JP2005013909A - Method of treating fermented product derived from organic waste and method of producing fodder - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性廃棄物を発酵した際に得られる生成物を処理し、付加価値の高い飼料や肥料などの製造に利用する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
畜産廃棄物や生ごみなどの有機性廃棄物の処理には、嫌気的または好気的発酵法が広く採用されている。嫌気的発酵であるメタン発酵処理では、嫌気性微生物の代謝により産生されるメタンを主成分とするバイオガスを回収し、リサイクルエネルギーとして活用することが可能である(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、メタン発酵処理において生成するメタン発酵残渣は、多量の植物栄養成分を含むことから、堆肥化(好気性コンポスト化)して肥料として活用されている。
【0004】
しかし、メタン発酵残渣中には多量のアンモニア態窒素が含まれているため、発酵残渣を堆肥化する場合は、含水率や炭素/窒素比(C/N比)の調整のために、比較的多量(ともすれば発酵残渣量と同量)の副資材が必要となる。また、一般的に堆肥ヤードも例えばメタン発酵施設部分の10倍以上という大きな面積を要するため、メタン発酵処理を行う諸利点の多くが失われてしまうのが実情であった。さらに、堆肥中に含まれるアンモニア態窒素が多すぎると、散布された土壌中でアンモニアが硝酸や亜硝酸に変化することにより、地下水汚染を引き起こすという問題も指摘されている。
【0005】
また、鶏糞などの含水率の少ない有機性廃棄物は、直接好気的に発酵させ、堆肥化する処理も行われている。この好気的発酵による堆肥化では、大量のアンモニアガスが生成するが、その利用は図られておらず、脱臭装置を設けない場合は、むしろ異臭など周辺環境への影響が懸念されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−331701号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、有機性廃棄物に含まれる炭素分については、メタン発酵によりバイオガスとして回収され、エネルギーとして有効利用する途が拓かれつつあるが、窒素分については、農地の窒素過多が問題となっているにもかかわらず、肥料成分としての利用以外には殆ど用途が開発されていない現状にある。
【0008】
本発明の課題は、有機性廃棄物を発酵処理することによって生成するアンモニアを回収するとともに、これを有効利用して付加価値の高い肥料や飼料を製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、有機性廃棄物を好気的または嫌気的に発酵させる発酵工程と、発酵によって生成するアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、を含むことを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法である。
【0010】
この発明によれば、有機性廃棄物中の窒素分をアンモニアとして有効利用することが可能となる。つまり、回収されたアンモニアは例えば飼料製造などの過程で使用可能であるため、肥料成分としての活用が主であった有機性廃棄物中の窒素分について、従来とは全く異なる用途で利用する途が開かれる。また、アンモニア態窒素が分離された発酵後の有機性廃棄物は、窒素過多が解消されて肥料原料として扱いやすいものとなっている。
【0011】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様において、前記発酵工程では、嫌気的に発酵を行い、生成したバイオガスを回収することを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法である。この第2の態様によれば、第1の態様の作用効果に加え、有機性廃棄物を嫌気的に発酵させ、生成するバイオガス(メタンを主成分とするガス)を回収することにより、燃料等として有効利用できる。つまり、有機性廃棄物に含まれる炭素成分については、バイオガスとして取出しエネルギー資源として活用することが可能である。
【0012】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記アンモニア回収工程では、アンモニアを含有する発酵液を蒸発濃縮してアンモニアを分離することを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法である。この第3の態様によれば、第2の態様の作用効果に加え、発酵液を蒸発濃縮してアンモニアを分離することにより、アンモニアの回収と発酵液の減量とを同時に行うことができるので、効率よく発酵産物の処理および利用を図ることが可能になる。
【0013】
本発明の第4の態様は、前記第2または第3の態様において、前記バイオガスを燃料として、ガスエンジン、温水ボイラー、蒸気ボイラー、ガスタービンまたは燃料電池から選ばれる熱放出型装置を稼動させるとともに、前記熱放出型装置から得られる熱を、前記発酵工程または前記アンモニア回収工程において熱源として利用することを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法である。この第4の態様によれば、前記第2または第3の態様の作用効果に加え、バイオガスをガスエンジン、燃料電池等の熱放出型装置の燃料として用い、廃棄物資源から電力や熱を回収するとともに、回収した熱を、発酵工程やアンモニア回収工程で利用することによって、エネルギー効率が極めて高いプロセスを構築できる。
【0014】
本発明の第5の態様は、前記第1の態様において、前記発酵工程では、好気性下で発酵を行いアンモニアガスを生成させ、前記アンモニア回収工程では、生成したアンモニアガスを気液接触させて液体中に吸収させることを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法である。
【0015】
この第5の態様によれば、前記第1の態様と同様の作用効果に加え、発酵により発生するガス状のアンモニアを液体中に吸収させることにより、アンモニア濃度を高めた状態で回収することができる。
【0016】
本発明の第6の態様は、前記第1から第5の態様のいずれか1つにおいて、アンモニア分離後の発酵残渣を肥料化することを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法である。この第6の態様によれば、前記第1から第5の態様の作用効果に加え、アンモニア分離後の発酵残渣は、通常問題になっている窒素過多の状態を改善することができるため、液肥として畑等に散布できるようになる。この液肥は、硝酸・亜硝酸による地下水汚染抑制の点でも特に有利に使用することができる。
【0017】
本発明の第7の態様は、前記第1から第6のいずれか1つの有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法により回収されたアンモニアを、飼料原料と接触させるアンモニア処理工程を含むことを特徴とする、飼料の製造方法である。
【0018】
この第7の態様の飼料の製造方法によれば、アンモニア処理により、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などの繊維質が加安分解され、消化吸収しやすくなるとともに、粗蛋白価が増加するため、付加価値の高い飼料を製造することができる。
【0019】
すなわち、アンモニア処理した穀物葉茎などの飼料原料は、セルロースやヘミセルロースにアンモニアが作用して加安分解が起こり、さらにアミノ化された分解物からアミノ酸重合体が形成される。従って、高消化性繊維および全溶解性窒素量が増加し、粗蛋白価が高く、家畜の食欲向上や肉質改善効果に優れた飼料となる。このように、第7の態様によれば、有機性廃棄物に含まれる窒素分を、アンモニアの形態で取出し、従来とは異なる飼料製造という新しい用途に利用することが可能になる。
【0020】
また、飼料の高付加価値化に廃棄物由来のアンモニアを利用することにより、工業用薬品のアンモニアを使用する場合に比べて格段に低コストで飼料製造が可能となる。
【0021】
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記アンモニア処理工程の前に、回収されたアンモニアを濃縮するアンモニア濃縮工程を含むことを特徴とする、飼料の製造方法である。この第8の態様によれば、第7の態様の作用効果に加え、アンモニア濃縮を行うことにより、より高濃度のアンモニアで飼料原料を処理することが可能となり、アンモニア処理の効率を高めることができる。
【0022】
本発明の第9の態様は、第2または第3の態様の方法により回収されたアンモニアを、飼料原料と接触させるアンモニア処理工程を含み、前記バイオガスを燃料として、ガスエンジン、温水ボイラー、蒸気ボイラー、ガスタービンまたは燃料電池から選ばれる熱放出型装置を稼動させるとともに、前記熱放出型装置から得られる熱を利用し、前記アンモニア処理工程を加熱条件で行うことを特徴とする、飼料の製造方法である。この第9の態様によれば、アンモニア処理により、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などの繊維質が加安分解され、消化吸収しやすくなるとともに、粗蛋白価が増加するため、付加価値の高い飼料を製造することができる。しかも、バイオガスをガスエンジン、燃料電池等の熱放出型装置の燃料として用い、廃棄物資源から電力や熱を回収するとともに、回収した熱を、アンモニア処理工程で利用することによって、飼料製造の効率を高めることが可能となる。また、プロセス全体のエネルギー効率も極めて高いものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
<プロセスの概要>
本発明の有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法は、有機性廃棄物を好気的または嫌気的に発酵させる発酵工程と、発酵によって生成するアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、を行うことによって実施される。
【0024】
嫌気的発酵の場合、発酵液中に含まれるアンモニアの回収は、例えば、発酵液のpHを変化させて、アンモニアを蒸散分離させる方法、あるいは、発酵液を蒸発濃縮して凝縮水とともにアンモニアを分離する方法、などにより行うことができる。
【0025】
好気的発酵の場合、発酵過程でアンモニアはガス化して揮発するため、発酵物(有機性廃棄物)との分離は容易であり、ガス化したアンモニアは気液接触により液体中に回収できる。
【0026】
以上のようにして回収されたアンモニアは、例えば、穀物葉茎などの飼料原料のアンモニア処理に使用できる。すなわち、本発明の飼料の製造方法は、有機性廃棄物の発酵産物として回収されたアンモニアを飼料原料と接触させることにより実施される。飼料の製造過程でアンモニアを利用することにより、高消化性繊維および全溶解性窒素量が増加し、粗蛋白価が高く、家畜の食欲向上や肉質改善効果に優れた飼料が得られる。
【0027】
また、アンモニア分離後の発酵物(メタン発酵残渣、その濃縮物、好気発酵の発酵物)は、これを肥料化することにより、リン、カリウムと比較して窒素含有量のバランスをとった肥料として活用できる。
【0028】
さらに、嫌気的発酵の場合、発酵過程で生成するバイオガスを燃料として、アンモニアの回収、発酵液の蒸発濃縮、飼料製造(アンモニア処理)における熱量を供給する。
【0029】
<有機性廃棄物>
本発明において有機性廃棄物とは、例えば、畜産廃棄物や緑農廃棄物、排水処理汚泥などが挙げられる。ここで畜産廃棄物としては、家畜の糞尿や、屠体および/またはその加工品が挙げられ、より具体的には牛、羊、山羊、ニワトリ等の家畜の屠体、そこから分離された骨、肉、脂肪、内蔵、血液、脳、眼球、皮、蹄、角などのほか、例えば肉骨粉、肉粉、骨粉、血粉などに代表される、家畜屠体の骨、肉等を破砕した破砕物や、血液などを乾燥した乾燥物も含まれる。また緑農廃棄物には、家庭の生ごみのほか、産業廃棄物生ごみとして、農水産業廃棄物、食品加工廃棄物等が含まれる。
【0030】
<発酵工程>
本発明プロセスにおいて、発酵工程は、嫌気的または好気的に実施することが出来る。
(1)メタン発酵(嫌気的発酵):
メタン発酵に先立ち、原料となる有機性廃棄物の状態により、必要に応じて前処理として破砕・分別工程を実施することができる。破砕・分別工程は、例えば、以下に示すような分別破砕、あるいは全量破砕により行うことができる。
分別破砕の場合は、破砕分別機を用い、有機性廃棄物の中で容易に破砕可能な部位を液と共にスラリーとして回収する。一方、破砕しにくい部位は塊状物として別途収集する。スラリーの含水率は、70〜90重量%、塊状物の含水率は40〜60重量%程度である。破砕分別機は、有機性の固形物をせん断力、引っ張り力によって破砕するもので、カッター部分は2軸式または3軸式のものが利用できる。牛などの動物屠体を原料とする場合は、3軸式で破砕処理する方が破砕の細かさや均一性の観点から好ましい。
【0031】
選別除去すべき混入プラスチック類、シート類などは、メッシュによる選別、風選(風力による選別)などで除去することができる。
【0032】
また、全量粉砕の場合は、例えばディスポーザー等の破砕機を使用して全対象物を破砕する。含水率は、一例として60〜70重量%であるが、加工品の場合は広い範囲をとる。
【0033】
メタン発酵は、いわゆる中温型、高温型、またスラリー(湿式)型、ドライ(乾式)型のいずれのタイプでも適用可能である。
【0034】
発酵槽は、絶対嫌気性のメタン発酵菌による活動を維持するために、二槽方式をとる発酵プロセスの場合も、後段においては空気を完全に遮断したタンクにより構成される。発酵槽は固形物濃度(通常3〜40重量%の範囲)と発酵温度(通常、中温発酵では37℃、高温発酵では55℃)によって、形状や運転条件が異なってくる。例えば、洗浄廃水が混合したりして高含水率になった原料(固形物濃度10重量%まで)の場合は湿式型の完全混合方式の発酵槽、低含水率の原料(固形物濃度30〜40重量%)の場合は、いわゆる乾式型のプラグフロー式(押出し式)の発酵槽を用いることが好ましい。
【0035】
発酵槽には、生成するバイオガスを回収するための回収手段のほか、必要に応じて保温のための加熱手段を設けておくことが好ましい。また、バイオガスの回収手段には、必要に応じて脱硫装置を設けることもできる。これらは既知の構成のものを利用できる。
【0036】
高含水率の原料(固形物濃度を10重量%程度まで)の場合は、完全混合方式の発酵槽を用い、高温メタン発酵菌(至適温度55℃)では、滞留時間(Retention Time)を15日間程度、中温メタン発酵菌(至適温度37℃)では、滞留時間を20〜30日間程度とすることが可能である。
【0037】
低含水率の原料(固形物濃度30〜40重量%)の場合は、被処理物の固形分濃度を30〜40重量%にして押出し式の発酵槽を使用できる程度の固さに調整する。滞留時間については、高含水率の場合と同様に設定することができる。また、C/N比の調整のために、必要に応じて若干の有機成分を導入することもできる。
【0038】
高含水率型のメタン発酵後の発酵残渣は、例えば水分含有率95重量%、固形分5重量%程度を含む液体であり、嫌気性微生物の菌体およびその代謝産物に由来する各種のアミノ酸や有機酸などを多量に含んでいる。
【0039】
メタン発酵後に必要に応じて発酵残渣の固液分離工程を設けることができる。後に続くアンモニア回収工程で濃縮を行う場合、要するエネルギー消費を抑える上では、固液分離を行い初発水分量を減じておくことが好ましい。固液分離は、例えばデカンター、凝集沈殿槽、遠心脱水機、スクリュープレス、膜分離器など、スラリー濃度を高めることが可能な装置を利用可能であり、発酵残渣の性状に応じて選択される。
【0040】
以上のメタン発酵において、発酵により生成するバイオガスは、有機性廃棄物の種類により異なるが、通例メタンを60重量%程度、二酸化炭素を40重量%程度含んでいるため、例えばガスエンジン、温水ボイラー、蒸気ボイラー、ガスタービン、燃料電池等の熱放出型装置の燃料として利用できる。ここで、熱放出型装置には、温水ボイラー、蒸気ボイラーのように熱交換を主目的とする装置のほか、ガスエンジン、ガスタービン、燃料電池など電力発生を主目的とし、副次的に熱を発生する装置が含まれる。これらの中でも、特に、ガスエンジン、ガスタービン、燃料電池などによるコージェネレーションシステムを採用することにより、バイオガスを燃料として熱と電力を回収することができる。
【0041】
バイオガスを燃料として熱放出型装置で回収された熱は、例えば蒸気の形態で供給され、メタン発酵槽の加温や発酵液の濃縮、後述するアンモニア回収工程における濃縮装置の加温、飼料製造の際の加温などの熱源として利用される。
【0042】
また、発酵槽や濃縮装置においては、真空ポンプなどの減圧装置、攪拌装置などの動力として電力を消費するが、このときの電力の全てをコージェネレーションによる電力で賄うことが可能であり、余剰の電力は他の用途に転用できる。
【0043】
(2)好気的発酵:
有機性廃棄物が鶏糞などの場合は、好気的条件で静置し、発酵させることにより堆肥化することができる。必要に応じて、発酵は複数の段階に分けて実施できる。この過程でガス状のアンモニアが多量に生成するため、発酵槽にはアンモニア回収のための排気装置を設けて回収する。
【0044】
<アンモニア回収工程>
(1)発酵液中のアンモニアの回収(メタン発酵の場合):
蛋白質等の窒素を含有する物質を原料とするメタン発酵液中には、数%以上の濃度の多量のアンモニアが含まれることもある。メタン発酵の発酵液からアンモニアを回収する方法は、特に限定されるものではないが、以下に例示する方法が好ましい。
【0045】
▲1▼pH調整によるアンモニア分離(嫌気的発酵の場合):
メタン発酵工程で得られる発酵液のpH調整を実施することによるアンモニアストリッピングである。具体的には、発酵液に、例えばアルカリ性物質を添加してpHを変化させ、アンモニアを放散させ、それを液中にトラップして濃アンモニア水として回収する。この方法は、発酵液のpH変化を利用してアンモニアを放散させるという簡易な手段であるため、大掛りな設備も要しない。
【0046】
発酵液に投入するアルカリ性物質としては、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば消石灰、苛性ソーダなど)を用いることができる。発酵液のpHは8以上に調整することが好ましい。
【0047】
アンモニアストリッピングに際しては、アンモニアの放散を促進するため、加温および/もしくは減圧条件で行うか、または発酵液のエアレーションを行うことが好ましい。アンモニアストリッピングは、例えば、スプレー方式、棚段方式、充填層方式等の塔類、膜分離装置、エアレーションタンク等によって行うことができる。
【0048】
▲2▼蒸発濃縮によるアンモニア分離(嫌気的発酵における発酵液から回収する場合)
メタン発酵残渣を、蒸発濃縮することによって、効率よくアンモニアを回収することができる。
【0049】
蒸発濃縮は、既知の蒸発濃縮装置を使用して行うことができるが、本発明においては、特に多重効用方式の濃縮装置を用いて減圧下で行うことが好ましい。多重効用方式の濃縮装置としては、二重効用缶、三重効用缶など既知の構成の装置を使用可能である。これによって比較的低い温度での蒸発が可能になり、エネルギー効率が著しく高められる。多重効用缶では、単一の蒸発缶による濃縮装置と比較して、所要熱量を数分の一まで低減できる。
【0050】
また、多重効用缶方式の濃縮装置においては、各缶を接続する蒸気導入経路上にスチームコンプレッサーを備えたものが好ましい。スチームコンプレッサーによりスチームの持つエネルギーを再度高めて使用することにより、熱効率が改善され濃縮効率が向上する。
【0051】
濃縮を実施することによって、含水率90重量%以上の発酵残渣の含水率を60〜70重量%まで低下させ、液量を25〜35%にまで減容することができる。蒸発濃縮の過程で、蒸発しやすいアンモニアは発酵液から容易に分離されるので、凝縮水とともに回収することが可能となる。また、蒸発濃縮により、有機性廃棄物由来の菌体や雑草種子などを不活性化できることが確認されている。例えば、ヒトに対する病原性細菌やウィルスは、6〜7時間の高温発酵槽内滞留で不活性化させることができるが、ブタパルボウィルス属などはメタン発酵では不活性化せず残存する。しかし、濃縮工程により、これらのウィルスをほぼ完全に死滅させることができる。また、雑草種子についても、濃縮工程で不活性化できる。
【0052】
多重効用方式等による濃縮には、加熱源としての燃料を確実に入手できることが前提になる。本発明プロセスにおいては、前記熱放出型装置でバイオガスを燃料として生成した熱を、例えば蒸気の形態で濃縮装置に供給し、濃縮装置の熱源として利用することが可能である。バイオガスを燃料として発生する熱量は、濃縮装置の熱源として利用しても余りあるので、これによってプロセス全体のエネルギー的自立が可能になる。
【0053】
アンモニア分離後の発酵残渣は、窒素分が減少しており、C/N比が改善された分だけ、土壌は窒素過多の状態になり難い。従って、濃縮工程で濃縮された発酵残渣の濃縮物は、そのまま液肥として使用することができるが、乾燥して粉末肥料にしたり、あるいはペレット状に成形して粒状肥料にしたりすることも可能である。
【0054】
また、発酵残渣の濃縮物に、水分含有率がおよそ70重量%を下回る程度(例えば、水分含有率40〜65重量%、好ましくは50〜60重量%)まで濃縮すると、有機酸・アミノ酸など(特に酢酸をはじめとするカルボン酸類)の濃度が高くなって腐敗や変質を起こし難い状態になってくる。通常、濃縮しない状態のメタン発酵残渣は、常温で放置すると数日で好気性細菌やかびが発生して腐敗を引き起こすが、本発明プロセスで得られる高度濃縮物は、常温でも6ヶ月以上十分に保管できる。また、濃縮によって体積が1/10以下に減容しているので、そのまま液体肥料として、あるいは乾燥肥料の原料として容易に流通させることもできる。
【0055】
さらに、発酵残渣の濃縮物中には、有機酸などの有価物が多量に含まれているので、これらを単離、精製することによって化学製品として利用できる。有価物の具体例としては、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などのオキシカルボン酸、トリプトファン、グリシンなどのアミノ酸などが挙げられる。これらの有価物は、濃縮物中に発酵残渣と比較して数十倍に濃縮された状態で存在する。また、0.1%程度、もしくはそれ以下の低濃度ではあるがビタミン類(VB12、VB11)なども含有される。
【0056】
(2)ガス状アンモニアの回収(好気的発酵の場合):
好気的発酵におけるアンモニアの回収は、前記したように発酵槽(堆肥化設備)にアンモニア回収のための排気装置を設け、アンモニア回収装置で気液接触させて液中にトラップすることにより、容易に回収することができる。
【0057】
<アンモニア濃縮工程>
上記アンモニア回収工程で得られるアンモニアの濃度が低い場合は、濃縮を行い、後述するアンモニア処理に適した濃度にすることが好ましい。アンモニアを濃縮する場合は、例えば、電気透析法、あるいは逆浸透法を用いて、液中濃度を例えば20重量%程度まで濃縮することが可能である。また、例えばU字管、濡れ壁塔、スプレー塔、バブリング塔などの気液接触手段を用いて濃縮を行うことも可能である。なお、メタン発酵残渣を蒸発濃縮する場合は、酢酸、プロピオン酸などの有機酸が凝縮水中に混入している場合が多いので、これらを同時に除去可能な電気透析で濃縮することが好ましい。
【0058】
<飼料の製造(アンモニア処理)>
アンモニア処理(アンモニアの長時間曝気)は、常温から加温条件において、飼料原料の乾物重量あたり、例えば1〜3重量%程度のアンモニアを添加することにより行われる。この処理は、密閉室あるいは密閉容器(例えば、袋状の軟質樹脂シート内)などで行うことができる。アンモニア処理の期間は、概ね20〜30日間程度とすることが好ましい。
【0059】
穀物の葉茎(例えば、藁類や半乾燥牧草など)をアンモニア処理することによって、飼料としての消化性、栄養価及び家畜の嗜好性が向上するとともに、保存時の品質も維持される。藁類の主成分であるセルロース、ヘミセルロース及びリグンなどは、互いに複雑に絡み合い、硬い組織を作って、微生物や酸素では分解されにくい組織を形成している。これにアンモニアを作用させると、加安分解(架橋結合の開裂などの分解反応と窒素が添加される反応)などが起って、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などが、消化吸収されやすくなり、粗蛋白価が高く、付加価値の高い飼料になる。
【0060】
すなわち、アンモニア処理によって、穀物葉茎などの飼料原料では、セルロースやヘミセルロースにアンモニアが作用して加安分解が起こり、さらにアミノ化された分解物からアミノ酸重合体が形成される結果、消化吸収性の向上と粗蛋白価の増加が起こる。
【0061】
アンモニア処理の効果を数値的に示す方法としては、例えば、ア)高消化性繊維の低消化性繊維に対する割合の増加、イ)全溶解性窒素量の増加など、を測定する方法がある。良好なアンモニア処理を行えば、上記ア)、イ)の数値を未処理品の2倍以上にすることも可能である。
【0062】
本発明の飼料製造方法では、高付加価値を持つ飼料を作る際のアンモニアとして、有機性廃棄物の堆肥設備から発生するガス中、あるいは嫌気性発酵設備の発酵残渣中からアンモニアを取出し、必要に応じ濃縮したものを使用する。このように、有機性廃棄物からアンモニアを回収することによって、工業薬品のアンモニアを使用する場合に比べて、アンモニア処理のコストを格段に低減することが可能となる。
【0063】
アンモニア処理においては、回収アンモニアの濃度が10重量%程度である場合、穀物葉茎類に対する効果を充分に得るためには、常温(外気温)よりは、例えば40℃程度の加熱条件で処理することが好ましい。加熱によって反応速度が上がり、10重量%以下〜数重量%程度の比較的薄いアンモニア溶液でも、充分にアンモニア処理の効果を得ることができる。アンモニア処理時の加熱温度範囲は、好ましくは20℃から60℃程度である。加熱に要する熱源は、嫌気性発酵の場合、前記したようにバイオガスのコージェネレーションシステム等から供給することができる。また、太陽熱を利用することも有効な方法である。
【0064】
以下、図面に基づき本発明の好ましい実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロセスの概要を示すブロック図である。このプロセスでは、有機性廃棄物としての牛糞尿と生ごみから、発酵産物の処理と連携して飼料製造を行う例を挙げる。
【0065】
まず、生ごみを、生ごみホッパーから破砕分別機に導入し、破砕後、ペースターで発酵しやすい形態にペースト化する。この過程で発酵不適物としての金属やビニールなどを取り除いておく。次に、牛糞尿受槽に貯留しておいた牛糞尿と、ペースト化された生ごみを混合槽に投入し、十分に混合する。
【0066】
混合された発酵原料は、メタン発酵槽に投入し、前記した条件で嫌気的に発酵を行う。発酵過程で生成したバイオガスは、脱硫塔に導入し、硫化水素などを除去することによって、精製バイオガスとする。なお、本実施形態では、発酵液を利用して生物脱硫処理を行うため、後記するエアレーションタンクの発酵液を脱硫塔に供給し循環させるようにした。
【0067】
発酵が完了したら、発酵液を発酵槽から抜出し、調整槽に移す。調整槽では、pH調整剤を添加し、発酵液のpHを8以上に調整する。このpH変化により、発酵過程で発酵液中に蓄積されたアンモニアが放散されやすい状態となる。本実施形態では、pH調整後の発酵液をエアレーションタンクに移し、アンモニアの放散を促すために、液中にブロアで空気を導入する。
【0068】
エアレーションにより生成する放散アンモニアを含む空気は、アンモニアトラップ処理(例えば、U字管、濡れ壁塔、スプレー塔、バブリング塔などの気液接触手段を用いてアンモニアを水に吸収させる)することで、アンモニア溶液として回収される。図1中、破線で示すように、回収したアンモニア溶液の濃度が薄い場合は、濃縮装置を使用して所定濃度まで濃縮を行うことができる。濃縮装置としては、前記アンモニアトラップと同様の気液接触手段を使用することができるほか、例えば逆浸透膜、電気透析装置なども使用できる。また、放散アンモニア含有空気を直接吸湿した稲わらに接触させて、稲わらにトラップさせる方法も好ましい。
【0069】
アンモニア処理による飼料製造は、以上の如くして得られたアンモニア溶液を、穀物葉茎を充填したアンモニア処理槽に導入し、所定時間接触させることにより行う。これにより、消化吸収性に優れ、粗蛋白価が高い飼料が得られる。
【0070】
一方、アンモニア放散後のエアレーションタンク内の発酵残渣は、固液分離機に導入し、液分は水処理設備で浄化した後に放流し、固形分は堆肥設備で肥料化し農地還元する。ここで得られる肥料は、通常のメタン発酵液由来の肥料に比べ、窒素分が少なく、C/N比が良好な肥料となる。
【0071】
図2は、第1実施形態の応用例であり、図1と同様のプロセスに、バイオガスを利用したコージェネレーションシステムを付加したものである。なお、図2においては図1と同様の構成は図示を省略し、相違部分のみを示している。
【0072】
本実施形態では、図1と同様の処理により、脱硫塔で精製したバイオガスをガスエンジンに導入し、発電を行うとともに、ガスエンジンで発生した余剰熱を利用してアンモニア処理槽を加温する。具体的には、ガスエンジンとアンモニア処理槽とを温水循環ラインで結び、アンモニア処理槽を加温する。これにより、アンモニア処理の効率を上げ、処理期間を短縮できる。
【0073】
またガスエンジンで発生した電力は、発酵工程(メタン発酵槽など)やアンモニア回収工程(ブロアなど)、アンモニア濃縮工程(濃縮装置など)の動力源として利用できる。
【0074】
図3も、第1実施形態の応用例であり、図1と同様のプロセスに、バイオガスを利用したコージェネレーションシステムとして、ガスタービンを付加したものである。なお、図3においては図1と同様の構成は図示を省略し、相違部分のみを示している。
【0075】
図3のプロセスでは、ガスタービンを使用するため、第2実施形態より高温の熱水が得られる。従って、ガスタービンとアンモニア処理槽とを熱水循環ラインで結び、アンモニア処理槽をより高い温度まで加熱することが可能になり、アンモニア処理の効率をさらに向上させ得る。また、ガスタービンで発生した電力は、発酵工程(メタン発酵槽など)やアンモニア回収工程(ブロアなど)、アンモニア濃縮工程(濃縮装置など)の動力源として利用できる。
【0076】
図4は、本発明の第4実施形態に係るプロセスの概要を示すブロック図である。このプロセスは、第1実施形態と異なり、アンモニア回収工程において、多重効用缶方式(ここでは、三重効用缶)の蒸発濃縮装置を使用している。多重効用缶方式の蒸発濃縮装置を用いることにより、発酵液中のアンモニアを高効率で分離回収できると同時に、発酵残渣を減量できるので、堆肥化も非常に容易になる。
【0077】
図4のプロセスでは、有機性廃棄物としての豚糞尿などから、発酵産物の処理と連携して飼料製造を行う例を挙げる。豚糞尿受入槽に貯留しておいた豚糞尿を前処理槽に導入し、所要の前処理を実施した後、メタン発酵槽に移し、前記した条件で嫌気的に発酵を行う。発酵過程で生成したバイオガスは、脱硫塔(ここでは図示せず)に導入し、硫化水素などを除去することによって、精製バイオガスとする。
【0078】
発酵が完了したら、発酵液を発酵槽から抜出し、固液分離機に移す。分離された固形分は、堆肥設備に移し、肥料化する。一方、液分は、三重効用缶式の蒸発濃縮装置に導入し、水分を蒸発させ濃縮する。本実施形態では、蒸発濃縮の熱源として、メタン発酵工程で回収されたバイオガスを燃料とした蒸気ボイラーの蒸気を使用する。これにより、エネルギー効率良くプロセスを実施できる。
【0079】
蒸発濃縮の過程では、アンモニアも蒸発するため、凝縮器で捕集し、凝縮水として回収する。アンモニア含有凝縮水は、濃縮装置としての電気透析装置により濃縮し、濃縮アンモニア水を得る。
【0080】
以上の如くして得られた濃縮アンモニア溶液を、穀物葉茎を充填したアンモニア処理槽に導入し、所定時間接触させることにより飼料製造を行う。ここで、アンモニア処理は、蒸気ボイラーの蒸気を利用して加熱条件で実施できる。一方、三重効用缶式の蒸発濃縮装置で分離された濃縮物は、前記堆肥設備に移し、肥料化する。
【0081】
図5は、本発明の第5実施形態に係るプロセスの概要を示すブロック図である。このプロセスでは、三重効用缶へ供給する蒸気として、バイオガスを燃料とする蒸気ボイラーの熱(蒸気)だけでなく、同様にバイオガスを燃料とする固体電解質型燃料電池から発生する蒸気も利用するようにした。他の構成は、第4実施形態(図4)と同様である。
【0082】
固体電解質型燃料電池は、発生する熱を蒸気として取出すことが可能であるため、蒸発濃縮装置の熱源としての利用に適しており、コージェネレーションシステムとして本発明プロセスに組み込むことにより、エネルギー効率を高めることが可能になる。また、固体電解質型燃料電池からの蒸気は、アンモニア処理の加熱にも利用できる。固体電解質型燃料電池で発生した電力は、発酵工程(メタン発酵槽など)やアンモニア回収工程(三重効用缶など)、アンモニア濃縮工程(電気透析装置など)の動力源として利用できる。
【0083】
図6は、本発明の第6実施形態に係るプロセスの概要を示すブロック図である。このプロセスでは、好気的発酵により有機性廃棄物としての鶏糞を堆肥化するとともに、アンモニアを回収して飼料製造に利用する例を挙げる。
【0084】
本実施形態では、鶏糞を1次発酵槽(鶏糞堆肥舎)に導入し、好気的条件で発酵させる。この段階で、鶏糞中に含まれるアンモニアが蒸散するので、1次発酵槽に排気設備を設け、アンモニア含有空気を取出す。1次発酵槽から取出したアンモニア含有空気は、アンモニア回収装置に導入し、アンモニア水として回収する。アンモニア回収装置としては、前記と同様の気液接触手段(U字管、濡れ壁塔、スプレー塔、バブリング塔など)を利用することができる。
【0085】
得られたアンモニア水は、濃縮装置としての逆浸透装置にかけて、所定濃度まで濃縮する。濃縮アンモニア水は、稲わらなどの穀物葉茎を充填したアンモニア処理槽に導入し、アンモニア処理を実施する。
【0086】
一方、1次発酵槽から取出した発酵鶏糞は、2次発酵槽に移し、ここで発酵を完成させ堆肥化する。
【0087】
本実施形態では、鶏糞のように含水量が少なく、窒素分の多い有機性廃棄物について、好気的発酵を行うことによって、アンモニアをガス化して分離、回収し、飼料製造に利用する。例えば、鶏糞堆肥設備から好気的発酵により発生するガス中のアンモニア濃度は1%程度に達することもあり、これをアンモニア回収装置でトラップして濃縮アンモニア水として回収することによって、飼料原料のアンモニア処理に使用可能な濃度にすることができる。このような方法を用いれば、ppmレベルのアンモニア含有ガスでも10重量%程度のアンモニア濃縮液として回収することが可能になる。
【0088】
図7は、本発明の第7実施形態に係るプロセスの概要を示すブロック図である。このプロセスは、図1のエアレーションタンクに代えて減圧放散装置を用いる以外は、第1実施形態と同様に実施できる。このように、pH調整後のメタン発酵液を減圧にすることによっても効率よくアンモニアを分離、回収することができる。また、エアレーション(第1実施形態)や減圧放散(第7実施形態)に変えて、またはこれらの操作に加えて、発酵液を加温することにより、さらにアンモニアの回収効率を高めることができる。
【0089】
【実施例】
次に、実施例、試験例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって制約されるものではない。
【0090】
実施例1
図1のプロセスに従い、有機性廃棄物からアンモニアの回収と飼料製造を実施した。牛糞尿3t/日、摩砕した事業系生ゴミ1t/日を高温(約55℃)メタン発酵槽に投入し、平均滞留日数15日間の発酵処理を行った。発酵残渣である発酵液は約4t/日を引き抜き、遠心法による固液分離後、液側にアルカリ成分として水酸化カルシウムを添加してpH9に調整し、エアレーションによってアンモニアを放散させた。
【0091】
放散アンモニアを含む空気を、アンモニア回収装置としての冷却U字管を通して約5重量%のアンモニア水として回収した。このアンモニア水を再度、加熱放散、冷却U字管にてトラップし、約15重量%のアンモニア水とした。これを稲藁を充填した容器に移し、約1ヶ月間放置して窒素含有の稲藁飼料とした。なお、本実施例では、アンモニア処理の達成を、飼料の全溶解性窒素量及び高消化性繊維の量が共に処理前の2倍以上であることを基準として判断した。
【0092】
アンモニアを放散した発酵液は一部をバイオガスの生物脱硫装置の循環液として使用すると共に固液分離して液側を水処理して放流、固形分を堆肥設備で堆肥として農地還元した。
【0093】
実施例2
図2のプロセスに従い、上記実施例1において生物脱硫装置を通して精製したバイオガスをガスエンジンにてコージェネレーション燃料として使用した。得られた電力をメタン発酵工程、アンモニア回収工程およびアンモニア濃縮工程の動力源として利用した。また、ガスエンジンにより発生する熱(温水、約70℃)を、稲藁を充填したアンモニア処理容器内を加温する熱源として使用した。その結果、アンモニア処理期間(稲藁のN/C重量比が0.03以上になるまでの期間)は約20日間に短縮された。
【0094】
実施例3
図3のプロセスに従い、上記実施例2において、ガスエンジンに替えてガスタービンを使用し、約90℃の熱水をアンモニア処理容器加熱コイル(熱水配管)に供給した。その結果、稲藁のアンモニア処理期間は約10日に短縮された。また、麦稈についても同様に実施したところ、アンモニア処理を20日で行うことができた。
【0095】
実施例4
図4のプロセスに従い、有機性廃棄物からアンモニアの回収と飼料製造を実施した。豚糞尿10t/日を約30日間かけて中温(約37℃)でメタン発酵処理した。得られた発酵液は、固液分離後、三重効用缶方式の蒸発濃縮装置により蒸発濃縮した。ここでは、バイオガスを燃料とする蒸気ボイラーの蒸気を熱源とした。
【0096】
蒸発により得られた凝縮水中のアンモニア(濃度約1%)は、濃縮装置としての電気透析装置を用いて陰極側に濃縮した。得られた濃縮アンモニア水(約20%)を密閉室内で稲藁、麦稈に作用させた。また、蒸発濃縮による発酵残渣は肥料として堆肥化して農地還元した。
【0097】
実施例5
図5のプロセスに従い、有機性廃棄物からアンモニアの回収と飼料製造を実施した。上記実施例4において、蒸気ボイラーに加えて、バイオガスの一部を固体電解質型の燃料電池にも導入し、電力と蒸気を回収した。ここでコージェネレーションによって蒸気を回収することにより、蒸発濃縮装置(三重効用缶)の熱源として、燃料電池からの蒸気を有効利用できることが明らかになった。なお、単なる温水、熱水では三重効用缶での所要温度レベルを賄うには不充分であることから、コージェネレーションによる熱量の供給はプロセス全体のエネルギーの効率化を図る上で有効である。
【0098】
実施例6
図6のプロセスに従い、有機性廃棄物からアンモニアの回収と飼料製造を実施した。鶏糞の堆肥化装置から発生するアンモニア含有空気(アンモニア濃度約5,000ppm)を実施例1においてアンモニア回収に使用したものと同様の冷却U字管に通し、約5%のアンモニア水溶液を回収した。これを、逆浸透装置を用いてアンモニア濃度約20%の濃縮液として、実施例1と同じ方法で稲藁、麦稈のアンモニア化を20日間行い、消化率及び溶解性窒素含有量について基準を満たす飼料を得た。
【0099】
実施例7
図7のプロセスに従い、有機性廃棄物からアンモニアの回収と飼料製造を実施した。ここでは、エアレーションの代わりに、発酵液を減圧容器に導き、アンモニアを放散させた以外は上記実施例1と同様に実施した。減圧により放散してきたアンモニア濃度は、約500ppmと実施例1の場合に比べてかなり低かったため、30日のアンモニア化処理の後、再度、該放散ガスを稲藁充填容器に導いてアンモニア処理を実施した。つまり、30日のアンモニア処理を二回行った。得られた飼料は、実施例1とほぼ同質であった。
【0100】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
【0101】
【発明の効果】
本発明の有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法によれば、有機性廃棄物の発酵過程で生成するアンモニアを回収することにより、有機性廃棄物中の窒素分を有効利用することが可能となる。つまり、アンモニアとして回収された窒素分は、飼料製造などの過程で使用可能であるため、従来とは全く異なる用途で利用する途が開かれる。
【0102】
また、本発明の飼料の製造方法によれば、アンモニア処理により、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などの繊維質が加安分解され、消化吸収しやすくなるとともに、粗蛋白価が増加するため、付加価値の高い飼料を製造することができる。
【0103】
すなわち、アンモニア処理した穀物葉茎などの飼料原料は、セルロースやヘミセルロースにアンモニアが作用して加安分解が起こり、さらにアミノ化された分解物からアミノ酸重合体が形成される。従って、高消化性繊維および全溶解性窒素量が増加し、粗蛋白価が高く、家畜の食欲向上や肉質改善効果に優れた飼料となる。また、飼料の製造に有機性廃棄物由来のアンモニアを利用することにより、工業用薬品のアンモニアを使用する場合に比べて格段に低コストで飼料の高付加価値化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るアンモニア回収・飼料製造プロセスの概要を示す図面。
【図2】第2実施形態に係るアンモニア回収・飼料製造プロセスの概要を示す図面。
【図3】第3実施形態に係るアンモニア回収・飼料製造プロセスの概要を示す図面。
【図4】第4実施形態に係るアンモニア回収・飼料製造プロセスの概要を示す図面。
【図5】第5実施形態に係るアンモニア回収・飼料製造プロセスの概要を示す図面。
【図6】第6実施形態に係るアンモニア回収・飼料製造プロセスの概要を示す図面。
【図7】第7実施形態に係るアンモニア回収・飼料製造プロセスの概要を示す図面。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technique for processing a product obtained when fermenting an organic waste and using it for the production of feed or fertilizer with high added value.
[0002]
[Prior art]
Anaerobic or aerobic fermentation methods are widely used for the treatment of organic waste such as livestock waste and garbage. In the methane fermentation process that is anaerobic fermentation, biogas mainly composed of methane produced by metabolism of anaerobic microorganisms can be recovered and used as recycled energy (for example, Patent Document 1).
[0003]
On the other hand, since the methane fermentation residue produced | generated in a methane fermentation process contains a lot of plant nutrient components, it is composted (aerobic composting) and utilized as a fertilizer.
[0004]
However, since a large amount of ammonia nitrogen is contained in the methane fermentation residue, when the fermentation residue is composted, it is relatively easy to adjust the water content and the carbon / nitrogen ratio (C / N ratio). A large amount (if necessary, the same amount of fermentation residue) of auxiliary materials is required. Moreover, since the compost yard generally requires a large area that is, for example, 10 times larger than that of the methane fermentation facility, many of the advantages of performing the methane fermentation process have been lost. Furthermore, it has been pointed out that if too much ammonia nitrogen is contained in the compost, the groundwater contamination is caused by changing the ammonia into nitric acid or nitrous acid in the sprayed soil.
[0005]
In addition, organic wastes having a low water content such as chicken manure are directly aerobically fermented and composted. In composting by aerobic fermentation, a large amount of ammonia gas is generated, but its use has not been achieved, and if a deodorizing device is not provided, there is a concern about the influence on the surrounding environment such as a strange odor.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 2000-333101 A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
As mentioned above, the carbon content in organic waste is recovered as biogas by methane fermentation and is being devised for effective use as energy. However, the nitrogen content of the agricultural land is a problem. In spite of this, there is almost no use developed other than as a fertilizer component.
[0008]
The subject of this invention is providing the method of manufacturing fertilizer and feed with high added value while recovering the ammonia which produces | generates by fermenting an organic waste, and using this effectively.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, a first aspect of the present invention includes a fermentation process for fermenting organic waste aerobically or anaerobically, and an ammonia recovery process for recovering ammonia generated by fermentation. It is the processing method of the fermentation product derived from organic waste characterized by these.
[0010]
According to the present invention, it is possible to effectively use the nitrogen content in organic waste as ammonia. In other words, since the recovered ammonia can be used in the process of, for example, feed production, the nitrogen content in organic waste, which was mainly used as a fertilizer component, can be used for completely different purposes. Is opened. Moreover, the organic waste after fermentation from which ammonia nitrogen has been separated is easy to handle as a fertilizer raw material because nitrogen excess is eliminated.
[0011]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a fermentation product derived from organic waste, characterized in that, in the first aspect, the fermentation step performs anaerobic fermentation and collects the produced biogas. It is a processing method. According to this 2nd aspect, in addition to the effect of a 1st aspect, an organic waste is fermented anaerobically and the produced | generated biogas (gas which has methane as a main component) is collect | recovered, fuel It can be used effectively as such. That is, the carbon component contained in organic waste can be extracted as biogas and used as an energy resource.
[0012]
A third aspect of the present invention is the fermentation product derived from organic waste, characterized in that, in the second aspect, in the ammonia recovery step, ammonia is separated by evaporating and concentrating the fermentation liquid containing ammonia. It is a processing method. According to this third aspect, in addition to the effects of the second aspect, by separating the ammonia by evaporating and concentrating the fermentation broth, it is possible to simultaneously recover ammonia and reduce the fermentation broth, It becomes possible to process and use the fermentation product efficiently.
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, in the second or third aspect, a heat emission type device selected from a gas engine, a hot water boiler, a steam boiler, a gas turbine, or a fuel cell is operated using the biogas as a fuel. At the same time, the heat obtained from the heat release device is used as a heat source in the fermentation step or the ammonia recovery step, which is a method for treating a fermentation product derived from organic waste. According to the fourth aspect, in addition to the effects of the second or third aspect, biogas is used as a fuel for a heat emission type device such as a gas engine or a fuel cell, and power and heat are generated from waste resources. By recovering and using the recovered heat in the fermentation process and ammonia recovery process, a process with extremely high energy efficiency can be constructed.
[0014]
In a fifth aspect of the present invention, in the first aspect, in the fermentation step, fermentation is performed under aerobic condition to generate ammonia gas, and in the ammonia recovery step, the generated ammonia gas is brought into gas-liquid contact. It is a method for treating a fermentation product derived from organic waste, characterized by being absorbed in a liquid.
[0015]
According to the fifth aspect, in addition to the same function and effect as in the first aspect, the gaseous ammonia generated by fermentation is absorbed in the liquid, whereby it can be recovered in a state where the ammonia concentration is increased. it can.
[0016]
According to a sixth aspect of the present invention, in any one of the first to fifth aspects, the fermentation residue after separation of ammonia is fertilized, and the fermented product derived from organic waste is treated. Is the method. According to the sixth aspect, in addition to the functions and effects of the first to fifth aspects, the fermentation residue after ammonia separation can improve the nitrogen-rich state that is usually a problem. As a result, it can be sprayed in fields. This liquid fertilizer can be used particularly advantageously in terms of suppressing groundwater contamination by nitric acid and nitrous acid.
[0017]
The seventh aspect of the present invention includes an ammonia treatment step in which ammonia recovered by the method for treating a fermentation product derived from any one of the first to sixth organic wastes is brought into contact with a feed material. This is a method for producing feed.
[0018]
According to the method for producing a feed of the seventh aspect, the treatment with ammonia allows the decomposition of fibers such as leaf stems of grains that are difficult for livestock to digest and absorb as they are, and facilitates digestion and absorption. Since the crude protein value increases, feed with high added value can be produced.
[0019]
That is, in feed raw materials such as cereal leaves and stems treated with ammonia, ammonia acts on cellulose and hemicellulose to cause amylolysis, and an amino acid polymer is formed from the aminated decomposition product. Therefore, the amount of highly digestible fiber and total dissolved nitrogen is increased, the crude protein value is high, and the feed is improved in appetite improvement and meat quality improvement effects of livestock. Thus, according to the 7th aspect, it becomes possible to take out the nitrogen content contained in organic waste in the form of ammonia, and to utilize for the new use of feed production different from the past.
[0020]
In addition, by using ammonia derived from wastes to increase the added value of feed, feed can be produced at a much lower cost than when ammonia for industrial chemicals is used.
[0021]
An eighth aspect of the present invention is the feed production method according to the seventh aspect, further comprising an ammonia concentration step of concentrating the recovered ammonia before the ammonia treatment step. According to this 8th aspect, in addition to the effect of a 7th aspect, by performing ammonia concentration, it becomes possible to process a feed raw material with higher concentration ammonia, and can improve the efficiency of ammonia treatment. it can.
[0022]
A ninth aspect of the present invention includes an ammonia treatment step in which ammonia recovered by the method of the second or third aspect is brought into contact with a feed material, and using the biogas as a fuel, a gas engine, a hot water boiler, steam Production of feed characterized by operating a heat release device selected from a boiler, a gas turbine, or a fuel cell, and using the heat obtained from the heat release device to perform the ammonia treatment step under heating conditions Is the method. According to the ninth aspect, fibers such as leaf stems of cereals that are difficult for livestock to digest and absorb as they are by the ammonia treatment are easily decomposed and digested and absorbed, and the crude protein value increases. Therefore, feed with high added value can be manufactured. In addition, biogas is used as a fuel for heat-emitting devices such as gas engines and fuel cells, and power and heat are recovered from waste resources, and the recovered heat is used in the ammonia treatment process. Efficiency can be increased. In addition, the energy efficiency of the entire process is extremely high.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<Process overview>
The method for treating an organic waste-derived fermentation product according to the present invention includes a fermentation process for fermenting an organic waste aerobically or anaerobically and an ammonia recovery process for recovering ammonia generated by the fermentation. Implemented by:
[0024]
In the case of anaerobic fermentation, the recovery of ammonia contained in the fermentation broth can be achieved, for example, by changing the pH of the fermentation broth to evaporate and separate ammonia, or by evaporating and concentrating the fermentation broth to separate the ammonia together with the condensed water. It can be performed by the method to do.
[0025]
In the case of aerobic fermentation, since ammonia is gasified and volatilized during the fermentation process, separation from the fermented product (organic waste) is easy, and the gasified ammonia can be recovered in a liquid by gas-liquid contact.
[0026]
The ammonia recovered as described above can be used, for example, for ammonia treatment of feed raw materials such as cereal leaves and stems. That is, the feed production method of the present invention is carried out by bringing ammonia recovered as a fermentation product of organic waste into contact with feed raw materials. By using ammonia in the production process of feed, a highly digestible fiber and total soluble nitrogen amount increase, a crude protein value is high, and a feed excellent in livestock appetite improvement and meat quality improvement effects can be obtained.
[0027]
In addition, the fermented product after separation of ammonia (methane fermentation residue, concentrate, fermented product of aerobic fermentation) is fertilizer that balances nitrogen content compared to phosphorus and potassium by fertilizing it. Can be used as
[0028]
Furthermore, in the case of anaerobic fermentation, the biogas produced in the fermentation process is used as fuel, and the amount of heat in the recovery of ammonia, the evaporation and concentration of the fermentation broth, and the feed production (ammonia treatment) is supplied.
[0029]
<Organic waste>
In the present invention, organic waste includes, for example, livestock waste, green farm waste, wastewater treatment sludge, and the like. Examples of livestock waste include livestock manure, carcass and / or processed products thereof. More specifically, livestock carcasses such as cattle, sheep, goats and chickens, and bones separated therefrom. In addition to meat, fat, internal organs, blood, brain, eyeballs, skin, hoofs, horns, etc., crushed material of bones, meat, etc. of livestock carcasses represented by meat and bone meal, meat meal, bone meal, blood meal etc. In addition, a dried product obtained by drying blood or the like is also included. In addition to household garbage, green agricultural waste includes agricultural and industrial waste, food processing waste, etc. as industrial waste.
[0030]
<Fermentation process>
In the process of the present invention, the fermentation step can be carried out anaerobically or aerobically.
(1) Methane fermentation (anaerobic fermentation):
Prior to methane fermentation, depending on the state of organic waste as a raw material, a crushing / sorting step can be performed as a pretreatment as necessary. The crushing / sorting step can be performed by, for example, fractionating crushing as shown below, or crushing the entire amount.
In the case of fractional crushing, a crushing / separating machine is used to collect a portion of the organic waste that can be easily crushed as a slurry together with the liquid. On the other hand, parts that are difficult to crush are collected separately as a lump. The water content of the slurry is 70 to 90% by weight, and the water content of the lump is about 40 to 60% by weight. The crushing / separating machine crushes organic solids by a shearing force and a pulling force, and a two-axis type or a three-axis type cutter can be used. When animal carcasses such as cattle are used as raw materials, it is preferable to crush the triaxial type from the viewpoint of crushing fineness and uniformity.
[0031]
The mixed plastics and sheets to be sorted and removed can be removed by mesh sorting, wind sorting (wind sorting), or the like.
[0032]
In the case of pulverizing the entire amount, for example, the entire object is crushed using a crusher such as a disposer. The moisture content is, for example, 60 to 70% by weight, but takes a wide range in the case of processed products.
[0033]
Methane fermentation can be applied to any of a so-called medium temperature type, a high temperature type, a slurry (wet) type, and a dry (dry) type.
[0034]
The fermenter is composed of a tank in which air is completely shut off in the latter stage even in the case of a fermentation process using a two-tank system in order to maintain the activity due to the anaerobic methane fermentation bacteria. The shape and operating conditions of the fermenter vary depending on the solid concentration (usually in the range of 3 to 40% by weight) and the fermentation temperature (usually 37 ° C for medium temperature fermentation and 55 ° C for high temperature fermentation). For example, in the case of a raw material having a high water content (up to a solid concentration of 10% by weight) mixed with washing waste water, a wet type complete mixing method fermenter, a raw material having a low water content (solids concentration of 30 to 30%) 40 wt%), it is preferable to use a so-called dry type plug flow type (extrusion type) fermenter.
[0035]
In addition to the recovery means for recovering the biogas to be produced, it is preferable that the fermenter is provided with a heating means for keeping warm if necessary. In addition, the biogas recovery means may be provided with a desulfurization apparatus as required. Those having a known configuration can be used.
[0036]
In the case of a raw material with a high water content (solids concentration up to about 10% by weight), a complete mixing type fermenter is used, and in a high-temperature methane-fermenting bacterium (optimum temperature 55 ° C.), the retention time (Retention Time) is 15 About a day, in medium temperature methane fermentation bacteria (optimum temperature 37 degreeC), it is possible to make residence time into about 20-30 days.
[0037]
In the case of a raw material having a low water content (solids concentration of 30 to 40% by weight), the solid content concentration of the object to be treated is adjusted to 30 to 40% by weight to adjust the hardness to such an extent that an extrusion type fermenter can be used. About residence time, it can set similarly to the case of high moisture content. Further, for the adjustment of the C / N ratio, some organic components can be introduced as necessary.
[0038]
Fermentation residue after methane fermentation of high water content type is, for example, a liquid containing a moisture content of 95% by weight and a solid content of about 5% by weight, and various amino acids derived from anaerobic microorganisms and their metabolites Contains a large amount of organic acids.
[0039]
A solid-liquid separation step of the fermentation residue can be provided as necessary after methane fermentation. When concentration is performed in the subsequent ammonia recovery step, it is preferable to reduce the initial moisture content by performing solid-liquid separation in order to reduce energy consumption. For the solid-liquid separation, an apparatus capable of increasing the slurry concentration, such as a decanter, a coagulation sedimentation tank, a centrifugal dehydrator, a screw press, and a membrane separator, can be used, and is selected according to the properties of the fermentation residue.
[0040]
In the above methane fermentation, the biogas produced by the fermentation varies depending on the type of organic waste, but typically contains about 60% by weight of methane and about 40% by weight of carbon dioxide. For example, gas engines, hot water boilers, etc. It can be used as a fuel for heat release devices such as steam boilers, gas turbines, and fuel cells. Here, the heat emission type equipment is not only for heat exchange equipment such as hot water boilers and steam boilers, but also for heat generation such as gas engines, gas turbines, fuel cells, etc. A device for generating Among these, in particular, by employing a cogeneration system such as a gas engine, a gas turbine, or a fuel cell, heat and electric power can be recovered using biogas as fuel.
[0041]
The heat recovered by the heat emission type device using biogas as fuel is supplied in the form of steam, for example, heating the methane fermentation tank, concentrating the fermentation broth, heating the concentration device in the ammonia recovery process described later, and feed production It is used as a heat source for heating.
[0042]
In addition, in fermenters and concentrators, power is consumed as power for decompression devices such as vacuum pumps, stirring devices, etc., but it is possible to cover all of the power at this time with power generated by cogeneration. Electricity can be diverted to other uses.
[0043]
(2) Aerobic fermentation:
When the organic waste is chicken manure, it can be composted by being left to stand under aerobic conditions and fermented. If necessary, fermentation can be carried out in several stages. Since a large amount of gaseous ammonia is produced in this process, the fermenter is provided with an exhaust device for ammonia recovery.
[0044]
<Ammonia recovery process>
(1) Recovery of ammonia in the fermentation broth (in the case of methane fermentation):
A large amount of ammonia having a concentration of several percent or more may be contained in a methane fermentation broth using a nitrogen-containing substance such as protein as a raw material. Although the method of collect | recovering ammonia from the fermentation liquid of methane fermentation is not specifically limited, The method illustrated below is preferable.
[0045]
(1) Ammonia separation by pH adjustment (for anaerobic fermentation):
Ammonia stripping by adjusting the pH of the fermentation broth obtained in the methane fermentation process. Specifically, for example, an alkaline substance is added to the fermentation broth to change the pH, to dissipate ammonia, which is trapped in the liquor and recovered as concentrated aqueous ammonia. Since this method is a simple means of diffusing ammonia using the pH change of the fermentation broth, no large-scale equipment is required.
[0046]
As the alkaline substance to be introduced into the fermentation broth, for example, alkali metal or alkaline earth metal hydroxides (for example, slaked lime, caustic soda, etc.) can be used. It is preferable to adjust the pH of the fermentation broth to 8 or more.
[0047]
In the ammonia stripping, it is preferable to perform heating and / or decompression conditions or to aerate the fermentation broth in order to promote the diffusion of ammonia. Ammonia stripping can be performed by, for example, towers such as a spray system, a shelf system, and a packed bed system, a membrane separator, an aeration tank, and the like.
[0048]
(2) Ammonia separation by evaporative concentration (when recovered from fermentation broth in anaerobic fermentation)
Ammonia can be efficiently recovered by evaporating and concentrating the methane fermentation residue.
[0049]
The evaporative concentration can be performed using a known evaporative concentration apparatus, but in the present invention, it is particularly preferable to perform the evaporative concentration under reduced pressure using a multi-effect type concentration apparatus. As a multi-effect type concentrating device, a device having a known configuration such as a double-effect can or a triple-effect can can be used. This allows evaporation at a relatively low temperature and significantly increases energy efficiency. In a multi-effect can, the amount of heat required can be reduced to a fraction of that of a concentrator using a single evaporator.
[0050]
Further, in the multi-effect can type concentrator, it is preferable that a steam compressor is provided on the steam introduction path connecting the cans. By increasing the energy of the steam again with the steam compressor and using it, the thermal efficiency is improved and the concentration efficiency is improved.
[0051]
By carrying out the concentration, the water content of the fermentation residue having a water content of 90% by weight or more can be reduced to 60-70% by weight, and the volume of the liquid can be reduced to 25-35%. In the process of evaporation and concentration, ammonia that easily evaporates is easily separated from the fermentation broth, so that it can be recovered together with the condensed water. In addition, it has been confirmed that by evaporation and concentration, fungi derived from organic waste, weed seeds, and the like can be inactivated. For example, pathogenic bacteria and viruses for humans can be inactivated by staying in a high-temperature fermenter for 6 to 7 hours, but porcine parvovirus and the like remain without being inactivated by methane fermentation. However, the concentration process can kill these viruses almost completely. Also, weed seeds can be inactivated in the concentration step.
[0052]
Concentration by a multi-effect system or the like is based on the premise that fuel as a heating source can be obtained reliably. In the process of the present invention, the heat generated by using the biogas as fuel in the heat release device can be supplied to the concentrator in the form of vapor, for example, and used as a heat source for the concentrator. The amount of heat generated by using biogas as fuel can be used as a heat source for the concentrator, which enables energy independence of the entire process.
[0053]
The fermentation residue after separation of ammonia has a reduced nitrogen content, and the soil is less likely to be in excess of nitrogen by the amount of improved C / N ratio. Therefore, the concentrate of the fermentation residue concentrated in the concentration step can be used as liquid fertilizer as it is, but it can be dried to form a powder fertilizer, or it can be formed into a pellet to form a granular fertilizer. .
[0054]
Further, when the concentration of the water content is less than about 70% by weight (for example, the water content is 40 to 65% by weight, preferably 50 to 60% by weight), the organic acid / amino acid and the like ( In particular, the concentration of carboxylic acids (including acetic acid) becomes high, and it becomes difficult to cause spoilage or alteration. Usually, methane fermentation residue in a non-concentrated state generates aerobic bacteria and fungi in several days when left at room temperature, causing rot, but the highly concentrated product obtained by the process of the present invention is sufficient for 6 months or more even at room temperature. Can be stored. Moreover, since the volume is reduced to 1/10 or less by concentration, it can be easily distributed as a liquid fertilizer or as a raw material for dry fertilizer.
[0055]
Furthermore, since the fermentation residue concentrate contains a large amount of valuable substances such as organic acids, it can be used as a chemical product by isolating and purifying them. Specific examples of valuable materials include carboxylic acids such as acetic acid and propionic acid, oxycarboxylic acids such as citric acid, lactic acid and tartaric acid, and amino acids such as tryptophan and glycine. These valuables are present in the concentrate in a state of being concentrated several tens of times compared to the fermentation residue. In addition, vitamins (VB) at a low concentration of about 0.1% or less. 12 , VB 11 ) And the like are also contained.
[0056]
(2) Recovery of gaseous ammonia (for aerobic fermentation):
As described above, the recovery of ammonia in aerobic fermentation is facilitated by providing an exhaust device for ammonia recovery in the fermenter (composting equipment), trapping it in the liquid by bringing it into gas-liquid contact with the ammonia recovery device. Can be recovered.
[0057]
<Ammonia concentration step>
When the concentration of ammonia obtained in the ammonia recovery step is low, concentration is preferably performed to a concentration suitable for the ammonia treatment described later. In the case of concentrating ammonia, it is possible to concentrate the concentration in the liquid to, for example, about 20% by weight using, for example, an electrodialysis method or a reverse osmosis method. Further, for example, concentration can be performed using gas-liquid contact means such as a U-shaped tube, a wet wall tower, a spray tower, and a bubbling tower. When evaporating and concentrating the methane fermentation residue, organic acids such as acetic acid and propionic acid are often mixed in the condensed water. Therefore, it is preferable to concentrate the methane fermentation residue by electrodialysis that can be removed simultaneously.
[0058]
<Manufacture of feed (ammonia treatment)>
Ammonia treatment (long-time aeration of ammonia) is performed by adding, for example, about 1 to 3% by weight of ammonia per dry matter weight of the feed material under normal temperature to warming conditions. This treatment can be performed in a sealed chamber or a sealed container (for example, in a bag-like soft resin sheet). The ammonia treatment period is preferably about 20 to 30 days.
[0059]
Treating the leaves and stems of cereals (for example, moss and semi-dry grass) with ammonia improves the digestibility as feed, nutritional value, and livestock preference, and also maintains the quality during storage. Cellulose, hemicellulose, ligno, and the like, which are main components of moss, are intertwined in a complex manner to form a hard tissue and form a tissue that is difficult to be decomposed by microorganisms and oxygen. When ammonia is allowed to act on this, amyloid decomposition (decomposition reaction such as cleavage of the cross-linking bond and reaction in which nitrogen is added) occurs, and the leaf stems of grains that are difficult for livestock to digest and absorb. However, it is easily digested and absorbed, has a high crude protein value, and becomes a feed with high added value.
[0060]
In other words, in feed materials such as cereal leaves and stems by ammonia treatment, ammonia acts on cellulose and hemicellulose to cause amylolysis, and as a result, amino acid polymers are formed from aminated degradation products. And increases in crude protein value.
[0061]
As a method for numerically showing the effect of the ammonia treatment, there are methods for measuring, for example, a) an increase in the ratio of highly digestible fibers to low digestible fibers, and a) an increase in the amount of total soluble nitrogen. If good ammonia treatment is performed, it is possible to make the numerical values of the above a) and a) twice or more of untreated products.
[0062]
In the feed production method of the present invention, as ammonia for producing feed with high added value, ammonia is taken out from the gas generated from the composting facility of organic waste or from the fermentation residue of the anaerobic fermentation facility. Use concentrated product accordingly. Thus, by recovering ammonia from organic waste, it is possible to significantly reduce the cost of ammonia treatment compared to the case of using industrial chemical ammonia.
[0063]
In the ammonia treatment, when the concentration of recovered ammonia is about 10% by weight, the treatment is performed under heating conditions of, for example, about 40 ° C. rather than room temperature (outside temperature) in order to sufficiently obtain an effect on the grains and leaves. It is preferable. The reaction rate is increased by heating, and the effect of the ammonia treatment can be sufficiently obtained even with a relatively thin ammonia solution of about 10 wt% or less to several wt%. The heating temperature range during the ammonia treatment is preferably about 20 to 60 ° C. In the case of anaerobic fermentation, the heat source required for heating can be supplied from a biogas cogeneration system or the like as described above. Also, using solar heat is an effective method.
[0064]
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a block diagram showing an outline of a process according to the first embodiment of the present invention. In this process, an example will be given in which feed is produced from cow manure and garbage as organic waste in cooperation with the processing of fermentation products.
[0065]
First, garbage is introduced into a crushing / separating machine from a garbage hopper, and after crushing, it is pasted into a form that can be easily fermented by a paster. During this process, metals and vinyl are removed as fermentation inadequate materials. Next, the cattle manure stored in the cattle manure receiving tank and the paste garbage are put into the mixing tank and mixed thoroughly.
[0066]
The mixed fermentation raw material is put into a methane fermentation tank and fermented anaerobically under the above-described conditions. The biogas produced in the fermentation process is introduced into a desulfurization tower, and hydrogen sulfide is removed to obtain purified biogas. In the present embodiment, since the biological desulfurization treatment is performed using the fermentation liquid, the fermentation liquid in the aeration tank described later is supplied to the desulfurization tower and circulated.
[0067]
When the fermentation is complete, the fermented liquor is withdrawn from the fermenter and transferred to a conditioning vessel. In the adjustment tank, a pH adjuster is added to adjust the pH of the fermentation broth to 8 or higher. Due to this pH change, ammonia accumulated in the fermentation broth during the fermentation process is easily released. In the present embodiment, the fermented liquid after pH adjustment is transferred to an aeration tank, and air is introduced into the liquid with a blower in order to promote the release of ammonia.
[0068]
Air containing diffused ammonia generated by aeration is subjected to ammonia trap treatment (for example, ammonia is absorbed into water using gas-liquid contact means such as a U-tube, a wet wall tower, a spray tower, a bubbling tower) It is recovered as an ammonia solution. As shown by a broken line in FIG. 1, when the concentration of the recovered ammonia solution is low, it can be concentrated to a predetermined concentration using a concentrator. As the concentrating device, the same gas-liquid contact means as the ammonia trap can be used, and for example, a reverse osmosis membrane, an electrodialyzer, and the like can also be used. Also preferred is a method in which diffused ammonia-containing air is directly brought into contact with moisture-absorbed rice straw and trapped in the rice straw.
[0069]
Feed production by ammonia treatment is carried out by introducing the ammonia solution obtained as described above into an ammonia treatment tank filled with cereal leaves and stems and bringing them into contact for a predetermined time. As a result, a feed having excellent digestibility and high crude protein value can be obtained.
[0070]
On the other hand, the fermentation residue in the aeration tank after the ammonia emission is introduced into a solid-liquid separator, the liquid content is purified by a water treatment facility and then discharged, and the solid content is fertilized by a compost facility and reduced to farmland. The fertilizer obtained here is a fertilizer having a low nitrogen content and a good C / N ratio compared to a normal fertilizer derived from a methane fermentation broth.
[0071]
FIG. 2 is an application example of the first embodiment, in which a cogeneration system using biogas is added to the same process as in FIG. In FIG. 2, the same configuration as that in FIG. 1 is not shown, and only different portions are shown.
[0072]
In the present embodiment, biogas purified in the desulfurization tower is introduced into the gas engine by the same process as in FIG. 1 to generate power, and the ammonia treatment tank is heated using surplus heat generated in the gas engine. . Specifically, the gas engine and the ammonia treatment tank are connected by a hot water circulation line, and the ammonia treatment tank is heated. Thereby, the efficiency of ammonia treatment can be increased and the treatment period can be shortened.
[0073]
The electric power generated by the gas engine can be used as a power source for a fermentation process (such as a methane fermentation tank), an ammonia recovery process (such as a blower), and an ammonia concentration process (such as a concentrator).
[0074]
FIG. 3 is also an application example of the first embodiment, in which a gas turbine is added to the same process as FIG. 1 as a cogeneration system using biogas. In FIG. 3, the same configuration as that in FIG. 1 is omitted, and only different portions are shown.
[0075]
In the process of FIG. 3, since a gas turbine is used, hot water having a temperature higher than that of the second embodiment is obtained. Therefore, it is possible to connect the gas turbine and the ammonia treatment tank with the hot water circulation line, and to heat the ammonia treatment tank to a higher temperature, thereby further improving the efficiency of the ammonia treatment. Moreover, the electric power generated in the gas turbine can be used as a power source for a fermentation process (such as a methane fermentation tank), an ammonia recovery process (such as a blower), and an ammonia concentration process (such as a concentrator).
[0076]
FIG. 4 is a block diagram showing an outline of a process according to the fourth embodiment of the present invention. Unlike the first embodiment, this process uses a multi-effect can system (here, triple-effect can) evaporative concentration apparatus in the ammonia recovery step. By using a multi-effect can-type evaporation concentrator, ammonia in the fermentation liquid can be separated and recovered with high efficiency, and at the same time the amount of fermentation residue can be reduced, making composting very easy.
[0077]
In the process of FIG. 4, an example is given in which feed is produced from pig manure as organic waste in cooperation with the fermentation product processing. The pig manure stored in the pig manure receiving tank is introduced into the pretreatment tank, and after performing the necessary pretreatment, the pig manure is transferred to the methane fermentation tank and fermented anaerobically under the conditions described above. The biogas produced in the fermentation process is introduced into a desulfurization tower (not shown here), and hydrogen sulfide is removed to obtain purified biogas.
[0078]
When fermentation is complete, the fermentation broth is withdrawn from the fermentor and transferred to a solid-liquid separator. The separated solid content is transferred to a composting facility and converted into fertilizer. On the other hand, the liquid is introduced into a triple effect can-type evaporation concentrator to evaporate the water and concentrate. In this embodiment, the steam of the steam boiler which used the biogas collect | recovered at the methane fermentation process as a fuel is used as a heat source of evaporation concentration. Thereby, a process can be implemented with energy efficiency.
[0079]
In the process of evaporation and concentration, ammonia also evaporates and is collected by a condenser and recovered as condensed water. The ammonia-containing condensed water is concentrated by an electrodialysis apparatus as a concentrating device to obtain concentrated ammonia water.
[0080]
The concentrated ammonia solution obtained as described above is introduced into an ammonia treatment tank filled with cereal leaves and stems and brought into contact with it for a predetermined time to produce feed. Here, the ammonia treatment can be carried out under heating conditions using steam from a steam boiler. On the other hand, the concentrate separated by the triple effect can-type evaporation concentrator is transferred to the composting facility and made into fertilizer.
[0081]
FIG. 5 is a block diagram showing an outline of a process according to the fifth embodiment of the present invention. In this process, not only the heat (steam) of a steam boiler using biogas as fuel but also steam generated from a solid oxide fuel cell using biogas as fuel is used as the steam supplied to the triple effect can. I did it. Other configurations are the same as those of the fourth embodiment (FIG. 4).
[0082]
Since the solid oxide fuel cell can take out the generated heat as a vapor, it is suitable for use as a heat source of an evaporation concentrator, and it is incorporated into the process of the present invention as a cogeneration system to increase energy efficiency. It becomes possible. Moreover, the vapor | steam from a solid oxide fuel cell can be utilized also for the heating of ammonia processing. The electric power generated in the solid oxide fuel cell can be used as a power source for a fermentation process (such as a methane fermentation tank), an ammonia recovery process (such as a triple effect can), and an ammonia concentration process (such as an electrodialysis apparatus).
[0083]
FIG. 6 is a block diagram showing an outline of a process according to the sixth embodiment of the present invention. In this process, an example in which chicken manure as organic waste is composted by aerobic fermentation and ammonia is recovered and used for feed production.
[0084]
In this embodiment, chicken manure is introduced into a primary fermenter (chicken manure compost) and fermented under aerobic conditions. At this stage, ammonia contained in the chicken manure evaporates, so an exhaust facility is provided in the primary fermentor and the ammonia-containing air is taken out. The ammonia-containing air taken out from the primary fermenter is introduced into an ammonia recovery device and recovered as ammonia water. As the ammonia recovery device, the same gas-liquid contact means as described above (U-tube, wet wall tower, spray tower, bubbling tower, etc.) can be used.
[0085]
The obtained aqueous ammonia is concentrated to a predetermined concentration through a reverse osmosis device as a concentration device. Concentrated aqueous ammonia is introduced into an ammonia treatment tank filled with grain leaves and stems such as rice straw, and ammonia treatment is carried out.
[0086]
On the other hand, the fermented chicken manure taken out from the primary fermenter is transferred to the secondary fermenter, where the fermentation is completed and composted.
[0087]
In the present embodiment, organic waste having a low water content and a high nitrogen content such as chicken manure is subjected to aerobic fermentation, whereby ammonia is gasified, separated, recovered, and used for feed production. For example, the ammonia concentration in the gas generated by aerobic fermentation from chicken manure compost facilities may reach about 1%, and this is trapped by an ammonia recovery device and recovered as concentrated ammonia water, thereby making the feed material ammonia The concentration can be used for processing. If such a method is used, even an ammonia-containing gas at a ppm level can be recovered as an ammonia concentrate of about 10% by weight.
[0088]
FIG. 7 is a block diagram showing an outline of a process according to the seventh embodiment of the present invention. This process can be carried out in the same manner as in the first embodiment except that a reduced pressure diffusion device is used instead of the aeration tank of FIG. Thus, ammonia can also be efficiently separated and recovered by reducing the pH of the methane fermentation liquid after pH adjustment. In addition, the ammonia recovery efficiency can be further increased by heating the fermentation broth in place of aeration (first embodiment) or reduced-pressure emission (seventh embodiment) or in addition to these operations.
[0089]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example and a test example demonstrate this invention further in detail, this invention is not restrict | limited by these.
[0090]
Example 1
According to the process of FIG. 1, recovery of ammonia from organic waste and feed production were carried out. Cattle manure 3t / day and ground business garbage 1t / day were put into a high temperature (about 55 ° C.) methane fermentation tank and fermented for an average residence time of 15 days. About 4 t / day was extracted from the fermentation broth as a fermentation residue, and after solid-liquid separation by centrifugation, calcium hydroxide was added to the liquid side as an alkaline component to adjust to pH 9, and ammonia was diffused by aeration.
[0091]
Air containing diffused ammonia was recovered as about 5% by weight ammonia water through a cooling U-tube as an ammonia recovery device. The ammonia water was again trapped with a heat dissipation and cooling U-tube to obtain about 15 wt% ammonia water. This was transferred to a container filled with rice straw and allowed to stand for about 1 month to obtain a nitrogen-containing rice straw feed. In this example, the achievement of the ammonia treatment was judged on the basis that the total amount of soluble nitrogen and the amount of highly digestible fiber in the feed were both twice or more of those before the treatment.
[0092]
A part of the fermented liquor from which ammonia was diffused was used as a circulating liquid in a biogas biodesulfurization device, separated into solid and liquid, treated with water on the liquid side, discharged, and the solid content was reduced to compost using a composting facility.
[0093]
Example 2
In accordance with the process of FIG. 2, the biogas purified through the biological desulfurization apparatus in Example 1 was used as a cogeneration fuel in a gas engine. The obtained electric power was used as a power source for the methane fermentation process, the ammonia recovery process, and the ammonia concentration process. Moreover, the heat (warm water, about 70 degreeC) which generate | occur | produces with a gas engine was used as a heat source which heats the inside of the ammonia processing container filled with rice straw. As a result, the ammonia treatment period (the period until the N / C weight ratio of rice straw reaches 0.03 or more) was shortened to about 20 days.
[0094]
Example 3
According to the process of FIG. 3, in Example 2 described above, a gas turbine was used instead of the gas engine, and hot water at about 90 ° C. was supplied to the ammonia processing vessel heating coil (hot water piping). As a result, the ammonia treatment period of rice straw was shortened to about 10 days. Moreover, when it implemented similarly about wheat straw, the ammonia process was able to be performed in 20 days.
[0095]
Example 4
According to the process of FIG. 4, ammonia was recovered from the organic waste and feed was produced. The pig manure 10 t / day was subjected to a methane fermentation treatment at an intermediate temperature (about 37 ° C.) for about 30 days. The obtained fermentation broth was subjected to solid-liquid separation, and then concentrated by evaporation using a triple effect can type evaporation concentrator. Here, steam from a steam boiler using biogas as fuel was used as a heat source.
[0096]
Ammonia (concentration of about 1%) in the condensed water obtained by evaporation was concentrated on the cathode side using an electrodialyzer as a concentrator. The obtained concentrated aqueous ammonia (about 20%) was allowed to act on rice straw and wheat straw in a sealed room. In addition, the fermentation residue from evaporation concentration was composted as fertilizer and returned to farmland.
[0097]
Example 5
According to the process of FIG. 5, ammonia was recovered from the organic waste and feed was produced. In Example 4 above, in addition to the steam boiler, part of the biogas was also introduced into the solid electrolyte fuel cell, and electric power and steam were recovered. Here, it has been clarified that the steam from the fuel cell can be effectively used as a heat source of the evaporation concentrator (triple effect can) by collecting the steam by cogeneration. In addition, since mere warm water or hot water is insufficient to cover the required temperature level in the triple effect can, the supply of heat by cogeneration is effective for improving the energy efficiency of the entire process.
[0098]
Example 6
According to the process shown in FIG. 6, ammonia was recovered from the organic waste and feed was produced. Ammonia-containing air (ammonia concentration of about 5,000 ppm) generated from the composting apparatus for chicken manure was passed through a cooling U-shaped tube similar to that used for ammonia recovery in Example 1 to recover about 5% ammonia aqueous solution. Using this as a concentrated solution with an ammonia concentration of about 20% using a reverse osmosis device, the rice straw and wheat straw were ammoniated for 20 days in the same manner as in Example 1, and the standards for digestibility and soluble nitrogen content were satisfied. A feed was obtained.
[0099]
Example 7
According to the process of FIG. 7, ammonia was recovered from the organic waste and feed was produced. Here, instead of aeration, the same procedure as in Example 1 was performed except that the fermentation broth was introduced into a vacuum container and ammonia was diffused. Since the ammonia concentration released by the reduced pressure was about 500 ppm, which was considerably lower than that in Example 1, the ammonia treatment was conducted again after introducing the released gas into the rice straw filling container after 30 days of ammonia treatment. did. That is, 30 days of ammonia treatment was performed twice. The obtained feed was almost the same quality as Example 1.
[0100]
The present invention has been described above with reference to various embodiments. However, the present invention is not limited to the above embodiments, and can be applied to other embodiments within the scope of the invention described in the claims. It is.
[0101]
【The invention's effect】
According to the method for treating fermented products derived from organic waste of the present invention, it is possible to effectively utilize the nitrogen content in organic waste by recovering ammonia generated during the fermentation process of organic waste. It becomes. That is, since the nitrogen content recovered as ammonia can be used in the process of feed production and the like, there is a way to use it for completely different purposes from the conventional one.
[0102]
In addition, according to the method for producing a feed of the present invention, fiber treatment such as leaf stems of grains that are difficult for livestock to digest and absorb as they are as it is is easily decomposed and easily digested and absorbed by ammonia treatment. Since the protein value increases, feed with high added value can be produced.
[0103]
That is, in feed raw materials such as cereal leaves and stems treated with ammonia, ammonia acts on cellulose and hemicellulose to cause amylolysis, and an amino acid polymer is formed from the aminated decomposition product. Therefore, the amount of highly digestible fiber and total dissolved nitrogen is increased, the crude protein value is high, and the feed is improved in appetite improvement and meat quality improvement effects of livestock. In addition, by using ammonia derived from organic waste for the production of feed, it is possible to increase the added value of feed at a much lower cost than when using ammonia for industrial chemicals.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a drawing showing an outline of an ammonia recovery / feed production process according to a first embodiment.
FIG. 2 is a drawing showing an outline of an ammonia recovery / feed production process according to a second embodiment.
FIG. 3 is a drawing showing an outline of an ammonia recovery / feed production process according to a third embodiment.
FIG. 4 is a drawing showing an outline of an ammonia recovery / feed production process according to a fourth embodiment.
FIG. 5 is a drawing showing an outline of an ammonia recovery / feed production process according to a fifth embodiment.
FIG. 6 is a drawing showing an outline of an ammonia recovery / feed production process according to a sixth embodiment.
FIG. 7 is a drawing showing an outline of an ammonia recovery / feed production process according to a seventh embodiment.
Claims (9)
発酵によって生成するアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、
を含むことを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法。A fermentation process for fermenting organic waste aerobically or anaerobically;
An ammonia recovery process for recovering ammonia produced by fermentation;
The processing method of the fermentation product derived from organic waste characterized by including this.
前記熱放出型装置から得られる熱を、前記発酵工程または前記アンモニア回収工程において熱源として利用することを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法。In claim 2 or claim 3, using the biogas as fuel, operating a heat emission type device selected from a gas engine, a hot water boiler, a steam boiler, a gas turbine or a fuel cell,
A method for treating a fermented product derived from organic waste, wherein heat obtained from the heat release device is used as a heat source in the fermentation step or the ammonia recovery step.
前記アンモニア回収工程では、生成したアンモニアガスを気液接触させて液体中に吸収させることを特徴とする、有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法。In Claim 1, in the said fermentation process, it ferments aerobically and produces | generates ammonia gas,
In the ammonia recovery step, the produced ammonia gas is brought into gas-liquid contact and absorbed into the liquid, and the method for treating a fermentation product derived from organic waste is characterized by the following.
前記バイオガスを燃料として、ガスエンジン、温水ボイラー、蒸気ボイラー、ガスタービンまたは燃料電池から選ばれる熱放出型装置を稼動させるとともに、
前記熱放出型装置から得られる熱を利用し、前記アンモニア処理工程を加熱条件で行うことを特徴とする、飼料の製造方法。An ammonia treatment step of contacting ammonia recovered by the method according to claim 2 or claim 3 with a feed raw material,
Using the biogas as fuel, operating a heat emission type device selected from a gas engine, a hot water boiler, a steam boiler, a gas turbine or a fuel cell,
A method for producing a feed, characterized in that the ammonia treatment step is performed under heating conditions using heat obtained from the heat release device.
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