JP2005012678A - 監視用撮像装置および監視方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】監視対象の撮像画像を用いて監視対象の状態変化を検知するにあたって、ノイズの影響による誤検知の可能性を低減し、画像処理に要する演算量を削減する。
【解決手段】監視用撮像装置10は、撮像部11およびデジタル変換部12にて監視対象の画像データを生成する。JPEGエンコード部13は、画像データをJPEG変換するとともに、ブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する。特徴的パラメータは、例えばJPEG変換の過程で算出されるDC成分値である。監視装置50では、DC成分差分演算部53にて、ブロックごとに、参照DC成分保持部52に保持される参照パラメータと画像の特徴的パラメータとの差分を算出する。判定通知部55は、DC成分差分演算部53にて算出された差分に基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する。
【選択図】 図1
【解決手段】監視用撮像装置10は、撮像部11およびデジタル変換部12にて監視対象の画像データを生成する。JPEGエンコード部13は、画像データをJPEG変換するとともに、ブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する。特徴的パラメータは、例えばJPEG変換の過程で算出されるDC成分値である。監視装置50では、DC成分差分演算部53にて、ブロックごとに、参照DC成分保持部52に保持される参照パラメータと画像の特徴的パラメータとの差分を算出する。判定通知部55は、DC成分差分演算部53にて算出された差分に基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視対象を撮像して、監視対象の画像を用いて監視対象の状態変化を検知する監視用撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、監視対象を撮像して得られた画像を処理することにより、監視対象の状態変化を検知する監視システムが知られている。監視システムは、監視対象の状態変化を検知すると、その旨を監視者に通知する。監視者は、監視システムからの通知を受けると、監視対象に不審人物が存在することや監視対象で火災が発生しているなどの異常な状態を確認できる。
【0003】
従来のこの種の監視システムは、異常のない状態の監視対象の画像(参照画像)をあらかじめ用意しておき、撮像にて得られた画像(撮像画像)と参照画像とを比較することにより、監視対象に状態変化が発生したか否かを判断する。このとき、監視システムは、撮像画像と参照画像とを画素単位で比較して、両画像の差分を分析し、参照画像に対する撮像画像の変化を検知している。このように画素単位で撮像画像と参照画像とを比較する監視システムは、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−239337号公報 (第7−8頁、第7図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の監視システムでは、撮像対象の状態変化を検知するために撮像画像と参照画像とを画素単位で比較する処理を行なっているので、画素単位で発生するノイズの影響を受け易く、また、演算量が多くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、監視対象の撮像画像を用いて監視対象の状態変化を検知するにあたって、画素単位で発生するノイズの影響による誤検知の可能性を低減し、また、演算量を削減できる監視用撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の監視用撮像装置は、監視対象を撮像して画像データを生成する撮像手段と、複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する演算を含む符号化処理によって、前記撮像手段にて生成された画像データを符号化する符号化手段と、前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータを保持する参照パラメータ保持手段と、前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知手段とを備えている。
【0008】
この構成により、変化検知手段がブロックごとの画像の特徴的パラメータと参照パラメータとに基づいて監視対象の状態変化を検知するので、画素単位で発生するノイズの影響を抑え、かつ、画素ごとに撮像画像と参照画像とを比較する場合に比べて演算量を少なくできる。特に、本発明の監視用撮像装置では、符号化手段がブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する演算を含む処理によって画像を符号化することに着目し、この符号化の過程で算出される特徴的パラメータを有効に活用して、監視対象の状態変化を少ない演算量にて検知できる。ここで、監視対象の状態変化とは、監視対象には存在しないはずの被写体が存在する場合および監視対象の形状または色が変化した場合を含む。
【0009】
また、本発明の監視用撮像装置は、前記ブロックごとに、前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとの差分を算出する差分演算手段を備えている。そして、前記変化検知手段は、前記差分演算手段にて算出された差分に基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する。
【0010】
この構成により、変化検知手段は差分演算手段にて算出された差分に基づいて監視対象の状態変化を検知するので、特徴的パラメータと参照パラメータとを比較してその差が大きいときに監視対象に状態変化が生じたことを検知できる。また、特徴パラメータと参照パラメータとの差をとるという簡単な演算で監視対象の状態変化を検知できるので、演算量が少なくて済む。
【0011】
また、本発明の監視用撮像装置では、前記符号化手段は、前記画像データを符号化する過程でDCT変換を行ない、前記特徴的パラメータは、前記DCT変換にて算出されるMCUごとのDC成分値に基づく値である。
【0012】
この構成により、画像データをDCT変換する過程で算出されるMCUごとのDC成分を利用して、監視対象の状態変化を検出できる。なお、画像データを符号化する過程でDCT変換を行なう符号化手段は、例えばJPEGエンコーダまたはMPEGエンコーダである。また、MCUごとのDC成分値に基づく値には、DC成分値そのものも含まれる。
【0013】
また、本発明の監視用撮像装置では、前記特徴的パラメータは、前記ブロックごとの輝度平均値および前記ブロックごとの色差平均値を含み、前記参照パラメータは、前記ブロックごとの輝度参照値および前記ブロックごとの色差参照値を含む。そして、前記差分演算手段は、前記ブロックごとに、前記輝度平均値と前記輝度参照値との輝度差分、および前記色差平均値と色差参照値との色差差分を算出し、前記変化検知手段は、前記輝度差分と前記色差差分との重み付け加算値を閾値と比較することにより、前記監視対象の状態変化を検知する。
【0014】
この構成により、参照画像に対して撮像画像が多少ずれたとしても、輝度平均値および色差平均値には大きく影響しないので、撮像手段が監視対象に対して多少ずれただけでは、監視対象の状態変化が検知されず、したがって、誤検知の可能性を軽減できる。さらに、輝度差分と色差差分とが重み付け加算されて、閾値と比較されるので、輝度の変化および色差の変化の重視の程度を適切に設定できる。
【0015】
また、本発明の監視用撮像装置は、前記輝度差分と前記色差差分との重み付け加算に用いる重み係数を可変に設定する係数設定手段を備えている。
【0016】
この構成により、係数設定手段が重み係数を可変に設定するので、状況に応じて輝度の変化および色彩の変化のいずれかを重視するかを任意に設定できる。例えば、監視対象に日光が当たっている場合には、時間の経過と共に被写体である監視対象の輝度が変化するが、このような変化を無視したい場合には、輝度の重み係数を小さく設定すればよい。
【0017】
また、本発明の監視用撮像装置では、前記係数設定手段は、前記ブロックごとに前記重み係数を設定する。
【0018】
この構成により、上記のような重み係数の設定をブロックごとに行なうことができ、より適切に監視対象の状態変化を検知できる。
【0019】
また、本発明の監視用撮像装置は、さらに画像領域の中で状態変化の検知を行なうべき領域を判定する領域判定手段を備えており、前記変化検知手段は、前記領域判定手段にて状態変化の検知を行なうべきであると判定された領域内の監視対象の状態変化を検知する。
【0020】
この構成により、撮像手段にて得られる画像の領域の中で、監視対象の状態変化を検知する必要がある領域を特定することができ、それ以外の領域での被写体の変化を監視対象の状態変化として誤検知することを防止できる。また、通常の撮像手段で得られる長方形等の画像と異なる任意の形状の領域を、監視対象の状態変化を検知すべき領域として設定できる。
【0021】
本発明の監視装置は、監視対象を撮像して得られた画像データを符号化する符号化処理の過程で算出された前記画像データの複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを取得する特徴的パラメータ取得手段と、前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータを保持する参照パラメータ保持手段と、前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知手段とを備えている。
【0022】
この監視装置を撮像装置に設ければ、上記の監視用撮像装置と同様の装置が構成され、上記の監視用撮像装置と同様の作用効果を奏する。また、監視システムが複数の撮像装置を含むときには、各撮像装置に接続されたセンタ装置にこの監視装置を設けることができる。これにより、各撮像装置のコストアップを抑えられるので、特に多数の撮像装置を含む監視システムのコストアップを抑制できる。
【0023】
本発明は、上述したような装置の態様に限定されない。本発明の別の態様は、監視方法、監視方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびそのプログラムを格納した記録媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態の監視撮像装置10の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施の形態のセンタ装置20の構成を示すブロック図である。図3は、監視用撮像装置10およびセンタ装置20を含む監視システム1の構成を示す図である。以下では、まず図3を参照して監視システム1の全体の構成を説明した後に、図1および図2を参照して監視用撮像装置10およびセンタ装置20の構成を説明する。
【0026】
図3に示すように、監視システム1は、センタ装置20および複数の監視用撮像装置10を含んでいる。各監視用撮像装置10は、監視装置50を備えている。複数の監視用撮像装置10は、センタ装置20にネットワークで接続されている。ネットワークは有線であっても無線であってもよい。また、ネットワークはインターネットのような広域ネットワークであっても、LANのようなネットワークであってもよい。
【0027】
各監視用撮像装置10は、監視対象Pを撮像する位置に設置される。監視用撮像装置10は、監視対象Pを撮像して得られた撮像画像をセンタ装置20に送信する。撮像画像は、監視用撮像装置10またはその他の装置にて保存されてもよい。監視用撮像装置10は、撮像画像の送信または保存のために、撮像画像の画像データを圧縮符号化する。また、監視用撮像装置10は、撮像画像を用いて監視対象Pの状態変化を検知する。
【0028】
各監視用撮像装置10には、警報装置30が接続されている。警報装置30は、監視用撮像装置10にて監視対象Pの状態変化が検知されると、警告音を鳴らす。
【0029】
監視対象Pは、例えば立入禁止場所である。監視用撮像装置10は、立入禁止場所に侵入した人物を撮像すると、撮像画像を用いて監視対象Pの状態変化を検知する。また、監視システム1は、監視対象Pの火災も検知できる。監視用撮像装置10は、監視対象Pからの出火または監視対象Pに発生した煙を撮像すると、撮像画像を用いて監視対象Pの状態変化を検知する。
【0030】
監視システム1が、例えばビル内の各監視対象Pを監視するシステムであるときには、センタ装置20はビルの監視室に設置される。また、センタ装置20が警備会社に設置されて、各監視用撮像装置10と接続されてもよい。
【0031】
監視システム1は、上記のような防犯・防災の目的で監視対象Pを監視するためのシステムに限られない。例えば、監視用撮像装置10に相当する装置を家庭の玄関先に設置して、センタ装置20に相当する装置を家の中に設置してもよい。これにより、玄関先の来客を検知するシステムが構成される。
【0032】
図1は、監視用撮像装置10の構成を示すブロック図である。監視用撮像装置10は、撮像部11、デジタル変換部12、JPEGエンコード部13、送受信部14および監視装置50を備えている。撮像部11は、レンズ110、開口部111及び撮像素子112を備えている。被写体である監視対象からの光は、レンズ110を通過し、開口部111の開口の大きさに応じた光量だけ撮像素子112に入射する。撮像素子112は、RGBの各色のフィルタを備え、入射光を光量に応じたRGBの電気信号に変換する。撮像部11は、図示しない制御部の制御により、所定の間隔で監視対象を撮像する。撮像部11は、例えば1秒間隔で監視対象を撮像する。
【0033】
デジタル変換部12は、撮像素子112にて得られたRGBの各色の電気信号をデジタルデータに変換する。デジタル変換部12の変換処理によってRGBの画素値を示す非圧縮かつデジタルの画像データが生成される。この撮像部11およびデジタル変換部12によって、本発明の撮像手段が構成される。
【0034】
JPEGエンコード部13は、デジタル変換部12にて得られた画像データをJPEG形式の画像データに圧縮符号化する。JPEGエンコード部13は、まず、RGBの画像データをYUVの画像データに変換する。Yは画素の輝度である。UおよびVはそれぞれ画素の色差であって、U=B−Y、V=R−Yである。以下では、色差をUとVとで区別するときは、それぞれ「U色差」および「V色差」と表記する。
【0035】
YUV形式に変換された画像データは、Y、UおよびVの画像データごとにDCT変換(離散コサイン変換)される。DCT変換では、輝度画像データは、8画素×8画素のMCU(Minimum Code Unit)ごとのデータに分割される。また、U色差画像データおよびV色差画像データは16画素×16画素の領域ごとに分割され、この16画素×16画素の色差画像データが間引きされて、8画素×8画素のMCUごとのデータに分割される。本実施例の16画素×16画素からなる領域は、本発明のブロックに相当する。
【0036】
MCU内の画像データをSyx(y,x=0,1,…,7)とし、DCT変換係数をSvu(v,u=0,1,…,7)とすると、各MCUは、式(1)によってDCT変換される。
【数1】
ここで、v=u=0のときのDCT変換係数S00は、DC成分(直流成分)である。また、v=u=0以外のときのDCT変換係数Svuは、AC成分(交流成分)である。式(1)からも明らかな通り、DC成分であるS00は、MCU内での画像データの平均値を表す。したがって、輝度画像データのDC成分はMCUごとの輝度の平均値を表し、色差画像データのDC成分はMCUごとの色差の平均値を表す。ただし、色差画像データのDC成分は、画素を間引きしたうえでの平均値を表す。
【0037】
JPEGエンコード部13は、上記のようにDCT変換された画像データに対して、さらに量子化処理およびエントロピー符号化処理を施し、JPEG形式の画像データを生成する。JPEGエンコード部13は、本発明の符号化手段に相当する。
【0038】
送受信部14は、ネットワークを介してセンタ装置20との間で通信を行なう。送受信部14は、JPEGエンコード部13にて圧縮符号化された撮像画像をセンタ装置20に送信する。また、送受信部14は、後述の通知信号をセンタ装置20に送信し、センタ装置20から後述の閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を受信する。
【0039】
監視装置50は、監視対象の画像データを用いた画像処理により監視対象の状態変化を検知する。上述のように、デジタル変換部12からは非圧縮の撮像画像の画像データが出力されるので、この画像データをあらかじめ用意した参照画像の画像データと比較すれば、監視対象の状態変化を検知できる。しかしながら、撮像画像と参照画像とを画素単位で比較すると、画素単位で発生するノイズの影響を受け易く、かつ画像処理の演算量が大きくなる。そこで、本実施の形態では、JPEGエンコード部13にて画像データを圧縮符号化する過程でブロックごとの画像の特徴的パラメータが算出されることに着目して、この特徴的パラメータを有効に活用して監視対象の状態変化を検知する。
【0040】
ここで、「特徴的パラメータ」とは、ブロック全体の平均的な特徴を示すパラメータを意味する。上述のように、JPEGエンコード部13は、RGBの画像データを変換して、輝度画像データと2種類の色差画像データを生成する。そして、JPEGエンコード部13は、それぞれの画像データをJPEG形式に圧縮符号化する際のDCT変換の過程でMCUごとのDC成分を算出する。輝度画像データのDC成分値は、8画素×8画素のブロックに含まれる画素の輝度の平均値であり、色差画像データのDC成分値は、16画素×16画素のブロックに含まれる、間引き後に残った画素の色差の平均値である。
【0041】
本実施の形態の監視装置50は、4つの輝度DC成分値の平均値、すなわち16画素×16画素のブロックに含まれる画素の輝度の平均値、および16画素×16画素のブロックから得られる色差DC成分値を特徴的パラメータとして用いる。このように、ブロックに含まれる画素値の平均値を特徴パラメータとして用いれば、参照画像に対して撮像画像が多少ずれたとしても、輝度平均値および色差平均値には大きく影響しないので、撮像手段が監視対象に対して多少ずれただけでは、監視対象の状態変化が検知されない。したがって、監視対象の状態変化を誤検知の可能性が軽減される。
【0042】
なお、本発明の特徴的パラメータは、上記のJPEGのDCT変換にて得られるDC成分に限らず、画像データを符号化する過程で算出されるブロックごとのパラメータであって、ブロック全体の平均的な特徴を示すパラメータであれば、他のパラメータでもよい。
【0043】
上記のように画像の特徴的パラメータであるDC成分値を用いて監視対象の状態変化を監視装置50で検知するために、JPEGエンコード部13は、上述した通常の圧縮符号化処理に加えて、DCT変換処理の過程で算出されるMCUごとのDC成分値を出力する処理を行なう。
【0044】
図4および図5は、画像データをブロックに分割する処理を説明する図である。図4の例では、輝度画像データ、U色差画像データおよびV色差画像データは、それぞれ32画素×48画素の大きさを有する。上述したように、JPEGエンコード部13のDCT変換処理では、輝度画像データは8画素×8画素の大きさのMCUに分割される。そして、U色差画像データおよびV色差画像データからは、16画素×16画素の領域ごとに8画素×8画素のMCUが生成される。
【0045】
この処理によって、例えば図4に示す16画素×16画素のブロック41からは、図5(a)に示すように8画素×8画素の輝度画像データのMUCが4つ得られ、8画素×8画素のU色差画像データのMCUおよび8画素×8画素のV色差画像データのMCUがそれぞれ1つずつ得られる。そして、JPEGエンコード部13は、4つの輝度画像データのMCUのそれぞれのDC成分値の平均を算出する。以下では、輝度画像データについては、4つのMCUのDC成分値の平均値を「輝度DC成分値」という。また、U色差画像データおよびV色差画像データのDC成分値をそれぞれ「U色差DC成分値」および「V色差DC成分値」という。ただし、「U色差DC成分値」と「V色差DC成分値」との区別が特に必要でないときは、両者を単に「色差DC成分値」という。
【0046】
ブロック41からは、輝度DC成分値、U色差DC成分値およびV色差成分値がそれぞれ1つずつ得られる。そして、32画素×48画素からなる画像データ全体からは、輝度DC成分値、U色差DC成分値およびV色差DC成分値がそれぞれ6個ずつ得られ、合計18個のDC成分値が得られる。なお、「輝度DC成分値」、「U色差DC成分値」および「V色差DC成分値」は、いずれも16画素×16画素のブロックに含まれる画素の平均的な値であり、本発明の特徴的パラメータに相当する。
【0047】
JPEGエンコード部13は、一枚の画像データを圧縮符号化するごとに、監視装置50に上記の18個のDC成分値を出力する。
【0048】
図1に戻って、監視装置50は、DC成分保持部51、参照DC成分保持部52、DC成分差分演算部53、閾値保持部54、判定通知部55、判定エリア情報保持部56および判定条件設定部57を備えている。DC成分保持部51は、JPEGエンコード部13から出力されるDC成分値を取得して保持する。DC成分保持部51は、本発明の特徴的パラメータ取得手段に相当する。
【0049】
参照DC成分保持部52は、DC成分保持部51に記憶されているDC成分値を取り込んで参照DC成分値として保持する。参照DC成分値は、撮像画像のDC成分値の参照値として用いられる値であり、後からDC成分保持部51にて取得される撮像画像の状態変化を検知するために用いられる。この参照DC成分値は、本発明の参照パラメータに相当する。
【0050】
DC成分値を取り込んで参照DC成分値を更新するための更新間隔は、参照DC成分保持部52に設定されている。この更新間隔は可変である。撮像部11が上述のように1秒間隔で監視対象を撮像するときには、参照DC成分保持部52は、例えば10秒間隔、すなわち10枚の画像ごとに1枚の画像のDC成分値を取得する。なお、上述の説明からも明らかな通り、参照DC成分保持部52は、16画素×16画素のブロックごとに参照DC成分値を保持している。これらの参照DC成分値は、DC成分保持部51に保持されるDC成分値と対応している。参照DC成分保持部52は、本発明の参照パラメータ保持手段に相当する。
【0051】
なお、本発明の参照パラメータは、監視用撮像装置10の撮像にて得られた画像から生成されるDC成分値には限られない。参照パラメータは、監視対象の状態変化を検知するために特徴的パラメータの参照値となるパラメータであれば、どのように生成されてもよい。
【0052】
DC成分差分演算部53は、対応するMCUごとに、DC成分保持部51に保持されている撮像画像のDC成分値と、参照DC成分保持部52に保持されている参照DC成分値との差分を演算する。このDC成分差分演算部53は、本発明の差分演算手段に相当する。上述のように、DC成分値には、輝度DC成分値および色差DC成分値があるので、以下では、輝度DC成分値の差分を「輝度差分」、色差DC成分値の差分を「色差差分」という。
【0053】
閾値保持部54は、閾値T、輝度差分の重み係数W1および色差差分の重み係数W2を保持している。閾値Tは、監視対象の状態変化を検知するために用いられる。重み係数W1およびW2は、輝度差分と色差差分とを重み付け加算するために用いられる。閾値保持部54に保持される閾値Tおよび重み係数W1およびW2は、ブロックごとに定義されている。そして、閾値Tおよび重み係数W1およびW2は可変である。
【0054】
判定エリア情報保持部56は、判定領域の情報を保持している。判定領域は、撮像にて得られる画像の領域中の状態変化を検知すべき領域である。判定領域は、DC成分差分演算部53での差分演算の対象となるブロックを最小単位として設定されている。本実施の形態では、16画素×16画素で1ブロックが構成されるので、この16画素×16画素の大きさを最小単位として判定領域が設定される。判定領域は、可変である。
【0055】
判定条件設定部57は、送受信部14から、閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を取り込む。閾値設定信号は、閾値保持部54に保持された閾値Tを所定の値に設定するための制御信号である。重み係数設定信号は、閾値保持部54に保持された重み係数W1、W2を所定の値に設定するための制御信号である。更新間隔設定信号は、参照DC成分保持部52がDC成分保持部51からDC成分値を取り込む間隔(更新間隔)を設定するための制御信号である。判定領域設定信号は、判定エリア情報保持部56に保持される判定領域を設定するための制御信号である。判定条件設定部57は、これらの制御信号に基づいて、閾値、重み係数、更新間隔および判定領域を設定する。この判定条件設定部57は、本発明の係数設定手段に相当する。
【0056】
判定通知部55は、DC成分差分演算部53にて算出された輝度差分および色差差分に基づいて、監視対象に状態変化があったか否かを判定する。判定通知部55は、監視対象に状態変化があったと判定したときに、送受信部14に通知信号を出力し、警報装置30に警報を鳴らさせるための信号を出力する。送受信部14は、ネットワークを介して通知信号をセンタ装置20に送信する。警報装置30は、信号を受けると、警報を鳴らす。判定通知部55は、本発明の変化検知手段を構成する。
【0057】
次に、監視対象の状態変化を検知するための監視装置50の動作を説明する。以下では、図4に示した画像のDC成分値が参照DC成分保持部52に保持されている例、すなわち図4の画像を参照画像とする例を説明する。
【0058】
図6は、監視対象を撮像して得られた撮像画像を示す図である。図6に示す撮像画像には、図4に示す参照画像には存在しない被写体42が存在している。この被写体42は、例えば、立ち入り禁止である監視対象に立ち入った人物または監視対象にて火災が発生したときの炎である。
【0059】
DC成分差分演算部53は、DC成分保持部51から撮像画像(図6)のDC成分値を取得し、参照DC成分保持部52から参照画像(図4)の参照DC成分値を取得する。そして、DC成分差分演算部53は、対応するMCUごとに、撮像画像のDC成分値と参照DC成分値との差分を算出する。ここで、DC成分値の差分とは、両DC成分値の差の絶対値を意味する。以下では、ブロック41の差分算出処理を説明する。ブロック41と同様の16画素×16画素の他のブロックもブロック41と同様にして差分が算出される。
【0060】
以下の説明では、参照DC成分保持部52に保持された参照画像の輝度参照DC成分値、U色差参照DC成分値およびV色差参照DC成分値をそれぞれYn−1、Cbn−1およびCrn−1と表記し、DC成分保持部51に保持された撮像画像の輝度DC成分値、U色差DC成分値およびV色差DC成分値をそれぞれYn、CbnおよびCrnと表記する。また、輝度差分、U色差差分およびV色差差分をそれぞれ、DY、DCbおよびDCrと表記する。輝度差分DY、U色差差分DCbおよびV色差差分DCrは、それぞれDY=|Yn−Yn−1|、DCb=|Cbn−Cbn−1|およびDCr=|Crn−Crn−1|である。
【0061】
図7は、ブロック41のDC成分値を示す図である。図7(a)は、参照DC成分保持部52に保持された参照画像の輝度参照DC成分値Yn−1、U色差参照DC成分値Cbn−1およびV色差参照DC成分値Crn−1を示しており、図7(b)は、DC成分保持部51に保持された撮像画像の輝度DC成分値Yn、U色差DC成分値CbnおよびV色差DC成分値Crnを示している。図7に示すように、本実施の形態では、Yn−1=−200、Cbn−1=120およびCrn−1=−80であり、Yn=−300、Cbn=10およびCrn=40である。したがって、ブロック41の輝度差分DY、U色差差分DCbおよびV色差差分DCrは、それぞれDY=|−300−(−200)|=100、DCb=|10−120|=110およびDCr=|−40−80|=120である。DC成分差分演算部53は、ブロック41以外の領域についても、上記と同様にして、16画素×16画素のブロックごとに差分DY、DCbおよびDCrを出力する。
【0062】
判定通知部55は、DC成分差分演算部53より出力された差分DY、DCbおよびDCrを取得すると、ブロックごとに式(2)を用いて判定値Outを算出する。
【数2】
ここで、上述したように、W1は輝度差分に対する重み係数であり、W2は色差差分に対する重み係数である。重み係数W1およびW2は、いずれも0以上1以下の値である。また、Tは閾値である。重み係数W1およびW2は、監視対象の状態変化を検知する際の輝度と色差との影響度の大きさである。したがって、例えば、監視対象の輝度変化を軽視してもよい場合(例えば、監視対象に日光が当たっていて1日を通して輝度が変化する場合)には、輝度の重み係数W1を色差の重み係数W2に比べて小さく設定すればよい。また、閾値Tは、撮像画像が参照画像に対してどの程度相違しているときに、撮像対象の状態変化が発生したとするかを決定する値である。
【0063】
本実施の形態では、W1=0.5、W2=1.0、T=100である。各値を式(2)に代入すると、
【数3】
となる。
【0064】
判定通知部55は、ブロック41以外のブロックについても、上記と同様の処理により判定値Outを演算する。ただし、判定部通知部55は、判定エリア情報保持部56に保持された判定領域の情報に基づいて、判定処理を行なうべきブロックについてのみ上記の演算を行なう。また、重み係数W1、W2および閾値Tは、閾値保持部54に保持された値を用いる。このとき、重み係数W1、W2および閾値Tがブロックごとに異なる値であるときには、判定通知部55は、式(2)により判定値Outを算出する処理を行なうごとに閾値保持部54を参照する。判定通知部55によって、本発明の領域判定手段が構成される。
【0065】
判定通知部55は、判定値Outが1より大きいとき、すなわち、輝度差分と色差差分との重み付け加算値が閾値Tを上回るときに、撮像画像と参照画像とが異なると判定して、監視対象に状態変化が生じたことを検知する。そして、判定通知部55は、監視対象に状態変化があったことを示す通知信号を送受信部14に出力し、警報装置30に警報を鳴らせるための信号を出力する。通知信号は、送受信部14からセンタ装置20に送信される。また、警報装置30は、信号を受けると、警報を鳴らす。
【0066】
次に、センタ装置20の構成を説明する。
【0067】
図2は、センタ装置20の構成を示すブロック図である。センタ装置20は、送受信部21、記憶部22、モニタ23、JPEGデコード部24、スピーカ25および制御部26を備えている。センタ装置20は、典型的にはパーソナルコンピュータで構成される。そして、制御部26は、CPUで構成される。制御部26が所定のプログラムを実行することにより、報知部261および設定信号生成部262が構成される。
【0068】
送受信部21は、撮像装置10との間で通信を行なう。送受信部21は、撮像装置10に閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を送信し、また、撮像装置10から圧縮符号化された撮像画像および通知信号を受信する。記憶部22は、送受信部21にて受信した撮像画像を記憶する。モニタ23は、送受信部21にて受信した撮像画像および記憶部22に記憶された撮像画像を表示する。また、モニタ23は、監視対象の状態変化があったことを示す報知画像を表示する。JPEGデコード部24は、撮像画像をモニタ23にて表示するときに、JPEG形式のデータに圧縮符号化されている画像データをデコードしてRGBの信号を生成する。スピーカ25は、監視対象の状態変化があったことを示す報知音を出力する。
【0069】
制御部26の報知部261は、送受信部21にて通知信号を受信すると、モニタ23に報知画像を表示させ、スピーカ25に報知音を出力させる。制御部26の設定信号生成部262は、図示しない入力部からの入力に基づいて、閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を生成する。上述のように、参照DC成分値の更新間隔、判定領域、重み係数W1、W2および閾値Tは、可変である。
【0070】
例えば、撮像部11での撮像領域中で画像に変化があっても無視してよい領域がある場合には、その領域を除く領域を判定領域として設定とすればよい。また、輝度の変化を重要視しない場合には、判定値Outの算出の際に輝度差分の重みを小さくするために、輝度の重み係数W1を小さく設定すればよい。さらに、多少の変化を許容する場合には、判定値Outが1を越えにくいように閾値Tを大きく設定すればよい。逆に、多少の画像の変化も監視対象の状態変化として検知する必要があるときには、判定値Outが1を越え易いように閾値Tを小さく設定すればよい。
【0071】
センタ装置20の操作者は、上記のように、状況に応じて参照DC成分値の更新間隔、判定領域、重み係数W1、W2または閾値Tを設定するために、設定信号生成部262を用いて設定信号を生成する。設定信号生成部262は、生成した設定信号を送受信部21に出力する。送受信部21は、各設定信号を監視用撮像装置10に送信する。なお、各設定信号は、時刻または監視対象の状況に応じて監視用撮像装置10またはセンタ装置20にて自動生成されてもよい。
【0072】
次に、本実施の形態の監視システム1を用いた監視方法を説明する。
【0073】
図8は、本実施の形態の監視方法のフローチャートである。監視用撮像装置10の撮像部11は、所定の時間間隔で監視対象を撮像する。撮像部11が監視対象を撮像すると(ステップS80)、JPEGエンコード部13は、撮像画像をJPEG形式の画像データに圧縮符号化する(ステップS81)。DC成分保持部51は、撮像画像の圧縮符号化過程で算出されたブロックごとの特徴的パラメータ、すなわちブロックごとの輝度DC成分値および色差DC成分値を取得する(ステップS82)。
【0074】
次に、DC成分差分演算部53が、特徴的パラメータとその参照値である参照パラメータ、すなわち参照DC成分値との差分を算出する(ステップS83)。そして、判定通知部55が、上記の式(2)を用いて、ブロックごとに判定値Outを算出する(ステップS84)。そして、判定値Outが1を越えるか否かを判断する(ステップS85)。判定値Outが1を越えるときは(ステップS85にてYes)ステップS86に進み、判定値Outが1を越えないときは(ステップS85にてNo)ステップS88に進む。なお、判定値Outは判定領域に含まれるブロックごとに算出されるので、1枚の画像が6つの16画素×16画素のブロックからなるとき、最大で6つの判定値Outが算出される。それらの判定値Outのうちの1つでも1を越えるときは、ステップS86に進み、すべての判定値Outが1を越えないときにステップS88に進む。
【0075】
ステップS85にて判定値Outが1を越えると判断されると(ステップS85にてYes)、監視用撮像装置10は、判定通知部55にて通知信号を生成して送受信部14からセンタ装置20に通知信号を送信する(ステップS86)。また、このとき、判定通知部55は、警報装置30にて警報音を鳴らせるための信号を出力する。センタ装置20では、通知信号に基づいてモニタ23に報知画像が表示されるとともにスピーカ25から報知音が出力され、また、警報装置30からは警報音が出力される(ステップS87)。
【0076】
一方、ステップS85にて判定値Outが1を越えないと判断されると(ステップS85にてNo)、参照DC成分保持部52にて設定されている参照パラメータの更新間隔に基づいて、参照パラメータを更新するか否かを判断する(ステップS88)。参照パラメータを更新するときは(ステップS88にてYes)、参照DC成分保持部52は、DC成分保持部51からその時の特徴的パラメータを取り込んで参照パラメータとする。参照パラメータを更新しないときは(ステップS88にてNo)、ステップS80に戻って再び監視対象を撮像する。
【0077】
(変形例)
上記の実施の形態の監視システム1では、撮像装置10が監視装置50を備えることにより、撮像装置側で監視対象の状態変化を検知したが、監視装置50は撮像装置10以外に設けられていてもよい。例えば、監視装置50は、センタ装置20に備えられていてもよい。この場合には、JPEGエンコード部13は、上記の実施の形態と同様に、画像データを圧縮符号化する一方で、その過程で算出された特徴的パラメータを送受信部14に出力する。送受信部14は、ネットワークを介して特徴的パラメータをセンタ装置20に送信する。センタ装置20に設けられた監視装置50は、上記の実施の形態と同様にして、監視対象の状態変化を検知して通知信号を生成する。
【0078】
また、監視装置50を備えた撮像装置10がネットワークに接続されておらず、単体で機能する装置であってもよい。この場合、撮像装置10には撮像された監視対象の画像を記録するための記録部が設けられる。そして、記録部は、JPEGエンコード部13にて圧縮符号化された画像データを記録する。このように撮像装置10が単体で用いられるときにも、撮像装置10に警報装置30が接続されていれば、監視対象の状態変化があったときに監視対象の周囲の者は警報装置30の警報音を聞くことで監視対象に状態変化があったことを認識できる。
【0079】
記録部は、判定通知部55にて生成された通知信号を画像データに関連付けて記憶してもよい。監視対象の状態変化が検知された後に、通知信号と関連付けられた画像データを記録部から読み出して再生すれば、どのような状態変化が起こったかを事後的に確認できる。
【0080】
また、上記の実施の形態の監視システム1は、撮像装置10が監視対象を撮像して画像データすなわちスチル画像のデータを生成したが、撮像装置10が撮像対象の動画像を撮像してもよい。この場合には、撮像装置10には、上記の実施の形態のJPEGエンコード部13に代えて、例えばMPEGエンコード部などの符号化された動画データを生成する処理ブロックが設けられる。すなわち、本発明の符号化手段は、圧縮符号化された動画データを生成する処理ブロックであってもよい。
【0081】
撮像部11が動画像を撮像する場合には、撮像部11は例えば1/30秒ごとに被写体を撮像する。デジタル変換部12は、上記の実施の形態と同様にして、画像データを生成する。MPEGエンコード部は、デジタル変換部12から出力される画像データ(フレーム)に対してフレーム間符号化処理またはフレーム内符号化処理を施す。フレーム間符号化処理およびフレーム内符号化処理は、いずれもDCT変換を含む。MPEGエンコード部は、DCT変換にて算出されるブロックごとのDC成分をブロックの特徴的パラメータとして出力する。監視装置50は、MPEGエンコード部より出力されるDC成分を用いて上記同様に撮像対象の状態変化を検知する。
【0082】
また、上記の実施の形態では、カラー画像を用いて監視対象の状態変化を検知したが、モノクロ画像を用いてもよいことは勿論である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、撮像画像の画像データを符号化する処理で算出されるブロックごとの画像の特徴的パラメータを用いて、監視対象の撮像画像を用いて監視対象の状態変化を検知することにより、ノイズの影響による誤検知の可能性を低減でき、かつ、監視対象の状態変化を検知するための画像処理に要する演算量を削減できるというすぐれた効果を有する監視用撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の監視用撮像装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態のセンタ装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態の監視システムを示す図
【図4】本発明の実施の形態のJPEGエンコード部にて処理される画像を示す図
【図5】本発明の実施の形態のJPEGエンコード部の処理を示す図
【図6】本発明の実施の形態のJPEGエンコード部にて処理される画像(監視対象に状態変化が生じた場合)を示す図
【図7】本発明の実施の形態の参照パラメータおよび特徴的パラメータを説明する図
【図8】本発明の実施の形態の監視方法を示すフローチャート
【符号の説明】
1 監視システム
10 監視用撮像装置
11 撮像部
12 デジタル変換部
13 JPEGエンコード部
20 センタ装置
30 警報装置
41 ブロック
50 監視装置
51 DC成分保持部
52 参照DC成分保持部
53 DC成分差分演算部
55 判定通知部
262 判定条件設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視対象を撮像して、監視対象の画像を用いて監視対象の状態変化を検知する監視用撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、監視対象を撮像して得られた画像を処理することにより、監視対象の状態変化を検知する監視システムが知られている。監視システムは、監視対象の状態変化を検知すると、その旨を監視者に通知する。監視者は、監視システムからの通知を受けると、監視対象に不審人物が存在することや監視対象で火災が発生しているなどの異常な状態を確認できる。
【0003】
従来のこの種の監視システムは、異常のない状態の監視対象の画像(参照画像)をあらかじめ用意しておき、撮像にて得られた画像(撮像画像)と参照画像とを比較することにより、監視対象に状態変化が発生したか否かを判断する。このとき、監視システムは、撮像画像と参照画像とを画素単位で比較して、両画像の差分を分析し、参照画像に対する撮像画像の変化を検知している。このように画素単位で撮像画像と参照画像とを比較する監視システムは、例えば特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−239337号公報 (第7−8頁、第7図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の監視システムでは、撮像対象の状態変化を検知するために撮像画像と参照画像とを画素単位で比較する処理を行なっているので、画素単位で発生するノイズの影響を受け易く、また、演算量が多くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、監視対象の撮像画像を用いて監視対象の状態変化を検知するにあたって、画素単位で発生するノイズの影響による誤検知の可能性を低減し、また、演算量を削減できる監視用撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の監視用撮像装置は、監視対象を撮像して画像データを生成する撮像手段と、複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する演算を含む符号化処理によって、前記撮像手段にて生成された画像データを符号化する符号化手段と、前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータを保持する参照パラメータ保持手段と、前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知手段とを備えている。
【0008】
この構成により、変化検知手段がブロックごとの画像の特徴的パラメータと参照パラメータとに基づいて監視対象の状態変化を検知するので、画素単位で発生するノイズの影響を抑え、かつ、画素ごとに撮像画像と参照画像とを比較する場合に比べて演算量を少なくできる。特に、本発明の監視用撮像装置では、符号化手段がブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する演算を含む処理によって画像を符号化することに着目し、この符号化の過程で算出される特徴的パラメータを有効に活用して、監視対象の状態変化を少ない演算量にて検知できる。ここで、監視対象の状態変化とは、監視対象には存在しないはずの被写体が存在する場合および監視対象の形状または色が変化した場合を含む。
【0009】
また、本発明の監視用撮像装置は、前記ブロックごとに、前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとの差分を算出する差分演算手段を備えている。そして、前記変化検知手段は、前記差分演算手段にて算出された差分に基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する。
【0010】
この構成により、変化検知手段は差分演算手段にて算出された差分に基づいて監視対象の状態変化を検知するので、特徴的パラメータと参照パラメータとを比較してその差が大きいときに監視対象に状態変化が生じたことを検知できる。また、特徴パラメータと参照パラメータとの差をとるという簡単な演算で監視対象の状態変化を検知できるので、演算量が少なくて済む。
【0011】
また、本発明の監視用撮像装置では、前記符号化手段は、前記画像データを符号化する過程でDCT変換を行ない、前記特徴的パラメータは、前記DCT変換にて算出されるMCUごとのDC成分値に基づく値である。
【0012】
この構成により、画像データをDCT変換する過程で算出されるMCUごとのDC成分を利用して、監視対象の状態変化を検出できる。なお、画像データを符号化する過程でDCT変換を行なう符号化手段は、例えばJPEGエンコーダまたはMPEGエンコーダである。また、MCUごとのDC成分値に基づく値には、DC成分値そのものも含まれる。
【0013】
また、本発明の監視用撮像装置では、前記特徴的パラメータは、前記ブロックごとの輝度平均値および前記ブロックごとの色差平均値を含み、前記参照パラメータは、前記ブロックごとの輝度参照値および前記ブロックごとの色差参照値を含む。そして、前記差分演算手段は、前記ブロックごとに、前記輝度平均値と前記輝度参照値との輝度差分、および前記色差平均値と色差参照値との色差差分を算出し、前記変化検知手段は、前記輝度差分と前記色差差分との重み付け加算値を閾値と比較することにより、前記監視対象の状態変化を検知する。
【0014】
この構成により、参照画像に対して撮像画像が多少ずれたとしても、輝度平均値および色差平均値には大きく影響しないので、撮像手段が監視対象に対して多少ずれただけでは、監視対象の状態変化が検知されず、したがって、誤検知の可能性を軽減できる。さらに、輝度差分と色差差分とが重み付け加算されて、閾値と比較されるので、輝度の変化および色差の変化の重視の程度を適切に設定できる。
【0015】
また、本発明の監視用撮像装置は、前記輝度差分と前記色差差分との重み付け加算に用いる重み係数を可変に設定する係数設定手段を備えている。
【0016】
この構成により、係数設定手段が重み係数を可変に設定するので、状況に応じて輝度の変化および色彩の変化のいずれかを重視するかを任意に設定できる。例えば、監視対象に日光が当たっている場合には、時間の経過と共に被写体である監視対象の輝度が変化するが、このような変化を無視したい場合には、輝度の重み係数を小さく設定すればよい。
【0017】
また、本発明の監視用撮像装置では、前記係数設定手段は、前記ブロックごとに前記重み係数を設定する。
【0018】
この構成により、上記のような重み係数の設定をブロックごとに行なうことができ、より適切に監視対象の状態変化を検知できる。
【0019】
また、本発明の監視用撮像装置は、さらに画像領域の中で状態変化の検知を行なうべき領域を判定する領域判定手段を備えており、前記変化検知手段は、前記領域判定手段にて状態変化の検知を行なうべきであると判定された領域内の監視対象の状態変化を検知する。
【0020】
この構成により、撮像手段にて得られる画像の領域の中で、監視対象の状態変化を検知する必要がある領域を特定することができ、それ以外の領域での被写体の変化を監視対象の状態変化として誤検知することを防止できる。また、通常の撮像手段で得られる長方形等の画像と異なる任意の形状の領域を、監視対象の状態変化を検知すべき領域として設定できる。
【0021】
本発明の監視装置は、監視対象を撮像して得られた画像データを符号化する符号化処理の過程で算出された前記画像データの複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを取得する特徴的パラメータ取得手段と、前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータを保持する参照パラメータ保持手段と、前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知手段とを備えている。
【0022】
この監視装置を撮像装置に設ければ、上記の監視用撮像装置と同様の装置が構成され、上記の監視用撮像装置と同様の作用効果を奏する。また、監視システムが複数の撮像装置を含むときには、各撮像装置に接続されたセンタ装置にこの監視装置を設けることができる。これにより、各撮像装置のコストアップを抑えられるので、特に多数の撮像装置を含む監視システムのコストアップを抑制できる。
【0023】
本発明は、上述したような装置の態様に限定されない。本発明の別の態様は、監視方法、監視方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、およびそのプログラムを格納した記録媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態の監視撮像装置10の構成を示すブロック図であり、図2は、本実施の形態のセンタ装置20の構成を示すブロック図である。図3は、監視用撮像装置10およびセンタ装置20を含む監視システム1の構成を示す図である。以下では、まず図3を参照して監視システム1の全体の構成を説明した後に、図1および図2を参照して監視用撮像装置10およびセンタ装置20の構成を説明する。
【0026】
図3に示すように、監視システム1は、センタ装置20および複数の監視用撮像装置10を含んでいる。各監視用撮像装置10は、監視装置50を備えている。複数の監視用撮像装置10は、センタ装置20にネットワークで接続されている。ネットワークは有線であっても無線であってもよい。また、ネットワークはインターネットのような広域ネットワークであっても、LANのようなネットワークであってもよい。
【0027】
各監視用撮像装置10は、監視対象Pを撮像する位置に設置される。監視用撮像装置10は、監視対象Pを撮像して得られた撮像画像をセンタ装置20に送信する。撮像画像は、監視用撮像装置10またはその他の装置にて保存されてもよい。監視用撮像装置10は、撮像画像の送信または保存のために、撮像画像の画像データを圧縮符号化する。また、監視用撮像装置10は、撮像画像を用いて監視対象Pの状態変化を検知する。
【0028】
各監視用撮像装置10には、警報装置30が接続されている。警報装置30は、監視用撮像装置10にて監視対象Pの状態変化が検知されると、警告音を鳴らす。
【0029】
監視対象Pは、例えば立入禁止場所である。監視用撮像装置10は、立入禁止場所に侵入した人物を撮像すると、撮像画像を用いて監視対象Pの状態変化を検知する。また、監視システム1は、監視対象Pの火災も検知できる。監視用撮像装置10は、監視対象Pからの出火または監視対象Pに発生した煙を撮像すると、撮像画像を用いて監視対象Pの状態変化を検知する。
【0030】
監視システム1が、例えばビル内の各監視対象Pを監視するシステムであるときには、センタ装置20はビルの監視室に設置される。また、センタ装置20が警備会社に設置されて、各監視用撮像装置10と接続されてもよい。
【0031】
監視システム1は、上記のような防犯・防災の目的で監視対象Pを監視するためのシステムに限られない。例えば、監視用撮像装置10に相当する装置を家庭の玄関先に設置して、センタ装置20に相当する装置を家の中に設置してもよい。これにより、玄関先の来客を検知するシステムが構成される。
【0032】
図1は、監視用撮像装置10の構成を示すブロック図である。監視用撮像装置10は、撮像部11、デジタル変換部12、JPEGエンコード部13、送受信部14および監視装置50を備えている。撮像部11は、レンズ110、開口部111及び撮像素子112を備えている。被写体である監視対象からの光は、レンズ110を通過し、開口部111の開口の大きさに応じた光量だけ撮像素子112に入射する。撮像素子112は、RGBの各色のフィルタを備え、入射光を光量に応じたRGBの電気信号に変換する。撮像部11は、図示しない制御部の制御により、所定の間隔で監視対象を撮像する。撮像部11は、例えば1秒間隔で監視対象を撮像する。
【0033】
デジタル変換部12は、撮像素子112にて得られたRGBの各色の電気信号をデジタルデータに変換する。デジタル変換部12の変換処理によってRGBの画素値を示す非圧縮かつデジタルの画像データが生成される。この撮像部11およびデジタル変換部12によって、本発明の撮像手段が構成される。
【0034】
JPEGエンコード部13は、デジタル変換部12にて得られた画像データをJPEG形式の画像データに圧縮符号化する。JPEGエンコード部13は、まず、RGBの画像データをYUVの画像データに変換する。Yは画素の輝度である。UおよびVはそれぞれ画素の色差であって、U=B−Y、V=R−Yである。以下では、色差をUとVとで区別するときは、それぞれ「U色差」および「V色差」と表記する。
【0035】
YUV形式に変換された画像データは、Y、UおよびVの画像データごとにDCT変換(離散コサイン変換)される。DCT変換では、輝度画像データは、8画素×8画素のMCU(Minimum Code Unit)ごとのデータに分割される。また、U色差画像データおよびV色差画像データは16画素×16画素の領域ごとに分割され、この16画素×16画素の色差画像データが間引きされて、8画素×8画素のMCUごとのデータに分割される。本実施例の16画素×16画素からなる領域は、本発明のブロックに相当する。
【0036】
MCU内の画像データをSyx(y,x=0,1,…,7)とし、DCT変換係数をSvu(v,u=0,1,…,7)とすると、各MCUは、式(1)によってDCT変換される。
【数1】
ここで、v=u=0のときのDCT変換係数S00は、DC成分(直流成分)である。また、v=u=0以外のときのDCT変換係数Svuは、AC成分(交流成分)である。式(1)からも明らかな通り、DC成分であるS00は、MCU内での画像データの平均値を表す。したがって、輝度画像データのDC成分はMCUごとの輝度の平均値を表し、色差画像データのDC成分はMCUごとの色差の平均値を表す。ただし、色差画像データのDC成分は、画素を間引きしたうえでの平均値を表す。
【0037】
JPEGエンコード部13は、上記のようにDCT変換された画像データに対して、さらに量子化処理およびエントロピー符号化処理を施し、JPEG形式の画像データを生成する。JPEGエンコード部13は、本発明の符号化手段に相当する。
【0038】
送受信部14は、ネットワークを介してセンタ装置20との間で通信を行なう。送受信部14は、JPEGエンコード部13にて圧縮符号化された撮像画像をセンタ装置20に送信する。また、送受信部14は、後述の通知信号をセンタ装置20に送信し、センタ装置20から後述の閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を受信する。
【0039】
監視装置50は、監視対象の画像データを用いた画像処理により監視対象の状態変化を検知する。上述のように、デジタル変換部12からは非圧縮の撮像画像の画像データが出力されるので、この画像データをあらかじめ用意した参照画像の画像データと比較すれば、監視対象の状態変化を検知できる。しかしながら、撮像画像と参照画像とを画素単位で比較すると、画素単位で発生するノイズの影響を受け易く、かつ画像処理の演算量が大きくなる。そこで、本実施の形態では、JPEGエンコード部13にて画像データを圧縮符号化する過程でブロックごとの画像の特徴的パラメータが算出されることに着目して、この特徴的パラメータを有効に活用して監視対象の状態変化を検知する。
【0040】
ここで、「特徴的パラメータ」とは、ブロック全体の平均的な特徴を示すパラメータを意味する。上述のように、JPEGエンコード部13は、RGBの画像データを変換して、輝度画像データと2種類の色差画像データを生成する。そして、JPEGエンコード部13は、それぞれの画像データをJPEG形式に圧縮符号化する際のDCT変換の過程でMCUごとのDC成分を算出する。輝度画像データのDC成分値は、8画素×8画素のブロックに含まれる画素の輝度の平均値であり、色差画像データのDC成分値は、16画素×16画素のブロックに含まれる、間引き後に残った画素の色差の平均値である。
【0041】
本実施の形態の監視装置50は、4つの輝度DC成分値の平均値、すなわち16画素×16画素のブロックに含まれる画素の輝度の平均値、および16画素×16画素のブロックから得られる色差DC成分値を特徴的パラメータとして用いる。このように、ブロックに含まれる画素値の平均値を特徴パラメータとして用いれば、参照画像に対して撮像画像が多少ずれたとしても、輝度平均値および色差平均値には大きく影響しないので、撮像手段が監視対象に対して多少ずれただけでは、監視対象の状態変化が検知されない。したがって、監視対象の状態変化を誤検知の可能性が軽減される。
【0042】
なお、本発明の特徴的パラメータは、上記のJPEGのDCT変換にて得られるDC成分に限らず、画像データを符号化する過程で算出されるブロックごとのパラメータであって、ブロック全体の平均的な特徴を示すパラメータであれば、他のパラメータでもよい。
【0043】
上記のように画像の特徴的パラメータであるDC成分値を用いて監視対象の状態変化を監視装置50で検知するために、JPEGエンコード部13は、上述した通常の圧縮符号化処理に加えて、DCT変換処理の過程で算出されるMCUごとのDC成分値を出力する処理を行なう。
【0044】
図4および図5は、画像データをブロックに分割する処理を説明する図である。図4の例では、輝度画像データ、U色差画像データおよびV色差画像データは、それぞれ32画素×48画素の大きさを有する。上述したように、JPEGエンコード部13のDCT変換処理では、輝度画像データは8画素×8画素の大きさのMCUに分割される。そして、U色差画像データおよびV色差画像データからは、16画素×16画素の領域ごとに8画素×8画素のMCUが生成される。
【0045】
この処理によって、例えば図4に示す16画素×16画素のブロック41からは、図5(a)に示すように8画素×8画素の輝度画像データのMUCが4つ得られ、8画素×8画素のU色差画像データのMCUおよび8画素×8画素のV色差画像データのMCUがそれぞれ1つずつ得られる。そして、JPEGエンコード部13は、4つの輝度画像データのMCUのそれぞれのDC成分値の平均を算出する。以下では、輝度画像データについては、4つのMCUのDC成分値の平均値を「輝度DC成分値」という。また、U色差画像データおよびV色差画像データのDC成分値をそれぞれ「U色差DC成分値」および「V色差DC成分値」という。ただし、「U色差DC成分値」と「V色差DC成分値」との区別が特に必要でないときは、両者を単に「色差DC成分値」という。
【0046】
ブロック41からは、輝度DC成分値、U色差DC成分値およびV色差成分値がそれぞれ1つずつ得られる。そして、32画素×48画素からなる画像データ全体からは、輝度DC成分値、U色差DC成分値およびV色差DC成分値がそれぞれ6個ずつ得られ、合計18個のDC成分値が得られる。なお、「輝度DC成分値」、「U色差DC成分値」および「V色差DC成分値」は、いずれも16画素×16画素のブロックに含まれる画素の平均的な値であり、本発明の特徴的パラメータに相当する。
【0047】
JPEGエンコード部13は、一枚の画像データを圧縮符号化するごとに、監視装置50に上記の18個のDC成分値を出力する。
【0048】
図1に戻って、監視装置50は、DC成分保持部51、参照DC成分保持部52、DC成分差分演算部53、閾値保持部54、判定通知部55、判定エリア情報保持部56および判定条件設定部57を備えている。DC成分保持部51は、JPEGエンコード部13から出力されるDC成分値を取得して保持する。DC成分保持部51は、本発明の特徴的パラメータ取得手段に相当する。
【0049】
参照DC成分保持部52は、DC成分保持部51に記憶されているDC成分値を取り込んで参照DC成分値として保持する。参照DC成分値は、撮像画像のDC成分値の参照値として用いられる値であり、後からDC成分保持部51にて取得される撮像画像の状態変化を検知するために用いられる。この参照DC成分値は、本発明の参照パラメータに相当する。
【0050】
DC成分値を取り込んで参照DC成分値を更新するための更新間隔は、参照DC成分保持部52に設定されている。この更新間隔は可変である。撮像部11が上述のように1秒間隔で監視対象を撮像するときには、参照DC成分保持部52は、例えば10秒間隔、すなわち10枚の画像ごとに1枚の画像のDC成分値を取得する。なお、上述の説明からも明らかな通り、参照DC成分保持部52は、16画素×16画素のブロックごとに参照DC成分値を保持している。これらの参照DC成分値は、DC成分保持部51に保持されるDC成分値と対応している。参照DC成分保持部52は、本発明の参照パラメータ保持手段に相当する。
【0051】
なお、本発明の参照パラメータは、監視用撮像装置10の撮像にて得られた画像から生成されるDC成分値には限られない。参照パラメータは、監視対象の状態変化を検知するために特徴的パラメータの参照値となるパラメータであれば、どのように生成されてもよい。
【0052】
DC成分差分演算部53は、対応するMCUごとに、DC成分保持部51に保持されている撮像画像のDC成分値と、参照DC成分保持部52に保持されている参照DC成分値との差分を演算する。このDC成分差分演算部53は、本発明の差分演算手段に相当する。上述のように、DC成分値には、輝度DC成分値および色差DC成分値があるので、以下では、輝度DC成分値の差分を「輝度差分」、色差DC成分値の差分を「色差差分」という。
【0053】
閾値保持部54は、閾値T、輝度差分の重み係数W1および色差差分の重み係数W2を保持している。閾値Tは、監視対象の状態変化を検知するために用いられる。重み係数W1およびW2は、輝度差分と色差差分とを重み付け加算するために用いられる。閾値保持部54に保持される閾値Tおよび重み係数W1およびW2は、ブロックごとに定義されている。そして、閾値Tおよび重み係数W1およびW2は可変である。
【0054】
判定エリア情報保持部56は、判定領域の情報を保持している。判定領域は、撮像にて得られる画像の領域中の状態変化を検知すべき領域である。判定領域は、DC成分差分演算部53での差分演算の対象となるブロックを最小単位として設定されている。本実施の形態では、16画素×16画素で1ブロックが構成されるので、この16画素×16画素の大きさを最小単位として判定領域が設定される。判定領域は、可変である。
【0055】
判定条件設定部57は、送受信部14から、閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を取り込む。閾値設定信号は、閾値保持部54に保持された閾値Tを所定の値に設定するための制御信号である。重み係数設定信号は、閾値保持部54に保持された重み係数W1、W2を所定の値に設定するための制御信号である。更新間隔設定信号は、参照DC成分保持部52がDC成分保持部51からDC成分値を取り込む間隔(更新間隔)を設定するための制御信号である。判定領域設定信号は、判定エリア情報保持部56に保持される判定領域を設定するための制御信号である。判定条件設定部57は、これらの制御信号に基づいて、閾値、重み係数、更新間隔および判定領域を設定する。この判定条件設定部57は、本発明の係数設定手段に相当する。
【0056】
判定通知部55は、DC成分差分演算部53にて算出された輝度差分および色差差分に基づいて、監視対象に状態変化があったか否かを判定する。判定通知部55は、監視対象に状態変化があったと判定したときに、送受信部14に通知信号を出力し、警報装置30に警報を鳴らさせるための信号を出力する。送受信部14は、ネットワークを介して通知信号をセンタ装置20に送信する。警報装置30は、信号を受けると、警報を鳴らす。判定通知部55は、本発明の変化検知手段を構成する。
【0057】
次に、監視対象の状態変化を検知するための監視装置50の動作を説明する。以下では、図4に示した画像のDC成分値が参照DC成分保持部52に保持されている例、すなわち図4の画像を参照画像とする例を説明する。
【0058】
図6は、監視対象を撮像して得られた撮像画像を示す図である。図6に示す撮像画像には、図4に示す参照画像には存在しない被写体42が存在している。この被写体42は、例えば、立ち入り禁止である監視対象に立ち入った人物または監視対象にて火災が発生したときの炎である。
【0059】
DC成分差分演算部53は、DC成分保持部51から撮像画像(図6)のDC成分値を取得し、参照DC成分保持部52から参照画像(図4)の参照DC成分値を取得する。そして、DC成分差分演算部53は、対応するMCUごとに、撮像画像のDC成分値と参照DC成分値との差分を算出する。ここで、DC成分値の差分とは、両DC成分値の差の絶対値を意味する。以下では、ブロック41の差分算出処理を説明する。ブロック41と同様の16画素×16画素の他のブロックもブロック41と同様にして差分が算出される。
【0060】
以下の説明では、参照DC成分保持部52に保持された参照画像の輝度参照DC成分値、U色差参照DC成分値およびV色差参照DC成分値をそれぞれYn−1、Cbn−1およびCrn−1と表記し、DC成分保持部51に保持された撮像画像の輝度DC成分値、U色差DC成分値およびV色差DC成分値をそれぞれYn、CbnおよびCrnと表記する。また、輝度差分、U色差差分およびV色差差分をそれぞれ、DY、DCbおよびDCrと表記する。輝度差分DY、U色差差分DCbおよびV色差差分DCrは、それぞれDY=|Yn−Yn−1|、DCb=|Cbn−Cbn−1|およびDCr=|Crn−Crn−1|である。
【0061】
図7は、ブロック41のDC成分値を示す図である。図7(a)は、参照DC成分保持部52に保持された参照画像の輝度参照DC成分値Yn−1、U色差参照DC成分値Cbn−1およびV色差参照DC成分値Crn−1を示しており、図7(b)は、DC成分保持部51に保持された撮像画像の輝度DC成分値Yn、U色差DC成分値CbnおよびV色差DC成分値Crnを示している。図7に示すように、本実施の形態では、Yn−1=−200、Cbn−1=120およびCrn−1=−80であり、Yn=−300、Cbn=10およびCrn=40である。したがって、ブロック41の輝度差分DY、U色差差分DCbおよびV色差差分DCrは、それぞれDY=|−300−(−200)|=100、DCb=|10−120|=110およびDCr=|−40−80|=120である。DC成分差分演算部53は、ブロック41以外の領域についても、上記と同様にして、16画素×16画素のブロックごとに差分DY、DCbおよびDCrを出力する。
【0062】
判定通知部55は、DC成分差分演算部53より出力された差分DY、DCbおよびDCrを取得すると、ブロックごとに式(2)を用いて判定値Outを算出する。
【数2】
ここで、上述したように、W1は輝度差分に対する重み係数であり、W2は色差差分に対する重み係数である。重み係数W1およびW2は、いずれも0以上1以下の値である。また、Tは閾値である。重み係数W1およびW2は、監視対象の状態変化を検知する際の輝度と色差との影響度の大きさである。したがって、例えば、監視対象の輝度変化を軽視してもよい場合(例えば、監視対象に日光が当たっていて1日を通して輝度が変化する場合)には、輝度の重み係数W1を色差の重み係数W2に比べて小さく設定すればよい。また、閾値Tは、撮像画像が参照画像に対してどの程度相違しているときに、撮像対象の状態変化が発生したとするかを決定する値である。
【0063】
本実施の形態では、W1=0.5、W2=1.0、T=100である。各値を式(2)に代入すると、
【数3】
となる。
【0064】
判定通知部55は、ブロック41以外のブロックについても、上記と同様の処理により判定値Outを演算する。ただし、判定部通知部55は、判定エリア情報保持部56に保持された判定領域の情報に基づいて、判定処理を行なうべきブロックについてのみ上記の演算を行なう。また、重み係数W1、W2および閾値Tは、閾値保持部54に保持された値を用いる。このとき、重み係数W1、W2および閾値Tがブロックごとに異なる値であるときには、判定通知部55は、式(2)により判定値Outを算出する処理を行なうごとに閾値保持部54を参照する。判定通知部55によって、本発明の領域判定手段が構成される。
【0065】
判定通知部55は、判定値Outが1より大きいとき、すなわち、輝度差分と色差差分との重み付け加算値が閾値Tを上回るときに、撮像画像と参照画像とが異なると判定して、監視対象に状態変化が生じたことを検知する。そして、判定通知部55は、監視対象に状態変化があったことを示す通知信号を送受信部14に出力し、警報装置30に警報を鳴らせるための信号を出力する。通知信号は、送受信部14からセンタ装置20に送信される。また、警報装置30は、信号を受けると、警報を鳴らす。
【0066】
次に、センタ装置20の構成を説明する。
【0067】
図2は、センタ装置20の構成を示すブロック図である。センタ装置20は、送受信部21、記憶部22、モニタ23、JPEGデコード部24、スピーカ25および制御部26を備えている。センタ装置20は、典型的にはパーソナルコンピュータで構成される。そして、制御部26は、CPUで構成される。制御部26が所定のプログラムを実行することにより、報知部261および設定信号生成部262が構成される。
【0068】
送受信部21は、撮像装置10との間で通信を行なう。送受信部21は、撮像装置10に閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を送信し、また、撮像装置10から圧縮符号化された撮像画像および通知信号を受信する。記憶部22は、送受信部21にて受信した撮像画像を記憶する。モニタ23は、送受信部21にて受信した撮像画像および記憶部22に記憶された撮像画像を表示する。また、モニタ23は、監視対象の状態変化があったことを示す報知画像を表示する。JPEGデコード部24は、撮像画像をモニタ23にて表示するときに、JPEG形式のデータに圧縮符号化されている画像データをデコードしてRGBの信号を生成する。スピーカ25は、監視対象の状態変化があったことを示す報知音を出力する。
【0069】
制御部26の報知部261は、送受信部21にて通知信号を受信すると、モニタ23に報知画像を表示させ、スピーカ25に報知音を出力させる。制御部26の設定信号生成部262は、図示しない入力部からの入力に基づいて、閾値設定信号、重み係数設定信号、更新間隔設定信号および判定領域設定信号を生成する。上述のように、参照DC成分値の更新間隔、判定領域、重み係数W1、W2および閾値Tは、可変である。
【0070】
例えば、撮像部11での撮像領域中で画像に変化があっても無視してよい領域がある場合には、その領域を除く領域を判定領域として設定とすればよい。また、輝度の変化を重要視しない場合には、判定値Outの算出の際に輝度差分の重みを小さくするために、輝度の重み係数W1を小さく設定すればよい。さらに、多少の変化を許容する場合には、判定値Outが1を越えにくいように閾値Tを大きく設定すればよい。逆に、多少の画像の変化も監視対象の状態変化として検知する必要があるときには、判定値Outが1を越え易いように閾値Tを小さく設定すればよい。
【0071】
センタ装置20の操作者は、上記のように、状況に応じて参照DC成分値の更新間隔、判定領域、重み係数W1、W2または閾値Tを設定するために、設定信号生成部262を用いて設定信号を生成する。設定信号生成部262は、生成した設定信号を送受信部21に出力する。送受信部21は、各設定信号を監視用撮像装置10に送信する。なお、各設定信号は、時刻または監視対象の状況に応じて監視用撮像装置10またはセンタ装置20にて自動生成されてもよい。
【0072】
次に、本実施の形態の監視システム1を用いた監視方法を説明する。
【0073】
図8は、本実施の形態の監視方法のフローチャートである。監視用撮像装置10の撮像部11は、所定の時間間隔で監視対象を撮像する。撮像部11が監視対象を撮像すると(ステップS80)、JPEGエンコード部13は、撮像画像をJPEG形式の画像データに圧縮符号化する(ステップS81)。DC成分保持部51は、撮像画像の圧縮符号化過程で算出されたブロックごとの特徴的パラメータ、すなわちブロックごとの輝度DC成分値および色差DC成分値を取得する(ステップS82)。
【0074】
次に、DC成分差分演算部53が、特徴的パラメータとその参照値である参照パラメータ、すなわち参照DC成分値との差分を算出する(ステップS83)。そして、判定通知部55が、上記の式(2)を用いて、ブロックごとに判定値Outを算出する(ステップS84)。そして、判定値Outが1を越えるか否かを判断する(ステップS85)。判定値Outが1を越えるときは(ステップS85にてYes)ステップS86に進み、判定値Outが1を越えないときは(ステップS85にてNo)ステップS88に進む。なお、判定値Outは判定領域に含まれるブロックごとに算出されるので、1枚の画像が6つの16画素×16画素のブロックからなるとき、最大で6つの判定値Outが算出される。それらの判定値Outのうちの1つでも1を越えるときは、ステップS86に進み、すべての判定値Outが1を越えないときにステップS88に進む。
【0075】
ステップS85にて判定値Outが1を越えると判断されると(ステップS85にてYes)、監視用撮像装置10は、判定通知部55にて通知信号を生成して送受信部14からセンタ装置20に通知信号を送信する(ステップS86)。また、このとき、判定通知部55は、警報装置30にて警報音を鳴らせるための信号を出力する。センタ装置20では、通知信号に基づいてモニタ23に報知画像が表示されるとともにスピーカ25から報知音が出力され、また、警報装置30からは警報音が出力される(ステップS87)。
【0076】
一方、ステップS85にて判定値Outが1を越えないと判断されると(ステップS85にてNo)、参照DC成分保持部52にて設定されている参照パラメータの更新間隔に基づいて、参照パラメータを更新するか否かを判断する(ステップS88)。参照パラメータを更新するときは(ステップS88にてYes)、参照DC成分保持部52は、DC成分保持部51からその時の特徴的パラメータを取り込んで参照パラメータとする。参照パラメータを更新しないときは(ステップS88にてNo)、ステップS80に戻って再び監視対象を撮像する。
【0077】
(変形例)
上記の実施の形態の監視システム1では、撮像装置10が監視装置50を備えることにより、撮像装置側で監視対象の状態変化を検知したが、監視装置50は撮像装置10以外に設けられていてもよい。例えば、監視装置50は、センタ装置20に備えられていてもよい。この場合には、JPEGエンコード部13は、上記の実施の形態と同様に、画像データを圧縮符号化する一方で、その過程で算出された特徴的パラメータを送受信部14に出力する。送受信部14は、ネットワークを介して特徴的パラメータをセンタ装置20に送信する。センタ装置20に設けられた監視装置50は、上記の実施の形態と同様にして、監視対象の状態変化を検知して通知信号を生成する。
【0078】
また、監視装置50を備えた撮像装置10がネットワークに接続されておらず、単体で機能する装置であってもよい。この場合、撮像装置10には撮像された監視対象の画像を記録するための記録部が設けられる。そして、記録部は、JPEGエンコード部13にて圧縮符号化された画像データを記録する。このように撮像装置10が単体で用いられるときにも、撮像装置10に警報装置30が接続されていれば、監視対象の状態変化があったときに監視対象の周囲の者は警報装置30の警報音を聞くことで監視対象に状態変化があったことを認識できる。
【0079】
記録部は、判定通知部55にて生成された通知信号を画像データに関連付けて記憶してもよい。監視対象の状態変化が検知された後に、通知信号と関連付けられた画像データを記録部から読み出して再生すれば、どのような状態変化が起こったかを事後的に確認できる。
【0080】
また、上記の実施の形態の監視システム1は、撮像装置10が監視対象を撮像して画像データすなわちスチル画像のデータを生成したが、撮像装置10が撮像対象の動画像を撮像してもよい。この場合には、撮像装置10には、上記の実施の形態のJPEGエンコード部13に代えて、例えばMPEGエンコード部などの符号化された動画データを生成する処理ブロックが設けられる。すなわち、本発明の符号化手段は、圧縮符号化された動画データを生成する処理ブロックであってもよい。
【0081】
撮像部11が動画像を撮像する場合には、撮像部11は例えば1/30秒ごとに被写体を撮像する。デジタル変換部12は、上記の実施の形態と同様にして、画像データを生成する。MPEGエンコード部は、デジタル変換部12から出力される画像データ(フレーム)に対してフレーム間符号化処理またはフレーム内符号化処理を施す。フレーム間符号化処理およびフレーム内符号化処理は、いずれもDCT変換を含む。MPEGエンコード部は、DCT変換にて算出されるブロックごとのDC成分をブロックの特徴的パラメータとして出力する。監視装置50は、MPEGエンコード部より出力されるDC成分を用いて上記同様に撮像対象の状態変化を検知する。
【0082】
また、上記の実施の形態では、カラー画像を用いて監視対象の状態変化を検知したが、モノクロ画像を用いてもよいことは勿論である。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、撮像画像の画像データを符号化する処理で算出されるブロックごとの画像の特徴的パラメータを用いて、監視対象の撮像画像を用いて監視対象の状態変化を検知することにより、ノイズの影響による誤検知の可能性を低減でき、かつ、監視対象の状態変化を検知するための画像処理に要する演算量を削減できるというすぐれた効果を有する監視用撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の監視用撮像装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態のセンタ装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態の監視システムを示す図
【図4】本発明の実施の形態のJPEGエンコード部にて処理される画像を示す図
【図5】本発明の実施の形態のJPEGエンコード部の処理を示す図
【図6】本発明の実施の形態のJPEGエンコード部にて処理される画像(監視対象に状態変化が生じた場合)を示す図
【図7】本発明の実施の形態の参照パラメータおよび特徴的パラメータを説明する図
【図8】本発明の実施の形態の監視方法を示すフローチャート
【符号の説明】
1 監視システム
10 監視用撮像装置
11 撮像部
12 デジタル変換部
13 JPEGエンコード部
20 センタ装置
30 警報装置
41 ブロック
50 監視装置
51 DC成分保持部
52 参照DC成分保持部
53 DC成分差分演算部
55 判定通知部
262 判定条件設定部
Claims (12)
- 監視対象を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する演算を含む符号化処理によって、前記撮像手段にて生成された画像データを符号化する符号化手段と、
前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータを保持する参照パラメータ保持手段と、
前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知手段と、
を備えたことを特徴とする監視用撮像装置。 - 前記ブロックごとに、前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとの差分を算出する差分演算手段を備え、
前記変化検知手段は、前記差分演算手段にて算出された差分に基づいて、前記監視対象の状態変化を検知することを特徴とする請求項1に記載の監視用撮像装置。 - 前記符号化手段は、前記画像データを符号化する過程でDCT変換を行ない、
前記特徴的パラメータは、前記DCT変換にて算出されるMCUごとのDC成分値に基づく値であることを特徴とする請求項1または2に記載の監視用撮像装置。 - 前記特徴的パラメータは、前記ブロックごとの輝度平均値および前記ブロックごとの色差平均値を含み、
前記参照パラメータは、前記ブロックごとの輝度参照値および前記ブロックごとの色差参照値を含み、
前記差分演算手段は、前記ブロックごとに、前記輝度平均値と前記輝度参照値との輝度差分、および前記色差平均値と色差参照値との色差差分を算出し、
前記変化検知手段は、前記輝度差分と前記色差差分との重み付け加算値を閾値と比較することにより、前記監視対象の状態変化を検知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の監視用撮像装置。 - 前記輝度差分と前記色差差分との重み付け加算に用いる重み係数を可変に設定する係数設定手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の監視用撮像装置。
- 前記係数設定手段は、前記ブロックごとに前記重み係数を設定することを特徴とする請求項5に記載の監視用撮像装置。
- 画像領域の中で状態変化の検知を行なうべき領域を判定する領域判定手段を備え、
前記変化検知手段は、前記領域判定手段にて状態変化の検知を行なうべきであると判定された領域内の監視対象の状態変化を検知することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の監視用撮像装置。 - 監視対象を撮像して得られた画像データを符号化する符号化処理の過程で算出された前記画像データの複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを取得する特徴的パラメータ取得手段と、
前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータを保持する参照パラメータ保持手段と、
前記特徴的パラメータと前記参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知手段と、
を備えたことを特徴とする監視装置。 - 監視対象を撮像して画像データを生成する撮像ステップと、
複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを算出する演算を含む符号化処理によって、前記撮像ステップにて生成された画像データを符号化する符号化ステップと、
前記ブロックごとに、前記特徴的パラメータと前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知ステップと、
を有することを特徴とする監視方法。 - 監視対象を撮像して得られた画像データを符号化する符号化処理の過程で算出された、前記画像データの複数の画素からなるブロックごとの画像の特徴的パラメータを取得する特徴的パラメータ取得ステップと、
前記ブロックごとに、前記特徴的パラメータと前記特徴的パラメータのブロックごとの参照パラメータとに基づいて、前記監視対象の状態変化を検知する変化検知ステップと、
を有することを特徴とする監視方法。 - 請求項9または10に記載の監視方法をコンピュータに実行させるプログラム。
- 請求項11に記載のプログラムを記憶した、コンピュータにて読取り可能な記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003176867A JP2005012678A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 監視用撮像装置および監視方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2008243181A (ja) * | 2006-12-12 | 2008-10-09 | Ind Technol Res Inst | 煙感知装置及びその方法 |
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2003
- 2003-06-20 JP JP2003176867A patent/JP2005012678A/ja active Pending
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