JP2005016368A - 液体吐出装置 - Google Patents

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健二 小川
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Abstract

【課題】構造が簡易にできて小型化が容易であり、かつ液体の吐出量の精度を向上できる液体吐出装置を提供すること。
【解決手段】吸入、吐出ポート33,34を有するポート部材31,40に摺接した状態で回転駆動されるバルブ部材50,55を有し、バルブ部材50,55のプランジャ挿入孔52に挿通されたプランジャ67およびポンプ駆動軸60が、ガイド部材20の案内面25Aに沿って転動可能なボール75を有する従動部70で進退駆動される。従って、ボール75が従動部70の凹部71内で回転することで、公転に伴う回転軸直交方向等へのボール75の案内面25Aに対する横滑りが発生せず、案内面25Aおよびボール75を金属等の硬い部材で形成できるので、これらの接触部分の変形を防止して、プランジャ67のストローク量の誤差を減少でき、液体の吐出精度を向上させることができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャの往復動を利用して液体を吸入、吐出するプランジャポンプ式の液体吐出装置に関する。
【0002】
【背景技術】
極微量の液体を高精度に吐出でき、半導体製造工程における接着剤吐出等に利用されるプランジャポンプ式の液体吐出装置(ディスペンサ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この液体吐出装置は、吸入ポートおよび吐出ポートに連通する連通孔が開口された摺接面を有するバルブブロックと、このバルブブロックの摺接面に一端の摺接面を当接した状態でボディに回転自在に支持されるとともに、前記バルブブロックの連通孔の開口に連通可能にされた状態で軸方向に穿設されたプランジャ挿入孔を有するポンプブロックとを備え、ポンプブロックをバルブブロック側に付勢しながら回転駆動してプランジャ挿入孔を吸入側および吐出側の連通孔に連通させるとともに、プランジャ挿入孔内のプランジャを軸方向に駆動して液体を吸引および吐出するものである。
【0003】
また、前記液体吐出装置は、プランジャが連結されたポンプ駆動軸に取り付けられたローラと、ポンプ駆動軸の軸方向に直交する基準面に対して傾斜角度調整可能に設けられたガイド部材とで構成される進退駆動手段を備えており、ポンプ駆動軸の回転に伴い移動するローラをガイド部材で案内して、ポンプ駆動軸を進退駆動することで、プランジャ挿入孔内のプランジャが軸方向に駆動されるようになっている。
これにより、極微量の液体を一定量ごとに吐出することができるとともに、ポンプ駆動軸の回転および進退駆動が同時に実行されるので、高速に動作させることができるという優れた特性を有している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−13470号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、進退駆動手段にローラを用いた場合、ローラとガイド部材の接触面を平面とすると、ローラは回転(自転)しながらポンプ駆動軸回りを公転するため、ローラの公転半径の外周側と内周側とでは速度に差が出るため、横滑りは避けられない。従って、横滑りによって摩耗しにくいように、従来はローラとガイド部材の接触部分を含油樹脂などで製作していた。このような含油樹脂を利用すると、負荷によって接触部分が変形し、作動精度つまりは液体吐出量の精度が低下するという問題があった。
【0006】
また、この横滑りを防止するには、ローラを円錐面にすればよいが、この場合、スラスト方向(ローラ自転軸に沿った方向)の力が発生し、その力を処理しなければならず、構造が複雑になるという問題もあった。
なお、前記液体吐出装置は、バルブブロックおよびポンプブロックの互いに当接する摺接面が平面とされた、平面バルブプランジャポンプ方式の液体吐出装置であるが、Dカットプランジャポンプ方式の液体吐出装置においても、前記ローラを用いた進退駆動手段を採用した場合には、同様の問題がある。
【0007】
本発明の目的は、構造が簡易にできて小型化が容易であり、かつ液体の吐出量の精度を向上できる液体吐出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の液体吐出装置は、液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを有し、かつ、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する開口が形成された第1の摺接面を有するポート部材と、前記第1の摺接面に当接可能な第2の摺接面を有し、かつ、第2の摺接面が前記第1の摺接面に当接された状態で回転自在に配置されるとともに、回転軸に平行に穿設され、かつ、前記第1の摺接面に形成された開口に連通可能に前記第2の摺接面に開口したプランジャ挿入孔を有するバルブ部材と、前記プランジャ挿入孔に前記回転軸に沿って摺動自在に挿通されたプランジャと、前記プランジャと共に前記回転軸に沿って進退可能に、かつ前記回転軸を中心に回転可能に支持されたポンプ駆動軸と、前記ポンプ駆動軸およびバルブ部材を回転駆動する回転駆動手段と、前記ポンプ駆動軸およびプランジャを進退駆動する進退駆動手段とを備え、前記進退駆動手段は、前記ポンプ駆動軸の軸方向に対して傾斜した案内面を有するガイド部材と、前記ポンプ駆動軸に取り付けられるとともに、前記案内面に沿って転動可能なボールが配置された略半球状の凹部を有する従動部と、前記プランジャを前記ガイド部材側に付勢して、前記従動部のボールを前記案内面に当接させる付勢手段とを有し、前記ポンプ駆動軸の回転に伴い移動する前記ボールが前記案内面に案内されて、当該ポンプ駆動軸および前記プランジャが進退駆動されることを特徴とする。
【0009】
ここで、第1および第2の摺接面としては、互いに平面から構成されたものでもよく、また、互いに摺接可能な曲面同士で構成されたものであってもよい。第1および第2の摺接面を平面とすれば、平面バルブプランジャポンプ方式の液体吐出装置を構成することができる。この際、第2の摺接面に開口して設けられたプランジャ挿入孔の開口部がバルブ部材の回転に伴って、第1の摺接面に開口した吸入側および吐出側の開口に交互に連通可能に構成されていればよい。そして、バルブ部材を回転駆動しつつ、プランジャ挿入孔の開口部が吸入側の開口に連通された状態で、プランジャを摺接面から離れる方向に駆動し、プランジャ挿入孔の開口部が吐出側の開口に連通された状態で、プランジャを摺接面に近づく方向に駆動することで、液体の吸入および吐出が行われる。
【0010】
このような本発明では、ガイド部材の案内面に当接して案内される従動部を、案内面に沿って転動可能なボール、およびこのボールを保持する凹部で構成したので、公転に伴いボールが案内面に対して回転軸直交方向等に横滑りしようとしても、ボールが凹部内で回転することで、ガイド部材の案内面とボールとの間に横滑りが発生しない。これにより、ガイド部材の案内面を従来のように摩擦を考慮して含油樹脂などで形成する必要が無く、金属等の硬い部材で形成でき、かつボールも硬い部材で構成できる。従って、ガイド部材の案内面とボールとの接触部分の変形を防止して、プランジャのストローク量の誤差を減少でき、液体の吐出精度を向上させることができる。
また、従来のローラを円錐面にした場合のように、ボールに対してスラスト方向の力が作用しないので、この力を処理するために構造が複雑になることがなく、進退駆動手段の構造を簡単にすることができる。
【0011】
さらに、従動部をボールおよび凹部で構成したので、液体吐出装置の直径を小さくでき、液体吐出装置を小型化することができる。すなわち、従来のローラを用いた場合には、ポンプ駆動軸からローラの回転軸を突出させ、この回転軸にボールベアリング等を介してローラを回転自在に配置するため、ローラの公転半径をあまり小さくできず、またガイド部材もローラの移動軌跡に対応して大きくしなければならず、液体吐出装置の小型化に限度があった。これに対し、本発明では、従動部の凹部にボールを配置すればよく、ポンプ駆動軸から外周側に突出するローラの回転軸やボールベアリング等を設けなくてもよいため、ボールの移動軌跡の直径を小さくでき、液体吐出装置を小型化することができる。
また、ガイド部材の傾斜角度を調整すれば、吐出量はその傾斜角度に応じて調整できるので、吐出量の調整、変更が容易になり、汎用性の高い液体吐出装置にすることができる。
さらに、ボールをガイド部材の案内面に当接させる付勢手段を備えていれば、付勢手段の付勢力を適宜設定することで、ボールと案内面との当接力を適切に調整できる。この際、前記付勢手段で前記ポンプ駆動軸および前記バルブ部材を互いに離れる方向に付勢して、前記第1および第2の摺接面を互いに圧接させるように構成してもよい。このようにすれば、ボールをガイド部材の案内面に当接させる付勢手段と、第1および第2の摺接面を互いに圧接させる付勢手段とが共通化でき、部品点数を削減できるとともに、液体吐出装置を一層小型化することができる。
【0012】
また、本発明の液体吐出装置は、液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを有し、かつ、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する開口が円筒状の内周面の対向位置に形成されたポート部材と、前記ポート部材の内周面にて形成されたプランジャ挿入孔と、前記プランジャ挿入孔に軸方向に沿って摺動自在に、かつ、軸回りに回転自在に挿通されるとともに、先端部分の一部が切り欠かれて形成され、前記ポート部材の内周面に形成された開口に連通可能な切欠部を有するプランジャと、前記プランジャと共に当該プランジャの回転軸に沿って進退可能に、かつ前記回転軸を中心に回転可能に支持されたポンプ駆動軸と、前記ポンプ駆動軸およびプランジャを回転駆動する回転駆動手段と、前記ポンプ駆動軸およびプランジャを進退駆動する進退駆動手段とを備え、前記進退駆動手段は、前記ポンプ駆動軸の軸方向に対して傾斜した案内面を有するガイド部材と、前記ポンプ駆動軸に取り付けられるとともに、前記案内面に沿って転動可能なボールが配置された略半球状の凹部を有する従動部と、前記プランジャを前記ガイド部材側に付勢して、前記従動部のボールを前記案内面に当接させる付勢手段とを有し、前記ポンプ駆動軸の回転に伴い移動する前記ボールが前記案内面に案内されて、当該ポンプ駆動軸および前記プランジャが進退駆動されるものでもよい。
【0013】
ここで、プランジャの先端部分に形成される切欠部の形態は任意であるが、プランジャの円周面を軸に沿った平面で切り欠けば、いわゆるDカットプランジャポンプ方式の液体吐出装置を構成することができる。この際、プランジャの先端部分に設けた切欠部が、プランジャの回転に伴って、ポート部材のプランジャ挿入孔に開口した吸入側および吐出側の開口に交互に連通可能に構成されていればよい。そして、プランジャを回転駆動しつつ、切欠部が吸入側の開口に連通された状態で、プランジャをプランジャ挿入孔から引き抜く方向に駆動し、切欠部が吐出側の開口に連通された状態で、プランジャをプランジャ挿入孔に押し込む方向に駆動することで、液体の吸入および吐出が行われる。
【0014】
このように構成すれば、前記請求項1と略同様の効果を奏することができる。
また、切欠部が形成されたプランジャを回転駆動および進退駆動することで、液体の吸入および吐出が行われるので、バルブ構造を簡素化することができ、部品点数の削減、および製造コストの低減を図ることができる。
【0015】
ここで、前記ボールと前記凹部との摩擦係数は、前記ボールと前記ガイド部材の案内面との摩擦係数に比べて小さくされていることが好ましい。
【0016】
このように構成すれば、ボールとガイド部材の案内面間の摩擦係数に比べて、ボールと凹部間の摩擦係数を小さくしたので、公転に伴う案内面とボール間に作用する摩擦力が、ボールと凹部間に作用する摩擦力を上回るため、ボールを凹部内でスムーズに回転させ、より確実に案内面に沿って転動させることができる。この際、凹部を含油樹脂などで形成することで、ボールとの摩擦係数が小さくなるようにしてもよい。このように凹部を含油樹脂などで形成しても、凹部とボールとの接触面積は、ボールと案内面との接触面積に比較して十分に大きいため、ボールが案内面に当接された負荷による凹部の変形を極微少量にとどめて、液体の吐出精度を確保できるとともに、潤滑油の給油が不要な無給油式の進退駆動手段が構成でき、メンテナンスに要する手間を軽減することができる。
【0017】
ここで、前記ガイド部材の一端側は、前記ポンプ駆動軸と交差する方向に沿った固定軸に回動自在に軸支されており、前記ガイド部材の他端側を前記ポンプ駆動軸の軸方向に移動させて、前記案内面の傾斜角度を調整する吐出量設定手段が設けられていることが好ましい。
【0018】
このように構成すれば、吐出量設定手段によってガイド部材の他端側をポンプ駆動軸の軸方向に移動させるだけで、ガイド部材の傾斜角度を調整でき、吐出量を容易に調整できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態に係る液体吐出装置(ディスペンサ、ポンプ)1の正面図が示されている。液体吐出装置1は、駆動機構を内蔵する駆動部2およびポンプ部3を備えて構成されている。
【0020】
駆動部2は、図2、3にも示すように、アルミ製やステンレス製の複数の板材やブロック材でボックス状に形成されたボディ10と、このボディ10に固定された回転駆動手段としてのモータ11とを備えている。このモータ11は、サーボモータやステッピングモータなどの回転速度の制御が可能なモータが用いられ、エンコーダ等の位置検出センサを内蔵したものであってもよい。
【0021】
モータ11の出力軸には、その回転軸に平行なキー溝が外周に形成されたスプライン軸12が、モータ11の出力軸を貫通するピンで固定されている。このスプライン軸12のキー溝には、スプライン軸12の回転動作に連動するとともに、キー溝に沿って回転軸方向に摺動自在に構成された外筒13が係合されている。外筒13のモータ11の反対側でモータ11の軸線上には、ボディ10に対して回動自在に支持されたポンプ駆動軸60が配置されている。ポンプ駆動軸60は、図2、3に示すように、駆動部2からポンプ部3まで延長されている。
なお、ポンプ駆動軸60は、駆動部2部分からポンプ部3部分までが一体に構成されていてもよく、また、駆動部2部分に配置される駆動部側駆動軸60Aと、ポンプ部3部分に配置されるポンプ部側駆動軸60Bとに分離可能に構成され、キーなどで回転伝達可能に連結されていてもよい。分離可能に構成すれば、ポンプ部3を洗浄する場合等、ポンプ部3を駆動部2から取り外す際に、ポンプ部側駆動軸60Bもポンプ部3と一緒に取り外すことができる。
【0022】
ポンプ駆動軸60の上端(モータ11側)は、外筒13に穿設された軸挿通孔に挿通され、外筒13にピンで固定されている。すなわち、外筒13がスプライン軸12に対して摺動自在、かつ回転連動可能に係合されていることにより、ポンプ駆動軸60は、モータ11に対してその軸方向に進退可能(上下動可能)に、かつモータ11の回転力はそのまま伝達されてスプライン軸12と共に回転するように構成されている。
【0023】
ボディ10には、ポンプ駆動軸60に隣接し、かつポンプ駆動軸60に直交する固定軸21が取り付けられている。この固定軸21には、略角板状に形成されたガイド部材20の一端側が回動自在に支持されている。また、ガイド部材20の下側(ポンプ部3側)のポンプ駆動軸60には、従動部としてのボール保持部材70がピンで固定されている。
ガイド部材20には、図4、5にも示すように、ポンプ駆動軸60が嵌挿可能な貫通孔22と、他端側に2本の腕部23とが形成されている。2本の腕部23間には、固定軸21と平行な当接軸24が取り付けられている。そして、ガイド部材20の下面(ポンプ部3側の面)において、貫通孔22の周囲に形成された凹み部分には、リング状のガイドリング25が取り付けられている。
ボール保持部材70には、略半球状の凹部71が形成され、この凹部71にはボール75が収納されている。ボール75は、ガイドリング25の下面で構成される案内面25Aに当接可能に配置されている。そして、ボール75は、後述するコイルばね(付勢手段)68でポンプ駆動軸60が上方(モータ11側)に付勢されることで、ガイドリング25の案内面25Aに当接されている。
【0024】
ここで、ボール保持部材70とボール75との摩擦係数は、ボール75と案内面25Aとの摩擦係数よりも低くなるように、ボール保持部材70、ボール75、ガイドリング25の材質、コーティング処理の有無、コーティング方法等が設定されている。
具体的には、ボール75は軸受(ベアリング)鋼(SUJ)やタングステンカーバイト等の超硬質合金等で構成された硬質ボールとされている。また、ガイドリング25も焼き入れ研磨された炭素工具鋼(SK)やSUJ等の金属等で構成され、案内面25Aは硬質なものとされている。また、ボール保持部材70は、硬質で、かつ耐摩耗性が大きく摩擦係数が小さい軸受合金等から形成されている。
なお、ボール保持部材70を樹脂材で構成してもよく、その場合には、凹部71を含油POM(ポリアセタール)等から形成することで、案内面25Aに比べてボール保持部材70側のボール75に対する摩擦係数が小さくなっている。要するに、ボール75が凹部71に対して回転し、かつ案内面25Aに沿って転動するように、各材質等が選定されていればよい。
【0025】
ガイド部材20の当接軸24の上面側には、図2に示すように、ボディ10に固定されたマイロクメータ80のスピンドル81が当接している。一方、当接軸24の下面側には、ボディ10内に配置されたコイルばね85によって上方(モータ11側)に付勢される付勢部材86が当接されている。
従って、当接軸24は、付勢部材86によって常時上方に付勢され、マイロクメータ80の操作摘みを回動してスピンドル81を進退(上下動)させると、その移動に連動して当接軸24も上下動し、その結果、ガイド部材20が固定軸21を支点に回動して傾斜角度を調整できるようにされている。
このため、本実施形態では、前記マイロクメータ80、コイルばね85、付勢部材86により、吐出量設定手段が構成されている。
【0026】
なお、本実施形態では、ガイド部材20をポンプ駆動軸60に対して直交、つまりポンプ駆動軸60が垂直方向に沿って配置されていればガイド部材20が水平な状態の時に、付勢部材86の下端がボディ10に当接するように設定されている。このため、ガイド部材20は、固定軸21と当接軸24とが同じ高さ位置、つまり水平な状態から、当接軸24が固定軸21よりも上方に位置する状態、つまり当接軸24側が上方に移動してガイド部材20が傾斜されるように構成されている。
また、マイロクメータ80のスピンドル81のネジの螺合位置を変えることで、ガイド部材20が水平な状態の時に、マイロクメータ80の目盛りが「0」(基準位置)になるように、スピンドル81の長さ寸法が調整されている。
【0027】
以上のように本実施形態では、ガイド部材20のガイドリング25および案内面25A、ボール保持部材70の凹部71およびボール75、コイルばね68によって、進退駆動手段が構成されている。すなわち、モータ11の駆動によってポンプ駆動軸60が回転すると、ガイド部材20の案内面25Aに沿って、ボール75が移動(公転)する。この際、ガイド部材20が水平な状態であれば、ポンプ駆動軸60は上下動しないが、前記マイロクメータ80を操作してガイド部材20が傾斜されていれば、案内面25Aに沿ってボール75およびボール保持部材70が上下動し、その動きに連動してポンプ駆動軸60も回転しながら軸方向に進退することになる。
【0028】
ポンプ部3は、図2、3に示すように、駆動部2のボディ10に固定された円筒状の連結部材5に袋ナット6によって着脱可能に取り付けられた容器30を備えている。容器30は、ほぼ円筒状に形成され、容器30の下端部に取り付けられたポートブロック31で閉塞されている。また、容器30の下端部側面には、図3に示すように、雌ねじが形成されたドレンポート30Aが設けられている。このドレンポート30Aは、通常時においてキャップ部材(不図示)が螺合されて塞がれており、容器30内に液体が漏れた場合にキャップ部材を取り外して、溜まった液体を排出できるようになっている。
なお、連結部材5は前記ポンプ部側駆動軸60Bを回動自在に支持している。また、容器30およびポートブロック31は、ステンレス、フッ素樹脂、チタン等で構成されている。
【0029】
ポートブロック31は、シール材32を介して容器30にネジ止め固定されている。そして、ポートブロック31は、図6にも示すように、段付き円板状に形成された容器30への固定部分と、この固定部分下側に設けられ、容器30内部に連通された吸入ポート33および吐出ポート34とを備えている。吸入ポート33には、雌ねじが形成され、接着剤等の吐出液体が収納された容器を直接装着したり、吐出液体が収納されたタンクからの配管を装着したりするための液体供給部材(不図示)が螺合できるようになっている。これにより、吸入ポート33に吐出液体が供給可能とされている。
一方、吐出ポート34には、吐出ノズル35が固定ネジ36を利用して着脱可能に取り付けられている。これにより、吐出ポート34から吐出された液体が吐出ノズル35から吐出されるようになっている。
【0030】
ポートブロック31の内側には、アルミナセラミック等の硬質材で円盤状に成形され、かつポートブロック31に図示しないピン等によって回り止めされたシールディスク40が配置されている。シールディスク40には、ポートブロック31に当接された端面と反対側(上側)に形成された平滑な摺接面(第1の摺接面)41と、ポートブロック31の吸入ポート33および吐出ポート34に連通された吸入側連通孔42および吐出側連通孔43とが形成されている。これらの連通孔42,43は、それぞれ円弧状の断面形状を有し、かつ摺接面41に開口されており、これらの各連通孔42,43の摺接面41における開口部は、図6に示すように、それぞれ吸入開口44および吐出開口45とされている。これらのポートブロック31およびシールディスク40により、本実施形態のポート部材が構成されている。
【0031】
シールディスク40の上側には、全体略円柱状に形成され、シールディスク40と略同一外径の底部を有したポンプブロック50が配置されている。
このポンプブロック50の下端には、シールディスク40の摺接面41に摺接する平滑な摺接面(第2の摺接面)51が形成されている。また、ポンプブロック50には、ポンプブロック50を貫通して1本のプランジャ挿入孔52が形成され、このプランジャ挿入孔52が摺接面51に開口した開口部が連通部52Aとされている。
なお、本実施形態では、ポンプブロック50は、ポリアミドイミドなどのスーパーエンジニアリングプラスチックやセラミックスで構成されている。また、摺接面51は、ダイヤモンドライクカーボン膜でコーティングされており、摺接面41と摺接した際のシール性と摺動性とを共に満足し、かつ耐久性に優れた構造となっている。
【0032】
ポンプブロック50の上側には、ポンプブロック50に対してピン56によって回り止めされたプランジャガイドブロック55が配置されている。これらのポンプブロック50およびプランジャガイドブロック55により、本実施形態のバルブ部材が構成されている。
プランジャガイドブロック55には、ポンプブロック50のプランジャ挿入孔52の延長位置にプランジャ挿入孔57が設けられている。そして、ポンプブロック50およびプランジャガイドブロック55の当接面間で、プランジャ挿入孔52,57同士が連続する位置には、シール材58が介装されている。また、プランジャガイドブロック55には、前記ポンプ駆動軸60に固定された2本の回転伝達ロッド62が係合される係合孔59が形成されている。これにより、ポンプ駆動軸60が回転すると回転伝達ロッド62、係合孔59、プランジャガイドブロック55を介してポンプブロック50が回転するように構成されている。
【0033】
2本の回転伝達ロッド62は、ポンプ駆動軸60の下端に形成された大径部61に係合固定されている。すなわち、大径部61の外周面には、大径部61の軸方向に2本の係合溝63が形成されており、円周方向に1本の係合溝64が形成されている。そして、回転伝達ロッド62にも係合溝64に合わせた溝62Aが形成されており、回転伝達ロッド62の上端部を各係合溝63に配置し、前記係合溝64と溝62Aとにバネ性を有するCリング66等の係止部材を係合させることで、各回転伝達ロッド62は大径部61に対して着脱可能に固定されている。
また、回転伝達ロッド62の下端には、大径部62Bが設けられており、ポンプブロック50の円盤状底部とプランジャガイドブロック55との間隔範囲で、ポンプブロック50に対して回転伝達ロッド62が上下動できるようになっている。
【0034】
また、前記プランジャ挿入孔52,57には、ポンプ駆動軸60の大径部61に上端(基端)側が固定されたプランジャ67が挿入されている。このプランジャ67およびプランジャガイドブロック55間には、付勢手段であるコイルばね68が介装されている。このコイルばね68により、プランジャ67は常時ポンプ駆動軸60の大径部61に押圧されるとともに、ポンプブロック50はシールディスク40側に付勢され、シールディスク40の摺接面41とポンプブロック50の摺接面51とが所定の圧力で摺接するようになっている。
なお、プランジャ67のプランジャ挿入孔52,57に挿入されている部分の直径は適宜設定できる。例えば、最も細くした場合には、約0.3〜0.8mm程度にまで細くできる。一方、太くする場合には、特に制限はなく、吐出量に応じて設定すればよい。
さらに、コイルばね68は、プランジャ67を介してポンプ駆動軸60を常時上方に付勢しており、これにより、ボール保持部材70を介してボール75もガイド部材20のガイドリング25に常時当接されている。
【0035】
次に、本実施形態の作用について図7、8をも参照して説明する。なお、図7(A)、図7(B)、図8(C)、図8(D)の各図において、左側の図は、上からガイド部材20部分の断面図、ポンプブロック50およびポートブロック31部分の断面図である。そして、右側の図は、上からポンプブロック50およびポートブロック31部分の左側の断面図に対して側面方向(90度異なる位置)で断面した図、シールディスク40の上面とプランジャ挿入孔52の連通部52Aとの位置関係を示す模式図である。
【0036】
まず、吸入ポート33の雌ねじに螺合した液体供給部材(不図示)を介して吸入ポート33に液体7を供給しておく。
また、予めマイロクメータ80を操作し、ガイド部材20の傾斜角度を調節して、吐出量を設定しておく。この際、吐出量は、プランジャ67の断面積およびストローク量に比例して変化する。このストローク量は、ボール75の上下移動量つまりガイドリング25の上下位置の高さ寸法によって設定される。このガイドリング25の上下位置の高さ寸法は、ガイド部材20の傾斜角度に応じて設定され、この傾斜角度はマイロクメータ80のスピンドル81が当接軸24に当接する当接位置で設定される。
従って、予め、プランジャ67の断面積に応じてマイロクメータ80の1目盛り当たりの吐出量を計測しておけば、所望の吐出量に相当する目盛りを算出できるため、マイロクメータ80を操作して目盛りを合わせておくだけで、吐出量の調整が行える。
【0037】
また、本実施形態では、図7(A)の状態を原点としている。この原点状態では、プランジャ挿入孔52の連通部52Aがシールディスク40の吸入開口44に連通している。また、プランジャ67は、下方ストロークエンド(ボール75がガイド部材20の固定軸21に最も近接する位置)から上方のストロークエンド(ボール75が当接軸24に最も近接する位置)に移動する中間位置(上下ストロークエンドの中間位置)に移動した状態にある。
【0038】
この原点状態において、スタートボタンを押すことなどでスタート信号が入力されると、モータ11が作動されてスプライン軸12が回転される。このスプライン軸12の回転は、外筒13、ポンプ駆動軸60、回転伝達ロッド62を介してポンプブロック50に伝達され、ポンプブロック50をシールディスク40と摺接させた状態のまま回転させる。
【0039】
この回転に伴い、ポンプ駆動軸60に固定されたボール保持部材70は、ポンプ駆動軸60とともに回転するため、ボール保持部材70に保持されたボール75は、前記コイルばね68の作用により、ガイドリング25の案内面25Aに当接したまま、案内面25Aの傾斜に沿って進退する。この際、ボール75は案内面25Aとの間の摩擦係数に比べて凹部71との間の摩擦係数のほうが小さいため、案内面25Aに対しては転動し、凹部71に対しては滑りながら回転することになる。
【0040】
ボール保持部材70の進退に伴い、ポンプ駆動軸60に連結されたプランジャ67は、ポンプブロック50のプランジャ挿入孔52内で軸方向に進退する。
この進退に伴い、プランジャ67は徐々に上昇し、プランジャ挿入孔52の連通部52Aが吸入開口44から外れるまで、プランジャ挿入孔52内に吸入ポート33から液体7が吸引される。
【0041】
そして、図7(B)に示すように、プランジャ67が上方ストロークエンドの位置まで移動した時点では、プランジャ挿入孔52の連通部52Aは吸入開口44から吐出開口45に移動する中間位置にあり、これらの各開口44,45と完全に隔離された状態になるため、プランジャ挿入孔52内に吸引された液体7も吸入ポート33内の液から区画される。
【0042】
さらに、モータ11による回転が続き、図8(C)に示すように、プランジャ67が上方ストロークエンドから下方ストロークエンドの中間位置に移動した時点では、プランジャ挿入孔52の連通部52Aは、吐出開口45と連通する位置に移動し、プランジャ67は下方に移動し続ける。そして、この移動に伴いプランジャ挿入孔52内の液体7が、吐出開口45、吐出側連通孔43、吐出ポート34を介して吐出ノズル35から吐出される。
なお、この液体7の吐出は、吐出開口45にプランジャ挿入孔52の連通部52Aが連通し始めてから、吐出開口45から外れるまで、つまり図8(C)の状態の手前からその後まで続く。
【0043】
そして、ポンプブロック50が回転し続けることで、プランジャ挿入孔52の連通部52Aが吐出開口45から外れると、液体7の吐出が停止する。
その後、図8(D)に示すように、プランジャ67が下方ストロークエンドの位置まで移動した時点では、プランジャ挿入孔52の連通部52Aは吐出開口45および吸入開口44の中間位置に移動し、これらの各開口45,44と完全に隔離された状態になる。
【0044】
さらに、ポンプブロック50が回転し続けると、プランジャ67は上昇し、吸入開口44にプランジャ挿入孔52の連通部52Aが連通した時点から、プランジャ67の上昇に伴い液体7がプランジャ挿入孔52内に吸引される。
そして、図7(A)の状態に戻ると、1サイクルの吸引および吐出の動作が終了する。
以下、前述の各動作を繰り返すことで、所定量の液体7が順次吐出される。なお、前述の1サイクルの吸引および吐出の動作を、連続的に実行して、液体7を連続吐出させてもよく、また、1サイクルごとにモータ11を停止させて、液体7を1回ずつ吐出させてもよい。さらに、1サイクルごとに停止および再作動を繰り返すようにモータ11を制御して、所定の時間間隔で間欠的に液体7を吐出させてもよい。
【0045】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)ポンプ駆動軸60に固定されたボール保持部材70に形成された凹部71にボール75を支持させ、このボール75がガイド部材20の案内面25Aに当接して案内されるように構成したので、公転に伴いボール75が案内面25Aに対してポンプ駆動軸60直交方向等に横滑りしようとしても、ボール75が凹部71内で回転することで、案内面25Aとボール75との間に横滑りが発生しない。これにより、ガイド部材20の案内面25Aを従来のように摩擦を考慮して含油樹脂などで形成する必要が無く、金属等の硬い部材で形成でき、かつボール75も硬い部材で構成できる。従って、ガイド部材20の案内面25Aとボール75との接触部分の変形を防止して、プランジャ67のストローク量の誤差を減少でき、液体7の吐出精度を向上させることができる。
【0046】
(2)さらに、従来のローラを円錐面にした場合のように、ボール75に対してスラスト方向の力が作用しないので、この力を処理するために構造が複雑になることがなく、進退駆動手段の構造を簡単に構成することができる。
【0047】
(3)また、ボール保持部材70をボール75および凹部71で構成したので、液体吐出装置1の直径を小さくでき、液体吐出装置1を小型化することができる。すなわち、従来のローラを用いた場合には、ポンプ駆動軸から突出した回転軸にボールベアリング等を介してローラを支持したため、ローラの公転半径をあまり小さくできず、またガイド部材もローラの移動軌跡に対応して大きくしなければならず、液体吐出装置の小型化に限度があった。
これに対し、本発明では、凹部71にボール75を配置すればよく、ポンプ駆動軸60から外周側に突出する回転軸やボールベアリング等を設けなくてもよいため、ボール75の移動軌跡の直径を小さくでき、液体吐出装置1を小型化することができる。
【0048】
(4)また、ガイド部材20の案内面25Aとボール75間の摩擦係数に比べて凹部71とボール75間の摩擦係数を小さくしたので、ボール75を凹部71内でスムーズに回転させ、より確実に転動させることができる。
【0049】
(5)さらに、ボール保持部材70を含油POMなどで形成して、凹部71とボール75との摩擦係数が案内面25A側に比べて小さくなるようにした場合においても、凹部71とボール75との接触面積は、ボール75と案内面25Aとの接触面積に比較して十分に大きいため、ボール75が案内面25Aに当接された負荷による凹部71の変形を極微少量に抑えることができるので、液体の吐出精度を確保できる。
【0050】
(6)また、ガイド部材20およびボール75を設け、モータ11によるポンプ駆動軸60の回転動作に伴いポンプ駆動軸60が上下動するように構成したので、ボールネジ等やクラッチを用いた場合に比べて、高速回転を実現できる。つまり、ポンプ駆動軸60やプランジャ67は、回転運動に伴う加速度変化の滑らかな上下動になるため、高速回転が可能であり、よって、液体の吐出動作の高速化を容易に実現できる。そして、吐出速度は、モータ11の回転速度で設定できるので、モータ11の回転速度を制御することによって正確にかつ容易に吐出速度を制御することができ、取扱いの容易な液体吐出装置1にすることができる。
【0051】
(7)さらに、ポンプ駆動軸60を上下動させる進退駆動機構としてガイド部材20およびボール75を用いて実現しており、ボールねじ等を利用する必要がないため、耐久性能を高くでき、部品交換サイクルも長期間化できて、維持管理も容易にできる。また、凹部71を含油POM等から構成すれば、潤滑油の給油が不要な無給油式の進退駆動手段が構成でき、メンテナンスに要する手間を軽減することができる。
【0052】
(8)また、シールディスク40の連通孔42,43、吸入開口44、吐出開口45を円弧状に形成したので、これらの各開口44,45部分をプランジャ挿入孔52の連通部52Aが移動している間、吸入動作や吐出動作を続けることができる。このため、吸入時あるいは吐出時にポンプブロック50の回転を停止させる必要が無く、ポンプブロック50を回転させたまま、吸入や吐出動作を実現できるため、より一層の高速回転を容易に実現できる。
従って、ポンプブロック50の1回転つまり1回の吐出動作を0.1秒以下で行うこともでき、半導体製造関連の製造ラインなどのような、毎秒10回以上の吐出速度が求められる場合であっても、十分に対応することができる。
【0053】
(9)また、シールディスク40に対してポンプブロック50を摺接させた状態で回転し、摺接面41,51に設けられた吸入開口44、吐出開口45の切替を行う平面バルブプランジャポンプ方式を採用しているので、プランジャ67は、プランジャ挿入孔52内を進退移動するだけでよい。従って、プランジャ67自信の回転で切替を行う必要がなく、プランジャ67の直径を非常に細くできるので、プランジャ67の直径とそのストロークで設定される液体7の吐出量を非常に小さくでき、数マイクロリットルさらには数ナノリットルといった極微量の液体吐出を容易に実現できる。
【0054】
(10)さらに、プランジャ67つまりプランジャ挿入孔52を1本しか形成していないため、各摺接面41,51において、プランジャ挿入孔52、吸入開口44、および吐出開口45が形成されていない平面部分の面積を大きく確保できる。このため、各摺接面41,51が互いに摺接することによるシール性能を向上でき、吸入開口44および吐出開口45間を確実にシールすることができる。
その上、平面部分の面積が大きいため、プランジャ挿入孔52を吸入開口44から吐出開口45に移動させる間に、プランジャ挿入孔52の連通部52Aを各開口44,45から確実に隔離でき、吐出精度を向上できる。
さらに、ポンプ駆動軸60、ポンプブロック50が1回転するごとに、1本のプランジャ67の進退移動によって1サイクルの吸入、吐出動作が行われるため、1回毎の吐出動作が同一になり、1回毎の吐出量の精度も向上できる。
【0055】
(11)また、マイロクメータ80を操作してガイド部材20の傾斜角度を変えるだけで、吐出量を調整できるため、吐出量を容易に調整することができる。このため、カムを利用した場合に比べて、容易に吐出量を調整でき、さらには液体吐出装置1の動作中であっても調整が可能であり、汎用性の高い液体吐出装置1にすることができる。
その上、吐出量は、ガイド部材20の傾斜角度つまりマイロクメータ80の目盛りに関連付けられているため、マイロクメータ80の目盛りによって吐出量を正確にかつ確実に調整できる。
さらに、ガイド部材20においては、ガイドリング25部分の変化量(高さ方向の変化量)に対して、当接軸24部分の変化量が比例して拡大されるため、マイロクメータ80の操作量に対するガイドリング25部分の移動量が小さくなり、その分、吐出量の微調整を容易に行うことができる。
【0056】
(12)また、マイロクメータ80や付勢部材86によって、ガイド部材20は、固定軸21と当接軸24とが同じ高さ位置つまり水平な状態から、当接軸24が固定軸21よりも上方に位置する状態つまり当接軸24側が上方に移動してガイド部材20が傾斜されるように構成されているので、プランジャ67の下方ストロークエンドの位置を一定にすることができる。このため、プランジャ67の下方ストロークエンドの位置を、プランジャ挿入孔52の下端開口近傍に設定すれば、プランジャ67が下方ストロークエンドに移動した際のプランジャ挿入孔52内のデッドスペースを小さくでき、プランジャ挿入孔52内での液体7の滞留を防止することができる。その上、ガイド部材20の傾斜角度で変化するプランジャ67の上方ストロークエンドの調整範囲をほぼプランジャ挿入孔52の全範囲(下端から上端まで)確保でき、吐出量の調整範囲を大きくすることができる。
【0057】
(13)容器30およびポートブロック31で構成されるケース体内にシールディスク40、ポンプブロック50、プランジャ67等を配置したので、仮にシールディスク40およびポンプブロック50の摺接面41,51間や、プランジャ挿入孔52およびプランジャ67の摺動面から液体7が漏れても、その液体7は容器30内に溜まるだけであり、ポンプ部3の外部に液体7が漏れることがない。また、容器30内に溜まった液体7は、ドレンポート30Aから排出できる。
このため、ポンプ部3に摺動面からの液漏れを防止するためのOリング等のシール材を設ける必要がなく、構造を簡単にできかつコストも低減することができて安価に提供することができる。その上、シール材が不要であるから、シール材を設けた場合に定期的に必要となるシール材の交換作業を無くすことができる。
【0058】
(14)ポンプブロック50をシールディスク40に当接させるための押圧ばねと、ボール75をガイド部材20のガイドリング25に当接させるための押圧ばねとを、1つのコイルばね68で兼用しているため、部品点数を少なくでき、コストを低減できる。
【0059】
(15)ポンプ部3の液体7に接するポートブロック31、シールディスク40、ポンプブロック50等をステンレスやセラミックス等の耐薬品性等に優れた材質で形成することで、各種の吐出液体7を取り扱うことができる。また、ポンプ部3と駆動部2とが分かれているため、ポンプ部3のみに単価の高いステンレスやセラミックスを用いることもでき、耐薬品性の液体吐出装置1であっても低価格で提供することができる。さらに、ポンプブロック50とプランジャガイドブロック55とが分かれ、それらの間にシール材58が介装されているので、ポンプブロック50にのみ単価の高いセラミックス等を用いることもでき、液体吐出装置1の低価格化をさらに促進できる。
【0060】
(16)また、ポンプ部3の容器30は、袋ナット6を外すことで駆動部2から容易に分離することができる。従って、ポンプ部3のみを洗浄できてメンテナンスも容易に行うことができ、吐出液体7の種類を変更する場合などでも、簡単に行うことができる。
その上、Cリング66を取り外せば、ポンプ駆動軸60から回転伝達ロッド62、ポンプブロック50、プランジャガイドブロック55、プランジャ67等も容易に分解できるため、洗浄やメンテナンス作業を容易にでき、かつ組立性も向上できる。
また、ポンプ駆動軸60を駆動部側駆動軸60A、ポンプ部側駆動軸60Bに分割可能に構成すれば、連結部材5を取り外すことで、ポンプ部側駆動軸60Bを駆動部2から容易に取り外すことができ、洗浄や組立等も容易に行うことができる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態を図9〜図14に基づいて説明する。なお、本実施形態において、前記第1実施形態と同様または同一の構成部材には同一符号を付し、説明を省略あるいは簡略する。
本実施形態の液体吐出装置100は、前記ポンプ部3のバルブ、ポンプ機構を平面バルブプランジャポンプ方式からDカットプランジャポンプ方式に変更したものである。
【0062】
液体吐出装置100のポンプ部103は、図10、11に示すように、駆動部2のボディ10に固定された円筒状の連結部材105に袋ナット106によって着脱可能に取り付けられた容器130を備えている。容器130は、下端(連結部材105の反対側)が閉塞された、ほぼ円筒状に形成されている。この容器130の側面には、吸入ポート133と吐出ポート134とが対向して設けられ、2つのドレンポート130Aが互いに対向して設けられている。これらの吸入ポート133、吐出ポート134、およびドレンポート130Aには、雌ねじが形成されている。そして、吸入ポート133には、吐出液体が収納されたタンク8Aからの配管を装着するための液体供給部材8Bが螺合可能になっており、吐出ポート134には、吐出ノズル35を備える液体吐出部材9が螺合可能になっている。また、ドレンポート130Aからは、吐出ポート134から吐出されず容器130内を上昇した液体が排出できるようになっている。
【0063】
容器130の内部には、アルミナセラミック等の硬質材で円筒形状に成形され、容器130に図示しないピン等によって回り止めされたプランジャバレル140が配置されている。プランジャバレル140と容器130の内部底面との間には、テフロン(登録商標)製のシール材137が介装されている。また、プランジャバレル140には、図12に示すように、その円筒内周面によって形成されたプランジャ挿入孔141と、容器130の吸入ポート133および吐出ポート134に連通された吸入側連通孔142および吐出側連通孔143とが形成されている。これらの連通孔142,143は、それぞれプランジャ挿入孔141に開口されており、これらの各連通孔142,143のプランジャ挿入孔141における開口部は、それぞれ吸入開口144および吐出開口145とされている。以上の容器130およびシールディスク40により、本実施形態のポート部材が構成されている。
【0064】
プランジャバレル140のプランジャ挿入孔141には、外周面がプランジャ挿入孔141の内周面に摺接した状態で、回転自在、かつ進退自在に構成された円柱状のプランジャ167が挿入されている。また、プランジャ挿入孔141の上部(駆動部2側)には、プランジャ167に摺接するシール材146が設けられている。そして、プランジャ167の先端部(図10〜12中、下端部)には、その円周面の一部をプランジャ167の軸に沿った平面で切り欠いた切欠部(Dカット部)167Aが形成されている。この切欠部167Aは、プランジャ167がプランジャ挿入孔141内で回転することで、吸入開口144または吐出開口145に対向する位置に回転し、この状態において、吸入側または吐出側の連通孔142,143とプランジャ挿入孔141の内部空間とが連通されるようになっている。そして、切欠部167Aが対向しない状態の吸入開口144または吐出開口145においては、プランジャ167の外周面によって各開口144,145が閉塞され、各連通孔142,143とプランジャ挿入孔141の内部空間との連通が遮断されるようになっている。
なお、本実施形態では、プランジャ167は、アルミナセラミックやジルコニアセラミック等の硬質で摺動性および耐久性に優れた材料から形成されている。
【0065】
プランジャバレル140の上側(駆動部2側)には、プランジャバレル140の上端に当接したリング状のスペーサ153と、このスペーサ153の内側に設けられたリング部材154と、このリング部材154の上側に設けられたプランジャガイドブロック155とが配置されている。スペーサ153は、袋ナット106を締めることでその上面が連結部材105に当接し、下面に当接したプランジャバレル140を下方のシール材137に押圧して、プランジャバレル140の位置を固定する。プランジャガイドブロック155には、プランジャバレル140のプランジャ挿入孔141の延長位置にプランジャ挿入孔157が設けられ、プランジャ167が挿通されている。そして、リング部材154の内側には、プランジャ167に摺接するテフロン(登録商標)製のシール材158と、このシール材158をプランジャ167に向かって付勢するゴム製のOリング159とが配置されている。これにより、プランジャ167とプランジャ挿入孔141との摺接面に沿って上昇した液体が、プランジャバレル140の上側に漏出さないようになっている。
なお、スペーサ153は、アミドイミドやPOM(ポリアセタール)等の樹脂から形成されている。リング部材154は、POMなどのスーパーエンジニアリングプラスチックやステンレス等から形成されている。また、プランジャガイドブロック155は、含油POM等から形成され、プランジャ167と摺接した際の摺動性を満足し、かつ耐久性に優れた構造となっている。
【0066】
プランジャ167の上端(駆動部2側端部)は、連結部材105の内部に設けられたオルダム継手(回り両スライダ機構)を介してポンプ駆動軸60に連結されている。このオルダム継手は、含油POM等で形成された第1および第2の継手部材161,162と、第1および第2の連結ピン163,164とを備えて構成されている。そして、第1継手部材161が第1連結ピン163でポンプ駆動軸60の下端部(ポンプ部103側)に連結され、第1継手部材161に第2継手部材162が第2連結ピン164で連結され、第2継手部材162にプランジャ167の上端が連結されている。また、第1および第2の連結ピン163,164は、ポンプ駆動軸60に直交するとともに、互いに直交して設けられ、それぞれ第1および第2の継手部材161,162に対して摺動可能に挿通されている。これにより、ポンプ駆動軸60とプランジャ167とが若干偏心した場合であっても、ポンプ駆動軸60の回転動作をプランジャ167に無理なく伝達できるようになっている。
【0067】
オルダム継手の第2継手部材162の下部には、内周を第2継手部材162に当接したボールベアリング165が配置されている。このボールベアリング165の外周と前記プランジャガイドブロック155との間には、付勢手段であるコイルばね168が介装されている。このコイルばね168により、プランジャガイドブロック155を介してリング部材154、シール材158、パッキン材159がプランジャバレル140に押圧されるようになっている。さらに、コイルばね168は、オルダム継手を介してポンプ駆動軸60を常時上方に付勢しており、これにより、ボール保持部材70を介してボール75もガイド部材20のガイドリング25に常時当接されている。ポンプ駆動軸60は、ボディ10の内部に設けられた含油POM製のスプライン114と、このスプライン114のキー溝にポンプ駆動軸60に沿って摺動自在に支持されたボールベアリング115とで軸支されている。また、ポンプ駆動軸60の上端部(モータ11側)は、スプライン軸12および外筒13に支持されるため、ポンプ駆動軸60は、ボディ10に対して軸方向に進退自在で、かつモータ11からの回転動作を伝達可能に構成されている。
【0068】
また、オルダム継手の第2連結ピン164が挿通される第2継手部材162の挿通孔は、上方に向かって開口した溝状に形成されており、第2継手部材162は、第1継手部材161に対して着脱可能に構成されている。これにより、袋ナット106を連結部材105から取り外して、ポンプ部103(容器130、プランジャバレル140)を駆動部2から取り外す際に、プランジャ167、プランジャガイドブロック155、第2継手部材162、ボールベアリング165、コイルばね168等もポンプ部103と一緒に取り外すことができる。従って、取り外したポンプ部103等を容易に洗浄できるとともに、吐出液体の種類や吐出量に応じて、プランジャ167やプランジャバレル140等を容易に交換することができるようになっている。
【0069】
次に、本実施形態の作用について図13、14をも参照して説明する。なお、図13(A)、図13(B)、図14(C)、図14(D)の各図において、左側の図は、上からガイド部材20部分の断面図、プランジャバレル140部分の断面図、プランジャバレル140とプランジャ167の切欠部167Aとの平面視での位置関係を示す模式図である。そして、右側の図は、プランジャバレル140部分の左側の断面図に対して側面方向(90度異なる位置)で断面した図である。
【0070】
まず、吸入ポート133の雌ねじに螺合した液体供給部材を介して吸入ポート133に液体7を供給しておく。
また、予めマイロクメータ80を操作し、ガイド部材20の傾斜角度を調節して、吐出量を設定しておく。
また、本実施形態では、図13(A)の状態を原点としている。この原点状態では、プランジャ167の切欠部167Aがプランジャバレル140の吸入開口144に連通している。また、プランジャ167は、下方ストロークエンド(ボール75がガイド部材20の固定軸21に最も近接する位置)から上方のストロークエンド(ボール75が当接軸24に最も近接する位置)に移動する中間位置(上下ストロークエンドの中間位置)に移動した状態にある。
【0071】
この原点状態において、スタートボタンを押すことなどでスタート信号が入力されると、モータ11が作動されてスプライン軸12が回転される。このスプライン軸12の回転は、外筒13、ポンプ駆動軸60、オルダム継手の第1および第2の継手部材161,162を介してプランジャ167に伝達され、プランジャ167がプランジャバレル140のプランジャ挿入孔141内で回転する。
【0072】
この回転に伴い、ポンプ駆動軸60に固定されたボール保持部材70は、ポンプ駆動軸60とともに回転するため、ボール保持部材70に保持されたボール75は、前記コイルばね68の作用により、ガイドリング25の案内面25Aに当接したまま、案内面25Aの傾斜に沿って進退する。ボール保持部材70の進退に伴い、ポンプ駆動軸60に連結されたプランジャ167は、プランジャバレル140のプランジャ挿入孔141内で軸方向に進退する。
この進退に伴い、プランジャ167は徐々に上昇し、プランジャ167の切欠部167Aが吸入開口144から外れるまで、プランジャ挿入孔141内に吸入ポート133から液体7が吸引される。
【0073】
そして、図13(B)に示すように、プランジャ167が上方ストロークエンドの位置まで移動した時点では、プランジャ167の切欠部167Aは吸入開口144から吐出開口145に移動する中間位置にあり、これらの各開口144,145と完全に隔離された状態になるため、プランジャ挿入孔141内に吸引された液体7も吸入ポート133内の液から区画される。
【0074】
さらに、モータ11による回転が続き、図14(C)に示すように、プランジャ167が上方ストロークエンドから下方ストロークエンドの中間位置に移動した時点では、プランジャ167の切欠部167Aは、吐出開口145と連通する位置に移動し、プランジャ167は下方に移動し続ける。そして、この移動に伴いプランジャ挿入孔141内の液体7が、吐出開口145、吐出側連通孔143、吐出ポート134を介して吐出ノズル35から吐出される。
なお、この液体7の吐出は、吐出開口145にプランジャ167の切欠部167Aが連通し始めてから、吐出開口145から外れるまで、つまり図14(C)の状態の手前からその後まで続く。
【0075】
そして、プランジャ167が回転し続けることで、プランジャ167の切欠部167Aが吐出開口145から外れると、液体7の吐出が停止する。
その後、図14(D)に示すように、プランジャ167が下方ストロークエンドの位置まで移動した時点では、プランジャ167の切欠部167Aは吐出開口145および吸入開口144の中間位置に移動し、これらの各開口145,144と完全に隔離された状態になる。
【0076】
さらに、プランジャ167が回転し続けると、プランジャ167は上昇し、吸入開口144にプランジャ167の切欠部167Aが連通した時点から、プランジャ167の上昇に伴い液体7がプランジャ挿入孔141内に吸引される。
そして、図13(A)の状態に戻ると、1サイクルの吸引および吐出の動作が終了する。
以下、前述の各動作を繰り返すことで、所定量の液体7が順次吐出される。なお、前述の1サイクルの吸引および吐出の動作を、連続的に実行して、液体7を連続吐出させてもよく、また、1サイクルごとにモータ11を停止させて、液体7を1回ずつ吐出させてもよい。さらに、1サイクルごとに停止および再作動を繰り返すようにモータ11を制御して、間欠的に液体7を吐出させてもよい。
【0077】
このような本実施形態によれば、前述の(1)〜(7)、(11)〜(13)と略同様の効果に加えて次のような効果がある。
【0078】
(17)プランジャバレル140のプランジャ挿入孔141内でプランジャ167を回転して、プランジャ167の切欠部167Aでプランジャ挿入孔141の吸入開口144、吐出開口145の切替を行うDカットプランジャポンプ方式を採用している。従って、バルブ切替の動作と、吸引および吐出の動作とが、プランジャ167の回転動作と進退動作とで実現できるので、液体吐出装置100の部品点数を削減し、バルブ構造を簡素化することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0079】
(18)また、プランジャバレル140の吸入開口144、吐出開口145部分をプランジャ167の切欠部167Aが移動している間、吸入動作や吐出動作を続けることができるので、吸入時あるいは吐出時にプランジャ167の回転を停止させる必要が無く、プランジャ167を回転させたまま、吸入や吐出動作を実現できるため、高速回転を容易に実現できる。
従って、プランジャ167の1回転つまり1回の吐出動作を0.1秒以下で行うこともでき、半導体製造関連の製造ラインなどのような、毎秒10回以上の吐出速度が求められる場合であっても、十分に対応することができる。
【0080】
(19)さらに、プランジャ167つまりプランジャ挿入孔141を1本しか形成していないため、プランジャ167が1回転するごとに、プランジャ167の進退移動によって1サイクルの吸入、吐出動作が行われるため、1回毎の吐出動作が同一になり、1回毎の吐出量の精度も向上できる。
【0081】
(20)ポンプ部103の液体7に接するプランジャバレル140、プランジャ167等をステンレスやセラミックス等の耐薬品性等に優れた材質で形成することで、各種の吐出液体7を取り扱うことができる。また、ポンプ部103と駆動部2とが分かれているため、ポンプ部103のみに単価の高いステンレスやセラミックスを用いることもでき、耐薬品性の液体吐出装置100であっても低価格で提供することができる。さらに、プランジャバレル140とプランジャガイドブロック155との間にシール材158が介装されているので、プランジャバレル140にのみ単価の高いセラミックス等を用いることもでき、液体吐出装置100の低価格化をさらに促進できる。
【0082】
(21)また、ポンプ部103の容器130は、袋ナット106を外すことで駆動部2から容易に分離することができる。従って、ポンプ部103のみを洗浄できてメンテナンスも容易に行うことができ、吐出液体7の種類を変更する場合などでも、簡単に行うことができる。
その上、ポンプ部103を取り外す際に、プランジャ167、プランジャガイドブロック155、第2継手部材162、ボールベアリング165、コイルばね168等もポンプ部103と一緒に取り外すことができるため、洗浄やメンテナンス作業を容易にでき、かつ組立性も向上できる。
【0083】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲の変形は本発明に含まれるものである。
例えば、バルブ、ポンプ機構としては、前記第1実施形態の平面バルブプランジャポンプ式や、前記第2実施形態のDカットプランジャポンプ方式に限られない。すなわち、前記第1実施形態の摺接面41,51が、例えば球面や所定の曲面から構成されたものであってもよい。また、前記第2実施形態のプランジャ167に形成される切欠部167Aが、Dカット以外の形態であってもよい。
【0084】
また、ポンプ駆動軸60を進退動させる進退駆動手段としては、ガイド部材20のガイドリング25の案内面25Aを平面に形成した前記実施形態に限らず、例えば、案内面25Aの一部に凹凸を設けたものや、案内面25Aを曲面形状に形成したものが採用できる。このように構成すれば、例えば、吐出動作が終了する時に、一時的にプランジャ67,167を上昇させて吐出ポート34、134から液を吸引してから、バルブを切り替えるようにして、吐出終了時の吐出ノズル35先端の液残りを少なくするようにしてもよい。
【0085】
また、ガイド部材20の傾斜角度を調整する構成としては、前記実施形態に限らず、例えば、固定軸21をガイド部材20に対して回動不能に固定し、この固定軸21にハンドルなどを設け、固定軸21を直接回転させることでガイド部材20を傾斜させるものでもよい。
また、前記マイロクメータ80やハンドルなどのガイド部材20を傾斜させる部材を電動制御可能に構成し、ライン上に組み込んだ際に、そのラインを流れる製品に応じて前記マイロクメータ80等を電動駆動して吐出量を変更できるようにしてもよい。このような構成にすれば、多品種が混在して流れる製造ラインにおいて、その製品に応じた吐出量の調整を自動化でき、自動製造ラインにも容易に組み込むことができる。
【0086】
さらに、前記実施形態では、ガイド部材20を傾斜させるにあたって、当接軸24を固定軸21よりもモータ11側つまりポンプ部3,103から離れる方向に移動するようにしていたが、逆に当接軸24を固定軸21よりもポンプ部3,103側に近づく方向に移動するようにしてもよい。さらには、固定軸21を中心として、当接軸24をモータ11側およびポンプ部3,103側の両方に移動可能に構成してもよい。
また、前記実施形態では、固定軸21をガイド部材20の一端側に形成していたが、ガイド部材20の両端間の中心部分や、貫通孔22が形成された部分などに設けてもよい。
【0087】
また、前記第1実施形態では、ポートブロック31の内部にシールディスク40を配置していたが、ポートブロック31に摺接面を形成し、このポートブロック31に直接ポンプブロック50を当接させる構成にしてもよい。すなわち、シールディスク40を省略し、液体吐出装置のケース部分で面バルブの一方の摺接面を構成してもよい。この場合、シールディスク40を不要にできて部品点数を軽減できるので、洗浄などのメンテナンスを容易に行える利点がある。一方で、シールディスク40を用いれば、シールディスク40のみをアルミナセラミック等の硬質材で構成すればよく、ポートブロック31全体をシールディスク40と同様なアルミナセラミック等で構成する場合と比較して、コストを低減させることができる。さらに、シールディスク40に一般的な金属材等を用いて、シールディスク40のみをDLCコーティングすることもできるため、ポートブロック31全体をコーティング等する場合に比べて、コーティング費用を軽減できる。
【0088】
また、付勢手段はコイルばね68,168に限らず、例えば板ばねや皿ばね等の他の形式のばねでもよい。さらに、モータ11としては、モータ及び減速ギアを有するギヤドモータや、シンクロナスモータ、DCモータ、インダクションモータ、レバーシブルモータ、エアモータ等の種々のモータを利用することができる。
また、これら以外の部分の形状、構造等も前記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0089】
【発明の効果】
このような本発明の液体吐出装置によれば、構造が簡易にできて小型化が容易であり、かつ液体の吐出量の精度を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置を示す正面図である。
【図2】前記液体吐出装置の一部を省略した縦断面図である。
【図3】前記液体吐出装置の一部を省略した図2に対して90度異なる位置の縦断面図である。
【図4】前記実施形態の進退駆動手段を示す分解斜視図である。
【図5】前記進退駆動手段の一部を断面して示す分解斜視図である。
【図6】前記実施形態のポンプ部を示す分解斜視図である。
【図7】前記実施形態の駆動部およびポンプ部の動作を示す説明図である。
【図8】図7の動作の続き示す説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る液体吐出装置を示す正面図である。
【図10】前記液体吐出装置の一部を省略した縦断面図である。
【図11】前記液体吐出装置の一部を省略した図10に対して90度異なる位置の縦断面図である。
【図12】前記実施形態のポンプ部を拡大して示す縦断面図である。
【図13】前記実施形態の駆動部およびポンプ部の動作を示す説明図である。
【図14】図13の動作の続き示す説明図である。
【符号の説明】
1,100 液体吐出装置
7 液体
11 回転駆動手段であるモータ
20 ガイド部材
21 固定軸
24 当接軸
25A 案内面
33,133 吸入ポート
34,134 吐出ポート
41 第1の摺接面
51 第2の摺接面
52,141 プランジャ挿入孔
52A 連通部
60 ポンプ駆動軸
67,167 プランジャ
68,168 付勢手段であるコイルばね
70 従動部であるボール保持部材
71 凹部
75 ボール
167A 切欠部

Claims (4)

  1. 液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを有し、かつ、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する開口が形成された第1の摺接面を有するポート部材と、
    前記第1の摺接面に当接可能な第2の摺接面を有し、かつ、第2の摺接面が前記第1の摺接面に当接された状態で回転自在に配置されるとともに、回転軸に平行に穿設され、かつ、前記第1の摺接面に形成された開口に連通可能に前記第2の摺接面に開口したプランジャ挿入孔を有するバルブ部材と、
    前記プランジャ挿入孔に前記回転軸に沿って摺動自在に挿通されたプランジャと、
    前記プランジャと共に前記回転軸に沿って進退可能に、かつ前記回転軸を中心に回転可能に支持されたポンプ駆動軸と、
    前記ポンプ駆動軸およびバルブ部材を回転駆動する回転駆動手段と、
    前記ポンプ駆動軸およびプランジャを進退駆動する進退駆動手段とを備え、
    前記進退駆動手段は、
    前記ポンプ駆動軸の軸方向に対して傾斜した案内面を有するガイド部材と、
    前記ポンプ駆動軸に取り付けられるとともに、前記案内面に沿って転動可能なボールが配置された略半球状の凹部を有する従動部と、
    前記プランジャを前記ガイド部材側に付勢して、前記従動部のボールを前記案内面に当接させる付勢手段とを有し、
    前記ポンプ駆動軸の回転に伴い移動する前記ボールが前記案内面に案内されて、当該ポンプ駆動軸および前記プランジャが進退駆動されることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 液体が供給される吸入ポートおよび液体が吐出される吐出ポートを有し、かつ、前記吸入ポートおよび吐出ポートにそれぞれ連通する開口が円筒状の内周面の対向位置に形成されたポート部材と、
    前記ポート部材の内周面にて形成されたプランジャ挿入孔と、
    前記プランジャ挿入孔に軸方向に沿って摺動自在に、かつ、軸回りに回転自在に挿通されるとともに、先端部分の一部が切り欠かれて形成され、前記ポート部材の内周面に形成された開口に連通可能な切欠部を有するプランジャと、
    前記プランジャと共に当該プランジャの回転軸に沿って進退可能に、かつ前記回転軸を中心に回転可能に支持されたポンプ駆動軸と、
    前記ポンプ駆動軸およびプランジャを回転駆動する回転駆動手段と、
    前記ポンプ駆動軸およびプランジャを進退駆動する進退駆動手段とを備え、
    前記進退駆動手段は、
    前記ポンプ駆動軸の軸方向に対して傾斜した案内面を有するガイド部材と、
    前記ポンプ駆動軸に取り付けられるとともに、前記案内面に沿って転動可能なボールが配置された略半球状の凹部を有する従動部と、
    前記プランジャを前記ガイド部材側に付勢して、前記従動部のボールを前記案内面に当接させる付勢手段とを有し、
    前記ポンプ駆動軸の回転に伴い移動する前記ボールが前記案内面に案内されて、当該ポンプ駆動軸および前記プランジャが進退駆動されることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置において、
    前記ボールと前記凹部との摩擦係数は、前記ボールと前記ガイド部材の案内面との摩擦係数に比べて小さくされていることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置において、
    前記ガイド部材の一端側は、前記ポンプ駆動軸と交差する方向に沿った固定軸に回動自在に軸支されており、
    前記ガイド部材の他端側を前記ポンプ駆動軸の軸方向に移動させて、前記案内面の傾斜角度を調整する吐出量設定手段が設けられていることを特徴とする液体吐出装置。
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