JP2005014857A - タンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブロック形式でタンカーを製造する方法であってタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁とを組立てる方法において、ビルジホッパー斜板に所定形状の波形板片を固定して斜板ブロックを予め組み立てる工程と、二重底板ブロックに斜板ブロックを固定する工程と、前記斜板ブロックに左舷船側外板ブロックを固定する工程と、前記工程で構成された構造物に所定形状の波形隔壁を有する波形隔壁ブロックを固定する工程とを備え、前記波形隔壁ブロックを固定する工程は、前記斜板ブロックの所定形状の波形板片に、前記波形隔壁ブロックの所定形状の波形隔壁を接合させて、これらを固定するものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロック形式でタンカーを組み立てる際に、斜板ブロックに波形隔壁ブロックを組み付ける方法の改良に関し、特にビルジーホッパー斜板に所定形状の波形板片を組み付けた斜板ブロックの当該波形板片に、当該波形板片の形状に合致する形状に形成した波形隔壁ブロックを固定してなるタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
一般に、この種のタンカーは、船倉を波形隔壁によって縦横に区切り複数のタンクを形成させている。このような構造をしたタンカーは、周知のとおり、船首あるいは船尾の横断面構造が船中央部付近の横断面構造と比較して狭まった構造になっている。
【0003】
図3は、船首側あるいは船尾側の如く船舶の横断面積が痩せた状態の部分であるビルジホッパー部に波形隔壁を搭載した従来の構造を示す図であって、図3(a)は横断面図、図3(b)は波形隔壁を上から見た図である。なお、図3において、添付符号Pは右舷を、添付符号Sは左舷をそれぞれ差すものとして、また、各符号、例えば符号I、符号II、符号III、IVは、上記のビルジホッパー部、波形隔壁の組立順序を示すものである。
【0004】
従来のタンカー1の船首側あるいは船尾側の如く船舶の横断面積が痩せた状態の部分であるビルジホッパー部に波形隔壁を搭載した従来の組立方法は、基本的には、図3(a)に示すように、二重底板組み立て工程Iと、左舷斜板組み立て工程IIPと、右舷斜板組み立て工程IISと、左舷船側外板組み立て工程IIIPと、右舷船側外板組み立て工程IIISと、波形隔壁組み立て工程IVとからなる。
【0005】
また、このような方法によって組み立てられたタンカー1は、図3(a)に示すように、船側外板3S、3Pと、船側外板3S、3Pの内側にそれぞれ設けられた二重船側縦通隔壁5S、5Pと、船底側に設けられたタンクトップ7と、前記タンクトップ7の船底外側に設けられた船底外板9と、ビルジ外板11S、11Pと、ビルジーホッパー斜板13S、13Pと、波形隔壁15とを具備した構造をしている。なお、符号17P、17Sは波形垂直板片、19はトランクである。
【0006】
ここで、前記二重底板組み立て工程Iによって、船底外板9と、タンクトップ7と、これらを固定する船底横材(図示せず)と、補強材(図示せず)は、図3(a)に示すように構成されている。
前記左舷斜板組み立て工程IIPPによって、ビルジ外板11Pと、ビルジーホッパー斜板13Pと、図示しない横材や補強材は、図3(a)に示すように構成されている。同様に、前記右舷斜板組み立て工程IISによって、ビルジ外板11Sと、ビルジーホッパー斜板13Sと、図示しない横材や補強材とで、図3(a)に示すように構成されている。
【0007】
前記左舷船側外板組み立て工程IIIPによって、船側外板3Pと、二重船側縦通隔壁5Pと、前記二重船側縦通隔壁5Pの内側に固定した波形垂直板片17Pと、図示しない横材や補強材とは、図3(a)に示すように構成されている。同様に、前記右舷船側外板組み立て工程IIISによって、船側外板3Sと、二重船側縦通隔壁5Sと、前記二重船側縦通隔壁5Sの内側に固定した波形垂直板片17Sと、図示しない横材や補強材とは、図3(a)に示すように構成されている。
また、前記波形隔壁組み立て工程IVによって、図3(a)に示すような所定形状に形成された波形隔壁15で構成されている。
【0008】
上記構造の組立方法について、図3(a)を参照しながら説明する。まず、ドック2上に固定した盤木4の上に、二重底板組み立て工程Iを行う。
ついで、左舷斜板組立後退IIP、右舷斜板組み立て工程IISを図3(a)に示すようにそれぞれ溶接する。左舷斜板組み立て工程IIP、右舷斜板組み立て工程IISは、作業の手順にもよるが、両方同時に、あるいは、一方斜板ブロックの溶接を完了してから他方の斜板ブロックの溶接をするというようにしてもよい。
【0009】
さらに、前記左舷斜板組み立て工程IIP、左舷船側外板組み立て工程IIIP、前記右舷斜板組み立て工程IIS、右舷船側外板組み立て工程IIISを、図3(a)に示すようにそれぞれ溶接する。
最後に、前記波形隔壁組み立て工程IVを、図3(a)に示すように、図示上側から下降させて、次のように溶接固定している。すなわち、前記波形隔壁15の接合部とタンクトップ7の接合部とは溶接固定されている。前記波形隔壁15の接合部と左舷のビルジーホッパー斜板13Pの接合部とは溶接固定されている。また、前記波形隔壁15の接合部と右舷のビルジーホッパー斜板13Sの接合部とは溶接固定されている。さらに、前記波形隔壁15の接合部と左舷船側の波形垂直板片17Pの接合部とは溶接固定されている。同様に、前記波形隔壁15の接合部と右舷船側の波形垂直板片17Sの接合部とは溶接固定されている。
【0010】
このような従来のタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法にあっては、図3(a)に示すように、二重底板組み立て工程Iと、左舷斜板組み立て工程IIP(及び右舷斜板組み立て工程IIS)と、左舷船側外板組み立て工程IIIP(及び右舷船側外板組み立て工程IIIS)とからなり、横断面構造が船中央部付近の横断面構造と比較して狭まった構造物の内部に、前記波形隔壁15を挿入配置し、図4に示すように、その基部をビルジーホッパー斜板13P(13S)に搭載するようにしていた(なお、上述したと同様な構造は、特許文献1の従来技術の欄にも開示されている)。
【0011】
図4は、上述した従来の構造の一部であって、波形隔壁ブロックの一部と左舷斜板ブロックの一部と二重底板ブロックの一部とからなる構造部分を拡大して示す図である。
【特許文献1】実開昭和60−9791号公報、従来技術の説明の欄
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法によれば、次のような不都合があった。
【0013】
(1)高応力を受ける波形隔壁15の基部(ビルジーホッパー斜板13P、13Sとの接合部分側)は、取り合いとなっていたため、前記波形隔壁15とビルジーホッパー斜板13P、13Sの内側の補強部材などと精度よく一致させる必要があるにも拘わらず、これを精度良く接合することが困難であるという不都合があった。
【0014】
(2)また、上記従来のタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法で用いる前記波形隔壁は、波形隔壁15が大きな形状てあるため、前記ビルジーホッパー斜板13S、13Sに当接する波形隔壁15の基部の斜面部分の角度αを設定することが非常に困難であるという不都合があった。
(3)上記(2)に説明する構造的な不都合に加えて、前記ビルジホッパー斜板13P、13Sと波形隔壁15との狭隘な箇所を斜め向きに接合溶接しなければならないため、溶接する際に溶接が充分でなく、かつ条件の悪い溶接ビードが形成され、応力に強いビード形状にすることが困難であるほか、溶接欠陥が起こりやすいという不都合があった。
【0015】
(4)それらの結果、ビルジーホッパー斜板13P、13Sと波形隔壁15のコーナー部との溶接接合部からクラックが発生してしまうという不都合があった。
本発明は、上述した不都合を解消し、ビルジホッパー部において、ビルジホッパー部の斜板と波形隔壁のコーナー部との接合部からクラックが発生することを防止できるタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法は、ブロック形式でタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁とを組立てる方法において、ビルジホッパー斜板に所定の垂直・水平接合部を有する波形板片を固定して斜板ブロックを予め組み立てる工程と、二重底板ブロックに前記斜板ブロックを固定する工程と、前記二重底板ブロックに固定された斜板ブロックに船側外板ブロックを固定する工程と、前二工程で構成された構造物に、前記垂直・水平接合部に接合する接合部を有する所定形状の波形隔壁を有する波形隔壁ブロックを成形する工程と、前記斜板ブロックの垂直・水平接合部に前記波形隔壁ブロックの垂直・水平接合部を接合させて、これらを固定することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法で組み立てたタンカーのビルジホッパー部の船体構造の概略構造を示す図であって、図1(a)はビルジホッパー部の船体構造の横断面図、図1(b)は波形隔壁を上から見た図である。
【0018】
図2は、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法で組み立ててかつ使用する斜板ブロックIIPa、IISaの一部を拡大して示す斜視図である。
なお、図1及び図2において、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法で組み立てた船体を構成する部材と、図3及び図4で示した船体部材とが同一部材の場合には、同一の符号を付して説明することにする。
【0019】
本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法は、ブロック形式でタンカーを組み立てる方法であって、予め左舷斜板ブロックIIPa及び右舷斜板ブロックIISaを組み立てて用意しておき、ついで、ドック2上に固定した盤木4の上で二重底板ブロックIを組み立てた後、当該二重底板ブロックIに対して左舷斜板ブロックIIPaと右舷斜板ブロックIISaとを図1(a)に示すような形状にそれぞれ溶接し、さらに、前記左舷斜板ブロックIIPaの上に左舷船側外板ブロックIIIPaを、前記右舷斜板ブロックIISaの上に右舷船側外板ブロックIIISaを図1(a)に示すような形状になるようにそれぞれ溶接して建造物を構築し、最後に、前記構築した建造物内に前記波形隔壁ブロックIVaを図1(a)に示すように図示上側から下降させ、しかる後に、二重底板ブロックIのタンクトップ7、左舷斜板ブロックIIPa、右舷斜板ブロックIISa、左舷船側外板ブロックIIIPaの波形垂直板片17Pa、及び右舷船側外板ブロックIIISaの波形垂直板片17Saに、前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部をそれぞれ溶接するようにしたものである。
【0020】
したがって、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法では、左舷斜板ブロックIIPa、右舷斜板ブロックIISa、及び波形隔壁ブロックIVaに特徴的な構造を採用し、かつ、左舷船側外板ブロックIIIPaの波形垂直板片17P及び右舷船側外板ブロックIIISaの波形垂直板片17Saの構造に若干の変更を採用して組み立てるものである。
なお、上述の工程では、P(左舷)側及びS(右舷)側の双方を挙げて説明したが、以下では、P(左舷)側を代表して説明し、S(右舷)側の説明を省略する。
【0021】
ここで、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法に用いる左舷斜板ブロックIIPaの構造について説明する。この左舷斜板ブロックIIPaの構造は、図1(a)に示すように、ビルジ外板11Pと、ビルジーホッパー斜板13Paと、図示しない横材や補強材と、一部二重船側縦通隔壁となる部分とから構成されており、これら左舷斜板ブロックIIPa及び右舷斜板ブロックIISaを予め地上作業にて得ておくものとする。
【0022】
この左舷斜板ブロックIIPaは、図1(a)に示すような所定形状(垂直・水平接合部を有する階段状)の波形板片51Pを、図2に示すようにビルジーホッパー斜板13Paに固定した点に特徴があり、他のビルジ外板11Pや、図示しない横材や補強材や、一部二重船側縦通隔壁は従来と変更がない。なお、この左舷斜板ブロックIIPaを組み立てる工程は、ドック2内の作業ではなく地上での作業としたものである。したがって、ビルジーホッパー斜板13Paに波形垂直板片17Sを溶接するときに、作業員すら入り込むのに窮屈な狭い領域での作業ではなく、溶接に最適な配置状態にして組み立てをすることができる。
【0023】
次に、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法に用いる前記波形隔壁ブロックIVaの構造も説明すると、前記波形隔壁ブロックIVaの構造は、波形隔壁15aを図1(a)に示すように、波形板片51P、51Sとは逆の階段形状(垂直・水平接合部を有する形状)に形成しておくものとする。
【0024】
さらに、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法において用いる左舷船側外板ブロックIIIPaは、図1(a)に示すような形状に波形垂直板片17Paを形成したものである。
本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法に用いる各ブロックは、上述したような構造を有しており、これらブロックを用いて次のようにして組み立てる。
【0025】
また、上記左舷斜板ブロックIIPaは、図2に示すように、ビルジーホッパー斜板13Paと、前記ビルジーホッパー斜板13Paの一面上に搭載し溶接固定された図1(a)に示す形状の波形板片51Pと、図示しないビルジ外板や図示しない横材や補強材や一部二重船側縦通隔壁となる部分とから構成されてブロック化されている。
【0026】
なお、この左舷斜板ブロックIIPaを組み立てる場合、地上作業であるため、ビルジーホッパー斜板13Pを傾斜した状態ではなく平らな状態に配置するなど組み立てに容易な配置状態にして、組み立て溶接することができことから、作業条件がよく、溶融も充分に行うことができ、しかも、溶接ビードが流れてしまうということがなく、適正な形状の溶接ビードを形成できる。
【0027】
本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法では、要するに、次のように組み立て作業を行うものである。
上記左舷斜板ブロックIIPaは、再度説明するが、ドック内における組立作業ではなく地上での組立作業によって、ビルジーホッパー斜板13Pに図1(a)に示す形状の波形板片51Pを溶接固定することによりブロック化しておくものとする。
【0028】
第1の工程では、ドック2に固定した盤木4の上において二重底板ブロックIを組み上げる。
第2の工程では、上記左舷斜板ブロックIIPaを、前記二重底板ブロックIの上に図1(a)に示すように溶接固定する。同様に、上記左舷斜板ブロックIISaを、前記二重底板ブロックIの上に図1(a)に示すように溶接固定する。これにより、波形板片51P及び波形板片51Sは、図1(a)に示すように、垂直・水平接合部を有する階段状の形状に配置された状態になる。
【0029】
第3の工程では、前記左舷斜板ブロックIIPaの上に左舷船側外板ブロックIIIPaを、前記右舷斜板ブロックIISaの上に右舷船側外板ブロックIIISaを図1(a)に示すような形状になるようにそれぞれ溶接固定する。
第4の工程では、まず最初に、前記波形隔壁ブロックIVaを図1(a)に示すように図示上側から下降させる。つぎに、波形隔壁ブロックIVaの他のブロックとの接合部を溶接固定する。
【0030】
すなわち、前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部と二重底板ブロックIのタンクトップ7の接合部とを溶接固定する。前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部と左舷斜板ブロックIIPaの波形板片51Pの接合部とを溶接固定する(波形板片51Pの水平方向部分と垂直方向部分とを溶接する)。
【0031】
前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部と右舷斜板ブロックIISaの波形板片51Sの接合部とを溶接固定する(波形板片51Sの水平方向部分と垂直方向部分とを溶接する)。前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部と左舷船側外板ブロックIIIPaの波形垂直板片17Paの接合部とを溶接固定する。同様に、前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部と右舷船側外板ブロックIIISaの波形垂直板片17Saの接合部とを溶接固定する。
【0032】
本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法では、上述したように組み立て作業がなされるため、各ブロックの取り合いは、波形隔壁ブロックIVaと二重底板ブロックIとの間では波形隔壁15aの基部とタンクトップ7との接続部により、波形隔壁ブロックIVaと斜板ブロックIIPa、IISaとの間では波形隔壁15aの基部側と波形板片51P、51Sとの接続部により、また、波形隔壁ブロックIVaと左舷船側外板ブロックIIIPa、IIISaとの間では波形隔壁15の側部と波形垂直板片17Pa、17Saとの接続部により、構成されることになる。
【0033】
また、前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部と左舷斜板ブロックIIPaの波形板片51Pの接合部とは、前記波形板片51Pの水平方向部分と垂直方向部分とを溶接すればよく、さらには、前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの接合部と右舷斜板ブロックIISaの波形板片51Sの接合部も、前記波形板片51Sの水平方向部分と垂直方向部分との、いわゆる線溶接で良く、この部分が複雑に傾斜しているわけでもないので、作業性が格段に向上することとなる。
【0034】
したがって、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法によって得られた構造では、前記波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの基部が従来のようにビルジーホッパー斜板13P、13Sの上に配置されることがないため、応力集中に強い構造にすることができると共に、溶接部分も複雑な傾斜面に対して溶接する必要がなく、作業性の向上が図れることとなる。このことは、組み立て精度が向上するとともに、溶接ビードの形成を容易かつ適正な形状に形成可能にした。
【0035】
なお、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法によって組み立てられる構造は、右舷側と左舷側とで左右線対称に形成されるのみで、基本的構造は変わらないため、既に説明したように、一方(P側)の構造を代表させて説明し他方の構造(S側)の説明を省略している。
【0036】
さらに前記左舷斜板ブロックIIPaの構造について説明する。この図2に示す左舷斜板ブロックIIPaは、一部構造のみを示し、他の構造部分を省略したものである。この左舷斜板ブロックIIPaの一部構造は、図2に示すように、ビルジーホッパー斜板13Pa上に、波形板片51Pを搭載して溶接固定されている。
【0037】
この波形板片51Pは、所定の長さ、所定の幅及び所定の厚さからなる長方形状の波形鋼材からなる波形隔壁板材片であって、かつ、前記船舶内に組み立てたときに、波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aに溶接固定されるものである。また、前記左舷斜板ブロックIIPaの波形板片51Pは、ビルジーホッパー斜板13Paに対して所定の角度を保って固定されている。この波形板片51Pは、前記第4の工程によって船舶内に組み立てたときには完全に垂直になるようになっている。
【0038】
なお、図2に示す波形板片51Pは、図1(a)に示す左舷斜板ブロックIIPaの波形板片51Pの一部を示したものである。また、図2に示す波形板片51Pにおいて、図示左より図示右に向って、符号51Paは波形板片51Pの凸部、符号51Pbは波形板片51Pの凹部、符号51Pcは波形板片51Pの凸部、符号51Pdは波形板片51Pの凹部である。
【0039】
そして、上記左舷斜板ブロックIIPaが、本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法における第2の工程及び第4の工程を経ることによって図1(a)に示すような形状に製造されることになる。なお、上記構造は、既に説明しているように、P側のみを示して説明したが、S側もまったく同様に構成できるものである。
【0040】
このようなタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法によれば、次のような利点がある。
(1)地上において左舷斜板ブロックIIPaあるいは右舷斜板ブロックIISaを製造できるため、高応力を受ける波形隔壁の基部(ビルジホッパー部の斜板との接合部分側)を、前記波形隔壁とビルジホッパー内の補強部材などと精度よく一致させることが容易であるという利点がある。
【0041】
(2)地上において邪魔のない状態で溶接などして、左舷斜板ブロックIIPaあるいは右舷斜板ブロックIISaを製造できるため、応力集中が少ない形状で溶接欠陥がないビード形状に溶接することができる利点がある。
(3)上述した結果、ビルジホッパー部の斜板と溶接接合している波形隔壁のコーナー部からクラックの発生を防止できる。
【0042】
なお、上記実施の形態では、前記左舷斜板ブロックIIPaの波形板片51Pの形状あるいは前記右舷斜板ブロックIISaの波形板片51Sの形状と、波形隔壁ブロックIVaの波形隔壁15aの形状を、図1(a)に示すような垂直・水平接合部を有する階段状の形状に構成したが、これに限定されることなく、他の形状(例えば、階段状ではなく単に四角形状の一部形状の如く単純な直線接合部を有する形状)に構成してもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法によれば、次のような利点がある。
(1)地上において左舷斜板ブロックあるいは右舷斜板ブロックを製造できるため、高応力を受ける波形隔壁の基部(ビルジホッパー部の斜板との接合部分側)を、前記波形隔壁とビルジホッパー内の補強部材などと精度よく一致させることが容易であるという利点がある。
【0044】
(2)地上において邪魔のない状態で溶接などして、左舷斜板ブロックあるいは右舷斜板ブロックを製造できるため、応力集中が少ない形状で溶接欠陥がないビード形状に溶接することができる利点がある。
(3)上述した結果、ビルジホッパー部の斜板と溶接接合している波形隔壁のコーナー部からクラックの発生を防止できる。
(4)また、波形隔壁とビルジホッパー部斜板との間の複雑な傾斜に対応する溶接固定の作業が必要なくなり、単に垂直・水平方向の接合部の溶接固定で足りるので、作業性が格段に向上し、熟練労働者でなくても、この難しいとされる部分の溶接固定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法で組み立てたタンカーのビルジホッパー部の船体構造の概略構造を示す図であって、図1(a)はビルジホッパー部の船体構造の横断面図、図1(b)は図1(a)のB−B線矢視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法において、斜板ブロックの一部を拡大して示す斜視図である。
【図3】船首側あるいは船尾側の如く船舶の横断面積が痩せた状態の部分であるビルジホッパー部に波形隔壁を搭載した従来の構造を示す図であって、図3(a)は横断面図、図3(b)は図3(a)のA−A線矢視図である。
【図4】上述した従来の構造の一部であって、波形隔壁ブロックの一部と左舷斜板ブロックの一部と二重底板ブロックの一部とからなる構造部分を拡大して示す図である。
【符号の説明】
I 二重底板ブロック
IIPa 左舷斜板ブロック
IISa 右舷斜板ブロック
IIIPa 左舷船側外板ブロック
IIISa 右舷船側外板ブロック
IVa 波形隔壁ブロック
1 タンカー
3、3P、3S 外板
5、5P、5S 二重船側縦通隔壁
7 タンクトップ
9 船底外板
11 ビルジ外板
13、13P、13S、13Pa、13Sa ビルジーホッパー斜板
15、15a 波形隔壁
17Pa、17Sa 波形垂直板片
51P、51S 波形板片
Claims (1)
- ブロック形式でタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁とを組立てる方法において、
ビルジホッパー斜板に所定の垂直・水平接合部を有する波形板片を固定して斜板ブロックを予め組み立てる工程と、
二重底板ブロックに前記斜板ブロックを固定する工程と、
前記二重底板ブロックに固定された斜板ブロックに船側外板ブロックを固定する工程と、
前二工程で構成された構造物に、前記垂直・水平接合部に接合する接合部を有する所定形状の波形隔壁を有する波形隔壁ブロックを成形する工程と、
前記斜板ブロックの垂直・水平接合部に前記波形隔壁ブロックの垂直・水平接合部を接合させて、これらを固定することを特徴とするタンカーのビルジホッパー部と波形隔壁との組立て方法。
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