JP2005015500A - アニオン性ジオールからなるポリウレタン形成用ポリオール成分および組成物 - Google Patents

アニオン性ジオールからなるポリウレタン形成用ポリオール成分および組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】従来、スルホン酸塩基含有ポリエステルポリオールからなる高分子量ポリオールを用いてポリウレタン樹脂に染色性、吸湿性等を付与することが知られているが、該ポリウレタン樹脂は、染色性は良好であるものの、耐加水分解性のレベルは実用上充分に満足し得るものではない。
【解決手段】アニオン性ジオール(A1)からなるポリウレタン形成用ポリオール成分;並びに、該ジオール(A1)と、他の活性水素原子含有化合物(A2)、並びに/又は不活性溶媒(A31)および添加剤(A32)からなる群から選ばれる配合成分(A3)とからなり、(A1)と(A2)の合計モル数に基づいて85モル%を超える量の(A2)を含有しないことを特徴とする、アニオン性ジオール組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアニオン性ジオールからなるポリウレタン形成用ポリオール成分および組成物、詳しくはポリウレタン樹脂に吸放湿性・染色性を付与するのに有用なアニオン性ジオールおよびこれを含有する組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、スルホン酸塩基を有する二塩基酸とテレフタル酸及び/又はイソフタル酸とを酸成分として共重合させてなるスルホン酸塩基含有ポリエステルポリオールからなる高分子量ポリオールを用いてポリウレタン樹脂に染色性、吸湿性等を付与することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭59−6210号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スルホン酸塩基含有ポリエステルポリオールを用いて製造したポリウレタン樹脂は、染色性は良好であるが、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸を共重合させることにより耐加水分解性が改善されているものの、その耐加水分解性のレベルは実用上充分に満足し得るものではない。
本発明の目的は、吸放湿性・染色性に優れ、かつ機械特性にも優れるポリウレタン樹脂形成用ポリオール成分を提供することにある。
ポリウレタン樹脂形成用ポリオール成分などとして使用する場合は、過剰に存在するグリコールとイソシアネートが反応して本来目的とする樹脂物性が得られ難いという問題があった。
本発明の目的は、遊離のジオール含量が少なく樹脂改質の自由度の大きい酸性(塩)基含有ジカルボン酸ジエステル組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、該組成物を含有させてなる吸放湿性・染色性ポリウレタン樹脂形成用ポリオール成分を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、一般式(1)で示されるアニオン性ジオール(A1)からなるポリウレタン形成用ポリオール成分;該ジオール(A1)と、他の活性水素原子含有化合物(A2)並びに/又は不活性溶媒(A31)および添加剤(A32)からなる群から選ばれる配合成分(A3)とからなり、(A1)と(A2)の合計モル数に基づいて85モル%を超える量の(A2)を含有しないことを特徴とする、アニオン性ジオール組成物;一般式(2)で示されるジオール(a2)と、一般式(3)で示されるn個のプロトン酸(塩)基を有するジカルボン酸(a1)もしくはそのエステル形成性誘導体とを、1.8〜3/1のモル比で、不活性溶媒中で、触媒の存在下もしくは不存在下に、反応させて、ジオール(A1)を製造する、ジオールの製造方法;上記ポリオール成分もしくは組成物と、ポリイソシアネート成分とを反応させて、非発泡または発泡の、アニオン性基含有ポリウレタン樹脂を製造することを特徴とする、ポリウレタン樹脂の製造方法;上記方法で得られ、0.01〜7ミリモル/gのプロトン酸(塩)基含量を有するポリウレタン樹脂組成物;並びに、上記方法で得られるポリウレタン樹脂からなる、吸放湿性および/または染色性を有する繊維、シートまたは繊維製品である。
【0006】
HO−A−OCO−Z[−Q(Mh+1/h−COO−A−OH (1)
HO−A−OH (2)
HOOC−Z[−Q(Mh+1/h−COOH (3)
【0007】
一般式(1)〜(3)において、nは1〜4の整数;hは1または2;Mh+はh価のカチオン;Qは−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン基;Zはn個のプロトン酸(塩)基を有するジカルボン酸(a1)の残基;Aは炭化水素ジオールおよび(ポリ)オキシアルキレンジオールからなる群から選ばれる少くとも1種のジオール(a2)の残基を表す。
【0008】
【発明の実施の形態】
[アニオン性ジオール(A1)]
本発明のポリウレタン形成用ポリオール成分およびアニオン性ジオール組成物に含有される、一般式(1)で示されるアニオン性ジオール(A1)は、一般式(2)で示されるジオール(a2)2モルと一般式(3)で示されるジカルボン酸(a1)1モルから構成されるジエステルである。
ジカルボン酸(a1)は、一般式:−Q(Mh+1/hで示されるプロトン酸(塩)基をn(1〜4好ましくは1)個有する。
【0009】
一般式(1)および(3)において、アニオン性基Qは一般式R−Q(RはHまたはCH)で示されるプロトン酸からRおよびプロトン(H)を除いた残基を表し;プロトン酸(R−Q)は、−10〜4(好ましくは0〜3)のpKaを有する。[プロトン酸のpKaは、例えば「化学便覧(改訂4版)基礎編II」(日本化学会編)II317頁(1993年5月発行)に記載されている。]pKaが−10より小さいプロトン酸ではポリウレタン樹脂の機械特性が悪くなり、pKaが4より大きいものではポリウレタン樹脂の染色性が悪くなる。
このようなプロトン酸には、S含有酸、例えばメタンスルホン酸(1.8)、硫酸(1.99)およびスルファミン酸(0.99);並びにP含有酸、例えばホスホン酸(1.5)、リン酸(2.15)およびホスフィン酸(1.23)等が含まれる[()内はpKa]。
【0010】
アニオン性基(Q)には、S含有酸のアニオン、例えば−SO 、−OSO 及び−NHSO ;P含有酸のアニオン、例えば−O−P(=O)(−OR)−O、−O−P(=O)(−O、−P(=O)(−OR)−O及び−P(=O)(−O が含まれる。式中、RはC(炭素数、以下同様)1〜6のアルキル基またはC2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。
一般式:−Z[−Q(Mh+1/h−で示される、プロトン酸(塩)基含有基[(a1)から2個のカルボキシル基を除いた基]には、一般式:
−Z[−(X)−SO (Mh+1/h− (4)
−Z[−(O)−P(=O)(−OR)2−y〔−O(Mh+1/hn/y− (5)
で示されるものが含まれる。式中、mは0または1、XはOまたはNH、xは0または1、yは1または2を表し;Rは上記と同じ、n、hおよびMh+は一般式(3)におけると同じである。好ましいのは一般式(4)で示されるもの、とくにmが0のもの[すなわちスルホン酸(塩)基含有基]である。
【0011】
残基Zは(a1)からn個のプロトン酸(塩)基および2個のカルボキシル基を除いた残基を表す。残基Zは、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルデヒド基もしくはニトロ基またはハロゲン原子の1種または2種以上で置換されていてもよい、炭化水素基(脂肪族、脂環式および芳香族炭化水素基)が含まれる。
Zには、下記の2価炭化水素基(アルコキシ、ヒドロキシル、シアノ、アルデヒドもしくはニトロ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい)からn個の水素原子が除かれた(2+n)価の炭化水素基が含まれる。ポリウレタン樹脂の物性の観点から、好ましいのは芳香族炭化水素基とくにフェニレン基である。
【0012】
脂肪族炭化水素基(C1〜16好ましくはC3〜12):アルキレンおよびアルケニレン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、トリデシレン、ヘキサデシレン、エテニレンおよびプロペニレン基、及びアルキルもしくはアルケニル置換エチレン基;脂環式炭化水素基(C3〜16好ましくはC5〜12):(ビ)シクロアルキレンおよび(ビ)シクロアルケニレン基、例えばシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、(ビ)シクロヘキシレン、シクロヘプチレンおよびシクロオクチレン、メチレンビス(シクロヘキシレン)およびシクロヘキシル置換エチレン基;芳香族炭化水素基(C6〜16好ましくはC6〜15):(ビ)アリーレン基、例えばフェニレン、トリレン、キシリレン、メチレン(ビスフェニレン)、ナフテニレンおよびフェニル置換エチレン基;並びにアルコキシ、ヒドロキシル、シアノ、アルデヒドもしくはニトロ基またはハロゲン原子で置換された炭化水素基、たとえば一般式:
−CH(−R)−CH− (6)
で示される基[式中、Rは、アルコキシ(例えばメトキシおよびエトキシ)、ヒドロキシル、シアノ、アルデヒドもしくはニトロ基またはハロゲン原子(例えば塩素および臭素)を表す]。
Zとしては、他の活性水素原子含有化合物(A2)や溶剤への相溶性の点からC14以下とくにC10以下のもの、耐加水分解性の点からC3以上とくにC4以上のものが好ましい。
【0013】
一般式(1)および(3)において、カチオン(Mh+)には、プロトンH、並びに金属、アンモニウムおよびアミンから選ばれる1または2価のカチオンが含まれる。
h+を形成する金属には、アルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)、及びその他(例えばIIB族、IIIA族およびVIII族)の金属(例えば亜鉛、アルミニウムおよび鉄)が含まれる。
【0014】
アミンには、C1〜10のハイドロカルビル基(例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキル基)および/またはC2〜4のヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシエチル基)を有する(これらの基の2個またはそれ以上が結合してNと共に複素環を形成していてもよい)、1、2および3級の、脂肪族、脂環式、芳香族および複素環アミンが含まれる。 具体的には、1級アミン、例えば後述の[(A211)の開始剤として挙げる]1級モノアミン、アルカノールアミンおよびポリアミン;2級アミン(C2〜12)、例えばジ(ハイドロカルビルおよび/またはヒドロキシアルキル)アミン(例えばジメチルアミン、ジブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミンおよびエチルエタノールアミン)、および複素環2級アミン(例えばモルホリン、ピペリジンおよびピペラジン);並びに3級アミン(C3〜15)、例えばトリ(ハイドロカルビルおよび/またはヒドロキシアルキル)アミン(例えばトリメチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミンおよびジエチルエタノールアミン)、および複素環3級アミン(例えばN−メチルモルホリンおよびピリジン)、および後述の3級アミン触媒が挙げられる。
アンモニウムには、NH 、および4級アンモニウムアミン、例えば上記3級アミンを4級化してなるもの(例えばテトラアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウムおよびトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム)が含まれる。
これらのうちポリウレタン樹脂の染色性の観点から好ましいのは、金属、とくにアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属[以下アルカリ(土類)金属と略記]である。
【0015】
(a1)の具体例には、下記(a11)〜(a15)のプロトン酸基含有ジカルボン酸、およびそれらの塩[プロトン酸基のプロトンを上記アルカリ(土類)金属、アンモニウムおよびアミンからなる群から選ばれるカチオンに変換してなるもの]が含まれる。[下記ジカルボン酸へのプロトン酸基の導入は、
プロトン酸の形で行ってもその塩の形で行ってもよく、また遊離のカルボン酸の形で行ってもそのエステル形成性誘導体(後述)の形で行ってもよい。]
【0016】
(a11)スルホン酸基含有ジカルボン酸
後掲の(ポリエステルポリオールの原料として挙げる)ジカルボン酸のスルホン化物、例えば(a111)スルホ芳香族ジカルボン酸:スルホベンゼンジカルボン酸(例えば5−スルホ−オルト−、イソ−およびテレフタル酸)、およびスルホナフタレンジカルボン酸;(a112)スルホ脂肪族ジカルボン酸:スルホアルカンもしくはアルケンジカルボン酸(例えばスルホコハク、スルホグルタル、スルホアジピン、スルホピメリン、スルホスベリン、スルホアゼライン、スルホセバシンおよびスルホマレイン酸);並びに(a113)置換スルホコハク酸、例えば一般式:
HOOC−CH(−R)−CH(−SOH)−COOH (7)
で示されるもの[式中、RはRまたはC1〜13のハイドロカルビル基(例えばアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アラルキルおよびアリール)を表し;Rは一般式(6)におけると同じである。]
【0017】
(a12)硫酸基含有ジカルボン酸
ヒドロキシジカルボン酸[例えばモノ−およびジ−ヒドロキシアルカン二酸(例えばタルトロン、リンゴおよび酒石酸)]の硫酸エステル[水酸基を硫酸化剤(例えば発煙硫酸)で硫酸エステル化したもの]
(a13)スルファミン酸基含有ジカルボン酸
アミノジカルボン酸(例えばアスパラギンおよびグルタミン酸)のスルファミン化物(アミノ基を発煙硫酸またはクロロ硫酸でスルファミン酸基に変換してなるもの)
【0018】
(a14)リン酸基含有ジカルボン酸
ヒドロキシジカルボン酸(上記)のリン酸エステル[水酸基を、リン酸化剤(例えば五酸化リンおよびオキシ塩化リン)でリン酸エステル化したもの、およびその酸基(OH)の一部をアルコールもしくはアルキレンオキシド(以下AOと略記)[C2〜8またはそれ以上、好ましくはC2〜4、例えば下記(a22)に記載のもの]と反応させて部分アルキルエステルもしくは部分ヒドロキシアルキルエステル化したもの]
(a15)ホスホン酸基含有ジカルボン酸
ヒドロキシジカルボン酸(上記)のホスホン化物[水酸基を、三塩化リンで亜リン酸エステル化し異性化してホスホン酸基に変換したもの、およびその酸基(OH)の一部を上記と同様に部分アルキルエステルもしくは部分ヒドロキシアルキルエステル化したもの]
【0019】
一般式(1)において残基Aを構成する、一般式(2)で示される、ジオール(a2)には、以下のものが含まれる。
(a21)炭化水素ジオール
脂肪族ジオール(C2〜12またはそれ以上、好ましくはC2〜10:アルキレンもしくはアルケニレングリコール)、例えばエチレングリコール(以下EGと略記)、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−および1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびドデカンジオール;脂環式ジオール(C4〜20またはそれ以上、好ましくはC6〜10)、例えばビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサン−1,2−、1,3−および1,4−ジオール、シクロペンタン−1,2−および1,3−ジオール、および2価フェノール(下記)の水素化物(例えば水素添加ビスフェノールA);芳香脂肪族ジオール(C8〜20またはそれ以上)、例えばジヒドロキシメチルベンゼン(キシリレングリコール)およびビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン;並びに、後述の(A213)に記載のポリブタジエン系ポリオール。
【0020】
(a22)(ポリ)オキシアルキレンジオール
2個の活性水素原子を有する化合物[例えば前掲の炭化水素ジオール、後掲の(A211)および(A212)の原料に挙げる1級モノアミン、2価フェノールおよびジカルボン酸]のAO[C2〜8またはそれ以上、好ましくはC2〜4:例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランおよび3−メチル−テトラヒドロフラン(以下それぞれEO、PO、THFおよびMTHFと略記)、1,2−および2,3−ブチレンオキシド、C5〜8のα−オレフィンオキシド、および置換(フェニルもしくはハロゲン置換)AO(例えばスチレンオキシドおよびエピクロルヒドリン)、並びにこれらの2種以上の併用(ランダムおよび/またはブロック)](1〜70モル、好ましくは1〜40モル)付加物:
(a221)モノオキシアルキレン(C2〜4)ジオール、例えばジエチレングリコールおよびジプロピレングリコール;
(a222)N,N−ジヒドロキシアルキル(C2〜4)モノハイドロカルビルアミン(C1〜10):後述の1級モノアミンのN,N−ジヒドロキシアルキル置換体、例えばジヒドロキシエチルブチルアミン、およびジヒドロキシエチルアニリン;並びに
(a223)ポリエーテルジオール[後述の(A211)中のジオール]、例えばポリアルキレン(C2〜4)グリコール[例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下それぞれPEG、PPGおよびPTMGと略記)]および2価フェノールのポリオキシアルキレン(C2〜4)エーテル[ビスフェノールAのAO付加物等]。
【0021】
(a2)のうち、ポリウレタン樹脂の染色性および機械特性の観点から好ましいのは、1,000以下の数平均分子量[以下Mnと略記、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による;以下同様]を有するもの、さらに好ましいのは400以下のMnのもの、とくに200以下のMnのものである。このようなMnのジオールのうちで、ポリウレタン樹脂の吸湿性、染色性および機械特性の観点から好ましいのは(ポリ)アルキレングリコール、更に好ましいのはPEGおよびとくにEGである。
アニオン性ジオール(A1)のうち、ポリウレタン樹脂の染色性および機械特性の観点から好ましいのは5−スルホイソフタル酸のアルキレングリコール(とくにEG)ジエステルの金属塩、さらに好ましいのはそのアルカリ(土類)金属塩とくにアルカリ金属塩である。
【0022】
(A1)は、(a1)成分[ジカルボン酸(a1)またはそのエステル形成性誘導体、以下同様]とジオール(a2)とを不活性溶媒中で反応(エステル化またはエステル交換)させることにより、製造することができる。
エステル形成性誘導体には、(a1)のジ低級アルキル(C1〜4)エステル(例えばメチル、エチル、n−およびi−イソプロピルおよびn−、i−、sec−およびt−ブチルエステル)、酸無水物および酸ハライド(例えば酸クロライド)が含まれる。反応性の観点から、ジアルキル(C1〜2)エステル、とくにジメチルエステルが好ましい。そのうちで、ポリウレタン樹脂の染色性の観点から、スルホベンゼンジカルボン酸ジメチル(とくに5−スルホイソフタル酸ジメチル)およびそのスルホン酸の塩が好ましく、さらに金属塩とくにアルカリ金属塩および/またはアルカリ土類金属塩が好ましい。
【0023】
(a2)/(a1)成分のモル比は、反応速度の観点から好ましくは少なくとも1.8/1、さらに好ましくは少なくとも1.9/1とくに少なくとも2.0/1であり;ポリウレタン樹脂の物性の点から好ましくは多くとも3/1、さらに好ましくは多くとも2.9/1、とくに多くとも2.8/1である。
【0024】
不活性溶媒は、反応(エステル化またはエステル交換)に関与せず(a1)成分、(a2)および(A1)を溶解するものであれば特に限定されず、後掲の(A31)の1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン形成用ポリオール成分として使用する場合は、その反応性およびポリウレタン樹脂の溶解性の点から、好ましいのはアミド溶媒[ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミド(以下それぞれDMFおよびDMAと略記)、およびN−アルキル(C1〜3:メチル、エチル、n−およびi−プロピル)−2−ピロリドン]であり、さらに好ましいのはDMFおよびとくにDMAである。
溶媒/(a1)成分の比は、通常3/1〜10/1、溶液の粘度の点から好ましくは4/1〜7/1である。溶媒/[(a1)成分+(a2)]の比は、
通常2/1〜9/1、好ましくは3/1〜7/1である。
上記および以下において、比、部および%は、別に規定しない限り、それぞれ重量比、重量部および重量%を表す。
【0025】
(a1)成分と(a2)との反応は、触媒の存在下または不存在下に行われる。触媒としては通常のエステル化またはエステル交換用触媒が使用できる。 例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウムおよびカルシウム)、IIB族(例えば亜鉛およびカドミウム)、VIIB族(例えばマンガン)およびVIII族(例えば鉄、コバルトおよびニッケル)からなる群から選ばれる金属の有機酸(C2〜8のカルボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、オクタン酸およびマレイン酸)塩が挙げられる。これらのうち反応速度および着色の観点から好ましいのは酢酸塩であり、さらに好ましいのはVIIB族金属の酢酸塩とくに酢酸マンガンである。
触媒は、反応速度および着色の観点から、(a2)の重量に基づいて0.01〜5%とくに0.03〜3%の量用いるのが好ましい。
【0026】
(a1)成分と(a2)との反応は、通常のエステル化またはエステル交換の条件下、例えば110〜190℃の温度で常圧または減圧下(0.098〜0.001MPa)でエステル化もしくはエステル交換反応させて生成する水またはアルコールを除去することにより行うことができる。
【0027】
(a1)成分と(a2)とを不活性溶媒中で反応(エステル化またはエステル交換)させることにより、未反応(a2)の含有量の少ない(A1)を製造することができる。未反応(a2)の含有量は、(A1)の重量に基づいて、好ましくは4%以下、とくに3%以下である。
【0028】
[ポリオール成分(A)]
アニオン性ジオール(A1)からなる、本発明のポリオール成分は、ポリウレタン形成用に、すなわち、ポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させて、非発泡または発泡のポリウレタン樹脂を製造するに当り、成分(A)の少くとも一部として用いられる。
本発明においてポリオール成分(A)は、(A1)に加えて、必要により、他の[(A1)以外の]活性水素原子含有化合物(以下活性H化合物と略記)(A2)を含有することができる。(A2)には、ポリオール[高分子ポリオール(A21)および/または低分子ポリオール(A22)]、およびその他の(ポリオール以外の)活性H化合物(A23)、並びにこれらの2種以上の組合せが含まれる。
【0029】
高分子ポリオール(A21)は、少くとも250、好ましくは250〜3,000、さらに好ましくは350〜2,500とくに400〜2,000のOH当量(水酸基価に基づく、水酸基当たりの分子量)を有する。
(A21)は、通常500〜5,000またはそれ以上、好ましくは700〜4,500とくに900〜4,000のMnを有し;好ましくは6,000以下、とくに700〜4,000の重量平均分子量(以下Mwと略記、GPC法による;以下同様)を有する。(A21)は、2〜8個またはそれ以上、好ましくは2〜3個とくに2個の水酸基を有する。
(A21)には、下記(A211)〜(A215)の少くとも1種が含まれる。これらのうち好ましいのは(A211)である。
【0030】
(A211)ポリエーテルポリオール
(A211)には、少くとも2個(2〜8個またはそれ以上)の活性水素原子を有する開始剤に前記AO(例えばEO、POおよびTHF)の1種または2種以上(ランダムおよび/またはブロック)が付加した構造の化合物、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。上記開始剤には、多官能活性H化合物[2個以上の活性水素原子含有基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基および/またはメルカプト基)を有する化合物]、および1級モノアミンが含まれ;例えば多価アルコール、多価フェノール、アミン、ポリカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
【0031】
多価アルコールには、2価アルコール、例えば前掲の(a21)の炭化水素ジオールおよび(a221)のモノオキシアルキレンジオール(a222);並びに3価以上(3価〜8価またはそれ以上)のポリオール、例えば(シクロ)アルカンポリオールおよびそれらの分子内もしくは分子間脱水物[例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、シクロヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリンその他のポリグリセリンおよびジペンタエリスリトール]、糖類およびその誘導体(グリコシド)(例えばシュークロース、グルコース、フラクトース、マンノース、ラクトースおよびメチルグルコシド)が含まれる。
【0032】
多価フェノールには、2価フェノール、例えば単環2価フェノール(例えばハイドロキノン、カテコールおよびレゾルシン)、およびビスフェノール(例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールCおよびビスフェノールS)、並びに3価以上の多価フェノール、例えば単環フェノール(例えばピロガロールおよびフロログルシン)、および1価フェノール(例えばフェノール)のホルムアルデヒド低縮合物(例えばノボラック樹脂およびレゾールの中間体)が含まれる。
ポリカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸としては、後述の(A212)の原料に挙げるものが挙げられる。
【0033】
アミンには、1級モノアミン、アルカノールアミンおよびポリアミンが含まれる。
1級モノアミンには、モノハイドロカルビルアミン、例えばC1〜20の脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および芳香族モノアミン[モノアルキルアミン(例えばメチル、エチル、n−ブチルおよびオクチルアミン)、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アリールアミン(例えばアニリン、トルイジンおよびナフチルアミン)];アルカノールアミン[モノ−、ジ−およびトリ−のアルカノールアミン(ヒドロキシアルキル基のC2〜4)、例えばモノ−、ジ−およびトリ−のエタノールアミン]が含まれる。
【0034】
ポリアミンには、ジアミンおよび3個〜5個またはそれ以上の1級および/または2級アミノ基を有するポリアミンが含まれ、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および芳香族ポリアミン[例えば後述の(B1)に相当する(イソシアネート基がアミノ基に置き換った)ポリアミン(例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、キシリレンジアミン、トリレンジアミンおよびジエチルトリレンジアミン)、およびポリアルキレン(C2〜4)ポリアミン(例えばジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラアミン)]、複素環ポリアミン、例えば特公昭55−21044号公報記載のもの[例えばピペラジン、アミノアルキル(C2〜6)ピペラジン(例えばアミノエチルピペラジン)および1,4−ジアミノアルキル(C2〜6)ピペラジン(例えば1,4−ジアミノエチルピペラジン)];これらのポリアミンの部分アルキル置換体[例えばジアミン(例えばエチレンジアミン)のN−アルキル(C1〜4)置換体およびN,N−もしくはN,N’−ジアルキル(C1〜4)置換体]が挙げられる。
【0035】
(A211)の具体例としては、ポリエーテルジオール、例えばポリアルキレングリコール〔例えばPEG、PPG、PTMG、ポリ−3−メチルテトラメチレンエーテルグリコール、共重合ポリアルキレンエーテルジオール[THF/EO共重合ジオールおよびTHF/MTHF共重合ジオール](共重合比、例えば1/9〜9/1)〕、芳香族環含有ポリオキシアルキレンジオール[ポリオキシアルキレンビスフェノールA(ビスフェノールAのEOおよび/またはPO付加物など)];および3官能以上のポリエーテルポリオール、例えばポリオキシプロピレントリオール[例えばグリセリンのPO付加物];並びにこれらの1種以上をアルキレンジハライド(C1〜4)でカップリングしたもの(例えば2分子のポリエーテルポリオールをメチレンジクロライドでカップリングしたもの)が挙げられる。これらのうちで好ましいのは、ポリエーテルジオール、とくにPTMGである。
【0036】
(A212)ポリエステルポリオール
(A212)には、下記(A2121)〜(A2124)の少くとも1種が含まれる。
(A2121)縮合ポリエステルポリオール
(A2121)には、ポリオール(ジオールおよび必要により3価以上のポリオール)とポリカルボン酸(ジカルボン酸および必要により3価以上のポリカルボン酸)とが(重)縮合した構造の化合物、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。(A2121)は、ポリオールとポリカルボン酸(ジカルボン酸および必要により3価以上のポリカルボン酸)もしくはそのエステル形成性誘導体との縮合、またはポリオールとポリカルボン酸無水物およびAOとを反応させることにより製造することができる。
【0037】
ポリオールとしては、低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールが使用できる。低分子ポリオールとしては、低分子ジオール、およびこれと少割合(例えば10当量%以下)の3価以上の低分子ポリオールとの併用が挙げられる。
低分子ジオールとしては、例えば前掲の、(a21)の炭化水素ジオール(例えばEG、1,4−ブタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオール)、(a221)のモノオキシアルキレンジオール(例えばジエチレングリコール)および(a222)のジヒドロキシアルキルモノハイドロカルビルアミン(例えばN−メチルジエタノールアミン);3価以上の低分子ポリオールとしては、例えば前記(A211)の開始剤として挙げた多価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールプロパン)、およびアミン系ポリオール[前記(A211)の開始剤として挙げたポリアミンのN−ヒドロキシアルキル置換体、例えばテトラキス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、およびトリアルカノールアミン、例えばトリエタノールアミン];ポリエーテルポリオールとしては、500以下のOH当量を有する、AOの開環重合物および(A211)で挙げた多官能活性H化合物もしくは1級モノアミンのAO付加物、例えばポリオキシエチレンポリオール(例えばPEG)、ポリオキシプロピレンポリオール(例えばPPG)、ポリオキシテトラメチレンポリオール(例えばPTMG)、ビスフェノールAのPOおよび/またはEO付加物が挙げられる。
【0038】
ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸、およびジカルボン酸と少割合(例えば10当量%以下)の3〜4価またはそれ以上のポリカルボン酸が使用できる。それらの例としては、C2〜12の飽和および不飽和の脂肪族ポリカルボン酸、例えば飽和ジカルボン酸(例えばコハク、アジピン、アゼライン、セバチンおよびドデカンジカルボン酸)、不飽和ジカルボン酸(例えばマレイン、フマルおよびイタコン酸)、トリカルボン酸(例えばヘキサントリカルボン酸);C8〜15の芳香族ポリカルボン酸、例えばジカルボン酸(例えばテレフタル、イソフタルおよびフタル酸)、トリ−およびテトラ−カルボン酸(例えばトリメリットおよびピロメリット酸);並びにC6〜40の脂環式ポリカルボン酸(例えばダイマー酸)が挙げられる。エステル形成性誘導体は酸無水物、低級アルキル(C1〜4)エステル、酸ハライド(例えば酸クロライド)が含まれる。
【0039】
(A2122)ポリラクトンポリオール
(A2122)には、ポリオールを開始剤としてラクトン(C4〜15)を開環重合した構造の化合物、およびこれらの2種以上の混合物が含まれる。(A2122)は、ポリオールにラクトンを開環重合させることにより、またはポリオールとヒドロキシカルボン酸との縮合により製造できる。
ラクトンとしては、C4〜15のもの、例えばε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンが挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、C3〜15のもの、例えば上記ラクトンに相当する(開環した)もの(例えばヒドロキシカプロン酸)、乳酸、m−、p−およびo−ヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。ポリオールとしては、低分子ポリオール並びに/又はポリエーテルポリオールが使用でき;それらには、前記(A2121)で挙げた低分子ジオールおよび/もしくは3価以上の低分子ポリオール、並びに500以下のOH当量を有するポリエーテルポリオール(ジオールおよび/もしくは3価以上のポリオール)が含まれる。
【0040】
(A2123)ポリカーボネートポリオール
(A2123)は、ポリオールとアルキレン(C2〜4)カーボネート(例えばエチレンカーボネート)もしくは低級ジアルキル(C1〜4)カーボネート炭酸エステル(例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジ−i−プロピルカーボネート)との反応(縮合)またはジフェニルカーボネートとの反応(エステル交換)により得られる。これらの製造に用いるポリオールとしては、上記(A2122)におけると同様の低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールが使用できる。
【0041】
(A2124)ヒマシ油系ポリオール
(A2124)には、ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)、およびそのエステル交換物が含まれる。後者はヒマシ油とポリオールとのエステル交換により得られ、ポリオールとしては、上記(A2122)におけると同様の低分子ポリオールおよび/またはポリエーテルポリオールが使用できる。
【0042】
(A213)ポリブタジエン系ポリオール
(A213)には、ポリブタジエンポリオール、およびその水素添加物が含まれる。ポリブタジエンポリオールには、例えば末端に水酸基を有するブタジエンのホモポリマーおよびコポリマー[例えばブタジエン/スチレンコポリマーおよびブタジエン/アクリロニトリルコポリマー](共重合比、100/0〜70/30)、ポリブタジエン構造が1,2−ビニル構造のもの、1,4−トランス構造のもの、1,4−シス構造を有するもの、およびこれらの構造を2種以上有するもの[好ましくは1,2−ビニル/1,4−トランス/1,4−シスの比(10〜30)/(50〜70)/(10〜30)]が含まれる。その水素添加物には、水素添加率が20〜100%のものが含まれる。
【0043】
(A214)アクリルポリオール
アクリルポリオール(A214)は、アクリル共重合体[アルキル(C1〜20)(メタ)アクリレートまたはこれらと他のモノマー(例えばスチレン)との共重合体]に水酸基を導入したもので、水酸基の導入には主としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0044】
(A215)ポリマーポリオール
(A215)には、ポリオール中でビニルモノマーをその場で重合させることにより得られるものおよびポリオールとビニルモノマーの重合体とをグラフトさせてなるものが含まれ(好ましいのは前者);その重合体含量は、例えば5〜70%である。ポリオールとしては、例えば上記(A211)および/もしくは(A212)、およびこれらの1種以上と上記低分子ポリオールとの混合物(混合比、例えば100/0〜20/80)が使用できる。
ビニルモノマーとしては、アクリル系モノマー[例えば(メタ)アクリロニトリルおよびアルキル(C1〜20)(メタ)アクリレート(例えばメチルメタクリレート)]、芳香族ビニルモノマー(例えばスチレンなど)、脂肪族炭化水素モノマー[例えばC2〜8またはそれ以上のアルケンおよびアルカジエン(例えばα−オレフィンおよびブタジエン)]、およびこれらの2種以上の併用[例えばアクリロニトリル/スチレンの併用(共重合比100/0〜20/80)]が含まれる。
【0045】
低分子ポリオール(A22)には、250未満のOH当量を有する、低分子ジオールおよび3価以上(3価〜8価またはそれ以上)の低分子ポリオールが含まれる。(A22)としては、前記(A2121)で挙げた低分子ジオールおよび/もしくは3価以上の低分子ポリオール(例えば2価アルコールおよび3価以上の多価アルコール、ジヒドロキシアルキルモノハイドロカルビルアミンおよびアミン系ポリオール)、並びに250未満のOH当量を有するポリエーテルポリオール(ジオールおよび/もしくは3価以上のポリオール)[これらのポリオールまたは(A211)に記載の開始剤(例えば多価アルコール、多価フェノールおよびアミン)にAOの1種または2種以上が付加した構造のポリエーテルポリオール]が使用できる。
【0046】
その他の活性H化合物(A23)には、ポリアミン(A231)、アミノアルコール(A232)、および単官能活性H化合物(A233)が含まれる。
(A231)には、前記(A211)の開始剤として挙げた、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および芳香族ポリアミン、および複素環ポリアミン;並びにポリエーテルポリアミン、例えばポリオール[上記低分子ポリオール(A22)および/またはポリエーテルポリオール(A211)]のポリ(アミノプロピルエーテル)(ポリオールの水酸基をシアノエチル化し水素化してなる)が含まれ;これらには、250〜3,000またはそれ以上の当量(1および2級アミン価に基づく、1および2級アミノ基当たりの分子量)を有する高分子ポリアミン(A2311)および250未満の当量を有する低分子ポリアミン(A2312)が含まれる。これらのポリアミンは、アミノ基がブロックされた形(例えば特開昭54−118466号公報に記載のような、ケチミン−ブロックまたはアルジミン−ブロックされた形:例えばメチルエチルケチミン化された形)で用いられてもよい。
(A232)には、モノ−およびジアルカノールアミン(ヒドロキシアルキル基のC2〜4)、例えばモノエタノールアミンおよびジエタノールアミン;並びにハイドロカルビル(C1〜10)アルカノールアミン(ヒドロキシアルキル基のC2〜4)、例えばエチルエタノールアミンおよびブチルエタノールアミンが含まれる。
【0047】
(A233)には、前掲の活性水素原子含有基を1個有する化合物、例えば単官能アミノ化合物(A2331)及び単官能ヒドロキシル化合物(A2332)が含まれる。
(A2331)には、単官能1級アミノ化合物、例えば前記(A211)の開始剤のモノハイドロカルビル(C1〜20好ましくはC1〜4;以下同様)アミン(例えばブチルアミン)、および3級アミノ基含有1級アミノ化合物[前記(A231)のアミノ基の一部(1個のアミノ基を残して)が3級化(ジハイドロカルビル化)されたもの、例えば脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および芳香族ジアミンのN,N−ジハイドロカルビル置換体(例えばN,N−ジメチルアミノエチルアミン)];並びに単官能2級アミノ化合物、例えば上記化合物の1級アミノ基が2級化(ハイドロカルビル化)されたもの[例えばジハイドロカルビルアミン(例えばジブチルアミン)、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族および芳香族ジアミンのN,N,N’−トリハイドロカルビル置換体(N,N−ジメチルアミノエチルメチルアミン)]が含まれる。
(A2332)には、ハイドロカルビルアルコール[C1〜20の脂肪族、脂環式および芳香族の1価アルコール、例えばアルカノール(例えばメチル、エチル、n−およびi−プロピルおよびブチルアルコール)、シクロアルカノール(例えばシクロヘキシルアルコール)、およびベンジルアルコール];並びに3級アミノ基含有1価アルコール、例えばジハイドロカルビルアルカノールアミン[上記ジハイドロカルビルアミンのヒドロキシアルキル(C2〜4)置換体(例えばジエチルエタノールアミンおよびジブチルエタノールアミン)]、およびそのAO付加物(付加モル数1〜5またはそれ以上)が含まれる。
【0048】
本発明において、ポリオール成分(A)は、ポリウレタン樹脂の吸放湿性、染色性および機械物性の観点から、好ましくは(A1)を少くとも15モル%、さらに好ましくは30〜85モル%とくに好ましくは40〜70モル%の割合で含有する。(A2)の含有割合は、ポリウレタン樹脂の用途および要求される性能に応じて適宜採択することができるが、一般に、次のような割合が好ましい。
高分子ポリオール(A21)は85モル%以下とくに20〜80モル%、低分子ポリオール(A22)は85モル%以下とくに20〜80モル%、高分子ポリアミン(A2311)はこれと(A21)の合計(ソフトセグメント)が85モル%以下とくに20〜80モル%となる割合、低分子ポリアミン(A2312)はこれと(A22)の合計(低分子多官能活性H化合物)が85モル%以下とくに20〜80モル%となる割合。
連鎖停止剤[アミノアルコール(A232)および/または単官能活性H化合物(A233)]は、所定(後述)のMnを有するポリウレタン樹脂を与えるような割合で用いられる。
【0049】
[アニオン性ジオール組成物]
本発明の他の態様に係る、アニオン性ジオール組成物は、上記(A1)と、上記(A2)並びに/又は配合成分(A3)とからなり、(A1)と(A2)の合計モル数に基づいて85モル%を超える量の(A2)を含有しない。
(A2)の含有量が85モル%を超えるとプロトン酸(塩)基含量が少なくなり、良好な吸放湿性、染色性を発現することが困難となる。(A2)の含有量は、好ましくは80モル%以下、とくに70モル%以下である。
(A3)としては、不活性溶媒(A31)および/または添加剤(A32)が用いられる。
【0050】
不活性溶媒(A31)としては、ポリウレタン形成の条件下でイソシアネート基と反応せず、(A1)および(A2)を溶解するものであれば、とくに限定されない。(A31)には、ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記)、活性水素原子を有しない溶媒が含まれる。後者には、他のアミド系溶媒[例えばジメチルアセトアミド(以下DMAと略記)、およびN−アルキル(C1〜3)−2−ピロリドン(例えばN−メチル−2−ピロリドン)]、エステル系溶媒(例えば酢酸エチルおよび酢酸ブチル)、エーテル系溶媒(例えばジオキサンおよびTHF)、ケトン系溶媒(例えばシクロヘキサノン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエンおよびキシレン)、およびスルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、並びにこれらの2種以上の混合物が含まれる。
ポリウレタン製造の際の反応性およびポリウレタン樹脂の溶解性の観点から、好ましいのはアミド系溶媒、さらに好ましいのはDMAおよびDMFである。
溶媒の量は、(A1)の重量[または(A1)と(A2)の合計重量]に基づいて、通常3〜10倍、溶液の粘度の点から好ましくは4〜7倍である。
【0051】
添加剤(A32)としては、ポリウレタン製造に通常用いられているものが使用できる。(A32)には、安定化剤(A321)[例えば酸化防止剤(A3211)、紫外線吸収剤(A3212)、加水分解防止剤(A3213)および抗菌/防黴剤(A3214)];充填/着色剤(A322)[例えば充填剤(A3221)および着色剤(A3222)]、難燃/可塑/離型剤(A323)[例えば難燃剤(A3231)、可塑剤(A3232)および離型剤(A3233)]、界面活性剤(A324)[例えば帯電防止剤(A3241)、乳化(A3242)および整泡剤(A3243)]、分散剤(A325)、触媒(A326)および発泡剤(A327)、並びにこれらの2種以上の併用が含まれる。
【0052】
酸化防止剤(A3211)としては、例えばヒンダードフェノール系[例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)および2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)]、硫黄系[例えばジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)およびジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)]、リン系[例えばトリフェニルホスファイト(TPP)およびトリイソデシルホスファイト(TDP)]、アミン系[例えばオクチルジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノールおよびN,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン]が挙げられる。
【0053】
紫外線吸収剤(A3212)としては、例えばベンゾフェノン系(例えば2−ヒドロキシベンゾフェノンおよび2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン)、サリチレート系(例えばフェニルサリチレートおよび2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート)、ベンゾトリアゾール系[例えば(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールおよび(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール]、アクリル系[例えばエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートおよびメチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレート]が挙げられる。
加水分解防止剤(A3213)としては、カルボジイミド系(スタバクソール1、PCDなど)、4−t−ブチルカテコール、アゾジカルボナミッド、アゾジカルボキシリック酸エステルおよび脂肪酸アミドが挙げられる。
【0054】
抗菌/防黴剤(A3214)としては、例えば安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール(例えば2,4,6−トリブロモフェノールナトリウム塩、2,4,6−トリクロロフェノールナトリウム塩、パラクロロメタキシレノール、ペンタクロロフェノールおよびペンタクロロフェノールラウレート)、有機ヨウ素(例えば4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、ニトリル(例えば2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル)、チオシアノ(例えばメチレンビスチアノシアネート)、N−ハロアルキルチオイミド(例えばN−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミドおよびN−トリクロロメチル−チオ−フタルイミド)、銅剤(例えば8−オキシキノリン銅)、ベンツイミダゾール(例えば2−4−チアゾリルベンツイミダゾール)、ベンゾチアゾール(例えば2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール)、トリハロアリル(例えば3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナート)、トリアゾール(例えばアザコナゾール)および有機窒素硫黄化合物(例えばスラオフ39)などが挙げられる。
【0055】
充填剤(A3221)としては、例えば金属粉(例えばアルミニウム粉および銅粉)、金属酸化物(例えばアルミナ、ケイ灰石、シリカ、タルク、マイカ、ヒル石、カオリンクレー、焼成カオリンおよび白土)、金属水酸化物(例えば水酸化アルミニウム)、金属硫化物(例えば二硫化モリブデン)、金属塩(例えば炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウムおよびバライト)、繊維〔例えば無機繊維[例えば炭素繊維、繊維素、α−繊維素、ガラス繊維、金属(例えばアルミニウム)繊維、セラミックウィスカ、チタンウィスカおよびアスベスト]および有機繊維(例えばコットン、ジュート、ナイロン、アクリルおよびレーヨン繊維)〕、マイクロバルーン(例えばガラス、シラスおよびフェノール樹脂バルーン)、カーボン(例えばカーボンブラック、石墨およびカーボンナノチューブ)、有機粉(例えば木粉)、無機粉(例えば石炭粉)が挙げられる。
【0056】
着色剤(A3222)としては、顔料、例えば無機顔料[例えば白色顔料(例えば酸化チタン、リトポン、鉛白および亜鉛華)、コバルト化合物(例えばオーレオリン、コバルトグリーン、セルリアンブルー、コバルトブルーおよびコバルトバイオレット)、鉄化合物(例えばベンガラおよび紺青)、クロム化合物(例えば酸化クロム、黄鉛およびクロム酸バリウム)および硫化物(例えば硫化カドミウム、カドミウムイエローおよび群青)]および有機顔料[例えばアゾ顔料(例えばアゾレーキ、モノアゾ、ジスアゾおよびキレートアゾ顔料)および多環式顔料(例えばベンジイミダゾリン、フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、イソインドリノン、チオインジゴ、ペリレン、キノフタロンおよびアンスラキノン顔料);並びに染料、例えばアゾ、アンスラキノン、インジゴイド、硫化、トリフェニルメタン、ピラゾロン、スチルベン、ジフェニルメタン、キサンテン、アリザリン、アクリジン、キノンイミン、チアゾール、メチン、ニトロ、ニトロソおよびアニリン染料が挙げられる。
【0057】
難燃剤(A3231)としては、例えば有機系〔含リン系[例えばリン酸エステル(例えばトリクレジルホスフェートおよびトリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェート]、含臭素系(例えばテトラブロモビスフェノールAおよびデカブロモビフェニルエーテル)および含塩素系[例えば塩素化パラフィンおよび(無水)ヘット酸]〕および無機系〔例えば三酸化アンチモン、ホウ酸塩(例えばホウ酸亜鉛およびメタホウ酸バリウム)、水酸化アルミニウム、赤リン、水酸化マグネシウムおよびポリリン酸アンモニウム〕が挙げられる。
【0058】
可塑剤(A3232)としては、例えばモノカルボン酸エステル〔C10〜30、例えば脂肪酸エステル[例えばステアリン酸ブチル(BS)、オレイン酸メトキシエチル(MEO)、アセチルリシノール酸メチル(MAR)、アセチルリシノール酸エチル(EAR)、アセチルリシノール酸メトキシエチル(MEAR)およびグリセリントリヘプタン酸エステル]および芳香族カルボン酸エステル[C18〜30、例えばジEGジベンゾエートおよびトリEGジベンゾエート]〕;ジカルボン酸エステル{例えば芳香族ジカルボン酸エステル〔C10〜40、例えばフタル酸エステル[例えばフタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ヘプチルノニル(HNP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジ−n−オクチル(DNOP)、フタル酸ジ−i−オクチル(DIOP)、フタル酸ジ−s−オクチル(DCapP)、フタル酸ジ(79アルキル)(D79P)、フタル酸−i−デシル(DIDP)、フタル酸ジトリデシル(DTDP)、フタル酸ジシクロヘキシル(DCHP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)、エチルフタリルエチルグリコレート(EPEG)およびブチルフタリルブチルグリコレート(BPBG)]〕および脂肪族ジカルボン酸エステル〔C10〜40、例えばアジピン酸エステル[例えばアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)およびアジピン酸ジ(メチルシクロヘキシル)]、アゼライン酸エステル[例えばアゼライン酸ジ−n−ヘキシル(DNHZ)およびアゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOZ)]およびセバシン酸エステル[例えばセバシン酸ジブチル(DBS)およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)]〕};トリカルボン酸エステル{例えば脂肪族トリカルボン酸エステル〔C9〜60、例えばクエン酸エステル[例えばクエン酸トリエチル(TEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、アセチルクエン酸トリシクロヘキシル、クエン酸リオクチルおよびクエン酸トリ(オクチルデシル)]〕};エポキシド[C10〜40、例えばエポキシ化大豆油(ESO)および4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−2−エチルヘキシル(E−PS)];リン酸エステル[C10〜30、例えばリン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリフェニル(TPP)、リン酸トリクレジル(TCP)、リン酸ジフェニルモノクレジル、リン酸−2−エチルヘキシルジフェニル、リン酸トリプロピレングリコール、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリクロルエチル、リン酸トリエチルおよびリン酸トリキシリル];含塩素系炭化水素[C10〜30、例えば芳香族炭化水素(例えば塩素化ナフタリンおよび塩素化ジフェニル)および塩素化パラフィン]および石油樹脂が挙げられる。
【0059】
離型剤(A3233)(滑剤)としては、例えば流動パラフィン、硬化油、ワックス(例えばカルナウバワックス、鯨ロウ、イボタロウ、モンタンワックスおよび密ロウ)、アルコール(C12〜20、例えばセチルアルコールおよびステアリルアルコール)、脂肪酸(例えばステアリン酸)、脂肪酸エステル(C16〜36、例えばステアリン酸ブチル、ステアリン酸セチル、EGモノステアレートおよびメチルヒドロキシステアレート)、脂肪酸アミド(C12〜24、例えばパルミチン酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドおよびエルカ酸アミド)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛およびステアリン酸バリウム)が挙げられる。
【0060】
帯電防止剤(A3241)には、界面活性剤型帯電防止剤、例えば米国特許第4331447号明細書に記載の、カチオン性界面活性剤[例えばアルキル(C8〜20、以下同様)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩およびアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩]、両性界面活性剤界面活性剤[例えばベタイン型たとえばアルキルジメチルベタイン、およびアラニン型たとえばN−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩]、アニオン性界面活性剤[例えば硫酸エステル塩、例えばアルキル硫酸エステル塩およびポリオキシアルキレン(C2〜4、以下同様)アルキルエーテル硫酸エステル塩;リン酸エステル塩型、例えばアルキルリン酸エステル塩およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;スルホン酸塩型、例えばジアルキルスルホコハク酸エステル塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩;並びにカルボン酸塩型、例えばアルキル(ポリオキシアルキレン)エーテルカルボン酸塩および石鹸];および非イオン性界面活性剤〔例えばポリオキシエチレン型、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、および多価アルコール型例えば多価アルコール[(A211)の開始剤に記載のもの:ソルビタンなど]の脂肪酸(C8〜20)エステル、およびアルキロールアミド型、例えば脂肪酸(C8〜20)モノ−およびジ−エタノールアミド〕;並びに高分子型帯電防止剤(Mn5,000〜50,000)[例えばポリエーテルエステルアミド(例えば米国特許第5,652,326号明細書に記載のもの)]が含まれる。
【0061】
乳化剤(A3242)としての界面活性剤には、下記のおよび米国特許第3,929,678および4,331,447号明細書に記載の、非イオン性、カチオン性、アニオン性および両性の界面活性剤が含まれる。
1)非イオン性界面活性剤:
AO付加型ノニオニックス、例えば疎水性基(C8〜24またはそれ以上)を有する活性水素原子含有化合物[飽和および不飽和の、高級アルコール(C8〜18)、高級脂肪族アミン(C8〜24)および高級脂肪酸(C8〜24)等:例えばアルキルもしくはアルケニル(例えばドデシル、ステアリル、オレイル)アルコールおよびアミン、およびアルカンもしくはアルケン酸(例えばラウリン、ステアリンおよびオレイン酸)]の(ポリ)オキシアルキレン誘導体[AO(C2〜4、例えばEO、PO、ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用、とくにEO)(1〜500モルまたはそれ以上)付加物(分子量174〜Mn30,000)、およびポリアルキレングリコール(例えばPEG;分子量150〜Mn6,000)の高級脂肪酸モノ−およびジ−エステル];多価アルコール(2価〜8価またはそれ以上、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタンおよびショ糖)の高級脂肪酸(上記)エステルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(同上;分子量320〜Mn30,000;例えばツイーン型ノニオニックス);高級脂肪酸(上記)の(アルカノール)アミドの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(同上;分子量330〜Mn30,000);多価アルコール(上記)アルキル(C3〜60)エーテルの(ポリ)オキシアルキレン誘導体(同上;分子量180〜Mn30,000);およびポリオキシプロピレンポリオール[多価アルコール(上記)およびポリアミン[前記(A211)の開始剤として例示したもの]のポリオキシプロピレン誘導体(例えばPPGおよびエチレンジアミンPO付加物;Mn500〜5,000)]のポリオキシエチレン誘導体(Mn1,000〜30,000)[プルロニック型およびテトロニック型ノニオニックス];
多価アルコール(C3〜60)型ノニオニックス、例えば多価アルコール(上 記)の脂肪酸(C8〜20)エステル、多価アルコール(上記)アルキル(C3〜60)エーテル、および脂肪酸(上記)アルカノールアミド;並びに
アミンオキシド型ノニオニックス、例えば(ヒドロキシ)アルキル(C10〜 18:ドデシル、ステアリル、オレイル、2−ヒドロキシドデシル等)ジ(ヒ ドロキシ)アルキル(C1〜3:メチル、エチル、2−ヒドロキシエチル等) アミンオキシド。
【0062】
2)カチオン性界面活性剤:
第4級アンモニウム塩型カチオニックス、例えばテトラアルキルアンモニウム 塩(C11〜100)、例えばアルキル(C8〜18:ラウリル、ステアリル 等)トリメチルアンモニウム塩およびジアルキル(C8〜18:デシル、オク チル等)ジメチルアンモニウム塩;トリアルキルベンジルアンモニウム塩(C 17〜80)、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキル( C8〜60)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウム塩;(ポリ)オキシ アルキレン(C2〜4、重合度1〜100またはそれ以上)トリアルキルアン モニウム塩(C12〜100)、例えばポリオキシエチレンラウリルジメチル アンモニウム塩;およびアシル(C8〜18)アミノアルキル(C2〜4)も しくはアシル(C8〜18)オキシアルキル(C2〜4)トリ[(ヒドロキシ )アルキル(C1〜4)]アンモニウム塩、例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウム塩(サパミン型4級アンモニウム塩)[これらの塩には、例えばハライド(例えばクロライドおよびブロマイド)、アルキルサルフェート(例えばメトサルフェート)および有機酸(下記)の塩が含まれる];並びに
アミン塩型カチオニックス:1〜3級アミン[例えば高級脂肪族アミン(C1 2〜60:ラウリル、ステアリルおよびセチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジ ンアミン等)、脂肪族アミン(C8〜20)のポリオキシアルキレン誘導体(上記;EO付加物など)、およびアシルアミノアルキルもしくはアシル(C8〜18)オキシアルキルジ(ヒドロキシ)アルキル(上記)アミン(例えばステアロイロキシエチルジヒドロキシエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン)]の、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸など)塩および有機酸(C2〜22:酢酸、プロピオン、ラウリン、オレイン、コハク、アジピンおよびアゼライン酸、安息香酸など)塩。
【0063】
3)アニオン性界面活性剤:
カルボン酸(塩)、例えば高級脂肪酸(上記)、エーテルカルボン酸[高級ア ルコール(上記)またはそのAO付加物、例えばEO(1〜10モル)付加物 のカルボキシメチル化物]、およびそれらの塩;硫酸エステル塩、例えば上記 の高級アルコールまたはそのAO付加物の硫酸エステル塩(アルキルおよびア ルキルエーテルサルフェート、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロ ウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸 の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)および硫酸化オレフィン (C12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩);スルホン酸塩、例え ばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホ コハク酸ジアルキルエステル型、α−オレフィン(C12〜18)スルホン酸 塩およびN−アシル−N−メチルタウリン(例えばイゲポンT型);並びにリン酸エステル塩、例えば上記の高級アルコールもしくはそのAO付加物[例えばEO(1〜10モル)付加物]またはアルキル(C4〜60)フェノールのAO付加物(同上)のリン酸エステル塩(アルキル、アルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテルホスフェート)。
【0064】
4)両性界面活性剤:
カルボン酸(塩)型アンフォテリックス、例えばアミノ酸型アンフォテリック ス、例えばアルキル(C8〜18)アミノプロピオン酸(塩)、およびベタイン型アンフォテリックス、例えばアルキル(同上)ジ(ヒドロキシ)アルキル(上記)ベタイン(アルキルジメチルベタイン、アルキルジヒドロキシエチルベタイン等);硫酸エステル(塩)型アンフォテリックス、例えばアルキル(同上)アミンの硫酸エステル(塩)、およびヒドロキシアルキル(C2〜4:ヒドロキシエチル等)イミダゾリン硫酸エステル(塩);スルホン酸(塩)型アンフォテリックス、例えばアルキル(同上:ペンタデシル等)スルフォタウリン、およびイミダゾリンスルホン酸(塩);並びにリン酸エステル(塩)型アンフォテリックス、例えばグリセリン高級脂肪酸(上記)エステルのリン酸エステル(塩)。
【0065】
上記のアニオン性および両性界面活性剤における塩には、金属塩、例えばア ルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)およびIIB族金属(例えば亜鉛)の塩;アンモニウム塩;並びにアミン塩および4級アンモニウム塩が含まれる。 塩を構成するアミンには、C1〜20のアミン、例えばヒドロキシルアミン[C2〜10、例えば(ジ)アルカノールアミン(例えば、2−アミノエタノールおよびジエタノールアミン)、シクロアルカノールアミン(例えば3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール)およびアルキルアルカノールアミン(例えばメチルエタノールアミンおよびエチルエタノールアミン)]、3級アミノ基含有ジオールおよび1級モノアミン、2級モノアミン(例えばジアルキルアミンおよびモルホリン)、並びにそれらのアルキル化(C1〜4)および/またはヒドロキシアルキル化(C2〜4)物(AO付加物):例えばモノ−、ジ−およびトリ−(ヒドロキシ)アルキル(アミン)(モノ−、ジ−およびトリ−エタノールアミンおよびエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−ヒドロキシエチルモルホリン等)が含まれる。4級アンモニウム塩には、これらのアミンの4級化物[米国特許第4,271,217号明細書に記載の4級化剤またはジアルキルカーボネート(C1〜4のアルキル基を有するカーボネート、例えばジメチル、ジエチルおよびジ−i−プロピルカーボネート)による4級化物]が含まれる。
【0066】
整泡剤(A3243)には、シリコーン界面活性剤、例えばポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサンが含まれる。
【0067】
分散剤(A325)には下記のものが含まれる。
水溶性ポリマー(Mn:1,000〜100,000またはそれ以上、好まし くは3,000〜10,000;水に対する溶解度:少くとも1g/100g 、好ましくは少くとも10g/100g):非イオン性水溶性ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドおよびポリエチレンオキシド;並びにアニオン性水溶性ポリマー、例えばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000);スルホ基含有モノマー〔不飽和スルホン酸、例えばアルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸)、不飽和芳香族スルホン酸(例えばスチレンスルホン酸)、スルホカルボン酸(例えばスルホコハク酸)のアルケニルおよびアルキル(C1〜18)アルケニルエステル(例えばメチルビニルスルホサクシネート)、スルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレートおよび相当する(メタ)アクリルアミド[例えばスルホエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸]〕もしくは/およびカルボキシル基含有モノマー[不飽和モノ−およびジ−カルボン酸、およびそれらの無水物、例えば(メタ)アクリル、(イソ)クロトン、ケイ皮、(無水)マレイン、フマルおよび(無水)イタコン酸;ジカルボン酸モノエステル:上記ジカルボン酸のモノアルキル(C1〜8またはそれ以上)エステル、例えばマレイン、フマル、イタコンおよびシトラコン酸のモノアルキルエステル;並びにこれらの塩、例えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン(C2〜24)塩および4級アンモニウム(C4〜24)塩]またはこれらと他のモノマーとの(共)重合体、例えばポリスチレンスルホン酸塩(Mn1,000〜100,000)、ポリ(メタ)アクリル酸塩(Mn2,000〜50,000)、(メタ)アクリル酸(塩)/アルキル(メタ)アクリレート共重合体およびマレイン酸(塩)/酢酸ビニル共重合体;およびセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース。アニオン性ポリマーにおける塩には、前記アニオン性および両性界面活性剤におけると同様のもの[例えばアルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)塩]が含まれる。
【0068】
触媒(A326)には、金属触媒、例えば錫系触媒(例えばトリメチルチンラウレート、トリメチルチンヒドロキサイド、ジメチルチンジラウレート、ジブチルチンジラウレートおよびスタナスオクトエート)、鉛系触媒(例えばオレイン酸鉛、2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛およびオクテン酸鉛);アミン触媒、例えば脂肪族3級アミン[例えばトリハイドロカルビルアミン(トリエチルアミンおよびジメチルシクロヘキシルアミン)、テトラハイドロカルビルアルキレンジアミン(例えばテトラメチルエチレンジアミン)およびペンタハイドロカルビルジエチレントリアミン(例えばペンタメチルジエチレントリアミン)]、および複素環アミン〔例えばN−メチルモルホリン、トリエチレンジアミン、および米国特許第4524104号明細書に記載のシクロアミ ジン化合物、例えば1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7[サンアプロ(株)製DBU(登録商標)]〕;並びにこれらの2種以上の併用が含まれる。
【0069】
発泡剤(A327)には、水、物理的発泡剤[揮発性(低沸点)液体]、例えば代替フロン[ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、例えばR123、R22、R124;ハイドロフルオロカーボン(HFC)、例えばR134a、R125、R32、R152a]、および両者の併用が含まれる。
【0070】
(A32)の添加量は、それらの添加目的および要求性能に応じて適宜採択することができるが、一般に、(A1)[または(A1)と(A2)の合計]の重量に基づいて、次のような量が好ましい。
安定化剤(A321)合計 10%以下とくに0.05〜5%
酸化防止剤(A3211) 5%以下とくに0.05〜1%
紫外線吸収剤(A3212) 5%以下とくに0.05〜1%
加水分解防止剤(A3213) 5%以下とくに0.05〜1%
抗菌/防黴剤(A3214) 10%以下とくに0.01〜5%
充填/着色剤(A322)合計 80%以下とくに5〜70%
充填剤(A3221) 80%以下とくに5〜70%
着色剤(A3222) 5%以下とくに0.1〜3%
難燃/可塑/離型剤(A323)合計 30%以下とくに5〜25%
難燃剤(A3231) 30%以下とくに5〜25%
可塑剤(A3232) 30%以下とくに5〜20%
離型剤(A3233) 5%以下とくに0.1〜2%
界面活性剤(A324)合計 5%以下とくに0.1〜3%
帯電防止剤(A3241) 5%以下とくに0.1〜3%
乳化剤(A3242) 5%以下とくに0.1〜3%
整泡剤(A3243) 5%以下とくに0.1〜3%
分散剤(A325) 5%以下とくに0.1〜3%
触媒(A326) 5%以下とくに0.1〜3%
発泡剤(A327)は、所定(後述)の密度を有する発泡ポリウレタン樹脂を与える量、用いられる。
【0071】
本発明の組成物には、アニオン性ジオール(A1)少くとも15モル%(好ましくは少くとも20モル%、更に好ましくは少くとも30モル%とくに少くとも40モル%)と他の活性水素原子含有化合物(A2)85モル%以下(好ましくは少くとも0.1モル%、更に好ましくは少くとも10モル%とくに少くとも20モル%、最も好ましくは少くとも30モル%)とからなる組成物;および(A1)[または(A1)および上記モル割合の(A2)]と、配合成分(A3)とからなる組成物が含まれる。
後者における(A1)[または(A1)と(A2)の合計]の含有量は好ましくは10〜90%とくに20〜80%、不活性溶媒(A31)の含有量は好ましくは10〜90%とくに20〜80%、添加剤(A32)の含有量は、好ましくは0.1〜30%とくに3〜20%、(A3)の合計含有量は、好ましくは10〜90%とくに20〜80%である。本発明の組成物は、100〜50,000mPa・s、とくに500〜30,000mPa・sの粘度(25℃)を有するのが好ましい。
【0072】
本発明の組成物の形成の方法、(A3)の添加順序はとくに制限されない。(A3)もしくはその一部を予め(A1)[または(A1)と(A2)]と混合しておいても、ポリウレタン樹脂形成[ポリイソシアネート成分(B)との混合]の段階で(A3)と(A1)[または(A1)と(A2)]と混合して
組成物を形成すると共にポリウレタン樹脂を形成してもよい。
【0073】
本発明のポリオール成分および組成物は、ポリイソシアネート成分(B)と反応させて、非発泡または発泡の、アニオン性基含有ポリウレタン樹脂を製造するのに用いられる。
成分(B)は、有機ポリイソシアネート(B1)および/またはイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B2)からなる。
(B1)および(B2)としては、従来からポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。(B1)および(B2)は、通常2〜5個またはそれ以上(好ましくは2〜3個とくに2個)のイソシアネート基(NCO基)を有する。
(B1)には、C(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、C4〜15の脂環式ポリイソシアネート、C8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート、C6〜20の芳香族ポリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネートの変性体(例えばカーボジイミド基、ウレタン基、ウレア基、イソシアヌレート基、ウレトイミン基、アロファネート基、ビウレット基、オキサゾリドン基および/またはウレトジオン基を有する変性体)、並びにこれらの2種以上の混合物が含まれる。これらの具体例としては以下のものが挙げられる。
【0074】
脂肪族ポリイソシアネート:ジイソシアネート、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート;および3官能以上のポリイソシアネート(例えばトリイソシアネート)、例えば1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート(リジンとアルカノールアミンとの反応生成物のホスゲン化物)、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート、および2−および/または3−イソシアナトプロピル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート;
【0075】
脂環式ポリイソシアネート:ジイソシアネート、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネート;および3官能以上のポリイソシアネート(例えばトリイソシアネート)、例えばビシクロヘプタントリイソシアネート;
芳香脂肪族ポリイソシアネート:m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジエチルベンゼンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI);
【0076】
芳香族ポリイソシアネート:ジイソシアネート、例えば1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−および/または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタンおよび1,5−ナフチレンジイソシアネート;および3官能以上のポリイソシアネート(例えばトリイソシアネート)、例えば粗製TDI、粗製MDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート);並びに、ポリイソシアネートの変性体:例えば変性水添MDI(カルボジイミド変性水添MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性水添MDI)、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDIおよびイソシアヌレート変性IPDI。
【0077】
(B2)は、ポリオール(B3)と過剰の上記(B1)とから誘導される。
(B2)の製造に用いるポリオール(B3)としては、一般に高分子ポリオール(B31)および必要により低分子ポリオール(B32)が用いられる。
ここにおいて、(B31)および(B32)はそれぞれ前述の高分子ポリオール(A21)および低分子ポリオール(A22)と同じものが挙げられる。
【0078】
(B2)は、(B1)と(B3)[(B31)および/または(B32)]とを、1段法または多段法[(B3)の一部、例えば(B31)を反応させたのち(B3)の残部、例えば(B32)を反応させる]により、ウレタン化反応を行なうことにより製造することができる。
(B2)の製造に際しての(B1)と(B3)との当量比(NCO/OH比)は、通常1.1〜10、好ましくは1.4〜4、さらに好ましくは1.4〜2である。更に、(B1)1当量に対して、0.1〜0.5当量、とくに0.2〜0.4当量の(B31)および0または0.01〜0.2当量、とくに0.05〜0.15当量の(B32)を用いるのが好ましい。
【0079】
(B2)は、良好なポリウレタン樹脂物性(例えば引張伸度)の観点から、通常150〜5,000、好ましくは200〜4,000、更に好ましくは300〜3,000、とくに好ましくは350〜2,000のイソシアネート基当量(以下NCO当量と略記)を有する。
(B3)のうち好ましいのは、(B31)、および(B31)と(B32)との併用[全体としてのNCO当量(平均)が上記の範囲内となる割合で]である。
【0080】
本発明のポリオール成分または組成物とポリイソシアネート成分(B)とを 反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造する方法には、一段法(ワンショット法) および二段法(プレポリマー法)が含まれ、後者にはセミプレポリマー法と完 全プレポリマー法が含まれる。
一段法には、(A1)または(A1)と(A2)および/もしくは(A3) とからなる成分または組成物を(B)と同時に反応させてアニオン性基含有ポ リウレタン樹脂を製造する方法、および(A1)と(A2)および/もしくは (A3)と(B)と同時に混合して(A1)と(A2)および/もしくは(A 3)からなる組成物を形成すると共にアニオン性基含有ポリウレタン樹脂を製 造する方法が含まれる。また、これらの方法において、水以外の(A3)の一部または 全部を予め(B)中に含有させておいてもよい。例えば、(A3)を含有する (B)を(A1)または(A1)および(A2)からなるポリオール成分と反 応させる方法、及び(A3)の一部を含有する(B)を(A1)[または(A 1)と(A2)]と(A3)の残部からなる組成物と反応させる方法が挙げら れる。
【0081】
プレポリマー法には、1)イソシアネート末端プレポリマーを経由する方法 および2)ヒドロキシ末端プレポリマーを経由する方法が含まれる。
1)の方法には、上述のようなポリオール(B3)[(B31)および/ま たは(B32)、好ましくは(B31)およびこれと(B32)の併用(重量比99/1〜50/50)]と過剰当量(前記NCO/OH比)の(B1)を反応させてなるイソシアネート末端プレポリマー(セミプレポリマーまたは完全プレポリマー)を、活性H化合物からなる硬化剤成分と反応させてポリウレタン樹脂を製造するに当り、(B3)の少くとも一部として、及び/又は硬化剤成分の一部として、(A1)を用いる方法が含まれる。
【0082】
上記硬化剤成分としては、活性H化合物(A2)が用いられ、好ましいのは低分子多官能活性H化合物(鎖伸長剤および/または架橋剤)、およびこれと 反応停止剤の併用との併用である。低分子多官能活性H化合物には、水、(A 22)および(A2312)、並びにこれらの併用が含まれる。反応停止剤と しては(A232)および/または(A233)を用いることができる。
上記プレポリマーと硬化剤成分との反応は、プレポリマーを水性媒体中に導 入する(水伸長させる)か、又は(A22)および/もしくは(A2312) を含有する水性媒体中に導入する(ポリオール伸長および/もしくはポリアミ ン伸長させる)ことにより、行ってもよい。水性媒体には、水、および(A3 1)および/もしくは[(A3242)および/もしくは(A325)]を含有する水溶液が含まれる。
【0083】
反応停止剤は硬化剤成分[(A22)および/もしくは(A2312)]中 に含有させておいてもよく、またプレポリマーを硬化剤成分と反応(鎖伸長) させた後で(所定の分子量もしくは粘度に到達した段階で)反応停止剤を加え て反応停止させてもよい。
また、上記方法において、ブロックされた形(ケチミン−ブロックまたはア ルジミン−ブロックされた形)の(A2312)を用い、これとプレポリマー [(A1)から形成されたもの]からなる組成物を形成しておいて、基材に適 用した後、加熱して遊離のアミノ基を再生させプレポリマーと反応させてポリ ウレタン樹脂を製造してもよい。
【0084】
2)の方法には、(B1)と過剰当量(OH/NCO比1.1〜10、好ま しくは1.4〜4とくに1.4〜2)のポリオール(A0)を反応させてなる ヒドロキシ末端プレポリマーを含有するポリオール成分(A)と、成分(B) [(B1)および/または(B2)]と反応させてポリウレタン樹脂を製造す るに当り、プレポリマー製造に用いるポリオール(A0)の少くとも一部とし て、プレポリマーに加えて用いる(A)の一部として、及び/又は(B2)の 製造に用いるポリオール(B3)の少くとも一部として、(A1)を用いる方 法が含まれる。
【0085】
上記方法において、成分(B)として、ブロックされた形のもの(ブロック体)を用い、これとポリオール成分(A)からなる組成物を形成しておいて、 基材に適用した後、加熱して遊離のイソシアネート基を再生させ成分(A)と 反応させてポリウレタン樹脂を製造してもよい。ブロック体形成に用いるブロ ッキング剤としては、例えば米国特許第4524104号明細書に記載の、フ ェノール、活性メチレン化合物(C−H酸化合物)、ラクタム、オキシム、亜 硫酸塩、3級アルコール、2級芳香族アミン、イミドおよびメルカプタンから なる群から選ばれる少くとも1種を用いることができる。
【0086】
また、これらの方法において、(A3)は、任意の段階で配合することができる。例えば、(A3)の一部または全部を、プレポリマーの製造前に[ポリオール(B3)もしくは(A0)、および/またはポリイソシアネート(B1)に]加えてもよく、製造の際に同時に混合してもよく、製造後に、プレポリマーに加えてもよく、1)の硬化剤成分に加えてもよく、(A)と(B)との混合の際に加えてもよい。水以外の(A3)の一部または全部を予め(B)中に含有させておいてもよい。
【0087】
ポリウレタン樹脂(U)の製造において、ポリオール成分(A)とイソシアネート成分(B)とのウレタン化反応に際し、NCO/活性水素原子含有基の当量比は通常0.6/1〜1.5/1、好ましくは、0.8/1〜1.2/1である。また、イソシアネートを大過剰(例えば当量比は通常1.5/1〜50/1またはそれ以上)に用いて、ポリイソシアヌレート樹脂を形成することもできる。
【0088】
上記ウレタン化反応は無溶媒で行ってもよいし、イソシアネート基に対して不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。該溶媒としては前記(A31)と同様のものが使用できる。
【0089】
ウレタン化の反応温度は通常30〜180℃、好ましくは60〜120℃である。反応においては、通常のウレタン反応において用いられる触媒を用いてもよい。該触媒としては、前記(A326)の1種または2種以上を用いることができる。
【0090】
ポリウレタン樹脂(U)のMnは、樹脂の用途およびタイプ(熱可塑性か熱硬化性か)により異なるが、一般に、樹脂物性および耐久性の観点から少なくとも10,000、とくに少なくとも30,000のMnを有するのが好ましい。熱可塑性(線状、溶剤可溶性)ポリウレタン樹脂としては、200,000以下、とくに100,000以下のMnを有するのが好ましい。熱硬化性(3次元構造、溶剤不溶性)ポリウレタン樹脂は上記範囲より高いMnを有する。
(U)は、好ましくは0.01〜7ミリモル/g、とくに0.1〜5ミリモル/gのプロトン酸(塩)基含量を有する。
(U)のソフトセグメント含有量[(A1)と(A2)と(B)との合計重量に基づく、少なくとも250のOH当量を有する(A1)と高分子ポリオール(A21)および(B31)と高分子ポリアミン(A2311)との合計含有量]は、好ましくは30〜90%、とくに50〜80%である。
【0091】
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は親水性に起因する機能(例えば帯電防止性、親水性、吸湿性、吸放湿性および防曇性)を有する樹脂、またはプロトン酸(塩)基に起因する機能(例えば染色性)を有する樹脂として単独で用いることができるが、さらに該樹脂を熱可塑性樹脂塗料の改質剤(例えば帯電防止性付与および/または親水性付与)としても用いることができる。
該熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂およびセルロース誘導体が挙げられる。
【0092】
(U)を熱可塑性樹脂の改質剤として使用するときの配合割合は、該熱可塑性樹脂の重量に基づいて、通常3〜80%、好ましくは20〜60%である。
【0093】
改質剤として(U)を熱可塑性樹脂に混合し、成形する方法としては、通常、(U)とペレット状または粉末状の熱可塑性樹脂および必要により他の添加剤(前記と同様のもの)とを、混合機(例えばヘンシェルミキサー、タンブラーおよびバンバリーミキサー)で所定濃度になるように配合し均一に混合後、押出機で加熱溶融混練して樹脂組成物を得た後、加圧成形機または射出成形機等を用いて常法(射出成形、ブロー成形、インフレーション成形、押し出し成形、加圧成形、キャスティング等)に従ってフィルム、シート等に成形加工する方法;および、あらかじめ少量の熱可塑性樹脂に高濃度の(U)を配合したいわゆるマスターバッチを作成しておき、ついで(U)を含まない熱可塑性樹脂で所定濃度まで希釈してから上記と同様に成形する方法(マスターバッチ法)等が挙げられ、作業性の観点から好ましいのは後者のマスターバッチ法である。
【0094】
また、本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は塗料(結露防止塗料等)用として用いることもできる。該塗料は、本発明のポリウレタン樹脂、顔料、無機充填剤、塗料用溶媒およびその他の樹脂等を混合して得られる。該塗料における(U)の含有量は該塗料の全重量に基づいて少なくとも10%、好ましくは20〜80%である。
【0095】
顔料としては、無機顔料[例えば酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、オキサイドイエローおよび前記(A3222)で例示したもの]、および有機顔料[例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンおよび前記(A3222)で例示したもの]が挙げられる。
無機充填剤としては前記(A3221)で例示したもののうちの無機充填剤と同様のものが挙げられる。
塗料用溶媒としてはトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、メタノール、水などが挙げられる。
その他の樹脂としては前記熱可塑性樹脂として例示したものの他に、フェノール樹脂、ケトン樹脂、合成ゴム(スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム等)、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびロジン樹脂などの天然樹脂が挙げられる。
【0096】
上記顔料等の使用量は、塗料の全重量に基づいてそれぞれ顔料は通常5%以下、好ましくは0.1〜3%;無機充填剤は、通常30%以下、好ましくは5〜20%;塗料用溶媒は、通常90%以下、好ましくは20〜70%;その他の樹脂は、通常90%以下、好ましくは20〜70%である。
【0097】
また、該塗料には必要により、レベリング剤、タレ防止剤、消泡剤、界面活性剤、硬化促進剤、ハジキ防止剤、顔料分散剤および帯電防止剤などの各種助剤を併用することができる。
【0098】
レベリング剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、変性シリコーン樹脂、フッ化ポリオレフィン、ポリビニルブチラールおよびポリアクリレートが挙げられる。
タレ防止剤としては無機系(例えば合成微粉シリカ、ベントナイトおよび極微細表面処理炭酸カルシウム)および有機系[例えば水添ヒマシ油ワックス、金属石鹸(ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、ジベンジリデンソルビトールおよび植物油系重合油]が挙げられる。
消泡剤としては、低分子系[例えば低級アルコール(C1〜6、例えばメタノール、エタノールおよびブタノール)、高級アルコール(C8〜18、例えばオクチルアルコールおよびヘキサデシルアルコール)、油脂、脂肪酸(C8〜20、例えばオレイン酸およびステアリン酸)、脂肪酸エステル(C10〜30、例えばグリセリンモノラウレート)、リン酸エステル(例えばトリブチルホスフェート)および鉱物油]および高分子系[例えばポリエーテル(例えばポリアルキレングリコール誘導体)およびシリコーン(例えばジメチルシリコーンオイル、有機変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイルおよびシリカ・シリコーンコンパウンド)]が挙げられる。
【0099】
硬化促進剤としては、前記(A326)で例示した触媒と同様のものが挙げられる。
ハジキ防止剤としては、例えばシリコーン樹脂、アクリルオリゴマー[例えば(メタ)アクリル酸オリゴマーおよび(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合オリゴマー]、ポリカルボン酸塩および非シリコーン系界面活性剤が挙げられる。
顔料分散剤としては高分子型[例えば水系(例えばナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、ビニル化合物とカルボン酸モノマーとの共重合物の塩、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコール)および非水系[例えばポリアクリル酸部分アルキルエステルおよびポリアルキレンポリアミン]、低分子型(例えば前記界面活性剤)および無機型(例えばポリリン酸塩)が挙げられる。
帯電防止剤としては前記(A3241)で例示したものと同様のものが挙げられる。
【0100】
上記各種助剤の使用量は、塗料の全重量に基づいてレベリング剤、タレ防止剤、消泡剤、ハジキ防止剤および顔料分散剤は、それぞれ通常10%以下、好ましくは1〜7%;硬化促進剤は、通常1%以下、好ましくは0.01〜0.5%;および帯電防止剤は、通常5%以下、好ましくは0.1〜3%である。
【0101】
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)を用いた塗料は公知の方法で製造することができる。例えば上記各成分を通常の混合装置(デイスパー、三本ロール、ボールミル、スチールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミル、サンドグラインダー、ロールミル、ポットミル、羽根付高速撹拌機など)を用いて混合し、塗料化する。
【0102】
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)が適用され、親水性等が付与された熱可塑性樹脂の用途としては、産業資材用材料(各種パイプ、シート、フィルム、角材、棒材など)、産業用資材[ケース、パレット、トレー、瓶ストッカー、住宅建材(壁材、屋根材、床材など)など]、繊維および繊維製品(糸、トウ、トップ、カセ、編織物、不織布など)、家庭用品(バケツ、ほうき、ゴミ箱など)、電化製品 のハウジング(掃除機筐体、テレビ筐体、コピー機筐体など)、自動車部材(バンパー、インパネ、ドアトリムなど)などが挙げられる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)が適用され、親水性等が付与された塗料の用途としては、自動車用耐チッピング塗料、電線用コーティング剤、プレコートメタル用塗料などが挙げられる。
【0103】
上記用途のうち繊維および繊維製品について以下に説明する。
ポリウレタン樹脂(U)を、単独または他の繊維形成性ポリマーに含有させて紡糸することにより吸放湿性および/または染色性に優れ、かつ繊維特性にも優れる吸放湿性および/または染色性繊維を得ることができる。
他の繊維形成性ポリマーに含有させる場合の(U)の割合(混合割合)は、全ポリマーの重量に対して吸放湿性および/または染色性の観点から好ましい下限は3%、さらに好ましくは7%であり、紡糸性および繊維物性の観点から好ましい上限は40%、さらに好ましくは30%である。
【0104】
上記他の繊維形成性ポリマーとしては、例えばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)などが挙げられる。
【0105】
繊維の形態としては、(U)単独繊維、(U)と上記他の繊維形成性ポリマーを任意の割合で用いた複合繊維〔芯鞘型複合繊維、芯鞘型複合中空繊維、カバーリング糸[被覆糸が(U)を中心部に包み込んだ形態の加工糸、例えばシングルカバードヤーン(SCY)、ダブルカバードヤーン(DCY)等]、海島型複合繊維、張り合わせ型複合繊維など〕が挙げられる。
【0106】
複合比率(重量比)については、例えば芯鞘型複合繊維、芯鞘型複合中空繊維およびカバーリング糸の場合は、芯部の(U)と鞘部の他の繊維形成性ポリマーとの複合比率は、好ましくは芯部/鞘部=3/97〜40/60、さらに好ましくは7/93〜30/70である。該複合比率は、染色用途および非染色用途で任意に選ぶことができる。芯部の複合比率の下限は吸放湿性および/または染色性付与の観点から設定され、複合比率の上限は紡糸性および繊維物性の観点から設定される。
また、海島型複合繊維あるいは張り合わせ型複合繊維においても、島部の(U)と海部の他の繊維形成性ポリマーとの複合比率は好ましくは3/97〜40/60、さらに好ましくは7/93〜30/70である。島部の複合比率の下限は吸放湿性および/または染色性付与の観点から設定され、複合比率の上限は紡糸性および繊維物性の観点から設定される。
【0107】
(U)単独繊維、あるいは(U)と他の繊維形成性ポリマーとの複合繊維の製法としては、従来公知の方法を用いることができるが、以下に代表して芯鞘型複合繊維の場合を例に説明する。
【0108】
ポリエステル(鞘部)と(U)(芯部)をそれぞれ個別に溶融し、紡糸パックに導き口金装置内で芯鞘複合流を形成し、吐出孔から紡出する。
紡出したフィラメント糸を所定の速度で引取った後、一旦パッケージに巻き上げ、得られた未延伸糸を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸を引き取った後、巻き上げることなく一挙に延伸してもよい。即ち、4,000m/分以上の高速で引き取り、実質的に延伸して一挙に所望の繊維性能を得る方法を採ってもよい。
上記複合繊維の断面における複合の形態は、同心円状でも偏心円状でも多島状でもよく、繊維断面形状は丸ばかりでなく、三角、偏平、多葉型などの異形断面でもよい。
【0109】
本発明の繊維からなる繊維製品としては、糸、トウ、トップ、カセ、布帛、不織布などが挙げられる。
繊維製品のうち布帛においては、本発明の繊維は、単独で編織されることはほとんどなく、絹、綿、羊毛などの天然繊維や、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどの合成繊維と交編織されたり、またはこれらの繊維で被覆、交絡、合撚などの加工をした糸を交編織して布帛とされる。該繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープルのどちらでもよく、常法によって得ることができる布帛の形態としては、編物、織物があり、編物ではシングルの天竺組織、鹿子組織ダブルのリブ、スムース、ピッケ組織等変化組織、トリコットのハーフ組織等変化組織、ラッセルのパワーネット組織、サテン組織、チュール組織、織物では平織、斜紋織、朱子織等の変化組織、などいずれの構造でも使用目的に合わせて選択することができる。布帛伸度は編物の場合、伸度を必要とする方向に30〜300%、織物の場合は5〜100%、もしくは2方向に伸縮性を示すものが好ましい。
【0110】
上記繊維製品のうち、布帛の用途としては、衣料(レッグ衣料、インナー衣料、スポーツ衣料など)、医療用具(包帯、テーピングなど)が挙げられる。
レッグ衣料としては、ストッキング、靴下、タイツなど、インナー衣料としては肌着、ショーツ、ボディーファーなど、スポーツ衣料としてはスパッツ、レオタードなどが挙げられ、肌を外気から遮断し、保温することや、保形や身体の肉を抑える目的等で使用される。本発明の繊維は、帯電防止の効果も有することから、例えば静電気が発生してパンティストッキングの周りにスカートがまとわりついたり、摩擦による静電気ショックが起こることを抑制することができる。
【0111】
また、不織布の用途としては、テーブルクロス、ナプキン、カーペット、合成皮革、人工皮革などが挙げられる。
【0112】
また、ポリウレタン樹脂(U)は、単独で、または他のシート形成性ポリマーに含有させることにより吸放湿性および染色性に優れ、かつシート特性にも優れる吸放湿性・染色性シートを得ることができる。
他のシート形成性ポリマーに含有させる場合の(U)の割合は、全ポリマーの重量に対して吸放湿性の観点から好ましい下限は3重量%、さらに好ましくは7重量%であり、シート物性の観点から好ましい上限は40重量%、さらに好ましくは30重量%である。
【0113】
上記他のシート形成性ポリマーとしては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロンなど)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)などが挙げられる。
【0114】
本発明のシートからなる繊維製品としては、合成皮革、人工皮革などが挙げられる。合成皮革や人工皮革を製造する方法としては、従来公知の方法でよく、例えば乾式処理法および湿式処理法が挙げられる。
乾式処理法としては、例えば、基材に発泡剤を添加したポリウレタン樹脂溶液をコーティングし、これを炉の中で高温加熱して発泡剤を分解発泡させてスポンジ層を形成し、その上にポリウレタン樹脂溶液を塗布して表面に緻密なスキン層を作る方法が挙げられる。
湿式処理法としては、例えば特開昭54−38996に記載の方法、例えば、ポリウレタン樹脂溶液を塗布した基材を凝固浴へ浸漬する方法、水蒸気により部分的に凝固させ次いで凝固浴へ浸漬させる方法などが挙げられる。ポリウレタン樹脂を凝固させるための凝固浴としては、水、メタノールなどポリウレタン樹脂の非溶剤または貧溶剤が挙げられる。
該シートからなる繊維製品の用途としては、鞄、ベルト、衣料、家具、自動車シートなどが挙げられる。
【0115】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお実施例および比較例に記載した成形品(シート)または丸編み物の物性評価は以下の方法に従った。
【0116】
1.吸湿率、吸放湿率
・サンプル形状
シート :タテ×ヨコ×厚み=100×50×0.2(mm)
丸編み物 :タテ×ヨコ =100×50(mm)
・吸放湿率(%)=b−a
但し、aは20℃、相対湿度65%の雰囲気下でシートまたは丸編み物 サンプルを24時間静置した後の吸湿率(%)で下式から得られる値であ り、
a=(静置後の重量−絶乾時の重量)×100/絶乾時の重量
bは30℃、相対湿度90%の雰囲気下でシートまたは丸編み物サンプルを24時間静置した後の吸湿率(%)で下式から得られる値である。
b=(静置後の重量−絶乾時の重量)×100/絶乾時の重量
ここにおいて、静置後の重量および絶乾時の重量とは次の条件で測定したシートまたは丸編み物サンプルの重量である。
静置後の重量:シートまたは丸編み物サンプルを上記条件に静置した 直後に測定した重量
絶乾時の重量:シートまたは丸編み物サンプルを105℃の恒温乾燥 機内に1.5時間静置後、取り出して乾燥剤(シリカ ゲルなど)入りデシケーター(20℃)内に30分静 置した後に測定した重量
【0117】
2.表面固有抵抗
成形シートサンプルを20℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間静置後、同温湿度雰囲気下で超絶縁計[アドバンテスト(株)製]により測定した。
3.引張伸度
▲1▼乾燥時(20℃、60%RHの雰囲気下で24時間、静置したもの)、▲2▼湿潤時(20℃の蒸留水中に1日浸漬したもの)の強伸度物性をJIS−1013に従って、オートグラフ[(株)島津製作所製(AGS−500B)]により測定した。
【0118】
4.耐光堅牢度
JIS L0842−1971(フェードメータ試験)により測定した。
5.湿摩擦堅牢度
JIS L0849−1971(グレースケール試験)により測定した。
【0119】
上記4.および5.の評価に供した染色サンプルは下記の染色法に従った。
・染色法
(染色条件)
浴比 1:50
(染浴)
染料 KayacrylRedGL−ED[日本化薬(株)]2.0%
酢酸 1.5%
酢酸ソーダ 0.5%
芒硝 1g/L
60℃の染浴にシートまたは丸編み物を投入し、10分かけて80℃に昇温し、さらに40分かけて120℃まで昇温する。この温度で30分染色する。その後、60℃の温水で10分間湯洗し乾燥した。
【0120】
[シート性能]
実施例1
撹拌機、温度計および還流冷却管の付いた反応容器に5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩148部、EG65.1部およびDMA820部を入れ、さらに酢酸マンガン0.4部を加えて、140〜160℃でエステル交換反応を行い、生成したメタノールを除去し、EG含有量0.3%、DMA81.9%、5−スルホイソフタル酸エチレングリコールジエステルナトリウム塩17.8%の淡黄色液体の組成物(S1)を得た。
撹拌機、温度計および還流冷却管の付いた別の反応容器に(S1)340部、EG9.5部およびPTMG(Mn2,000、以下同じ)200部を入れ、均一混合してポリオール成分(A1)を得た。ここにジフェニルメタンジイソシアネート110部およびDMA610.6部を加え、60℃で反応させ、ポリウレタン樹脂30%溶液(U1)を得た。
得られたポリウレタン樹脂のMnは45,000であった。(U1)をガラス板上に流延して減圧(0.005MPa)下、70℃で3時間乾燥し、膜厚200μのシートを得た。
【0121】
実施例2
実施例1において、(S1)を170部、EGを10部、およびPTMGを200部用い、さらにPEG(Mn400、以下同じ)を30部用いること以外は実施例1と同様にしてポリオール成分(A2)を得た。ここにジフェニルメタンジイソシアネート107.5部およびDMA743.5部を加え、実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂30%溶液(U2)を得た。得られたポリウレタン樹脂のMnは55,000であった。(U2)を用い実施例1と同様にして膜厚200μのシートを得た。
【0122】
比較例1
撹拌機、温度計および還流冷却管の付いた反応器に、EG16部およびPTMG200部を入れ、均一混合してポリオール成分(A3)を得た。ここにジフェニルメタンジイソシアネート90部およびDMA714部を加え、60℃で反応させ、ポリウレタン樹脂30%溶液(U3)を得た。得られたポリウレタン樹脂のMnは60,000であった。
(U3)を用い実施例1と同様にして膜厚200μのシートを得た。
【0123】
比較例2
実施例1のポリオール成分を得る工程において、EGを10.5部、PTMGを200部、さらにPEGを60部用い、(S1)を用いないこと以外は実施例1と同様にしてポリオール成分(A4)を得た。ここにジフェニルメタンジイソシアネート105部およびDMA876.2部を加え、実施例1と同様にしてポリウレタン樹脂30%溶液(U4)を得た。得られたポリウレタン樹脂のMnは60,000であった。(U4)を用い実施例1と同様にして膜厚200μのシートを得た。
【0124】
比較例3
撹拌機、温度計および還流冷却管の付いた反応容器に5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム塩296部、EG17.7部、ネオペンチルグリコール110部およびイソフタル酸ジメチル194部を入れ、さらに酢酸マンガン1部を加えて、200℃で反応させ、理論量のメタノールを溜去し、ポリエステルジオールを得た。得られたポリエステルの水酸基価は56.1、酸価は0.5であった。
次に撹拌機、温度計および還流冷却管の付いた別の反応容器に、EG16部および先に得られたポリエステルジオール200部を入れ、均一混合して、ポリオール成分(A5)を得た。ここにジフェニルメタンジイソシアネート90部およびDMA714部を加え、60℃で反応させ、ポリウレタン樹脂30%溶液(U5)を得た。得られたポリウレタン樹脂のMnは55,000であった。(U5)を用い実施例1と同様にして膜厚200μのシートを得た。
上記実施例1、2、比較例1〜3で得られた各シートの評価結果を表1に示す。
【0125】
【表1】
Figure 2005015500
【0126】
[丸編み物性能]
実施例3、4、比較例4〜6
(U1)〜(U5)を紡糸原料として、湿式紡糸を行った。紡糸口金として直径0.5mmのノズルを用い、紡糸速度500m/分にて40デニールのモノフィラメントを紡糸し、それぞれポリウレタン繊維を得た。得られた各繊維を丸編機にて丸編みとし、エマルミンNL−70[三洋化成工業(株)製]30%、かつサンデットLNM[三洋化成工業(株)製]5%の水溶液中、80℃で45分精練後、湯洗いした後の評価結果を表2に示す。
【0127】
【表2】
Figure 2005015500
【0128】
[衣料性能]
実施例5
実施例3で得られた繊維と東レ(株)製ナイロン繊維(22デシテックス)とのカバーリング糸(SCY)(22デシテックスの混率36重量%)をSCY製造機にて形成し、編織してゾッキパンストを得た。
実施例6
実施例3で得られた繊維と22デシテックスのトリコット編地(22デシテックスの混率16重量%)をトリコット編機にて形成し、インナーウエアを縫製した。
比較例7
比較例4で得られた繊維を用いて、実施例5と同様にしてゾッキパンストを得た。
比較例8
比較例4で得られた繊維を用いて、実施例6と同様にしてインナーウェアを得た。
実施例5で得たゾッキパンストは、比較例7で得たものに比べ、ゴミ、繊維くずなどの付着がなく帯電防止性能に優れていた。
また、実施例6で得たインナーウェアは、比較例8で得たものに比べ運動後の蒸れ、べた付きがなく快適であった。
【0129】
[合成皮革性能]
実施例7
(U1)100部、DMA150部、サンモリンOT−70[製膜助剤、三洋化成工業(株)製]2部、イオネットS−80[製膜助剤、三洋化成工業(株)製]1部およびトナー3部を配合し、塗工液を作成した。塗工液をポリエステル製不織布基材上に900g/m塗工し、20℃の10%DMA水中に10分間浸漬した。次に50℃の温水中に20分間浸漬して充分脱溶剤した後、120℃のドラムドライヤーで乾燥させて湿式合成皮革1を得た。湿式合成皮革1を用いて靴裏材を作成した。
比較例9
(U1)を(U4)に替えた以外は実施例7と同様にして湿式合成皮革2を得た。湿式合成皮革2を用いて靴裏材を作成した。
湿式合成皮革1を用いて作成した靴裏材は、湿式合成皮革2を用いて作成した靴裏材に比べ運動後の蒸れ、べた付きがなく快適であった。
【0130】
【発明の効果】
本発明の、ポリウレタン形成用ポリオール成分またはアニオン性ジオール組成物は下記の効果を奏することから極めて有用である。
ポリウレタン形成用ポリオール成分:
(1)吸放湿性および/または染色性に優れ、かつ機械特性、耐加水分解性にも優れるポリウレタン樹脂を形成することができる。
(2)得られるポリウレタン樹脂には優れた帯電防止性、親水性、防曇性および結露防止性等の特性も付与できる。
(3)得られるポリウレタン樹脂を改質剤として熱可塑性樹脂に配合することにより、上記(2)と同様の良好な樹脂物性と優れた特性を有する熱可塑性樹脂が得られる。
アニオン性ジオール組成物:
(1)遊離のジオール含量が少なく樹脂改質の自由度が大きい。

Claims (12)

  1. 一般式:
    HO−A−OCO−Z[−Q(Mh+1/h−COO−A−OH (1)
    [式中、nは1〜4の整数;hは1または2;Mh+はh価のカチオン;Qは−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン基;Zはn個のプロトン酸(塩)基を有するジカルボン酸(a1)の残基;Aは炭化水素ジオールおよび(ポリ)オキシアルキレンジオールからなる群から選ばれる少くとも1種のジオール(a2)の残基を表す。]
    で示されるアニオン性ジオール(A1)からなるポリウレタン形成用ポリオール成分。
  2. 残基Zが、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基、アルデヒド基もしくはニトロ基またはハロゲン原子で置換されていてもよい、炭素数3〜16の炭化水素基である、請求項1記載のポリオール成分。
  3. が、−SO 、−O−SO または−NH−SO である、請求項1または2記載のポリオール成分。
  4. (a1)が、5−スルホ−イソフタル酸またはその塩である、請求項1〜3の何れか記載のポリオール成分。
  5. (A1)少くとも15モル%と他の活性水素原子含有化合物(A2)85モル%以下からなり、(A2)が少くとも250の水酸基当量を有する高分子ポリオール(A21)、250未満の当量を有する低分子ポリオール(A22)およびその他の活性水素原子含有化合物(A23)からなる群から選ばれる少くとも1種である、請求項1〜4の何れか記載のポリオール成分。
  6. (A21)が、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオールおよびポリマーポリオールからなる群から選ばれる少くとも1種である請求項5記載のポリオール成分。
  7. 一般式:
    HO−A−OCO−Z[−Q(Mh+1/h−COO−A−OH (1)
    [式中、nは1〜4の整数;hは1または2;Mh+はh価のカチオン;Qは−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン基;Zはn個のプロトン酸(塩)基を有するジカルボン酸(a1)の残基;Aは炭化水素ジオールおよび(ポリ)オキシアルキレンジオールからなる群から選ばれる少くとも1種のジオール( a2)の残基を表す。]
    で示されるアニオン性ジオール(A1)と、他の活性水素原子含有化合物(A2)並びに/又は不活性溶媒(A31)および添加剤(A32)からなる群から選ばれる配合成分(A3)とからなり、(A1)と(A2)の合計モル数に基づいて85モル%を超える量の(A2)を含有しないことを特徴とする、アニオン性ジオール組成物。
  8. (A31)が、ジメチルホルムアミドおよび活性水素原子を有しない有機溶媒から選ばれる、請求項7記載の組成物。
    のいずれか記載の組成物。
  9. 一般式:
    HO−A−OH (2)
    で示されるジオール(a2)と、一般式:
    HOOC−Z[−Q(Mh+1/h−COOH (3)
    で示されるn個のプロトン酸(塩)基を有するジカルボン酸(a1)もしくはそのエステル形成性誘導体とを、1.8〜3/1のモル比で、不活性溶媒中で、触媒の存在下もしくは不存在下に、反応させて、一般式:
    HO−A−OCO−Z[−Q(Mh+1/h−COO−A−OH (1)
    [式中、nは1〜4の整数;hは1または2;Mh+はh価のカチオン;Qは−10〜4のpKaを有するプロトン酸のアニオン基;Zはn個のプロトン酸(塩)基を有するジカルボン酸(a1)の残基;Aは炭化水素ジオールおよび(ポリ)オキシアルキレンジオールからなる群から選ばれる少くとも1種のジオール(a2)の残基を表す。]
    で示されるアニオン性ジオール(A1)を製造する、ジオールの製造方法。
  10. 請求項1〜8の何れか記載のポリオール成分もしくは組成物と、ポリイソシアネート成分とを反応させて、非発泡または発泡の、アニオン性基含有ポリウレタン樹脂を製造することを特徴とする、ポリウレタン樹脂の製造方法。
  11. 請求項10記載の方法で得られ、0.01〜7ミリモル/gのプロトン酸(塩)基含量を有するポリウレタン樹脂組成物。
  12. 請求項10記載の方法で得られるポリウレタン樹脂からなる、吸放湿性および/または染色性を有する繊維、シートまたは繊維製品。
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