JP2005013379A - 医療用ナイフ - Google Patents

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Abstract

【課題】眼科手術のように顕微鏡下で手術する際の反射光を少なくし、且つ切れ味の良さを確保する。
【解決手段】ナイフAは、刃部1の外縁に沿って形成されたエッジ3を有し、このエッジ3を含む面5を境界とした下部側の厚さを上部側の厚さよりも薄く又はエッジ3を含む面5を下部面13とする。面5の上部側の表面をエッジ3を構成する第1斜面6,第2反射面7と、非反射面として形成された平面8とによって形成し、且つ下部側の下部側斜面10及び下部側平面11が反射面として形成される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術の際に用いる照明の反射を軽減させることで医師が眩しさを感じないようにすると共に手術の際の切れ味を損なうことのないようにした医療用ナイフに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼科手術に代表される微細な手術は基本的に顕微鏡によって患部を拡大観察しつつ行われる。この場合、患部に照射する照明が医療用ナイフの表面で反射することから、患部が見えにくくなり手術が困難になるという問題が生じている。この問題を解決するために、ナイフの全表面を非反射面とすることで、医師による患部の観察を容易にし得るようにした医療用ナイフが提供されている。非反射面は、光を乱反射させ、医師の眼に直接反射する光を抑えることが出来る微細な凹凸を形成した面となっているが、生体組織にナイフを刺入した際、前記凹凸と生体組織との摩擦が大きくなり、エッジにも凹凸が形成されてしまうことで、生体組織を切り開く鋭さがなくなってしまい、切れ味が劣化してしまうという問題が生じる。切れ味が劣化すると、術者のイメージ通りの切開創、つまり切開創が自身で閉鎖することが出来る自己閉鎖性を持った切開創が形成しにくくなり、術後の治癒に影響を及ぼすことがある。
【0003】
このように医師は、切れ味を優先させて光の反射を我慢するか、光の反射を軽減させて切れ味の劣化を我慢するか、によって医療用ナイフを選択しているのが一般的である。
【0004】
上記の如き問題を解決するために、顕微鏡下の手術に使用するナイフ類の視野に入る表面を、反射防止処理した部分と、反射防止処理しない部分と、を設けた外科用ナイフが提案されている(例えば特許文献1参照)。この外科用ナイフ類では、周辺に設けたエッジの下面側はエッジを構成する斜面以外の全表面に反射防止処理が施されており、エッジの上面側はエッジを構成する斜面と、その内側に、エッジを構成する斜面に沿って形成された粗削り面があり、粗削り面の内側とその後方に連なる中央平面が反射防止処理の施された表面となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−57980号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1の技術では、ナイフ類の反射面はエッジを構成する斜面のみになり、該エッジを構成する斜面以外の面からの反射光がなくなるため、患部を切開する際に生じる反射光が少なくなり医師に対する負担を少なくすることが出来た。しかし、このようなナイフ類であっても未だ完全なものではなく、反射光を少なくしてより切れ味の良い医療用ナイフの開発が要求されている。
【0007】
本発明の目的は、手術時の反射光を少なくすると共に切れ味の良さを確保することが出来る医療用ナイフを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る医療用ナイフは、刃部の外縁に沿って形成されたエッジを有し且つ該エッジを含む面を境界とした下部側の厚さを上部側の厚さよりも薄くし又はエッジを含む面を下部側の表面とした医療用ナイフに於いて、前記エッジを含む面を境界とした上部側の表面がエッジを構成する刃面と非反射面として形成された成形面とによって形成され、且つ下部側の表面が反射面として形成されているものである。
【0009】
上記医療用ナイフでは、刃部の外縁に沿ってエッジが形成されており、このエッジを含む面を境界として上部側の厚さと下部側の厚さを比較すると下部側の厚さの方が上部側の厚さよりも薄く形成されている。このような医療用ナイフでは、刃部の先端を患部に刺し通して長手方向に押し込んだとき、上部側から下部側に向かうように進行する。
【0010】
このため、エッジを含む面を境界として下部側の表面が患部の組織に押し付けられ、上部側の表面が患部の組織から離れるようになる。従って、下部側の表面を反射面とすることによって患部との摩擦抵抗を小さくすることが可能となり、且つ上部側の面と患部との摩擦抵抗を含む全摩擦抵抗の値を小さくすることが出来る。
【0011】
即ち、医療用ナイフの切れ味は、エッジが組織を切り開く際の切開抵抗と、医療用ナイフが組織を通過する際の摩擦抵抗と、の合成によって判断される。切開抵抗はエッジの鋭さによって影響され、摩擦抵抗は医療用ナイフの表面の滑らかさによって影響される。従って、全体としての切れ味を向上させるには切開抵抗と摩擦抵抗を小さくすれば良いことになる。
【0012】
従って、本発明のように、手術の際に医師に対面する上部側の面を非反射面とすることで医師に対する反射光を軽減させ、下部側の面を反射面(滑らかな面)とすることで摩擦抵抗を小さくすることで、全体としての切れ味を向上させることが出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る医療用ナイフは、手術の際に患部に照射された照明光の表面に於ける反射光を減少させることで医師が感じる眩しさを軽減させて手術の進行を容易にし、且つ患部を切開する際の抵抗の増加を抑えることで切れ味を損なうことがないようにしたものである。
【0014】
このため、本発明に係る医療用ナイフは、医師に対向する面の多くが光を乱反射させる非反射面として形成されており、医師に対向することのない面が光を反射させる滑らかな面として形成されることで組織との間に発生する摩擦抵抗を少なくしている。
【0015】
特に、本発明に係る医療用ナイフは、例えば眼球等の患部を刺し通して初期切開創を形成し、この初期切開創を起点として生体組織に沿って患部を切開すると共に押し広げたり、切開創が自身で閉鎖することが出来る自己閉鎖性を持った切開創を形成したりする機能を有するものであり、眼科手術に於ける角膜や角膜と強膜との間を切開する際に用いる眼科用のナイフに採用して有利である。しかし、本発明は用途を限定するものではなく、脳外科手術等、顕微鏡下での微細な操作が必要となる患部を刺通,切開,切断する医療用ナイフに適用して有利である。
【0016】
医療用ナイフの平面形状は画一的なものではなく、代表的な平面形状としては、先端部分が鋭く尖った尖端を有する略菱形や、先端部分が曲線状の形状がある。しかし、本発明に係る医療用ナイフは平面形状を限定するものではなく、例えば先端部分が平坦で該平坦部分から両側部分にかけて寸法が大きくなるような平面形状が台形状に形成されたもの等も含むものである。
【0017】
また医療用ナイフの横断面形状も画一的なものではなく、先端側に形成された刃部の外縁に沿って形成されたエッジを含む面を境界面として下部側の厚さが上部側の厚さよりも小さい寸法を持って構成されている。即ち、境界面の上部側の厚さを下部側の厚さよりも大きくすることによって、医療用ナイフを患部に対し直線的に刺し通したとき、刺し通しに伴って下部側へ抑えるような滑りが生じ、これにより、上部側の面に対する組織の押圧を軽減することが可能となる。
【0018】
エッジを含む面からなる境界面の下部側の厚さは、上部側の厚さよりも小さいことが必要であるものの、その値を限定するものではない。即ち、境界面の下部側の表面は、境界面から離隔していても良く、境界面に一致していても良い。境界面の下部側の表面が境界面に一致している場合、エッジを含む面が医療用ナイフの下部側の表面となる。
【0019】
例えば、エッジを含む面を境界面として上部側と下部側に該エッジを構成する刃面が形成されている場合、上部側の厚さが全体の厚さ(下部側の厚さと上部側の厚さを加えた厚さ)の55%〜99%の範囲にあることが好ましく、特に、75%〜99%の範囲であることがより好ましい。
【0020】
本発明に於いて、エッジを含む面からなる境界面の上部側の表面に非反射面が形成され、境界面の下部側の面が反射面として形成されている。上部側の表面は、エッジを構成する刃面と刃面以外の成形面とによって構成され、前記成形面が非反射面として形成される。従って、エッジを構成する刃面は、非反射面以外の面、即ち反射面として構成されている。
【0021】
非反射面は照射された光を乱反射し得る面であることが好ましい。このような非反射面を形成する場合、選択された面のみ微細な粒子を成形面に吹き付けて該成形面に無数の凹凸を形成する方法(サンドブラスト)や、化学研磨や電解研磨による浸食によって成形面を粗面とする方法等がある。これらの処理方法は、医療用ナイフを構成する材料との関係で最も合理的な方法を選択して採用することが好ましい。例えば材料がマルテンサイト系ステンレス鋼である場合、化学研磨や電解研磨によって凹凸を形成することが可能であり、オーステナイト系ステンレス鋼の場合、サンドブラストによって凹凸を形成することが可能である。
【0022】
本発明に於いては片側のみに非反射面を形成するため、処理をしてはならない下部側は、処理をしないか、何らかの方法でマスキングをしなければならない。例えば、片側のみサンドブラスト処理をする場合、片側のみにブラストガンを配置してブラストすれば良く、化学研磨や電解研磨をする場合、処理をしない下部側や上部側の斜面などをマスキングすれば良い。
【0023】
エッジを含む境界面の下部側の面及び上部側の面であってエッジを構成する刃面を構成する反射面は滑らかな表面によって形成されている。この反射面は、反射面としての特別な加工を施すことなく、医療用ナイフの仕上面として形成された面をそのままの状態で利用することが好ましい。
【0024】
本発明に係る医療用ナイフを構成する材料は特に限定するものではない。防錆の面や加工のし易さを考慮したとき、ステンレス鋼であることが好ましく、中でもオーステナイト系ステンレス鋼であることが望ましい。
【0025】
以下、上記医療用ナイフを眼科手術に用いるナイフに適用した場合の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は鋭い尖端を有するナイフの平面形状を説明する平面図である。図2は先端が曲線状に形成されたナイフの平面図である。図3は第1実施例に係るナイフの横断面図である。図4は第2実施例に係るナイフの横断面図である。図5は第1実施例に係るナイフによって患部を切開する際のナイフの挙動を説明する図である。図6は第1実施例に係るナイフと従来のナイフによる刺通抵抗の比較実験の結果を示す図である。
【0026】
先ず、ナイフの平面形状について図1,図2により説明する。本発明に於いて、ナイフの平面形状及び断面形状は画一的なものではなく、代表的な形状として、図1に示すように先端部分が鋭く尖った尖端を有する平面形状が略菱形に形成されたナイフAや、図2に示すように先端部分の平面形状が曲線状に形成されたナイフBがある。しかし、本発明に係る医療用ナイフは平面形状を限定するものではなく、例えば先端部分が平坦で該平坦部分から両側部分にかけて寸法が大きくなるような平面形状が台形状に形成されたもの等も含むものである。
【0027】
上記ナイフA,Bの横断面の形状は図3,4に示すように後述するエッジ3を含む面5を境界として上部側と下部側とが異なる厚さを持って構成されており、更に、下部側の厚さそのものも異なるものが提供されている。即ち、ナイフA,Bは境界の上部側の厚さと下部側の厚さが異なっており、且つナイフA,B毎に下部側の厚さの異なるものが提供されている。
【0028】
先ず、図1によりナイフAの構成について説明する。図に於いて、ナイフAは、刃部1と、刃部1に連続して形成されたシャンク2を有している。このナイフAは、先端が鋭い尖端4として形成されており、該尖端4から刃部1の両側の外縁に沿って切刃としての機能を有するエッジ3が形成されている。
【0029】
刃部1の外縁に沿って形成されたエッジ3を含む面5の上部側と下部側には夫々複数の面が形成されている。即ち、エッジ3の上部側には該エッジ3を構成する第1斜面6が形成されており、該第1斜面6に連続して第2斜面7及び平面8が形成されている。
【0030】
エッジ3を構成する刃面としては主として第1斜面6によって形成されるものの、該第1斜面と第2斜面とによって構成されることもある。従って、エッジ3が第1斜面6によって構成される場合、第2斜面7及び平面8が成形面として構成され、エッジ3が第1斜面6と第2斜面7によって構成される場合、平面8が成形面として構成される。
【0031】
即ち、非反射面の加工範囲は、第1斜面6を除く部位である第2斜面7,平面8、或いは平面8が含まれている。また使用方法によっては、第2斜面7,平面8の一部、例えば最大幅部までであっても良いこともある。
【0032】
そして、成形面には無数の凹凸9が形成された非反射面として構成されている。本実施例では、非反射面を構成する無数の凹凸9は、サンドブラストによって形成されている。
【0033】
サンドブラストを実施する場合、ブラスト材(砥粒)としてはグリーンカーボランダム(GC)、カーボランダム(C)、ホワイトアランダム(WA)、アランダム(A)等があり、何れも好ましく使用することが可能である。また砥粒の粒度は、#600〜#1500の範囲の中から用途(使用部位)、反射度などを考慮し、選択的に用いることが好ましい。
【0034】
またナイフAを製造する過程で何れの工程でブラスト加工を行うかは限定するものではない。例えば、粗成形をした後、ブラスト加工を行い、その後、エッジの研磨を行い、バリ取り用の電解処理をすることが可能であり、またエッジを研磨した後、ブラスト加工と電解処理を行うことも可能であり、更に、素材に対して第2斜面7を加工した後、ブラスト加工を行い、更に、第1斜面6の加工、電解処理を行うことも可能である。尚、電解処理はエッジや表面を整えたり、ブラスト加工によって食い込んだ砥粒を表面から落とす効果もある。
【0035】
次に、図2によりナイフBの構成について説明する。図に於いて、前述のナイフAと同一の部分及び同一の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
図に示すように、ナイフBは、前述したナイフAと平面形状が多少異なるものの、実質的な機能や構造は同じであり、先端部分がナイフAでは鋭い尖端4として構成されているのに対し、ナイフBでは先端部分が曲線状に構成されている点が異なる。従って、エッジ3を含む面5を境界として上部側に第1斜面6,第2斜面7,平面8が形成されており、第2斜面7と平面8、或いは平面8に無数の凹凸が形成されて非反射面として構成されている。
【0037】
次に、図3により、ナイフA,B(両者は実質的に同一であるため、代表してナイフAとして説明する)の横断面の形状の第1実施例について説明する。図に示すように、エッジ3を含む面5を境界としてナイフAの上部側に、第1斜面5,第2斜面7,平面8が形成されており、面5の下部側にエッジ3を構成する下部側斜面10が形成され、該下部側斜面10に連続して下部側平面11が形成されている。
【0038】
下部側斜面10と下部側平面11は、夫々反射面として形成されている。即ち、下部側斜面10,下部側平面11は滑らかな面として形成されており、生体の組織に対して押圧しながら滑らせた場合であっても、発生する摩擦抵抗が小さくなるように構成されている。
【0039】
ナイフAの厚さである平面8から下部平面11までの寸法をHとし、エッジ3を含む面5を境界とする上部側の厚さである面5と片面8までの寸法をhとしたとき、hの寸法は、Hの寸法の1/2よりも大きく形成されている。h/Hの比率は特に限定するものではないが、前述したように55%〜99%の範囲であることが好ましく、75%〜99%の範囲であることがより好ましい。
【0040】
上記の如く、エッジ3を含む面5を境界として下部側の厚さを上部側の厚さよりも薄くすることによって、図5に示すように、例えば眼球の角膜21にナイフAを刺し通したとき、差し込み方向よりも下側に向かって進むことが可能となる。即ち、角膜51を切開したときに作用する眼圧pによってナイフAに生じる力が上下の面で異なり(上部側に作用する下向きの力Fdが下部側に作用する上向きの力Fuよりも大きい)、ナイフAを差し込むのに伴って該ナイフA全体が下側にズレることになる。
【0041】
このため、ナイフAの生体組織に対する接触状態は、上部側の表面(第1斜面6〜平面8)は組織の密着が弱く、下部側の表面(下部側斜面10,下部側平面11)は生体組織に押圧される。即ち、上部側の表面に作用する面圧と、下部側の表面に作用する面圧を比較すると下部側の表面に作用する面圧のほうが大きくなる。従って、下部側の表面が反射面として構成されているため摩擦係数が小さくなり、ナイフAを刺し通す際に発生する摩擦抵抗を大きくすることがない。更に、上部側の表面は面圧が小さいことによって、非反射面を構成する凹凸が組織に食い込むことがなく、接触面積を小さくすることが出来る。
【0042】
このように、エッジ3を含む面5を境界として下部側の厚さを上部側の厚さよりも小さくし、且つ上部側の表面に非反射面を形成したナイフAでは、生体組織を刺通する際の抵抗は、全表面が反射面で構成されているナイフと比較すると若干大きくなるものの、全表面が非反射面で構成されているナイフと比較すると充分に小さくなり、且つ医師に対する反射光を減少させて手術を容易に進行させることが可能となる。尚、手術中に医師がナイフAを裏返して使用することはほとんどない。
【0043】
本件発明者等が、従来の全表面が反射面として構成されているナイフと、従来の全表面が非反射面として構成されているナイフと、本発明のナイフと、の切れ味の比較実験を行った。この実験は、生豚眼角膜を治具に固定して、角膜に対して垂直にナイフを刺通し、各ナイフのサンプルによる刺通距離と刺通抵抗の関係を計測するものである。豚角膜の厚さは平均すると約0.9mmであり、人間の角膜(約0.5mm)よりも厚いが、刺通抵抗は術者が手術で実際に感じる刺通抵抗とほぼ同じである。この実験の結果を図6に示す。尚、同図に於いて、系列1の線は上下面の全表面を反射面とした従来品の測定値を示しており、系列2の線は本発明に係るナイフAの測定値を示しており、系列3は上下面の全表面を非反射面とした従来品の測定値を示している。
【0044】
上記実験の結果、以下のことが判明した。即ち、刺通距離が0mm〜約2mmの範囲では有意な差が生じないが、刺通距離が約2mmを越えると差が生じる。この差は、全表面が反射面として構成されているナイフと本発明のナイフとが略同等の刺通抵抗が発生し、全表面が非反射面のナイフでは本発明のナイフの刺通抵抗の約130%程度の刺通抵抗が発生している。この傾向は刺通距離が約5mmの範囲まで継続し、刺通距離が約5mmを越えると、本発明のナイフの刺通抵抗も全表面が反射面として構成されたナイフよりも大きくなる。しかし、このときの刺通抵抗も全表面が非反射面として構成されたナイフの刺通抵抗よりも小さい。
【0045】
上記の如く、本発明のナイフAは、全表面が反射面として構成されたナイフの刺通抵抗と比較して略同等の性能を発揮することが可能である。また全表面が非反射面として構成されたナイフによる医師への反射状態と比較して略同等の反射光を減少させる機能を発揮することが可能である。
【0046】
次に、図4によりナイフAの他の横断面の形状の第2実施例について説明する。図に示すように、エッジ3を含む面5の下部側には該面5と一致して下部面13が形成されている。このようなナイフAであっても、生体組織を刺し通す際に、下部側に向けて進むことは同じであり、図3に示す断面を持ったナイフAと同様の効果を発揮することが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る医療用ナイフでは、顕微鏡下の手術の際に医師に対する反射光を減少させることが出来、且つ切れ味を確保することが出来る。このため、微細な手術を容易に且つ確実に進行させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋭い尖端を有するナイフの平面形状を説明する平面図である。
【図2】先端が曲線状に形成されたナイフの平面図である。
【図3】第1実施例に係るナイフの横断面図である。
【図4】第2実施例に係るナイフの横断面図である。
【図5】第1実施例に係るナイフによって患部を切開する際のナイフの挙動を説明する図である。
【図6】第1実施例に係るナイフと従来のナイフによる刺通抵抗の比較実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
A,B ナイフ
1 刃部
2 シャンク
3 エッジ
4 尖端
5 面
6 第1斜面
7 第2斜面
8 平面
9 凹凸
10 下部側斜面
11 下部側平面
13 下部面
21 角膜

Claims (1)

  1. 刃部の外縁に沿って形成されたエッジを有し且つ該エッジを含む面を境界とした下部側の厚さを上部側の厚さよりも薄くし又はエッジを含む面を下部側の表面とした医療用ナイフに於いて、前記エッジを含む面を境界とした上部側の表面がエッジを構成する刃面と非反射面として形成された成形面とによって形成され、且つ下部側の表面が反射面として形成されていることを特徴とする医療用ナイフ。
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