JP2005011960A - 熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反応容器内に処理ガスを供給すると共に処理雰囲気を加熱して基板に対して成膜処理などの所定の熱処理を行うにあたり、熱処理の温度を低くする。
【解決手段】反応容器内に例えばジクロルシランガス及びアンモニアガスを供給してこれらガスの反応により基板表面に窒化シリコン膜を成膜する場合、アンモニアガスの供給路中に活性化装置を設ける。この活性化装置は、セラミック基体の表面に、例えば鉄やニッケルなどの触媒微粒子を含む電極層を形成し、この電極層上に外径が1μm以下のカーボンナノチューブを成長させた構成とされる。カーボンナノチューブは電気伝導性が非常に高いことから、通電することにより高密度の熱電子を放出し、アンモニアを活性化させて活性種を生成する。この活性種が反応容器内でジクロルシランガスと反応する。
【選択図】 図2
【解決手段】反応容器内に例えばジクロルシランガス及びアンモニアガスを供給してこれらガスの反応により基板表面に窒化シリコン膜を成膜する場合、アンモニアガスの供給路中に活性化装置を設ける。この活性化装置は、セラミック基体の表面に、例えば鉄やニッケルなどの触媒微粒子を含む電極層を形成し、この電極層上に外径が1μm以下のカーボンナノチューブを成長させた構成とされる。カーボンナノチューブは電気伝導性が非常に高いことから、通電することにより高密度の熱電子を放出し、アンモニアを活性化させて活性種を生成する。この活性種が反応容器内でジクロルシランガスと反応する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め処理ガスを活性化させて反応容器内に供給し、処理ガスにより反応容器内の被処理体に対して熱処理を行う熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスは、高集積化に伴って多層構造が採用され、また薄膜化、微細化が進んでいることから、半導体製造工程における熱処理プロセスについて低温下が要請されている。例えばCMOSのソース、ドレイン間には不純物を拡散する拡散層が形成され、この拡散層は浅く設定されているが、その後の熱処理プロセスにおいてプロセス温度が高いと拡散層が熱により再拡散してその深さが設計値よりも大きくなってしまう。また一部のデバイスの電極材料については、ニッケルを使用することが検討されているが、ニッケルの融点は低いため、低温プロセスの実現化が要請されている。
【0003】
例えば窒化シリコン膜は、比誘電率が高いことから物理的膜厚が大きくてもシリコン酸化膜と同等の電気的特性が得られ、リーク電流の防止効果が大きいなどゲート絶縁膜として有望な膜である。この窒化シリコン膜は、例えばジクロルシランガスとアンモニアガスとを減圧雰囲気において770℃程度のプロセス温度で反応させて半導体ウエハ(以下ウエハという)上に成膜される(例えば特許文献1)。しかしながら上述の事情によりこの成膜プロセス温度を下げる技術を開発する必要に迫られている。
【0004】
こうしたことから特許文献2には、反応容器とは別の領域で反応ガスを励起手段により励起し、その励起手段として熱、光、電子線あるいは放電が用いることが記載されている。また特許文献3には、加熱されたタングステン触媒体にモノシランガス及びアンモニアガスを接触させて活性種を生成し、シリコン基板上に窒化シリコン膜を堆積させることが記載されている。いずれの手法においても反応ガスが活性化されているので反応容器内のプロセス温度を低下させることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001308085号公報:段落0018
【特許文献2】特開平7−14826号公報:請求項8
【特許文献3】特開2000−216163号公報:段落0034
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら処理ガスを活性化させるために熱や触媒を用いる場合には、処理ガスに大きなエネルギーを加えることができず、適用できるガス種が限定されてしまうという問題がある。また光でガスを励起させる場合には実際にはレーザ光を用いることになるが、その場合照射領域が狭いので効率が悪いという欠点がある。電子線を用いる場合も同様の欠点がある。更にまた放電による励起は高電圧電源を必要とし、装置が大掛かりになってしまう。
【0007】
本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、処理ガスを効率良く活性化することができ、熱処理の低温化を図ることのできる熱処理装置及び熱処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、反応容器内に被処理体を搬入し、この反応容器内に処理ガスを供給すると共に加熱手段により反応容器内を加熱して前記被処理体に対して熱処理を行う熱処理装置において、
反応容器内に処理ガスを供給するためのガス供給路と、
このガス供給路に設けられ、処理ガスを活性化させるための活性化手段と、を備え、
前記活性化手段は、基体に設けられた電極層と、この電極層上に形成されたカーボンナノチューブと、前記電極層を通電するための電源部と、を備え、カーボンナノチューブから放出された熱電子により処理ガスを活性化させることを特徴とする。
【0009】
カーボンナノチューブは例えば外径が1μm以下のものが用いられる。また基体としては絶縁体または半導体を用いることができる。前記活性化手段は、カーボンナノチューブに対向するように設けられた電極と、カーボンナノチューブからの熱電子を引き出すためにこの電極に正の電圧を印加するための電圧供給部と、を備える構成としてもよい。また前記活性化手段は反応容器の外に設けてもよいし、反応容器の中に設けてもよいが、活性種が直ぐに失活する場合には、反応容器内の処理雰囲気にできるだけ近い方が望ましい。
この発明は、例えば互いに種類が異なり、互いの反応により成膜される複数の処理ガスを反応容器内に夫々供給するための複数のガス供給路を備えた装置に適用することができ、この場合活性化手段はこれらガス供給路のうち活性化しても成膜が起こらない処理ガスのガス供給路に設けられる。具体的な例としては、例えば活性化手段はアンモニアガスのガス供給路に設けられる。
【0010】
本発明は熱処理方法としても成り立つものであり、その方法は、
反応容器内に被処理体を搬入する工程と、
電極層上に形成されたカーボンナノチューブを備えた活性化手段に処理ガスを通流させ、電極層を通電してカーボンナノチューブから熱電子を放出させて処理ガスを活性化させる工程と、
活性化された処理ガスを反応容器内に供給すると共に加熱手段により反応容器内を加熱して被処理体に対して熱処理を行う工程と、を含むことを特徴とする。この方法の発明をより具体化した例としては、例えば活性化しても成膜が起こらない第1の処理ガスを活性化手段により活性化する工程と、
活性化すると成膜が起こる第2の処理ガスを反応容器内に供給する工程と、
第1の処理ガス及び第2の処理ガスを反応させて被処理体に対して成膜処理を行う工程と、を含む。この場合、第2の処理ガスに加えて第3の処理ガスも加わって成膜処理が行われる場合も含む。また第1の処理ガスは例えばアンモニアガスである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱処理装置を縦型熱処理装置に適用した実施の形態について説明する。図1は、縦型熱処理装置であるバッチ式(複数枚同時プロセス)の減圧CVD装置であり、図1中の1は、例えば石英で作られた内管1a及び外管1bよりなる二重管構造の反応容器をなす反応管である。反応管1の下部側には金属製の筒状のマニホールド11が設けられている。前記内管1aは上端が開口されており、マニホールド11の内方側にて支持されている。外管1bは上端が塞がれており、下端がマニホールド11の上端に気密に接合されている。12はベースプレートである。
【0012】
図1は反応管1内にウエハWが搬入されて成膜処理する状態を示しており、前記反応管1内には、複数枚の被処理体をなすウエハWが各々水平な状態で上下に間隔をおいて保持具である石英製のウエハボート2に棚状に載置されている。ウエハボート2は蓋体21の上に例えば石英製の保温ユニット22の設置領域を介して保持されている。保温ユニットは22は石英フィンなどの断熱ユニット及び発熱体ユニットを組み合わせて成り、その中央には、回転軸23が貫通していてボ−トエレベ−タ24に設けられたモ−タMにより回転軸23を介してウエハボ−ト2が回転する。
【0013】
前記蓋体21は、ウエハボート2を反応管1内に搬入、搬出するためのボートエレベータ24の上に搭載されており、上限位置にあるときにはマニホールド11の下端開口部を閉塞する役割を持つものである。
【0014】
また反応管1の周囲には、これを取り囲むように例えば抵抗発熱ヒータ素線よりなる加熱手段であるヒータ30が設けられている。この例では反応管1内の熱処理雰囲気の大部分を受け持つメインヒータ及びその上下に配置されたサブヒータ並びに天井部に設けられたサブヒータが設けられているが、符号は便宜上全て「30」を付してある。なおヒータ30の周囲には図示していないが、炉本体が設けられる。
【0015】
前記マニホールド11の周囲には、ガス供給路である第1のガス供給管4及び第2のガス供給管5が設けられ、夫々内管1aの中にガスを供給できるようになっている。第1のガス供給管4には、第1の処理ガスであるジクロルシラン(SiH2Cl2)ガスのガス供給源41、バルブ42、流量調整部であるマスフローコントローラ43及びバルブ44が上流側からこの順に設けられている。また第2のガス供給管5には、第2の処理ガスであるアンモニア(NH3)ガスのガス供給源51、バルブ52、流量調整部であるマスフローコントローラ53、バルブ54及びアンモニアガスを活性化するための活性化手段である活性化装置6が上流側からこの順に設けられている。
【0016】
更に前記マニホールド11には、内管1aと外管1bとの間の空間から排気できるように排気管13が接続されており、この排気管13には真空ポンプ14が接続されている。
【0017】
次に前記活性化装置6について図2及び図3を参照しながら説明する。この活性化装置6は、活性化室を区画する例えば円筒状の筒状体61と、この筒状体61の一端側及び他端側に夫々設けられたガス導入ポート62及びガス排出ポート63と、筒状体61の内周面に周方向に等間隔に設けられた4個のカーボンナノチューブユニット7(7a〜7d)と、を備えている。各カーボンナノチューブ7ユニットは、筒状体61の長さ方向に帯状に形成されかつこの筒状体61の内周面に固定された絶縁体例えばアルミナからなる基体71を備えており、この基体71の表面に例えば平面が角型の電極層72が長さ方向に間隔をおいて形成されている。なお基体71としてはシリコン基板などの半導体であってもよい。
【0018】
各電極層72の表面には複数のカーボンナノチューブ73が例えば筒状体61の内側空間に向かって延びるように形成されている。カーボンナノチューブ73の集合体は図示の便宜上実際よりも密度を低く描いてある。またこの例では、互いに隣接する電極層72、72同士の間において基体71の表面に例えばカーボンナノチューブ73の高さとほぼ同じ高さの絶縁層74が設けられている。電極層72をこのように複数配列した理由は、電極層72を分割してその各々に通電することにより電流の偏りを防止するためであり、その場合電極層72、72間の放電を防止するために絶縁層74を設けている。なおカーボンナノチューブユニット7の表面のレイアウトにおいては、電極層72を分割して絶縁層74介在させる構成に限定されるものではない。
【0019】
更に長さ方向に配列される電極層72は、例えば基体71内に埋設されたワイヤなどからなる電流路75により直列に接続され、この電流路75の群の両端部は例えば供給電流をコントロールできるように構成された電源部76に接続されている。なおこの例では、各カーボンナノチューブユニット7a〜7dの電流路75群同士は互いに並列に接続されている。また各カーボンナノチューブユニット7a〜7dに夫々対向するように4個の熱電子引き出し用の例えば網状の電極81が設けられており、これら電極81に正の電位を印加するための電圧供給部である電源部82が設けられている。
【0020】
前記電極層72は、例えば銅を主体とし、触媒微粒子例えば鉄、コバルトあるいはニッケルなどの超微粒子を分散させて構成されており、例えば銅とニッケルとを基体71の表面に同時にスパッタリングすることにより形成される。カーボンナノチューブ73は外径が1μm以下、例えば数nm〜数十nm、長さが例えば数μmのカーボンからなるチューブであり、真空雰囲気かつ加熱雰囲気の下で例えばメタンガスを電極層72に供給することにより前記触媒微粒子を起点として成長する。供給するガスとしてはメタンガスに限らずエタンガス、プロパンガスなど他の炭化水素ガスであってもよい。
【0021】
活性化装置6は、専用の装置でカーボンナノチューブ73を成長させて製造してもよいが、例えば筒状体61にヒータなどの加熱手段を設けると共に縦型熱処理装置のガス供給管5に取り付けた後、当該ガス供給管5にメタンガスを流してカーボンナノチューブ73を成長させるようにしてもよい。また電極層72に対向するように例えばグリッド電極を設けて正の電場を加えることで垂直あるいは垂直に近い状態でカーボンナノチューブ73が成長する。なおカーボンチューブ73の製法としては既述の手法に限られるものではない。
【0022】
次に上述の減圧CVD装置を用いて実施する熱処理の一例について述べる。先ず被処理体である基板例えばウエハWを所定枚数ウエハボ−ト2に棚状に保持してボ−トエレベ−タ24を上昇させることにより反応管1内に搬入する(図1の状態)。ウエハボ−ト2が搬入されてマニホールド11の下端開口部が蓋体21により塞がれた後、反応管1内の温度を例えば600℃のプロセス温度に安定させ、排気管13を通じて真空ポンプ14により所定の真空度に反応管1内を真空排気する。
【0023】
そして反応管1内がプロセス温度に安定した後、第1のガス供給管4からジクロルシランガスを、また第2のガス供給管5からアンモニアガスを夫々反応管1内に供給すると共に、電源部76から各カーボンナノチューブユニット7(7a〜7b)の電極層72群に例えば10Vの電圧を印加する。カーボンナノチューブ73の電気伝導性は非常に高いことから、図4に示すように高密度の熱電子が当該カーボンナノチューブ73から放出され、アンモニアの分子に衝突してその衝突エネルギーによりアンモニアガスが活性化される。即ちアンモニアガスからNH3* 、NH2* 、NH* 、N* などの活性種及びN2H4(ヒドラジン)が生成されていると推測される。なおN2H4は活性の強いガスであることから活性種として取り扱う。この例では引き出し電極81を設けてこれに例えば数ボルトの正の電位を与えているので、熱電子を効率よくアンモニアガスの通流空間に引き出すことができる。なおこの引き出し電極81は必ずしも設けることに限らない。
【0024】
ここでラジカルはライフタイムが短いが、反応管1内が減圧されているためガス供給管5内のガスの流速は非常に早く、このため上記のラジカルは死活する前に反応管1内に供給される。またN2H4は死活するおそれはなく、仮に前記ラジカルが反応管1内に供給される前に死活したとしても(流速が早いことからそのおそれはないと考えられるが)、N2H4は反応管1内にて活性種として反応に寄与する。
【0025】
こうして活性種が反応管1内に供給され、ジクロルシランガスと反応して窒化シリコン膜がウエハW上に成膜するが、活性種とジクロルシランガスとの反応であることからアンモニア分子で反応する場合に比べて活性化エネルギーが小さくて済み、従ってアンモニアガスを用いる場合よりも低温で窒化シリコン膜がウエハW上に成膜される。
【0026】
上述実施の形態によれば、反応管1内に供給されるアンモニアガスは予め活性化されているので、既述のようにプロセスの低温化を図ることができる。そして活性化させる手法としてカーボンナノチューブ73を通電することにより加熱し、カーボンナノチューブ73から熱電子を放出しており、カーボンナノチューブ73は電気伝導性が非常に高いことから例えば10V程度の電圧の印加により高密度な熱電子を放出することができるので、アンモニアガスを活性化させるための投入電力が少なくて済むし、装置も大掛かりにならない。またカーボンナノチューブ73の配置エリアを自由に大きくすることができるので、レーザ光のようにスポットでガスにエネルギーを与える場合に比べて高い効率でアンモニアガスを活性化できる。従来のプロセス温度が760℃程度であったが、このようにして活性化されたアンモニアガスを用いれば、600℃程度まではプロセス温度を下げることができると推測される。更にまたカーボンから熱電子を放出させているので金属汚染の懸念がないという利点もある。
【0027】
上述の例では、活性化装置6は反応管1の外側に設けられているが、反応管1の中に設けるようにしてもよい。図5はこのような構成の一例を示すものであり、活性化装置6は、反応管1内に挿入されているガス供給管5の先端部に設けられている。そして図6に示すように前記電極層72を通電するための給電路77(77a)や引き出し電極81に電圧を印加するための給電路77(77b)は、例えばカーボンなどからなる導電線を石英などのセラミックスからなる保護チューブ内に封入して構成され、その一端側が反応管1の外に引き出されると共にその他端側が筒状体61側に設けられている給電ポート64(65)に接続されている。このように反応管1内に活性化装置6を配置すれば、活性種をより長い時間反応管1内に滞在させることができ、プロセス温度をより一層低下することに寄与できる。
【0028】
またアンモニアガスとジクロルシランガスとを反応させることに限らず、アンモニアガスと四塩化チタン(TiCl4)ガスとを反応させてチタンナイトライドを成膜する場合にも適用できる。以上の説明では、活性化してもそれ自身では成膜しないガスの例としてアンモニアガスを挙げたが、アンモニア以外のガス、例えばメタン(CH4)ガスなどであってもよい。
【0029】
更に熱処理装置としては成膜装置に限らず酸化装置やアニール装置などであってもよく、またバッチ式のものに限らず例えば1枚づつ基板を処理する枚葉式の熱処理装置であってもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、カーボンナノチューブ群を通電により加熱し、その加熱により放出された熱電子により処理ガスを活性化させるようにしており、カーボンナノチューブは電気伝導性が非常に高く高密度の熱電子を高効率で放出できることから、小さな投入電力で処理ガスの活性化を図ることができ、熱処理の低温化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断側面図である。
【図2】上記の熱処理装置に用いられる活性化装置を示す縦断側面図である。
【図3】上記の活性化装置の内部を示す斜視図である。
【図4】上記の活性化装置に用いられるカーボンナノチューブから放出される熱電子により処理ガスが活性化されてる様子を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る熱処理装置を示す略解断面図である。
【図6】図5に示す実施の形態において活性化装置の給電路の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
1 反応管
11 マニホ−ルド
13 排気管
2 ウエハボート
3 ヒータ
4 第1のガス供給管
5 第2のガス供給管
6 活性化装置
61 筒状体
71 基体
72 電極層
73 カーボンナノチューブ
74 絶縁層
75 電流路
76 電源部
77、77a、77b 給電路
81 引き出し電極
82 電源部
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め処理ガスを活性化させて反応容器内に供給し、処理ガスにより反応容器内の被処理体に対して熱処理を行う熱処理装置及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスは、高集積化に伴って多層構造が採用され、また薄膜化、微細化が進んでいることから、半導体製造工程における熱処理プロセスについて低温下が要請されている。例えばCMOSのソース、ドレイン間には不純物を拡散する拡散層が形成され、この拡散層は浅く設定されているが、その後の熱処理プロセスにおいてプロセス温度が高いと拡散層が熱により再拡散してその深さが設計値よりも大きくなってしまう。また一部のデバイスの電極材料については、ニッケルを使用することが検討されているが、ニッケルの融点は低いため、低温プロセスの実現化が要請されている。
【0003】
例えば窒化シリコン膜は、比誘電率が高いことから物理的膜厚が大きくてもシリコン酸化膜と同等の電気的特性が得られ、リーク電流の防止効果が大きいなどゲート絶縁膜として有望な膜である。この窒化シリコン膜は、例えばジクロルシランガスとアンモニアガスとを減圧雰囲気において770℃程度のプロセス温度で反応させて半導体ウエハ(以下ウエハという)上に成膜される(例えば特許文献1)。しかしながら上述の事情によりこの成膜プロセス温度を下げる技術を開発する必要に迫られている。
【0004】
こうしたことから特許文献2には、反応容器とは別の領域で反応ガスを励起手段により励起し、その励起手段として熱、光、電子線あるいは放電が用いることが記載されている。また特許文献3には、加熱されたタングステン触媒体にモノシランガス及びアンモニアガスを接触させて活性種を生成し、シリコン基板上に窒化シリコン膜を堆積させることが記載されている。いずれの手法においても反応ガスが活性化されているので反応容器内のプロセス温度を低下させることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2001308085号公報:段落0018
【特許文献2】特開平7−14826号公報:請求項8
【特許文献3】特開2000−216163号公報:段落0034
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら処理ガスを活性化させるために熱や触媒を用いる場合には、処理ガスに大きなエネルギーを加えることができず、適用できるガス種が限定されてしまうという問題がある。また光でガスを励起させる場合には実際にはレーザ光を用いることになるが、その場合照射領域が狭いので効率が悪いという欠点がある。電子線を用いる場合も同様の欠点がある。更にまた放電による励起は高電圧電源を必要とし、装置が大掛かりになってしまう。
【0007】
本発明は、このような背景の下になされたものであり、その目的は、処理ガスを効率良く活性化することができ、熱処理の低温化を図ることのできる熱処理装置及び熱処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、反応容器内に被処理体を搬入し、この反応容器内に処理ガスを供給すると共に加熱手段により反応容器内を加熱して前記被処理体に対して熱処理を行う熱処理装置において、
反応容器内に処理ガスを供給するためのガス供給路と、
このガス供給路に設けられ、処理ガスを活性化させるための活性化手段と、を備え、
前記活性化手段は、基体に設けられた電極層と、この電極層上に形成されたカーボンナノチューブと、前記電極層を通電するための電源部と、を備え、カーボンナノチューブから放出された熱電子により処理ガスを活性化させることを特徴とする。
【0009】
カーボンナノチューブは例えば外径が1μm以下のものが用いられる。また基体としては絶縁体または半導体を用いることができる。前記活性化手段は、カーボンナノチューブに対向するように設けられた電極と、カーボンナノチューブからの熱電子を引き出すためにこの電極に正の電圧を印加するための電圧供給部と、を備える構成としてもよい。また前記活性化手段は反応容器の外に設けてもよいし、反応容器の中に設けてもよいが、活性種が直ぐに失活する場合には、反応容器内の処理雰囲気にできるだけ近い方が望ましい。
この発明は、例えば互いに種類が異なり、互いの反応により成膜される複数の処理ガスを反応容器内に夫々供給するための複数のガス供給路を備えた装置に適用することができ、この場合活性化手段はこれらガス供給路のうち活性化しても成膜が起こらない処理ガスのガス供給路に設けられる。具体的な例としては、例えば活性化手段はアンモニアガスのガス供給路に設けられる。
【0010】
本発明は熱処理方法としても成り立つものであり、その方法は、
反応容器内に被処理体を搬入する工程と、
電極層上に形成されたカーボンナノチューブを備えた活性化手段に処理ガスを通流させ、電極層を通電してカーボンナノチューブから熱電子を放出させて処理ガスを活性化させる工程と、
活性化された処理ガスを反応容器内に供給すると共に加熱手段により反応容器内を加熱して被処理体に対して熱処理を行う工程と、を含むことを特徴とする。この方法の発明をより具体化した例としては、例えば活性化しても成膜が起こらない第1の処理ガスを活性化手段により活性化する工程と、
活性化すると成膜が起こる第2の処理ガスを反応容器内に供給する工程と、
第1の処理ガス及び第2の処理ガスを反応させて被処理体に対して成膜処理を行う工程と、を含む。この場合、第2の処理ガスに加えて第3の処理ガスも加わって成膜処理が行われる場合も含む。また第1の処理ガスは例えばアンモニアガスである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の熱処理装置を縦型熱処理装置に適用した実施の形態について説明する。図1は、縦型熱処理装置であるバッチ式(複数枚同時プロセス)の減圧CVD装置であり、図1中の1は、例えば石英で作られた内管1a及び外管1bよりなる二重管構造の反応容器をなす反応管である。反応管1の下部側には金属製の筒状のマニホールド11が設けられている。前記内管1aは上端が開口されており、マニホールド11の内方側にて支持されている。外管1bは上端が塞がれており、下端がマニホールド11の上端に気密に接合されている。12はベースプレートである。
【0012】
図1は反応管1内にウエハWが搬入されて成膜処理する状態を示しており、前記反応管1内には、複数枚の被処理体をなすウエハWが各々水平な状態で上下に間隔をおいて保持具である石英製のウエハボート2に棚状に載置されている。ウエハボート2は蓋体21の上に例えば石英製の保温ユニット22の設置領域を介して保持されている。保温ユニットは22は石英フィンなどの断熱ユニット及び発熱体ユニットを組み合わせて成り、その中央には、回転軸23が貫通していてボ−トエレベ−タ24に設けられたモ−タMにより回転軸23を介してウエハボ−ト2が回転する。
【0013】
前記蓋体21は、ウエハボート2を反応管1内に搬入、搬出するためのボートエレベータ24の上に搭載されており、上限位置にあるときにはマニホールド11の下端開口部を閉塞する役割を持つものである。
【0014】
また反応管1の周囲には、これを取り囲むように例えば抵抗発熱ヒータ素線よりなる加熱手段であるヒータ30が設けられている。この例では反応管1内の熱処理雰囲気の大部分を受け持つメインヒータ及びその上下に配置されたサブヒータ並びに天井部に設けられたサブヒータが設けられているが、符号は便宜上全て「30」を付してある。なおヒータ30の周囲には図示していないが、炉本体が設けられる。
【0015】
前記マニホールド11の周囲には、ガス供給路である第1のガス供給管4及び第2のガス供給管5が設けられ、夫々内管1aの中にガスを供給できるようになっている。第1のガス供給管4には、第1の処理ガスであるジクロルシラン(SiH2Cl2)ガスのガス供給源41、バルブ42、流量調整部であるマスフローコントローラ43及びバルブ44が上流側からこの順に設けられている。また第2のガス供給管5には、第2の処理ガスであるアンモニア(NH3)ガスのガス供給源51、バルブ52、流量調整部であるマスフローコントローラ53、バルブ54及びアンモニアガスを活性化するための活性化手段である活性化装置6が上流側からこの順に設けられている。
【0016】
更に前記マニホールド11には、内管1aと外管1bとの間の空間から排気できるように排気管13が接続されており、この排気管13には真空ポンプ14が接続されている。
【0017】
次に前記活性化装置6について図2及び図3を参照しながら説明する。この活性化装置6は、活性化室を区画する例えば円筒状の筒状体61と、この筒状体61の一端側及び他端側に夫々設けられたガス導入ポート62及びガス排出ポート63と、筒状体61の内周面に周方向に等間隔に設けられた4個のカーボンナノチューブユニット7(7a〜7d)と、を備えている。各カーボンナノチューブ7ユニットは、筒状体61の長さ方向に帯状に形成されかつこの筒状体61の内周面に固定された絶縁体例えばアルミナからなる基体71を備えており、この基体71の表面に例えば平面が角型の電極層72が長さ方向に間隔をおいて形成されている。なお基体71としてはシリコン基板などの半導体であってもよい。
【0018】
各電極層72の表面には複数のカーボンナノチューブ73が例えば筒状体61の内側空間に向かって延びるように形成されている。カーボンナノチューブ73の集合体は図示の便宜上実際よりも密度を低く描いてある。またこの例では、互いに隣接する電極層72、72同士の間において基体71の表面に例えばカーボンナノチューブ73の高さとほぼ同じ高さの絶縁層74が設けられている。電極層72をこのように複数配列した理由は、電極層72を分割してその各々に通電することにより電流の偏りを防止するためであり、その場合電極層72、72間の放電を防止するために絶縁層74を設けている。なおカーボンナノチューブユニット7の表面のレイアウトにおいては、電極層72を分割して絶縁層74介在させる構成に限定されるものではない。
【0019】
更に長さ方向に配列される電極層72は、例えば基体71内に埋設されたワイヤなどからなる電流路75により直列に接続され、この電流路75の群の両端部は例えば供給電流をコントロールできるように構成された電源部76に接続されている。なおこの例では、各カーボンナノチューブユニット7a〜7dの電流路75群同士は互いに並列に接続されている。また各カーボンナノチューブユニット7a〜7dに夫々対向するように4個の熱電子引き出し用の例えば網状の電極81が設けられており、これら電極81に正の電位を印加するための電圧供給部である電源部82が設けられている。
【0020】
前記電極層72は、例えば銅を主体とし、触媒微粒子例えば鉄、コバルトあるいはニッケルなどの超微粒子を分散させて構成されており、例えば銅とニッケルとを基体71の表面に同時にスパッタリングすることにより形成される。カーボンナノチューブ73は外径が1μm以下、例えば数nm〜数十nm、長さが例えば数μmのカーボンからなるチューブであり、真空雰囲気かつ加熱雰囲気の下で例えばメタンガスを電極層72に供給することにより前記触媒微粒子を起点として成長する。供給するガスとしてはメタンガスに限らずエタンガス、プロパンガスなど他の炭化水素ガスであってもよい。
【0021】
活性化装置6は、専用の装置でカーボンナノチューブ73を成長させて製造してもよいが、例えば筒状体61にヒータなどの加熱手段を設けると共に縦型熱処理装置のガス供給管5に取り付けた後、当該ガス供給管5にメタンガスを流してカーボンナノチューブ73を成長させるようにしてもよい。また電極層72に対向するように例えばグリッド電極を設けて正の電場を加えることで垂直あるいは垂直に近い状態でカーボンナノチューブ73が成長する。なおカーボンチューブ73の製法としては既述の手法に限られるものではない。
【0022】
次に上述の減圧CVD装置を用いて実施する熱処理の一例について述べる。先ず被処理体である基板例えばウエハWを所定枚数ウエハボ−ト2に棚状に保持してボ−トエレベ−タ24を上昇させることにより反応管1内に搬入する(図1の状態)。ウエハボ−ト2が搬入されてマニホールド11の下端開口部が蓋体21により塞がれた後、反応管1内の温度を例えば600℃のプロセス温度に安定させ、排気管13を通じて真空ポンプ14により所定の真空度に反応管1内を真空排気する。
【0023】
そして反応管1内がプロセス温度に安定した後、第1のガス供給管4からジクロルシランガスを、また第2のガス供給管5からアンモニアガスを夫々反応管1内に供給すると共に、電源部76から各カーボンナノチューブユニット7(7a〜7b)の電極層72群に例えば10Vの電圧を印加する。カーボンナノチューブ73の電気伝導性は非常に高いことから、図4に示すように高密度の熱電子が当該カーボンナノチューブ73から放出され、アンモニアの分子に衝突してその衝突エネルギーによりアンモニアガスが活性化される。即ちアンモニアガスからNH3* 、NH2* 、NH* 、N* などの活性種及びN2H4(ヒドラジン)が生成されていると推測される。なおN2H4は活性の強いガスであることから活性種として取り扱う。この例では引き出し電極81を設けてこれに例えば数ボルトの正の電位を与えているので、熱電子を効率よくアンモニアガスの通流空間に引き出すことができる。なおこの引き出し電極81は必ずしも設けることに限らない。
【0024】
ここでラジカルはライフタイムが短いが、反応管1内が減圧されているためガス供給管5内のガスの流速は非常に早く、このため上記のラジカルは死活する前に反応管1内に供給される。またN2H4は死活するおそれはなく、仮に前記ラジカルが反応管1内に供給される前に死活したとしても(流速が早いことからそのおそれはないと考えられるが)、N2H4は反応管1内にて活性種として反応に寄与する。
【0025】
こうして活性種が反応管1内に供給され、ジクロルシランガスと反応して窒化シリコン膜がウエハW上に成膜するが、活性種とジクロルシランガスとの反応であることからアンモニア分子で反応する場合に比べて活性化エネルギーが小さくて済み、従ってアンモニアガスを用いる場合よりも低温で窒化シリコン膜がウエハW上に成膜される。
【0026】
上述実施の形態によれば、反応管1内に供給されるアンモニアガスは予め活性化されているので、既述のようにプロセスの低温化を図ることができる。そして活性化させる手法としてカーボンナノチューブ73を通電することにより加熱し、カーボンナノチューブ73から熱電子を放出しており、カーボンナノチューブ73は電気伝導性が非常に高いことから例えば10V程度の電圧の印加により高密度な熱電子を放出することができるので、アンモニアガスを活性化させるための投入電力が少なくて済むし、装置も大掛かりにならない。またカーボンナノチューブ73の配置エリアを自由に大きくすることができるので、レーザ光のようにスポットでガスにエネルギーを与える場合に比べて高い効率でアンモニアガスを活性化できる。従来のプロセス温度が760℃程度であったが、このようにして活性化されたアンモニアガスを用いれば、600℃程度まではプロセス温度を下げることができると推測される。更にまたカーボンから熱電子を放出させているので金属汚染の懸念がないという利点もある。
【0027】
上述の例では、活性化装置6は反応管1の外側に設けられているが、反応管1の中に設けるようにしてもよい。図5はこのような構成の一例を示すものであり、活性化装置6は、反応管1内に挿入されているガス供給管5の先端部に設けられている。そして図6に示すように前記電極層72を通電するための給電路77(77a)や引き出し電極81に電圧を印加するための給電路77(77b)は、例えばカーボンなどからなる導電線を石英などのセラミックスからなる保護チューブ内に封入して構成され、その一端側が反応管1の外に引き出されると共にその他端側が筒状体61側に設けられている給電ポート64(65)に接続されている。このように反応管1内に活性化装置6を配置すれば、活性種をより長い時間反応管1内に滞在させることができ、プロセス温度をより一層低下することに寄与できる。
【0028】
またアンモニアガスとジクロルシランガスとを反応させることに限らず、アンモニアガスと四塩化チタン(TiCl4)ガスとを反応させてチタンナイトライドを成膜する場合にも適用できる。以上の説明では、活性化してもそれ自身では成膜しないガスの例としてアンモニアガスを挙げたが、アンモニア以外のガス、例えばメタン(CH4)ガスなどであってもよい。
【0029】
更に熱処理装置としては成膜装置に限らず酸化装置やアニール装置などであってもよく、またバッチ式のものに限らず例えば1枚づつ基板を処理する枚葉式の熱処理装置であってもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、カーボンナノチューブ群を通電により加熱し、その加熱により放出された熱電子により処理ガスを活性化させるようにしており、カーボンナノチューブは電気伝導性が非常に高く高密度の熱電子を高効率で放出できることから、小さな投入電力で処理ガスの活性化を図ることができ、熱処理の低温化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る熱処理装置を示す縦断側面図である。
【図2】上記の熱処理装置に用いられる活性化装置を示す縦断側面図である。
【図3】上記の活性化装置の内部を示す斜視図である。
【図4】上記の活性化装置に用いられるカーボンナノチューブから放出される熱電子により処理ガスが活性化されてる様子を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る熱処理装置を示す略解断面図である。
【図6】図5に示す実施の形態において活性化装置の給電路の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
1 反応管
11 マニホ−ルド
13 排気管
2 ウエハボート
3 ヒータ
4 第1のガス供給管
5 第2のガス供給管
6 活性化装置
61 筒状体
71 基体
72 電極層
73 カーボンナノチューブ
74 絶縁層
75 電流路
76 電源部
77、77a、77b 給電路
81 引き出し電極
82 電源部
Claims (9)
- 反応容器内に被処理体を搬入し、この反応容器内に処理ガスを供給すると共に加熱手段により反応容器内を加熱して前記被処理体に対して熱処理を行う熱処理装置において、
反応容器内に処理ガスを供給するためのガス供給路と、
このガス供給路に設けられ、処理ガスを活性化させるための活性化手段と、を備え、
前記活性化手段は、基体上に設けられた電極層と、この電極層上に形成されたカーボンナノチューブと、前記電極層を通電するための電源部と、を備え、カーボンナノチューブから放出された熱電子により処理ガスを活性化させることを特徴とする熱処理装置。 - カーボンナノチューブは外径が1μm以下であることを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
- 前記活性化手段は、カーボンナノチューブに対向するように設けられた電極と、カーボンナノチューブからの熱電子を引き出すためにこの電極に正の電圧を印加するための電圧供給部と、を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の熱処理装置。
- 互いに種類が異なり、互いの反応により成膜される複数の処理ガスを反応容器内に夫々供給するための複数のガス供給路を備え、活性化手段はこれらガス供給路のうち活性化しても成膜が起こらない処理ガスのガス供給路に設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の熱処理装置。
- 活性化手段はアンモニアガスのガス供給路に設けられたことを特徴とする請求項4記載の熱処理装置。
- 反応容器内に被処理体を搬入する工程と、
電極層上に形成されたカーボンナノチューブを備えた活性化手段に処理ガスを通流させ、電極層を通電してカーボンナノチューブから熱電子を放出させて処理ガスを活性化させる工程と、
活性化された処理ガスを反応容器内に供給すると共に加熱手段により反応容器内を加熱して被処理体に対して熱処理を行う工程と、を含むことを特徴とする熱処理方法。 - カーボンナノチューブは外径が1μm以下であることを特徴とする請求項6記載の熱処理方法。
- 活性化しても成膜が起こらない第1の処理ガスを活性化手段により活性化する工程と、
活性化すると成膜が起こる第2の処理ガスを反応容器内に供給する工程と、
第1の処理ガス及び第2の処理ガスを反応させて被処理体に対して成膜処理を行う工程と、を含むことを特徴とする請求項6または7記載の熱処理方法。 - 第1の処理ガスはアンモニアガスであることを特徴とする請求項8記載の熱処理方法。
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JP2003173788A JP2005011960A (ja) | 2003-06-18 | 2003-06-18 | 熱処理装置及び熱処理方法 |
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- 2003-06-18 JP JP2003173788A patent/JP2005011960A/ja active Pending
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