JP2005016609A - パイロットクラッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】電磁コイルからの磁力がこれの磁力作用面側から集中して放射するようにする。
【解決手段】リング状の電磁コイルの磁力作用面からの磁力にてクラッチを作用するパイロットクラッチ9において、電磁コイル23を、これの磁力作用面を除く内面側、外面側、背面の3方に磁性体24,25,26を沿わせ、これらの磁性体ごと、上記磁力作用面を露出させて非磁性体22にて覆った。
【選択図】 図3
【解決手段】リング状の電磁コイルの磁力作用面からの磁力にてクラッチを作用するパイロットクラッチ9において、電磁コイル23を、これの磁力作用面を除く内面側、外面側、背面の3方に磁性体24,25,26を沿わせ、これらの磁性体ごと、上記磁力作用面を露出させて非磁性体22にて覆った。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁式カップリングに用いるパイロットクラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記電磁式カップリングは例えば特許文献1によって知られており、その構成は図1に示すようになっている。図中1はエンジン側に連結されている入力軸、2は動力を後輪に伝える出力軸で、両軸はメインクラッチ3にてON、OFF可能にして連結されている。メインクラッチ3は、内径側を入力軸1側にスプライン係合するインナープレート3aと、外径側を出力軸2側に設けたケース2aの内側にスプライン係合するアウタープレート3bを交互に配置し、これをケース2aの先端側に固着した固定板4に向けて押圧装置5の押し板6にて押圧することにより両軸1,2の係合がONとなり、押圧を解除することによりOFFとなるようになっている。
【0003】
押圧装置5は上記押し板6と、この押し板6の後側に配置される受け板7と、この受け板7に対して押し板6を押動作用させるためのスラスト力発生機構8とからなっている。
【0004】
押し板6の内径側は入力軸1にスプライン係合されている。また受け板7は出力軸2のケース2aに対してスラストベアリングにて回転自在に支持されていると共に、内径側は入力軸1側に摺動自在に嵌合されている。そしてこの受け板7は、この受け板7より外側に設けたパイロットクラッチ9を介して出力軸2のケース2aに回転方向に係脱可能に連結されている。
【0005】
パイロットクラッチ9は上記受け板7の外側とケース2aの内側にてリング状の空間が構成され、この空間内にリテーニングリング10がストップリングに当接する範囲において摺動可能に嵌合されている。このリテーニングリング10とケース2aとの間に、内径側が受け板7にスプライン係合するクラッチ板と外径側がケース2a側にスプライン係合する摩擦板とが交互に配置されている。そしてケース2aには励磁力にて上記リテーニングリング10をケース2a側へ引きつけて上記クラッチ板と摩擦板を押圧し、パイロットクラッチ9をONにするためのリング状の電磁コイル11が設けてある。
【0006】
電磁コイル11はケース2aに設けたリング状の凹部12内に上記パイロットクラッチ9側へ向けて配置されている。そしてこの電磁コイル11は出力軸2に回転自在に嵌合され、フレーム側に結合されたカバー13に支持されている。
【0007】
ケース2aの電磁コイル11に対向するロータ部には、非磁性体であるステンレススチールの非磁性リング14によって径方向に外側と内側に分断されており、またパイロットクラッチ9の各プレートには、非磁性リング14と対応する径方向位置に、切欠きとこれらを連結するブリッジ部とが設けており、これら非磁性リング14と切欠きによって、電磁コイル11の磁気ループ15での磁力の短絡が防止されている。
【0008】
上記構成の電磁式カップリングは以下のような作用がなされる。
【0009】
電磁コイル11への通電をONにすると、磁気ループ15が発生して、この電磁コイル11の励磁力によりリテーニングリング10が引きつけられてパイロットクラッチ9の両板がケース2a側へ押圧されてこのパイロットクラッチ9がONになり、これにより押圧装置5の受け板7がパイロットクラッチ9を介してケース2aに、すなわち出力軸2側に係合される。4WDカップリングにあってはこの状態が4WD状態である。
【0010】
この状態で後輪のスリップ等により入力軸1と出力軸2との間に回転差が生じると、出力軸2側に係合しているこの受け板7と、入力軸1側に係合している押し板6との間に回転差が生じ、この回転差によりスラスト力発生機構8が作動して受け板7に対して押し板6が押されてメインクラッチ3がONとなり、入力軸1と出力軸2が係合して両軸は一体回転される。
【0011】
そして上記スラスト力発生機構8は図2(a)に示すようになっていて、押し板6と受け板7のそれぞれの対向面に設けられた凹状カム6a,7aにボール8aを介装する構成になっている。そして両板6,7に回転差が生じると図2(b)に示すようにボール8aが凹状カム6a,7aを乗り上げることにより押し板6が受け板7に対して離間する方向に移動し、これにより押圧作動がなされるようになっている。
【0012】
【特許文献】
特開2002−266904号公報(第5〜6頁、図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電磁式カップリングにおいてのパイロットクラッチはメインクラッチの容量に応じて伝達トルクを大きくしなければならない。メインクラッチにて大きなトルクを伝達しようとしても、パイロットクラッチの容量が不足するとクラッチが滑るなどの不具合が生じる。また、従来は、磁力を強化するために、電磁コイルを収納するハウジングの内外径部の肉厚や形状を工夫するなど、多大な工数、時間を要していた。
【0014】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、電磁コイルの磁力を効率よく軸方向に出すことができ、小型の電磁コイルでもって大きな締結力を得ることができるようにしたパイロットクラッチを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のパイロットクラッチの電磁コイルの磁力発生のメカニズムを考察したところ、電磁コイルを収納しているケースが鋼等の磁性体にて構成されていることにより、この電磁コイルの磁気ループ15は図1に示したように、電磁コイルを収納しているケースの内外壁を経てリテーニングリング10に至っており、磁気ループ15がケースの壁を通る際に磁力が減衰されていることがわかった。
【0016】
そこで、本発明に係るパイロットクラッチでは、リング状の電磁コイルの磁力作用面からの磁力にてクラッチを作動する電磁クラッチにおいて、電磁コイルを、これの磁力作用面を除く内面側、外面側、背面の3方に磁性体を沿わせ、これらの磁性体ごと、上記磁力作用面を露出させて非磁性体にて覆った構成になっている。
【0017】
【作 用】
通電時に電磁コイルに発生する磁力線は、周囲の非磁性体にとじ込められた状態で電磁コイルの3方に添わせた磁性体を通って磁力作用面から放出される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図3に基づいて説明する。なおこの説明において、図1に示した従来の技術における構成部材と同一部材は同一符号を付して説明を省略する。
【0019】
図3において、図中21はメインクラッチ3及びパイロットクラッチ9のリテーニングプレート10を含む作用部を収納する出力軸2と一体になっているケースで、このケース21の内側にメインクラッチ3のアウタープレート3bとパイロットクラッチ9の一方のクラッチ部材であるインナープレート3aがスプライン係合されている。そしてこのケース2のロータ部にもステンレススティールの非磁性リング14が設けてある。またリテーニングリング10及びパイロットクラッチ9のプレート(クラッチ板、摩擦板)には磁性が強く低炭素の電磁軟鉄、あるいは本願の出願人が先に特開2001−33470号公報にて提案した電磁気特性に優れた磁性体であるところの、構成材料の化学成分が重量%で、C:2.7〜3.9、Si:3.3〜4.8、Mn:0.3〜1.2、P≦0.1、S≦0.1、Mo:0.1〜1.5、Mg:0.01〜0.1、Ce及びLaの少なくとも一方が0.01〜0.1、残りFeからなり、炭素当量(C・E)≧4.3の球状黒鉛鋳鉄が用いられている。
【0020】
22は上記出力軸2に軸受を介して回転自在に嵌合され、かつ図示しないフレーム側に固定された非磁性材料に構成されたカバー部材で、この実施の形態では樹脂、例えばナイロン(登録商標、以下同様)で構成されている。このカバー部材22内に電磁コイル23が、これの一部である磁力作用面がパイロットクラッチ9のローター部に対向させて配置されている。そしてこの電磁コイル23の背面側と、内周側と、外周側には上記カバー部材22内において、鉄材等の磁性体からなる背面側磁性体24、内周側磁性体25、外周側磁性体26が隙間なく添わせてある。内・外周側の各磁性体25,26は電磁コイル23の径方向の厚さより薄い厚みを有する円筒状になっている。そして電磁コイル24は、これらの磁性体24,25,26ごと樹脂にて構成されるカバー部材22内にモールディングにより配置される。なおこの電磁コイル23には図示しないリード線が接続されている。
【0021】
この構成において、電磁コイル23に通電することにより、この電磁コイル23の内外周にループ状の磁力が発生し、この磁力は非磁性体からなるカバー部材22内にとじ込められると共に、背面側磁性体24より内・外周側の磁性体25,26を通ってパイロットクラッチ9のローター部へ向けて放射される。
【0022】
このとき、内・外周側の磁性体25,26の厚みが電磁コイル23の径方向の厚さより小さいこと、及びこれらが非電性のカバー部材22にて覆われていることにより、電磁コイル23の内・外周側を通る磁力は減衰されず、磁力作用面側へ集中して放射される。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、パイロットクラッチの電磁コイルからの磁力がこれの磁力作用面側から集中して放射される。従って電磁コイルの磁力を効率よく用いることができ、所期の強さの磁力線を放射する電磁コイルを小型化でき、かつ小型の電磁コイルでもって大きな締結力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いる電磁式カップリングの一例を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)はスラスト力発生機構部の作用を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…入力軸、2…出力軸、2a…ケース、3…メインクラッチ、3a…インナープレート、3b…アウタープレート、4…固定板、5…押圧装置、6…押し板、7…受け板、6a,7a…凹状カム、8…スラスト力発生機構、8a…ボール、9…パイロットクラッチ、10…リテーニングリング、11…電磁コイル、12…凹部、13…カバー、14…非磁性リング、15…磁気ループ、21…ケース、22…カバー部材、23…電磁コイル、24…背面側磁性体、25…内周側磁性体、26…外周側磁性体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁式カップリングに用いるパイロットクラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記電磁式カップリングは例えば特許文献1によって知られており、その構成は図1に示すようになっている。図中1はエンジン側に連結されている入力軸、2は動力を後輪に伝える出力軸で、両軸はメインクラッチ3にてON、OFF可能にして連結されている。メインクラッチ3は、内径側を入力軸1側にスプライン係合するインナープレート3aと、外径側を出力軸2側に設けたケース2aの内側にスプライン係合するアウタープレート3bを交互に配置し、これをケース2aの先端側に固着した固定板4に向けて押圧装置5の押し板6にて押圧することにより両軸1,2の係合がONとなり、押圧を解除することによりOFFとなるようになっている。
【0003】
押圧装置5は上記押し板6と、この押し板6の後側に配置される受け板7と、この受け板7に対して押し板6を押動作用させるためのスラスト力発生機構8とからなっている。
【0004】
押し板6の内径側は入力軸1にスプライン係合されている。また受け板7は出力軸2のケース2aに対してスラストベアリングにて回転自在に支持されていると共に、内径側は入力軸1側に摺動自在に嵌合されている。そしてこの受け板7は、この受け板7より外側に設けたパイロットクラッチ9を介して出力軸2のケース2aに回転方向に係脱可能に連結されている。
【0005】
パイロットクラッチ9は上記受け板7の外側とケース2aの内側にてリング状の空間が構成され、この空間内にリテーニングリング10がストップリングに当接する範囲において摺動可能に嵌合されている。このリテーニングリング10とケース2aとの間に、内径側が受け板7にスプライン係合するクラッチ板と外径側がケース2a側にスプライン係合する摩擦板とが交互に配置されている。そしてケース2aには励磁力にて上記リテーニングリング10をケース2a側へ引きつけて上記クラッチ板と摩擦板を押圧し、パイロットクラッチ9をONにするためのリング状の電磁コイル11が設けてある。
【0006】
電磁コイル11はケース2aに設けたリング状の凹部12内に上記パイロットクラッチ9側へ向けて配置されている。そしてこの電磁コイル11は出力軸2に回転自在に嵌合され、フレーム側に結合されたカバー13に支持されている。
【0007】
ケース2aの電磁コイル11に対向するロータ部には、非磁性体であるステンレススチールの非磁性リング14によって径方向に外側と内側に分断されており、またパイロットクラッチ9の各プレートには、非磁性リング14と対応する径方向位置に、切欠きとこれらを連結するブリッジ部とが設けており、これら非磁性リング14と切欠きによって、電磁コイル11の磁気ループ15での磁力の短絡が防止されている。
【0008】
上記構成の電磁式カップリングは以下のような作用がなされる。
【0009】
電磁コイル11への通電をONにすると、磁気ループ15が発生して、この電磁コイル11の励磁力によりリテーニングリング10が引きつけられてパイロットクラッチ9の両板がケース2a側へ押圧されてこのパイロットクラッチ9がONになり、これにより押圧装置5の受け板7がパイロットクラッチ9を介してケース2aに、すなわち出力軸2側に係合される。4WDカップリングにあってはこの状態が4WD状態である。
【0010】
この状態で後輪のスリップ等により入力軸1と出力軸2との間に回転差が生じると、出力軸2側に係合しているこの受け板7と、入力軸1側に係合している押し板6との間に回転差が生じ、この回転差によりスラスト力発生機構8が作動して受け板7に対して押し板6が押されてメインクラッチ3がONとなり、入力軸1と出力軸2が係合して両軸は一体回転される。
【0011】
そして上記スラスト力発生機構8は図2(a)に示すようになっていて、押し板6と受け板7のそれぞれの対向面に設けられた凹状カム6a,7aにボール8aを介装する構成になっている。そして両板6,7に回転差が生じると図2(b)に示すようにボール8aが凹状カム6a,7aを乗り上げることにより押し板6が受け板7に対して離間する方向に移動し、これにより押圧作動がなされるようになっている。
【0012】
【特許文献】
特開2002−266904号公報(第5〜6頁、図1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電磁式カップリングにおいてのパイロットクラッチはメインクラッチの容量に応じて伝達トルクを大きくしなければならない。メインクラッチにて大きなトルクを伝達しようとしても、パイロットクラッチの容量が不足するとクラッチが滑るなどの不具合が生じる。また、従来は、磁力を強化するために、電磁コイルを収納するハウジングの内外径部の肉厚や形状を工夫するなど、多大な工数、時間を要していた。
【0014】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、電磁コイルの磁力を効率よく軸方向に出すことができ、小型の電磁コイルでもって大きな締結力を得ることができるようにしたパイロットクラッチを提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のパイロットクラッチの電磁コイルの磁力発生のメカニズムを考察したところ、電磁コイルを収納しているケースが鋼等の磁性体にて構成されていることにより、この電磁コイルの磁気ループ15は図1に示したように、電磁コイルを収納しているケースの内外壁を経てリテーニングリング10に至っており、磁気ループ15がケースの壁を通る際に磁力が減衰されていることがわかった。
【0016】
そこで、本発明に係るパイロットクラッチでは、リング状の電磁コイルの磁力作用面からの磁力にてクラッチを作動する電磁クラッチにおいて、電磁コイルを、これの磁力作用面を除く内面側、外面側、背面の3方に磁性体を沿わせ、これらの磁性体ごと、上記磁力作用面を露出させて非磁性体にて覆った構成になっている。
【0017】
【作 用】
通電時に電磁コイルに発生する磁力線は、周囲の非磁性体にとじ込められた状態で電磁コイルの3方に添わせた磁性体を通って磁力作用面から放出される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図3に基づいて説明する。なおこの説明において、図1に示した従来の技術における構成部材と同一部材は同一符号を付して説明を省略する。
【0019】
図3において、図中21はメインクラッチ3及びパイロットクラッチ9のリテーニングプレート10を含む作用部を収納する出力軸2と一体になっているケースで、このケース21の内側にメインクラッチ3のアウタープレート3bとパイロットクラッチ9の一方のクラッチ部材であるインナープレート3aがスプライン係合されている。そしてこのケース2のロータ部にもステンレススティールの非磁性リング14が設けてある。またリテーニングリング10及びパイロットクラッチ9のプレート(クラッチ板、摩擦板)には磁性が強く低炭素の電磁軟鉄、あるいは本願の出願人が先に特開2001−33470号公報にて提案した電磁気特性に優れた磁性体であるところの、構成材料の化学成分が重量%で、C:2.7〜3.9、Si:3.3〜4.8、Mn:0.3〜1.2、P≦0.1、S≦0.1、Mo:0.1〜1.5、Mg:0.01〜0.1、Ce及びLaの少なくとも一方が0.01〜0.1、残りFeからなり、炭素当量(C・E)≧4.3の球状黒鉛鋳鉄が用いられている。
【0020】
22は上記出力軸2に軸受を介して回転自在に嵌合され、かつ図示しないフレーム側に固定された非磁性材料に構成されたカバー部材で、この実施の形態では樹脂、例えばナイロン(登録商標、以下同様)で構成されている。このカバー部材22内に電磁コイル23が、これの一部である磁力作用面がパイロットクラッチ9のローター部に対向させて配置されている。そしてこの電磁コイル23の背面側と、内周側と、外周側には上記カバー部材22内において、鉄材等の磁性体からなる背面側磁性体24、内周側磁性体25、外周側磁性体26が隙間なく添わせてある。内・外周側の各磁性体25,26は電磁コイル23の径方向の厚さより薄い厚みを有する円筒状になっている。そして電磁コイル24は、これらの磁性体24,25,26ごと樹脂にて構成されるカバー部材22内にモールディングにより配置される。なおこの電磁コイル23には図示しないリード線が接続されている。
【0021】
この構成において、電磁コイル23に通電することにより、この電磁コイル23の内外周にループ状の磁力が発生し、この磁力は非磁性体からなるカバー部材22内にとじ込められると共に、背面側磁性体24より内・外周側の磁性体25,26を通ってパイロットクラッチ9のローター部へ向けて放射される。
【0022】
このとき、内・外周側の磁性体25,26の厚みが電磁コイル23の径方向の厚さより小さいこと、及びこれらが非電性のカバー部材22にて覆われていることにより、電磁コイル23の内・外周側を通る磁力は減衰されず、磁力作用面側へ集中して放射される。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、パイロットクラッチの電磁コイルからの磁力がこれの磁力作用面側から集中して放射される。従って電磁コイルの磁力を効率よく用いることができ、所期の強さの磁力線を放射する電磁コイルを小型化でき、かつ小型の電磁コイルでもって大きな締結力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いる電磁式カップリングの一例を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)はスラスト力発生機構部の作用を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…入力軸、2…出力軸、2a…ケース、3…メインクラッチ、3a…インナープレート、3b…アウタープレート、4…固定板、5…押圧装置、6…押し板、7…受け板、6a,7a…凹状カム、8…スラスト力発生機構、8a…ボール、9…パイロットクラッチ、10…リテーニングリング、11…電磁コイル、12…凹部、13…カバー、14…非磁性リング、15…磁気ループ、21…ケース、22…カバー部材、23…電磁コイル、24…背面側磁性体、25…内周側磁性体、26…外周側磁性体。
Claims (1)
- リング状の電磁コイルの磁力作用面からの磁力にてクラッチを作動するパイロットクラッチにおいて、
電磁コイルを、これの磁力作用面を除く内面側、外面側、背面の3方に磁性体を沿わせ、これらの磁性体ごと、上記磁力作用面を露出させて非磁性体にて覆ったことを特徴とするパイロットクラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003180755A JP2005016609A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | パイロットクラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003180755A JP2005016609A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | パイロットクラッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005016609A true JP2005016609A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=34181650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003180755A Pending JP2005016609A (ja) | 2003-06-25 | 2003-06-25 | パイロットクラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005016609A (ja) |
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2003
- 2003-06-25 JP JP2003180755A patent/JP2005016609A/ja active Pending
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A621 | Written request for application examination |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
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A02 | Decision of refusal |
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