JP2005014603A - 平版印刷方法および機上現像用平版印刷原版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像形成層並びに親水性支持体からなり、画像形成層がエチレン性不飽和重合性化合物、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩およびバインダーポリマーを含む平版印刷原版を画像状に加熱して、エチレン性不飽和重合性化合物を重合させ、平版印刷原版を印刷機に装着した状態で印刷機を稼動させ、加熱していない領域の画像形成層を除去し、これにより露出したアルミニウム支持体表面を親水性領域、残存する画像形成層表面を疎水性領域として有する平版印刷版を製版し、湿し水および油性インクを供給し、製版された平版印刷版で印刷する。
【選択図】 なし
Description
近年では、コンピュータが画像をデジタル情報として電子的に処理し、蓄積して、出力する。従って、デジタル画像情報に応じた画像形成処理は、レーザー光のような指向性の高い活性放射線を用いる走査露光により、リスフイルムを介することなく、平版印刷原版に対して直接画像形成を行うことが望ましい。このようにデジタル画像情報からリスフイルムを介さずに印刷版を製版する技術は、コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)と呼ばれている。
従来のPS版による印刷版の製版方法を、コンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術で実施しようとすると、レーザー光の波長領域と感光性樹脂の感光波長領域とが一致しないとの問題がある。
特に近年は、地球環境への配慮が産業界全体の大きな関心事となっている。環境への配慮からも、湿式の後処理は、簡素化するか、乾式処理に変更することが望ましい。
このような機上現像に適した平版印刷原版は、湿し水やインキ溶剤に可溶な感光層を有し、しかも、明室に置かれた印刷機上で現像されるのに適した明室取り扱い性を有することが必要とされる。
従来のPS版では、このような要求を満足することは、実質的に不可能であった。
しかし、熱可塑性疎水性重合体微粒子を合体(融着)させて形成する画像は、強度が不充分で、印刷版としての耐刷性に問題がある。
重合性化合物は反応性が高いため、マイクロカプセルを用いて隔離しておく方法が多く提案されている(例えば、特許文献2〜7参照)。そして、マイクロカプセルのシェルには、熱分解性のポリマーを使用する。
(12)画像形成層が、エチレン性不飽和重合性化合物を5乃至80質量%の範囲で含む(1)に記載の平版印刷方法。
(13)カルボン酸イオンが、2−アシル置換カルボン酸、2−カルバモイル置換カルボン酸、2−シアノ置換カルボン酸、2,2’−ジアリール置換カルボン酸および炭素原子と水素原子以外の非金属原子が2位炭素原子に直接結合しているカルボン酸からなる群より選ばれるカルボン酸のイオンである(1)に記載の平版印刷方法。
(15)画像形成層が、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩を、0.5乃至30質量%の範囲で含む(1)に記載の平版印刷方法。
(16)バインダーポリマーが、実質的に酸性基を含まない(1)に記載の平版印刷方法。
(17)赤外線吸収剤が、光熱変換剤として機能し、平版印刷原版をレーザー光で走査して光熱変換により平版印刷原版を画像状に加熱する(1)に記載の平版印刷方法。
(18)湿し水のpHが4乃至10であり、湿し水を用いて加熱していない領域の画像形成層を除去する(1)に記載の平版印刷方法。
(19)エチレン性不飽和重合性化合物、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩およびバインダーポリマーが均一に画像形成層に含まれている(1)に記載の平版印刷方法。
なお、「均一」とは、マイクロカプセルや微粒子のような状態で層内の一部に存在する(層内で局在する)ことなく、画像形成層に含まれていることを意味する。
(20)画像形成層がマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルがエチレン性不飽和重合性化合物を含む(1)に記載の平版印刷方法。
(21)エチレン性不飽和重合性化合物が、3個以上のエチレン性不飽和基を有する(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
(22)画像形成層が、エチレン性不飽和重合性化合物を5乃至80質量%の範囲で含む(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
(23)カルボン酸イオンが、2−アシル置換カルボン酸、2−カルバモイル置換カルボン酸、2−シアノ置換カルボン酸、2,2’−ジアリール置換カルボン酸および炭素原子と水素原子以外の非金属原子が2位炭素原子に直接結合しているカルボン酸からなる群より選ばれるカルボン酸のイオンである(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
(25)画像形成層が、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩を、0.5乃至30質量%の範囲で含む(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
(26)バインダーポリマーが、実質的に酸性基を含まない(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
(27)赤外線吸収剤が、光熱変換剤として機能する(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
(28)エチレン性不飽和重合性化合物、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩およびバインダーポリマーが均一に画像形成層に含まれている(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
(29)画像形成層がマイクロカプセルを含み、マイクロカプセルがエチレン性不飽和重合性化合物を含む(2)に記載の機上現像用平版印刷原版。
前述したように、従来のアルカリ性現像液で現像する平版印刷原版は、機上現像に利用できない場合が多い。そのため、特開2002−148790号公報に開示されている平版印刷原版は、アルカリ性現像液で現像する製版方法しか検討されていなかった。
しかし、本願発明者が研究を進めた結果、画像形成層がエチレン性不飽和重合性化合物、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩およびバインダーポリマーを含む平版印刷原版は、機上現像にも有利に利用できることが判明した。カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩を用いて、エチレン性不飽和重合性化合物を重合させる反応は、高感度であり、強度の高いポリマー画像を形成することができる。
以上の結果、本発明に従うと、高感度の平版印刷原版を、印刷機上で現像し、耐刷性が高い平版印刷版を製版することができる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、複数のエチレン性不飽和基を有する(2官能以上である)ことが好ましく、3個以上のエチレン性不飽和基を有する(3官能以上である)ことがより好ましく、4官能以上であることがさらに好ましく、5官能以上であることがさらにまた好ましく、6官能以上であることが最も好ましい。
エチレン性不飽和重合性化合物は、下記式(I)で表されることが好ましい。
(I)L1 (−CR1 =CR2 R3 )m
mが2の場合、L1 は、アルキレン基、置換アルキレン基、アリーレン基、置換アリーレン基、二価の複素環基、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−CO−、−SO−、−SO2 −およびそれらの組み合わせから選ばれる二価の基であることが好ましい。Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリール基または置換アリール基である。
アルキレン基およびアルキル基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。アルキレン基およびアルキル基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
置換アルキレン基および置換アルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
アリーレン基は、フェニレンであることが好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。アリール基は、フェニルであることが好ましい。
二価の複素環基は、置換基を有していてもよい。
置換アリーレン基、置換アリール基および置換複素環基の置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
三価以上の脂肪族基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
芳香族基は、ベンゼン環残基であることが好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
複素環基は、置換基を有していてもよい。複素環基の置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルコキシ基、オキソ(=O)およびチオ(=S)が含まれる。
L1 は、m個の繰り返し単位からなるポリマーの主鎖を構成してもよい。
エチレン性不飽和基を有する液晶性化合物の融点は、30乃至300℃が好ましく、50乃至270℃がより好ましく、70乃至240℃がさらに好ましく、90乃至210℃が最も好ましい。
液晶化合物に含まれるエチレン性不飽和基の割合は、液晶性化合物1g当たり5.0ミリモル以上であることが好ましく、7.0ミリモル以上であることがさらに好ましい。
液晶性化合物は、棒状液晶性化合物および円盤状液晶性化合物が好ましい。液晶性化合物は、高分子液晶でもよい。
棒状液晶性化合物には、金属錯体も含まれる。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章および第11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性化合物は、その棒状分子構造の両端に、二個のエチレン性不飽和基を有することが好ましい。
円盤状液晶性化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルを挙げることができる。
円盤状液晶性化合物の例は、特開平8−50206号公報に記載されている。重合性基を有する円盤状液晶性化合物については、特開平8−27284公報に記載がある。
式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であり、Qはエチレン性不飽和基(前記式(I)の−CR1 =CR2 R3 )であり、そして、nは4乃至12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)とエチレン性不飽和基(Q)との組み合わせを意味する。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−(O−AL)m−
L17:−O−CO−AR−(O−AL)m−O−
L18:−O−CO−AR−(O−AL)m−CO−
L19:−O−CO−AR−(O−AL)m−O−CO−
L20:−S−AL−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
(註)m:1〜6の整数
環状アミド構造は、5員環または6員環であることが好ましい。
環状構造内には、複数のアミド結合が存在することが好ましく、3個以上のアミド結合が存在することがさらに好ましい。
環状アミド構造の例には、2−イミダゾリジノン環(エチレン尿素環)、トリメチレン尿素環、2,4−イミダゾリジンジオン環、2,4−チアゾリジンジオン環、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンジオン環、2,4,5−イミダゾリジントリオン環、テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾールジオン環、2−オキサゾリジオン環、ウラシル環、バルビツール酸環およびイソシアヌル酸環が含まれる。ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジンジオン環、ウラシル環、バルビツール酸環およびイソシアヌル酸環が好ましく、バルビツール酸環およびイソシアヌル酸環がさらに好ましく、イソシアヌル酸環が最も好ましい。
環状アミドは、エチレン性不飽和性基または他の環状アミドとの連結基以外にも、置換基を有していてもよい。置換基の例は、式(I)における複素環基の置換基の例と同様である。
環状アミドは、ケト型(例えば、イソシアヌル酸)とエノール型(例えば、シアヌル酸)との互変異性がある。環状アミドとの名称はケト型を意味するが、環状アミドがエノール型の環状構造になっていてもよい。
複数の環状アミド構造を含む重合性化合物は、下記式(III)で表されることが好ましい。
(III)L3 [−Cy{−L8 (−Q)r }q ]p
以下に、L3 の例を示す。
以下に、Cyの例を示す。
以下に、L8 の例を示す。
M−2:L32[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−3:L33[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−4:L34[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−5:L35[−Cy1{−L81−iPr}2 ]2
M−6:L36[−Cy1{−L81−iPr}2 ]2
M−7:L37[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−8:L38[−Cy2{−L81−Vi}2 ]2
M−9:L39[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−10:L40[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−12:L42[−Cy1{−L81−iPr}2 ]2
M−13:L43[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−14:L44[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−15:L45[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−16:L46[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−17:L47[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−18:L48[−Cy1{−L81−iPr}2 ]3
M−19:L49[−Cy1{−L81−Vi}2 ]4
M−20:L50[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−22:L52[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−23:L53[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−24:L54[−Cy2{−L81−Vi}2 ]2
M−25:L55[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−26:L56[−Cy1{−L81−Vi}2 ]3
M−27:L57[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−28:L58[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−29:L59[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−30:L60[−Cy1{−L81−Vi}2 ]2
M−32:L62[−Cy1{−L83−Vi}2 ]2
M−33:L63[−Cy1{−L82(−Vi)2 }2 ]2
M−34:L64[−Cy1{−L90−Vi}2 ]2
M−35:L65[−Cy1{−L91(−Vi)3 }2 ]2
M−36:L66[−Cy2{−L92(−Vi)2 }2 ]2
M−37:L67[−Cy3−L93−Vi]2
M−38:L67[−Cy4−L81−Vi]2
M−39:L68[−Cy1{−L89(−Vi)(−iPr) }2 ]2
M−40:L39[−Cy1{−L84−Vi}2 ]2
M−42:L70[−Cy1{−L82(−Vi)(−iPr) }2 ]3
M−43:L71[−Cy1{−L82(−Vi)2 }2 ]2
M−44:L72[−Cy1{−L86−Vi}2 ]2
M−45:L73[−Cy1{−L87(−Vi)2 }2 ]2
M−46:L74[−Cy1{−L87(−Vi)(−iPr)}2 ]2
M−47:L75[−Cy1{−L89(−iPr)2}2 ]2
M−48:L76[−Cy1{−L81−Vi}2 ]3
二種類以上の重合性化合物を併用してもよい。
画像形成層は、エチレン性不飽和重合性化合物を5乃至80質量%の範囲で含むことが好ましく、10乃至70質量%の範囲で含むことがより好ましく、15乃至60質量%の範囲で含むことがさらに好ましく、20乃至50質量%の範囲で含むことが最も好ましい。
カルボン酸イオンを構成するカルボン酸は、本発明の効果(特に、脱カルボキシル反応の容易さ)の観点で(1)2位の炭素原子がアシル基、カルバモイル基(置換カルバモイル基を含む)またはシアノ基で置換されているカルボン酸(2−アシル置換カルボン酸、2−カルバモイル置換カルボン酸、2−シアノ置換カルボン酸)、(2)2位の炭素原子が複数のアリール基で置換されているカルボン酸(2,2’−ジアリール置換カルボン酸)、(3)炭素原子と水素原子以外の非金属原子が2位炭素原子に直接結合しているカルボン酸、および(4)その他のカルボン酸に分類できる。本発明では、(1)、(2)および(3)のカルボン酸が好ましい。
カルボン酸は、環状構造を有していてもよい。環状構造に、アシル基のカルボニル基および(置換)カルバモイル基のアミド結合が含まれていてもよい。
以下に、(1)2位の炭素原子がアシル基、カルバモイル基またはシアノ基で置換されているカルボン酸イオンの例を示す。
A102:2−ベンゾイルプロピオン酸イオン
A103:アセト酢酸イオン
A104:シアノ酢酸イオン
A105:2−シアノケイ皮酸イオン
A106:2−シアノプロピオン酸イオン
A107:5−(3,4,5−トリメチル−6−オキソ−8−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロイソクロメン)カルボン酸イオン
A108:4−(3−オキソ−7,7−ジメチルビシクロ〔2.2.1〕へプタン)カルボン酸イオン
アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基の置換基は、エチレン性不飽和重合性化合物で説明した芳香族基の置換基と同様である。
以下に、(2)2位の炭素原子が複数のアリール基で置換されているカルボン酸イオンの例を示す。
A202:ヒドロキシジフェニル酢酸イオン
A203:ヒドロキシ(1−ナフチル)フェニル酢酸イオン
A204:メルカプトジフェニル酢酸イオン
A205:メトキシジフェニル酢酸イオン
A206:シアノジフェニル酢酸イオン
A207:トリフェニル酢酸イオン
A208:3,3,3−トリフルオロ−2,2−ジフェニルプロピオン酸イオン
A209:ヒドロキシビス(p−クロロフェニル)酢酸イオン
A210:ヒドロキシビス(p−トリル)酢酸イオン
A212:ヒドロキシフェニル(p−ニトロフェニル)酢酸イオン
A213:クロロジフェニル酢酸イオン
A214:2,2−ジ(1−ナフチル)プロピオン酸イオン
A215:トリス(4−クロロフェニル)酢酸イオン
A216:2,2−ジフェニル酪酸イオン
A217:ジフェニル酢酸イオン
炭素原子と水素原子以外の非金属原子は、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、O、S、N、SiおよびPが好ましく、ハロゲン原子、O、SおよびNがさらに好ましい。
カルボン酸は、環状構造を有していてもよい。環状構造に、炭素原子と水素原子以外の非金属原子が含まれていてもよい。
炭素原子と水素原子以外の非金属原子は、二価以上の置換基(例えば、オキソ、チオ、イミノ)として、2位炭素原子に直接結合してもよい。
以下に、(3)炭素原子と水素原子以外の非金属原子が2位炭素原子に直接結合しているカルボン酸イオンの例を示す。
A302:ピルビン酸イオン
A303:p−メトキシベンゾイル蟻酸イオン
A304:メルカプトピルビン酸イオン
A305:3−メチル−2−オキソ酪酸イオン
A306:3−o−ニトロフェニル−2−オキソプロピオン酸イオン
A307:3−フェニル−2−オキソプロピオン酸イオン
A308:p−クロロベンゾイル蟻酸イオン
A309:グリオキシル酸イオン
A310:1−ナフトイル蟻酸イオン
A312:3−インドールカルボニル蟻酸イオン
A313:2−オキソ酪酸イオン
A314:p−アセチルベンゾイル蟻酸イオン
A315:トリフルオロピルビン酸イオン
A316:ペンタフルオロベンゾイル蟻酸イオン
A317:2−オキソペンタン酸イオン
A318:3−p−クロロフェニル−2−オキソプロピオン酸イオン
A319:3,5−ジメトキシベンゾイル蟻酸イオン
A320:ベンゼンスルホニル酢酸イオン
A322:2−ベンゼンスルホニルプロピオン酸イオン
A323:p−メトキシベンゼンスルホニル酢酸イオン
A324:ブタンスルホニル酢酸イオン
A325:メタンスルホニル酢酸イオン
A326:1−ナフタレンスルホニル酢酸イオン
A327:2−(1,3−ジオキソラン)カルボン酸イオン
A328:ジメトキシ酢酸イオン
A329:メトキシ酢酸イオン
A330:2−フェノキシプロピオン酸イオン
A332:2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン酸イオン
A333:3,3,3−トリフルオロ−2−フェニル−2−メトキシプロピオン酸イオン
A334:フェニルチオ酢酸イオン
A335:ベンジルチオ酢酸イオン
A336:アセトキシフェニル酢酸イオン
A337:2−チオフェンカルボン酸イオン
A338:1−オキソイソインドリン−2−イル酢酸イオン
A339:アニリノ酢酸イオン
A340:2−アセトアミドプロピオン酸イオン
A342:2−ジメチルアミノプロピオン酸イオン
A343:アセトアミド酢酸イオン
A344:マレイミド酢酸イオン
A345:p−メチルアニリノ酢酸イオン
A346:p−メトキシアニリノ酢酸イオン
A347:2−(5−メチルチオフェン)カルボン酸イオン
A348:t−ブチルジフェニルシリル酢酸イオン
A349:フェニルセレノ酢酸イオン
A350:トリフルオロアセトキシフェニル酢酸イオン
A352:2,4,6−トリメチルベンゾイル蟻酸イオン
A353:4−フルオロベンゾイル蟻酸イオン
A354:o−クロロベンゾイル蟻酸イオン
A355:3,5−ジクロロベンゾイル蟻酸イオン
A356:p−アミノベンゾイル蟻酸イオン
A357:5−インドールカルボニル蟻酸イオン
A358:3−フランカルボニル蟻酸イオン
A359:2−チオフェンカルボニル蟻酸イオン
A360:2−オキソ−5−(ピリジン−3−イル)−4−ペンテンカルボン酸イオン
A362:2−オキソ酪酸イオン
A363:2−オキソペンタン酸イオン
A364:シクロヘキサンカルボニル蟻酸イオン
A365:3−ニトロベンゾイル蟻酸イオン
A366:3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル蟻酸イオン
A367:トリクロロピルビン酸イオン
A368:p−ヒドロキシベンゾイル蟻酸イオン
A369:メチルチオ酢酸イオン
A370:p−クロロフェニルチオ酢酸イオン
A372:3−(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン)カルボン酸イオ
ン
A373:2−ベンジルオキシカルボニルアミノプロピオン酸イオン
A374:2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル酪酸イオン
A375:トリチルアミノ酢酸イオン
A376:2−(1−ベンジルオキシカルボニルピロリジン)カルボン酸イオン
A377:ニトロ酢酸イオン
A378:2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸イオン
A379:フェノキシ酢酸イオン
A380:2−ナフチルオキシ酢酸イオン
A382:2−オキソランカルボン酸イオン
A383:3,3,3−トリクロロ−2,2−ジヒドロキシプロピオン酸イオン
A384:マレイミドオキシ酢酸イオン
A385:2−(1−メチルピロール)カルボン酸イオン
A386:2−ピロールカルボン酸イオン
A387:2−(5−ブロモフラン)カルボン酸イオン
A388:4−イミダゾールカルボン酸イオン
A389:2−(5−メトキシインドール)カルボン酸イオン
A390:ヒドロキシ酢酸イオン
A392:パーフルオロノナン酸イオン
A393:トリフルオロ酢酸イオン
A394:2,4−ジオキソテトラヒドロチアゾール−3−イル酢酸イオン
A395:2−クロロプロピオン酸イオン
A396:クロロ酢酸イオン
A397:パーフルオロデカン酸イオン
A398:ブロモフェニル酢酸イオン
A399:フェニルメトキシ酢酸イオン
A400:トリフルオロメチルフェニルメトキシ酢酸イオン
A402:2−(4−オキソ−4H−クロメン)カルボン酸イオン
A403:t−ブトキシカルボニルアミノ酢酸イオン
A404:5−(2−ピロリドン)カルボン酸イオン
A405:4−(2−オキソイミダゾリジン)カルボン酸イオン
A406:4−(2−オキソテトラヒドロチアゾール)カルボン酸イオン
A407:p−メチルベンゼンスルホニル酢酸イオン
A408:ペンタフルオロベンゼンスルホニル酢酸イオン
A409:p−メトキシフェノキシ酢酸イオン
A410:2−フランカルボン酸イオン
A411:メルカプト酢酸
その他のカルボン酸には、様々な脂肪酸および芳香族カルボン酸が含まれる。
以下に、(4)その他のカルボン酸イオンの例を示す。
A502:p−トルイル酸イオン
A503:p−アニス酸イオン
A504:p−ブチル安息香酸イオン
A505:2,6−ジメトキシ安息香酸イオン
A506:2,4,6−トリメチル安息香酸イオン
A507:p−フェニル安息香酸イオン
A508:p−フェノキシ安息香酸イオン
A509:p−ベンゾイル安息香酸イオン
A510:o−フェニル安息香酸イオン
A512:m−ベンジル安息香酸イオン
A513:o−ベンジル安息香酸イオン
A514:o−ベンゾイル安息香酸イオン
A515:o−(p−クロロベンゾイル)安息香酸イオン
A516:o−アニリノ安息香酸イオン
A517:3−フランカルボン酸イオン
A518:3−(フラン−3−イル)アクリル酸イオン
A519:3−チオフェンカルボン酸イオン
A520:インドール−3−イル酢酸イオン
A522:5−ベンゾイミダゾールカルボン酸イオン
A523:4−ピラゾールカルボン酸イオン
A524:3−ピリジンカルボン酸イオン
A525:9−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)−3,7−ジメチル−2,4,6,8−ノナテトラエン酸イオン
A526:シクロプロパンカルボン酸イオン
A527:2−ビシクロ〔2.2.1〕へプタンカルボン酸イオン
A528:ピバル酸イオン
A529:3−ブテン酸イオン
A530:2−エチル酪酸イオン
A532:p−クロロ安息香酸イオン
A533:p−ヨード安息香酸イオン
A534:p−ブロモ安息香酸イオン
A535:p−トリフルオロメチル安息香酸イオン
A536:p−シアノ安息香酸イオン
A537:m−アニス酸イオン
A538:2,4,6−トリフルオロ安息香酸イオン
A539:3,5−ジクロロ安息香酸イオン
A540:ペンタフルオロ安息香酸イオン
A542:イソ酪酸イオン
A543:アダマンタン−1−イル酢酸イオン
A544:シクロヘキサンカルボン酸イオン
A545:パルミチン酸イオン
A546:p−ビニル安息香酸イオン
A547:2,4−ペンタジエン酸イオン
A548:プロピオン酸イオン
A549:1−ナフトエ酸イオン
A550:ペンタン酸イオン
A552:9−アントラセンカルボン酸イオン
A553:3−インドールカルボン酸イオン
A554:1−(1,4a−ジメチル−7−イソプロピル−1,2,3,4,4a,4b,5,6,10,10a−デカヒドロフェナントレン)カルボン酸イオン
A555:1−シクロヘキセンカルボン酸イオン
A556:1−ビシクロ〔2.2.2〕オクタンカルボン酸イオン
A557:3−フェニルプロピオル酸イオン
A558:シクロペンタンカルボン酸イオン
A559:2,6−ジメチル安息香酸イオン
A560:5−(1−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチル−4−オキソ−2−シクロヘキセニル)−3−メチル−2,4−ペンタジエン酸イオン
A562:p−ヒドロキシメチル安息香酸イオン
A563:2,4,6−トリt−ブチル安息香酸イオン
A564:p−アセトアミド安息香酸イオン
A565:p−アセチル安息香酸イオン
A566:p−アミノ安息香酸イオン
A567:p−ジメチルアミノ安息香酸イオン
A568:1,4,6−トリヒドロキシ安息香酸イオン
A569:フェニル酢酸イオン
A570:p−メチルフェニル酢酸イオン
A572:p−フルオロフェニル酢酸イオン
A573:ケイ皮酸イオン
A574:o−クロロケイ皮酸イオン
A575:m−トリフルオロメチルケイ皮酸イオン
A576:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸イオン
A577:6−ヘプテン酸イオン
A578:アクリル酸イオン
A579:イコサン酸イオン
A580:3−メチルシクロヘキサンカルボン酸イオン
A582:5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセンカルボン酸イオン
A583:プロピオル酸イオン
A584:シクロヘキシル酢酸イオン
A585:2−ナフトエ酸イオン
A586:4−フルオロ−1−ナフトエ酸イオン
A587:2−エトキシ−1−ナフトエ酸イオン
A588:1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸イオン
A589:3−アミノ−2−ナフトエ酸イオン
A590:8−ホルミル−1−ナフトエ酸イオン
A592:2−ビフェニレンカルボン酸イオン
A593:9−フルオレンカルボン酸イオン
A594:1−フルオレンカルボン酸イオン
A595:4−(9−オキソフルオレン)カルボン酸イオン
A596:5−ジベンゾピランカルボン酸イオン
A597:2−アントラキノンカルボン酸イオン
A598:1−ピレンカルボン酸イオン
A599:4−インドールカルボン酸イオン
A600:3−(インドール−3−イル)プロピオン酸イオン
A602:5−インドールカルボン酸イオン
A603:チオフェン−2−イル酢酸イオン
A604:蟻酸イオン
A605:2−エチルペンタン酸イオン
A606:メタクリル酸イオン
A607:12−ヒドロキシドデカン酸イオン
A608:4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸イオン
A609:3−メトキシプロピオン酸イオン
A610:シクロブタンカルボン酸イオン
A612:フェニルシクロペンチル酢酸イオン
A613:2−フェニルプロピオン酸イオン
A614:7−フェニルへプタン酸イオン
A615:2−フェニル酪酸イオン
A616:3−ベンゾイルプロピオン酸イオン
A617:o−メチルフェニル酢酸イオン
A618:o−メトキシフェニル酢酸イオン
A619:o−フルオロフェニル酢酸イオン
A620:o−ブロモフェニル酢酸イオン
A622:m−アミノフェニル酢酸イオン
A623:m−ニトロフェニル酢酸イオン
A624:2,6−ジフルオロフェニル酢酸イオン
A625:p−クロロフェニル酢酸イオン
A626:2,4−ジメチルフェニル酢酸イオン
A627:2,5−ジフルオロフェニル酢酸イオン
A628:2,4,5−トリクロロフェニル酢酸イオン
A629:ペンタフルオロフェニル酢酸イオン
A630:3−(3,4,5−トリメトキシフェニル)プロピオン酸イオン
A632:o−フルオロケイ皮酸イオン
A633:m−ホルミルケイ皮酸イオン
A634:3,4−メチレンジオキシフェニル酢酸イオン
A635:2−ナフチル酢酸イオン
A636:1−ナフチル酢酸イオン
A637:p−イソプロピル安息香酸イオン
A638:m−メトキシ安息香酸イオン
A639:m−フルオロ安息香酸イオン
A640:1,5−ジメチル安息香酸イオン
A642:3−アミノ−4−フルオロ安息香酸イオン
A643:2,4,6−トリヒドロキシ安息香酸イオン
A644:3,5−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸イオン
A645:サリチル酸イオン
A646:6−オキソへプタン酸イオン
A647:4−t−ブチルシクロヘキサンカルボン酸イオン
A648:5−(ビシクロ〔2.2.1〕へプタン−2−エン)カルボン酸イオン
A649:5−(6−メチルビシクロ〔2.2.1〕へプタン−2−エン)カルボン酸イオン
A650:1−アダマンタンカルボン酸イオン
A651:2,5−シクロヘキサジエンカルボン酸イオン
アンモニウムイオンは下記式(IV)、ジアゾニウムイオンは下記式(V)、ホスホニウムイオンは下記式(VI)、アルソニウムイオンは下記式(VII)、スチボニウムイオンは下記式(VIII)、オキソニウムイオンは下記式(IX)、スルホニウムイオンは下記式(X)、セレノニウムイオンは下記式(XI)、スタンノニウムイオンは下記式(XII)、ヨードニウムイオンは下記式(XIII)で定義される。
ジアゾニウムイオン: (V)N≡N+ R
ホスホニウムイオン: (VI)P+ R4
アルソニウムイオン: (VII)As+ R4
スチボニウムイオン: (VIII)Sb+ R4
オキソニウムイオン: (IX)O+ R3
スルホニウムイオン: (X)S+ R3
セレノニウムイオン: (XI)Se+ R3
スタンノニウムイオン:(XII)Sn+ R3
ヨードニウムイオン: (XIII)I+ R2
各式において、Rは、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。一つのオニウム基に含まれる複数のRは、異なっていてもよい。複数のRが結合して、複素環を形成してもよい。Rは、芳香族基であることが特に好ましい。
以下に、オニウムイオンの例を示す。
C2:p−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムイオン
C3:ビス(p−クロロフェニル)フェニルスルホニウムイオン
C4:トリス(p−t−ブチルフェニル)スルホニウムイオン
C5:メチルジフェニルスルホニウムイオン
C6:ジフェニルヨードニウムイオン
C7:ビス(p−t−ペンチルフェニル)ヨードニウムイオン
C8:ビス(p−へプタンアミドフェニル)ヨードニウムイオン
C9:ビス(p−オクチルオキシフェニル)ヨードニウムイオン
C10:ベンゾイルオキシピリジニウムイオン
C12:テトラフェニルホスホニウムイオン
C13:ビス(p−トリル)フェニルスルホニウムイオン
C14:p−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムイオン
C15:ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムイオン
C16:ビス(m−クロロフェニル)ヨードニウムイオン
C17:p−トリルジフェニルスルホニウムイオン
C18:p−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムイオン
C19:p−ヒドロキシフェニルジフェニルスルホニウムイオン
C20:トリス(p−トリル)スルホニウムイオン
C22:ベンジルジフェニルスルホニウムイオン
C23:ベンゾイルチオラニウムイオン
C24:p−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウムイオン
C25:ベンジルメチルピペリジニウムイオン
C26:テトラキス(p−クロロフェニル)ホスホニウムイオン
C27:p−トリルフェニルヨードニウムイオン
C28:2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウムイオン
C29:トリエチルベンジルアンモニウムイオン
C30:ビス(p−ヘキシルフェニル)ヨードニウムイオン
C32:ビス(p−ペンタンアミドフェニル)ヨードニウムイオン
C33:ビス(p−ブトキシフェニル)ヨードニウムイオン
C34:ビス(p−フルオロフェニル)ヨードニウムイオン
C35:p−ブトキシフェニルフェニルヨードニウムイオン
C36:ビス(p−フタルイミドフェニル)ヨードニウムイオン
C37:ヘキシルメチルフェニルスルホニウムイオン
C38:トリブチルスルホニウムイオン
4:A304C1、 5:A305C1、 6:A306C1、
7:A307C2、 8:A308C2、 9:A309C3、
10:A310C3、 11:A311C3、 12:A301C4、
13:A312C4、 14:A313C5、 15:A314C5、
16:A301C6、 17:A302C6、 18:A301C7、
19:A315C7、 20:A316C8、 21:A317C8、
22:A318C9、 23:A319C9、 24:A301C10、
25:A302C11、 26:A301C12、 27:A301C13、
28:A301C3、 29:A320C1、 30:A407C1、
31:A408C1、 32:A325C4、 33:A320C4、
37:A320C15、 38:A324C15、 39:A325C16、
40:A326C16、 41:A101C1、 42:A102C1、
43:A103C1、 44:A104C1、 45:A327C17、
46:A328C17、 47:A329C1、 48:A330C1、
49:A105C1、 50:A331C18、 51:A332C19、
52:A333C1、 53:A334C1、 54:A335C1、
55:A336C1、 56:A409C1、 57:A204C20、
58:A337C20、 59:A338C1、 60:A339C1、
61:A340C1、 62:A341C21、 63:A342C22、
64:A343C23、 65:A344C7、 66:A345C7、
70:A327C15、 71:A348C15、 72:A349C15、
73:A339C26、 74:A350C27、 75:A102C27、
76:A201C1、 77:A202C1、 78:A203C1、
79:A204C1、 80:A205C28、 81:A207C28、
82:A208C28、 83:A209C28、 84:A210C28、
85:A211C28、 86:A201C7、 87:A212C7、
88:A213C7、 89:A201C29、 90:A207C25、
91:A501C6、 92:A502C6、 93:A503C6、
94:A504C6、 95:A505C6、 96:A506C6、
97:A507C6、 98:A508C6、 99:A509C6、
103:A513C6、 104:A514C6、 105:A515C6、
106:A516C6、 107:A385C6、 108:A386C6、
109:A517C6、 110:A387C6、 111:A518C6、
112:A519C6、 113:A388C6、 114:A520C6、
115:A521C6、 116:A389C6、 117:A522C6、
118:A523C6、 119:A524C6、 120:A525C6、
121:A526C6、 122:A527C6、 123:A528C6、
124:A529C6、 125:A530C6、 126:A501C7、
127:A531C7、 128:A532C7、 129:A533C7、
130:A534C7、 131:A535C7、 132:A536C7、
136:A539C7、 137:A540C7、 138:A541C7、
139:A542C7、 140:A390C7、 141:A543C7、
142:A544C7、 143:A391C7、 144:A392C7、
145:A528C7、 146:A545C7、 147:A521C7、
148:A501C30、149:A502C30、150:A503C30、
151:A533C30、152:A546C30、153:A517C30、
154:A528C30、155:A534C31、156:A533C31、
157:A539C31、158:A547C31、159:A548C31、
160:A540C15、161:A535C15、162:A549C15、
163:A541C15、164:A393C15、165:A544C15、
169:A551C15、170:A542C32、171:A527C32、
172:A501C32、173:A552C32、174:A553C32、
175:A501C33、176:A531C33、177:A532C33、
178:A533C33、179:A534C33、180:A535C33、
181:A536C33、182:A503C33、183:A537C33、
184:A538C33、185:A539C33、186:A540C33、
187:A554C33、188:A541C33、189:A542C33、
190:A390C33、191:A650C33、192:A544C33、
193:A391C33、194:A392C33、195:A528C33、
196:A555C34、197:A556C34、198:A557C34、
202:A534C35、203:A535C35、204:A536C35、
205:A503C35、206:A537C35、207:A538C35、
208:A539C35、209:A540C35、210:A651C35、
211:A541C35、212:A542C35、213:A527C35、
214:A544C35、215:A391C35、216:A392C35、
217:A528C35、218:A393C36、219:A558C36、
220:A410C36、221:A559C36、222:A552C36、
223:A560C36、224:A108C36、225:A394C36、
226:A501C1、 227:A502C1、 228:A503C1、
229:A504C1、 230:A505C1、 231:A506C1、
235:A510C1、 236:A511C1、 237:A512C1、
238:A513C1、 239:A514C1、 240:A515C1、
241:A516C1、 242:A540C1、 243:A531C1、
244:A532C1、 245:A533C1、 246:A534C1、
247:A535C1、 248:A536C1、 249:A538C1、
250:A539C1、 251:A561C1、 252:A562C1、
253:A563C1、 254:A564C1、 255:A565C1、
256:A566C1、 257:A567C1、 258:A339C1、
259:A568C1、 260:A569C1、 261:A570C1、
262:A571C1、 263:A572C1、 264:A379C1、
268:A541C1、 269:A545C1、 270:A542C1、
271:A528C1、 272:A390C1、 273:A543C1、
274:A392C1、 275:A576C1、 276:A411C1、
277:A393C1、 278:A395C1、 279:A547C1、
280:A577C1、 281:A578C1、 282:A579C1、
283:A530C1、 284:A610C1、 285:A580C1、
286:A581C1、 287:A582C1、 288:A583C1、
289:A107C1、 290:A501C28、291:A502C28、
292:A503C28、293:A504C28、294:A540C28、
295:A573C28、296:A583C28、297:A544C28、
301:A549C18、302:A540C37、303:A526C37、
304:A537C37、305:A548C5、 306:A533C5、
307:A391C38、308:A382C38、309:A549C1、
310:A585C1、 311:A586C1、 312:A587C1、
313:A588C1、 314:A589C1、 315:A590C1、
316:A591C1、 317:A592C1、 318:A593C1、
319:A594C1、 320:A595C1、 321:A552C1、
322:A596C1、 323:A597C1、 324:A598C1、
325:A553C1、 326:A599C1、 327:A600C1、
328:A601C1、 329:A602C1、 330:A337C1、
331:A603C1、 332:A519C1、 333:A517C1、
334:A518C1、 335:A410C1、 336:A386C1
カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩およびその合成方法については、特開2001−343742号、同2002−148790号の各公報に記載がある。
カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩は、25℃における水への溶解度が5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることがさらにまた好ましく、40質量%以上であることが最も好ましい。上記溶解度は、100gの水溶液に溶解している溶質の質量(g)を意味する。
画像形成層は、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩を、0.1乃至30質量%の範囲で含むことが好ましく、0.5乃至25質量%の範囲で含むことがより好ましく、1乃至20質量%の範囲で含むことがさらに好ましく、5乃至15質量%の範囲で含むことが最も好ましい。
バインダーポリマーの主鎖は、炭化水素(ポリオレフィン)、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエーテルおよびそれらの組み合わせから選ばれることが好ましい。炭化水素またはポリウレタンを含む主鎖がより好ましい。炭化水素主鎖からなるポリマーは、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリスチレン、ポリビニルアセタールまたはそれらのコポリマーであることが好ましい。ポリビニルアセタールおよびポリウレタンが特に好ましい。
バインダーポリマーは、側鎖にラジカル重合性基を有していることが好ましい。ラジカル重合性基は、エチレン性不飽和基であることが好ましく、エチレン性不飽和重合性化合物で説明した式(I)の−CR1 =CR2 R3 に相当するエチレン性不飽和基であることがさらに好ましい。エチレン性不飽和基は、ビニル(R1 :水素原子、R2 :水素原子、R3 :水素原子)またはイソプロペニル(R1 :メチル、R2 :水素原子、R3 :水素原子)が好ましい。ビニルはメチレン(ビニル+メチレン=アリル)またはカルボニル(ビニル+カルボニル=アクリロイル)に結合していることが好ましく、イソプロペニルはカルボニル(イソプロペニル+カルボニル=メタクリロイル)に結合していることが好ましい。アクリロイルまたはメタクリロイルがさらに好ましく、メタクリロイルが最も好まし
い。
側鎖にラジカル重合性基を有するバインダーポリマーは、特開2000−352824号、同2001−109139号、同2001−125265号、同2001−117229号、同2001−125257号、同2001−228608号、同2002−62648号、同2002−156757号、同2002−251008号、同2002−229207号、同2002−162741号の各公報に記載がある。
バインダーポリマーは、酸性基を含まないことが好ましい。酸性基を含むポリマーは支持体に吸着されて、機上現像を阻害する場合がある。酸性基は、酸解離定数(pKa)が7未満の基、例えば、−COOH、−SO3 H、−OSO3 H、−PO3 H2 、−OPO3 H2 を意味する。
インクに対する溶解性又は分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性又は分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーとを併用することも有効である。
親水的なバインダーポリマーとしては、後述する水溶性オーバーコート層の項で記載する親水性ポリマーを挙げることができる。
ポリマーの質量平均分子量は、500乃至100万が好ましく、1000乃至50万がより好ましく、2000乃至30万がさらに好ましく、5000乃至20万が最も好ましい。
バインダーポリマーは、画像形成層に5乃至80質量%含まれていることが好ましく、10乃至70質量%含まれていることがより好ましく、15乃至60質量%含まれていることがさらに好ましく、20乃至50質量%含まれていることが特に好ましい。
赤外線吸収剤は、記録に使用する赤外線のエネルギーを吸収する物質である。入手容易な高出力レーザーへの適合性の観点からは、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する赤外線吸収剤が好ましい。
赤外線吸収剤は、吸収した赤外線のエネルギーを熱エネルギーに変換し、熱エネルギーを重合開始剤(カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩)に伝達する光熱変換剤として機能することができる。
赤外線吸収剤は、吸収した赤外線のエネルギーを化学エネルギーに変換して、化学エネルギーを重合開始剤(カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩)に伝達する赤外増感色素として機能することもできる。
赤外線吸収剤は、上記二種類の機能を有していてもよい。
赤外線吸収剤として、赤外線吸収性色素又は顔料が好ましく挙げられる。
色素としては、市販の色素及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ色素、金属錯塩アゾ色素、ピラゾロンアゾ色素、ナフトキノン色素、アントラキノン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、カルボニウム色素、キノンイミン色素、メチン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、(チオ)ピリリウム塩、金属チオレート錯体、インドアニリン金属錯体系色素、オキソノール色素、ジイモニウム色素、アミニウム色素、クロコニウム色素、分子間CT色素等の色素が挙げられる。
また、米国特許第5,156,938号明細書に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書に記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号公報、同58−220143号公報、同59−41363号公報、同59−84248号公報、同59−84249号公報、同59−146063号公報、同59−146061号公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特許第4,283475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号公報、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
これらの色素のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、フタロシアニン色素、オキソノール色素、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム色素、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。
さらに、下記一般式(a)〜一般式(f)で示される色素が光熱変換効率に優れるため好ましく、特に、下記一般式(a)で示されるシアニン色素は、感度、安定性、経済性に優れるため最も好ましい。
一般式(a)で示されるシアニン色素のうち、波長800〜840nmの赤外線で露光する場合は、特に好ましいものとしては下記一般式(a−1)〜(a−4)で示されるヘプタメチンシアニン色素を挙げることができる。
一般式(a−1)中、Ar1及Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1及びY2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3及びR4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、電荷の中和に必要な対アニオンを示し、この色素がその構造内にアニオン性の置換基を有し電荷の中和が必要ない場合には、Za-は必要ない。好ましいZa-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンである。上記一般式(a−1)で示されるヘプタメチン色素は、感度の点で好ましく用いられる。
また、X-は、電荷の中和に必要な対アニオンであり、前記一般式(a−1)におけるZa-と同様の定義である。
R9〜R14及びR15〜R20がすべて水素原子を表すものが入手の容易性と効果の観点から好ましい。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の画像形成層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像形成層の均一性の点で好ましくない。
赤外線吸収剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
赤外線吸収剤としては、シアニン色素が好ましい。
感度の点で、一般式(a)で示されるシアニン色素がより好ましく、一般式(a)で示されるシアニン色素の中でも、X1がジアリールアミノ基又はX2−L1であるシアニン色素が好ましく、ジアリールアミノ基を有するシアニン色素がさらに好ましい。
赤外線吸収剤は、画像形成層に0.5乃至20質量%含まれていることが好ましく、1乃至15質量%含まれていることがより好ましく、1.5乃至10質量%含まれていることがさらに好ましく、2乃至5質量%含まれていることが特に好ましい。0.5質量%未満では画像形成性が悪くなり、20質量%を超えると露光時にアブレーションが起きやすくなり、露光機内の汚染の原因となる。
赤外線吸収剤は、感熱性感光層中に添加してもよいが、これに隣接する別の層を設けて、そこへ添加しても同様の効果を得ることができる。
平版印刷版用原版の波長300nm〜1200nmの範囲における吸収極大での光学濃度は、0.1〜3.0の間にあることが好ましい。この範囲をはずれた場合、感度が低くなる。光学濃度は赤外線吸収剤の添加量と感熱性感光層の厚みとにより決定されるため、所定の光学濃度は両者の条件を制御することにより得られる。記録層の光学濃度は常法により測定することができる。測定方法としては、例えば、透明、あるいは白色の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版用原版として必要な範囲において適宜決定された厚みの感熱性感光層を形成し、透過型の光学濃度計で測定する方法、アルミニウム等の反射性の支持体上に感熱性感光層を形成し、反射濃度を測定する方法等が挙げられる。
画像形成層には、画像形成後の画像部と非画像部との区別を目的として、着色剤を添加することができる。着色剤としては、可視領域に大きな吸収を有する染料または顔料を用いる。着色剤の例には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)およびメチレンブルー(CI52015)が含まれる。着色剤として用いられる染料については、特開昭62−293247号公報に記載がある。酸化チタンのような無機顔料も着色剤として用いることができる。
着色剤の添加量は、画像形成層の0.01乃至10質量%であることが好ましい。
可塑剤の画像形成層への添加量は、0.1乃至50質量%であることが好ましく、1乃至30質量%であることがさらに好ましい。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
フエロセン、鉄アレーン錯体類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等があげられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的には、アリールスルフィン酸ナトリウム等をあげる事ができる。
画像形成層の構成成分を画像形成層に含有させる方法には、いくつかの態様がある。
例えば、構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布することにより、分子分散型(均一)画像形成層を構成できる(特開2002−287334号公報記載)。また、構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させて画像形成層に含有させることにより、マイクロカプセル型画像形成層を構成できる(特開2001−277740号、同2001−277741号の各公報記載)。マイクロカプセル型画像形成層において、構成成分をマイクロカプセル外の画像形成層中に含有させることもできる。マイクロカプセル型画像形成層は、疎水性構成成分をマイクロカプセルに内包させ、親水性構成成分をマイクロカプセル外の画像形成層中に含有させることが好ましい。
マイクロカプセルは、0.01乃至3.0μmの平均粒径を有することが好ましい。平均粒径は、0.05乃至2.0μmがさらに好ましく、0.10乃至1.0μmが最も好ましい。平均粒径を調節することにより、良好な解像度と経時安定性とが得られる。
塗布液の全固形分濃度は、1乃至50質量%であることが好ましい。
画像形成層は、界面活性剤を0.01乃至10質量%の範囲で含むことが好ましく、0.05乃至8質量%の範囲で含むことがより好ましく、0.1乃至6質量%の範囲で含むことがさらに好ましく、0.5乃至4質量%の範囲で含むことが最も好ましい。
画像形成層の乾燥塗布量は、0.5乃至5.0g/m2 であることが好ましい。なお、液晶性のあるエチレン性不飽和重合性化合物(エチレン性不飽和基を有する液晶性化合物)を使用する場合、画像形成層を配向膜の上に設けてもよい。
親水性支持体としては、金属板、プラスチックフイルムまたは紙を用いることができる。具体的には、表面処理されたアルミニウム板、親水処理されたプラスチックフイルムまたは耐水処理された紙が好ましい。さらに具体的には、陽極酸化処理されたアルミニウム板、親水性層を設けたポリエチレンテレフタレートフイルムまたはポリエチレンでラミネートされた紙が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板またはアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板である。アルミニウム合金に含まれる異元素の例には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケルおよびチタンが含まれる。異元素の割合は、10質量%以下であることが好ましい。市販の印刷版用アルミニウム板を用いてもよい。
アルミニウム板の厚さは、0.05乃至0.6mmであることが好ましく、0.1乃至0.4mmであることがさらに好ましく、0.15乃至0.3mmであることが最も好ましい。
粗面化処理は、アルミニウム板の表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.2乃至1.0μmとなるように実施することが好ましい。
粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理を行う。アルカリ処理液としては、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液が一般に用いられる。アルカリエッチング処理の後は、さらに中和処理を行うことが好ましい。
陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質が使用できる。一般には、硫酸、塩酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が電解質として用いられる。
陽極酸化の処理条件は一般に、電解質の濃度が1乃至80質量%溶液、液温が5乃至70℃、電流密度が5乃至60A/dm2 、電圧が1乃至100V、そして、電解時間が10秒乃至5分の範囲である。
陽極酸化処理により形成される酸化皮膜量は、1.0乃至5.0g/m2 であることが好ましく、1.5乃至4.0g/m2 であることがさらに好ましい。
陽極酸化処理により形成された酸化皮膜には、さらにシリケート処理のような表面処理を実施してもよい。アルカリ金属ケイ酸塩(例、ケイ酸ナトリウム)の水溶液を用いるシリケート処理については、米国特許第2714066号、同3181461号、同3280734号および同3902734号の各明細書に記載がある。
アルミニウム板の表面処理に代えて、または表面処理に加えて、アルミニウム板に下塗り層を設けてもよい。
バック層は、ポリマーを用いて塗布により形成できる。金属またはケイ素のアルコキシドを加水分解および重縮合させて得られるポリマーを用いてもよい。ケイ素のアルコキシドの例には、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラプロピルシリケートおよびテトラブチルシリケートが含まれる。
バック層については、特開平5−45885号および同6−35174号の各公報に記載がある。
親油性物質による画像形成層表面の汚染防止のため、画像形成層の上に、水溶性オーバーコート層を設けることができる。
水溶性オーバーコート層は、印刷時に容易に除去できる材料から構成する。そのためには、親水性化合物から水溶性オーバーコート層を構成することが好ましい。
親水性ポリマーの親水性基は、ヒドロキシル、カルボキシル、スルホ、アミノまたはアミド結合が好ましい。カルボキシルおよびスルホは、塩の状態であってもよい。
親水性ポリマーとしては、様々な天然または半合成ポリマーあるいは合成ポリマーが使用できる。
天然または半合成ポリマーとしては、多糖類(例、アラビアガム、澱粉誘導体、セルロースエーテル、セルロースエステル、アルギン酸ナトリウム、デキストリンおよびその誘導体)またはタンパク質(例、カゼイン、ゼラチン)を用いることができる。セルロースエーテルの例には、カルボキシメチルセルロース、そのナトリウム塩、カルボキシエチルセルロースおよびメチルセルロースが含まれる。セルロースエステルの例には、セルロースアセテートが含まれる。デキストリンの誘導体の例には、ホワイトデキストリン、酵素分解エーテル化デキストリンプルランが含まれる。
カルボキシルを親水性基として有する合成ポリマーの例には、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸およびそれらの塩(例、アルカリ金属塩、アミン塩)が含まれる。
その他の親水性基(例、アミノ、エーテル結合、親水性複素環基、アミド結合、スルホ、エステル結合)を有する合成ポリマーの例には、ポリエチレングリコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミド、ポリN−アクリロイルモルホリン、ポリN−ビニルピロリドン、ポリ2−エチル−2−オキサゾリン、ポリ2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテルが含まれる。
ポリビニルアルコールは、一部がエステル、エーテルまたはアセタールで置換されていてもよい。市販のポリビニルアルコール(例、PVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA一CS、PVA―CST、PVA一HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8、(株)クラレ製)を用いてもよい。
二種類以上の親水性ポリマーを併用してもよい。
例えば、ポリビニルアルコールに、アクリル系ポリマーまたは水不溶性のビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体を混合して、オーバーコート層を形成してもよい(米国特許第292501号明細書記載)。
オーバーコート層中に親水性ポリマーは、40乃至100質量%含まれることが好ましく、60乃至95質量%含まれることがさらに好ましい。
低分子量の親水性化合物としては、界面活性剤を好ましく用いることができる。界面活性剤は、ノニオン界面活性剤(特開昭62−251740号、特開平3−208514号の各公報記載)、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤(特開平2−195356号公報記載)、両性界面活性剤(特開昭59−121044号、特開平4−13149号の各公報記載)あるいは含フッ素界面活性剤を用いることができる。
低分子量の親水性化合物は、オーバーコート層に0.05乃至15質量%含まれることが好ましく、0.1乃至5質量%含まれることがさらに好ましい。
また、露光に使う光(例えば、波長760〜1200nmの赤外線レーザー)の透過性に優れ、かつ露光に係わらない波長の光を効率良く吸収しうる、着色剤(例、水溶性染料)を添加し、感度低下を起こすことなく、セーフライト適性を高めることができる。
オーバーコート層(保護層)については、米国特許第3458311号明細書および特開昭55−49729号公報に記載がある。
オーバーコート層の塗布量は、0.01乃至3.0g/m2であることが好ましい。0.05乃至2.5g/m2であることがより好ましく、0.1乃至2.0g/m2であることがさらに好ましく、0.2乃至1.5g/m2であることがさらに好ましく、0.5乃至1.0g/m2であることが最も好ましい。
平版印刷原版は、画像状に露光して画像を形成する。
露光方法には、アナログデータである原稿(オリジナル)を介しての露光と、オリジナルのデータ(通常はデジタルデータ)に対応させた走査露光とがある。
オリジナルを介しての露光では、光源としてキセノン放電灯または赤外線ランプが用いられる。キセノン放電灯のような高出力の光源を使用すれば、短時間のフラッシュ露光も可能である。
赤外線吸収剤を含む画像形成層にレーザーを走査露光すると、赤外線吸収剤によりレーザーの光エネルギーが熱エネルギーまたは化学エネルギーに変換される。そして、平版印刷原版の露光部分(画像部)において、重合性化合物が重合して疎水性領域が形成される。
画像状に露光した平版印刷原版は、現像することにより、平版印刷版を製版できる。具体的には、水または水性溶媒により未露光部分(非画像部)を除去することができる。ただし、非画像部を除去する処理(現像処理)を実施しなくても、画像状に露光した平版印刷原版を直ちに印刷機に装着し、インクと湿し水を用いて通常の手順で印刷するだけでも、製版と印刷を連続して実施することができる。すなわち、平版印刷原版を印刷機に装着した状態で、印刷機を稼動させると、湿し水、インク、または擦りにより未露光部分(非画像部)の画像形成層を除去することができる。
また、製版した印刷版をさらに全面加熱して、画像部に残存する未反応の重合性化合物を重合させ、印刷版の強度(耐刷性)をさらに改善することもできる。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050に従うアルミニウム板を用い、下記に示す工程(a)〜(k)をこの順序で実施して処理した。
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはΦ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(Φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2 溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8ms、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
エッチング量は、3.5g/m2 であった。
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2 であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。電流密度はともに約30A/dm2 であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2 であった。
得られたアルミニウム板を温度30℃の3号ケイ酸ソーダ1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行うことにより、アルミニウム支持体を作製した。その際のシリケート付着量はいずれも3.6mg/m2 であった。
得られた支持体上に、下記組成の画像形成層塗布液をワイヤーバーで塗布し、120℃で60秒間乾燥して画像形成層を形成した。塗布量は、1.0g/m2 であった。
画像形成層塗布液組成
────────────────────────────────────
下記の赤外線吸収色素(D−1) 2質量部
下記の開始剤(I−1) 10質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(NKエステルA−DPH、新中
村化学工業(株)製) 55質量部
ポリビニルアセタール樹脂(エレックスB BM−S、積水化学工業(株)製
) 37質量部
下記のフッ素系界面活性剤 6質量部
メチルエチルケトン 900質量部
────────────────────────────────────
得られた平版印刷版用原版に対し、イメージセッター(Trendsetter 3244VX、Creo社製)にてビーム強度10.2W、ドラム回転速度150rpmでテストパターンを画像露光した。次に、現像処理することなく、印刷機(SPRINT S26、(株)小森コーポレーション製)のシリンダーに取り付け、市販の湿し水原液(IF-102、富士写真フイルム(株)製)の4%希釈液を湿し水として供給し、次に黒インク(Values-G(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)を供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。良好な印刷物が得られるようになるのに要した紙の枚数(機上現像性)と、画像が汚れやかすれを生ずることなく、印刷できた紙の枚数(耐刷性)を評価した。結果を第1表に示す。
厚さ0.3mmのJIS−A−1050に従うアルミニウム板を用い、実施例1における工程(a)〜(f)、(j)、(k)をこの順序で実施して(言い換えると、(g)、(h)、(i)の工程を省略した以外は同様に)処理し、支持体を作製した。
厚さ0.3mmのJIS−A−1050に従うアルミニウム板を用い、実施例1における工程(b)〜(f)、(j)、(k)をこの順序で実施して(言い換えると、(a)、(g)、(h)、(i)の工程を省略した以外は同様に)処理し、支持体を作製した。
厚さ0.3mmのJIS−A−1050に従うアルミニウム板を用い、実施例1における工程(b)、(c)、(g)〜(k)をこの順序で実施し(言い換えると、(a)、(d)、(e)、(f)の工程を省略し)、工程(g)における電気量の総和を450C/dm2 に変更した以外は同様に処理し、支持体を作製した。
厚さ0.3mmのJIS−A−1050に従うアルミニウム板を用い、実施例1における工程(b)、(c)、(g)〜(j)をこの順序で実施し(言い換えると、(a)、(d)、(e)、(f)、(k)の工程を省略し)、工程(g)における電気量の総和を450C/dm2 に変更し、さらに工程(j)の後で下記工程(l)を実施した以外は同様に処理し、支持体を作製した。
アルミニウム支持体に下記の下塗り液を、リン換算の塗布量で約0.05g/m2 となるように塗布し、100℃で1分間乾燥した。
下塗り液組成
────────────────────────────────────
フェニルホスホン酸 2質量部
メタノール 800質量部
水 50質量部
────────────────────────────────────
開始剤として(I−1)に代えて、下記の(I−R1)を用いた以外は、実施例1〜5と同様にして平版印刷原版を作製して評価した。結果を第1表に示す。
第1表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例1 I−1 30枚 8000枚
実施例2 I−1 50枚 12000枚
実施例3 I−1 45枚 10000枚
実施例4 I−1 50枚 12000枚
実施例5 I−1 35枚 7000枚
────────────────────────────────────
比較例1 I−R1 80枚 1000枚
比較例2 I−R1 200枚 2000枚
比較例3 I−R1 150枚 1000枚
比較例4 I−R1 120枚 1000枚
比較例5 I−R1 100枚 1000枚
────────────────────────────────────
実施例4で形成した画像形成層の上に、下記組成の水溶性オーバーコート層塗布液を、乾燥後の塗布量が0.5g/m2 となるようにホイラーで塗布し、125℃で75秒間乾燥した。
水溶性オーバーコート層塗布液組成
────────────────────────────────────
ポリビニルアルコール(ケン化度:98モル%、重合度:500)
95質量部
ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(Luvitec VA 64W、BASF社製)
4質量部
ノニオン界面活性剤(EMALEX710、日本エマルション(株)製) 1質量部
純水 3000質量部
────────────────────────────────────
開始剤として(I−1)に代えて、比較例1〜5の(I−R1)を用いた以外は、実施例6と同様にして平版印刷原版を作製して評価した。結果を第2表に示す。
第2表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例6 I−1 60枚 16000枚
────────────────────────────────────
比較例6 I−R1 300枚 2000枚
────────────────────────────────────
実施例4で作製した支持体の上に、下記組成の画像形成層塗布液をワイヤーバーで塗布し、120℃で60秒間乾燥して塗布量を0.8g/m2 とした。
画像形成層塗布液組成
────────────────────────────────────
下記の赤外線吸収色素(D−2) 7質量部
下記の開始剤(I−2) 15質量部
下記の重合性化合物(M−1) 55質量部
シクロヘキシルメタクリレート/ジメチルアクリルアミド共重合体(共重合モ
ル比:7/3、質量平均分子量:2万) 27質量部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG−25、花王(株
)製) 6質量部
メチルエチルケトン 900質量部
────────────────────────────────────
開始剤として(I−2)に代えて、下記の(I−R2)を用いた以外は、実施例7と同様にして平版印刷原版を作製して評価した。結果を第3表に示す。
第3表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例7 I−2 40枚 5000枚
────────────────────────────────────
比較例7 I−R2 70枚 1000枚
────────────────────────────────────
実施例4で作製した支持体の上に、下記組成の画像形成層塗布液をワイヤーバーで塗布し、120℃で60秒間乾燥して塗布量を1.2g/m2 とした。
画像形成層塗布液組成
────────────────────────────────────
実施例1で用いた赤外線吸収色素(D−1) 2質量部
実施例1で用いた開始剤(I−1) 10質量部
下記の重合性化合物(M−2) 65質量部
下記のバインダーポリマー(B−1) 47質量部
実施例1で用いたフッ素系界面活性剤 6質量部
メチルエチルケトン 900質量部
────────────────────────────────────
開始剤として(I−1)に代えて、比較例1で用いた開始剤(I−R1)を用いた以外は、実施例8と同様にして平版印刷原版を作製して評価した。結果を第4表に示す。
第4表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例8 I−1 45枚 13000枚
────────────────────────────────────
比較例8 I−R1 80枚 2000枚
────────────────────────────────────
実施例4で作製した支持体の上に、下記組成の画像形成層塗布液をワイヤーバーで塗布し、120℃で60秒間乾燥して塗布量を1.0g/m2 とした。
画像形成層塗布液組成
────────────────────────────────────
実施例1で用いた赤外線吸収色素(D−1) 2質量部
実施例1で用いた開始剤(I−1) 10質量部
下記の重合性化合物(M−3) 65質量部
下記のバインダーポリマー(B−2) 47質量部
実施例1で用いたフッ素系界面活性剤 6質量部
メチルエチルケトン 900質量部
────────────────────────────────────
開始剤として(I−1)に代えて、比較例1で用いた開始剤(I−R1)を用いた以外は、実施例9と同様にして平版印刷原版を作製して評価した。結果を第5表に示す。
第5表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例9 I−1 50枚 16000枚
────────────────────────────────────
比較例9 I−R1 60枚 3000枚
────────────────────────────────────
(マイクロカプセル分散液の調製)
酢酸エチル17.7質量部に、トリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアナートの1:3(モル比)付加物(タケネートD−110N、三井武田ケミカル(株)製、25質量%の酢酸エチル含有)6質量部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR−399E、日本化薬(株)製)7.5質量部、下記の赤外線吸収色素(D−3)1.5質量部およびアニオン系界面活性剤(パイオニンP−A41C、竹本油脂(株)製)0.1質量部を溶解して油相を得た。
油相と水相とを混合し、ホモジナイザーを用いて、水冷下12000rpmにて10分間乳化した。乳化物に水24.5質量部を加え、室温で30分、さらに40℃で3時間攪拌し、マイクロカプセル分散液を調製した。分散液の固形分濃度は20.0質量%、マイクロカプセルの平均粒径は0.36μmであった。
水105質量部、調製したマイクロカプセル分散液45質量部、実施例1で用いた開始剤(I−1)1質量部およびフッ素系界面活性剤(メガファック F−171、大日本インキ化学工業(株)製)0.1質量部を混合して、画像形成層塗布液を調製した。画像形成層塗布液を、実施例4で作製したアルミニウム支持体の上に塗布し、オーブンを用い70℃で90秒乾燥して、画像形成層を形成した。乾燥後の画像形成層の塗布量は、1.0g/m2 であった。このようにして、平版印刷原版を製造した。
得られた平版印刷原版に対し、イメージセッター(Trendsetter 3244VX、Creo社製)にてビーム強度17.0W、ドラム回転速度100rpmでテストパターンを画像露光した。次に、現像処理することなく、印刷機(SPRINT S26、(株)小森コーポレーション製)のシリンダーに取り付け、市販の湿し水原液(IF−102、富士写真フイルム(株)製)の4%希釈液を湿し水として供給し、黒色インク(Values-G(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)を供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。良好な印刷物が得られるようになるのに要した紙の枚数(機上現像性)と、画像が汚れやかすれを生ずることなく、印刷できた紙の枚数(耐刷性)を評価した。結果を第6表に示す。
開始剤として(I−1)に代えて、比較例1で用いた開始剤(I−R1)を用いた以外は、実施例10と同様にして平版印刷原版を作製して評価した。結果を第6表に示す。
第6表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例10 I−1 25枚 4000枚
────────────────────────────────────
比較例10 I−R1 50枚 500枚
────────────────────────────────────
実施例4の開始剤(I−1)に代えて、実施例11では開始剤(I−14)、実施例12では開始剤(I−40)、実施例13では開始剤(I−44)、実施例14では開始剤(I−47)、実施例15では開始剤(I−53)、実施例16では開始剤(I−60)、実施例17では開始剤(I−77)、実施例18では開始剤(I−91)、実施例19では開始剤(I−119)、実施例20では開始剤(I−18)、実施例21では開始剤(I−188)、実施例22では開始剤(I−277)、実施例23では開始剤(I−281)を用いた以外は、実施例4と同様にして、平版印刷原版を作製して評価した。結果を第7表に示す。
第7表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例11 I−14 90枚 4000枚
実施例12 I−40 70枚 6000枚
実施例13 I−44 75枚 5000枚
実施例14 I−47 65枚 6000枚
実施例15 I−53 70枚 9000枚
実施例16 I−60 70枚 8000枚
実施例17 I−77 90枚 7000枚
実施例18 I−91 85枚 5000枚
実施例19 I−119 65枚 6000枚
実施例20 I−18 70枚 5000枚
実施例21 I−188 80枚 8000枚
実施例22 I−277 65枚 9000枚
実施例23 I−281 80枚 4000枚
────────────────────────────────────
(マイクロカプセル分散液の調製)
酢酸エチル17.7質量部に、25質量%の酢酸エチルを含有するトリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアネートとの1:3(モル比)付加物(タケネートD−110N、三井武田ケミカル(株)製)6質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(NKエステルA−DPH、新中村化学工業(株)製)7.5質量部、実施例10で用いた赤外線吸収色素(D−3)1.5質量部およびアニオン系界面活性剤(パイオニンP−A41C、竹本油脂(株)製)0.1質量部を溶解して油相を得た。
油相と水相とを混合し、ホモジナイザーを用いて、水冷下12000rpmにて10分間乳化した。乳化物に水25質量部を加え、室温で30分、さらに40℃で3時間攪拌し、マイクロカプセル分散液を調製した。分散液の固形分濃度は19.8質量%、マイクロカプセルの平均粒径は0.30μmであった。
水100質量部、調製したマイクロカプセル分散液25質量部、実施例1で用いた開始剤(I−1)0.5質量部および実施例1で用いたフッ素系界面活性剤0.2質量部を混合して、画像形成層塗布液を調製した。画像形成層塗布液を、実施例4で作製したアルミニウム支持体の上に塗布し、オーブンを用い70℃で60秒乾燥して、画像形成層を形成した。乾燥後の画像形成層の塗布量は、0.8g/m2 であった。このようにして、平版印刷原版を製造した。
得られた平版印刷原版に対し、イメージセッター(Trendsetter 3244VX、Creo社製)にてビーム強度9.0W、ドラム回転速度210rpmでテストパターンを画像露光した。次に、現像処理することなく、印刷機(SPRINT S26、(株)小森コーポレーション製)のシリンダーに取り付け、市販の湿し水原液(IF−102、富士写真フイルム(株)製)の4%希釈液を湿し水として供給し、黒色インク(Values-G(墨)、大日本インキ化学工業(株)製)を供給し、さらに紙を供給して印刷を行った。良好な印刷物が得られるようになるのに要した紙の枚数(機上現像性)と、画像が汚れやかすれを生ずることなく、印刷できた紙の枚数(耐刷性)を評価した。結果を第8表に示す。
酢酸エチル17.7質量部に、25質量%の酢酸エチルを含有するトリメチロールプロパンとキシリレンジイソシアネートとの1:3(モル比)付加物(タケネートD−110N、三井武田ケミカル(株)製)10質量部、ベンタエリスリトールトリアクリレート(SR444、日本化薬(株)製)3.15質量部、下記の赤外線吸収色素(D−4)0.34質量部、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB、山本化成(株)製)1質量部およびアニオン系界面活性剤(パイオニンP−A41C、竹本油脂(株)製)0.1質量部を溶解して油相を得た。
実施例25の開始剤(I−14)に代えて、実施例26では開始剤(I−40)、実施例27では開始剤(I−44)、実施例28では開始剤(I−47)、実施例29では開始剤(I−53)、実施例30では開始剤(I−60)、実施例31では開始剤(I−77)、実施例32では開始剤(I−91)、実施例33では開始剤(I−119)、実施例34では開始剤(I−18)、実施例35では開始剤(I−188)、実施例36では開始剤(I−277)、実施例37では開始剤(I−281)を用いた以外は、実施例4と同様にして、平版印刷原版を作製して評価した。結果を第8表に示す。
実施例25の開始剤(I−14)に代えて、比較例1で用いた開始剤(I−R1)を用いた以外は、実施例25と同様にして平版印刷原版を作製して評価した。結果を第8表に示す。
第8表
────────────────────────────────────
平版印刷原版 開始剤 機上現像枚数 耐刷性
────────────────────────────────────
実施例24 I−14 60枚 6000枚
実施例25 I−14 55枚 5000枚
実施例26 I−40 60枚 4000枚
実施例27 I−44 75枚 5000枚
実施例28 I−47 75枚 5000枚
実施例29 I−53 70枚 8000枚
実施例30 I−60 60枚 6000枚
実施例31 I−77 70枚 5000枚
実施例32 I−91 80枚 5000枚
実施例33 I−119 85枚 4000枚
実施例34 I−18 60枚 6000枚
実施例35 I−188 80枚 7000枚
実施例36 I−277 60枚 7000枚
実施例37 I−281 60枚 4000枚
────────────────────────────────────
比較例11 I−R1 130枚 600枚
────────────────────────────────────
Claims (2)
- 画像形成層並びに親水性支持体からなり、画像形成層がエチレン性不飽和重合性化合物、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩、バインダーポリマーおよび赤外線吸収剤を含む平版印刷原版を画像状に露光して、エチレン性不飽和重合性化合物を重合させる工程;平版印刷原版を印刷機に装着した状態で印刷機を稼動させ、露光していない領域の画像形成層を除去し、これにより露出した親水性支持体表面を親水性領域、残存する画像形成層表面を疎水性領域として有する平版印刷版を製版する工程;そして、製版された平版印刷版で印刷する工程からなる平版印刷方法。
- 画像形成層並びに親水性支持体からなり、画像形成層がエチレン性不飽和重合性化合物、カルボン酸イオンとオニウムイオンとの塩、バインダーポリマーおよび赤外線吸収剤を含むことを特徴とする機上現像用平版印刷原版。
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