JP2005014070A - 溶鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Al 系介在物を低融点のAl −CaO系介在物に改質してノズル内面側への付着を防止し、溶鋼中に混入したAl −CaO系介在物を除去して鋳片を製造することが可能な溶鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】ドロマイトクリンカーが配合され全MgO成分の含有量が20質量%以上かつ70質量%以下の内装体28が溶鋼11の通過する内面側に配設された浸漬ノズル15を介して、溶鋼11を湾曲型連続鋳造機10の鋳型17内に注湯する第1工程と、鋳型17内の溶鋼11を鋳型17の外側に配置された第1の電磁撹拌装置18を用いて撹拌しながら冷却し鋳型17との接触面側に凝固殻16を形成する第2工程と、凝固殻16を湾曲型連続鋳造機10のストランド内に配置した鋳片支持セグメント群20で支持しながら引き抜いて散水冷却し、凝固殻16の内部の溶鋼11を凝固して鋳片を製造する第3工程とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶鋼中の介在物を除去しながら溶鋼を凝固させて鋳片を製造する溶鋼の連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、連続鋳造により鋳片を製造する場合、タンディッシュの下部ノズル、スライディングノズル、あるいは浸漬ノズルの溶鋼が通過する内面側には溶鋼中のAlから生成したAl 系介在物や、溶鋼脱酸により生成したAl 系介在物が付着して、ノズル詰まりが発生していた。
そして、ノズル詰まりが起こると、鋳型内で溶鋼の吐出流に偏流が生じて、溶鋼中のAl 系介在物が鋳型内からストランド内の深部に存在する溶鋼中まで運ばれるようになる。また、ノズルの内面側に付着したAl 系介在物が剥離して溶鋼中に混入したりする。
その結果、Al 系介在物を含んだ鋳片が製造されて、それを用いて製品を製造した際に表層や内部に品質上の欠陥を引き起こすことになる。更に、Al 系介在物の付着が顕著な場合には、例えば、浸漬ノズルに閉塞が発生して、連続鋳造の操業が中断される事態となる。
【0003】
そこで、一般には下部ノズル、スライディングノズル、あるいは浸漬ノズル内に不活性ガス、例えばアルゴンガスを吹き込み、溶鋼が各ノズルの内壁に直接接触するのを抑制して、各ノズルの内面側へのAl 系介在物の付着防止を図っている。
このとき、Al 系介在物の付着防止効果を高めようとして、アルゴンガスの吹き込み量を過剰に増加すると、鋳型内に吐出したアルゴンガスは粗大な気泡となって鋳型内の溶鋼内を浮上し湯面で激しく破裂するようになる。その結果、鋳型潤滑や湯面保温、溶鋼酸化防止等のために湯面に浮かべているモールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれ易くなり、巻き込まれたモールドパウダーが除去されずに鋳片内に介在物として残存すると、製品にした場合に品質上の欠陥となる。
このため、アルゴンガスの吹き込み量はできるだけ低減することが好ましく、アルゴンガスの吹き込みによるノズル詰まり防止には限度がある。
【0004】
以上のことから、各ノズルを構成する耐火物の組成を変更することにより、Al 系介在物の付着を低減しようとする対策が検討されている。
例えば、特許文献1には、石灰40〜90重量%及び炭素10〜60重量%に、炭化硼素、窒化硼素、及び硼素の中のいずれか1を添加して焼成する連続鋳造用ノズルが提案され、連続鋳造用ノズルに付着生成するAl 系介在物の低融点化を図って、連続鋳造ノズルの閉塞を防止することが行われている。
また、石灰クリンカー及び/又はドロマイトクリンカーからなる骨材35〜85重量%と炭素5〜50重量%に対して、アルカリあるいはアルカリ土類金属の塩類と消石灰との反応生成物の粉末3〜25重量%を添加して得られる炭素含有の石灰質連続鋳造用ノズルが提案され、連続鋳造用ノズルに付着生成するAl 系介在物の低融点化が図られている(例えば、特許文献2参照)。
更に、CaO換算で2〜40重量%の粉末と、SiO 含有量が1重量%未満のアルミナクリンカー、スピネルクリンカー、及びマグネシアクリンカーの中から選ばれる1種以上との混合粉末からなり、この混合粉末中の炭素、SiO のそれぞれの含有量が1重量%以下で、かつ0.21mm以下の粒径のものを20〜70重量%含む連続鋳造用ノズルの内孔体が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−56377号公報
【特許文献2】
特開昭57−38366号公報
【特許文献3】
特開平5−285612号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの提案は、いずれもノズル内面側に付着したAl 系介在物とノズルを構成する耐火物中のCaO成分とを反応させることにより、Al 系介在物を低融点のAl −CaO系介在物に改質して溶鋼中に洗い流すことを基本としている。
しかしながら、溶鋼中のAl −CaO系介在物が除去されずに鋳片に取り込まれ、その鋳片から製品を製造した際に製品の表層にAl −CaO系介在物が存在すると、Al −CaO系介在物は水溶性であるため発銹起点になり易く、製品の耐食性を損なうという問題が発生する。
従って、薄鋼板や食缶、特に、耐食性が要求されるステンレス鋼製品の製造に使用される鋳片においては、鋳片内に存在するAl −CaO系介在物の量を低減することが大きな課題となっている。
【0007】
また、Al 系介在物を低融点のAl −CaO系介在物に改質して溶鋼中に洗い流すことにより各ノズル内面側へのAl O系介在物の付着が低減でき、アルゴンガス等の不活性ガスの吹き込み量の低減が可能になる。このため、不活性ガスの気泡が鋳型内の溶鋼中を浮上して湯面で破裂する頻度が少なくなって、モールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれ難くなるという効果が期待できる。
しかし、不活性ガスの吹き込み量を低減し過ぎると、鋳片内のAl −CaO系介在物の量が増加する傾向がみられる。これは、不活性ガスの気泡には、溶鋼中に洗い流されたAl −CaO系介在物を捕捉しながら浮上するという浮上除去作用があるため、不活性ガスの吹き込みを低減し過ぎるとこの浮上除去作用が利用できなくなるためと考えられる。
従って、各ノズル内面側へのAl 系介在物の付着が低減できても、鋳片内のAl −CaO系介在物の低減を図るためには、不活性ガスの吹き込みが必要で、その吹き込み量を最適化する必要がある。
【0008】
更に、Al −CaO系介在物の比重は溶鋼の比重に比べて小さいため、溶鋼中のAl −CaO系介在物を浮上させることにより、溶鋼中のAl −CaO系介在物を除去することが可能になる。
この浮上除去を促進するには、浮上に要する時間を十分に確保することが効果的で、そのためには鋳造速度を低下させることが必要となる。しかし、鋳造速度の低下は生産性の低下を招くことになり好ましくない。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、ドロマイト製ノズルを適用してAl 系介在物を低融点のAl −CaO系介在物に改質することによりノズル内面側への付着を防止すると共に、溶鋼中に混入するAl −CaO系介在物を効率的に除去してAl −CaO系介在物量を低減して品質特性に優れた鋳片を製造することが可能な溶鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る溶鋼の連続鋳造方法は、骨材にドロマイトクリンカーが配合され全MgO成分の含有量が20質量%以上かつ70質量%以下の内装体が溶鋼の通過する内面側に配設された浸漬ノズルを介して、溶鋼を湾曲型連続鋳造機の鋳型内に注湯する第1工程と、
前記鋳型内に注湯された溶鋼を該鋳型の外側に配置された第1の電磁撹拌装置を用いて撹拌しながら冷却し該鋳型との接触面側に凝固殻を形成する第2工程と、前記凝固殻を前記湾曲型連続鋳造機のストランド内に配置した鋳片支持セグメント群で支持しながら引き抜いて散水冷却し、該ストランド内の前記凝固殻の内部の溶鋼を凝固して鋳片を製造する第3工程とを有する。
【0011】
骨材にドロマイトクリンカーが配合されている内装体が、溶鋼の通過する浸漬ノズルの内面側に配設されていると、溶鋼中のAlから生成したAl や脱酸により生成したAl がこの内面(以下、稼動面という)に付着した場合、内装体中のCaOとこのAl が反応して、稼動面にAl −CaO系液相が形成される。
Al −CaO系液相内では、ドロマイトクリンカー中の未溶解のCaO成分が徐々にAl −CaO系液相中に溶解していき、MgO粒子の周囲にAl −CaO系液相が存在するようになる。
また、このAl −CaO系液相中へのCaO成分の溶解と共に、内装体中のMgO粒子は徐々に稼動面側から遠ざかる方向に移動しながら、徐々に凝集していくものと考えられる。そして、このようなMgO粒子のAl −CaO系液相中での移動と凝集が繰り返されることにより、MgO粒子が粗大化を伴いつつ、稼動面側にMgOリッチな層が形成される。
【0012】
なお、CaO成分はこのMgOリッチな層に存在するAl −CaO系液相中に、温度で決まる飽和濃度に達するまで連続して溶解する。その結果、Al −CaO系液相の融点は徐々に低下し、流動し易い状態になる。
このため、MgOリッチな層の背部に存在するドロマイトクリンカー中のCaOがMgOリッチな層を介してAl −CaO系液相の形で稼動面側に持続的に供給されるので、溶鋼中のAl が稼動面側に付着するのを防止する。
更に、稼動面側に形成されるMgOリッチな層により、稼動面側の耐食性が向上するという特徴が出現する。
【0013】
ここで、全MgO成分の含有率が20質量%以上であれば、Al −CaO系液相中の流出により、MgOリッチな層が形成され易くなる。このため、稼動面側の耐食性が向上し、内装体の寿命が延長する。
一方、全MgO成分の含有率が70質量%を超えると、溶鋼中のAl と反応してAl −CaO系液相を形成するためのCaO供給量が不足して、稼動面側にAl 系介在物が付着し易くなる。
以上のことから、全MgO成分の含有率は20質量%以上かつ70質量%以下、好ましくは25質量%以上かつ60質量%以下がよい。
【0014】
このように、骨材にドロマイトクリンカーが配合されている内装体が溶鋼の通過する内面側に配設されている浸漬ノズルを介して溶鋼を鋳型内に注湯すると、溶鋼中のAl が稼動面側に付着するのを防止しながら稼動面側の耐食性を向上させることができる。一方、稼動面で形成されたAl −CaO系液相は剥離して溶鋼中に混入していくため、溶鋼中にはAl −CaO系介在物が存在することになり、溶鋼の冷却による凝固の進行と共に、Al −CaO系介在物として鋳片内に析出することになる。
ここで、Al −CaO系介在物は水溶性であるためにAl −CaO系介在物が存在する溶鋼から鋳片を製造した際に、鋳片の表層部にAl −CaO系介在物が存在していると、製品、例えば鋼板を形成したときに製品表面の発銹起点や、疵、割れ等の欠陥となる。
【0015】
そこで、鋳型内の溶鋼を第1の電磁撹拌装置を用いて撹拌して鋳型内に水平面内の撹拌流を形成させながら冷却して鋳型との接触面側に凝固殻を形成するようにすると、凝固殻の凝固界面は常に溶鋼流で洗われるので、この凝固界面にAl −CaO系介在物や気泡が付着するのを防止し、しかも浮上を促進することができる。
その結果、凝固殻の凝固界面を清浄に保ちながら、鋳型内のAl −CaO系介在物量が低減し、同時に吹き込まれたアルゴンガス等の不活性ガスの気泡が凝固殻の凝固界面に捕捉されるのを防止して清浄度の極めて高い凝固殻を成長させることができる。
【0016】
本発明に係る溶鋼の連続鋳造方法において、前記鋳片支持セグメント群内の前記鋳型の下方側から湾曲部を含む鋳片支持セグメントには少なくとも1組の第2の電磁撹拌装置が設けられて、前記ストランド内の前記凝固殻の内部の溶鋼を撹拌することが好ましい。鋳型内からストランド内に引き抜かれた凝固殻の内部には溶鋼が存在し、凝固殻の内部の溶鋼を徐々に凝固させて凝固殻を成長させることにより鋳片が製造される。
そして、湾曲型連続鋳造機では、引き抜かれた凝固殻はストランド内に進入するにつれてその接線方向の傾斜角度が徐々に低下するので、ストランド内の深部位置に存在する溶鋼中のAl −CaO系介在物は自発的に浮上しても上部に存在する凝固殻に接触し、凝固殻の凝固界面に捕捉される。
【0017】
そこで、鋳型の下方側から湾曲部の鋳片支持セグメント群の領域に、少なくとも1組の第2の電磁撹拌装置を設け、ストランド内に存在する凝固殻の内部の溶鋼に撹拌流を形成して、この撹拌流によって凝固殻の凝固界面に捕捉されたAl −CaO系介在物を洗い流すことにより、凝固殻の凝固界面を清浄に保つことができる。
更に、撹拌流によって鋳片の内部の未凝固の溶鋼を撹拌し、凝固が進行中の鋳片内部にAl −CaO系介在物が凝集するのを抑制することができ、洗い流されたAl −CaO系介在物は、撹拌流に随伴させ鋳型内で浮上させて、溶鋼中から除去することができる。その結果、製造される鋳片の内部のAl −CaO系介在物量も低減することができる。
【0018】
本発明に係る溶鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズル内には不活性ガスが、0.1NL/分以上で15NL/分以下の流量で吹き込まれることが好ましい。浸漬ノズル内に吹き込まれた不活性ガス(例えば、アルゴンガス)は、浸漬ノズルの吐出口から鋳型内に溶鋼と共に吐出される。そして、吐出された不活性ガスは気泡となって鋳型内に拡散し、凝固殻に衝突する溶鋼の吐出流に随伴して浮上したり、直ちに浮上を開始したりする。
このとき、不活性ガスの気泡は、溶鋼中のAl −CaO系介在物を捕捉しながら鋳型内を浮上するので、溶鋼中のAl −CaO系介在物量を低減することができる。
また、凝固殻に衝突する溶鋼の吐出流に随伴した不活性ガスの気泡は、凝固殻の表面近傍の溶鋼中に存在するAl −CaO系介在物を捕捉して浮上するので、Al −CaO系介在物が凝固殻の凝固界面に付着するのを防止でき、溶鋼の撹拌作用と不活性ガスの気泡の浮上作用の相乗した効果によって、凝固殻の凝固界面を更に清浄に保つことができる。
【0019】
ここで、溶鋼中のAl −CaO系介在物を除去して凝固殻の凝固界面を清浄に保つには、不活性ガスの吹き込み量が0.1NL/分未満では不十分である。
また、不活性ガスの吹き込み量が15NL/分を超えると、不活性ガスの気泡が鋳型内の溶鋼中を浮上して湯面変動の要因となり、湯面上のモールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれて溶鋼が汚染されるため好ましくない。
このため、不活性ガスの吹き込み量は0.1NL/分以上で15NL/分以下、好ましくは0.1NL/分以上で10NL/分以下、より好ましくは0.1NL/分以上で5NL/分以下とするのがよい。
なお、NL(ノルマルリットル)/分は、標準状態に換算した場合の1分間当たりに吹き込む不活性ガスの流量を示す。また、このときの不活性ガスの流量は浸漬ノズル内を通過する不活性ガスの総量を指しており、例えば、不活性ガスはタンディッシュの下部ノズル、スライディングノズル、浸漬ノズルのいずれか1だけから吹き込んでも、あるいは、任意に組み合わせた2以上の各ノズルからそれぞれ吹き込んでもよい。
【0020】
本発明に係る鋳片の連続鋳造方法において、前記鋳片の鋳造速度は0.8m/分以上で2.3m/分以下であることが好ましい。
湾曲型連続鋳造機の垂直部ではAl −CaO系介在物の浮上が妨げられないので、Al −CaO系介在物量を効率的に低減することができる。その結果、鋳造速度を低下させる必要がなく、鋳造速度を0.8m/分以上としてもAl −CaO系介在物量の低減した鋳片を製造することができる。
一方、2.3m/分を超えた鋳造速度で鋳片を製造すると、溶鋼の下向きの吐出流が強くなり過ぎ、Al −CaO系介在物を含んだ溶鋼が鋳片の深部にまで存在するようになって、溶鋼中のAl −CaO系介在物の除去が困難となる。
このため、鋳造速度は0.8m/分以上で2.3m/分以下と規定した。
この鋳造速度は前記の理由から0.8m/分以上で2.1m/分以下にするとより好ましい。
【0021】
本発明に係る溶鋼の連続鋳造方法において、前記内装体は前記MgO成分とCaO成分を除いた残差成分として0.1質量%以上かつ3質量%以下のSiO 及び0.1質量%以上かつ3質量%以下のFe の少なくとも一方を含有することが好ましい。残差成分としてSiO 及びFe の少なくとも一方が存在すると、稼動面側に付着したAl 系介在物と内装体に含まれるCaOを活性化して、CaOとの反応から形成されるAl −CaO系液相の生成、及び生成したAl −CaO系液相の低融点化が促進される。
【0022】
ここで、SiO 、Fe がいずれも0.1質量%未満であると、内装体中のCaOの活性化が不十分となる。このため、MgOリッチな層を介してのCaOの供給が十分に確保できなくなる。その結果、溶鋼接触面において、Al 介在物の付着が進行すると解される。
一方、SiO 、Fe がいずれも3質量%を超えると、溶鋼中のAlと反応して溶鋼接触面でAl が生成し、溶鋼接触面においてAl 系介在物の付着が生じ易くなる。更に、Al と内装体中のSiO 、Fe が反応して低融点化合物を形成し、内装体の溶損を促進させる。
以上のことから、内装体中のCaOを活性化させAl −CaO系液相の低融点化と液相量を確保して、Al 系介在物の付着を抑制するためには、SiO 、Fe のそれぞれの含有率を0.1質量%以上かつ3質量%以下になるように規定した。
【0023】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造方法に使用する湾曲型連続鋳造機の説明図、図2、図3は内装体にMgOリッチな層が形成されるメカニズムの説明図、図4は鋳片表層からの距離に対する単位面積当たりの介在物個数の分布を示すグラフである。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造方法に使用する湾曲型連続鋳造機10は、溶鋼11を貯留するタンディッシュ12と、タンディッシュ12の底に設けられた開口部に挿入された下部ノズル13にスライディングノズル14を介して接続している浸漬ノズル15を有している。
また、湾曲型連続鋳造機10は、浸漬ノズル15を介して注湯された溶鋼11を冷却して鋳片の外殻となる凝固殻16を形成する鋳型17と、鋳型17の外側に配置された第1の電磁撹拌装置18と、鋳型17の下流側のストランド内に配置され、鋳型17から排出された凝固殻16を周囲から複数の鋳片支持セグメント19で支持しながら冷却する鋳片支持セグメント群20を有している。更に、鋳片支持セグメント群20の鋳型17側の領域に配置された鋳片支持セグメント19には、例えば、1個の第2の電磁撹拌装置21が設けられている。以下、これらについて詳細に説明する。
【0024】
タンディッシュ12は鉄皮22の内側を耐火物23で内張りして構成された溶鋼11を一定量貯留する容器であり、その底に設けられた開口部には耐火物で形成された下部ノズル13が挿入されている。
また、スライディングノズル14は耐火物で形成されて、開口部24を備えた上部プレート25と、上部プレート25に対して摺動する開口部26を備えた下部プレート27を有している。そして、下部ノズル13の出口側は上部プレート25の開口部24と接続し、下部プレート27の開口部26は浸漬ノズル15の入口側に接続している。
浸漬ノズル15は、溶鋼11の通過する内側面に配設される内装体28と、内装体28の内面側が溶鋼11との接触面側になるように熱膨張を考慮した目地29を介して内装体28を外側から保持しているノズル本体30と、ノズル本体30の上部側に設けられニップル31を介して流入させた不活性ガスの一例であるアルゴンガスを、通過する溶鋼11に対して吹き込む多孔質耐火物32を備えたガス吹き込み部33を有している。
【0025】
ここで、内装体28は、骨材にドロマイトクリンカーが配合され全MgO成分の含有量が20質量%以上かつ70質量%以下の組成を有するように調製されている。更に、CaO成分及びMgO成分を除いた残差成分として、0.1質量%以上かつ3質量%以下のSiO 及び0.1質量%以上かつ3質量%以下のFe の少なくとも一方を含有するように調製されている。
また、ノズル本体30は、従来から使用されている、例えば、アルミナ−黒鉛質耐火物を用いて形成することができる。更に、目地29には、従来から用いられている、例えば、マグネシア質のモルタルを使用することができる。
このような構成とすることにより、上部プレート25に対して下部プレート27を摺動させて、上部プレート25の開口部24と下部プレート27の開口部26とを導通させることにより、下部ノズル13と浸漬ノズル15を連通状態にすることができる。その結果、ガス吹き込み部33からアルゴンガスを吹き込みながら、タンディッシュ12内の溶鋼11を浸漬ノズル15の吐出口34から吐出させることができる。
【0026】
鋳型17は、例えば、横断面が長方形で側面視して円弧状となった銅製の筒状体で、その周囲が水冷される構造を有している。また、鋳型17の外側に配置された第1の電磁撹拌装置18は、周波数が10Hz以下(例えば、5〜6Hz)の回転磁界を鋳型17内の溶鋼11に加える機能を有している。
その結果、鋳型17内に浸漬ノズル15を介して注湯された溶鋼11は、鋳型17内で水平面内の撹拌流を形成しながら鋳型17との接触面側に凝固殻16を徐々に形成することができる。
鋳型17の下流側のストランド内に設けられた鋳片支持セグメント19は、複数の水冷された鋼製の支持ロール35と、これらを支える円弧状のフレーム36を有しており、鋳型17から引き抜かれる凝固殻16を周囲から支持するように配置されている。
【0027】
また、フレーム36には支持ロール35の間から水を噴出する噴出口37が設けられている。更に、鋳片支持セグメント群20の鋳型17側の鋳片支持セグメント19に配置された第2の電磁撹拌装置21は、周波数が10Hz以下(例えば、5〜6Hz)の回転磁界を、ストランド内に引き抜かれた凝固殻16の内部に存在する溶鋼11に加える機能を有している。
その結果、鋳型17から凝固殻16を、例えば、半径が10mの円周に沿って湾曲させながらストランド内に引き抜くと共に、周囲から水を吹きかけて凝固殻16を更に冷却して凝固殻16を成長させて鋳片を製造することができる。このとき、ストランド内に引き抜かれた凝固殻16の内部の溶鋼11に撹拌流を形成して、溶鋼11を撹拌しながら凝固させることができる。
【0028】
次に、本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造方法について詳細に説明する。
先ず、タンディッシュ12内に溶鋼11を注入する。浸漬ノズル15のガス吹き込み部33にニップル31を介してアルゴンガスを供給して、多孔質耐火物32より、例えば、0.1NL/分以上で15NL/分以下の流量で吹き込む。また、鋳型17と各鋳片支持セグメント19の各支持ロール35を水冷すると共に、各鋳片支持セグメント19の各フレーム36の噴出口37から水を噴出させる。
更に、第1及び第2の電磁撹拌装置18、21を駆動させる。
そして、スライディングノズル14の下部プレート27を摺動させて、下部プレート27に設けられた開口部26と上部プレート25に設けられた開口部24を導通させる。その結果、タンディッシュ12の下部ノズル13と浸漬ノズル15が連通状態になり、タンディッシュ12内の溶鋼11は浸漬ノズル15内を通過して浸漬ノズル15の吐出口34から、アルゴンガスと共に鋳型17内に吐出する。
【0029】
浸漬ノズル15の内面側に配設された内装体28の内側を溶鋼11が通過する際、溶鋼11中のAlから生成したAl や脱酸により生成したAl は内装体28の稼動面に付着する。
ここで、図2に示すように、内装体28にはドロマイトクリンカーが配合されているため、付着したAl はドロマイトクリンカー内のCaOと反応して低融点のAl −CaO系液相を形成する。また、内装体28では、MgO成分とCaO成分を除いた残差成分として0.1質量%以上かつ3質量%以下のSiO 及び0.1質量%以上かつ3質量%以下のFe の少なくとも一方が含有されるように調製されている。
このため、ドロマイトクリンカー内のCaOはSiO 又はFe と反応して低融点の化合物を形成して、CaOの移動を活発化させると共に、CaOの反応性を向上させることができる。その結果、付着したAl とドロマイトクリンカー内のCaOとの反応が促進されて、低融点のAl −CaO系液相の形成が促進される。
【0030】
ドロマイトクリンカーの稼動面では、生成したAl −CaO系液相が溶鋼11中に流出しても、溶鋼11中のAlから生成したAl や脱酸により生成したAl が頻繁に付着する。
このため、ドロマイトクリンカーの稼動面側にはAl −CaO系液相がほぼ連続して形成されるようになる。そして、このAl −CaO系液相には、ドロマイトクリンカー中の未溶解のCaO粒子が徐々に溶解していき、MgO粒子の周囲にAl −CaO系液相が存在するようになる。
【0031】
図3に示すように、MgO粒子の周囲にAl −CaO系液相が存在し、このAl −CaO系液相中にCaO粒子が溶解している状態では、MgO粒子は溶解したCaO粒子とその位置を交換するように徐々に稼動面側から遠ざかる方向に移動し、徐々に凝集していく。そして、MgO粒子のAl −CaO系液相中での移動と凝集が繰り返されることにより、MgO粒子が粗大化し、稼動面側にMgOリッチな層が連続して形成される。
更に、このMgOリッチな層内にはAl −CaO系液相が存在するため、CaOはこのAl −CaO系液相中に、温度で決まる飽和濃度に達するまで連続して溶解する。その結果、Al −CaO系液相の融点は徐々に低下し、流動し易い状態になる。このため、MgOリッチな層の背部に存在するドロマイトクリンカー中のCaOがMgOリッチな層を介してAl −CaO系液相の形で稼動面側に供給されるようになる。
その結果、稼動面側にMgOリッチな層が形成されても、溶鋼中のAl が稼動面側に付着するのを防止する。なお、稼動面側に形成されるMgOリッチな層により、稼動面側の耐食性が向上する。
【0032】
鋳型17内に吐出した溶鋼11は鋳型17内に一旦貯留されるが、鋳型17内の溶鋼11には第1の電磁撹拌装置18により回転磁界が加えられるので、鋳型17内の溶鋼11中には水平面内の鋳型17内壁に沿った旋回流が形成される。
このため、溶鋼11は撹拌されながら冷却されて鋳型17との接触面側に凝固殻16を形成する。その結果、凝固殻16の凝固界面は常に溶鋼11の撹拌流で洗われる状態になるので、凝固殻16の凝固界面は清浄に保たれ、得られた鋳片の鋳片表層部におけるAl −CaO系介在物量は大きく低減する。
また、鋳型17内には溶鋼11と共にアルゴンガスが吐出されており、このアルゴンガスは気泡となって鋳型17内を拡散し、溶鋼11の吐出流に随伴して凝固殻16に衝突して形成される反転流によって浮上したり、溶鋼11中から浮力により直接浮上する。このとき、反転流に随伴して浮上するアルゴンガスの気泡は、凝固殻16近傍の溶鋼11中のAl −CaO系介在物を捕捉して浮上する。このため、鋳型17内の溶鋼11中のAl −CaO系介在物、及び凝固殻16のAl −CaO系介在物の量は、更に低減される。
なお、アルゴンガスの吹き込み量は、0.1NL/分以上で15NL/分以下としているので、アルゴンガスの気泡が鋳型17内を浮上して溶鋼11の湯面で破裂しても、湯面が大きく撹拌されることがなく、湯面上に浮遊しているモールドパウダー38が溶鋼11中に巻き込まれ溶鋼11を汚染することはない。
【0033】
更に、形成した凝固殻16は、ストランドに配置される鋳片支持セグメント19により周囲を支持されながら鋳型17から0.8m/分以上で2.3m/分以下の鋳造速度で引き抜かれるため、溶鋼11中のAl −CaO系介在物が十分に浮上して、鋳型17内の溶鋼11中のAl −CaO系介在物量を低減する。
以上のように、溶鋼11の撹拌作用と不活性ガスの気泡の浮上作用の相乗した効果によって、凝固殻の凝固界面を更に清浄に保つことができる。
【0034】
鋳型17から引き抜かれた凝固殻16は、周囲を鋳片支持セグメント群20で支持されながら、周囲から水を吹きかけられて更に冷却される。このため、凝固殻16の内部の溶鋼11も冷却されて凝固し、凝固殻16が徐々に成長する。
このとき、鋳片支持セグメント群20の鋳型17よりも下流となる鋳片支持セグメント19には第2の電磁撹拌装置21が設けられている。
このため、ストランド内に引き抜かれた凝固殻16の内部に存在する溶鋼11には回転磁界が加えられ、凝固殻16の内部の溶鋼11は撹拌されながら凝固する。このため、ストランド内に存在する凝固殻16の凝固界面は溶鋼11の撹拌流で洗われて、凝固界面に捕捉されたAl −CaO系介在物を洗い流し、ストランド内に深く進入する凝固殻16の凝固界面を清浄に保つ。
更に、形成された撹拌流が鋳片短片に衝突して形成される上昇流に随伴させて、鋳片深部の溶鋼11中のAl −CaO系介在物が鋳型17内で浮上するのを促進させることができる。このため、ストランド内に存在する凝固殻16の内部の溶鋼11中のAl −CaO系介在物量を低減することができる。
【0035】
【実施例】
(1)実施例1〜9
150トン/チャージの容量の湾曲型連続鋳造機にSUS430(クロムを17質量%含有するフェライト系ステンレス鋼)の溶鋼を浸漬ノズルを介して注湯して、鋳造速度0.8m/分で鋳造幅1250mm、鋳片厚み250mmの鋳片の連続鋳造を行った。なお、鋳型内への溶鋼の注湯は、浸漬ノズル内にアルゴンガス流量を15NL/分と5NL/分と0.1NL/分に設定して吹き込みながら行った。
このとき、使用した浸漬ノズルには、水平方向から下向きに15°の吐出角度を有する吐出口が対向して2個設けられている。そして、アルミナ−黒鉛質の耐火物で形成したノズル本体の溶鋼の通過する内面側には表1に示すD1〜D3の組成を有する内装体が配設され、ノズル本体の上部側にはアルゴンガスを吹き込むガス吹き込み部が形成されている。
また、鋳型内の溶鋼のメニスカスより下方50〜400mmの範囲に第1の電磁撹拌装置を配置して、鋳造中に鋳型内の溶鋼の撹拌を行った。更に、鋳型内の溶鋼のメニスカスから下方4000〜4350mmの範囲に第2の電磁撹拌装置を配置して、鋳造中にストランド内に引き抜かれた凝固殻内に存在する溶鋼の撹拌を行った。
【0036】
【表1】
Figure 2005014070
【0037】
そのときの鋳造結果を各評価項目毎に分けて、表2に記載する。また、得られた鋳片の表層からの距離に対する単位面積当たりの介在物個数の分布を図4に示す。
ここで、ノズル絞り頻度は、鋳造中にノズル絞りが生じて鋳造が継続できなくなった頻度である。
表層介在物頻度は、得られた鋳片から表層部を含んで鋳片の厚み方向に横断面が30mm×30mmの角柱状の試料を切り出し、表層に平行な観察面内に存在する12.5μm以上の介在物の個数を数えて単位面積当たりの個数に変換して示したものである。なお、観察面は、表層から1mm内部の面から始めて3mm間隔毎に設定し、表層から20mm以内の範囲とした。
内部介在物頻度は、表層介在物頻度と同一の方法で各観察面毎に介在物の単位面積当たりの個数を求めたものである。なお、観察面の設定は、表層より20mmの位置から鋳片の厚み方向に60mmまでの範囲とした。
製品発銹性は、鋳片を1.5mm厚みに圧延した後、塩水噴霧試験を実施して発銹起点の個数を目視で数え、100cm 当たりの個数に変換したものである。
【0038】
【表2】
Figure 2005014070
【0039】
実施例1では、ノズル絞りはほとんど発生せず安定した操業が可能であった。また、ノズル絞りがほとんど発生しないため鋳型内では偏流が発生せず、溶鋼中のAl −CaO系介在物量が低減できた。更に、鋳型内の溶鋼を電磁撹拌することにより、図4に示すように、特に鋳片表層部のAl −CaO系介在物を低減でき、製品発銹性が改善された。
実施例2では、ノズル絞りはほとんどなく操業は安定する。また、ノズル絞りがほとんど発生しないため鋳型内では偏流が発生せず、溶鋼中のAl −CaO系介在物量が低減できた。更に、第2の電磁撹拌装置によりストランド内に引き抜かれた凝固殻内の溶鋼の撹拌が行われるため、凝固殻内の溶鋼中に鋳型内に通じる流れを発生させることができ、Al −CaO系介在物の鋳型内への移送が促進される。このため、ストランド内に引き抜かれた凝固殻の表面を清浄に保つと共に、凝固殻内の溶鋼中のAl −CaO系介在物量が低減し、鋳片内部のAl −CaO系介在物量を低減でき、製品発銹性が改善される。
【0040】
実施例3では、ノズル絞りはほとんどなく操業は安定する。また、ノズル絞りがほとんど発生しないため鋳型内では偏流が発生せず、溶鋼中のAl −CaO系介在物量が低減される。鋳型内の溶鋼を電磁撹拌することにより鋳片表層部のAl −CaO系介在物を低減でき、ストランド内に引き抜かれた凝固殻内の溶鋼の撹拌が行われるため、図4に示すように、更に、鋳片内部のAl −CaO系介在物を低減でき、鋳片品質は最良となる。
実施例4ではアルゴンガス流量を5NL/分と低下しても実施例1と同等の結果が得られた。また、実施例5〜7ではアルゴンガス流量を0.1NL/分と更に低下させたが、実施例1、2、3とそれぞれ同等の結果が得られた。
従って、鋳型内の溶鋼撹拌及び/又はストランド内に引き抜かれた凝固殻内の溶鋼撹拌を行うと共に、アルゴンガス流量を0.1〜15NL/分とすることにより、Al −CaO系介在物の少ない鋳片を製造できることが確認できた。
【0041】
実施例8、実施例9は、実施例5において浸漬ノズルの内面側に表1に示すD2、D3の組成を有する内装体を配設した場合で、いずれも実施例5と同等の結果が得られた。
従って、骨材の一部にドロマイトクリンカーを配合して全MgO成分の含有量を20質量%以上かつ70質量%以下にすると共に、MgO成分とCaO成分を除いた残差成分として0.1質量%以上かつ3質量%以下のSiO 及び0.1質量%以上かつ3質量%以下のFe の少なくとも一方を含有するように調製した内装体を使用することにより、ノズル絞りが防止されて操業の安定が図られると共に、鋳型内での偏流が発生しないため溶鋼中のAl −CaO系介在物量を低減できることが確認できた。そして、鋳型内の溶鋼を電磁撹拌することにより、特に鋳片表層部のAl −CaO系介在物を低減でき、製品発銹性が改善できることが判った。
また、第1及び第2の電磁撹拌装置を稼動させ、アルゴンガス流量を5NL/分及び10NL/分の2水準に設定して、鋳造速度0.8m/分で鋳造幅1250mm、鋳片厚み250mmの鋳片の連続鋳造を行った。その結果、表層介在物頻度、内部介在物頻度、及び製品発銹性は、いずれの場合においても格段に優れた結果(◎)を得ることができた。
更に、前記条件の中で鋳造速度のみを1.2m/分及び2.1m/分の2水準に設定して連続鋳造を行ったところ、鋳造速度1.2m/分では表層介在物頻度、内部介在物頻度、及び製品発銹性はすべて格段に優れた結果(◎)が得られ、鋳造速度2.1m/分では表層介在物頻度、内部介在物頻度、及び製品発銹性はすべて優れた結果(○)が得られた。
【0042】
(2)比較例1〜3
150トン/チャージの容量の湾曲型連続鋳造機にSUS430(クロムを17質量%含有するフェライト系ステンレス鋼)の溶鋼を浸漬ノズルを介して注湯して、鋳造速度0.8m/分で鋳造幅1250mm、鋳片厚み250mmの鋳片の連続鋳造を行った。このとき、使用した浸漬ノズルには、水平方向から下向きに15°の吐出角度を有する吐出口が対向して2個設けられ、溶鋼の通過する内面側の上部側にはアルゴンガスを吹き込むガス吹き込み部が形成されている。
比較例1は、浸漬ノズルをアルミナ−黒鉛質の耐火物のみで形成しアルゴンガスを15NL/分の流量で吹き込みながら溶鋼を注湯すると共に、第1及び第2の電磁撹拌装置を使用しないで鋳造を行った場合である。
比較例2は、浸漬ノズルをアルミナ−黒鉛質の耐火物で形成したノズル本体と、溶鋼の通過する内面側に表1に示すD1の組成を有する内装体を配設して構成し、アルゴンガスを15NL/分の流量で吹き込みながら溶鋼を注湯すると共に、第1及び第2の電磁撹拌装置を使用しないで鋳造を行った場合である。
比較例3は、浸漬ノズルをアルミナ−黒鉛質の耐火物で形成したノズル本体と、溶鋼の通過する内面側に表1に示すD1の組成を有する内装体を配設して構成し、アルゴンガスを0.1NL/分の流量で吹き込みながら溶鋼を注湯すると共に、第1及び第2の電磁撹拌装置を使用しないで鋳造を行った場合である。
そのときの鋳造結果を表2に併せて示す。また、比較例1及び2において、得られた鋳片の表層からの距離に対する単位面積当たりの介在物個数の分布を図4に併せて示す。
【0043】
比較例1では、浸漬ノズルの材質がアルミナ−黒鉛質の耐火物であるため、ノズル絞りが発生して偏流が生じ易く、図4に示すように、介在物量は鋳片の表層部及び内部のいずれにおいても多くなった。但し、介在物の材質がAl 系であるため、製品発銹性は良好であった。また、ノズル絞りによる操業中断を防止するには、15NL/分を超える流量のアルゴンガスの吹き込みが必要となった。その結果、アルゴンガスの気泡が鋳型内を浮上して溶鋼の湯面で破裂し湯面が大きく撹拌され、湯面上に浮遊しているモールドパウダーが溶鋼中に巻き込まれて溶鋼が汚染され、鋳片中の介在物量は更に増加した。
比較例2では、内装体が配設されているため、ノズル絞りはほとんど発生せず安定した操業が可能であった。また、ノズル絞りがほとんど発生しないため鋳型内では偏流が発生せず、溶鋼中のAl −CaO系介在物量が低減できた。しかし、鋳型内で形成される凝固殻の表面にAl −CaO系介在物が捕捉された状態で凝固が進行するため、図4に示すように、鋳片表層部のAl −CaO系介在物量が多く、製品発銹性は劣る。
比較例3では、アルゴンガスの吹き込み量が少ないため、アルゴンガス気泡が鋳型内の溶鋼中のAl −CaO系介在物を捕捉して浮上することによる除去効果が低下する。このため、鋳型内の溶鋼中のAl −CaO系介在物量が低減せず、鋳片表層部のAl −CaO系介在物量が多くなって、製品発銹性は劣る。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の溶鋼の連続鋳造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、鋳片支持セグメント群の鋳型側の領域(鋳型の下方側から湾曲部を含む領域)に配置された1対の鋳片支持セグメントに1組の第2の電磁撹拌装置を設けたが、1対の鋳片支持セグメントに複数組の第2の電磁撹拌装置を設けてもよい。
また、ストランド内に引き抜かれた凝固殻の内部に溶鋼が存在する範囲内に存在する鋳片支持セグメントであればいずれの鋳片支持セグメントに第2の電磁撹拌装置を1又は2組以上設けてもよい。
内装体をノズル本体と一体化させる際に、内装体とノズル本体との間に形成される目地にモルタルを充填したが、ノズル本体側で内装体を機械的に掛止して脱落を防止するようにすると、モルタルの使用を省略、すなわち空目地にすることができる。また、浸漬ノズルの内面側に内装体を配設したが、浸漬ノズルの他にタンディッシュの下部ノズル及び/又はスライディングノズルの各内面側にそれぞれ内装体を形成することもできる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の溶鋼の連続鋳造方法においては、骨材にドロマイトクリンカーが配合され全MgO成分の含有量が20質量%以上かつ70質量%以下の内装体が溶鋼の通過する内面側に配設された浸漬ノズルを介して、溶鋼を湾曲型連続鋳造機の鋳型内に注湯する第1工程を有するので、MgOリッチな層の背部に存在するドロマイトクリンカー中のCaOをMgOリッチな層を介して持続的に供給して溶鋼中のAl をAl −CaO系液相に変化させて溶鋼中に混入させてノズル閉塞を防止すると共に、稼動面側に形成されるMgOリッチな層により稼動面側の耐食性を向上させることができ、安定した鋳造を行うことが可能になる。
また、鋳型内に注湯された溶鋼を鋳型の外側に配置された第1の電磁撹拌装置を用いて撹拌しながら冷却し鋳型との接触面側に凝固殻を形成する第2工程と、凝固殻を湾曲型連続鋳造機のストランド内に配置した鋳片支持セグメント群で支持しながら引き抜いて散水冷却し、ストランド内の凝固殻の内部の溶鋼を凝固して鋳片を製造する第3工程とを有するので、凝固殻の表面にAl −CaO系介在物が付着するのを防止し凝固殻の表面を清浄に保ちながら凝固殻の内部の溶鋼を凝固させて鋳片を製造することができ、鋳片表層部、例えば、表層から20mmの範囲におけるAl −CaO系介在物を除去することが可能になる。
その結果、表層欠陥の少ない製品を安定して製造することが可能になる。
【0046】
特に、請求項2記載の溶鋼の連続鋳造方法においては、鋳片支持セグメント群内の鋳型の下方側から湾曲部を含む鋳片支持セグメントには少なくとも1組の第2の電磁撹拌装置が設けられて、ストランド内の凝固殻の内部の溶鋼を撹拌するので、ストランド内に存在する凝固殻の内部の溶鋼に撹拌流を形成して、自発的に浮上するAl −CaO系介在物が凝固殻の表面に捕捉されるのを防止して鋳型内に浮上するのを促進することができ、鋳片内部のAl −CaO系介在物を除去することが可能になる。
その結果、鋼板端面での発銹防止や、深絞り加工時の割れ防止が達成できる。
【0047】
請求項3記載の溶鋼の連続鋳造方法においては、浸漬ノズル内には不活性ガスが、0.1NL/分以上で15NL/分以下の流量で吹き込まれているので、湯面でのモールドパウダーの巻き込みを防止して溶鋼中のAl −CaO系介在物を除去できると共に、凝固殻の表面近傍の溶鋼中に存在するAl −CaO系介在物を捕捉して凝固殻の表面をより清浄に保つことができ、鋳片表層部におけるAl −CaO系介在物を更に除去することが可能になる。
【0048】
請求項4記載の溶鋼の連続鋳造方法においては、鋳片の鋳造速度は0.8m/分以上で2.3m/分以下であるので、鋳型内で溶鋼中のAl −CaO系介在物が自発的に浮上して除去されるのを促進することができ、溶鋼中のAl −CaO系介在物を低減させて良好な品質の鋳片を製造し、かつ鋳片の生産性を向上することが可能になる。
【0049】
請求項5記載の溶鋼の連続鋳造方法においては、内装体はMgO成分とCaO成分を除いた残差成分として0.1質量%以上かつ3質量%以下のSiO 及び0.1質量%以上かつ3質量%以下のFe の少なくとも一方を含有するので、ドロマイトクリンカー中のCaOを活性化してMgOリッチな層を介しての持続的な供給を促進することができ、溶鋼中のAl を融点の低いAl −CaO系液相に変化させることが可能になる。その結果、Al −CaO系液相を溶鋼中に混入させることが容易になって、ノズル閉塞を更に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る溶鋼の連続鋳造方法に使用する湾曲型連続鋳造機の説明図である。
【図2】浸漬ノズルの内装体にMgOリッチな層が形成されるメカニズムの説明図である。
【図3】浸漬ノズルの内装体にMgOリッチな層が形成されるメカニズムの説明図である。
【図4】鋳片表層からの距離に対する単位面積当たりの介在物個数の分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10:湾曲型連続鋳造機、11:溶鋼、12:タンディッシュ、13:下部ノズル、14:スライディングノズル、15:浸漬ノズル、16:凝固殻、17:鋳型、18:第1の電磁撹拌装置、19:鋳片支持セグメント、20:鋳片支持セグメント群、21:第2の電磁撹拌装置、22:鉄皮、23:耐火物、24:開口部、25:上部プレート、26:開口部、27:下部プレート、28:内装体、29:目地、30:ノズル本体、31:ニップル、32:多孔質耐火物、33:ガス吹き込み部、34:吐出口、35:支持ロール、36:フレーム、37:噴出口、38:モールドパウダー

Claims (5)

  1. 骨材にドロマイトクリンカーが配合され全MgO成分の含有量が20質量%以上かつ70質量%以下の内装体が溶鋼の通過する内面側に配設された浸漬ノズルを介して、溶鋼を湾曲型連続鋳造機の鋳型内に注湯する第1工程と、
    前記鋳型内に注湯された溶鋼を該鋳型の外側に配置された第1の電磁撹拌装置を用いて撹拌しながら冷却し該鋳型との接触面側に凝固殻を形成する第2工程と、前記凝固殻を前記湾曲型連続鋳造機のストランド内に配置した鋳片支持セグメント群で支持しながら引き抜いて散水冷却し、該ストランド内の前記凝固殻の内部の溶鋼を凝固して鋳片を製造する第3工程とを有することを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
  2. 請求項1記載の溶鋼の連続鋳造方法において、前記鋳片支持セグメント群内の前記鋳型の下方側から湾曲部を含む鋳片支持セグメントには少なくとも1組の第2の電磁撹拌装置が設けられて、前記ストランド内の前記凝固殻の内部の溶鋼を撹拌することを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
  3. 請求項1記載の溶鋼の連続鋳造方法において、前記浸漬ノズル内には不活性ガスが、0.1NL/分以上で15NL/分以下の流量で吹き込まれていることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶鋼の連続鋳造方法において、前記鋳片の鋳造速度は0.8m/分以上で2.3m/分以下であることを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶鋼の連続鋳造方法において、前記内装体は前記MgO成分とCaO成分を除いた残差成分として0.1質量%以上かつ3質量%以下のSiO 及び0.1質量%以上かつ3質量%以下のFe の少なくとも一方を含有することを特徴とする溶鋼の連続鋳造方法。
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