JP2005012059A - 半導体ウエーハ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザー印字によるパーティクル発生が少なく、且つ製造工程を簡便にする。
【解決手段】貼り合わせウエーハの製造時に、支持基板1にテーパ面7を予め形成し、このテーパ面7以外の主面1a領域に限定して絶縁膜3及びSOI層5を形成する。このテーパ面7が外部に表出するため、これをレーザー印字領域としてレーザー印字を行うことで、発塵を解消できる。また、従来のように、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要とせずに、支持基板1に容易にレーザー印字領域(テーパ面7)を形成することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】貼り合わせウエーハの製造時に、支持基板1にテーパ面7を予め形成し、このテーパ面7以外の主面1a領域に限定して絶縁膜3及びSOI層5を形成する。このテーパ面7が外部に表出するため、これをレーザー印字領域としてレーザー印字を行うことで、発塵を解消できる。また、従来のように、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要とせずに、支持基板1に容易にレーザー印字領域(テーパ面7)を形成することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置の基板として使用されるSOI(Silicon On Insulator)ウエーハ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SOIウエーハを、不良解析や工程の最適化等の製造工程管理の目的等で識別するために、そのウエーハの表面等の一部にマーキングを行うことが行われている。このマーキングは、一般にウエーハの表面の一部にレーザービームを照射し、支持基板であるシリコンを局所的にアブレーションさせて凹凸形成により印字(レーザー印字)されるものである。
【0003】
かかる技術は例えば特許文献1において紹介されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−257139号公報
【特許文献2】
特開2002−356080号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、貼り合せ型SOIウエーハを対象としてマーキングを行う場合、レーザー印字領域を形成していない状態で、貼り合せ型SOIウエーハにそのままレーザー印字を行うと、レーザーがSOI層及びシリコン酸化膜を透過して支持基板(シリコン)を溶融することになる。
【0006】
しかしながら、シリコンは、その溶融部分で体積膨張するため、特にシリコン酸化膜が破損し、多量のパーティクルを発生させる(発塵)という問題がある。
【0007】
かかる問題を考慮し、特許文献1では、SOIウエーハのような半導体基板を用意し、一部の領域以外をマスキングして、マスクから露出した一部の領域における酸化膜等をエッチングで除去し、支持基板の半導体表面を表出させた後、この表出された領域をレーザー印字領域として、レーザーによりマーキングを行っていた。
【0008】
これにより、レーザー印字領域のみSOI構造とならないようにでき、発塵の問題を解消することが可能であった。
【0009】
しかし、この方法は、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要としていた。
【0010】
また、例えば上記の特許文献1の場合は、ベベル加工の部分にマーキングしていたが、通常、ベベル加工で形成される領域は0.5〜1.0mm程度の幅しかなく、目視可能なサイズの印字を形成する困難である。この場合に、仮に印字領域を大きくするように傾斜面を大きく取ったベベル加工を行うと、ウエーハの外周全体にSOI構造の内部分が形成されるため、デバイス製造可能な有効表面の面積が低減してしまうという不利がある。
【0011】
さらに、例えば上記の特許文献2の場合は、形状の異なる2枚のウエーハを貼り合わせているので、貼り合わせに使用した後、剥離したウエーハを再度加工して支持基板に転用・再利用することができない。即ち、例えば折りフラウエーハを支持基板に転用しても、印字領域を確保することはできない。
【0012】
そこで、この発明の課題は、レーザー印字によるパーティクル発生が少なく、工程が簡便で、ウエーハの転用も可能であり、且つデバイス製造可能な有効表面の面積を可及的に低減させずに済む、半導体ウエーハ及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、この発明は、円板状の支持基板の主面の外周付近の一部にテーパ面を形成し、予め平滑な絶縁膜が表面に形成された貼り合わせウエーハを、前記支持基板の前記テーパ面以外の前記主面に前記絶縁膜が密着するようにして貼り合わせるとともに、前記テーパ面と前記絶縁膜との間に間隙を形成して、前記貼り合わせウエーハをその裏面側から除去して、前記支持基板の前記テーパ面以外の前記主面の領域にのみ、前記絶縁膜及びSOI層を残留形成するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
{実施の形態1}
図1はこの発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハを示す側面図、図2は同じくその平面図である。
【0015】
この半導体ウエーハは、貼り合わせSOI方式が適用されたSOIウエーハであって、少なくとも一方にシリコン酸化膜(絶縁膜)が形成された2枚のシリコンウェハを、そのシリコン酸化膜を挟んで互いに貼り合わせ、その後、一方のシリコンウェハを薄膜化することにより、半導体素子が形成されるシリコン層(以下「素子形成層」と称する)が形成されたものである。
【0016】
具体的に、この貼り合わせSOI方式のSOIウエーハは、図1及び図2の如く、シリコンウエーハとしての支持基板1と、この支持基板1の主面(図中の上面)1aに形成されたシリコン酸化膜(絶縁膜)3と、このシリコン酸化膜3の上面に形成されたSOI層(シリコン層)5とを備え、支持基板1の主面1aの外周部付近の一部にテーパ面7が形成された構造とされ、特に、テーパ面7上でシリコン酸化膜3及びSOI層5が非形成とされることで、当該テーパ面7がレーザー印字領域として表出される。
【0017】
このSOIウエーハでは、レーザー印字領域であるテーパ面7が表出していることから、マーキングのためのレーザー印字の際に、レーザーがシリコン酸化膜3を透過して支持基板1を溶融することがなくなり、シリコン酸化膜3の破損による発塵を防止できるようになっている。
【0018】
そして、レーザー印字領域をテーパ面7とすることにより、貼り合わせSOI方式でSOIウエーハを製造する際に、図1の如く、貼り合わせウエーハ9とシリコン酸化膜3との貼り合わせ領域を、テーパ面7以外の領域として容易に規定できる。
【0019】
このSOIウエーハの製造方法を説明する。
【0020】
まず、図3の如く、支持基板1のウエーハエッジ部(外周縁壁)10を鏡面化加工する(ウエーハエッジ研磨工程)。このウエーハエッジ部の鏡面化加工においては、側面に研磨布が貼付された円柱状のエッジ研磨機11が使用され、このエッジ研磨機11の外周面に、支持基板1のウエーハエッジ部10を押し付けた状態とする。そして、支持基板1とエッジ研磨機11の双方を、その接触面同士が互いに逆方向に摺動するように、それぞれの中心軸を回転軸13,15として回転させることにより、支持基板1の全周に亘ってウエーハエッジ部10をほぼ均質に研磨し、これを鏡面化する。
【0021】
次に、図4の如く、支持基板1の回転を停止した後、ウエーハエッジ部10よりも内側の主面1aの一部が斜め方向にエッジ研磨機11の外周面(研磨布)に接触するように、支持基板1とエッジ研磨機11の外周面とのなす角度(摺接角度)θを鋭角にする。これにより、支持基板1の主面1a上のレーザー印字領域(テーパ面7)としたい部分を、エッジ研磨機11の外周面(研磨布)に当接させた状態となる。
【0022】
かかる状態で、支持基板1を非回転とし、エッジ研磨機11のみを回転することにより、支持基板1の主面1aのうちウエーハエッジ部10の付近の一部に、支持基板1とエッジ研磨機11の外周面とのなす角度(摺接角度)θに応じた傾斜角度のテーパ面7が、支持基板1の主面1a上の外周付近の一部にのみ形成される。
【0023】
尚、このテーパ面7を支持基板1の円周方向に広げたい場合は、その広げたい支持基板1の角度範囲だけ、回転軸13を中心として支持基板1を回動させながら、エッジ研磨機11との摺接位置を徐々に変化させてテーパ面7の形成を行う。
【0024】
また、支持基板1の半径方向にテーパ面7を広げたり、逆に支持基板1の半径方向にテーパ面7を狭めたい場合は、エッジ研磨機11の外周面(研磨布)と支持基板1とのなす角度(摺接角度)θを調整することにより変更調整可能する。
【0025】
さらに、支持基板1の主面1aにテーパ面7を形成する工程と、支持基板1のウエーハエッジを鏡面化加工する工程とは、いずれが先に実行されても良い。
【0026】
その後、図5の如く、SOIウェハの素子形成層となる貼り合わせウエーハ9を準備する。この貼り合わせウエーハ9は、支持基板1と同等の材料が使用されたシリコンウエーハであるが、支持基板1のようにテーパ面7が形成された構造とはなっていないものである。また、貼り合わせウエーハ9の主面17には、絶縁層としてのシリコン酸化膜3が予め形成されている。このシリコン酸化膜3は、貼り合わせウエーハ9の主面からほぼ均一の厚さに形成されており、よってシリコン酸化膜3の下面は平滑な状態となっている。
【0027】
次に、支持基板1と貼り合わせウエーハ9とを、シリコン酸化膜3を挟んで、即ち、シリコン酸化膜3が支持基板1のテーパ面7以外の主面1aに密着するようにして互いに貼り合わせることにより、図6の如く、支持基板1、シリコン酸化膜3、及び貼り合わせウエーハ9がこの順に積層された積層ウェハ19を形成する。
【0028】
この際、支持基板1の主面1aのうち、テーパ面7以外の領域においては、シリコン酸化膜3が貼り合わせられた状態となるのに対して、支持基板1のテーパ面7とシリコン酸化膜3との間には間隙(ギャップ)が形成され、これによりテーパ面7とシリコン酸化膜3とが非接触の状態とされる。
【0029】
次に、所定の拡散炉を用いて熱処理(1000℃程度のアニール)を行う。これにより、支持基板1の主面1aのうち、テーパ面7以外の領域において、シリコン酸化膜3との貼り合わせ強度が高められる。一方、支持基板1のテーパ面7とシリコン酸化膜3とは非接触であるため、このテーパ面7が表面に露出された状態が保たれる。
【0030】
しかる後、貼り合わせウエーハ9を図6中の図示上方へ剥離することにより、シリコン酸化膜3上のSOI層(シリコン層)5を形成し、図1に示したSOIウエーハが完成する。
【0031】
このように完成したSOIウエーハ(図1)は、上述のように、支持基板1の主面1aの端部付近の一部にテーパ面7が形成された構造となっている。したがって、このテーパ面7をレーザー印字領域として、図7のように、レーザー印字装置21からレーザービームを照射し、テーパ面7を局所的にアブレーションさせて凹凸形成によりレーザー印字してマーキングを行うことができる。
【0032】
ここで、仮に図8のようにSOI層5の上からレーザー印字装置21でレーザービームを照射することを考えると、この場合は、レーザービームがSOI層5及びシリコン酸化膜3を透過して支持基板1を溶融することになるが、シリコンはその溶融部分で体積膨張するため、特にシリコン酸化膜3の破損により、図9の如く、多量のパーティクル23が発生する(発塵)という問題がある。
【0033】
しかしながら、この実施の形態では、支持基板1に予め形成しておいたテーパ面7をレーザー印字領域としてレーザー印字を行っているので、発塵を解消することができる。
【0034】
また、支持基板1にテーパ面7を形成する工程は、上述のように、支持基板1のウエーハエッジ部10の鏡面化加工を行う際に使用するエッジ研磨機11をそのまま使用して、そのウエーハエッジ部10の鏡面化加工の前工程または後工程に、エッジ研磨機11と支持基板1とのなす角度(摺接角度)θ(図4)を変更することで実現することができるため、従来のように、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要とせずに、容易にレーザー印字領域(テーパ面7)を形成することができる。
【0035】
即ち、この実施の形態においては、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時のパーティクルの発生が少ないSOIウエーハを実現することができる。
【0036】
また、例えば上記の特許文献1の場合は、ベベル加工の部分にマーキングしていたが、通常、ベベル加工で形成される領域は0.5〜1.0mm程度の幅しかなく、目視可能なサイズの印字を形成する困難である。この場合に、仮に印字領域を大きくするように傾斜面を大きく取ったベベル加工を行うと、ウエーハの外周全体にSOI構造の内部分が形成されるため、デバイス製造可能な有効表面の面積が低減してしまうという不利がある。
【0037】
これに対して、この実施の形態によると、支持基板1の主面の一部にテーパ面7を形成し、そのテーパ面の調整により任意のサイズの印字領域を形成できるので、印字領域のサイズをマーキングの大きさ等によって任意に設定できるだけでなく、そのテーパ面7を支持基板1の主面の一部に限定して形成できるため、特許文献1に比べて、デバイス製造可能な有効表面の面積を可及的に低減させないで済む。
【0038】
さらに、印字面であるテーパ面の傾斜角度は、特許文献1のようにベベル部分に印字する場合に比べて、支持基板1の主面に近い角度に設定できるので、所定の読み取り装置でマーキングを自動的に読み取る場合に、従来通りのほぼ真上方向から読み取る読み取り装置を使用しても、読み取り精度が低減することはない。
【0039】
さらに、例えば上記の特許文献2の場合は、形状の異なる2枚のウエーハを貼り合わせているので、貼り合わせに使用した後、剥離したウエーハを再度加工して支持基板に転用・再利用することができない。即ち、例えば折りフラウエーハを支持基板に転用しても、印字領域を確保することはできない。
【0040】
これに対して、この実施の形態によると、2枚のウエーハは基本的に同一の形状であり、貼り合わせに使用した後に剥離したウエーハを再度加工することで、支持基板に容易に転用することが可能である。したがって、特許文献2に比べると、実質的に1枚のシリコンウエーハで貼り合わせSOIウエーハを1枚製造できる計算になり、コスト及び資源の有効活用を図ることができる。
【0041】
{実施の形態2}
<構成>
図10はこの発明の実施の形態2に係るSOIウエーハの製造方法において支持基板1の一部にテーパ面7を形成する工程を示す図である。なお、図10では実施の形態1と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。
【0042】
この実施の形態では、図10の如く、支持基板1の一部にテーパ面7を形成する際に、エッジ研磨機11の外周面の研磨布に対し、支持基板1をエッジ研磨機11の回転軸15の方向P1及びこの方向P1に直交する方向P2等に平行移動しながら加工を行う。
【0043】
実施の形態1のように、エッジ研磨機11に対して支持基板1を静止させる場合、円柱状のエッジ研磨機11の研磨布の形状が、支持基板1のテーパ面7に反映して曲面に形成される。この場合、マークのサイズが比較的大きい場合は問題ないが、マークのサイズを微細に設定する必要がある場合や、レーザー印字の印字位置が比較的広範に亘る場合などには、レーザービームの焦点を合わすことが困難となる場合があり、微細な印字等が困難となる可能性がある。
【0044】
そこで、この実施の形態においては、図10のように、支持基板1を適宜平行移動しながらテーパ面7を形成することにより、平面状に平滑なテーパ面7としてのレーザー印字領域を形成することが可能となる。
【0045】
その他の構成及び製造方法は実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0046】
この実施の形態によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
さらに、この実施の形態では、上述のように、平面状に平滑なテーパ面(レーザー印字領域)7を形成することができ、レーザービームの焦点を容易に合わすことで、微細な印字や比較的広範なレーザー印字を容易に行うことができる利点がある。
【0048】
{実施の形態3}
図11及び図12はこの発明の実施の形態3に係るSOIウエーハの製造過程において支持基板1にテーパ面7を形成する工程、図13はテーパ面7が形成された支持基板1を示す図である。なお、図11では実施の形態1と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。
【0049】
この実施の形態のSOIウエーハの支持基板1は、その主面(第1主面)1aが、CMP(Chemical−Mechanical Polishing)によって鏡面研磨加工されることを前提としている。
【0050】
CMPの工程は通常、図11に示したような研磨プレート25と呼ばれる定盤を用意し、この研磨プレート25の下面(接着面)26にウエーハ(支持基板1)の裏面(第2主面)1bを接着する。
【0051】
そして、図12の如く、表面が研磨布で覆われたポリッシャ27にウエーハ(支持基板1)の主面1aを近づけ、ウエーハ(支持基板1)の主面1aとポリッシャ27との間にコロイダルシリカを含むアルカリ溶液29を介した状態で、ウエーハ(支持基板1)とポリッシャ27とを相互に逆向きに回転させて摺動させ、支持基板1の主面1aを研磨する。
【0052】
この際、この実施の形態では、研磨プレート25の下面の端部付近の一部に凸部31を予め形成しておき、かかる凸部31が支持基板1のテーパ面作成領域に対応するようにして、研磨プレート25に支持基板1を接着してCMPを行う。
【0053】
凸部31と接した部分に対応する支持基板1の主面1a内の領域33は、CMPの際、部分的に他の領域よりも強い力でポリッシャ27に当接しながら研磨されるため、その領域33の研磨レートが局所的に高くなり、よってこの部分にテーパ面7が形成される。
【0054】
このような方法で製造された支持基板1を使用し、貼り合せ型SOIウエーハを製造することにより、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時にパーティクル発生が少ないSOIウエーハの製造が可能となる。
【0055】
{実施の形態4}
図14及び図15はこの発明の実施の形態4に係るSOIウエーハの製造工程を示す図である。なお、図14及び図15では実施の形態3と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。
【0056】
上述の実施の形態3では、研磨プレート25の下面の一部に凸部31を形成していたのに対して、この実施の形態4では、図14の如く、CMP前の支持基板1のレーザー印字領域(テーパ面7)を形成したい部分の第2主面1b側に、例えば短冊状フィルム等の介在部材35を貼り付け、この状態で、図15の如く、支持基板1を介在部材35ごと研磨プレート25に接着しCMPを行う。
【0057】
そうすると、介在部材35を貼り付けた位置に相当する主面1a上の部分33は、上述の実施の形態4と同様に、他の領域よる強い力でポリッシャ27に当接しながら研磨されるため、局所的に研磨レートが高くなり、図13に示したようなテーパ面7が形成される。
【0058】
このような方法で製造された支持基板1を使用し、貼り合せ型SOIウエーハを製造することにより、実施の形態3と同様に、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時にパーティクル発生が少ないSOIウエーハの製造が可能となる。
【0059】
また、上述の実施の形態3では、研磨プレート25の凸部31と、テーパ面7が形成される位置とがずれた状態で、研磨プレート25に支持基板1が接着されると、所望の位置にテーパ面7が形成されない事態が生じる。具体的には、支持基板1の外周より外側の相当する位置に凸部31が形成されると、支持基板1にテーパ面7が全く形成されない事態が生じ得る。また、逆に凸部31が過度に内側に位置すると、支持基板1の内側が局所的にへこんでしまい、貼り合わせウエーハ9(図6参照)の支持基板1に対する貼り合せ不良を引き起こしたり、フラットネスが劣化することが生じ得る。この場合は、デバイス製造における写真製版工程でデフォーカスを発生させる可能性がある。
【0060】
これに対して、この実施の形態4では、予め支持基板1のレーザー印字領域(テーパ面7)形成位置に介在部材35を正確に貼り付けるのが容易であるため、研磨プレート25と支持基板1との貼り付け位置のずれによってテーパ面7の形成不良が生じる事態を避けることが可能である。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、支持基板に予め形成しておいたテーパ面にレーザー印字を行うことができるので、発塵を解消することができる。
【0062】
また、従来のように、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要とせずに、容易にテーパ面を形成することができる。
【0063】
即ち、この実施の形態においては、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時のパーティクルの発生が少ない半導体ウエーハを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハを示す側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハを示す平面図である。
【図3】支持基板のウエーハエッジ部の鏡面化加工工程を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハの製造工程を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハの製造工程を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハのレーザー印字領域にレーザー印字を行う工程を示す図である。
【図8】仮に半導体ウエーハのSOI層の上方からレーザービームを照射する場合の工程を示す図である。
【図9】仮に半導体ウエーハのSOI層の上方からレーザービームを照射した場合にパーティクルが発生した状態を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態2において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態3に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係る半導体ウエーハの支持基板を示す側面図である。
【図14】この発明の実施の形態4に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態4に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【符号の説明】
1 支持基板、1a 主面、3 シリコン酸化膜、5 SOI層、7 テーパ面、9 貼り合わせウエーハ、10 ウエーハエッジ部、11 エッジ研磨機、21 レーザー印字装置、23 パーティクル、25 研磨プレート、27 ポリッシャ、29 アルカリ溶液、31 凸部、35 介在部材。
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置の基板として使用されるSOI(Silicon On Insulator)ウエーハ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
SOIウエーハを、不良解析や工程の最適化等の製造工程管理の目的等で識別するために、そのウエーハの表面等の一部にマーキングを行うことが行われている。このマーキングは、一般にウエーハの表面の一部にレーザービームを照射し、支持基板であるシリコンを局所的にアブレーションさせて凹凸形成により印字(レーザー印字)されるものである。
【0003】
かかる技術は例えば特許文献1において紹介されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−257139号公報
【特許文献2】
特開2002−356080号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、貼り合せ型SOIウエーハを対象としてマーキングを行う場合、レーザー印字領域を形成していない状態で、貼り合せ型SOIウエーハにそのままレーザー印字を行うと、レーザーがSOI層及びシリコン酸化膜を透過して支持基板(シリコン)を溶融することになる。
【0006】
しかしながら、シリコンは、その溶融部分で体積膨張するため、特にシリコン酸化膜が破損し、多量のパーティクルを発生させる(発塵)という問題がある。
【0007】
かかる問題を考慮し、特許文献1では、SOIウエーハのような半導体基板を用意し、一部の領域以外をマスキングして、マスクから露出した一部の領域における酸化膜等をエッチングで除去し、支持基板の半導体表面を表出させた後、この表出された領域をレーザー印字領域として、レーザーによりマーキングを行っていた。
【0008】
これにより、レーザー印字領域のみSOI構造とならないようにでき、発塵の問題を解消することが可能であった。
【0009】
しかし、この方法は、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要としていた。
【0010】
また、例えば上記の特許文献1の場合は、ベベル加工の部分にマーキングしていたが、通常、ベベル加工で形成される領域は0.5〜1.0mm程度の幅しかなく、目視可能なサイズの印字を形成する困難である。この場合に、仮に印字領域を大きくするように傾斜面を大きく取ったベベル加工を行うと、ウエーハの外周全体にSOI構造の内部分が形成されるため、デバイス製造可能な有効表面の面積が低減してしまうという不利がある。
【0011】
さらに、例えば上記の特許文献2の場合は、形状の異なる2枚のウエーハを貼り合わせているので、貼り合わせに使用した後、剥離したウエーハを再度加工して支持基板に転用・再利用することができない。即ち、例えば折りフラウエーハを支持基板に転用しても、印字領域を確保することはできない。
【0012】
そこで、この発明の課題は、レーザー印字によるパーティクル発生が少なく、工程が簡便で、ウエーハの転用も可能であり、且つデバイス製造可能な有効表面の面積を可及的に低減させずに済む、半導体ウエーハ及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、この発明は、円板状の支持基板の主面の外周付近の一部にテーパ面を形成し、予め平滑な絶縁膜が表面に形成された貼り合わせウエーハを、前記支持基板の前記テーパ面以外の前記主面に前記絶縁膜が密着するようにして貼り合わせるとともに、前記テーパ面と前記絶縁膜との間に間隙を形成して、前記貼り合わせウエーハをその裏面側から除去して、前記支持基板の前記テーパ面以外の前記主面の領域にのみ、前記絶縁膜及びSOI層を残留形成するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
{実施の形態1}
図1はこの発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハを示す側面図、図2は同じくその平面図である。
【0015】
この半導体ウエーハは、貼り合わせSOI方式が適用されたSOIウエーハであって、少なくとも一方にシリコン酸化膜(絶縁膜)が形成された2枚のシリコンウェハを、そのシリコン酸化膜を挟んで互いに貼り合わせ、その後、一方のシリコンウェハを薄膜化することにより、半導体素子が形成されるシリコン層(以下「素子形成層」と称する)が形成されたものである。
【0016】
具体的に、この貼り合わせSOI方式のSOIウエーハは、図1及び図2の如く、シリコンウエーハとしての支持基板1と、この支持基板1の主面(図中の上面)1aに形成されたシリコン酸化膜(絶縁膜)3と、このシリコン酸化膜3の上面に形成されたSOI層(シリコン層)5とを備え、支持基板1の主面1aの外周部付近の一部にテーパ面7が形成された構造とされ、特に、テーパ面7上でシリコン酸化膜3及びSOI層5が非形成とされることで、当該テーパ面7がレーザー印字領域として表出される。
【0017】
このSOIウエーハでは、レーザー印字領域であるテーパ面7が表出していることから、マーキングのためのレーザー印字の際に、レーザーがシリコン酸化膜3を透過して支持基板1を溶融することがなくなり、シリコン酸化膜3の破損による発塵を防止できるようになっている。
【0018】
そして、レーザー印字領域をテーパ面7とすることにより、貼り合わせSOI方式でSOIウエーハを製造する際に、図1の如く、貼り合わせウエーハ9とシリコン酸化膜3との貼り合わせ領域を、テーパ面7以外の領域として容易に規定できる。
【0019】
このSOIウエーハの製造方法を説明する。
【0020】
まず、図3の如く、支持基板1のウエーハエッジ部(外周縁壁)10を鏡面化加工する(ウエーハエッジ研磨工程)。このウエーハエッジ部の鏡面化加工においては、側面に研磨布が貼付された円柱状のエッジ研磨機11が使用され、このエッジ研磨機11の外周面に、支持基板1のウエーハエッジ部10を押し付けた状態とする。そして、支持基板1とエッジ研磨機11の双方を、その接触面同士が互いに逆方向に摺動するように、それぞれの中心軸を回転軸13,15として回転させることにより、支持基板1の全周に亘ってウエーハエッジ部10をほぼ均質に研磨し、これを鏡面化する。
【0021】
次に、図4の如く、支持基板1の回転を停止した後、ウエーハエッジ部10よりも内側の主面1aの一部が斜め方向にエッジ研磨機11の外周面(研磨布)に接触するように、支持基板1とエッジ研磨機11の外周面とのなす角度(摺接角度)θを鋭角にする。これにより、支持基板1の主面1a上のレーザー印字領域(テーパ面7)としたい部分を、エッジ研磨機11の外周面(研磨布)に当接させた状態となる。
【0022】
かかる状態で、支持基板1を非回転とし、エッジ研磨機11のみを回転することにより、支持基板1の主面1aのうちウエーハエッジ部10の付近の一部に、支持基板1とエッジ研磨機11の外周面とのなす角度(摺接角度)θに応じた傾斜角度のテーパ面7が、支持基板1の主面1a上の外周付近の一部にのみ形成される。
【0023】
尚、このテーパ面7を支持基板1の円周方向に広げたい場合は、その広げたい支持基板1の角度範囲だけ、回転軸13を中心として支持基板1を回動させながら、エッジ研磨機11との摺接位置を徐々に変化させてテーパ面7の形成を行う。
【0024】
また、支持基板1の半径方向にテーパ面7を広げたり、逆に支持基板1の半径方向にテーパ面7を狭めたい場合は、エッジ研磨機11の外周面(研磨布)と支持基板1とのなす角度(摺接角度)θを調整することにより変更調整可能する。
【0025】
さらに、支持基板1の主面1aにテーパ面7を形成する工程と、支持基板1のウエーハエッジを鏡面化加工する工程とは、いずれが先に実行されても良い。
【0026】
その後、図5の如く、SOIウェハの素子形成層となる貼り合わせウエーハ9を準備する。この貼り合わせウエーハ9は、支持基板1と同等の材料が使用されたシリコンウエーハであるが、支持基板1のようにテーパ面7が形成された構造とはなっていないものである。また、貼り合わせウエーハ9の主面17には、絶縁層としてのシリコン酸化膜3が予め形成されている。このシリコン酸化膜3は、貼り合わせウエーハ9の主面からほぼ均一の厚さに形成されており、よってシリコン酸化膜3の下面は平滑な状態となっている。
【0027】
次に、支持基板1と貼り合わせウエーハ9とを、シリコン酸化膜3を挟んで、即ち、シリコン酸化膜3が支持基板1のテーパ面7以外の主面1aに密着するようにして互いに貼り合わせることにより、図6の如く、支持基板1、シリコン酸化膜3、及び貼り合わせウエーハ9がこの順に積層された積層ウェハ19を形成する。
【0028】
この際、支持基板1の主面1aのうち、テーパ面7以外の領域においては、シリコン酸化膜3が貼り合わせられた状態となるのに対して、支持基板1のテーパ面7とシリコン酸化膜3との間には間隙(ギャップ)が形成され、これによりテーパ面7とシリコン酸化膜3とが非接触の状態とされる。
【0029】
次に、所定の拡散炉を用いて熱処理(1000℃程度のアニール)を行う。これにより、支持基板1の主面1aのうち、テーパ面7以外の領域において、シリコン酸化膜3との貼り合わせ強度が高められる。一方、支持基板1のテーパ面7とシリコン酸化膜3とは非接触であるため、このテーパ面7が表面に露出された状態が保たれる。
【0030】
しかる後、貼り合わせウエーハ9を図6中の図示上方へ剥離することにより、シリコン酸化膜3上のSOI層(シリコン層)5を形成し、図1に示したSOIウエーハが完成する。
【0031】
このように完成したSOIウエーハ(図1)は、上述のように、支持基板1の主面1aの端部付近の一部にテーパ面7が形成された構造となっている。したがって、このテーパ面7をレーザー印字領域として、図7のように、レーザー印字装置21からレーザービームを照射し、テーパ面7を局所的にアブレーションさせて凹凸形成によりレーザー印字してマーキングを行うことができる。
【0032】
ここで、仮に図8のようにSOI層5の上からレーザー印字装置21でレーザービームを照射することを考えると、この場合は、レーザービームがSOI層5及びシリコン酸化膜3を透過して支持基板1を溶融することになるが、シリコンはその溶融部分で体積膨張するため、特にシリコン酸化膜3の破損により、図9の如く、多量のパーティクル23が発生する(発塵)という問題がある。
【0033】
しかしながら、この実施の形態では、支持基板1に予め形成しておいたテーパ面7をレーザー印字領域としてレーザー印字を行っているので、発塵を解消することができる。
【0034】
また、支持基板1にテーパ面7を形成する工程は、上述のように、支持基板1のウエーハエッジ部10の鏡面化加工を行う際に使用するエッジ研磨機11をそのまま使用して、そのウエーハエッジ部10の鏡面化加工の前工程または後工程に、エッジ研磨機11と支持基板1とのなす角度(摺接角度)θ(図4)を変更することで実現することができるため、従来のように、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要とせずに、容易にレーザー印字領域(テーパ面7)を形成することができる。
【0035】
即ち、この実施の形態においては、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時のパーティクルの発生が少ないSOIウエーハを実現することができる。
【0036】
また、例えば上記の特許文献1の場合は、ベベル加工の部分にマーキングしていたが、通常、ベベル加工で形成される領域は0.5〜1.0mm程度の幅しかなく、目視可能なサイズの印字を形成する困難である。この場合に、仮に印字領域を大きくするように傾斜面を大きく取ったベベル加工を行うと、ウエーハの外周全体にSOI構造の内部分が形成されるため、デバイス製造可能な有効表面の面積が低減してしまうという不利がある。
【0037】
これに対して、この実施の形態によると、支持基板1の主面の一部にテーパ面7を形成し、そのテーパ面の調整により任意のサイズの印字領域を形成できるので、印字領域のサイズをマーキングの大きさ等によって任意に設定できるだけでなく、そのテーパ面7を支持基板1の主面の一部に限定して形成できるため、特許文献1に比べて、デバイス製造可能な有効表面の面積を可及的に低減させないで済む。
【0038】
さらに、印字面であるテーパ面の傾斜角度は、特許文献1のようにベベル部分に印字する場合に比べて、支持基板1の主面に近い角度に設定できるので、所定の読み取り装置でマーキングを自動的に読み取る場合に、従来通りのほぼ真上方向から読み取る読み取り装置を使用しても、読み取り精度が低減することはない。
【0039】
さらに、例えば上記の特許文献2の場合は、形状の異なる2枚のウエーハを貼り合わせているので、貼り合わせに使用した後、剥離したウエーハを再度加工して支持基板に転用・再利用することができない。即ち、例えば折りフラウエーハを支持基板に転用しても、印字領域を確保することはできない。
【0040】
これに対して、この実施の形態によると、2枚のウエーハは基本的に同一の形状であり、貼り合わせに使用した後に剥離したウエーハを再度加工することで、支持基板に容易に転用することが可能である。したがって、特許文献2に比べると、実質的に1枚のシリコンウエーハで貼り合わせSOIウエーハを1枚製造できる計算になり、コスト及び資源の有効活用を図ることができる。
【0041】
{実施の形態2}
<構成>
図10はこの発明の実施の形態2に係るSOIウエーハの製造方法において支持基板1の一部にテーパ面7を形成する工程を示す図である。なお、図10では実施の形態1と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。
【0042】
この実施の形態では、図10の如く、支持基板1の一部にテーパ面7を形成する際に、エッジ研磨機11の外周面の研磨布に対し、支持基板1をエッジ研磨機11の回転軸15の方向P1及びこの方向P1に直交する方向P2等に平行移動しながら加工を行う。
【0043】
実施の形態1のように、エッジ研磨機11に対して支持基板1を静止させる場合、円柱状のエッジ研磨機11の研磨布の形状が、支持基板1のテーパ面7に反映して曲面に形成される。この場合、マークのサイズが比較的大きい場合は問題ないが、マークのサイズを微細に設定する必要がある場合や、レーザー印字の印字位置が比較的広範に亘る場合などには、レーザービームの焦点を合わすことが困難となる場合があり、微細な印字等が困難となる可能性がある。
【0044】
そこで、この実施の形態においては、図10のように、支持基板1を適宜平行移動しながらテーパ面7を形成することにより、平面状に平滑なテーパ面7としてのレーザー印字領域を形成することが可能となる。
【0045】
その他の構成及び製造方法は実施の形態1と同様のため、説明を省略する。
【0046】
この実施の形態によっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0047】
さらに、この実施の形態では、上述のように、平面状に平滑なテーパ面(レーザー印字領域)7を形成することができ、レーザービームの焦点を容易に合わすことで、微細な印字や比較的広範なレーザー印字を容易に行うことができる利点がある。
【0048】
{実施の形態3}
図11及び図12はこの発明の実施の形態3に係るSOIウエーハの製造過程において支持基板1にテーパ面7を形成する工程、図13はテーパ面7が形成された支持基板1を示す図である。なお、図11では実施の形態1と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。
【0049】
この実施の形態のSOIウエーハの支持基板1は、その主面(第1主面)1aが、CMP(Chemical−Mechanical Polishing)によって鏡面研磨加工されることを前提としている。
【0050】
CMPの工程は通常、図11に示したような研磨プレート25と呼ばれる定盤を用意し、この研磨プレート25の下面(接着面)26にウエーハ(支持基板1)の裏面(第2主面)1bを接着する。
【0051】
そして、図12の如く、表面が研磨布で覆われたポリッシャ27にウエーハ(支持基板1)の主面1aを近づけ、ウエーハ(支持基板1)の主面1aとポリッシャ27との間にコロイダルシリカを含むアルカリ溶液29を介した状態で、ウエーハ(支持基板1)とポリッシャ27とを相互に逆向きに回転させて摺動させ、支持基板1の主面1aを研磨する。
【0052】
この際、この実施の形態では、研磨プレート25の下面の端部付近の一部に凸部31を予め形成しておき、かかる凸部31が支持基板1のテーパ面作成領域に対応するようにして、研磨プレート25に支持基板1を接着してCMPを行う。
【0053】
凸部31と接した部分に対応する支持基板1の主面1a内の領域33は、CMPの際、部分的に他の領域よりも強い力でポリッシャ27に当接しながら研磨されるため、その領域33の研磨レートが局所的に高くなり、よってこの部分にテーパ面7が形成される。
【0054】
このような方法で製造された支持基板1を使用し、貼り合せ型SOIウエーハを製造することにより、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時にパーティクル発生が少ないSOIウエーハの製造が可能となる。
【0055】
{実施の形態4}
図14及び図15はこの発明の実施の形態4に係るSOIウエーハの製造工程を示す図である。なお、図14及び図15では実施の形態3と同様の機能を有する要素については同一符号を付している。
【0056】
上述の実施の形態3では、研磨プレート25の下面の一部に凸部31を形成していたのに対して、この実施の形態4では、図14の如く、CMP前の支持基板1のレーザー印字領域(テーパ面7)を形成したい部分の第2主面1b側に、例えば短冊状フィルム等の介在部材35を貼り付け、この状態で、図15の如く、支持基板1を介在部材35ごと研磨プレート25に接着しCMPを行う。
【0057】
そうすると、介在部材35を貼り付けた位置に相当する主面1a上の部分33は、上述の実施の形態4と同様に、他の領域よる強い力でポリッシャ27に当接しながら研磨されるため、局所的に研磨レートが高くなり、図13に示したようなテーパ面7が形成される。
【0058】
このような方法で製造された支持基板1を使用し、貼り合せ型SOIウエーハを製造することにより、実施の形態3と同様に、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時にパーティクル発生が少ないSOIウエーハの製造が可能となる。
【0059】
また、上述の実施の形態3では、研磨プレート25の凸部31と、テーパ面7が形成される位置とがずれた状態で、研磨プレート25に支持基板1が接着されると、所望の位置にテーパ面7が形成されない事態が生じる。具体的には、支持基板1の外周より外側の相当する位置に凸部31が形成されると、支持基板1にテーパ面7が全く形成されない事態が生じ得る。また、逆に凸部31が過度に内側に位置すると、支持基板1の内側が局所的にへこんでしまい、貼り合わせウエーハ9(図6参照)の支持基板1に対する貼り合せ不良を引き起こしたり、フラットネスが劣化することが生じ得る。この場合は、デバイス製造における写真製版工程でデフォーカスを発生させる可能性がある。
【0060】
これに対して、この実施の形態4では、予め支持基板1のレーザー印字領域(テーパ面7)形成位置に介在部材35を正確に貼り付けるのが容易であるため、研磨プレート25と支持基板1との貼り付け位置のずれによってテーパ面7の形成不良が生じる事態を避けることが可能である。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、支持基板に予め形成しておいたテーパ面にレーザー印字を行うことができるので、発塵を解消することができる。
【0062】
また、従来のように、マスク形成、酸化膜エッチング、マスク除去及びウエーハ洗浄など複雑な工程を必要とせずに、容易にテーパ面を形成することができる。
【0063】
即ち、この実施の形態においては、複雑な工程を介することなく、レーザー印字時のパーティクルの発生が少ない半導体ウエーハを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハを示す側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハを示す平面図である。
【図3】支持基板のウエーハエッジ部の鏡面化加工工程を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハの製造工程を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハの製造工程を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る半導体ウエーハのレーザー印字領域にレーザー印字を行う工程を示す図である。
【図8】仮に半導体ウエーハのSOI層の上方からレーザービームを照射する場合の工程を示す図である。
【図9】仮に半導体ウエーハのSOI層の上方からレーザービームを照射した場合にパーティクルが発生した状態を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態2において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態3に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係る半導体ウエーハの支持基板を示す側面図である。
【図14】この発明の実施の形態4に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態4に係る半導体ウエーハの製造過程において支持基板にテーパ面を形成する工程を示す図である。
【符号の説明】
1 支持基板、1a 主面、3 シリコン酸化膜、5 SOI層、7 テーパ面、9 貼り合わせウエーハ、10 ウエーハエッジ部、11 エッジ研磨機、21 レーザー印字装置、23 パーティクル、25 研磨プレート、27 ポリッシャ、29 アルカリ溶液、31 凸部、35 介在部材。
Claims (7)
- 主面の外周付近の一部にテーパ面が形成された支持基板と、
前記支持基板の前記テーパ面を除く前記主面上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の表面に形成されたSOI層と
を備える半導体ウエーハ。 - 請求項1に記載の半導体ウエーハであって、
前記テーパ面が、前記支持基板の前記主面側の外周縁部の一部が平面状にカットされて形成されたものである、半導体ウエーハ。 - 支持基板の主面の外周付近の一部にテーパ面を形成する第1の工程と、
半導体層の表面に絶縁膜が形成された貼り合わせウエーハを、前記支持基板の前記テーパ面以外の前記主面に前記絶縁膜が密着するようにして貼り合わせるとともに、前記テーパ面と前記絶縁膜との間に間隙を形成する第2の工程と、
前記貼り合わせウエーハをその裏面側から除去することにより、前記支持基板の前記テーパ面以外の前記主面の領域にのみ、前記絶縁膜及びSOI層を残留形成する第3の工程と
を備える半導体ウエーハの製造方法。 - 請求項3に記載の半導体ウエーハの製造方法であって、
所定のエッジ研磨機に前記支持基板のウエーハエッジ部を摺接して研磨するウエーハエッジ研磨工程をさらに備え、
前記第1の工程において、前記ウエーハエッジ研磨工程の前または後に、前記エッジ研磨機に対する前記支持基板の摺接角度を前記テーパ面の傾斜角度に対応する角度に調整して、前記支持基板の主面の前記ウエーハエッジ部の付近の一部に前記テーパ面を形成することを特徴とする半導体ウエーハの製造方法。 - 請求項4に記載の半導体ウエーハの製造方法であって、
前記第1の工程において、前記支持基板を回動し、平行移動し、または前記摺接角度を変更して、前記テーパ面の形成範囲を調整することを特徴とする半導体ウエーハの製造方法。 - 請求項3に記載の半導体ウエーハの製造方法であって、
前記第1の工程が、
接着面の一部に予め凸部が形成された所定の研磨プレートの前記接着面に、前記支持基板の前記主面と逆側の面を接着する工程と、
前記研磨プレートの前記接着面に前記支持基板が接着された状態で、当該支持基板の主面を所定のポリッシャに押し付け摺接して、前記凸部の押圧力により当該凸部に対応する前記主面の一部を他の領域より強く押圧しながら、前記テーパ面を研磨形成する工程と
を備える半導体ウエーハの製造方法。 - 請求項3に記載の半導体ウエーハの製造方法であって、
前記第1の工程が、
前記支持基板の前記主面と逆側の面において、前記テーパ面を形成する位置に対応する位置に所定の介在部材を貼付する工程と、
前記支持基板に介在部材が貼付された状態で、当該介在部材を挟み込むようにして、所定の研磨プレートの表面に、前記支持基板の前記主面と逆側の面を接着する工程と、
前記研磨プレートに前記介在部材を介在させながら前記支持基板が接着された状態で、当該支持基板の主面を所定のポリッシャに押し付け摺接して、前記介在部材の押圧力により当該介在部材に対応する前記主面の一部を他の領域より強く押圧しながら、前記テーパ面を研磨形成する工程と
を備える半導体ウエーハの製造方法。
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