JP2005014653A - 車両駆動システム - Google Patents
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Abstract
【課題】運転の快適性が阻害されることを防止することができる車両駆動システムを提供すること。
【解決手段】エンジン31と、エンジン31の吸入空気を圧縮する電動過給器と、電動過給器に動作電力を供給する電源と、エンジン31によって発生した動力を伝達する変速機32と、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいて電動過給器の動作状態を変更するとともに変速機32の変速状態の設定を行う電源コントローラ8とを備えて車両駆動システムが構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン31と、エンジン31の吸入空気を圧縮する電動過給器と、電動過給器に動作電力を供給する電源と、エンジン31によって発生した動力を伝達する変速機32と、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいて電動過給器の動作状態を変更するとともに変速機32の変速状態の設定を行う電源コントローラ8とを備えて車両駆動システムが構成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動過給器によってエンジンの吸入空気を圧縮する車両駆動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ターボチャージャを搭載した車両の加速応答性を向上させたり、エンジンの低回転域でのトルク特性を向上させたりするために、電動過給器を用いた電動アシスト付きのターボチャージャや電動チャージャが開発されている。このような電動過給器は、動作電力を供給する電源の状態や電動過給器自体の状態に応じて吸入空気の圧縮性能が異なってくるため、特に、エンジンの低回転域におけるトルク特性が変化することが考えられる。
【0003】
従来、エンジンの低回転域におけるトルク特性あるいはエンジンに連結された回転電機等の負荷装置のトルク特性の変化を考慮して、変速機の変速状態を制御するものとして、エンジン回転数が低いほど変速機のシフトダウンの遅延時間を長く設定する方法(例えば、特許文献1参照。)や、複数のターボチャージャを備える場合にその利用個数に応じて変速機の変速段を設定する方法(例えば、特許文献2参照。)や、バッテリの容量低下時に変速機の変速パターンを変更する方法(例えば、特許文献3参照。)などが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−366068号公報(第4−6頁、図1−13)
【特許文献2】
特開平3−271029号公報(第2−4頁、図1−5)
【特許文献3】
特開平4−244666号公報(第2−4頁、図1−7)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1〜3のそれぞれは、いずれも変速機の変速状態を可変に設定することにより、ターボチャージャ特有の、あるいはバッテリの容量低下時に発生するエンジンのトルク不足に伴って発生する弊害を防止することができるが、いずれの場合も電動過給器の動作状態は考慮されていない。このため、電動過給器自体が故障したり、その電源からの電力供給が正常に行えずに電動過給器の動作が制限されたり、あるいは不能になった場合に発生するエンジン特性の変化が考慮されておらず、運転の快適性が阻害されるという問題があった。例えば、電動過給器が正常に動作している場合には、エンジンの低速回転域においても十分なトルクが得られるが、電動過給器が何らかの原因によって正常に動作しなくなると、エンジンの吸入空気の圧縮が十分に行われなくなるため、低速回転域でのトルク不足が発生する。このため、アクセル開度が大きくなり、ビジーシフトが頻繁に発生することになって、ドライバビリティ(運転の快適性)が低下することになる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、運転の快適性が阻害されることを防止することができる車両駆動システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両駆動システムは、エンジンと、エンジンの吸入空気を圧縮する電動過給器と、電動過給器に動作電力を供給する電源と、エンジンによって発生した動力を伝達する変速機と、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいて、電動過給器の動作状態を変更するとともに、変速機の変速状態の設定を行う制御装置とを備えている。
【0008】
電動過給器やその電源が正常動作しないときに、こられらの状態に応じて電動過給器の動作状態を変更するとともに、変速機の変速状態を変更することができるため、電動過給器の動作状態に応じた適切な変速状態を実現することができ、運転の快適性が阻害されることを防止することができる。また、電動過給器が故障した場合等における電力供給を停止あるいは制限することにより、電源の保護を図ることが可能となる。
【0009】
また、上述した変速機は自動変速機であり、制御装置は、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、自動変速機のシフトダウンの遅延時間を正常時の遅延時間に対して遅らせることが望ましい。これにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足によって生じる頻繁なシフトダウンとシフトアップの繰り返し(いわゆるビジーシフト)を低減することが可能になる。
【0010】
また、上述した変速機は自動変速機であり、制御装置は、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、自動変速機の変速段を、正常時の変速段よりも等価ギア比が大きい変速段に変更することが望ましい。これにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足による運転の快適性阻害を防止することが可能になる。
【0011】
また、上述した変速機は手動変速機、あるいは手動変速モードを備えた自動変速機であり、制御装置は、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、運転者に変速機の変速段変更を促す通知を行うことが望ましい。これにより、運転者は、通知にしたがって変速段変更を行うだけで、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足に起因する運転の快適性阻害を防止することができる。
【0012】
また、上述した制御装置による通知によって示される推奨の変速段を表示する推奨変速段表示装置をさらに備えることが望ましい。これにより、運転者は、推奨変速段表示装置の表示内容を見るだけで、好ましい変速段を知ることができ、電動過給器の動作が正常でない場合の変速段の変更を確実に運転者に伝えることが可能になる。
【0013】
また、本発明の車両駆動システムは、エンジンと、エンジンの吸入空気を圧縮する電動過給器と、電動過給器に動作電力を供給する電源と、エンジンによって発生した動力を伝達する変速機と、エンジン、電動過給器、電源、変速機を統合制御するとともに、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいてエンジンの特性情報を変更する制御装置を備えている。電動過給器やその電源が正常動作しないときに影響を受けるエンジン特性の変化を考慮して、変化後のエンジン特性に適した変速機の変速状態を変更することができるため、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0014】
また、上述した特性情報は、エンジンのトルク特性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンのトルク特性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0015】
また、上述した特性情報は、エンジンの駆動力応答性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンの駆動力応答性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0016】
また、上述した特性情報は、エンジンの燃料消費特性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンの燃料消費特性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0017】
また、上述した特性情報は、エンジンのエミッション特性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンのエミッション特性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0018】
また、上述した制御装置は、電源の充電状態の不良、電源の電圧低下、電源からの供給可能電力量の不足、電源による電力持ち出し時間の長期化の少なくとも一の条件を満たすときに、電源が正常でないことを検出することが望ましい。電源の電力不足や電圧低下の場合には、電動過給器が正常に動作しないため、このとき発生するトルク不足による運転の快適性阻害を有効に防止することが可能になる。また、電源の充電状態不良や、電源からの長時間にわたる電力持ち出しは、電源の劣化を促進するため、これらの場合に電動過給器の動作を制限あるいは停止させることにより、電源を保護して長寿命化を図ることができる。
【0019】
また、上述した制御装置は、電動過給器の温度上昇、電動過給器におけるオープン・ショート故障のいずれかの条件を満たすときに、電動過給器が正常でないことを検出することが望ましい。これにより、電動過給器の異常を検出して、この異常に伴って発生するトルク不足による運転の快適性阻害を有効に防止することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両駆動システムについて、図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明を適用した第1の実施形態の車両駆動システムを含む車載システムの構成を示す図である。図1に示す車載システムは、エンジン31に対して圧縮空気を供給するターボチャージャ1の他に、バッテリ14、DC/DCコンバータ10、キャパシタ11からなる電源システムと、この電源システムとの間で電力の授受を行うオルタネータ(車両用交流発電機)5、車載電気機器16等を含んで構成されている。
【0022】
ターボチャージャ1は、エンジン31の排気エネルギーによって回転駆動されるタービン4と、このタービン4と同軸に取り付けられたコンプレッサ2および回転電機3とを有している。回転電機3は、ターボチャージャ1を電動アシストするためのものであり、必要に応じて電動機あるいは発電機として動作する。
【0023】
回転電機コントローラ12は、タービン4の回転を検出する回転センサ17と、回転電機3の給電線に取り付けられた電流センサ13の出力に基づいてこの給電線に流れる電流値を検出する検出回路9とが接続されており、これらの検出結果やエンジン31の稼働状況に応じて、回転電機3を電動機あるいは発電機として制御する。
【0024】
また、回転電機コントローラ12には、回転電機3との間で電力を授受するための電源ライン19が接続されている。この電源ライン19には、回転電機3の駆動用エネルギを一時的に蓄えるキャパシタ11が接続されている。
【0025】
オルタネータ5は、エンジン31のクランク軸にベルトを介して機械的に接続されており、レギュレータ7によって励磁電流を供給することにより、エンジン回転に応じた交流電力を発生する。この交流電力は整流装置6によって直流電力に変換され、変換後の直流電力がヘッドライト等の車載電気機器16用の電源ライン18に供給される。また、レギュレータ7は、通信回路および制御回路を有しており、外部からの指令に応じてオルタネータ5の出力電圧(整流装置6の出力電圧)の制御や、発電量の制御を行っている。
【0026】
車載電気機器16用の電源ライン18と回転電機3用の電源ライン19は、DC/DCコンバータ10を介して接続されており、電源ライン18、19間の電力の移動を双方向で行うことができるようになっている。
【0027】
電源コントローラ8は、電源ライン18およびこの電源ライン18とバッテリ14の正極側端子、オルタネータ5のそれぞれとの間の給電線に設けられた電流センサ21、15、20の各検出信号等に基づいて、DC/DCコンバータ10の動作状態を制御する。この電源コントローラ8は、レギュレータ7と回転電機コントローラ12との間が通信ラインを介して接続されており、制御に必要な種々のデータが送受信される。
【0028】
エンジン31の排気エネルギーによりターボチャージャ1のタービン4が回転すると、同軸に取り付けられたコンプレッサ2によりエアクリーナ34を通して吸気される空気が圧縮され、さらにクーラー35を通すことにより除熱された空気がエンジン31に導入される。エンジン31で発生するパワーは、変速機32を通すことで回転数とトルクが変換され、最終減速ギアおよびタイヤ(ともに図示せず)を通して車両の駆動力に利用される。
【0029】
動力伝達系コントローラ33は、変速機32とエンジン31を制御しており、必要なデータを電源コントローラ8との間で通信ラインを介して送受信している。
【0030】
本実施形態の車載システムはこのような概略構成を有しており、次に、本発明の制御装置としての電源コントローラ8による制御動作について説明する。
【0031】
(主制御フロー)
図2は、電源コントローラ8による主制御フローを示す流れ図である。例えば、車両のアクセル開度やアクセル開度変化、車速等の検出信号に基づいて、動力伝達系コントローラ33から回転電機3を含んで構成される電動過給器の駆動が要求された場合に実施される主制御フローが示されている。
【0032】
まず、動力伝達系コントローラ33は、回転電機3に接続されている電源(バッテリ14、キャパシタ11)の状態や電動過給器の動作状態をチェックした後(ステップ100)、このチェック結果に基づいて変速スケジュールを設定する(ステップ101)。
【0033】
次に、電源コントローラ8は、車両に搭載された変速機の種類と動作モードを判定する(ステップ102)。変速機の種類としては、自動変速機であるか手動変速機であるかが判定される。自動変速機には、オートマチックトランスミッション(AT)、無段変速機(CVT)、自動マニュアルトランスミッション(AMT)等が含まれる。また、動作モードとしては、変速段あるいは変速比を自動で設定する自動変速モードと、運転者が任意に選択することができる手動変速モードがある。手動変速モードとは、シフトレバーあるいはステアリングに付随するシフトスイッチ等により現行段に対してシフトアップやシフトダウンが相対的に指令される仕組みである。オートマチックトランスミッション等において、シフトレバーをドライブレンジ(Dレンジ)からセカンドレンジ(2ndレンジ)等へ直接シフトする場合のように、変速段を直接指令する場合は、手動変速機として判定される。
【0034】
変速機が自動変速機であって動作モードが自動変速モードの場合には、次に、電源コントローラ8は、ダウンシフトの遅延時間を設定した後(ステップ103)、動力伝達系コントローラ33に指示を送って変速制御を実行する(ステップ104)。
【0035】
一方、変速機が自動変速機であって動作モードが手動変速モードの場合と、変速機が手動変速機の場合には、次に、電源コントローラ8は、ステップ101で設定した変速スケジュールに基づく推奨変速段を推奨変速段表示装置37を用いて表示する(ステップ105)。この推奨変速段表示装置37は、運転者が車両を運転中に見やすい位置に設置されており、運転者は、この表示された推奨変速段に変速機を切り替える動作を行う。なお、本実施形態では、推奨変速段を直接あるいは「+」、「−」等の記号で変速段を変更する方向を表示可能な推奨変速段表示装置37を用いて運転者に対する変速段変更を促す通知を行っているが、表示の代わりに音で変速段変更を促す通知を行うようにしてもよい。
【0036】
(動作状態チェックの制御内容)
次に、上述した図2のステップ100において行われる動作状態チェックの制御内容について説明する。
【0037】
図3は、図2のステップ100において行われる動作状態チェックの制御内容を示す流れ図である。
【0038】
まず、電源コントローラ8は、電動過給器が接続されている電源の状態を検出し、検出結果に応じて電源状態フラグF1をセットする(ステップ200)。具体的には、電源から回転電機3に対する電力供給に余裕がある場合には電源状態フラグF1の値が0に、他の車載電気機器16が動作中であって回転電機3に対する電力供給が十分見込めない場合には電源状態フラグF1の値が1に、回転電機3に対する電力供給が全く行えない場合には電源状態フラグF1の値が2にそれぞれ設定される。電源状態フラグF1の設定動作の詳細については後述する。
【0039】
次に、電源コントローラ8は、電動過給器の状態を検出し、検出結果に応じて過給器状態フラグF2をセットする(ステップ201)。具体的には、電動過給器の温度が所定値以下であって、かつ、電動過給器を構成する回転電機3と回転電機コントローラ12の間のオープン・ショート故障が発生していない場合には過給器状態フラグF2の値が0に、電動過給器の温度が高かったり、回転電機3と回転電機コントローラ12の間の給電線にオープン・ショート故障が発生している場合には過給器状態フラグF2の値が2にそれぞれ設定される。過給器状態フラグF2の設定動作の詳細については後述する。
【0040】
次に、電源コントローラ8は、上述した2種類のフラグF1、F2の設定内容を総合して動作状態フラグF3をセットする(ステップ202)。具体的には、電源状態フラグF1と過給器状態フラグF2の中で値が大きい方が判定され、この大きい方の値が動作状態フラグF3にセットされる。
【0041】
(電動過給器の電源状態の検出内容)
次に、上述した図3のステップ200において行われる電動過給器の電源状態のチェック動作について説明する。
【0042】
図4は、図3のステップ200において行われる電動過給器の電源状態のチェック動作の内容を示す流れ図である。
【0043】
まず、電源コントローラ8は、電動過給器の回転電機3に接続されている電源の充電状態を検出する(ステップ300)。例えば、バッテリ14については、SOC(State of Charge)と呼ばれる値で充電状態を表すことができ、キャパシタ11については、その充電電圧(両端電圧)で充電状態を表すことができる。
【0044】
次に、電源コントローラ8は、電源から回転電機3に対して供給可能な電力情報を収集する(ステップ301)。バッテリ14については、SOC、温度、劣化状態と、回転電機3以外の車載電気機器16による消費電力とによって、供給可能な電力量Wout が決まる。また、キャパシタ11については、その充電電圧や温度と、回転電機3以外の車載電気機器16による消費電力とによって、供給可能な電力量Wout が決まる。
【0045】
次に、電源コントローラ8は、電源の充電状態と供給可能な電力量Wout 等に基づいて電源状態を分類し、電源状態フラグF1を設定する。まず、電源コントローラ8は、充電状態SOCが所定値S1より大きく、かつ、供給可能な電力量Wout が下限値W1よりも大きいか否かを判定し(ステップ302)、これらの両方の条件を満たす場合には肯定判断を行った後、電源の端子電圧Vが動作補償の下限値V1よりも大きいか否か(ステップ303)、電源からの電力持ち出し時間(電力供給の継続時間)Tが所定値T1よりも短いか否かを判定する(ステップ304)。端子電圧Vが下限値V1よりも大きく、かつ、電力持ち出し時間Tが所定値T1より短い場合にはステップ303、304においてともに肯定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、供給可能な電力量Wout が所定の基準値W2(>W1)よりも大きいか否かを判定する(ステップ305)。大きい場合は肯定判断が行われ、電源から回転電機3に対する電力供給に余裕があるものと判断されて電源状態フラグF1の値が0に設定される(ステップ306)。反対に小さい場合にはステップ305の判定において否定判断が行われ、他の車載電気機器16が動作中であって回転電機3に対する電力供給が十分見込めないものと判断されて電源状態フラグF1の値が1に設定される(ステップ307)。また、電源の充電状態SOCが所定値S1より小さい場合、供給可能な電力量Wout が下限値W1よりも小さい場合、電源の端子電圧Vが下限値V1以下の場合、電力持ち出し時間Tが所定値T1以上の場合には、ステップ302〜304のいずれかの判定において否定判断が行われ、回転電機3に対する電力供給が全く行えないものと判断されて電源状態フラグF1の値が2に設定される(ステップ308)。
【0046】
(電動過給器の状態検出内容)
次に、上述した図3のステップ201において行われる電動過給器の状態チェック動作について説明する。
【0047】
図5は、図3のステップ201において行われる電動過給器の状態チェック動作の内容を示す流れ図である。
【0048】
まず、電源コントローラ8は、電動過給器の温度を測定あるいは推定して検出するとともに(ステップ400)、電動過給器を構成する回転電機3と回転電機コントローラ12との間のオープン・ショート検出を行う(ステップ401)。
【0049】
次に、電源コントローラ8は、ステップ400における検出結果に基づいて電動過給器の検出温度が所定値より低いか否か(ステップ402)、ステップ401における検出結果に基づいてオープン・ショート故障がないか否かを判定する(ステップ403)。検出温度が所定値より低い場合であってオープン・ショート故障も発生していない場合には、ステップ402、403の判定においてともに肯定判断が行われ、電動過給器の状態が正常であると判断されて過給器状態フラグF2の値が0に設定される(ステップ404)。また、検出温度が所定値以上の場合(ステップ402の判定において否定判断)や、オープン・ショート故障が発生している場合(ステップ403の判定において否定判断)には、電動過給器の状態が異常であると判断されて過給器状態フラグF2の値が2に設定される(ステップ405)。
【0050】
(変速スケジュールの設定動作)
次に、上述した図2のステップ101において行われる変速スケジュールの設定動作の内容について説明する。
【0051】
図6は、図2のステップ101において行われる変速スケジュールの設定動作手順を示す流れ図である。
【0052】
まず、電源コントローラ8は、ステップ100における動作状態チェックの結果設定された動作状態フラグF3の値を読み込み(ステップ500)、その値が0であるか否かを判定する(ステップ501)。動作状態フラグF3の値が0の場合とは、電源が正常で回転電機3への十分な電力供給が可能であり、かつ、電動過給器の状態が正常な場合であり、この場合にはステップ501の判定において肯定判断が行われる。次に、電源コントローラ8は、正常時に対応する通常の変速スケジュールを設定する(ステップ502)。
【0053】
また、動作状態フラグF3の値が0以外の場合にはステップ501の判定において否定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、動作状態フラグF3の値が1であるか否かを判定する(ステップ503)。動作状態フラグF3の値が1の場合とは、電源状態が正常ではあるが回転電機3への十分な電力供給を行うことは難しく、かつ、電動過給器の状態が正常な場合であって、回転電機3の動作性能が十分に見込めない場合であり、この場合にはステップ503の判定において肯定判断が行われる。次に、電源コントローラ8は、電動過給器の動作を制限するとともに(ステップ504)、動作制限時に対応する変速スケジュールを設定する(ステップ505)。
【0054】
また、動作状態フラグF3の値が1以外、すなわち2の場合にはステップ503の判定において否定判断が行われる。動作状態フラグF3の値が2の場合とは、電源あるいは電動過給器の少なくとも一方が正常動作を行うことができない場合であり、この場合には、電源コントローラ8は、電動過給器の動作を停止させるとともに(ステップ506)、動作不能時変速スケジュールを設定する(ステップ507)。
【0055】
このように、電源状態等に応じて電動過給器の動作を制限あるいは停止させるとともに、変速スケジュールの変更を行うことにより、駆動トルクの不足感を補うことが可能になる。例えば、動作状態フラグF3の値が0、1、2となるにしたがって、変速機32の変速段を、正常時の変速段よりも等価ギア比が大きい変速段に変更する変速スケジュールの設定を行うことにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足による運転の快適性阻害を防止することが可能になる。
【0056】
(ダウンシフトの遅延時間設定動作)
次に、上述した図2のステップ103で行われるダウンシフトの遅延時間設定動作について説明する。
【0057】
図7は、図2のステップ103で行われるダウンシフトの遅延時間設定動作手順を示す流れ図である。
【0058】
まず、電源コントローラ8は、ステップ100における動作状態チェックの結果設定された動作状態フラグF3の値を読み込み(ステップ600)、その値が0であるか否かを判定する(ステップ601)。動作状態フラグF3の値が0の場合(電動過給器が正常動作可能であって電源から回転電機3に対して十分な電力供給が可能な場合)には肯定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、正常時に対応する通常の変速遅延時間を設定する(ステップ602)。
【0059】
また、動作状態フラグF3の値が0以外の場合にはステップ601の判定において否定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、動作状態フラグF3の値が1であるか否かを判定する(ステップ603)。動作状態フラグF3の値が1の場合(電動過給器は正常動作可能であるが、電源から回転電機3に対しては十分な電力供給を行うことができない場合)には肯定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、電動過給器の動作制限時に対応した変速遅延時間を設定する(ステップ604)。一方、動作状態フラグF3の値が2の場合(電源あるいは電動過給器の少なくとも一方が正常動作を行うことができない場合)にはステップ603の判定において否定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、電動過給器の動作不能時に対応した変速遅延時間を設定する(ステップ605)。
【0060】
例えば、動作状態フラグF3の値が0、1、2となるにしたがって、変速機32のシフトダウンの遅延時間を正常時の遅延時間に対して遅らせることにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足によって生じる頻繁なシフトダウンとシフトアップの繰り返し(いわゆるビジーシフト)を低減することが可能になる。なお、ステップ604、605において設定される変速遅延時間は、その時点における変速段に応じて可変に設定するようにしてもよい。
【0061】
このように、本実施形態の車両駆動システムでは、回転電機3に電力を供給する電源の状態と電動過給器の状態により、適切な変速段と変速遅延時間を設定することが可能になる。
【0062】
このように、電動過給器やその電源が正常動作しないときに、こられらの状態に応じて電動過給器の動作状態を変更するとともに、変速機32の変速状態を変更することができるため、電動過給器の動作状態に応じた適切な変速状態を実現することができ、運転の快適性が阻害されることを防止することができる。また、電動過給器が故障した場合等における電力供給を停止あるいは制限することにより、バッテリ14等の電源の保護を図ることが可能となる。
【0063】
また、変速機32が自動変速機であるときに、電源コントローラ8は、電源や電動過給器が正常でないことを検出して、自動変速機のシフトダウンの遅延時間を正常時の遅延時間に対して遅らせるため、電動過給器の動作が正常でない場合に発生するエンジンのトルク不足に伴う頻繁なシフトダウンとシフトアップの繰り返し(いわゆるビジーシフト)を低減することが可能になる。あるいは、正常時の変速段よりも等価ギア比が大きい変速段に変更することにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足による運転の快適性阻害を防止することが可能になる。
【0064】
また、変速機32が手動変速機、あるいは手動変速モードを備えた自動変速機である場合に、電源コントローラ8は、電源や電動過給器が正常でないことを検出して、推奨変速段表示装置37を用いて運転者に変速機の変速段変更を促す通知を行っている。これにより、運転者は、通知にしたがって変速段変更を行うだけで、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足に起因する運転の快適性阻害を防止することができる。
【0065】
なお、上述した実施形態では、ターボチャージャ1に設けた回転電機3を用いた電動過給器によってエンジン31の吸入空気を圧縮するようにしたが、これ以外の圧縮機構を採用するようにしてもよい。
【0066】
図8は、他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの変形例を示す図である。図8に示す車載システムは、図1に示す車載システムに対して、ターボチャージャ1とは別の箇所、例えばターボチャージャ1とエアクリーナ34の間に、回転電機によって駆動されるコンプレッサシステム40を備えた点が異なっている。このコンプレッサシステム40の回転電機に電力を供給する電源の状態とコンプレッサシステム40の状態により、適切な変速段と変速遅延時間の設定が行われる。
【0067】
また、図9は、他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの他の変形例を示す図である。図9に示す車載システムは、図1に示す車載システムに対して、ターボチャージャ1を用いずに代わりに回転電機によって駆動されるコンプレッサシステム42を備え、このコンプレッサシステム42のみによってエンジン31の吸入空気の圧縮を行っている点が異なっている。このコンプレッサシステム42の回転電機に電力を供給する電源の状態とコンプレッサシステム42の状態により、適切な変速段と変速遅延時間の設定が行われる。
【0068】
〔第2の実施形態〕
最近では、エンジンや変速機を含む車両駆動系の全体を統合制御する技術が知られている。例えば、特開2002−81345号公報には、このような統合制御を行うマネージャ制御部を備えた車両統合制御システムが開示されている。このマネージャ制御部は、エンジンや変速機の動作特性を示す特性情報を取得し、この特性情報にしたがって制御則を設定している。
【0069】
ところで、電動過給器が正常動作する場合、動作が制限される場合、動作不能の場合のそれぞれでは、エンジンの動作特性を示す特性情報が異なってくる。例えば、特性情報にはエンジンのトルク特性、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性等があり、これらの特性は、電動過給器による吸入空気圧縮の有無に応じて変化する。したがって、これらの特性情報の内容を、第1の実施形態で示した動作状態フラグF3の値に応じて変更することにより、適正な制御則を設定することが可能になる。
【0070】
図10は、エンジンや変速機を含む車両駆動系の全体を統合制御する車両統合制御システムの構成を示す図である。図10に示すシステムは、図1に示した車載システムに対してマネージャ制御部としての統合コントローラ50を追加した構成を有している。本実施形態では、電源コントローラ8、動力伝達系コントローラ33および統合コントローラ50が本発明の制御装置に対応する。
【0071】
図11は、図10に示す車両統合制御システムの動作手順を示す流れ図であり、主に、動作状態フラグF3の値に基づいてエンジンの動作特性を示す特性情報の内容を変更する手順が示されている。なお、動作状態フラグF3の設定動作等については第1の実施形態に示した車載システムにおける動作と同じであり、その詳細説明は省略する。
【0072】
まず、動力伝達系コントローラ33は、動作状態フラグF3を読み込む(ステップ700)。この動作状態フラグF3は、第1の実施形態で説明したように電源コントローラ8で設定したものをそのまま読み込む場合の他、電源状態フラグF1のみを電源コントローラ8で設定した後、動力伝達系コントローラ33によって過給器状態フラグF2の設定と動作状態フラグF3の設定を行うようにしてもよい。あるいは、動力伝達系コントローラ33によって、全てのフラグF1、F2、F3の設定動作を行うようにしてもよい。
【0073】
次に、動力伝達系コントローラ33は、動作状態フラグF3の値が0であるか否かを判定する(ステップ701)。動作状態フラグF3の値が0の場合(電動過給器が正常動作可能であって電源から回転電機3に対して十分な電力供給が可能な場合)には肯定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、取得したエンジン31や変速機32の動作特性に基づいて、電動過給器の正常動作時の特性情報(エンジンの駆動力トルク特性、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性)を作成する(ステップ702)。
【0074】
また、動作状態フラグF3の値が0以外の場合にはステップ701の判定において否定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、動作状態フラグF3の値が1であるか否かを判定する(ステップ703)。動作状態フラグF3の値が1の場合(電動過給器は正常動作可能であるが、電源から回転電機3に対しては十分な電力供給を行うことができない場合)には肯定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、取得したエンジン31や変速機32の動作特性に基づいて、電動過給器の動作制限時に対応した特性情報を作成する(ステップ704)。一方、動作状態フラグF3の値が2の場合(電源あるいは電動過給器の少なくとも一方が正常動作を行うことができない場合)にはステップ703の判定において否定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、取得したエンジン31や変速機32の動作特性に基づいて、電動過給器の動作不能時に対応した特性情報を作成する(ステップ705)。
【0075】
このようにして動作状態フラグF3の値に応じてエンジンの駆動力発生可能範囲、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性等の特性情報の内容が変更され、統合コントローラ50に送信される。統合コントローラ50は、動力伝達系コントローラ33から受信した特性情報に基づいて最適な制御則、例えば、変速スケジュールや変速遅延時間等を設定することができる。
【0076】
図12は、特性情報を示す図であり、一例としてエンジン31のトルク特性が示されている。横軸はエンジン回転数を、縦軸はエンジントルクを示している。電動過給器が正常動作する通常動作時には、実線A1、A2で示される範囲のトルクをエンジン31は発生し、この特性を示す特性情報が作成されて統合コントローラ50に送られる。これに対し、電動過給器に十分な電力供給がなされない動作制限時には、点線Bで示すように、発生トルクの上限値(MAX)が低回転時に減少し、この特性を示す特性情報が作成されて統合コントローラ50に送られる。また、電動過給器の動作不能時には、点線Cで示すように、発生トルクの上限値(MAX)が低回転時にさらに減少し、この特性を示す特性情報が作成されて統合コントローラ50に送られる。このようにして、統合コントローラ50では、電動過給器の動作状態に応じた特性情報の変化を考慮した最適な制御を行うことが可能になる。
【0077】
このように、電動過給器やその電源が正常動作しないときに影響を受けるエンジン特性の変化を考慮して、変化後のエンジン特性に適した変速機32の変速状態を変更することができるため、エンジン31のトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0078】
特に、特性情報として、エンジンのトルク特性、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性を考える場合には、電動過給器の動作状態によって影響を受けるこれらのエンジン特性を考慮して変速機32の変速状態等を設定することが可能になり、エンジン31のトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の車両駆動システムを含む車載システムの構成を示す図である。
【図2】電源コントローラによる主制御フローを示す流れ図である。
【図3】図2のステップ100において行われる動作状態チェックの制御内容を示す流れ図である。
【図4】図3のステップ200において行われる電動過給器の電源状態のチェック動作の内容を示す流れ図である。
【図5】図3のステップ201において行われる電動過給器の状態チェック動作の内容を示す流れ図である。
【図6】図2のステップ101において行われる変速スケジュールの設定動作手順を示す流れ図である。
【図7】図2のステップ103で行われるダウンシフトの遅延時間設定動作手順を示す流れ図である。
【図8】他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの変形例を示す図である。
【図9】他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの他の変形例を示す図である。
【図10】エンジンや変速機を含む車両駆動系の全体を統合制御する車両統合制御システムの構成を示す図である。
【図11】図10に示す車両統合制御システムの動作手順を示す流れ図である。
【図12】特性情報としてのエンジントルク特性を示す図である。
【符号の説明】
1 ターボチャージャ
2 コンプレッサ
3 回転電機
4 タービン
5 オルタネータ(ALT)
6 整流装置
7 レギュレータ(REG)
8 電源コントローラ
9 検出回路
10 DC/DCコンバータ
11 キャパシタ
12 回転電機コントローラ
14 バッテリ
16 車載電気機器
31 エンジン
32 変速機
33 動力伝達系コントローラ
34 エアクリーナ
35 クーラー
37 推奨変速段表示装置
40、42 コンプレッサシステム
50 統合コントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動過給器によってエンジンの吸入空気を圧縮する車両駆動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ターボチャージャを搭載した車両の加速応答性を向上させたり、エンジンの低回転域でのトルク特性を向上させたりするために、電動過給器を用いた電動アシスト付きのターボチャージャや電動チャージャが開発されている。このような電動過給器は、動作電力を供給する電源の状態や電動過給器自体の状態に応じて吸入空気の圧縮性能が異なってくるため、特に、エンジンの低回転域におけるトルク特性が変化することが考えられる。
【0003】
従来、エンジンの低回転域におけるトルク特性あるいはエンジンに連結された回転電機等の負荷装置のトルク特性の変化を考慮して、変速機の変速状態を制御するものとして、エンジン回転数が低いほど変速機のシフトダウンの遅延時間を長く設定する方法(例えば、特許文献1参照。)や、複数のターボチャージャを備える場合にその利用個数に応じて変速機の変速段を設定する方法(例えば、特許文献2参照。)や、バッテリの容量低下時に変速機の変速パターンを変更する方法(例えば、特許文献3参照。)などが知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−366068号公報(第4−6頁、図1−13)
【特許文献2】
特開平3−271029号公報(第2−4頁、図1−5)
【特許文献3】
特開平4−244666号公報(第2−4頁、図1−7)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1〜3のそれぞれは、いずれも変速機の変速状態を可変に設定することにより、ターボチャージャ特有の、あるいはバッテリの容量低下時に発生するエンジンのトルク不足に伴って発生する弊害を防止することができるが、いずれの場合も電動過給器の動作状態は考慮されていない。このため、電動過給器自体が故障したり、その電源からの電力供給が正常に行えずに電動過給器の動作が制限されたり、あるいは不能になった場合に発生するエンジン特性の変化が考慮されておらず、運転の快適性が阻害されるという問題があった。例えば、電動過給器が正常に動作している場合には、エンジンの低速回転域においても十分なトルクが得られるが、電動過給器が何らかの原因によって正常に動作しなくなると、エンジンの吸入空気の圧縮が十分に行われなくなるため、低速回転域でのトルク不足が発生する。このため、アクセル開度が大きくなり、ビジーシフトが頻繁に発生することになって、ドライバビリティ(運転の快適性)が低下することになる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、運転の快適性が阻害されることを防止することができる車両駆動システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両駆動システムは、エンジンと、エンジンの吸入空気を圧縮する電動過給器と、電動過給器に動作電力を供給する電源と、エンジンによって発生した動力を伝達する変速機と、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいて、電動過給器の動作状態を変更するとともに、変速機の変速状態の設定を行う制御装置とを備えている。
【0008】
電動過給器やその電源が正常動作しないときに、こられらの状態に応じて電動過給器の動作状態を変更するとともに、変速機の変速状態を変更することができるため、電動過給器の動作状態に応じた適切な変速状態を実現することができ、運転の快適性が阻害されることを防止することができる。また、電動過給器が故障した場合等における電力供給を停止あるいは制限することにより、電源の保護を図ることが可能となる。
【0009】
また、上述した変速機は自動変速機であり、制御装置は、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、自動変速機のシフトダウンの遅延時間を正常時の遅延時間に対して遅らせることが望ましい。これにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足によって生じる頻繁なシフトダウンとシフトアップの繰り返し(いわゆるビジーシフト)を低減することが可能になる。
【0010】
また、上述した変速機は自動変速機であり、制御装置は、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、自動変速機の変速段を、正常時の変速段よりも等価ギア比が大きい変速段に変更することが望ましい。これにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足による運転の快適性阻害を防止することが可能になる。
【0011】
また、上述した変速機は手動変速機、あるいは手動変速モードを備えた自動変速機であり、制御装置は、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、運転者に変速機の変速段変更を促す通知を行うことが望ましい。これにより、運転者は、通知にしたがって変速段変更を行うだけで、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足に起因する運転の快適性阻害を防止することができる。
【0012】
また、上述した制御装置による通知によって示される推奨の変速段を表示する推奨変速段表示装置をさらに備えることが望ましい。これにより、運転者は、推奨変速段表示装置の表示内容を見るだけで、好ましい変速段を知ることができ、電動過給器の動作が正常でない場合の変速段の変更を確実に運転者に伝えることが可能になる。
【0013】
また、本発明の車両駆動システムは、エンジンと、エンジンの吸入空気を圧縮する電動過給器と、電動過給器に動作電力を供給する電源と、エンジンによって発生した動力を伝達する変速機と、エンジン、電動過給器、電源、変速機を統合制御するとともに、電源および電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいてエンジンの特性情報を変更する制御装置を備えている。電動過給器やその電源が正常動作しないときに影響を受けるエンジン特性の変化を考慮して、変化後のエンジン特性に適した変速機の変速状態を変更することができるため、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0014】
また、上述した特性情報は、エンジンのトルク特性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンのトルク特性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0015】
また、上述した特性情報は、エンジンの駆動力応答性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンの駆動力応答性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0016】
また、上述した特性情報は、エンジンの燃料消費特性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンの燃料消費特性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0017】
また、上述した特性情報は、エンジンのエミッション特性であることが望ましい。これにより、電動過給器の動作状態によって影響を受けるエンジンのエミッション特性を考慮して変速機の変速状態等を設定することが可能になり、エンジンのトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0018】
また、上述した制御装置は、電源の充電状態の不良、電源の電圧低下、電源からの供給可能電力量の不足、電源による電力持ち出し時間の長期化の少なくとも一の条件を満たすときに、電源が正常でないことを検出することが望ましい。電源の電力不足や電圧低下の場合には、電動過給器が正常に動作しないため、このとき発生するトルク不足による運転の快適性阻害を有効に防止することが可能になる。また、電源の充電状態不良や、電源からの長時間にわたる電力持ち出しは、電源の劣化を促進するため、これらの場合に電動過給器の動作を制限あるいは停止させることにより、電源を保護して長寿命化を図ることができる。
【0019】
また、上述した制御装置は、電動過給器の温度上昇、電動過給器におけるオープン・ショート故障のいずれかの条件を満たすときに、電動過給器が正常でないことを検出することが望ましい。これにより、電動過給器の異常を検出して、この異常に伴って発生するトルク不足による運転の快適性阻害を有効に防止することが可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両駆動システムについて、図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明を適用した第1の実施形態の車両駆動システムを含む車載システムの構成を示す図である。図1に示す車載システムは、エンジン31に対して圧縮空気を供給するターボチャージャ1の他に、バッテリ14、DC/DCコンバータ10、キャパシタ11からなる電源システムと、この電源システムとの間で電力の授受を行うオルタネータ(車両用交流発電機)5、車載電気機器16等を含んで構成されている。
【0022】
ターボチャージャ1は、エンジン31の排気エネルギーによって回転駆動されるタービン4と、このタービン4と同軸に取り付けられたコンプレッサ2および回転電機3とを有している。回転電機3は、ターボチャージャ1を電動アシストするためのものであり、必要に応じて電動機あるいは発電機として動作する。
【0023】
回転電機コントローラ12は、タービン4の回転を検出する回転センサ17と、回転電機3の給電線に取り付けられた電流センサ13の出力に基づいてこの給電線に流れる電流値を検出する検出回路9とが接続されており、これらの検出結果やエンジン31の稼働状況に応じて、回転電機3を電動機あるいは発電機として制御する。
【0024】
また、回転電機コントローラ12には、回転電機3との間で電力を授受するための電源ライン19が接続されている。この電源ライン19には、回転電機3の駆動用エネルギを一時的に蓄えるキャパシタ11が接続されている。
【0025】
オルタネータ5は、エンジン31のクランク軸にベルトを介して機械的に接続されており、レギュレータ7によって励磁電流を供給することにより、エンジン回転に応じた交流電力を発生する。この交流電力は整流装置6によって直流電力に変換され、変換後の直流電力がヘッドライト等の車載電気機器16用の電源ライン18に供給される。また、レギュレータ7は、通信回路および制御回路を有しており、外部からの指令に応じてオルタネータ5の出力電圧(整流装置6の出力電圧)の制御や、発電量の制御を行っている。
【0026】
車載電気機器16用の電源ライン18と回転電機3用の電源ライン19は、DC/DCコンバータ10を介して接続されており、電源ライン18、19間の電力の移動を双方向で行うことができるようになっている。
【0027】
電源コントローラ8は、電源ライン18およびこの電源ライン18とバッテリ14の正極側端子、オルタネータ5のそれぞれとの間の給電線に設けられた電流センサ21、15、20の各検出信号等に基づいて、DC/DCコンバータ10の動作状態を制御する。この電源コントローラ8は、レギュレータ7と回転電機コントローラ12との間が通信ラインを介して接続されており、制御に必要な種々のデータが送受信される。
【0028】
エンジン31の排気エネルギーによりターボチャージャ1のタービン4が回転すると、同軸に取り付けられたコンプレッサ2によりエアクリーナ34を通して吸気される空気が圧縮され、さらにクーラー35を通すことにより除熱された空気がエンジン31に導入される。エンジン31で発生するパワーは、変速機32を通すことで回転数とトルクが変換され、最終減速ギアおよびタイヤ(ともに図示せず)を通して車両の駆動力に利用される。
【0029】
動力伝達系コントローラ33は、変速機32とエンジン31を制御しており、必要なデータを電源コントローラ8との間で通信ラインを介して送受信している。
【0030】
本実施形態の車載システムはこのような概略構成を有しており、次に、本発明の制御装置としての電源コントローラ8による制御動作について説明する。
【0031】
(主制御フロー)
図2は、電源コントローラ8による主制御フローを示す流れ図である。例えば、車両のアクセル開度やアクセル開度変化、車速等の検出信号に基づいて、動力伝達系コントローラ33から回転電機3を含んで構成される電動過給器の駆動が要求された場合に実施される主制御フローが示されている。
【0032】
まず、動力伝達系コントローラ33は、回転電機3に接続されている電源(バッテリ14、キャパシタ11)の状態や電動過給器の動作状態をチェックした後(ステップ100)、このチェック結果に基づいて変速スケジュールを設定する(ステップ101)。
【0033】
次に、電源コントローラ8は、車両に搭載された変速機の種類と動作モードを判定する(ステップ102)。変速機の種類としては、自動変速機であるか手動変速機であるかが判定される。自動変速機には、オートマチックトランスミッション(AT)、無段変速機(CVT)、自動マニュアルトランスミッション(AMT)等が含まれる。また、動作モードとしては、変速段あるいは変速比を自動で設定する自動変速モードと、運転者が任意に選択することができる手動変速モードがある。手動変速モードとは、シフトレバーあるいはステアリングに付随するシフトスイッチ等により現行段に対してシフトアップやシフトダウンが相対的に指令される仕組みである。オートマチックトランスミッション等において、シフトレバーをドライブレンジ(Dレンジ)からセカンドレンジ(2ndレンジ)等へ直接シフトする場合のように、変速段を直接指令する場合は、手動変速機として判定される。
【0034】
変速機が自動変速機であって動作モードが自動変速モードの場合には、次に、電源コントローラ8は、ダウンシフトの遅延時間を設定した後(ステップ103)、動力伝達系コントローラ33に指示を送って変速制御を実行する(ステップ104)。
【0035】
一方、変速機が自動変速機であって動作モードが手動変速モードの場合と、変速機が手動変速機の場合には、次に、電源コントローラ8は、ステップ101で設定した変速スケジュールに基づく推奨変速段を推奨変速段表示装置37を用いて表示する(ステップ105)。この推奨変速段表示装置37は、運転者が車両を運転中に見やすい位置に設置されており、運転者は、この表示された推奨変速段に変速機を切り替える動作を行う。なお、本実施形態では、推奨変速段を直接あるいは「+」、「−」等の記号で変速段を変更する方向を表示可能な推奨変速段表示装置37を用いて運転者に対する変速段変更を促す通知を行っているが、表示の代わりに音で変速段変更を促す通知を行うようにしてもよい。
【0036】
(動作状態チェックの制御内容)
次に、上述した図2のステップ100において行われる動作状態チェックの制御内容について説明する。
【0037】
図3は、図2のステップ100において行われる動作状態チェックの制御内容を示す流れ図である。
【0038】
まず、電源コントローラ8は、電動過給器が接続されている電源の状態を検出し、検出結果に応じて電源状態フラグF1をセットする(ステップ200)。具体的には、電源から回転電機3に対する電力供給に余裕がある場合には電源状態フラグF1の値が0に、他の車載電気機器16が動作中であって回転電機3に対する電力供給が十分見込めない場合には電源状態フラグF1の値が1に、回転電機3に対する電力供給が全く行えない場合には電源状態フラグF1の値が2にそれぞれ設定される。電源状態フラグF1の設定動作の詳細については後述する。
【0039】
次に、電源コントローラ8は、電動過給器の状態を検出し、検出結果に応じて過給器状態フラグF2をセットする(ステップ201)。具体的には、電動過給器の温度が所定値以下であって、かつ、電動過給器を構成する回転電機3と回転電機コントローラ12の間のオープン・ショート故障が発生していない場合には過給器状態フラグF2の値が0に、電動過給器の温度が高かったり、回転電機3と回転電機コントローラ12の間の給電線にオープン・ショート故障が発生している場合には過給器状態フラグF2の値が2にそれぞれ設定される。過給器状態フラグF2の設定動作の詳細については後述する。
【0040】
次に、電源コントローラ8は、上述した2種類のフラグF1、F2の設定内容を総合して動作状態フラグF3をセットする(ステップ202)。具体的には、電源状態フラグF1と過給器状態フラグF2の中で値が大きい方が判定され、この大きい方の値が動作状態フラグF3にセットされる。
【0041】
(電動過給器の電源状態の検出内容)
次に、上述した図3のステップ200において行われる電動過給器の電源状態のチェック動作について説明する。
【0042】
図4は、図3のステップ200において行われる電動過給器の電源状態のチェック動作の内容を示す流れ図である。
【0043】
まず、電源コントローラ8は、電動過給器の回転電機3に接続されている電源の充電状態を検出する(ステップ300)。例えば、バッテリ14については、SOC(State of Charge)と呼ばれる値で充電状態を表すことができ、キャパシタ11については、その充電電圧(両端電圧)で充電状態を表すことができる。
【0044】
次に、電源コントローラ8は、電源から回転電機3に対して供給可能な電力情報を収集する(ステップ301)。バッテリ14については、SOC、温度、劣化状態と、回転電機3以外の車載電気機器16による消費電力とによって、供給可能な電力量Wout が決まる。また、キャパシタ11については、その充電電圧や温度と、回転電機3以外の車載電気機器16による消費電力とによって、供給可能な電力量Wout が決まる。
【0045】
次に、電源コントローラ8は、電源の充電状態と供給可能な電力量Wout 等に基づいて電源状態を分類し、電源状態フラグF1を設定する。まず、電源コントローラ8は、充電状態SOCが所定値S1より大きく、かつ、供給可能な電力量Wout が下限値W1よりも大きいか否かを判定し(ステップ302)、これらの両方の条件を満たす場合には肯定判断を行った後、電源の端子電圧Vが動作補償の下限値V1よりも大きいか否か(ステップ303)、電源からの電力持ち出し時間(電力供給の継続時間)Tが所定値T1よりも短いか否かを判定する(ステップ304)。端子電圧Vが下限値V1よりも大きく、かつ、電力持ち出し時間Tが所定値T1より短い場合にはステップ303、304においてともに肯定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、供給可能な電力量Wout が所定の基準値W2(>W1)よりも大きいか否かを判定する(ステップ305)。大きい場合は肯定判断が行われ、電源から回転電機3に対する電力供給に余裕があるものと判断されて電源状態フラグF1の値が0に設定される(ステップ306)。反対に小さい場合にはステップ305の判定において否定判断が行われ、他の車載電気機器16が動作中であって回転電機3に対する電力供給が十分見込めないものと判断されて電源状態フラグF1の値が1に設定される(ステップ307)。また、電源の充電状態SOCが所定値S1より小さい場合、供給可能な電力量Wout が下限値W1よりも小さい場合、電源の端子電圧Vが下限値V1以下の場合、電力持ち出し時間Tが所定値T1以上の場合には、ステップ302〜304のいずれかの判定において否定判断が行われ、回転電機3に対する電力供給が全く行えないものと判断されて電源状態フラグF1の値が2に設定される(ステップ308)。
【0046】
(電動過給器の状態検出内容)
次に、上述した図3のステップ201において行われる電動過給器の状態チェック動作について説明する。
【0047】
図5は、図3のステップ201において行われる電動過給器の状態チェック動作の内容を示す流れ図である。
【0048】
まず、電源コントローラ8は、電動過給器の温度を測定あるいは推定して検出するとともに(ステップ400)、電動過給器を構成する回転電機3と回転電機コントローラ12との間のオープン・ショート検出を行う(ステップ401)。
【0049】
次に、電源コントローラ8は、ステップ400における検出結果に基づいて電動過給器の検出温度が所定値より低いか否か(ステップ402)、ステップ401における検出結果に基づいてオープン・ショート故障がないか否かを判定する(ステップ403)。検出温度が所定値より低い場合であってオープン・ショート故障も発生していない場合には、ステップ402、403の判定においてともに肯定判断が行われ、電動過給器の状態が正常であると判断されて過給器状態フラグF2の値が0に設定される(ステップ404)。また、検出温度が所定値以上の場合(ステップ402の判定において否定判断)や、オープン・ショート故障が発生している場合(ステップ403の判定において否定判断)には、電動過給器の状態が異常であると判断されて過給器状態フラグF2の値が2に設定される(ステップ405)。
【0050】
(変速スケジュールの設定動作)
次に、上述した図2のステップ101において行われる変速スケジュールの設定動作の内容について説明する。
【0051】
図6は、図2のステップ101において行われる変速スケジュールの設定動作手順を示す流れ図である。
【0052】
まず、電源コントローラ8は、ステップ100における動作状態チェックの結果設定された動作状態フラグF3の値を読み込み(ステップ500)、その値が0であるか否かを判定する(ステップ501)。動作状態フラグF3の値が0の場合とは、電源が正常で回転電機3への十分な電力供給が可能であり、かつ、電動過給器の状態が正常な場合であり、この場合にはステップ501の判定において肯定判断が行われる。次に、電源コントローラ8は、正常時に対応する通常の変速スケジュールを設定する(ステップ502)。
【0053】
また、動作状態フラグF3の値が0以外の場合にはステップ501の判定において否定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、動作状態フラグF3の値が1であるか否かを判定する(ステップ503)。動作状態フラグF3の値が1の場合とは、電源状態が正常ではあるが回転電機3への十分な電力供給を行うことは難しく、かつ、電動過給器の状態が正常な場合であって、回転電機3の動作性能が十分に見込めない場合であり、この場合にはステップ503の判定において肯定判断が行われる。次に、電源コントローラ8は、電動過給器の動作を制限するとともに(ステップ504)、動作制限時に対応する変速スケジュールを設定する(ステップ505)。
【0054】
また、動作状態フラグF3の値が1以外、すなわち2の場合にはステップ503の判定において否定判断が行われる。動作状態フラグF3の値が2の場合とは、電源あるいは電動過給器の少なくとも一方が正常動作を行うことができない場合であり、この場合には、電源コントローラ8は、電動過給器の動作を停止させるとともに(ステップ506)、動作不能時変速スケジュールを設定する(ステップ507)。
【0055】
このように、電源状態等に応じて電動過給器の動作を制限あるいは停止させるとともに、変速スケジュールの変更を行うことにより、駆動トルクの不足感を補うことが可能になる。例えば、動作状態フラグF3の値が0、1、2となるにしたがって、変速機32の変速段を、正常時の変速段よりも等価ギア比が大きい変速段に変更する変速スケジュールの設定を行うことにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足による運転の快適性阻害を防止することが可能になる。
【0056】
(ダウンシフトの遅延時間設定動作)
次に、上述した図2のステップ103で行われるダウンシフトの遅延時間設定動作について説明する。
【0057】
図7は、図2のステップ103で行われるダウンシフトの遅延時間設定動作手順を示す流れ図である。
【0058】
まず、電源コントローラ8は、ステップ100における動作状態チェックの結果設定された動作状態フラグF3の値を読み込み(ステップ600)、その値が0であるか否かを判定する(ステップ601)。動作状態フラグF3の値が0の場合(電動過給器が正常動作可能であって電源から回転電機3に対して十分な電力供給が可能な場合)には肯定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、正常時に対応する通常の変速遅延時間を設定する(ステップ602)。
【0059】
また、動作状態フラグF3の値が0以外の場合にはステップ601の判定において否定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、動作状態フラグF3の値が1であるか否かを判定する(ステップ603)。動作状態フラグF3の値が1の場合(電動過給器は正常動作可能であるが、電源から回転電機3に対しては十分な電力供給を行うことができない場合)には肯定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、電動過給器の動作制限時に対応した変速遅延時間を設定する(ステップ604)。一方、動作状態フラグF3の値が2の場合(電源あるいは電動過給器の少なくとも一方が正常動作を行うことができない場合)にはステップ603の判定において否定判断が行われ、次に、電源コントローラ8は、電動過給器の動作不能時に対応した変速遅延時間を設定する(ステップ605)。
【0060】
例えば、動作状態フラグF3の値が0、1、2となるにしたがって、変速機32のシフトダウンの遅延時間を正常時の遅延時間に対して遅らせることにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足によって生じる頻繁なシフトダウンとシフトアップの繰り返し(いわゆるビジーシフト)を低減することが可能になる。なお、ステップ604、605において設定される変速遅延時間は、その時点における変速段に応じて可変に設定するようにしてもよい。
【0061】
このように、本実施形態の車両駆動システムでは、回転電機3に電力を供給する電源の状態と電動過給器の状態により、適切な変速段と変速遅延時間を設定することが可能になる。
【0062】
このように、電動過給器やその電源が正常動作しないときに、こられらの状態に応じて電動過給器の動作状態を変更するとともに、変速機32の変速状態を変更することができるため、電動過給器の動作状態に応じた適切な変速状態を実現することができ、運転の快適性が阻害されることを防止することができる。また、電動過給器が故障した場合等における電力供給を停止あるいは制限することにより、バッテリ14等の電源の保護を図ることが可能となる。
【0063】
また、変速機32が自動変速機であるときに、電源コントローラ8は、電源や電動過給器が正常でないことを検出して、自動変速機のシフトダウンの遅延時間を正常時の遅延時間に対して遅らせるため、電動過給器の動作が正常でない場合に発生するエンジンのトルク不足に伴う頻繁なシフトダウンとシフトアップの繰り返し(いわゆるビジーシフト)を低減することが可能になる。あるいは、正常時の変速段よりも等価ギア比が大きい変速段に変更することにより、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足による運転の快適性阻害を防止することが可能になる。
【0064】
また、変速機32が手動変速機、あるいは手動変速モードを備えた自動変速機である場合に、電源コントローラ8は、電源や電動過給器が正常でないことを検出して、推奨変速段表示装置37を用いて運転者に変速機の変速段変更を促す通知を行っている。これにより、運転者は、通知にしたがって変速段変更を行うだけで、電動過給器の動作が正常でない場合のトルク不足に起因する運転の快適性阻害を防止することができる。
【0065】
なお、上述した実施形態では、ターボチャージャ1に設けた回転電機3を用いた電動過給器によってエンジン31の吸入空気を圧縮するようにしたが、これ以外の圧縮機構を採用するようにしてもよい。
【0066】
図8は、他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの変形例を示す図である。図8に示す車載システムは、図1に示す車載システムに対して、ターボチャージャ1とは別の箇所、例えばターボチャージャ1とエアクリーナ34の間に、回転電機によって駆動されるコンプレッサシステム40を備えた点が異なっている。このコンプレッサシステム40の回転電機に電力を供給する電源の状態とコンプレッサシステム40の状態により、適切な変速段と変速遅延時間の設定が行われる。
【0067】
また、図9は、他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの他の変形例を示す図である。図9に示す車載システムは、図1に示す車載システムに対して、ターボチャージャ1を用いずに代わりに回転電機によって駆動されるコンプレッサシステム42を備え、このコンプレッサシステム42のみによってエンジン31の吸入空気の圧縮を行っている点が異なっている。このコンプレッサシステム42の回転電機に電力を供給する電源の状態とコンプレッサシステム42の状態により、適切な変速段と変速遅延時間の設定が行われる。
【0068】
〔第2の実施形態〕
最近では、エンジンや変速機を含む車両駆動系の全体を統合制御する技術が知られている。例えば、特開2002−81345号公報には、このような統合制御を行うマネージャ制御部を備えた車両統合制御システムが開示されている。このマネージャ制御部は、エンジンや変速機の動作特性を示す特性情報を取得し、この特性情報にしたがって制御則を設定している。
【0069】
ところで、電動過給器が正常動作する場合、動作が制限される場合、動作不能の場合のそれぞれでは、エンジンの動作特性を示す特性情報が異なってくる。例えば、特性情報にはエンジンのトルク特性、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性等があり、これらの特性は、電動過給器による吸入空気圧縮の有無に応じて変化する。したがって、これらの特性情報の内容を、第1の実施形態で示した動作状態フラグF3の値に応じて変更することにより、適正な制御則を設定することが可能になる。
【0070】
図10は、エンジンや変速機を含む車両駆動系の全体を統合制御する車両統合制御システムの構成を示す図である。図10に示すシステムは、図1に示した車載システムに対してマネージャ制御部としての統合コントローラ50を追加した構成を有している。本実施形態では、電源コントローラ8、動力伝達系コントローラ33および統合コントローラ50が本発明の制御装置に対応する。
【0071】
図11は、図10に示す車両統合制御システムの動作手順を示す流れ図であり、主に、動作状態フラグF3の値に基づいてエンジンの動作特性を示す特性情報の内容を変更する手順が示されている。なお、動作状態フラグF3の設定動作等については第1の実施形態に示した車載システムにおける動作と同じであり、その詳細説明は省略する。
【0072】
まず、動力伝達系コントローラ33は、動作状態フラグF3を読み込む(ステップ700)。この動作状態フラグF3は、第1の実施形態で説明したように電源コントローラ8で設定したものをそのまま読み込む場合の他、電源状態フラグF1のみを電源コントローラ8で設定した後、動力伝達系コントローラ33によって過給器状態フラグF2の設定と動作状態フラグF3の設定を行うようにしてもよい。あるいは、動力伝達系コントローラ33によって、全てのフラグF1、F2、F3の設定動作を行うようにしてもよい。
【0073】
次に、動力伝達系コントローラ33は、動作状態フラグF3の値が0であるか否かを判定する(ステップ701)。動作状態フラグF3の値が0の場合(電動過給器が正常動作可能であって電源から回転電機3に対して十分な電力供給が可能な場合)には肯定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、取得したエンジン31や変速機32の動作特性に基づいて、電動過給器の正常動作時の特性情報(エンジンの駆動力トルク特性、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性)を作成する(ステップ702)。
【0074】
また、動作状態フラグF3の値が0以外の場合にはステップ701の判定において否定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、動作状態フラグF3の値が1であるか否かを判定する(ステップ703)。動作状態フラグF3の値が1の場合(電動過給器は正常動作可能であるが、電源から回転電機3に対しては十分な電力供給を行うことができない場合)には肯定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、取得したエンジン31や変速機32の動作特性に基づいて、電動過給器の動作制限時に対応した特性情報を作成する(ステップ704)。一方、動作状態フラグF3の値が2の場合(電源あるいは電動過給器の少なくとも一方が正常動作を行うことができない場合)にはステップ703の判定において否定判断が行われ、次に、動力伝達系コントローラ33は、取得したエンジン31や変速機32の動作特性に基づいて、電動過給器の動作不能時に対応した特性情報を作成する(ステップ705)。
【0075】
このようにして動作状態フラグF3の値に応じてエンジンの駆動力発生可能範囲、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性等の特性情報の内容が変更され、統合コントローラ50に送信される。統合コントローラ50は、動力伝達系コントローラ33から受信した特性情報に基づいて最適な制御則、例えば、変速スケジュールや変速遅延時間等を設定することができる。
【0076】
図12は、特性情報を示す図であり、一例としてエンジン31のトルク特性が示されている。横軸はエンジン回転数を、縦軸はエンジントルクを示している。電動過給器が正常動作する通常動作時には、実線A1、A2で示される範囲のトルクをエンジン31は発生し、この特性を示す特性情報が作成されて統合コントローラ50に送られる。これに対し、電動過給器に十分な電力供給がなされない動作制限時には、点線Bで示すように、発生トルクの上限値(MAX)が低回転時に減少し、この特性を示す特性情報が作成されて統合コントローラ50に送られる。また、電動過給器の動作不能時には、点線Cで示すように、発生トルクの上限値(MAX)が低回転時にさらに減少し、この特性を示す特性情報が作成されて統合コントローラ50に送られる。このようにして、統合コントローラ50では、電動過給器の動作状態に応じた特性情報の変化を考慮した最適な制御を行うことが可能になる。
【0077】
このように、電動過給器やその電源が正常動作しないときに影響を受けるエンジン特性の変化を考慮して、変化後のエンジン特性に適した変速機32の変速状態を変更することができるため、エンジン31のトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを防止することができる。
【0078】
特に、特性情報として、エンジンのトルク特性、駆動力応答性、燃料消費特性、エミッション特性を考える場合には、電動過給器の動作状態によって影響を受けるこれらのエンジン特性を考慮して変速機32の変速状態等を設定することが可能になり、エンジン31のトルク不足によって運転の快適性が阻害されることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の車両駆動システムを含む車載システムの構成を示す図である。
【図2】電源コントローラによる主制御フローを示す流れ図である。
【図3】図2のステップ100において行われる動作状態チェックの制御内容を示す流れ図である。
【図4】図3のステップ200において行われる電動過給器の電源状態のチェック動作の内容を示す流れ図である。
【図5】図3のステップ201において行われる電動過給器の状態チェック動作の内容を示す流れ図である。
【図6】図2のステップ101において行われる変速スケジュールの設定動作手順を示す流れ図である。
【図7】図2のステップ103で行われるダウンシフトの遅延時間設定動作手順を示す流れ図である。
【図8】他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの変形例を示す図である。
【図9】他の圧縮機構を採用した車両駆動システムを含む車載システムの他の変形例を示す図である。
【図10】エンジンや変速機を含む車両駆動系の全体を統合制御する車両統合制御システムの構成を示す図である。
【図11】図10に示す車両統合制御システムの動作手順を示す流れ図である。
【図12】特性情報としてのエンジントルク特性を示す図である。
【符号の説明】
1 ターボチャージャ
2 コンプレッサ
3 回転電機
4 タービン
5 オルタネータ(ALT)
6 整流装置
7 レギュレータ(REG)
8 電源コントローラ
9 検出回路
10 DC/DCコンバータ
11 キャパシタ
12 回転電機コントローラ
14 バッテリ
16 車載電気機器
31 エンジン
32 変速機
33 動力伝達系コントローラ
34 エアクリーナ
35 クーラー
37 推奨変速段表示装置
40、42 コンプレッサシステム
50 統合コントローラ
Claims (14)
- エンジンと、
前記エンジンの吸入空気を圧縮する電動過給器と、
前記電動過給器に動作電力を供給する電源と、
前記エンジンによって発生した動力を伝達する変速機と、
前記電源および前記電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいて、前記電動過給器の動作状態を変更するとともに、前記変速機の変速状態の設定を行う制御装置と、
を備えることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項1において、
前記変速機は自動変速機であり、
前記制御装置は、前記電源および前記電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、前記自動変速機のシフトダウンの遅延時間を正常時の遅延時間に対して遅らせることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項1において、
前記変速機は自動変速機であり、
前記制御装置は、前記電源および前記電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、前記自動変速機の変速段を、正常時の変速段よりも等価ギア比が大きい変速段に変更することを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項1において、
前記変速機は手動変速機、あるいは手動変速モードを備えた自動変速機であり、
前記制御装置は、前記電源および前記電動過給器の少なくとも一方の状態が正常でないことを検出したときに、運転者に前記変速機の変速段変更を促す通知を行うことを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項4において、
前記制御装置による通知によって示される推奨の変速段を表示する推奨変速段表示装置をさらに備えることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記制御装置は、前記電源の充電状態の不良、前記電源の電圧低下、前記電源からの供給可能電力量の不足、前記電源による電力持ち出し時間の長期化の少なくとも一の条件を満たすときに、前記電源が正常でないことを検出することを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項1〜5のいずれかにおいて、
前記制御装置は、前記電動過給器の温度上昇、前記電動過給器におけるオープン・ショート故障のいずれかの条件を満たすときに、前記電動過給器が正常でないことを検出することを特徴とする車両駆動システム。 - エンジンと、
前記エンジンの吸入空気を圧縮する電動過給器と、
前記電動過給器に動作電力を供給する電源と、
前記エンジンによって発生した動力を伝達する変速機と、
前記エンジン、前記電動過給器、前記電源、前記変速機を統合制御するとともに、前記電源および前記電動過給器の少なくとも一方の状態に基づいて前記エンジンの特性情報を変更する制御装置と、
を備えることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項8において、
前記特性情報は、前記エンジンのトルク特性であることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項8において、
前記特性情報は、前記エンジンの駆動力応答性であることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項8において、
前記特性情報は、前記エンジンの燃料消費特性であることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項8において、
前記特性情報は、前記エンジンのエミッション特性であることを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項8〜12のいずれかにおいて、
前記制御装置は、前記電源の充電状態の不良、前記電源の電圧低下、前記電源からの供給可能電力量の不足、前記電源による電力持ち出し時間の長期化の少なくとも一の条件を満たすときに、前記電源が正常でないことを検出することを特徴とする車両駆動システム。 - 請求項8〜12のいずれかにおいて、
前記制御装置は、前記電動過給器の温度上昇、前記電動過給器におけるオープン・ショート故障のいずれかの条件を満たすときに、前記電動過給器が正常でないことを検出することを特徴とする車両駆動システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003179075A JP2005014653A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 車両駆動システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003179075A JP2005014653A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 車両駆動システム |
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JP2003179075A Pending JP2005014653A (ja) | 2003-06-24 | 2003-06-24 | 車両駆動システム |
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JP (1) | JP2005014653A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012533012A (ja) * | 2009-07-09 | 2012-12-20 | コンティ・テミック・マイクロエレクトロニック・ゲーエムベーハー | アクセルペダルで付加的復原力を生成するための装置、およびその動作のための方法 |
-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003179075A patent/JP2005014653A/ja active Pending
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JP2012533012A (ja) * | 2009-07-09 | 2012-12-20 | コンティ・テミック・マイクロエレクトロニック・ゲーエムベーハー | アクセルペダルで付加的復原力を生成するための装置、およびその動作のための方法 |
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