JP2005016865A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】パラレルフロー型熱交換器を蒸発器や凝縮器のいずれかに使用した場合でも、良好な分流状態を実現し、十分な熱交換量を得ることが可能な信頼性の高いパラレルフロー型熱交換器を提供すること。
【解決手段】略水平に配置された長側と短側がL字型になるように加工された上部ヘッダー5と下部ヘッダー2との間に略垂直に延在する複数の偏平管3を配置し、隣接する偏平管3の間にフィン4を設け、蒸発器として利用した場合に下部ヘッダー2の一端に冷媒が流入する接続管1を長手方向に取り付けると共に、上部ヘッダー5の中央部から屈曲部の間に冷媒が流出する接続管6が配置されるようにすることによって、冷媒の分流状態を改善するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】略水平に配置された長側と短側がL字型になるように加工された上部ヘッダー5と下部ヘッダー2との間に略垂直に延在する複数の偏平管3を配置し、隣接する偏平管3の間にフィン4を設け、蒸発器として利用した場合に下部ヘッダー2の一端に冷媒が流入する接続管1を長手方向に取り付けると共に、上部ヘッダー5の中央部から屈曲部の間に冷媒が流出する接続管6が配置されるようにすることによって、冷媒の分流状態を改善するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式空気調和機に利用される熱交換器に関し、特に複数の偏平管に分流される冷媒の分流量の均等化を図ることのできる熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機の冷凍サイクルを構成している熱交換器は、熱交換能力が小さい場合には、冷媒の循環量が少なく、偏平管内の圧力損失が小さい為、冷媒通路は単一で良いが、熱交換量が大きい場合には、冷媒の循環量が多く、複数の冷媒通路が必要となってくる。このように複数の冷媒通路が必要な場合、冷媒を複数の偏平管に均等に分流して熱交換器の性能を最大限に発揮させる為の工夫が必要となる。
【0003】
ここで、図8において、パラレルフロータイプの熱交換器を蒸発器に使用した場合について説明する。図8に示す従来例の場合、2はL字に曲げられた中空円筒状の下部ヘッダーであり、正面手前側のヘッダー長の長い方を長側、右側の奥行き方向に曲げられた方をヘッダー長の短い方を短側とし、これより以下は長側と短側で表現することにする。
【0004】
短側の右側は閉じてあり、このヘッダー2が蒸発器として使用される場合、冷媒が流入する接続管1に接合されている。下部ヘッダー2に流入した冷媒は各ヘッダーに連通する偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行い、更にガス化した冷媒は中空円筒状である上側ヘッダーより蒸発器の接続管6から流出する。
【0005】
また、凝縮器として使用した場合は、冷凍サイクル中の四方弁によるサイクル切換え弁により蒸発器とは冷媒の流入方向が異なり、図8に示す従来例の場合、圧縮機より吐出された高温高圧の単相の過熱冷媒ガスが凝縮器の接続管6より上側ヘッダー5に流入して各ヘッダーに連通する偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行い、凝縮液化した冷媒は中空円筒状である下部ヘッダー2より凝縮器の接続管1から流出する。また、3は熱伝導性の良いアルミニウムや銅合金等の金属からなる偏平な断面外形を有する熱交換器用の偏平管で、内部に1本ないし数本の冷媒通路を有し、下部ヘッダー2と上部ヘッダー5とを連通するように、それらのヘッダーを橋絡して垂直に複数本取り付けられている。
【0006】
また、複数の偏平管3には、均等に冷媒が分配されて分流状態を良好にし、性能を充分に発揮できるように様々な工夫がなされ、各偏平管の間には熱伝導性の良いアウルミニウムや銅合金等の薄い金属板を波形に成形したフィン4が、複数の偏平管3のなす面に対して直角方向に無数のハニカム状の通気路を形成するように取り付けられて、空気と冷媒の熱交換を円滑に行われている。
【0007】
従来このような空気調和機用の熱交換器の分流状態を良好にした構成例としては、ヘッダー内部の仕切り板をヘッダーの軸直角方向に対して傾斜させているものや、また、偏平管3の端面を傾斜させたものもある(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6―174335号公報(第1―5頁、第1図)
【特許文献2】
特開平8―5194号公報(第1―5頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のパラレルフローの熱交換器を凝縮器として使用した場合、圧縮機から吐出された単相の過熱冷媒ガスが図8に示す上部ヘッダー5に接続管6より流入し、各偏平管3を均一に流れて空気と熱交換した後、凝縮液化した冷媒は重力の影響を受けて下部ヘッダー2に流れる為に各偏平管3を流れる冷媒の分流状態に大きな問題は見られない。
【0010】
しかしながら、蒸発器として利用した場合に、図9に示す下部ヘッダー2の長側を拡大した概略図に示すように、液とガスが混在したニ相の冷媒が、下部ヘッダー2の長側に流入し、気体状の冷媒7の他に低部に滞留している液体状の冷媒8が流れの慣性の影響で、蒸発器入口近傍と下流側になる長側の右側から短側に渡って厚くなっていき、下部ヘッダー2の長側中央部に近いところで薄くなる傾向がある。よって、下側ヘッダー2から各偏平管3内を上昇して通過する冷媒の量が不均一となり、更には、冷凍サイクル中の粘性の高い冷凍機油も含まれる影響や、各偏平管を流れる冷媒に偏流が発生する影響により、また、条件によっては蒸発器入口からもっとも経路的に距離が短くて抵抗が少なくなる蒸発器出口に近い図8の偏平管3a、3b近傍を冷媒は優先的に通って接続管6に流れ出し、蒸発器入口から出口まで経路において距離的に最も遠くなる下部ヘッダー2の短側に接合された偏平管3e、3f近傍では、管路損失による抵抗が大きくなる為に流入する冷媒も減少する。
【0011】
図10は、蒸発器として使用した場合の熱交換器全体を赤外線測定器で温度分布を測定した結果を簡易的に示したものである。斜線部は他の部分よりも温度が高いことを示したものであり、図10の斜線部に示すように抵抗が大きく下流側となる長側の右側の半分以上および短側の殆どが冷媒流量低下に伴う冷媒過熱度の増大により、熱交換器の性能が大きく低下してしまうという課題を有していた。
【0012】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、パラレルフローの熱交換器を蒸発器や凝縮器として利用した場合でも、良好な分流状態を実現し、充分な熱交換量を得ることが可能なパラレルフロー熱交換器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決する為に、本発明のうちで請求項1記載の発明は所定の距離を置いて略水平に延在する上下一対のヘッダーと、該一対のヘッダー間に配置された複数の偏平管と、隣接する偏平管の間に配置されたフィンとを備えた熱交換器であって、前記一対のヘッダーはL字型に長側と短側に加工されて略水平に延在し、前記熱交換器を蒸発器として使用する場合、前記一対の下ヘッダーの長側または短側のいずれかの端部に接続された冷媒の流入管と、前記一対の上ヘッダーの中央部から屈曲部の間に配置された流出管とをさらに備え、前記流入管に流入した冷媒は、前記偏平管を通過して前記流出管より冷媒が流出するように、前記一対のヘッダー間を移動することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、前記流入管は、前記ヘッダーの長側あるいは短側の一端に前記ヘッダーの長手方向となるように配置されることを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記流入管は、前記ヘッダーの長側および短側の両端部の2箇所に前記ヘッダーの長側および短側の長手方向に接続されたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記熱交換器を蒸発器として使用する場合、前記流入管は前記流出管より管の直径を小さくして前記ヘッダーパイプに配置されることを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項5に記載の発明は、前記熱交換器を凝縮器として使用する場合、前記流入管は、前記流出管より管の直径を大きくして前記ヘッダーパイプに配置されることを特徴とする
特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1にかかるパラレルフロー型熱交換器を示しており、所定の距離を置いて略水平にL字型に延在する下部ヘッダー2及び上部ヘッダー5と、これら二つの上下ヘッダー2、5に両端が接続され両者間に略垂直に配置された複数の偏平管3と、隣接する偏平管3の間に蛇行するように配置されたハニカム状のフィン4と、下部ヘッダー2及び上部ヘッダー5にそれぞれ接続され熱交換器への冷媒の出入口となる接続管1、6とを備えている。また、接続管1は、下部ヘッダー2の長手方向に、接続管6は、上部ヘッダー5に対し、垂直方向に延在し、特に接続管1の直径は接続管6よりも小さくして冷媒が下部ヘッダ5に安定して流入するように工夫されている。また、図1に示す下部ヘッダー2及び上部ヘッダー5において、正面手前側のヘッダー長が長い方を長側と呼び、右側の奥行き方向に延びたヘッダー長の短い方を短側と呼び、これより以下は長側と短側で表現することにする。
【0020】
図1において、実線矢印は熱交換器を蒸発器として使用した場合と、破線矢印はは凝縮器として利用した場合を示しており、蒸発器として利用した場合には下部ヘッダー2の左側が冷媒入口で、上部ヘッダー5は冷媒出口となり、凝縮器として利用した場合は蒸発器の場合とは逆の流れとなる。
【0021】
上記構成の熱交換器を蒸発器として使用した場合、蒸発器への冷媒入口は下部ヘッダー2に接続された接続管1となり、冷媒は偏平管3を通過して、偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行う。熱交換によりガス化した冷媒は上部ヘッダー5に集結し、蒸発器からの冷媒出口となる接続管6を通って冷凍サイクル中の圧縮機(図示せず)の吸入部へ導かれる。
【0022】
一方、上記構成の熱交換器を凝縮器として使用した場合は、圧縮機より吐出された単相の過熱冷媒ガスが凝縮器の接続管6より上部ヘッダー5に流入し、各偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行う。熱交換により凝縮液化した冷媒は、重力の影響も受けながら各偏平管3を均一に流れた後、下部ヘッダー2に流れ込み、凝縮器の接続管1を介して圧縮機の吸入部に導かれる。
【0023】
図2は、蒸発器として使用した場合の熱交換器全体を赤外線測定器で温度分布を測定した結果を簡易的に示したものである。
【0024】
図2において、斜線部は他の部分よりも温度が高く、冷媒がほとんど流れず本来の熱交換器としての役割を果たしていない部分ではあるが、従来例で説明した図10の蒸発器の温度分布と比較すると、温度分布もほとんど均一で熱交換器として有効な面積も増大し、性能も大きく向上する。
【0025】
これは、図1の熱交換器の場合、蒸発器入口となる接続管1から液とガスが混在した2相の冷媒が下部ヘッダー2の左側から水平に流入するために、図3の下部ヘッダー2の長側の拡大概略図に示されるように、下部ヘッダー2の低部に滞留している液体状の冷媒8が下流側になる右方において緩やかに厚くなり下部ヘッダー2に対し垂直に配置された各偏平管3に均等に冷媒が流れるようになるからである。
【0026】
ここで、図4について説明する。図4では、蒸発器出口である上部ヘッダー5の接続管6の位置を長側の左端のA、上部ヘッダー5の中央B、長側右端および短側左端であるC、短側右端のDとなる各々のA〜Dまで変化させたときの熱交換器の蒸発能力の変化を示したものであり、横軸に接続管6の位置、縦軸に蒸発器の能力Qの変化割合を示したものである。従って、上部ヘッダー5の中央B〜長側右端Cの位置の間に接続管6を配置すれば、冷媒の分流状態も良好で、蒸発器の能力を75%以上維持することができる。
【0027】
従って、蒸発器出口となる接続管6の位置が、上部ヘッダー5の最適な場所に設置され、図3に示すように下部ヘッダー2内部で下流側に向かうほど滑らかに冷媒液相が増加する傾向にあり、従来例で示した下部ヘッダー2内の冷媒の状態よりも冷媒液相が均一化されて、各偏平管3に流入する冷媒量も均一化されたものと考えられる。さらに、図1に示すように冷媒が各偏平管3を通過しながら熱交換によりガス化し、管内での圧力損失が最も高くなって通過する上部ヘッダー5内において、冷媒出口の位置が分流状態が最適となる位置に配置されているので、中央出口より最も遠い上部ヘッダー5の長側の左端に配置してある3aおよび短側の右端3fの偏平管を通過したガス冷媒が出口に向かって通過する際、短側右端3fを通過した冷媒はL字の屈曲した経路を通る為に管路損失が大きくなるので、長側中央より短側よりとなる位置に接続管6を設置することにより管路損失も等しくなる。よって、熱交換器内の圧力分布も等しくなり、冷媒の偏流が小さくなって、熱交換器をより有効に利用でき、性能を向上させることが可能となる。
【0028】
また蒸発器では冷媒入口の接続管1の直径を蒸発器出口となる接続管6よりも小さくすることで、蒸発器出口での管内の圧力損失を低減し、蒸発器入口に流入する冷媒の流速の増加と共に、液とガスの比率が均等になった冷媒を蒸発器入口より最も遠い下部ヘッダー2の短側の右端まで運び、各偏平管3に流すことができる。
【0029】
逆に、凝縮器として使用した場合、凝縮器入口の接続管6の直径を凝縮器出口の接続管1よりも大きくすることで、高温高圧の単相ガスの冷媒が、接続管6を通過したときの圧力損失による性能低下を抑止することができる。
【0030】
なお、上記構成において、接続管1、6は、図1に示される位置に特定されているが、特に位置は限定されるものではなく左右逆に取り付けることもでき、熱交換器の形態により位置を変更することができる。
【0031】
また、下部ヘッダー2や上部ヘッダー5あるいは、接続管1、6は円筒状の形状に代えて、四角形や楕円形、多角形やその他の形状を用いても良い。
【0032】
更に、本実施の形態に用いたL字型の熱交換器は、曲げて加工したり、長側と短側を溶接等のその他の手法によって接続しても構わず、特にL字以外の形態でも同様の意味をなるものである。
【0033】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2にかかるパラレルフロー型熱交換器を示しており、図1〜4と同じ構成の場合は同一符号を用いて説明を一部省略する。図5中の実線矢印は熱交換器を蒸発器として使用した場合を、破線矢印は凝縮器として利用した場合を示している。
【0034】
また、蒸発器として使用した場合には、下部ヘッダー2の長側左端および短側右端の両側が冷媒入口で、上部ヘッダ5が冷媒出口となり、凝縮器として使用した場合は、蒸発器として使用した場合とは逆の流れとなる。
【0035】
本実施の形態においては、冷媒が各偏平管3に最も均一に流入するように下部ヘッダー2の長手方向の両側に接続管1及び1aを配置し、接続管1および1aの直径を接続管6より小さくした点にある。
【0036】
本実施の形態によれば、熱交換器を蒸発器として使用した場合、冷媒が接続管1及び1aより下部ヘッダー2へ流入した後、図5の実線矢印で示すように冷媒は、各偏平管3に均等に流入し、蒸発器出口となる接続管6より、冷凍サイクル中に設けられた圧縮機の吸入部に導かれる。したがって、蒸発器としての冷媒入口が下部ヘッダー2に2箇所あることになる。
【0037】
図6は、蒸発器として使用した場合の熱交換器全体を赤外線測定器で温度分布を測定した結果を簡易的に示したものである。
【0038】
図6において、斜線部は他の部分よりも温度が高く、冷媒がほとんど流れず本来の熱交換器としての役割を果たしていない部分ではあるが、上述した図2にである実施の形態1の熱交換器の蒸発器の温度分布と比較すると、温度分布がさらに均一になり、熱交換器として有効な面積も増大し、性能も更に向上する。これは、図5の熱交換器の場合、下部ヘッダー2の両側である接続管1及び1aの2箇所から冷媒が流入するために、流速が低下しても、下部ヘッダーの中に満遍なく冷媒が行き渡ると共に、冷媒の流れの慣性の影響が上述の図2の熱交換器よりも小さくなるので、下部ヘッダー2内の冷媒液相がさらに均一化されて、各偏平管3を均等に冷媒が流れるようになるからである。従って、熱交換器性能をさらに向上させることが可能となる。
【0039】
また、図7に示すように、上記実施の形態1と同様に上部ヘッダー5の蒸発器出口である接続管6の位置を、長側の左端のA、上部ヘッダー5の中央B、長側右端および短側左端であるC、短側右端のDとなる各々のA〜Dまで変化させたときの熱交換器の蒸発能力の変化を示したものであり、上部ヘッダー5の中央B〜長側右端Cの位置の間に接続管6を配置すれば、蒸発器入口が1箇所であった図4の蒸発器よりも更に冷媒の分流状態も良好となり、蒸発器の能力を90%以上維持することができる。
【0040】
従って、蒸発器出口となる接続管6の位置が、上部ヘッダー5の最適な場所に設置され、蒸発器入口の接続管が2箇所配置されることにより、上記実施の形態1で示した下部ヘッダー2内の冷媒の状態よりも更に冷媒液相が均一化されたものと考えられる。また、熱交換器内の圧力分布もより等しくなり、冷媒の偏流が小さくなって、熱交換器をより有効に利用でき、性能を向上させることが可能となる。
【0041】
なお、上記構成において、接続管1、1a、6および下部ヘッダー2や上部ヘッダー5は円筒状の形状に代えて、四角形や楕円形、多角形やその他の形状を用いても良い。
【0042】
また、下部ヘッダー2や上部ヘッダー5あるいは、接続管1、6は円筒状の形状に代えて、四角形や楕円形、多角形やその他の形状を用いても良い。
【0043】
更に、本実施の形態に用いたL字型の熱交換器は、曲げて加工したり、長側と短側を溶接等のその他の手法によって接続しても構わず、特にL字以外の形態でも同様の意味をなるものである。
【0044】
なお、上記各実施の形態では偏平管を用いているため、管の肉厚が同等でも、管径が小さいため、耐圧が大きくなり、特に圧力の高い二酸化炭素冷媒を用いる時に、上記各実施の形態の熱交換器が有効である。
【0045】
また、偏平管の管内容積が小さいため、冷媒量を減らすことができ、可燃性冷媒であるHC冷媒等を用いる時、上記各実施の形態の熱交換器が有効である。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0047】
本発明にかかる熱交換器を蒸発器として使用した場合、冷媒状態が変化した場合でも各偏平管に流れる冷媒の分流が均一化されるので、熱交換性能を最大限に引き出すことができる熱交換器を提供することができる。
【0048】
また、本発明にかかる熱交換器を蒸発器と凝縮器を併用して、冷凍サイクルに利用した場合でも、複雑な加工や大型化の必要性がなく熱交換性能を向上することができるとともに、収納性やコンパクト化を図りながら加工性、生産性の向上した熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるパラレルフロー型熱交換器の概略正面図
【図2】図1の熱交換器における温度分布を示す概略正面図
【図3】図1の熱交換器の下部ヘッダー内部の冷媒状態図
【図4】図1の熱交換器の接続管の位置と蒸発能力Qの関係を示す概略図
【図5】本発明の実施の形態2にかかるパラレルフロー型熱交換器の概略正面図
【図6】図5の熱交換器における温度分布を示す概略正面図
【図7】図5の熱交換器の接続管の位置と蒸発能力Qの関係を示す概略図
【図8】従来の熱交換器の概略正面図
【図9】図8の熱交換器の下部ヘッダー内部の冷媒状態図
【図10】図8の熱交換器における温度分布を示す概略正面図
【符号の説明】
1、1a 接続管
2 下部ヘッダー
3、3a、3b、3c,3d,3e,3f 偏平管
4 フィン
5 上部ヘッダー
6 接続管
7 気体状の冷媒
8 液体状の冷媒
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式空気調和機に利用される熱交換器に関し、特に複数の偏平管に分流される冷媒の分流量の均等化を図ることのできる熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機の冷凍サイクルを構成している熱交換器は、熱交換能力が小さい場合には、冷媒の循環量が少なく、偏平管内の圧力損失が小さい為、冷媒通路は単一で良いが、熱交換量が大きい場合には、冷媒の循環量が多く、複数の冷媒通路が必要となってくる。このように複数の冷媒通路が必要な場合、冷媒を複数の偏平管に均等に分流して熱交換器の性能を最大限に発揮させる為の工夫が必要となる。
【0003】
ここで、図8において、パラレルフロータイプの熱交換器を蒸発器に使用した場合について説明する。図8に示す従来例の場合、2はL字に曲げられた中空円筒状の下部ヘッダーであり、正面手前側のヘッダー長の長い方を長側、右側の奥行き方向に曲げられた方をヘッダー長の短い方を短側とし、これより以下は長側と短側で表現することにする。
【0004】
短側の右側は閉じてあり、このヘッダー2が蒸発器として使用される場合、冷媒が流入する接続管1に接合されている。下部ヘッダー2に流入した冷媒は各ヘッダーに連通する偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行い、更にガス化した冷媒は中空円筒状である上側ヘッダーより蒸発器の接続管6から流出する。
【0005】
また、凝縮器として使用した場合は、冷凍サイクル中の四方弁によるサイクル切換え弁により蒸発器とは冷媒の流入方向が異なり、図8に示す従来例の場合、圧縮機より吐出された高温高圧の単相の過熱冷媒ガスが凝縮器の接続管6より上側ヘッダー5に流入して各ヘッダーに連通する偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行い、凝縮液化した冷媒は中空円筒状である下部ヘッダー2より凝縮器の接続管1から流出する。また、3は熱伝導性の良いアルミニウムや銅合金等の金属からなる偏平な断面外形を有する熱交換器用の偏平管で、内部に1本ないし数本の冷媒通路を有し、下部ヘッダー2と上部ヘッダー5とを連通するように、それらのヘッダーを橋絡して垂直に複数本取り付けられている。
【0006】
また、複数の偏平管3には、均等に冷媒が分配されて分流状態を良好にし、性能を充分に発揮できるように様々な工夫がなされ、各偏平管の間には熱伝導性の良いアウルミニウムや銅合金等の薄い金属板を波形に成形したフィン4が、複数の偏平管3のなす面に対して直角方向に無数のハニカム状の通気路を形成するように取り付けられて、空気と冷媒の熱交換を円滑に行われている。
【0007】
従来このような空気調和機用の熱交換器の分流状態を良好にした構成例としては、ヘッダー内部の仕切り板をヘッダーの軸直角方向に対して傾斜させているものや、また、偏平管3の端面を傾斜させたものもある(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6―174335号公報(第1―5頁、第1図)
【特許文献2】
特開平8―5194号公報(第1―5頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のパラレルフローの熱交換器を凝縮器として使用した場合、圧縮機から吐出された単相の過熱冷媒ガスが図8に示す上部ヘッダー5に接続管6より流入し、各偏平管3を均一に流れて空気と熱交換した後、凝縮液化した冷媒は重力の影響を受けて下部ヘッダー2に流れる為に各偏平管3を流れる冷媒の分流状態に大きな問題は見られない。
【0010】
しかしながら、蒸発器として利用した場合に、図9に示す下部ヘッダー2の長側を拡大した概略図に示すように、液とガスが混在したニ相の冷媒が、下部ヘッダー2の長側に流入し、気体状の冷媒7の他に低部に滞留している液体状の冷媒8が流れの慣性の影響で、蒸発器入口近傍と下流側になる長側の右側から短側に渡って厚くなっていき、下部ヘッダー2の長側中央部に近いところで薄くなる傾向がある。よって、下側ヘッダー2から各偏平管3内を上昇して通過する冷媒の量が不均一となり、更には、冷凍サイクル中の粘性の高い冷凍機油も含まれる影響や、各偏平管を流れる冷媒に偏流が発生する影響により、また、条件によっては蒸発器入口からもっとも経路的に距離が短くて抵抗が少なくなる蒸発器出口に近い図8の偏平管3a、3b近傍を冷媒は優先的に通って接続管6に流れ出し、蒸発器入口から出口まで経路において距離的に最も遠くなる下部ヘッダー2の短側に接合された偏平管3e、3f近傍では、管路損失による抵抗が大きくなる為に流入する冷媒も減少する。
【0011】
図10は、蒸発器として使用した場合の熱交換器全体を赤外線測定器で温度分布を測定した結果を簡易的に示したものである。斜線部は他の部分よりも温度が高いことを示したものであり、図10の斜線部に示すように抵抗が大きく下流側となる長側の右側の半分以上および短側の殆どが冷媒流量低下に伴う冷媒過熱度の増大により、熱交換器の性能が大きく低下してしまうという課題を有していた。
【0012】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、パラレルフローの熱交換器を蒸発器や凝縮器として利用した場合でも、良好な分流状態を実現し、充分な熱交換量を得ることが可能なパラレルフロー熱交換器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決する為に、本発明のうちで請求項1記載の発明は所定の距離を置いて略水平に延在する上下一対のヘッダーと、該一対のヘッダー間に配置された複数の偏平管と、隣接する偏平管の間に配置されたフィンとを備えた熱交換器であって、前記一対のヘッダーはL字型に長側と短側に加工されて略水平に延在し、前記熱交換器を蒸発器として使用する場合、前記一対の下ヘッダーの長側または短側のいずれかの端部に接続された冷媒の流入管と、前記一対の上ヘッダーの中央部から屈曲部の間に配置された流出管とをさらに備え、前記流入管に流入した冷媒は、前記偏平管を通過して前記流出管より冷媒が流出するように、前記一対のヘッダー間を移動することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、前記流入管は、前記ヘッダーの長側あるいは短側の一端に前記ヘッダーの長手方向となるように配置されることを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記流入管は、前記ヘッダーの長側および短側の両端部の2箇所に前記ヘッダーの長側および短側の長手方向に接続されたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、前記熱交換器を蒸発器として使用する場合、前記流入管は前記流出管より管の直径を小さくして前記ヘッダーパイプに配置されることを特徴とする。
【0017】
さらに、請求項5に記載の発明は、前記熱交換器を凝縮器として使用する場合、前記流入管は、前記流出管より管の直径を大きくして前記ヘッダーパイプに配置されることを特徴とする
特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1にかかるパラレルフロー型熱交換器を示しており、所定の距離を置いて略水平にL字型に延在する下部ヘッダー2及び上部ヘッダー5と、これら二つの上下ヘッダー2、5に両端が接続され両者間に略垂直に配置された複数の偏平管3と、隣接する偏平管3の間に蛇行するように配置されたハニカム状のフィン4と、下部ヘッダー2及び上部ヘッダー5にそれぞれ接続され熱交換器への冷媒の出入口となる接続管1、6とを備えている。また、接続管1は、下部ヘッダー2の長手方向に、接続管6は、上部ヘッダー5に対し、垂直方向に延在し、特に接続管1の直径は接続管6よりも小さくして冷媒が下部ヘッダ5に安定して流入するように工夫されている。また、図1に示す下部ヘッダー2及び上部ヘッダー5において、正面手前側のヘッダー長が長い方を長側と呼び、右側の奥行き方向に延びたヘッダー長の短い方を短側と呼び、これより以下は長側と短側で表現することにする。
【0020】
図1において、実線矢印は熱交換器を蒸発器として使用した場合と、破線矢印はは凝縮器として利用した場合を示しており、蒸発器として利用した場合には下部ヘッダー2の左側が冷媒入口で、上部ヘッダー5は冷媒出口となり、凝縮器として利用した場合は蒸発器の場合とは逆の流れとなる。
【0021】
上記構成の熱交換器を蒸発器として使用した場合、蒸発器への冷媒入口は下部ヘッダー2に接続された接続管1となり、冷媒は偏平管3を通過して、偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行う。熱交換によりガス化した冷媒は上部ヘッダー5に集結し、蒸発器からの冷媒出口となる接続管6を通って冷凍サイクル中の圧縮機(図示せず)の吸入部へ導かれる。
【0022】
一方、上記構成の熱交換器を凝縮器として使用した場合は、圧縮機より吐出された単相の過熱冷媒ガスが凝縮器の接続管6より上部ヘッダー5に流入し、各偏平管3に密着したフィン4を介して空気と熱交換を行う。熱交換により凝縮液化した冷媒は、重力の影響も受けながら各偏平管3を均一に流れた後、下部ヘッダー2に流れ込み、凝縮器の接続管1を介して圧縮機の吸入部に導かれる。
【0023】
図2は、蒸発器として使用した場合の熱交換器全体を赤外線測定器で温度分布を測定した結果を簡易的に示したものである。
【0024】
図2において、斜線部は他の部分よりも温度が高く、冷媒がほとんど流れず本来の熱交換器としての役割を果たしていない部分ではあるが、従来例で説明した図10の蒸発器の温度分布と比較すると、温度分布もほとんど均一で熱交換器として有効な面積も増大し、性能も大きく向上する。
【0025】
これは、図1の熱交換器の場合、蒸発器入口となる接続管1から液とガスが混在した2相の冷媒が下部ヘッダー2の左側から水平に流入するために、図3の下部ヘッダー2の長側の拡大概略図に示されるように、下部ヘッダー2の低部に滞留している液体状の冷媒8が下流側になる右方において緩やかに厚くなり下部ヘッダー2に対し垂直に配置された各偏平管3に均等に冷媒が流れるようになるからである。
【0026】
ここで、図4について説明する。図4では、蒸発器出口である上部ヘッダー5の接続管6の位置を長側の左端のA、上部ヘッダー5の中央B、長側右端および短側左端であるC、短側右端のDとなる各々のA〜Dまで変化させたときの熱交換器の蒸発能力の変化を示したものであり、横軸に接続管6の位置、縦軸に蒸発器の能力Qの変化割合を示したものである。従って、上部ヘッダー5の中央B〜長側右端Cの位置の間に接続管6を配置すれば、冷媒の分流状態も良好で、蒸発器の能力を75%以上維持することができる。
【0027】
従って、蒸発器出口となる接続管6の位置が、上部ヘッダー5の最適な場所に設置され、図3に示すように下部ヘッダー2内部で下流側に向かうほど滑らかに冷媒液相が増加する傾向にあり、従来例で示した下部ヘッダー2内の冷媒の状態よりも冷媒液相が均一化されて、各偏平管3に流入する冷媒量も均一化されたものと考えられる。さらに、図1に示すように冷媒が各偏平管3を通過しながら熱交換によりガス化し、管内での圧力損失が最も高くなって通過する上部ヘッダー5内において、冷媒出口の位置が分流状態が最適となる位置に配置されているので、中央出口より最も遠い上部ヘッダー5の長側の左端に配置してある3aおよび短側の右端3fの偏平管を通過したガス冷媒が出口に向かって通過する際、短側右端3fを通過した冷媒はL字の屈曲した経路を通る為に管路損失が大きくなるので、長側中央より短側よりとなる位置に接続管6を設置することにより管路損失も等しくなる。よって、熱交換器内の圧力分布も等しくなり、冷媒の偏流が小さくなって、熱交換器をより有効に利用でき、性能を向上させることが可能となる。
【0028】
また蒸発器では冷媒入口の接続管1の直径を蒸発器出口となる接続管6よりも小さくすることで、蒸発器出口での管内の圧力損失を低減し、蒸発器入口に流入する冷媒の流速の増加と共に、液とガスの比率が均等になった冷媒を蒸発器入口より最も遠い下部ヘッダー2の短側の右端まで運び、各偏平管3に流すことができる。
【0029】
逆に、凝縮器として使用した場合、凝縮器入口の接続管6の直径を凝縮器出口の接続管1よりも大きくすることで、高温高圧の単相ガスの冷媒が、接続管6を通過したときの圧力損失による性能低下を抑止することができる。
【0030】
なお、上記構成において、接続管1、6は、図1に示される位置に特定されているが、特に位置は限定されるものではなく左右逆に取り付けることもでき、熱交換器の形態により位置を変更することができる。
【0031】
また、下部ヘッダー2や上部ヘッダー5あるいは、接続管1、6は円筒状の形状に代えて、四角形や楕円形、多角形やその他の形状を用いても良い。
【0032】
更に、本実施の形態に用いたL字型の熱交換器は、曲げて加工したり、長側と短側を溶接等のその他の手法によって接続しても構わず、特にL字以外の形態でも同様の意味をなるものである。
【0033】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2にかかるパラレルフロー型熱交換器を示しており、図1〜4と同じ構成の場合は同一符号を用いて説明を一部省略する。図5中の実線矢印は熱交換器を蒸発器として使用した場合を、破線矢印は凝縮器として利用した場合を示している。
【0034】
また、蒸発器として使用した場合には、下部ヘッダー2の長側左端および短側右端の両側が冷媒入口で、上部ヘッダ5が冷媒出口となり、凝縮器として使用した場合は、蒸発器として使用した場合とは逆の流れとなる。
【0035】
本実施の形態においては、冷媒が各偏平管3に最も均一に流入するように下部ヘッダー2の長手方向の両側に接続管1及び1aを配置し、接続管1および1aの直径を接続管6より小さくした点にある。
【0036】
本実施の形態によれば、熱交換器を蒸発器として使用した場合、冷媒が接続管1及び1aより下部ヘッダー2へ流入した後、図5の実線矢印で示すように冷媒は、各偏平管3に均等に流入し、蒸発器出口となる接続管6より、冷凍サイクル中に設けられた圧縮機の吸入部に導かれる。したがって、蒸発器としての冷媒入口が下部ヘッダー2に2箇所あることになる。
【0037】
図6は、蒸発器として使用した場合の熱交換器全体を赤外線測定器で温度分布を測定した結果を簡易的に示したものである。
【0038】
図6において、斜線部は他の部分よりも温度が高く、冷媒がほとんど流れず本来の熱交換器としての役割を果たしていない部分ではあるが、上述した図2にである実施の形態1の熱交換器の蒸発器の温度分布と比較すると、温度分布がさらに均一になり、熱交換器として有効な面積も増大し、性能も更に向上する。これは、図5の熱交換器の場合、下部ヘッダー2の両側である接続管1及び1aの2箇所から冷媒が流入するために、流速が低下しても、下部ヘッダーの中に満遍なく冷媒が行き渡ると共に、冷媒の流れの慣性の影響が上述の図2の熱交換器よりも小さくなるので、下部ヘッダー2内の冷媒液相がさらに均一化されて、各偏平管3を均等に冷媒が流れるようになるからである。従って、熱交換器性能をさらに向上させることが可能となる。
【0039】
また、図7に示すように、上記実施の形態1と同様に上部ヘッダー5の蒸発器出口である接続管6の位置を、長側の左端のA、上部ヘッダー5の中央B、長側右端および短側左端であるC、短側右端のDとなる各々のA〜Dまで変化させたときの熱交換器の蒸発能力の変化を示したものであり、上部ヘッダー5の中央B〜長側右端Cの位置の間に接続管6を配置すれば、蒸発器入口が1箇所であった図4の蒸発器よりも更に冷媒の分流状態も良好となり、蒸発器の能力を90%以上維持することができる。
【0040】
従って、蒸発器出口となる接続管6の位置が、上部ヘッダー5の最適な場所に設置され、蒸発器入口の接続管が2箇所配置されることにより、上記実施の形態1で示した下部ヘッダー2内の冷媒の状態よりも更に冷媒液相が均一化されたものと考えられる。また、熱交換器内の圧力分布もより等しくなり、冷媒の偏流が小さくなって、熱交換器をより有効に利用でき、性能を向上させることが可能となる。
【0041】
なお、上記構成において、接続管1、1a、6および下部ヘッダー2や上部ヘッダー5は円筒状の形状に代えて、四角形や楕円形、多角形やその他の形状を用いても良い。
【0042】
また、下部ヘッダー2や上部ヘッダー5あるいは、接続管1、6は円筒状の形状に代えて、四角形や楕円形、多角形やその他の形状を用いても良い。
【0043】
更に、本実施の形態に用いたL字型の熱交換器は、曲げて加工したり、長側と短側を溶接等のその他の手法によって接続しても構わず、特にL字以外の形態でも同様の意味をなるものである。
【0044】
なお、上記各実施の形態では偏平管を用いているため、管の肉厚が同等でも、管径が小さいため、耐圧が大きくなり、特に圧力の高い二酸化炭素冷媒を用いる時に、上記各実施の形態の熱交換器が有効である。
【0045】
また、偏平管の管内容積が小さいため、冷媒量を減らすことができ、可燃性冷媒であるHC冷媒等を用いる時、上記各実施の形態の熱交換器が有効である。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0047】
本発明にかかる熱交換器を蒸発器として使用した場合、冷媒状態が変化した場合でも各偏平管に流れる冷媒の分流が均一化されるので、熱交換性能を最大限に引き出すことができる熱交換器を提供することができる。
【0048】
また、本発明にかかる熱交換器を蒸発器と凝縮器を併用して、冷凍サイクルに利用した場合でも、複雑な加工や大型化の必要性がなく熱交換性能を向上することができるとともに、収納性やコンパクト化を図りながら加工性、生産性の向上した熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるパラレルフロー型熱交換器の概略正面図
【図2】図1の熱交換器における温度分布を示す概略正面図
【図3】図1の熱交換器の下部ヘッダー内部の冷媒状態図
【図4】図1の熱交換器の接続管の位置と蒸発能力Qの関係を示す概略図
【図5】本発明の実施の形態2にかかるパラレルフロー型熱交換器の概略正面図
【図6】図5の熱交換器における温度分布を示す概略正面図
【図7】図5の熱交換器の接続管の位置と蒸発能力Qの関係を示す概略図
【図8】従来の熱交換器の概略正面図
【図9】図8の熱交換器の下部ヘッダー内部の冷媒状態図
【図10】図8の熱交換器における温度分布を示す概略正面図
【符号の説明】
1、1a 接続管
2 下部ヘッダー
3、3a、3b、3c,3d,3e,3f 偏平管
4 フィン
5 上部ヘッダー
6 接続管
7 気体状の冷媒
8 液体状の冷媒
Claims (5)
- 所定の距離を置いて略水平に延在する上下一対のヘッダーと、該一対のヘッダー間に配置された複数の偏平管と、隣接する偏平管の間に配置されたフィンとを備えた熱交換器であって、前記一対のヘッダーはL字型に長側と短側に加工されて略水平に延在し、前記熱交換器を蒸発器として使用する場合、前記一対の下ヘッダーの長側または短側のいずれかの端部に接続された冷媒の流入管と、前記一対の上ヘッダーの中央部から屈曲部の間に配置された流出管とをさらに備え、前記流入管に流入した冷媒は、前記偏平管を通過して前記流出管より冷媒が流出するように、前記一対のヘッダー間を移動することを特徴とする熱交換器。
- 前記流入管は、前記ヘッダーの長側あるいは短側の一端に前記ヘッダーの長手方向となるように配置されることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
- 前記流入管は、前記ヘッダーの長側および短側の両端部の2箇所に前記ヘッダーの長側および短側の長手方向に接続されたことを特徴とする前記請求項1あるいは2記載の熱交換器。
- 前記熱交換器を蒸発器として使用する場合、前記流入管は前記流出管より管の直径を小さくして前記ヘッダーパイプに配置されることを特徴とする請求項1〜3記載の熱交換器。
- 前記熱交換器を凝縮器として使用する場合、前記流入管は、前記流出管より管の直径を大きくして前記ヘッダーパイプに配置されることを特徴とする請求項1〜3記載の熱交換器。
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Cited By (2)
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CN103968610A (zh) * | 2013-02-05 | 2014-08-06 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空调器及其微通道换热器 |
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2003
- 2003-06-27 JP JP2003184173A patent/JP2005016865A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009109112A1 (zh) * | 2008-03-03 | 2009-09-11 | Sun Haichao | 一种专用于空调机的平行流热交换器 |
CN103968610A (zh) * | 2013-02-05 | 2014-08-06 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空调器及其微通道换热器 |
CN103968610B (zh) * | 2013-02-05 | 2016-07-06 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空调器及其微通道换热器 |
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