がある。
【0007】
RPS法に於いては、一般廃棄物発電の場合、旧厚生省通知(環整第95号課長通知「一般廃棄物処理事業に対する指導に伴う留意事項について」)に従って廃棄物の組成分析を行い、バイオマス量を算定する事が定められている。
また、産業廃棄物発電の場合も同様に廃棄物の組成分析を行って、バイオマス量を算定する事が定められている。
【0008】
環整第95号課長通知による一般廃棄物の組成分析法は、ランダムに抽出した一般廃棄物200kgを四分法により数回縮分し、試料として5〜10kgを採取した後、その乾燥物の全量をビニールシート等に拡げて6組成(紙・布類、ビニール・合成樹脂等、木竹類、厨芥類(卵殻、貝殻を含む)、不燃類、その他)に分別し、秤量する方法によって行う事を標準としている。
【0009】
なお、分別された組成のうち、紙・布類、木竹類、厨芥類、その他の中にバイオマスが含まれている。
「新エネルギー等発電設備」としての認定を受けるためには、以上のような方法で算定したバイオマス量に基づき申請を行う必要がある。
【0010】
一方、環境科学の分野では、近年、堆積物や大気中環境物質の生成起源(化石燃料起源、非化石燃料起源)を推定する方法として、化合物の同位体計測による方法が検討されている。
【0011】
空気中の塵を収集して燃焼し、その排気ガス中の放射性炭素同位体(14C)の量の計測結果を演算する事により、環境物質の生成起源を推定(バイオマス由来と化石燃料由来の比率を算出)しようとするものである。(文献1参照)
しかしながら、文献1では、環境物質の生成起源(バイオマス由来or化石燃料由来)の推定を行うだけで、具体的な起源物質、発生場所及び発生理由・状況(人為的or自然現象)等を把握していない。すなわち、起源物質、発生場所及び発生状況を特定、監視する事によって、COの生成起源を推定するだけでなく、その比率(バイオマス由来と化石燃料由来の比率)を把握する必要がある。
【0012】
【文献1】
Environ Sci Technol VOL.30、P.1098‐1105(1996)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
現在まで、環整第95号課長通知の一般廃棄物の組成分析を、機械等を用いて自動化する技術は開示されていないため、組成分析は人間の目及び手を用いて実施する必要がある。
このため、組成分析は多くの人手と時間を必要とする作業である。
それにも関わらず、人間の目及び手による分別では、腐敗等により崩壊したもの、粉体状もしくは液体状の物質の分別は困難である。
【0014】
同様に、原油、石油ガス、可燃性天然ガス、石炭、メタンハイドレート等の化石燃料、これらから製造される石油・石炭等由来化学製品、化石燃料の廃棄物、および石油・石炭等由来化学製品の廃棄物(以下、これらの総称を「化石燃料・石油、石炭等由来化学製品」という)とバイオマス(動植物に由来する有機物であって、エネルギー源として利用する事が出来るもので、原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。例えば、紙・布類、木竹類、厨芥類等の動植物に由来する有機物)の両方を含む廃棄物、例えばビニール加工紙やラミネート紙のようにバイオマスと石油化学製品等が分離不能な状態で存在する複合廃棄物についても、バイオマス部分を正確に分別する事は困難である。
【0015】
さらに、生分解性プラスチックとして将来的に利用が拡大する事が予想されているバイオマス由来プラスチックが廃棄物に混入した場合も、これを石油化学製品であるプラスチックと分別する事は困難である。
【0016】
以上のように、従来の組成分析法は、人手と時間を要するにも関わらず、分別困難な廃棄物も多数存在し、結果に大きな誤差を含む可能性があり、燃料に占めるバイオマス量等の精度の高い測定方法の開発が望まれている。
【0017】
また、RPS法では、組成分析の結果からその設備のバイオマス発電量を見積り、申請する事になっているが、従来の分析頻度では、廃棄物組成の日変動、週変動を把握する事が出来ないため、分析のタイミングによっては、発電量を過大あるいは過小に評価する恐れがある。
【0018】
本発明は、種々雑多な状態で存在する燃料中における燃料中のバイオマス混合比(燃料におけるバイオマスの比率)又は及びバイオマス量を、組成分析を行う事無く測定する事が可能で、オンラインで高精度なモニタリングを可能とすることを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明はその構成において以下の特徴を備えている。
即ち、手段(1)に係る廃棄物組成の計測方法は、バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する混合燃料におけるバイオマス混合比を計測する方法において、上記バイオマスのみを燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記混合燃料を燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記2個の炭素同位体14Cの存在量に基づき、バイオマス混合比を演算する事を特徴としている。
上述の構成により、人間の目や手では分別不可能な液体燃料等であっても、簡便にバイオマス混合比を算出することができる。
【0020】
手段(2)に係る廃棄物組成の計測方法は、バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する混合燃料におけるバイオマス混合比を計測する方法において、上記バイオマスのみを燃焼させた時の排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を設定し、上記混合燃料を燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記設定した炭素同位体14Cの存在量と上記計測した炭素同位体14Cの存在量に基づき、バイオマス混合比を演算する事を特徴としている。
上述の構成により、人間の目や手では分別不可能な液体燃料等であっても、簡便にバイオマス混合比を算出することができる。
【0021】
また、手段(3)に係る廃棄物組成計測装置は、バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する混合燃料を燃焼して排気される排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体量を計測する同位体分析手段と、上記同位体分析手段で測定された上記同位体存在量からバイオマス混合比を演算する演算手段と、上記バイオマス混合比を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴としている。
上述の構成により、人間の目や手では分別不可能な液体燃料等であっても、簡便にバイオマス混合比を算出することができる。
【0022】
手段(4)に係るバイオマス混合燃料使用の燃焼装置は、手段(3)の廃棄物組成計測装置と燃焼装置を備えたことを特徴としている。
上述の構成により、燃焼装置において、使用する燃料が人間の目や手では分別不可能な液体燃料等であっても、簡便にバイオマス混合比を算出することができる。
【0023】
手段(5)に係るバイオマス混合燃料使用の発電装置は、手段(3)の廃棄物組成計測装置と燃焼装置と発電手段とを備えたことを特徴としている。
上述の構成により、発電装置において、使用する燃料が人間の目や手では分別不可能な液体燃料等であっても、簡便にバイオマス混合比を算出することができる。
【0024】
さらに、手段(6)に係るバイオマス混合燃料使用の発電装置は、バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する燃料を燃焼して発電を行う発電装置において、上記燃焼装置の排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測する同位体分析手段と、所定時刻毎に、上記同位体分析手段から炭素同位体14Cの存在量を入力しバイオマス混合比を演算するとともに、上記発電装置から燃料消費量を入手して、記憶手段にこれらのデータを出力するリアルタイム演算部と、上記記憶手段からのデータに基づき、所定の期間における平均バイオマス混合比を演算する積算演算手段とを備えたことを特徴としている。
上述の構成により、発電装置において、使用する燃料が人間の目や手では分別不可能な液体燃料等であっても、簡便にバイオマス混合比および平均バイオマス混合比を算出することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
まず、各実施の形態に係る原理について説明する。
各実施の形態は、バイオマス(動植物に由来する有機物であって、エネルギー源として利用する事が出来るもので、原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。例えば、紙・布類、木竹類、厨芥類等の動植物に由来する有機物)及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品(原油、石油ガス、可燃性天然ガス、石炭、メタンハイドレート等の化石燃料、これらから製造される石油・石炭等由来化学製品、化石燃料の廃棄物、および石油・石炭等由来化学製品の廃棄物)を含有する燃料を用いる燃焼装置に於いて、排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、その同位体の存在量から、燃料中のバイオマス混合比またはバイオマス量等を算出する方法または装置に関するものである。
【0026】
大気中の二酸化炭素COの炭素同位体比は、近年の化石燃料の大量消費や核実験の影響を受けて多少の変動はあるものの、長期的には安定しており、12C:13C:14Cの比率は0.989:0.011:1.2×10−12であることが知られている。
【0027】
このうち、14C(分子量14の炭素同位体)は放射性同位体であり、半減期5730年でβ崩壊することが知られている。
【0028】
また、大気中の14Cの存在量は単位元素(炭素)当りの放射能、比放射能(dpm/gC、等)で表され、大気中の14Cの存在量はおよそ15dpm/gCであることが知られている。
この濃度は、宇宙線の照射による高高度大気中での生成速度と、β崩壊による減少速度のバランスにより、ほぼ一定に保たれている。
【0029】
そして、植物等のCOを固定する生物は、大気組成を反映した濃度の14Cを取込み、固定する。さらに、食物連鎖によって、14Cが他の生物に順次取り込まれていくため、現存する全ての生物及びその生成物、即ちバイオマスと呼ばれる全ての物質は、この大気組成を反映した一定量の14Cを含んでいる。
【0030】
生命活動を行っているバイオマス中の炭素同位体14Cの存在量は、14Cの取込みと排出及びβ崩壊のバランスにより保たれる。
そして、生命活動を停止したバイオマスにおいては、新たな14Cの取込みが行われないため、固定された14Cがβ崩壊し、バイオマス中の14C存在量は時間と共に徐々に減少する。
【0031】
一方、石油や石炭等の化石燃料は、生成から数千万年以上が経過しているため、当初含有していた14Cは全て崩壊している。また、その生成過程で14Cが取り込まれる事も無いため、化石燃料は14Cをほとんど含まない。また、これらのみによって製造される石油化学製品等、およびこれらの廃棄物も同様に14Cをほとんど含まない。
【0032】
しかしながら、紙・布類、木竹類、厨芥類等のバイオマスは、生命活動を停止してからの経過時間が、14Cの半減期5730年に対し非常に短いため、バイオ廃棄物の14Cの存在量は大気中の14Cの存在量である15dpm/gCとほぼ同一またはそれに近い。
【0033】
従って、バイオマスのみを燃焼した時に発生する排気ガス中のCOは、大気中の14Cの存在量である15dpm/gCと同程度の14Cを含んでいるのに対し、化石燃料のみを燃焼した時に発生する排気ガス中のCOには現在用いられている計測装置の検出限界を下回る極微量の14Cしか含まれていない。
【0034】
この事実に基づき、燃焼装置に於いて、バイオマスのみを燃焼した時に発生する排気ガス中のCOの炭素同位体14Cの存在量と、バイオマスを含む混合燃料を燃焼した時に発生する排気ガス中のCOの炭素同位体14Cの存在量とを測定する事により、燃料に混入されたバイオマスの混合比を算出する。
【0035】
或いは、大気中の14Cの存在量である15dpm/gCと、バイオマスを含む混合燃料を燃焼した時に発生する排気ガス中のCOの炭素同位体14Cの存在量とを測定する事により、燃料に混入されたバイオマスの混合比を算出する。
【0036】
そして、バイオマス混合燃料の重量又は発電量と、上記にて算出されたバイオマス混合比に基づき、燃焼したバイオマス量或いはそれに由来する発電量(バイオマス燃焼発電量)を算出する。
【0037】
本発明が対象とするバイオマスは、粉体を含む固体、液体、気体のいずれの状態でもよく、石油由来プラスチックや化石燃料とバイオマスとの複合体等どのような状態のものでもかまわない。
【0038】
炭素同位体14Cの存在量を測定する方法としては、加速器質量分析装置(AMS)、液体シンチレーション法、ガス比例計数管法等があげられる。これらの方法は、いずれも本発明の炭素同位体14Cの測定方法として適用可能であるが、同位体量を測定可能な方法、装置であれば、これらに限定されない。
【0039】
また、バイオマスを直接計測するのではなく、燃焼によって生じる排気ガス中COを測定するため、固体、液体、気体等あらゆる状態のバイオマス混合燃料におけるバイオマス混合比の測定に対応する事が可能である。
【0040】
また、人間の目では分別困難な、粉体、複合廃棄物、バイオマス由来プラスチックと石油由来プラスチックの混合物等の燃料であっても、バイオマス混合比或いはバイオマス量の算出が可能である。
さらに、従来法に比べて労力が軽減され、オンラインで高精度のモニタリングを行う事が可能となる。
【0041】
次に、本発明の第1の実施の形態につき説明する。
植物を原料としたバイオマスアルコール(バイオマス)及びディーゼル燃料(化石燃料)を燃焼した時に発生した排気ガス中CO14C存在量を測定した結果、次のように、夫々14.8dpm/gC、0dpm/gCという結果を得た。
ディーゼル燃料 ;炭素同位体14Cの存在量= 0 (dpm/gC)
バイオマスアルコール;炭素同位体14Cの存在量=14.8(dpm/gC)
【0042】
このバイオマスアルコールとディーゼル燃料をある割合で混合した混合燃料の場合、混合燃料中に含まれる炭素同位体14Cの存在量はバイオマス混合比に比例して変化する。
ここで、バイオマス混合比は、混合燃料中の炭素量に対するバイオマス炭素量の比率と同等であり、バイオマス混合比Pbは、バイオマスアルコール中の炭素量Mbと、ディーゼル燃料中の炭素量Mdとにより、次式で表される。
【0043】
バイオマス混合比:Pb=Mb/(Mb+Md)・・・式(1)
【0044】
式(1)より、例えば、混合燃料がバイオマスアルコールのみからなる時はバイオマス混合比Pb=1.0となり、混合燃料がバイオマスアルコールとディーゼル燃料の炭素量比1:1の混合物である時はバイオマス混合比Pb=0.5となり、混合燃料がディーゼル燃料のみからなる時はバイオマス混合比Pb=0となる。
【0045】
そして、上述のごとく、燃焼装置に於いてバイオマスを含む混合燃料を燃焼した時に発生する排気ガス中のCOの炭素同位体14Cの存在量あるいは存在比を測定する事により、燃料に混入されたバイオマス混合比を算出することが可能であり、バイオマス混合比Pbと混合液を燃焼した時に発生する排気ガス中CO14C存在量Px(dpm/gC)との関係は図1の直線Aに示したようになる。
また、図1の関係は、比例定数をKとすると、式(2)で表す事が出来る。
炭素同位体14Cの存在量:Px=K×Pb・・・式(2)
【0046】
ここで、燃料の全てがバイオマスアルコールである場合、即ちバイオマス混合比1.0の時、14C存在量Px(dpm/gC)は14.8dpdpm/gCである事から、式(2)を用いて、
14.8=K×1.0
K=14.8/1.0=14.8
と求める事が出来る。
【0047】
従って、本実施例のバイオマスアルコールの場合、式(2)は
炭素同位体14C存在量:Px=14.8×Pb・・・式(3)
と表す事が出来る。
式(3)を用いて、排気ガス中COの炭素同位体14C存在量Px(dpm/gC)の測定値から、バイオマスアルコールとディーゼル燃料の混合燃料のバイオマス混合比Pbを求める事ができる。
【0048】
例えば、バイオマスアルコールとディーゼル燃料がある混合比で混合された混合燃料を使用している燃焼設備に於いて、燃焼排気ガス中CO14C存在量Pxを測定した時、3.7 dpm/gCという値が得られたとする。この値を式(3)に代入すると、
3.7=14.8×Pb
バイオマス混合比:Pb=3.7/14.8=0.25
となり、この設備で使用された混合燃料に含まれる炭素の25%がバイオマスアルコール由来である事が導かれる。
以上の方法により、人間の目や手では分別不可能な液体燃料であっても、簡便にバイオマス混合比を算出する事が可能となる。
【0049】
その後、燃焼したバイオマスアルコールとディーゼル燃料との合計重量と、上述にて算出されたバイオマス混合比とから、燃焼したバイオマスアルコール即ちバイオマス量を算出することができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態につき説明する。
【0051】
上質紙及びポリエチレンを燃焼した時に発生した排気ガス中COの炭素同位体14Cの存在量Px(dpm/gC)を計測した結果、次のように、夫々14.6dpm/gC、0dpm/gCという結果を得た。
上質紙 ;炭素同位体14Cの存在量 = 14.6 (dpm/gC)
ポリエチレン ;炭素同位体14Cの存在量 = 0 (dpm/gC)
【0052】
ここで、上質紙はバイオマスであり、ポリエチレンは化石燃料である。また、これらを原料として製造したポリエチレンラミネート紙はバイオマスと化石燃料の混合物である。
従って、第1の実施の形態の場合と同様に、ポリエチレンラミネート紙を燃焼した時に発生する排気ガス中CO14C存在量は、原料である上質紙MbとポリエチレンMdの混合比に比例して変化する。
【0053】
本実施の形態では、バイオマス混合比Pbは、ポリエチレンラミネート紙中の炭素量に対するバイオマス、即ち上質紙中の炭素量Mbの比率を表すもので、ポリエチレンラミネート紙中の上質紙の炭素量Mbと、ポリエチレンラミネート紙中炭素量Mzとにより、次の式(4)で表される。
【0054】
バイオマス混合比:Pb=Mb/Mz・・・式(4)
【0055】
式(4)より、例えば、上質紙のみでは、バイオマス混合比=1.0となり、ポリエチレンラミネート紙では、0<バイオマス混合比Pb<1.0となり、紙を含まないポリエチレンのみではバイオマス混合比=0となる。
【0056】
第1の実施の形態の場合と同様に、バイオマス混合比Pbとポリエチレンラミネート紙中14C存在量Pxの関係は、式(5)で表す事が出来る。
炭素同位体14Cの存在量Px=K×Pb・・・式(5)
【0057】
ここで、上質紙の場合、即ちバイオマス混合比1.0の時、14C存在量は14.6dpm/gCである事から、式(5)を用いて、
14.6=K×1.0
K=14.6/1.0=14.6
と求める事が出来る。
【0058】
従って、本実施例のポリエチレンラミネート紙の場合は、
ポリエチレンラミネート紙中14C存在量:Px=14.6×Pb・・・式(6)
と表す事が出来る。
式(6)を用いて、燃焼排気ガス中CO14C存在量測定値から、ポリエチレンラミネート紙のバイオマス混合比を求める事ができる。
【0059】
例えば、廃棄物燃焼設備でポリエチレンラミネート紙からなる廃棄物を燃焼した時の排気ガス中COの炭素同位体14Cの存在量を測定した値が、9.8dpm/gCであった場合、この値を式(4)に代入すると、
9.8=14.6×Pb
バイオマス混合比:Pb=9.8/14.6=0.67
となり、この設備で燃焼されたポリエチレンラミネート紙に含まれる炭素の67%がバイオマス、即ち上質紙由来である事が導かれる。
以上の方法により、人間の目や手では分別不可能な複合廃棄物であっても、簡便にバイオマス混合比を算出する事が可能となる。
【0060】
その後、燃焼したポリエチレンラミネート紙の合計重量と、上述にて算出されたバイオマス混合比とから、燃焼した上質紙即ちバイオマス量を算出することができる。
【0061】
次に、本発明の第3の実施の形態につき説明する。
バイオマス資材から生産した生分解性プラスチックの原料であるポリ乳酸及び石油由来プラスチックの原料であるポリエチレンを燃焼した時に発生した排気ガス中CO14C存在量を測定した結果、次のように、夫々15.0dpm/gC、0dpm/gCという結果を得た。
ポリエチレン ;炭素同位体14Cの存在量 = 0 (dpm/gC)
ポリ乳酸 ;炭素同位体14Cの存在量 = 15.0(dpm/gC)
【0062】
これらの原料から製造した生分解性プラスチックと石油由来プラスチックが混在した廃棄物を燃焼した時に発生する排気ガス中CO14C存在量は、両者の混合比に比例して変化する。
ここで、バイオマス混合比Pbを廃棄物中の全炭素量Mxに対するバイオマス、即ち生分解性プラスチック中の炭素量Mbの比率とすると、次式で表すことができる。
【0063】
バイオマス混合比:Pb=Mb/Mx・・・式(7)
【0064】
式(7)より、例えば、廃棄物が生分解性プラスチックのみの場合、バイオマス混合比Pb=1.0となり、生分解性プラスチックと石油由来プラスチックの混合物では0<バイオマス混合比<1.0となり、石油由来プラスチックのみの場合は混合比=0となる。
【0065】
第1の実施の形態の場合と同様に、バイオマス混合比Pbと混合廃棄物中14C存在量の関係は式(8)で表す事が出来る。
混合廃棄物中炭素同位体14Cの存在量Px=K×Pb・・・式(8)
【0066】
ここで、生分解性プラスチックの場合、即ちバイオマス混合比1.0の時、
14C存在量は15.0dpm/gCである事から、式(8)を用いて、
15.0=比例定数×1.0
比例定数=15.0/1.0=15.0
と求める事が出来る。
【0067】
従って、本実施例の混合廃棄物の場合、式(8)は、
混合廃棄物中14C存在量:Px=15.0×Pb・・・式(9)
と表す事が出来る。
式(9)を用いて、燃焼排気ガス中CO14C存在量測定値から、混合廃棄物のバイオマス混合比を求める事ができる。
【0068】
例えば、廃棄物燃焼設備でプラスチック廃棄物を燃焼した時の排気ガス中CO14C存在量を測定した値Pxが、5.5dpm/gCであった場合、この値を式(9)に代入すると、
5.5=15.0×Pb
バイオマス混合比:Pb=5.5/15.0=0.37
となり、この設備で燃焼されたプラスチック廃棄物に含まれる炭素の37%がバイオマス、即ち生分解性プラスチック由来である事が導かれる。
以上の方法により、人間の目や手では分別不可能な混合廃棄物であっても、簡便にバイオマス混合比を算出する事が可能となる。
【0069】
その後、燃焼したポリエチレンとポリ乳酸との混合物の合計重量と、上述にて算出されたバイオマス混合比とから、燃焼したポリエチレン即ちバイオマス量を算出することができる。
【0070】
次に、本発明の第4の実施の形態を、図2に基づき説明する。
図2に示すように、第4の実施の形態におけるバイオマス量計測装置は、計測対象のガスの処理を行う前処理装置1と、前処理されたガス中の炭素同位体14Cの存在量を計測する同位体計測装置2と、演算装置3と、表示装置4、記録装置5とから構成されている。
【0071】
前処理装置1では、任意の時間にサンプリングされた排気ガスが導入され、同位体計測装置2において測定を妨害する可能性のある物質の除去、測定用溶媒へのCOの吸収、COのグラファイトやベンゼンへの変換等の処理が行われる。なお、前処理装置1での前処理は、同位体計測装置2での計測に必要な処理であればどのようなものでもよく、本発明に記載されたものに限定されない。
【0072】
前処理装置1にて計測のための前処理が行われた測定試料は、引き続き同位体計測装置2に導入され、炭素同位体14Cの存在量(dpm/gC)が測定される。測定された14C存在量は、演算装置3内の演算部6に出力される。
【0073】
演算装置3は、例えばCPU(中央処理装置)からなる演算部6と、第1のメモリ7、第2のメモリ8、及び第3のメモリ9とを備えている。
【0074】
演算部6では、入力された14C存在量(dpm/gC)を、必要に応じて燃焼装置に導入された大気中のCOの影響を補正した燃料由来の炭素同位体14Cの存在量を演算し、任意の時間の14Cの存在量を第1のメモリ7に出力する。
さらに、図示しない測定装置により、任意の時間の排気ガス中の12C、13C、14Cの個々の単位時間当たりの存在重量を測定するとともに、第1のメモリ7に記憶する。
【0075】
一方、第2のメモリ8には、予め実験などで求められたバイオマスのみを燃焼したときの14C存在量に基づき、演算部6にて演算されたバイオマス混合比Pb(バイオマス中の炭素量/(バイオマス中の炭素量+化石燃料・石油、石炭等由来化学製品中の炭素量))との間の比例定数Kが、記憶・格納されている。
【0076】
この比例定数Kを求める場合、一般的には、大気中の平均的な14C存在量である15.0dpm/gCを用いる事が出来る。しかしながら、使用するバイオマスにおける炭素同位体14Cの存在量Pxがこの値と大きく異なる場合は、使用するバイオマスの平均的な試料を採取し、第2、3、4の実施の形態に示した手順によりバイオマスのみを燃焼したときの炭素同位体14Cの存在量Pxを実測して、比例乗数Kを算出することにより、より精度の高い結果を得る事が出来る。
【0077】
そして、演算部6では、第1のメモリ7に記憶/格納されている所定時間毎の炭素同位体14Cの存在量Pxと第2のメモリ8に記憶/格納されている比例定数Kとから、前記式(3)、(6)、(9)に基づいて任意のバイオマス混合比Pbを求める。
続いて、得られたバイオマス混合比Pbと第1のメモリ7に記憶/格納されている全炭素量とから、任意の時間のバイオマス量を演算し、この燃料バイオマス量を第3のメモリ9に記憶させる。
【0078】
このようにして、第3のメモリ9に記憶された任意の時間のバイオマス量は、表示装置4で表示され、さらに記録装置5で記録される。
記録装置5で用いられる方法としては、記録紙、ハードディスク等の磁気媒体等、経時的なデータの記録が可能であればどのような形式のものでもよく、本発明に記載のものに限定されない。
以上のような構成の装置を用いる事により、任意の時間に燃焼装置で燃焼したバイオマス量をリアルタイムで測定する事が可能となる。
【0079】
次に、本発明の第5の実施の形態を図3に基づき説明する。
図3に示すように、燃料貯留槽10に蓄えられたバイオマスが混合された燃料は、バイオマス燃焼装置11に投入され燃焼される。
バイオマス燃焼装置11で発生した排気ガスは、排気ダクト12及び、排気ガス処理装置13を通って大気中に排出される。
そして、排気ダクト12には分岐管が設けられており、排気ガスの一部が導入ライン14を経由して、バイオマス量測定装置15に導入される。
図4では、導入ライン14の設置位置は、排気ガス処理装置13の前となっているが、導入ライン14の設置位置は、排気ガス処理装置13の前後どちらでもかまわない。
【0080】
バイオマス量測定装置15には、例えば第4の実施の形態で説明した図2に示したものと同様に、前処理装置1、同位体計測装置2、演算部6と第1のメモリ7と第2のメモリ8と第3のメモリ9とにより構成された演算装置3、表示装置4、記録装置5が設けられている。
【0081】
そして、排気ダクト12から導入ライン14を通してサンプリングされた排気ガスは、測定装置15内の前処理装置1に導入される。その後、第4の実施の形態と同様な処理、演算が行われ、その結果として、バイオマス量が、表示装置4で表示され、さらに記録装置5で記録される。
以上のような構成の装置を用いる事により、バイオマス燃焼装置11で燃焼したバイオマス量をリアルタイムでモニタリングする事が可能となる。
【0082】
次に、本発明の第6の実施の形態を図4に基づき説明する。
図4は、本発明のバイオマス発電システムの実施形態の一例である。
なお、図4においては、第5の実施形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第5の実施形態と同一の部位についての説明は省略して、第5の実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0083】
図4に示すように、燃料貯留槽10に蓄えられたバイオマス等の燃料は、バイオマス燃焼装置11に投入され燃焼される。バイオマス燃焼装置11で発生した熱エネルギーは、発電装置17に送られ、電気エネルギーに変換される。この時、燃焼装置11と発電装置17で構成される発電システムは、燃焼による熱エネルギーを直接あるいは間接的に利用するものであれば既存のどのようなシステムでもよく、本発明に記載の構成に限定されない。
以上のような構成の装置を用いる事により、バイオマス燃焼装置11で燃焼したバイオマス量をリアルタイムでモニタリングする事が可能となる。
【0084】
次に、本発明の第7の実施の形態を図5に基づき説明する。
上述の第4、5、6の実施の形態は、バイオマス燃焼装置11で燃焼したバイオマス量をリアルタイムでモニタリングするものであるが、この第7に実施の形態においては、上述の各実施の形態に加えて、廃棄物組成の日変動、週変動をも把握し、所定期間(例えば、日、週、月毎)におけるバイオマス量または発電量を適正に評価できるようにしたものである。
【0085】
図5に示すように、第7の実施の形態におけるバイオマス量計測装置は、導入ガス切り替え弁18と、計測対象のガスの処理を行う前処理装置1と、前処理されたガス中の炭素同位体14Cの存在量を計測する同位体計測装置2と、演算装置3aと、表示装置4、記録装置5とから構成されている。
【0086】
なお、図5においては第4の実施の形態と同一の部位については同一の符号を付して示している。また、第4実施形態と同一の部位についての説明は省略し、第4実施形態との相違点について重点的に説明する。
【0087】
前処理装置1の前段には、導入する排気ガスの切り替え弁が設けられている。切り替え弁18の一方の導入口には、バイオマスのみを燃焼した時の排気ガスが導入されるようになっている。他方の導入口には、排気ダクト12からの導入ライン14が接続されている。
演算装置3aには、諸条件設定器(手段)21、比例定数演算器(手段)22、リアルタイム演算器(手段)23、積算演算器(手段)24、および記憶器(手段)25が配設されている。
なお、上述の各演算器(手段)はコンピュータにおけるプログラムにて実行される。
また、記憶器25には、計測時刻、計測された炭素同位体14Cの存在量(dpm/gC)、比例定数K、バイオマス混合比、バイオマス量、燃料消費量、発電電力の各データからなるデータ群が時系列的に多数組記憶されるようになっている。
【0088】
先ず、諸条件設定器21にて、切り替え弁18をバイオマスのみを燃焼し計測する側に切り替える。その後バイオマスのみを燃焼させて、炭素同位体14Cの存在量(dpm/gC)を計測し、比例定数演算器22にて、上述の各実施の形態にて説明したように比例定数を算出する。なお、この比例定数は上述のごとく、固定値である15dpm/gCとすることもできる。
【0089】
その後、切り替え弁18を排気ダクト12側に切り替えてバイオマス混合燃料を燃焼した時の各値を、リアルタイム演算器23にて演算し、記憶器25に記憶する。
即ち、リアルタイム演算器23では、所定時刻毎(例えば、毎分、毎時間)に、同位体計測装置2から入力された排気ガス中の炭素同位体14Cの存在量と、比例定数設定器22から入力された比例定数に基づき、バイオマス混合比を演算する。
【0090】
なお、燃料の投入時刻と、その燃料により発電が行われる時刻と、その燃料が燃焼し排気ガスとして排気され前処理装置1に到達する時刻とにはタイムラグがあるが、この各タイムラグは諸条件設定器21にて設定することが出来る。
そして、タービン発電機制御装置30から入力された燃料使用量(g/分)、及び発電電力と共に、記憶器25へこれらの諸データを、諸条件設定器21からのタイムラグに応じた時間に応じて、記憶器25の適正なエリアに記憶される。
【0091】
積算演算器24では、諸条件設定器21からの演算期間(開始年月日時刻及び終了年月日時刻)のデータに基づき、記憶器25に記憶されているデータの内、上記演算期間における、総燃料消費量、総発電量、加重平均された平均バイオマス混合比、燃焼した合計バイオマス量が演算さる。
【0092】
そして、記憶器25に記憶されたデータ、及び積算演算器24にて演算された各値は、表示装置4及び記録装置5に出力される。
【0093】
このようにして、種々雑多な状態で存在する燃料中における燃料中のバイオマス混合比(燃料におけるバイオマスの比率)又は及びバイオマス量を、組成分析を行う事無く測定し、オンラインで高精度なモニタリングができる。
さらに、廃棄物組成の日変動、週変動を把握する事もでき、発電量を適正に評価することができる。
【0094】
例えば、発電サイクルにおいて、ボイラ、タービン起動時には、化石燃料のみを燃焼させるがその使用量は少ない。その後起動完了して通常運転に入り多量の燃料を使用するが、この時にバイオマスと化石燃料とが混合されて燃焼され、且つ運転時間も長い。また場合によっては、通常運転時でも化石燃料のみを使用する場合もある。そして、停止移行時には、再び化石燃料のみを使用して発電プラントの停止を行う。
このような発電プラントの運転サイクルにおいても、バイオマス混合比は単純な平均ではなく加重平均されるので、バイオマスに由来する発電量を適正に評価できる。
【0095】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バイオマスと化石燃料・石油、石炭等由来化学製品との混合燃料を燃焼する場合において、燃焼装置から排出される燃焼排気ガス中の二酸化炭素の同位体存在量を計測する事により、燃焼に使用したバイオマス混合比をオンラインでモニタリングする事が出来る。
さらに、廃棄物組成の日変動、週変動を把握する事もでき、バイオマスを燃焼させたことによる発電量を適正に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるバイオマス量算出法の示す図である。
【図2】本発明の第4の実施の形態におけるバイオマス量測定装置の構成図である。
【図3】本発明の第5の実施の形態におけるバイオマス量測定装置を備えたバイオマス燃焼システムの構成図である。
【図4】本発明の第6の実施の形態におけるバイオマス量測定装置を備えたバイオマス発電システムの構成図である。
【図5】本発明の第7の実施の形態におけるバイオマス量測定装置の構成図である。
【符号の説明】
1 前処理装置
2 同位体計測装置
3、3a 演算装置
4 表示装置
5 記録装置
6 演算部
7 第1のメモリ
8 第2のメモリ
9 第3のメモリ
10 燃料貯留槽
11 燃焼装置
12 排気ダクト
13 排気ガス処理装置
14 導入ライン
15 バイオマス量測定装置
16 排気ライン
17 発電装置
18 導入ガス切り替え弁
21 諸条件設定器
22 比例定数演算器
23 リアルタイム演算器
24 積算演算器
25 記憶器
30 タービン発電機制御装置

Claims (6)

  1. バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する混合燃料におけるバイオマス混合比を計測する方法において、上記バイオマスのみを燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記混合燃料を燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記2個の炭素同位体14Cの存在量に基づき、バイオマス混合比を演算する事を特徴とする廃棄物組成の計測方法。
  2. バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する混合燃料におけるバイオマス混合比を計測する方法において、上記バイオマスのみを燃焼させた時の排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を設定し、上記混合燃料を燃焼させその排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測し、上記設定した炭素同位体14Cの存在量と上記計測した炭素同位体14Cの存在量に基づき、バイオマス混合比を演算する事を特徴とする廃棄物組成の計測方法。
  3. バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する混合燃料を燃焼して排気される排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体量を計測する同位体分析手段と、上記同位体分析手段で測定された上記同位体存在量からバイオマス混合比を演算する演算手段と、上記バイオマス混合比を記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする廃棄物組成計測装置。
  4. 請求項3に記載の廃棄物組成計測装置と燃焼装置を備えたことを特徴とするバイオマス混合燃料使用の燃焼装置。
  5. 請求項3に記載の廃棄物組成計測装置と燃焼装置と発電手段とを備えたことを特徴とするバイオマス混合燃料使用の発電装置。
  6. バイオマス及び化石燃料・石油、石炭等由来化学製品を含有する混合燃料を燃焼装置にて燃焼して発電を行う発電装置において、上記燃焼装置の排気ガス中に含まれる二酸化炭素の炭素同位体14Cの存在量を計測する同位体分析手段と、所定時刻毎に、上記同位体分析手段から炭素同位体14Cの存在量を入力しバイオマス混合比を演算するとともに、上記発電装置から燃料消費量を入手して、記憶手段にこれらのデータを出力するリアルタイム演算手段と、上記記憶手段からのデータに基づき、所定の期間における平均バイオマス混合比を演算する積算演算手段とを備えたことを特徴とするバイオマス混合燃料使用の発電装置。
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