JP2005014190A - 研磨フィルムおよび研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ナノオーダの優れた加工面品位を高能率に得ることが長期にわたって可能で、かつ長寿命で再生の可能な研磨フィルムおよび研磨方法を提供する。
【解決手段】多数の一次粒子をバインダを使用しないで結合した状態の砥粒を、金属繊維12、ホイスカ、あるいは帯状硬質プラスチック等の硬質材で強化された研磨フィルム基材13にバインダによって研磨フィルムに固定する。研磨フィルムの基材が硬質材で強化されているので、研磨フィルムが充分な強度を持ち、たとえ過酷な研磨条件になったとしても安定して高能率で高加工面品位を得ることができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン、ガラス、セラミックス等の高脆材料や鉄鋼、アルミニウム、銅等の金属材料を仕上げ加工するための研磨具およびその製造方法に関し、特に加工の高品位化、高能率化を行うための研磨フィルムおよび研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェーハやガラスディスクをはじめ、各種硬脆材料や金属材料からなる部品の最終仕上げには、研磨剤スラリーを用いた研磨加工が用いられてきた。
この加工法では微細な砥粒を使用しやすいため優れた仕上げ面粗さを容易に得ることができ、また大量の研磨剤スラリーを使用することで安定した加工特性を維持することができるため,多くの加工現場で用いられてきた。
【0003】
しかし、研磨加工においては大量の研磨剤スラリーを要するとともに、大量の廃液を排出するため環境への負荷が極めて高く、また加工能率の向上にも限界がある。こうしたことから、研磨加工仕上げ相当の優れた仕上げ面粗さを得ることのできる固定砥粒加工工具の開発が各方面で活発に行われている。砥粒加工において良好な加工面粗さを得るには、通常、微細な砥粒を使用することが有利であり、固定砥粒加工工具においても、それは同様である。しかし、鏡面といった優れた加工面を得るために、固定砥粒加工工具において粒径数μm以下の砥粒を使用すると、加工時に砥粒結合材と工作物との接触が生じやすく、あるいは切りくずが砥粒同士の間に蓄積され目詰まりが発生しやすく、その結果、加工抵抗の急増、最悪の場合には加工不可の状態に陥ってしまう。また、砥粒結合材と工作物との接触を抑制するような手段を講じた場合も、砥粒径が小さいため、加工能率が低下してしまうといった問題がある。一方、加工能率を向上させるため、大粒径の砥粒を選択しなければならない。その結果、加工能率が向上されるものの、加工面品位が落ち、鏡面が得にくくなる。
【0004】
これらの問題を解決する従来技術例として、微細な一次粒子を凝集させた二次粒子を砥粒として基材に固定した固定砥粒工具によって、微細な砥粒の作用により優れた加工面粗さが得られ、同時に凝集した砥粒による高い加工能率の達成等が実現される発明がある(例えば、特許文献1、2、および3参照)。また、不織布や耐水性紙からなる繊維質基材、基材の裏面にポリエチレンテレフタレート等の耐水性プラスチック基材を積層したものを研磨テープとし、主に耐水性を狙ったものがある(例えば、特許文献4参照)。また、基材がベリリウム銅、燐酸銅、バネ鋼からなるグループから選択された金属シート又は所定の耐久性を有する合成樹脂シートからなる研磨シートであり、加工時に曲面上に変形して、圧力が除去されたときに弾性回復力が充分あることを狙ったものがある(例えば、特許文献5参照)。また、基材は金属箔もしくは金属箔を含む積層体とした研磨テープで、金属箔の放熱によって加工時の摩擦熱による温度上昇を抑制することを狙いとしているものがある(例えば、特許文献6参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−190228号公報
【特許文献2】
特開2000−237962号公報
【特許文献3】
特開2003−11062号公報
【特許文献4】
特開平6−254772号公報
【特許文献5】
特許第3141971号公報
【特許文献6】
特開平7−32266号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
研磨フィルムの使用法としては、図5のように研磨フィルム3を定盤6に接着剤や両面テープ等で固定して使用するときや、図6のようにローラー状の部材に巻きつけて順次送りながら研磨を行う場合や、それと同様に図7に示すような形態にして定盤6上で順次送りながら研磨を行う場合が通常考えられる。しかしながら、上記特許文献1〜6記載の発明は、研磨フィルムとしては特に大面積や幅広の研磨フィルムを使用するときや、加工条件が過酷で加工抵抗が高い加工を行うときには、研磨フィルムがよじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断してしまう問題が発生する。なかでも、図6や図7の研磨装置では研磨フィルムの送り方向に張力をかけることによって研磨フィルムを固定するわけであるが、送り方向に対して横方向の力には非常に弱いため,上記問題が発生しやすい。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、研磨フィルムが上記問題を発生せずに、ナノオーダの優れた加工面品位を高能率に得ることが長期にわたって可能で、かつ長寿命で再生の可能な研磨フィルムおよび研磨方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、多数の一次粒子同士をバインダを使用しないで結合した状態の砥粒を、バインダによって基材に固定する研磨フィルムであって、基材が硬質材で強化されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、基材はポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリウレタンから選択されることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、硬質材は、繊維、ホイスカ、帯、シートのうちいずれか1つの形態であることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、硬質材は、硬質プラスチック、繊維強化プラスチック、金属、セラミックス、ガラスのうちの1つであることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、硬質材は、研磨フィルムを送り出す方向に対して約90度の方向を向いた状態で配列されることによって基材を強化することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、砥粒を基材に固定するバインダは、弾性を持つ樹脂からなることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の発明において、砥粒を基材に固定するバインダの厚さは、砥粒の最大直径よりも小さいことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、砥粒は、多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して得た、多数の微細な切れ刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であって、切れ刃形成粒子が加熱処理時に一次粒子が成長して形成されたものであることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、研磨に使用した後、フィルム表面に再び砥粒をバインダで固定して再利用することを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載の研磨フィルムをロール状または、折りたたんだ状態から、必要に応じて順次送り出して研磨を行うことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
砥粒としては、加工対象物にもよるが、一般には硬質無機材料であって、平均粒径が5μm以下の一次粒子の微細粉末が凝集して、平均粒径10〜300μm程度、さらに好ましくは平均粒径40〜100μm程度の二次粒子径を備えたものが適する。通常の砥粒に供する材料は、シリカ、セリア、ダイヤモンド、cBN、アルミナ、炭化珪素、酸化ジルコニウム等である。凝集体はゾルゲル法、スプレードライヤ等の手段でつくることができる。
【0020】
本発明の第1の実施例について説明する。粒径50〜60nmからなる超微細ZrO 粉末(超微細粒子)を水で泥しょう化し、スプレードライヤで噴霧させて、所望のサイズを有する。例えば、平均粒径で50μmの二次粒子(顆粒)を得る。
ZrO 顆粒を電気炉の中に入れ、60分間焼成を行う。また、焼成時間を短縮するために、あるいは硬さをさらに高めるために、焼成時に加圧した状態で行う場合もある。二次粒子に含まれるバインダは加熱することによって、蒸発させられる。また、焼成の目安としては、一次粒子がお互いに焼結され成長するが、その粒径としては5μm以下になるように焼成温度と焼成時間を調整する。焼成した粉末は完全な焼結体ではなく、スプレードライヤで作製した時と比べ、一次粒子が成長したものの、一次粒子同士が更に固く結合された二次粒子である。また、図8に示すように、二次粒子の内部構造はバインダなしで細孔を含む多孔質構造であることが特徴である。その二次粒子の細孔比表面積は250000cm /cm 、圧縮破壊強度は90MPaである。このように空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体を得る。ここで、細孔比表面積は定容量式ガス吸着法によって測定されたもので、測定前の前処理として測定物であるZrO 凝集砥粒を150℃で5時間脱ガス処理を行い、液体窒素で77Kの温度まで冷却をした状態で窒素分子を吸着させて、その物理吸着量をBET式に適用し表面積を求める。使用機器は、例えばベックマン・コールター(株)製のオムニソープ100cxを使用する。
また、圧縮破壊強度は、例えば島津製作所(株)製の微小圧縮試験機MCTM500PCを用いて測定する。試験条件としては、試験荷重は10〜1000mN、負荷速度は0.446mN/sec以上を採用する。
【0021】
このようにして得た多孔質体を液状のウレタン樹脂に混入し、さらにメチルエチルケトンを加え、溶液粘度を調整した後、撹拌機を用いて10分程度混合攪拌する。図1に示すような直径1μmの鋼製の繊維(ワイヤ)が短手方向に配向して並んで強化されたPET樹脂基材に、ワイヤバーコータを用いて塗布し、その後、恒温槽(60℃程度)で1時間程度乾燥を施し、研磨フィルムを作成する。ここで繊維はガラス繊維も使用できる。塗布方法については、ワイヤバーコータ以外にグラビアコータやリバースロールコータ、ナイフコータなども使用できる。砥粒を基材に固定するバインダであるウレタン樹脂塗布層の厚さは粒度分布を持つ二次粒子の最大径よりも小さくなっている。このように作成した研磨フィルムを図7に示す研磨装置cに取りつけ、面粗さ2μmRyに調整した直径Φ150mmのBK7光学ガラスディスクを加工した結果(加工圧力40kPa)、5分間でスクラッチフリー、かつ30nmRy以下の鏡面を得ることができる。また、加工中に研磨フィルムが、よじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断したりするという不具合が解消できる。また、バインダであるウレタン樹脂は適度な弾性を持つために砥粒の高さが揃う作用をもたらし、さらに砥粒の適度な自生発刃によって安定に高加工面品位が得られる。なお、研磨装置cにおいては研磨フィルムを送り出しローラーにロール状に巻きつけて定盤の反対側にある巻取りローラーに送っていく。送る量は加工条件によって様々な値にすることができるが、本実施例では10mm/minとした。工作物には回転かつ揺動運動を与える。この研磨フィルムの短手方向が研磨フィルムを送り出す方向にたいして90度の方向を向いた状態となる。
【0022】
さらに、多孔質体を液状のウレタン樹脂に混入し、さらにメチルエチルケトンを加え、溶液粘度を調整した後、撹拌機を用いて10分程度混合攪拌したものを、加工後の使用済みの研磨フィルムにたいして、ワイヤバーコータを用いて塗布し、その後、恒温槽(60℃程度)で1時間程度乾燥を施し、研磨フィルムを再作成する。多少加工精度は落ちるものの基材を再利用することができる。ここで、塗布前に研磨装置cにおいて工作物を砥石に付け替えて研磨フィルムの塗布層を除去してから、塗布して作製された研磨フィルムを使用すると加工精度は遜色ない程度のものが得られる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。コロイダイルシリカからなる一次粒子径30nmからなる超微細シリカ砥粒を、ゾルゲル法により平均粒径50μmの大きさに凝集させ乾燥させる。このようにして得た二次粒子を加熱処理して、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体を得る。その結合状態を細孔比表面積で表現すると220000cm /cm 、圧縮破壊強度は70MPaである。この多孔質体をポリウレタン樹脂と混合し、攪拌機で60rpm、15分間混合攪拌して、混合物を得る。この際に必要に応じて独立気泡を形成するための発泡剤を添加する場合もある。混合溶液を、基材にワイヤバーコータを用いて塗布し、その後、恒温槽(60℃程度)で1時間程度乾燥を施し、研磨フィルムを作成する。使用した基材はポリエステル製で図2のように炭化珪素セラミックスのホイスカで強化されたものである。ここでホイスカとは、ひげ結晶ともいわれ、一般的に太さは0.1μm程度から10μm程度までであり、長さは10mmの桁に達するものもある。一般には、含まれる転位の数が極端に少なく、皆無のものもある。このため、ホイスカの強度はその結晶の理想値(剛性率の1/100以上)に近いとされている。このように作成した研磨フィルムを所望のサイズに切り出して、図5に示すような研磨装置の定盤に貼り付け、#4000相当の砥石で研削加工した直径Φ200mmシリコンウェーハを研磨加工した結果、10分間の加工時間でスクラッチのない、加工面粗さ20nmRy以下の鏡面を得ることができる(面粗さの評価はテーラホブソン社製フォームタリサーフS4Cで行う)。加工中に研磨フィルムが、はがれて、よじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断したりするという不具合が解消できる。
【0024】
本発明の第3の実施例について詳細に説明する。上記第2の実施例と同じ方法で、平均粒径40nmの一次粒子からなる微細シリカ凝集体(平均粒子径40μm)をゾルゲル法により作成する。この凝集体を焼成して、細孔比表面積を300000cm /cm 、圧縮破壊強度は100MPaとする。このシリカ砥粒を用いて第1の実施例と同様に研磨フィルムを製造し、シリコンウェーハの加工を行う。研磨フィルムの基材に用いたのは、ポリウレタンシートであり、図3に示すように硬質プラスチックであるスチロール樹脂製の帯状の強化材を使用したものである。加工は図7に示すような研磨装置で行った結果、10分間の加工で表面粗さ20nmRyが得られる。加工中に研磨フィルムが、よじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断したりするという不具合が解消できる。
【0025】
本発明の第4の実施例について説明する。上記第1の実施例と同じ方法で、平均粒径40nmの一次粒子からなる微細アルミナ凝集砥粒(平均粒子径50μm)を作成する。細孔比表面積は150000cm /cm 、圧縮破壊強度は110MPaとする。このアルミナ砥粒とフェノール樹脂とを攪拌機で混合し、基材に塗布して研磨フィルムを作成する。使用した基材は繊維強化プラスチックのシート状のものをポリエステルの基材に接着したもので、図4に示すようにほぼ定盤と同じ面積を持つものである。ここで、繊維強化プラスチックとしてカーボン繊維で強化されたポリエステルを使用する。この研磨フィルムを図4のようにシートとシートの境目で折りたたんだ状態で研磨機にセットして3分間加工を行う毎に研磨フィルムの新しい面を送り出す。換言すると3分間加工を行う毎にシートの幅に相当する部分の研磨フィルムを一新することになる。このようにシリコンウェーハを加工したところ、3分間で表面粗さ30nmRy以下の加工面が得られた。こうして、加工中に研磨フィルムが、よじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断したりするという不具合が解消できる。
【0026】
次に、本発明の第5の実施例について説明する。上記第1の実施例で作製した研磨フィルムを、図6に示すような研磨装置に装着して研磨加工を行う。図6においては、図示されていない研磨フィルム供給部から研磨フィルムが送り出され、ロールと工作物の間を通って工作物が加工される。研磨フィルムと工作物は加工面内で相対的に揺動あるいは振動運動をすることによって研磨が進行する。研磨フィルムは100mm/minのスピードで送り出される条件で石英ガラスの加工を行ったところ、30nmRy以下の加工面が得られ、研磨フィルムのよじれ、しわの発生、破断による加工の中断が発生せずに加工が終了した。
【0027】
以上、本発明の実施例によれば、研磨フィルムの基材が硬質材で強化されているので、研磨フィルムが充分な強度を持ち、研磨フィルムがよじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断してしまうことがないので、たとえ過酷な研磨条件になったとしても安定して高能率で高加工面品位を得ることができる。
【0028】
また、基材はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリウレタンから選択されるので、ロール状または、折りたたんだ状態にすることができ、研磨フィルムの製造時や収納時、運搬時、加工時等で取り扱いがしやすくなる。また、被加工面や定盤やロールに形状がなじむので加工時に加えた力を有効に作用させることができる。
【0029】
また、基材を強化する硬質材は、繊維、ホイスカ、帯、シートのいずれかの形態であるので,基材の中に含有させて基材を強化することができ、または基材表面に貼り付けることによって基材を強化することができる。
【0030】
また、基材を強化する硬質材は、硬質プラスチック、繊維強化プラスチック、金属、セラミックス、ガラスであるので、頑丈に基材を強化することが可能となり、研磨フィルムがよじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断してしまうことがない。基材としての寿命も長いものとなる。
【0031】
また、研磨フィルムをロール状、または折りたたんだ状態から必要に応じて順次送り出して研磨を行うため、常に同じ状態の研磨フィルムによる加工が実現でき、安定して高能率で高加工面品位を得ることができる。
【0032】
また、硬質材を、研磨フィルムを送り出す方向にたいして約90度の方向を向いた状態で配列させることで、頑丈に強化した研磨フィルムをロール状、または折りたたんだ状態にすることが容易となり、また、研磨フィルムを送り出す方向に対して横方向に研磨フィルムがよじれてしまったり、一部にしわが発生したり、さらには破断してしまう問題を解決できる。よって、安定して高能率で高加工面品位を得ることができる。
【0033】
また、砥粒を基材に固定するバインダは弾性を持つ樹脂からなるので、砥粒の径がばらついていても、砥粒の突き出し量がばらついていても、加工時にバインダの弾性によって砥粒の高さをそろえることができ、安定して高加工面品位を得ることができる。また、バインダが樹脂であるために基材の樹脂との結合力が高く、高強度で長寿命な研磨フィルムを得ることができる。
【0034】
また、研磨面表面に砥粒が露出しているので、砥粒を研磨フィルムの基材に固定するためのバインダと加工面との接触が起きにくくなり、加工面品位の低下を防止することができる。
【0035】
また、多数の微細な切れ刃形成粒子が加工に関わり、該切れ刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合しているため、磨耗して切れ刃となる部分を失うにしたがって脱落するとともに、新たな切れ刃形成粒子が加工面に順次突き出される、いわゆる自生発刃作用が起こるため、優れた品位を維持してきわめて能率よく、かつ、長時間にわたって安定した加工を行うことができる。
【0036】
また、研磨フィルムを研磨に使用した後、その表面に再び砥粒をバインダで固定して再利用することで、高強度にした基材を繰り返し使用することができ、あらためて初期から研磨フィルムを製造するときに比較してコストダウンが図れて、研磨フィルムを一回使用して廃棄することに比較して環境負荷を低減できる。
【0037】
【発明の効果】
以上のことから、本発明によれば、ナノオーダの優れた加工面品位を高能率に得ることが長期にわたって可能で、かつ長寿命で再生の可能な研磨フィルムを提供することができる。さらに、遊離砥粒による加工から固定砥粒工具による加工に置き換えることで、大量の廃液の削減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属繊維で強化された基材を示す図である。
【図2】ホイスカで強化された基材を示す図である。
【図3】帯状の硬質プラスチックで強化された基材を示す図である。
【図4】シートにより強化された基材を使用した研磨フィルムを示す図である。
【図5】研磨フィルムの使用についての一例を示す図である。
【図6】研磨フィルムの使用についての一例を示す図である。
【図7】研磨フィルムの使用についての一例を示す図である。
【図8】研磨フィルムにおけるジルコニア二次粒子を示す図である。
【符号の説明】
1 回転部
2 工作物
3 研磨フィルム
4 繊維強化基材
5 砥粒
6 定盤
7 研磨フィルム加工面
8 ロール支持棒
9 ロール
10 送り出しローラー
11 巻取りローラー
12 金属繊維
13 研磨フィルム基材
14 ホイスカ
15 帯状の硬質プラスチックシート
16 硬質プラスチックシート

Claims (10)

  1. 多数の一次粒子同士をバインダを使用しないで結合した状態の砥粒を、バインダによって基材に固定する研磨フィルムであって、
    前記基材が硬質材で強化されていることを特徴とする研磨フィルム。
  2. 前記基材はポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリウレタンから選択されることを特徴とする請求項1記載の研磨フィルム。
  3. 前記硬質材は、繊維、ホイスカ、帯、シートのうちいずれか1つの形態であることを特徴とする請求項1記載の研磨フィルム。
  4. 前記硬質材は、硬質プラスチック、繊維強化プラスチック、金属、セラミックス、ガラスのうちの1つであることを特徴とする請求項1記載の研磨フィルム。
  5. 前記硬質材は、前記研磨フィルムを送り出す方向に対して約90度の方向を向いた状態で配列されることによって前記基材を強化することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の研磨フィルム。
  6. 前記砥粒を前記基材に固定するバインダは、弾性を持つ樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の研磨フィルム。
  7. 前記砥粒を基材に固定するバインダの厚さは、前記砥粒の最大直径よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の研磨フィルム。
  8. 前記砥粒は、前記多数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子を前記一次粒子同士の結合点にネックが形成される温度で加熱処理して得た、多数の微細な切れ刃形成粒子が部分的に、かつ、空隙を形成して、互いにゆるく結合してなる粒状の多孔質体であって、前記切れ刃形成粒子が前記加熱処理時に一次粒子が成長して形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の研磨フィルム。
  9. 研磨に使用した後、フィルム表面に再び砥粒をバインダで固定して再利用することを特徴とする研磨フィルム。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の研磨フィルムをロール状または、折りたたんだ状態から、必要に応じて順次送り出して研磨を行うことを特徴とする研磨方法。
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