JP2005011784A - 電子放出型カラー照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数色に塗り分けた蛍光体の各単一色に精度良く電子を吸収させて発光させる電子放出型カラー照明装置技術を提示する。
【構成】カソード電極と電子引き出し電極で構成される電子放出素子から放出した電子が蛍光電極に吸収されて前記蛍光電極を電子励起発光させる電子放出型カラー照明装置において、前記蛍光電極が複数色の蛍光体を塗り分けてあることに加えて、前記放出した電子を前記蛍光体の各単一色に吸収させる偏向電極を前記電子放出素子と前記蛍光電極との間に配置していることを特徴とする電子放出型カラー照明装置。
【選択図】図1
【構成】カソード電極と電子引き出し電極で構成される電子放出素子から放出した電子が蛍光電極に吸収されて前記蛍光電極を電子励起発光させる電子放出型カラー照明装置において、前記蛍光電極が複数色の蛍光体を塗り分けてあることに加えて、前記放出した電子を前記蛍光体の各単一色に吸収させる偏向電極を前記電子放出素子と前記蛍光電極との間に配置していることを特徴とする電子放出型カラー照明装置。
【選択図】図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子放出型カラー照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子放出型照明装置または表示装置としては、様々な技術が開発されている。特開2003−86079、「電子放出装置及びその製造方法、冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置及びその製造方法」では、十分に低い閾値電位を有し、グラファイト構造を有する炭素薄膜から構成された電子放出部を備えた冷陰極電界電子放出素子を提供することを目的として、支持体上に設けられたカソード電極、及び、カソード電極上に形成された炭素薄膜から成る電子放出部を具備し、該炭素薄膜は、平均粒径1nm乃至15nmのグラファイト結晶粒子が集合して成る集合体粒子の集合から構成されている冷陰極電界電子放出素子という技術を提案している。特開平10−255699では、「発光装置およびその発光装置を用いた薄型照明装置」として、紫外光の照射がなく、しかも、発熱の少ない薄型の表示装置等の光源に適した発光装置を提供すること、あるいはその発光装置を用いた薄型照明装置を提供することを目的として、所定の間隔で対向配置された2枚の絶縁基板の一方に電界放射型電子放出源を形成すると共に、他方の基板に前記電子放出源から放出された電子によって励起発光する発光物質を形成してなる平板状の発光装置であって、前記発光物質から出力される光を端面側から取り出したことを特徴とする発光装置に関する技術を提示している。
特開2003−44000では、「蛍光表示装置」と題して、突入電流を抑制し、誤動作を防止する。使用温度範囲を広くする。ノイズの放射・伝播を抑えることを目的として、電子放出材料が塗布されたフィラメントと、このフィラメントと対向する位置に設けられた第1〜第n(n≧2)のグリッドと、蛍光体を塗布した第1〜第m(m≧2)のアノード電極群から構成され前記第1〜第nのグリッドを挟んで前記フィラメントと対向する位置に設けられたアノードと、前記第1〜第nのグリッドへ選択的に所定の直流電圧をグリッド電圧として印加するグリッドドライバと、前記第1〜第mのアノード電極群のアノード電極に表示データに基づいて選択的に所定の直流電圧をアノード電圧として印加する第1〜第mのアノードドライバと、この第1〜第mのアノードドライバへ選択指令を送り前記アノード電圧を印加するアノード電極群を切り替えるアノード電極群切替手段とを備えた蛍光表示装置において、前記アノード電圧を印加するアノード電極群と前記グリッド電圧を印加するグリッドの切り替えに際して、前記アノード電極群への所定の直流電圧および前記グリッドへの所定の直流電圧の少なくとも一方を瞬間的に低下させるとともに、その立ち上がりおよび立ち下がり波形の少なくとも一方を適度になまらせる電圧低下手段を備えたことを特徴とする蛍光表示装置の技術を開示している。
特開2003−31166、「画像表示装置」では、冷陰極の長寿命化を図ることが可能な画像表示装置を提供することを目的として、複数の冷陰極が設けられたリアプレートと、上記リアプレートに対向配置されているとともに陽極および蛍光面が設けられたフロントプレートと、上記冷陰極から放出された電子ビームを所定の方向へ偏向する偏向手段と、を備えたことを特徴とする画像表示装置技術を開示している。この技術ではカソードから放出された電子の軌跡を偏向電極で曲げることで、電子によって励起されたイオンによる冷陰極の損傷を防ぐことを目的としている。
特開2001−43817、「電界放出表示装置」では、三星エスディアイ株式会社により、製造が容易で,輝度が均一な,大面積の,カーボンナノチューブフィルムを電子放出源に使用する電界放出表示装置を提供することを目的として、表面にカソード電極とカーボンナノチューブフィルムとが形成された基板と,前記基板から離隔され,貫通孔及び互いに平行なストリップ形態の複数のグリッド電極を備えたグリッドプレートとを含むことを特徴とする電界放出表示装置の技術を提示している。
特開平11−233044、「画像表示装置」では、画像表示装置を構成する際における各構成要素の製造誤差等に起因する電子ビームのランディング位置のずれを最小限に抑え、高い解像度を有する画像表示装置を得ることを目的として、真空に保持された真空容器中に、蛍光体層と、電子源を有する電子放出源と、前記電子放出源から放出された電子ビームを偏向させる機能を有する偏向電極と、前記偏向電極で偏向された電子ビームを集束させ、その集束された電子ビームを前記蛍光体層の所定位置にランディングさせる機能を有する超集束電極とを備え、前記超集束電極には、前記電子ビームの配列ピッチに等しいピッチでスリットが形成され、前記蛍光体層には、前記超集束電極のスリットピッチの整数分の一のピッチでストライプが形成されており、前記電子放出源と前記蛍光体層との間に前記超集束電極を配置し、前記電子放出源と前記超集束電極との間に前記偏向電極を配置して、前記超集束電極に電圧を印加することによって前記スリットが集束レンズを構成し、前記集束レンズが所定の集束力と屈折力とを有することによって前記電子ビームを前記蛍光体層の所定位置にランディングさせて前記蛍光体層を発光させる画像表示装置の技術を提示している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−86079
【特許文献2】特開平10−255699
【特許文献3】特開2003−44000
【特許文献4】特開2003−31166
【特許文献5】特開2001−43817
【特許文献6】特開平11−233044
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子放出型カラー照明装置では、複数色に塗り分けた蛍光体のうちの単一色の部分に電子を吸収させようとした場合に、隣接する他色の蛍光体に電子が吸収されて発光してしまうことが起こりえて、発光色の純度が劣化する課題を抱えていた。また、蛍光体から降下するイオンで電子源が損傷する場合もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出型カラー照明装置は、カソード電極と電子引き出し電極で構成される電子放出素子から放出した電子が蛍光電極に吸収されて前記蛍光電極を電子励起発光させることに加えて、前記蛍光電極が複数色の蛍光体を塗り分けてあることおよび、前記放出した電子を前記蛍光体の各単一色に吸収させる偏向電極を前記電子放出素子と前記蛍光電極との間に配置していることおよび前記偏向電極のうち、その偏向電極の1つの電極の前面に電子を通過させることで第1の色の蛍光体に電子を導く状態と背面に電子を通過させることで第2またはそれ以降の色の蛍光体に電子を導く状態の両方の状態を実現することを第1の特徴とし、
第1の特徴に加えて、前記電子放出素子から放出された電子がいかなる場合でも必ず偏向されていることを第2の特徴とし、
第1または第2の特徴に加えて、前記偏向電極が複数個配置されていることに加えて、放出した電子が偏向電極で囲まれた任意の領域に入ると前記電子はその領域に対応した単一の蛍光体に必ず吸収されることを第3の特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の電子放出型カラー照明装置において、カソード電極と電子引き出し電極で構成される電子放出素子から放出した電子が蛍光電極に吸収されて前記蛍光電極を電子励起発光させることに加えて、前記蛍光電極が複数色の蛍光体を塗り分けてあることおよび、前記放出した電子を前記蛍光体の各単一色に吸収させる偏向電極を前記電子放出素子と前記蛍光電極との間に配置していることおよび前記偏向電極のうち、その偏向電極の1つの電極の前面に電子を通過させることで第1の色の蛍光体に電子を導く状態と背面に電子を通過させることで第2またはそれ以降の色の蛍光体に電子を導く状態の両方の状態を実現する第1の特徴を備える場合には、放出した電子が蛍光体に向かって飛行する軌跡の周囲に偏向電極が設けられていることで、電子放出素子の印加電圧、偏向電極の各電極の印加電圧、蛍光電極の印加電圧の値によって前記軌跡を制御して、所定の色の蛍光体に電子を吸収させる。電子放出素子と蛍光体電極への印加電圧を一定にして、偏向電極の各電圧を変化させることで電子はその軌跡を曲げることになる。この曲がり具合を前記偏向電極電圧によって定めることで放出電子を他の部位に飛び込ませることなく所定の蛍光体にまで導く。偏向電極の電圧を変更することである偏向電極の前面に電子を通過させることで第1の色の蛍光体に電子を導き、次の時間帯では偏向電極の各電圧を変化させて放出電子の軌跡を変えて前記電極の背面に電子を通過させて第2の色の蛍光体に吸収させる。
第1の特徴に加えて、前記電子放出素子から放出された電子がいかなる場合でも必ず偏向されている第2の特徴を備える場合には、前記電子放出素子から放出した電子がその周辺の空間における歪んだ電界によって軌跡を曲げて蛍光体に吸収される。この歪んだ電界を作り出すために前記蛍光電極に対して非対称な位置に電子放出素子を配置するもしくは偏向電極の配置や形状を前記蛍光電極に対して非対称にするもしくはその両方の特徴を備えさせる。
第1または第2の特徴に加えて、前記偏向電極が複数個配置されていることに加えて、放出した電子が偏向電極で囲まれた任意の領域に入ると前記電子はその領域に対応した単一の蛍光体に必ず吸収される第3の特徴を備える場合には、偏向電極とある単色の蛍光体で囲まれた空間に入り込んだ電子が隣接する蛍光体に入り込まないように電極の配置と電圧の印加が設定されている。この空間に入り込んだ電子は前記単色の蛍光体に吸収されるかもしくはこの蛍光体を囲んでいる偏向電極に吸収されることで、隣接した蛍光体には電子を吸収させない。
【0007】
【実施例】本発明実施例1について説明する。図1には本発明の電子放出型カラー照明装置を示す。カーボンナノチューブを表面に塗布して起毛させたカソード電極1と金属グリッド2で構成される電子放出素子3が図に描くように、背面パネル4と透明前面パネル5とフレーム6で囲まれた真空空間7の背面パネルとフレームとが接する隅に設置されている。前記透明前面パネルの内側の表面には透明導電膜であるITOが塗布されていて、ITO上には赤色色蛍光体8、緑色蛍光体9、青色蛍光体10がそれぞれ塗布されている。前記真空空間には合計4枚の偏向電極が設置されている。図で一番左側から順番に、第1偏向電極11、第2偏向電極12、第3偏向電極13、第4偏向電極14と呼ぶことにする。図1では最も左側の蛍光体である赤色蛍光体を発光させる状態を描いている。各電極に引加されている電圧は、カソード電極が0V、グリッド電極が500V、透明導電膜が4000V、第1偏向電極が3000V、第2偏向電極が2000V、第3偏向電極が1000V,第4偏向電極が0Vである。各色蛍光体は透明導電膜と同一の電圧が印加されている。この各印加電圧によって図1に描くような等電位面15が形成されて、電子放出素子からは放出電子16が図の軌跡で放出されて蛍光体に突入する。放出電子は第1偏向電極と第2偏向電極で囲まれた空間を通って赤色蛍光体に全て吸収される。この過程で赤色の発光が得られる。
【0008】放出電子の電子量はグリッド電極への印加電圧を調整することで調整が可能である。
【0009】本発明の実施例1の第2の状態について説明する。図1と同じ構造であるが、印加電圧を変えて真ん中に配置した緑色蛍光体9に電子を集めた例である。膜が4000V、第1偏向電極が2500V、第2偏向電極が2500V、第3偏向電極が2500V,第4偏向電極が1000Vである。各色蛍光体は透明導電膜と同一の電圧が印加されている。
【0010】本発明の実施例1の第3の状態について説明する。図1と同じ構造であるが、印加電圧を変えて右端に配置した青色蛍光体10に電子を集めた例である。膜が4000V、第1偏向電極が1000V、第2偏向電極が1500V、第3偏向電極が3500V,第4偏向電極が3500Vである。各色蛍光体は透明導電膜と同一の電圧が印加されている。
【0011】本発明の実施例1では図1から図3に示した第1から第3の状態を時間毎に変化させるフィールドシーケンシャルモードで駆動することで、赤色、緑色、青色の各色を順次発光させる。スキャナーやコピー装置で原稿を読取る際に、この電子放出型カラー照明装置を原稿照射光源としてこの発光のタイミングとCCDの受光タイミングとを同期させることでモノクロCCDを用いてカラー画像を取得することができる。
【発明の効果】本発明の電子放出型カラー照明装置を用いると、偏向電極で区切られた空間を電子が制御されて通過することで混色のない発光が可能となる。赤色を発光させている時には他の色は発光せずといった色純度が向上する。さらに、電子の軌道にそって長い区間に偏向電極を設けることで、偏向電極の印加電圧の振幅が小さくても効率よく電子の軌道を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の第1の状態を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例1の第2の状態を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例1の第3の状態を示す模式図である。
【符号】1はカソード電極、2は金属グリッド2、3は電子放出素子、4は背面パネル、5は透明前面パネル、6はフレーム7は真空空間、8は赤色色蛍光体、9は緑色蛍光体、10は青色蛍光体、11は第1偏向電極、12は第2偏向電極、13は第3偏向電極、14は第4偏向電極、15は等電位面、16は放出電子である。
【産業上の利用分野】
本発明は電子放出型カラー照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子放出型照明装置または表示装置としては、様々な技術が開発されている。特開2003−86079、「電子放出装置及びその製造方法、冷陰極電界電子放出素子及びその製造方法、並びに、冷陰極電界電子放出表示装置及びその製造方法」では、十分に低い閾値電位を有し、グラファイト構造を有する炭素薄膜から構成された電子放出部を備えた冷陰極電界電子放出素子を提供することを目的として、支持体上に設けられたカソード電極、及び、カソード電極上に形成された炭素薄膜から成る電子放出部を具備し、該炭素薄膜は、平均粒径1nm乃至15nmのグラファイト結晶粒子が集合して成る集合体粒子の集合から構成されている冷陰極電界電子放出素子という技術を提案している。特開平10−255699では、「発光装置およびその発光装置を用いた薄型照明装置」として、紫外光の照射がなく、しかも、発熱の少ない薄型の表示装置等の光源に適した発光装置を提供すること、あるいはその発光装置を用いた薄型照明装置を提供することを目的として、所定の間隔で対向配置された2枚の絶縁基板の一方に電界放射型電子放出源を形成すると共に、他方の基板に前記電子放出源から放出された電子によって励起発光する発光物質を形成してなる平板状の発光装置であって、前記発光物質から出力される光を端面側から取り出したことを特徴とする発光装置に関する技術を提示している。
特開2003−44000では、「蛍光表示装置」と題して、突入電流を抑制し、誤動作を防止する。使用温度範囲を広くする。ノイズの放射・伝播を抑えることを目的として、電子放出材料が塗布されたフィラメントと、このフィラメントと対向する位置に設けられた第1〜第n(n≧2)のグリッドと、蛍光体を塗布した第1〜第m(m≧2)のアノード電極群から構成され前記第1〜第nのグリッドを挟んで前記フィラメントと対向する位置に設けられたアノードと、前記第1〜第nのグリッドへ選択的に所定の直流電圧をグリッド電圧として印加するグリッドドライバと、前記第1〜第mのアノード電極群のアノード電極に表示データに基づいて選択的に所定の直流電圧をアノード電圧として印加する第1〜第mのアノードドライバと、この第1〜第mのアノードドライバへ選択指令を送り前記アノード電圧を印加するアノード電極群を切り替えるアノード電極群切替手段とを備えた蛍光表示装置において、前記アノード電圧を印加するアノード電極群と前記グリッド電圧を印加するグリッドの切り替えに際して、前記アノード電極群への所定の直流電圧および前記グリッドへの所定の直流電圧の少なくとも一方を瞬間的に低下させるとともに、その立ち上がりおよび立ち下がり波形の少なくとも一方を適度になまらせる電圧低下手段を備えたことを特徴とする蛍光表示装置の技術を開示している。
特開2003−31166、「画像表示装置」では、冷陰極の長寿命化を図ることが可能な画像表示装置を提供することを目的として、複数の冷陰極が設けられたリアプレートと、上記リアプレートに対向配置されているとともに陽極および蛍光面が設けられたフロントプレートと、上記冷陰極から放出された電子ビームを所定の方向へ偏向する偏向手段と、を備えたことを特徴とする画像表示装置技術を開示している。この技術ではカソードから放出された電子の軌跡を偏向電極で曲げることで、電子によって励起されたイオンによる冷陰極の損傷を防ぐことを目的としている。
特開2001−43817、「電界放出表示装置」では、三星エスディアイ株式会社により、製造が容易で,輝度が均一な,大面積の,カーボンナノチューブフィルムを電子放出源に使用する電界放出表示装置を提供することを目的として、表面にカソード電極とカーボンナノチューブフィルムとが形成された基板と,前記基板から離隔され,貫通孔及び互いに平行なストリップ形態の複数のグリッド電極を備えたグリッドプレートとを含むことを特徴とする電界放出表示装置の技術を提示している。
特開平11−233044、「画像表示装置」では、画像表示装置を構成する際における各構成要素の製造誤差等に起因する電子ビームのランディング位置のずれを最小限に抑え、高い解像度を有する画像表示装置を得ることを目的として、真空に保持された真空容器中に、蛍光体層と、電子源を有する電子放出源と、前記電子放出源から放出された電子ビームを偏向させる機能を有する偏向電極と、前記偏向電極で偏向された電子ビームを集束させ、その集束された電子ビームを前記蛍光体層の所定位置にランディングさせる機能を有する超集束電極とを備え、前記超集束電極には、前記電子ビームの配列ピッチに等しいピッチでスリットが形成され、前記蛍光体層には、前記超集束電極のスリットピッチの整数分の一のピッチでストライプが形成されており、前記電子放出源と前記蛍光体層との間に前記超集束電極を配置し、前記電子放出源と前記超集束電極との間に前記偏向電極を配置して、前記超集束電極に電圧を印加することによって前記スリットが集束レンズを構成し、前記集束レンズが所定の集束力と屈折力とを有することによって前記電子ビームを前記蛍光体層の所定位置にランディングさせて前記蛍光体層を発光させる画像表示装置の技術を提示している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−86079
【特許文献2】特開平10−255699
【特許文献3】特開2003−44000
【特許文献4】特開2003−31166
【特許文献5】特開2001−43817
【特許文献6】特開平11−233044
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子放出型カラー照明装置では、複数色に塗り分けた蛍光体のうちの単一色の部分に電子を吸収させようとした場合に、隣接する他色の蛍光体に電子が吸収されて発光してしまうことが起こりえて、発光色の純度が劣化する課題を抱えていた。また、蛍光体から降下するイオンで電子源が損傷する場合もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電子放出型カラー照明装置は、カソード電極と電子引き出し電極で構成される電子放出素子から放出した電子が蛍光電極に吸収されて前記蛍光電極を電子励起発光させることに加えて、前記蛍光電極が複数色の蛍光体を塗り分けてあることおよび、前記放出した電子を前記蛍光体の各単一色に吸収させる偏向電極を前記電子放出素子と前記蛍光電極との間に配置していることおよび前記偏向電極のうち、その偏向電極の1つの電極の前面に電子を通過させることで第1の色の蛍光体に電子を導く状態と背面に電子を通過させることで第2またはそれ以降の色の蛍光体に電子を導く状態の両方の状態を実現することを第1の特徴とし、
第1の特徴に加えて、前記電子放出素子から放出された電子がいかなる場合でも必ず偏向されていることを第2の特徴とし、
第1または第2の特徴に加えて、前記偏向電極が複数個配置されていることに加えて、放出した電子が偏向電極で囲まれた任意の領域に入ると前記電子はその領域に対応した単一の蛍光体に必ず吸収されることを第3の特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の電子放出型カラー照明装置において、カソード電極と電子引き出し電極で構成される電子放出素子から放出した電子が蛍光電極に吸収されて前記蛍光電極を電子励起発光させることに加えて、前記蛍光電極が複数色の蛍光体を塗り分けてあることおよび、前記放出した電子を前記蛍光体の各単一色に吸収させる偏向電極を前記電子放出素子と前記蛍光電極との間に配置していることおよび前記偏向電極のうち、その偏向電極の1つの電極の前面に電子を通過させることで第1の色の蛍光体に電子を導く状態と背面に電子を通過させることで第2またはそれ以降の色の蛍光体に電子を導く状態の両方の状態を実現する第1の特徴を備える場合には、放出した電子が蛍光体に向かって飛行する軌跡の周囲に偏向電極が設けられていることで、電子放出素子の印加電圧、偏向電極の各電極の印加電圧、蛍光電極の印加電圧の値によって前記軌跡を制御して、所定の色の蛍光体に電子を吸収させる。電子放出素子と蛍光体電極への印加電圧を一定にして、偏向電極の各電圧を変化させることで電子はその軌跡を曲げることになる。この曲がり具合を前記偏向電極電圧によって定めることで放出電子を他の部位に飛び込ませることなく所定の蛍光体にまで導く。偏向電極の電圧を変更することである偏向電極の前面に電子を通過させることで第1の色の蛍光体に電子を導き、次の時間帯では偏向電極の各電圧を変化させて放出電子の軌跡を変えて前記電極の背面に電子を通過させて第2の色の蛍光体に吸収させる。
第1の特徴に加えて、前記電子放出素子から放出された電子がいかなる場合でも必ず偏向されている第2の特徴を備える場合には、前記電子放出素子から放出した電子がその周辺の空間における歪んだ電界によって軌跡を曲げて蛍光体に吸収される。この歪んだ電界を作り出すために前記蛍光電極に対して非対称な位置に電子放出素子を配置するもしくは偏向電極の配置や形状を前記蛍光電極に対して非対称にするもしくはその両方の特徴を備えさせる。
第1または第2の特徴に加えて、前記偏向電極が複数個配置されていることに加えて、放出した電子が偏向電極で囲まれた任意の領域に入ると前記電子はその領域に対応した単一の蛍光体に必ず吸収される第3の特徴を備える場合には、偏向電極とある単色の蛍光体で囲まれた空間に入り込んだ電子が隣接する蛍光体に入り込まないように電極の配置と電圧の印加が設定されている。この空間に入り込んだ電子は前記単色の蛍光体に吸収されるかもしくはこの蛍光体を囲んでいる偏向電極に吸収されることで、隣接した蛍光体には電子を吸収させない。
【0007】
【実施例】本発明実施例1について説明する。図1には本発明の電子放出型カラー照明装置を示す。カーボンナノチューブを表面に塗布して起毛させたカソード電極1と金属グリッド2で構成される電子放出素子3が図に描くように、背面パネル4と透明前面パネル5とフレーム6で囲まれた真空空間7の背面パネルとフレームとが接する隅に設置されている。前記透明前面パネルの内側の表面には透明導電膜であるITOが塗布されていて、ITO上には赤色色蛍光体8、緑色蛍光体9、青色蛍光体10がそれぞれ塗布されている。前記真空空間には合計4枚の偏向電極が設置されている。図で一番左側から順番に、第1偏向電極11、第2偏向電極12、第3偏向電極13、第4偏向電極14と呼ぶことにする。図1では最も左側の蛍光体である赤色蛍光体を発光させる状態を描いている。各電極に引加されている電圧は、カソード電極が0V、グリッド電極が500V、透明導電膜が4000V、第1偏向電極が3000V、第2偏向電極が2000V、第3偏向電極が1000V,第4偏向電極が0Vである。各色蛍光体は透明導電膜と同一の電圧が印加されている。この各印加電圧によって図1に描くような等電位面15が形成されて、電子放出素子からは放出電子16が図の軌跡で放出されて蛍光体に突入する。放出電子は第1偏向電極と第2偏向電極で囲まれた空間を通って赤色蛍光体に全て吸収される。この過程で赤色の発光が得られる。
【0008】放出電子の電子量はグリッド電極への印加電圧を調整することで調整が可能である。
【0009】本発明の実施例1の第2の状態について説明する。図1と同じ構造であるが、印加電圧を変えて真ん中に配置した緑色蛍光体9に電子を集めた例である。膜が4000V、第1偏向電極が2500V、第2偏向電極が2500V、第3偏向電極が2500V,第4偏向電極が1000Vである。各色蛍光体は透明導電膜と同一の電圧が印加されている。
【0010】本発明の実施例1の第3の状態について説明する。図1と同じ構造であるが、印加電圧を変えて右端に配置した青色蛍光体10に電子を集めた例である。膜が4000V、第1偏向電極が1000V、第2偏向電極が1500V、第3偏向電極が3500V,第4偏向電極が3500Vである。各色蛍光体は透明導電膜と同一の電圧が印加されている。
【0011】本発明の実施例1では図1から図3に示した第1から第3の状態を時間毎に変化させるフィールドシーケンシャルモードで駆動することで、赤色、緑色、青色の各色を順次発光させる。スキャナーやコピー装置で原稿を読取る際に、この電子放出型カラー照明装置を原稿照射光源としてこの発光のタイミングとCCDの受光タイミングとを同期させることでモノクロCCDを用いてカラー画像を取得することができる。
【発明の効果】本発明の電子放出型カラー照明装置を用いると、偏向電極で区切られた空間を電子が制御されて通過することで混色のない発光が可能となる。赤色を発光させている時には他の色は発光せずといった色純度が向上する。さらに、電子の軌道にそって長い区間に偏向電極を設けることで、偏向電極の印加電圧の振幅が小さくても効率よく電子の軌道を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の第1の状態を示す模式図である。
【図2】本発明の実施例1の第2の状態を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例1の第3の状態を示す模式図である。
【符号】1はカソード電極、2は金属グリッド2、3は電子放出素子、4は背面パネル、5は透明前面パネル、6はフレーム7は真空空間、8は赤色色蛍光体、9は緑色蛍光体、10は青色蛍光体、11は第1偏向電極、12は第2偏向電極、13は第3偏向電極、14は第4偏向電極、15は等電位面、16は放出電子である。
Claims (3)
- カソード電極と電子引き出し電極で構成される電子放出素子から放出した電子が蛍光電極に吸収されて前記蛍光電極を電子励起発光させる電子放出型カラー照明装置において、前記蛍光電極が複数色の蛍光体を塗り分けてあることに加えて、前記放出した電子を前記蛍光体の各単一色に吸収させる偏向電極を前記電子放出素子と前記蛍光電極との間に配置していることおよび前記偏向電極のうち、その偏向電極の1つの電極の前面に電子を通過させることで第1の色の蛍光体に電子を導く状態と背面に電子を通過させることで第2またはそれ以降の色の蛍光体に電子を導く状態の両方の状態を実現することを特徴とする電子放出型カラー照明装置。
- 請求項1の電子放出型カラー照明装置において、前記電子放出素子から放出された電子がいかなる場合でも必ず偏向されていることを特徴とする電子放出型カラー照明装置。
- 請求項1または2の電子放出型カラー照明装置において、前記偏向電極が複数個配置されていることに加えて、放出した電子が偏向電極で囲まれた任意の領域に入ると前記電子はその領域に対応した単一の蛍光体に必ず吸収されることを特徴とする電子放出型カラー照明装置。
Priority Applications (1)
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JP2003200127A JP2005011784A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | 電子放出型カラー照明装置 |
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- 2003-06-17 JP JP2003200127A patent/JP2005011784A/ja active Pending
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