JP2005009516A - ローラチェーン用スプロケット - Google Patents

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Abstract

【課題】ローラチェーンのかみ合い時、あるいは離脱時における騒音の発生をより抑制することができるとともに、駆動力伝達時に、荷重をより多くの歯に分散させることができ、しかも、チェーンのスリップによる歯飛びをも抑制することができる新たなローラチェーン用スプロケットを提供する。
【解決手段】外周に複数の歯Tが歯間部Tsを挟んで等ピッチで形成されたローラチェーン用スプロケットGであって、各歯Tおよび各歯間部Tsは、ローラチェーンCHへの、あるいはローラチェーンCHからの駆動力伝達時、チェーンローラRが歯Tの圧力伝達側面Spのみ、あるいは、当該圧力伝達側面Spおよびこれと対向する隣接歯の前後方向側面Soのみに接触し、歯底部Tbに当接しないように形成されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明は、ローラチェーン用スプロケットに関し、より詳しくは、ローラチェーン(以下、単にチェーンということがある。)が掛け回されることによりチェーンに駆動力を伝達し、あるいは、チェーンから駆動力が伝達されるスプロケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなローラチェーン用スプロケットが用いられる動力伝達装置の典型例としては、クランク軸に取付けられた前ギヤと、後輪ハブに取付けられたフリーホイールと呼ばれる後ギヤと、これら前後ギヤ間に掛け回された無端チェーンとからなる自転車の駆動装置がある(特許文献1参照)。ペダル踏力によって前ギヤに与えられた回転駆動力は、無端チェーンを介して後ギヤに伝達されてこの後ギヤないし後輪を回転させ、自転車を前進させる。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−86471号公報
【0004】
従来の自転車の駆動装置の前ギヤとして用いられてきたスプロケットGの一般的な歯形形状を図6に示す。このスプロケットGの歯Tは、歯の前後幅の中心線に対して対称形となっており、歯先に向かうほど細状となっている。また、駆動力伝達時、チェーンCHのローラRは、歯底部Tbと、歯側面の圧力点Pの2点においてスプロケットGに接触するように設計されている。歯側面における圧力点P付近から歯先にかけては、凸に湾曲させられており、その結果、歯先に向かうほど、細状となる。
【0005】
スプロケットGに掛け回されたチェーンCHの隣接ローラ中心間を結ぶ直線と、当該ローラ中心と圧力点P間を結ぶ直線のなす角を圧力角αといい、この圧力角αは、スプロケットGの歯数が少なくなるほど大きく歯数が多くなるほど小さくなる。一般に、圧力角αが大きいほど、チェーンかみ合い時におけるローラRの衝突時の衝撃が和らげられ、かつ、隣接する複数の歯Tへの荷重分散がなされるが、スリップによる歯飛び現象が生じやすいことが知られている。スリップによる歯飛びは、ローラチェーンCHによる動力伝達装置としては致命的な欠陥となるため、実際の設計においては、歯数の多いスプロケットGにおいても、上記した圧力角αがせいぜい20°程度以下となるように設計されるのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したことから、自転車の駆動装置に用いられる上記した従来からの一般的なスプロケットGには、次のような解決するべき課題がある。
【0007】
第1に、チェーンかみ合い時におけるローラRは、上記したように歯底部Tbと圧力点Pの2点においてスプロケットGに接触するため、ローラRが歯底部Tbに衝突する際の騒音の発生を回避することができない。スプロケットGの歯底部Tbは、チェーンCHのローラRが歯間に入り込む方向とほぼ直交するため、ローラRは、スプロケットGへのチェーンかみ合い時、歯底部Tbにほぼ直角に衝突するからである。上記したように、歯数の多いスプロケットGにおいても、圧力角αはほぼ20°以下とされており、この圧力角αによる騒音低減効果が抑制されていることから、なおさらである。
【0008】
第2に、圧力角αを比較的小さく抑制せざるをえないことから、駆動力伝達時、荷重を十分に隣接歯に分散させることができず、それ故に、駆動力伝達時、チェーンCHが掛かろうとする歯T、あるいはチェーンCHが離脱しようとする歯Tに極度に荷重が集中する。そのため、歯Tの磨耗が激しく、スプロケットGの材料により強度が要求されるとともに、概して、スプロケットGの寿命が短くなる。
【0009】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ローラチェーンのかみ合い時、あるいは離脱時における騒音の発生をより抑制することができるとともに、駆動力伝達時に、荷重をより多くの歯に分散させることができ、しかも、チェーンのスリップによる歯飛びをも抑制することができる新たなローラチェーン用スプロケットを提供することをその課題とする。
【0010】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
すなわち、本願発明によって提供されるローラチェーン用スプロケットは、外周に複数の歯が歯間部を挟んで等ピッチで形成されたローラチェーン用スプロケットであって、
各歯および各歯間部は、ローラチェーンへの、あるいはローラチェーンからの駆動力伝達時、チェーンローラが歯の圧力伝達側面のみ、あるいは、当該圧力伝達側面およびこれと対向する隣接歯の前後方向側面のみに接触し、歯底部に当接しないように形成されていることを特徴としている。
【0012】
このローラチェーン用スプロケットが駆動側のスプロケットとして用いられる場合、このローラチェーンが掛かろうとする歯およびこれに隣接するいくつかの歯がローラチェーンをスプロケットの回転方向に向けて牽引し、駆動力をチェーンに伝達する。より具体的には、回転するスプロケットの接線方向にスプロケットの周速と同等の速度で走行してきたチェーンは、そのローラがスプロケットの歯間部に次々と嵌まり込むようにしてこのスプロケットに掛かってゆく。このとき、歯間部に嵌まり込んだローラが歯の圧力伝達側面に接触して歯からの駆動力を受ける。
【0013】
本願発明に係るスプロケットでは、各歯および歯間部は、上記のようにして歯間部に嵌まり込むローラが、圧力伝達側面のみ、あるいは、この圧力伝達側面およびこれと対向する隣接歯の前後方向側面に接触し、歯底部には接触しないように形成されている。これらの歯の圧力伝達側面およびこれに対向する隣接歯の前後方向側面は、ローラが歯間部に嵌まり込もうとする方向に対して傾斜しているので、ローラがこれらの歯の側面に衝突するときの衝撃が著しく緩和され、したがって、ローラが歯間部に嵌まり込む際の騒音の発生を効果的に抑制することができる。
【0014】
好ましい実施の形態においては、各歯における上記圧力伝達側面は、各歯の高さ方向について、圧力点付近で凹に湾曲させられている。
【0015】
好ましい実施の形態においてはまた、上記圧力点における圧力角は、25〜35°、より好ましくは28〜32°に設定されている。
【0016】
これらの好ましい実施形態においては、従来において圧力点での圧力角が20°程度と比較的小さかったのに対し、圧力点での圧力角が大きくなっている。そうして、この圧力点が設定された圧力伝達側面は、圧力点付近で凹に湾曲していることは、かりに、歯側面におけるローラの接触点が上記設定された圧力点より歯高さ方向上方にずれた場合、見かけ上の圧力角が上記圧力点での圧力角よりも次第に小さくなることを意味する。
【0017】
歯間部に嵌まり込んだローラが歯側面から圧力を受けると、圧力点付近の圧力角が大きいため、ローラは、歯側面の斜面効果によって歯高さ方向上方にずれ動こうとする。この影響は、ローラチェーンが掛かり始めた歯が数ピッチ分回転するまで続く。このことは、チェーンを牽引してこれに駆動力を伝達するための荷重を、いくつかの歯に分散させることができることを意味する。したがって、かかる構成のスプロケットでは、駆動力伝達時、一部の歯に荷重が極度に集中することを回避し、スプロケットの寿命を延長することができる。
【0018】
また、歯側面において、ローラが上記圧力点から歯高さ方向上方にずれ動くと、上記したように、見かけの圧力角が次第に小さくなるので、不用意に歯飛びが生じるといった事態をも、有効に回避することができる。
【0019】
好ましい実施の形態において、上記ローラチェーン用スプロケットは、自転車の前ギヤまたは後ギヤとして用いられるものであるが、本願発明にローラチェーン用スプロケットは、このような自転車の駆動部への適用に限られるものではない。
【0020】
本願発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本願発明を自転車の駆動部における前ギヤに適用したスプロケットGの一例の全体側面図、図2は、歯および歯間部の詳細説明図、図3は、ローラチェーンが掛かろうとする場合の挙動の検討図、図4は、ローラチェーンが離脱しようとする場合の挙動の検討図、図5は、歯部の厚み方向拡大断面図である。
【0023】
このスプロケットGは、中心ハブ部2と、この中心ハブ部2から等しい中心角ごとに放射状に延びるステー部3と、これらステー部3の外方端につながる外周リング部4とを備えており、金属板材を打ち抜き、プレス加工することにより形成される。中心ハブ部2には、内周にセレーションが形成された中心孔5が形成されている。このスプロケットGは、クランク軸に取付けられたクランクアーム(図示略)の基端ボス部に対し、上記中心孔5を嵌合させることにより固定保持される。このスプロケットGの中心は、クランク軸と対応しており、駆動力伝達時、このスプロケットGは、図1の時計周り方向(矢印P方向)に回転する。このスプロケットGには、図示しない後ギヤを離れて矢印p方向に走行してきたローラチェーンCHがスプロケットG上部において掛かってゆき、このスプロケットGの右半分に掛け回された後、スプロケットG下部から後ギヤに向けて離脱する。すなわち、このスプロケットGは、ローラチェーンCHを牽引してこれに駆動力を伝達する、駆動側のスプロケットGとして機能する。
【0024】
スプロケットGの外周リング部の外周には、複数の歯Tが歯間部Tsを挟んで等ピッチで形成されている。歯Tおよび歯間部Tsのピッチ円PC上のピッチは、ローラチェーンCHのピッチ、すなわち、ローラ間ピッチと対応させられている。上記のように後ギヤを離れて走行してきたローラチェーンCHは、そのローラRが歯間部Tsに嵌まり込むようにして、このスプロケットGに掛かってゆく。上記したように、このスプロケットGは、駆動側のスプロケットGとして機能するので、その回転方向前方側の歯側面が圧力伝達側面としてローラRに接触してこのローラRを押し、チェーンCHに駆動力を伝達する。各ローラRの中心がスプロケットGのピッチ円PCと対応している場合において、上記歯側面がローラRに接触してこれを押す点を、圧力点Pという。
【0025】
さて、このスプロケットGに形成された歯Tおよび歯間部Tsは、図6に示した従来のスプロケットGの場合のように、前後方向について対称形とはなっていない。このスプロケットGの歯Tおよび歯間部Tsの形状は、次の点に特徴づけられる。
【0026】
第1に、上記圧力伝達側面Spにおける圧力点Pでの圧力角αは、25〜35°、より好ましくは28〜32°と、従前のスプロケットGにおける圧力角(20°以下)に比較して、大幅に大きくしてある。図に示す実施形態では、この圧力角αは、30°に設定してある。
【0027】
第2に、上記圧力点P付近において、歯Tの圧力伝達側面Spはゆるやかに凹に湾曲させられている。したがって、ローラRが上記圧力点Pより歯高さ方向下方にずれ動いた場合の見かけの圧力角は、上記圧力点Pにおける圧力角αよりもさらに大きくなる一方、ローラRが上記圧力点Pより歯高さ方向上方にずれ動いた場合の見かけの圧力角は、上記圧力点Pにおける圧力角αよりも次第に小さくなる。
【0028】
第3に、歯底部Tbの位置は、通常のスプロケットGの場合よりも低く、かつ、歯底部Tb付近の曲率は、ローラRの外周の曲率よりも大きくしてあり、したがって、ローラRは、決して歯底部Tbに当接することはない。
【0029】
第4に、各歯Tの高さ、とりわけ、ピッチ円PCより上の寸法は、従前のスプロケットGのそれよりも大きくしてある。
【0030】
図2は、上記スプロケットGにローラチェーンCHが理想的な恰好で掛け回されている状態を模式的に示している。スプロケットGは時計周り方向(矢印P方向)に回転しており、ローラチェーンCHに駆動力を伝達している。ローラRは、その中心がスプロケットGのピッチ円PC上に位置している。このとき、ローラRは、歯の圧力伝達側面Spのみに、圧力点P付近において当接しており、圧力伝達側面Spと対向する隣接歯の側面Soにも、歯底部Tbにも当接していない。ペダル踏力を解除するなどして、駆動力が解除された場合には、ローラRが図2に示される状態よりも歯底部Tb側に変位することもあろうが、この場合においても、上記隣接歯の側面Soにも当接するだけであって、決して歯底部Tbに当接するということはない。上述したように、圧力点Pでの圧力角は、30°と比較的大きいため、圧力伝達側面SpからローラRに伝達するべき荷重が増大すると、圧力伝達側面Spの斜面効果によってローラRが上記圧力点Pよりも歯高さ方向上方にずれようとするが、ローラ間ピッチは一定であること、および、圧力伝達側面Spにおける見かけの圧力角が歯高さ方向上方に向かうほど小さくなることから、必要以上にローラRが上方にずれ動き、スリップによる歯飛びを起こすといったこともない。さらには、ローラRが上方にずれ動くと、隣接する歯Tの圧力伝達側面Sp間ピッチが拡大するにもかかわらず、ローラ間ピッチが一定であることから、隣接するいくつかの歯Tの圧力伝達側面Spとこれらに当接するローラRとの間の圧力も上昇する。このことは、スプロケットGからローラチェーンCHに駆動力を伝達するために各歯Tの圧力伝達側面SpとローラRとの間に作用させる荷重を、いくつかの歯Tに分散させることができることを意味する。
【0031】
図3は、上記スプロケットGにローラチェーンCHが掛かろうとする状況を示す模式図である。スプロケットGの回転に伴い、ローラRが次々と歯間部Tsに嵌まり込むようにして、ローラチェーンCHがスプロケットGに掛かってゆく。すでに説明したように、駆動力を伝達している場合において、すでに歯間部Tsに嵌まり込んでいるローラRは、歯Tの圧力伝達側面Spにおいて、その圧力点P付近に当接しているから、次に歯間部Tsに嵌まり込もうとするローラRもまた、次の歯の圧力伝達側面Spに当接するのであり、決して歯底部Tbに当接することはない。圧力伝達側面Spは、ローラRが嵌まり込もうとする方向(ほぼスプロケットGの半径方向)に対して傾斜しているので、ローラRが圧力伝達側面Spに当接する際の衝撃は緩和され、大きな衝撃音が発生するということはない。このことは、図6に示した従来のスプロケットGにおいて、ローラRが歯底部Tbにほぼ直角に衝突する場合と比較すれば、容易に理解されよう。
【0032】
図4は、上記スプロケットGからローラチェーンCHが離脱しようとしている状況を示す模式図である。ローラRは、それまで嵌まり込んでいた歯間部Tsから次々と離脱してゆくが、上記したように、圧力点Pでの圧力角αを大きくしてあるので、歯高さを従来のスプロケットGよりも高くしていても、ローラRは、圧力伝達側面Spのどこにも干渉することなく、スムースに離脱することができる。
【0033】
上記においては、スプロケットGが駆動側のスプロケットGとして機能する場合について述べたが、被動側のスプロケットGとして機能する場合も同様の利点を享受することができる。このスプロケットGを被動側のスプロケットGとして機能させる場合、図3において、スプロケットGに掛け回されていたローラチェーンCHが矢印q方向に走行させられてスプロケットGから離脱することに伴い、スプロケットGが矢印Q方向に回転させられる。この場合において、ローラRが歯Tの圧力伝達側面Spに当接する点は、上記した駆動側スプロケットとして機能する場合と同様である。この場合においても、圧力点P付近の圧力角αを大きく設定してあることから、ローラチェーンCHからの駆動力をスプロケットGに伝達するための荷重を、いくつかの歯Tに分散させることができる。また、歯高さ方向上方に向かうほど見かけの圧力角が小さくなっていることから、スリップによる歯飛び現象を抑制することができる。
【0034】
被動側のスプロケットGとして機能させる場合、図4において、矢印q方向に走行するローラチェーンCHが矢印Q方向に回転するスプロケットGに掛かってゆく。この場合においても、ローラRは、決して歯底部Tbに当接することはなく、また、圧力伝達側面Spに傾斜状に当接するので、ローラRの衝突に起因する騒音の発生を抑制することができるのである。
【0035】
なお、このスプロケットGの歯Tの厚み方向断面は、図5に示すように、ローラチェーンCHのインナープレート間の間隔と対応した適切な形態とされるが、好ましくは、歯Tの厚み方向の側面を凸曲面状として先細状としておくことが、ローラチェーンCHのインナープレートの引っ掛かり等による騒音を防止できるので、好都合である。
【0036】
このように、上記構成のローラチェーン用スプロケットGによれば、ローラチェーンCHのかみ合い時、あるいは離脱時における騒音の発生をより抑制することができるとともに、駆動力伝達時に、荷重をより多くの歯Tに分散させることができ、しかも、チェーンのスリップによる歯飛びをも抑制することができる。
【0037】
もちろん、この発明の範囲は上記した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した事項の範囲内でのあらゆる変更は、すべて本願発明に範囲に含まれる。
【0038】
実施形態では、自転車の駆動装置に用いられるスプロケットを例としたが、本願発明の適用範囲はこれに限らず、ローラチェーンを介して駆動力を伝達する、あるいは駆動力が伝達されるあらゆるスプロケットに適用可能である。
【0039】
さらに、ローラチェーンが掛かろうとするときの騒音の発生をさらに抑制するためには、スプロケットGの特に外周の歯形成部に樹脂、セラミック、カーボン等のコーティングを施したり、ダクロダイズド処理を施しておくことが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るローラチェーン用スプロケットの一実施形態の全体側面図である。
【図2】図1に示したスプロケットの外周部における歯および歯間部の形状をこれに係るローラチェーンとともに示す部分拡大模式図である。
【図3】ローラチェーンが掛かろうとする場合の挙動を説明するための模式図である。
【図4】ローラチェーンが離脱しようとする場合の挙動を説明するための模式図である。
【図5】歯部の厚み方向拡大断面図である。
【図6】従来のローラチェーン用スプロケットの説明図である。
【符号の説明】
G スプロケット
T 歯
Ts 歯間部
CH チェーン
Tb 歯底部
PC ピッチ円
R ローラ
P 圧力点
Sp 圧力伝達側面
So 側面
α 圧力角
2 中心ハブ部
3 ステー部
4 外周リング部
5 中心孔

Claims (4)

  1. 外周に複数の歯が歯間部を挟んで等ピッチで形成されたローラチェーン用スプロケットであって、
    各歯および各歯間部は、ローラチェーンへの、あるいはローラチェーンからの駆動力伝達時、チェーンローラが歯の圧力伝達側面のみ、あるいは、当該圧力伝達側面およびこれと対向する隣接歯の前後方向側面のみに接触し、歯底部に当接しないように形成されていることを特徴とする、ローラチェーン用スプロケット。
  2. 各歯における上記圧力伝達側面は、各歯の高さ方向について、圧力点付近で凹に湾曲させられている、請求項1に記載のローラチェーン用スプロケット。
  3. 上記圧力点における圧力角は、25〜35°、より好ましくは28〜32°に設定されている、請求項2に記載のローラチェーン用スプロケット。
  4. 自転車の前ギヤまたは後ギヤとして用いられる、請求項1ないし3のいずれかに記載のローラチェーン用スプロケット。
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